JP2016128151A - コアシェル触媒の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硫酸によるカーボンの凝集を抑えつつ触媒活性の高いコアシェル触媒を製造する方法を提供する。【解決手段】パラジウム含有微粒子をコア、白金を含む金属をシェルとするコアシェル触媒の製造方法であって、イソプロパノールを0体積%超30体積%未満含むとともに硫酸及び銅をさらに含む混合溶液中で、カーボン担体に担持されたパラジウム含有微粒子に対し電位を印加して該パラジウム含有微粒子の表面の少なくとも一部を銅で被覆し、銅/パラジウム複合体を得る、第1工程と、白金イオン含有溶液中で、前記銅/パラジウム複合体の少なくとも一部の銅と白金とを置換する、第2工程とを備える、コアシェル触媒の製造方法とする。【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池電極用のコアシェル触媒の製造方法に関する。
燃料電池電極用のコアシェル触媒の製造方法として、硫酸銅溶液中で銅アンダーポテンシャル析出(Cu−UPD)法を用いてコア材料に銅を被覆させ、その後、銅と白金とを置換する技術が知られている(特許文献1)。尚、コアシェル触媒の製造工程とは異なるが、触媒インク作成時にイソプロパノールを添加する技術が知られている(特許文献2)。
特開2014−213212号公報 特開2011−070926号公報
特許文献1においてCu−UPD時には硫酸が必要である。しかしながら、硫酸は触媒担体であるカーボン上にも吸着し、カーボン同士を凝集させてしまう。そのため、Cu−UPDやPt置換を適切に行うことができず、触媒活性が低下してしまう場合があった。そこで本発明は、硫酸によるカーボンの凝集を抑えつつ触媒活性の高いコアシェル触媒を製造する方法を提供することが課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を採る。すなわち、
本発明は、パラジウム含有微粒子をコア、白金を含む金属をシェルとするコアシェル触媒の製造方法であって、イソプロパノールを0体積%超30体積%未満含むとともに硫酸及び銅を含む混合溶液中で、カーボン担体に担持されたパラジウム含有微粒子に対し電位を印加してパラジウム含有微粒子の表面の少なくとも一部を銅で被覆し、銅/パラジウム複合体を得る、第1工程と、白金イオン含有溶液中で、銅/パラジウム複合体の少なくとも一部の銅と白金とを置換する、第2工程とを備える、コアシェル触媒の製造方法である。
本発明によれば、硫酸及び銅を含む溶液中にイソプロパノールを所定量だけ添加したことによって、Cu−UPD反応やPt置換反応においてカーボンの凝集を抑えることができ、しかも触媒活性の高いコアシェル触媒を製造することができる。
イソプロパノール(IPA)添加量とコアシェル触媒活性との関係を示すデータである。 分散剤としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤(分散剤A)を使用した場合とイソプロパノール(IPA)を使用した場合とのそれぞれについて、製造されるコアシェル触媒のCV測定結果を示すデータである。 実施例にて用いた反応器を説明するための概略図である。
本発明に係るコアシェル触媒の製造方法は、パラジウム含有微粒子をコア、白金を含む金属をシェルとするコアシェル触媒の製造方法であって、イソプロパノールを0体積%超30体積%未満含むとともに硫酸及び銅を含む混合溶液中で、カーボン担体に担持されたパラジウム含有微粒子に対し電位を印加してパラジウム含有微粒子の表面の少なくとも一部を銅で被覆し、銅/パラジウム複合体を得る、第1工程と、白金イオン含有溶液中で、銅/パラジウム複合体の少なくとも一部の銅と白金とを置換する、第2工程とを備えている。
1.第1工程
第1工程は、イソプロパノールを0体積%超30体積%未満含むとともに硫酸及び銅を含む混合溶液中で、カーボン担体に担持されたパラジウム含有微粒子に対し電位を印加してパラジウム含有微粒子の表面の少なくとも一部を銅で被覆し、銅/パラジウム複合体を得る工程である。
1.1.混合溶液
混合溶液には、硫酸、銅及びイソプロパノールが含まれている。本発明に用いられる混合溶液はイソプロパノールが所定量含まれていること以外は、Cu−UPD法に用いられる従来の溶液(電解液)と同様の構成とすることができる。すなわち、混合溶液を構成する溶媒については水、有機溶媒のいずれを使用してもよいが、特に水が好ましい。混合溶液における硫酸濃度は処理すべきパラジウム含有微粒子の量等を考慮して適宜調整可能である。例えば、硫酸濃度を0.001mol/L以上とすることが好ましく、0.001〜1.0mol/Lとすることが特に好ましい。混合溶液における銅濃度についてもCu−UPDによってパラジウム含有微粒子の表面に銅を被覆させることができる程度の濃度であればよく、処理すべきパラジウム含有微粒子の量等を考慮して適宜調整可能である。尚、混合溶液において銅は少なくとも銅イオンとして含まれている。銅イオンの対となるアニオンは硫酸イオンに限られない。すなわち、上記の硫酸とは別に硫酸銅以外の銅塩を添加することによって、混合溶液中に銅(銅イオン)を含ませてもよい。ただし、Cu−UPD法を適切に進行させるには、パラジウム含有微粒子の表面にスルホン酸基と銅とを共吸着させる必要があるため、混合溶液において硫酸と銅とを含ませる必要がある。混合溶液の温度は、特に限定されないが、15〜30℃であることが好ましい。
本発明は、混合溶液中に分散剤として低級アルコールであるイソプロパノールを含ませた点に特徴がある。混合溶液中にイソプロパノールが存在しない場合、パラジウム含有微粒子の担体であるカーボンの凝集が発生する。カーボンが凝集すると、カーボン内部に埋没したパラジウム含有微粒子に十分量のCu2+/Pt2+が供給できず、Cu−UPD反応やPt置換反応を適切に行うことができない。結果として、例えばPt置換時にPtの偏析が生じ、触媒活性が低下してしまう。一方、イソプロパノールの含有量が多過ぎると、イソプロパノールによる還元作用によって混合溶液中の銅イオンの析出が生じる。結果、Cu−UPD反応が進行せず、触媒活性が低下してしまう。本発明者らによる鋭意研究の結果、混合溶液中におけるイソプロパノールの含有量が0体積%超30体積%未満の場合に限り、硫酸によるカーボン凝集を抑制しつつ触媒活性の高いコアシェル触媒を製造可能であることを突き止めた(図1参照)。イソプロパノールの含有量は下限が好ましくは5質量%以上であり、上限が好ましくは20体積%以下である。
尚、混合溶液中に、分散剤として、イソプロパノールに替えて他の低級アルコールを含ませた場合であっても所望の効果が奏されるものと考えられる。そのような低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、シクロヘキサノール等が挙げられる。これら低級アルコールの含有量は、上述したイソプロパノールの場合と同程度とすればよい。
本発明者らは鋭意研究により以下の知見も得た。すなわち、分散剤として低級アルコールを用いずに、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤といった公知の高分子分散剤を用いた場合、カーボン表面のみならずパラジウム含有微粒子の表面まで分散剤によって被覆されてしまう。その結果、Pt置換反応が進行せず、白金シェルを適切に形成することができない(図2参照)。一方で分散剤として低級アルコールを用いた場合はこのようなことは生じず、Cu−UPD反応及びPt置換反応を適切に進行できる。この点、分散剤として低級アルコールを所定量用いることによる優位な効果がある。
1.2.パラジウム含有微粒子
パラジウム含有微粒子は、燃料電池用コアシェル触媒のコアとして使用可能なものであれば、その形態は特に限定されるものではない。例えば、パラジウム粒子及びパラジウム合金粒子から選ばれる少なくとも一方の粒子を用いることができる。パラジウム合金としては、イリジウム、ルテニウム、ロジウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀及び金からなる群より選ばれる1種以上の金属材料とパラジウムとの合金が挙げられる。パラジウム合金は、合金全体を基準(100質量%)として、パラジウムを80質量%以上含むことが好ましい。これにより、より均一なコアシェル構造を形成することができる。
パラジウム微粒子の平均粒子径については特に限定されるものではないが、10nm以下であることが好ましい。パラジウム含有微粒子の平均粒径が10nmを超える場合、白金の質量あたり表面積が小さくなり、必要な活性を得るには多くの白金が必要となるためコストがかかる。一方で、パラジウム含有微粒子の平均粒径が小さ過ぎると、パラジウム自体が溶けやすくなり触媒の耐久性が低下するため、パラジウム含有微粒子の平均粒径は3nm以上であることが好ましい。本発明に使用される粒子の平均粒径の算出方法は以下の通りである。すなわち、走査型電子顕微鏡(TEM)を用いて1,000,000倍のTEM写真をとり、粒子の平面上への投影面積と同一面積を有する真円の直径(円相当粒子径)を粒子の粒径とみなす。このような写真観察による粒径の測定を、同じ種類の500個の粒子について行い、これらの粒子の粒径の平均を平均粒径とする。
1.3.カーボン担体
本発明において、パラジウム含有微粒子は、カーボン担体に担持されていることが前提である。カーボン担体としては、ケッチェンブラック(商品名、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製)、バルカン(商品名、Cabot社製)、ノーリット(商品名、Norit社製)、ブラックパール(商品名、Cabot社製)、アセチレンブラック(商品名、Chevron社製)等の炭素粒子や炭素繊維等の導電性炭素材料を用いることができる。
カーボン担体の平均粒径は、特に限定されないが、好ましくは0.01〜数百μm、より好ましくは0.01〜1μmである。担体の平均粒径が上記範囲未満であると、担体が腐食劣化する場合があり、当該担体に担持されるパラジウム含有微粒子が経時的に脱落してしまうおそれがある。また、担体の平均粒径が上記範囲を超える場合、比表面積が小さく、パラジウム含有微粒子の分散性が低下するおそれがある。担体の比表面積は、特に限定されないが、好ましくは50〜2000m/g、より好ましくは100〜1600m/gである。担体の比表面積が上記範囲未満であると、担体へのパラジウム含有微粒子の分散性が低下し、十分な電池性能が発現しないおそれがある。また、担体の比表面積が上記範囲を超える場合、パラジウム含有微粒子の有効利用率が低下し、十分な電池性能が発現しないおそれがある。
カーボン担体によるパラジウム含有微粒子担持率[{(パラジウム含有微粒子質量)/(パラジウム含有微粒子質量+担体質量)}×100%]は特に限定されず、一般的には、20〜60%の範囲であることが好ましい。パラジウム含有微粒子の担持量が少なすぎると、触媒機能が十分に発現しないおそれがある。一方、パラジウム含有微粒子の担持量が多すぎると、触媒機能の観点からは特に問題は生じないかもしれないが、必要以上のパラジウム含有微粒子を担持させても、製造コストの上昇に見合った効果が得られにくくなる。
パラジウム含有微粒子をカーボン担体に担持する方法としては、従来から用いられている方法を採用することができる。例えば、担体を分散させた担体分散液に、パラジウム含有微粒子を混合し、ろ過、洗浄して、エタノール等に再分散した後、真空ポンプ等で乾燥する方法が挙げられる。乾燥後、必要に応じて、加熱処理してもよい。なお、パラジウム合金粒子を使用する場合には、合金の合成とパラジウム合金粒子の担体への担持が同時に行われてもよい。
パラジウム含有微粒子は、電位を印加する前に、酸溶液(酸を含む溶液をいう。上述の混合溶液であってもよい)中に浸漬させてクリーニング処理を施しておくことが好ましい。クリーニング処理により、パラジウム含有微粒子の表面の酸化物を除去することができる。この場合、酸溶液は、超音波ホモジナイザー、マグネチックスターラー、攪拌羽つきモーター等を用いて攪拌することが好ましい。
第1工程においては、上述の混合溶液中でカーボン担体に担持されたパラジウム含有微粒子に対し電位を印加する。電位を印加する方法は、特に限定されず、一般的な方法を採用することができる。例えば、混合溶液中に、作用極、対極及び参照極を浸漬させ、作用極に電位を印加する方法が挙げられる。作用極としては、例えば、チタン、白金メッシュ、白金板、金板等の金属材料、グラッシーカーボン、カーボン板等の導電性炭素材料等の導電性が担保できる材料を用いることができる。なお、反応容器を上記導電性材料で形成し、作用極としても機能させることもできる。金属材料の反応容器を作用極として用いる場合、反応容器の内壁には、腐食を抑制する観点から、RuOをコーティングすることが好ましい。炭素材料の反応容器を作用極として用いる場合は、コーティング無しでそのまま使用することが可能である。対極としては、例えば、白金メッシュに白金黒をめっきしたもの及び導電性炭素繊維等を用いることができる。参照極としては、可逆水素電極(reversible hydrogen electrode;RHE)、銀−塩化銀電極及び銀−塩化銀−塩化カリウム電極等を用いることができる。電位制御装置としては、ポテンショスタット及びポテンショガルバノスタット等を用いることができる。
この場合の印加電位は、パラジウム含有微粒子の表面に銅を析出させることができる電位、すなわち、銅の酸化還元電位よりも貴な電位であれば、特に限定されないが、例えば、0.35〜0.7V(vs.RHE)の範囲内であることが好ましく、0.38V(vs.RHE)であることが特に好ましい。電位を印加する時間は、特に限定されないが、60分以上行うことが好ましく、反応電流が定常となり、ゼロに近づくまで行なうことがより好ましい。
第1工程は、パラジウム含有微粒子の表面の酸化防止や銅の酸化防止の観点から、窒素雰囲気等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。また、第1工程において、混合溶液は、必要に応じて適宜攪拌することが好ましい。例えば、作用極を兼ねる反応容器を用い、該反応容器内の混合溶液にパラジウム含有微粒子を浸漬、分散させた場合、銅イオン含有電解液を攪拌することで、パラジウム含有微粒子を作用極である反応容器の表面に接触させ、各パラジウム含有微粒子に均一に電位を印加させることができる。この場合、攪拌は、第1工程において連続的に行ってもよいし、断続的に行ってもよい。
以上の第1工程を経て、Cu−UPD反応により、パラジウム含有微粒子の表面の少なくとも一部を銅で被覆することができ、銅/パラジウム複合体が得られる。本発明では、混合溶液に分散剤として所定量のイソプロパノールを含ませているため、カーボン担体の凝集を抑えつつ、Cu−UPD反応を進行させることができ、銅の偏析等を抑制することができる。
2.第2工程
第2工程は、白金イオン含有溶液中で、銅/パラジウム複合体の少なくとも一部の銅と白金とを置換する工程である。
2.1.白金イオン含有溶液
本発明により製造されるコアシェル触媒のシェルには、白金及び/又は白金合金が含まれる。白金合金としては、イリジウム、ルテニウム、ロジウム、ニッケル及び金からなる群より選ばれる金属材料との合金等が挙げられ、白金合金を構成する白金以外の金属は1種でも2種以上でもよい。白金合金は、合金全体を基準(100質量%)として、白金を90質量%以上含むことが好ましい。これにより、一層優れた触媒活性及び耐久性が得られる。
白金イオン含有溶液に用いられる白金塩は、例えば、KPtCl、KPtCl等を用いることができ、また、([PtCl][Pt(NH])等のアンモニア錯体を用いることもできる。白金イオン含有溶液中において白金イオン濃度は特に限定されないが、0.0005〜0.1mol/Lであることが好ましい。
白金イオン含有溶液は例えば上述の白金塩を酸溶液に添加することで容易に作製可能である。酸溶液を構成する酸としては硫酸、硝酸、過塩素酸、塩酸、次亜塩素酸等が挙げられる。また、酸溶液を構成する溶媒としては水が好ましい。白金イオン含有溶液は、パラジウム含有微粒子の表面の酸化防止の観点から、予め窒素をバブリングさせることが好ましい。白金イオン含有溶液の温度は、特に限定されないが、コアシェル触媒の触媒活性向上の観点から、3〜10℃であることが好ましい。
第2工程においては、パラジウム含有微粒子の表面に析出した銅に、白金イオン含有溶液を接触させることによって、イオン化傾向の違いにより、銅と白金とを置換することができる。置換時間(白金イオン含有溶液とパラジウム含有微粒子との接触時間)は、特に限定されるものではないが、10分以上確保することが好ましい。また、白金イオン含有溶液を加えていくと、反応溶液の電位が上昇していくため、そのモニター電位が変化しなくなるまで(OCVが定常となるまで)放置することがより好ましい。
以上の第2工程を経て、Pt置換反応により、パラジウム含有微粒子の表面の銅が白金で置換され、パラジウム含有微粒子をコア、白金を含む金属をシェルとするコアシェル触媒を製造することができる。本発明では、混合溶液に分散剤として所定量のイソプロパノールを含ませているため、カーボン担体の凝集を抑えつつ、Pt置換反応を進行させることができ、白金の偏析等を抑制することができる。
<実施例1>
1.第1工程
(混合溶液の準備及びPd/Cの分散)
図3に示すように、WE、CE、REをP/G配線にセットした反応器内に、0.1M硫酸500mlを充填し30分間窒素バブリングを行い、酸素を脱気した。一方で、ビーカー内にパラジウム微粒子が担持されたカーボン(Pd/C:パラジウム担持量30%)を2g秤量し、0.1M硫酸銅溶液を添加し、ホモジナイザーを用いてPd/C懸濁液を調製した。Pd/C懸濁液を反応器内に投入し、Pd/Cを含む0.05M硫酸銅水溶液とした。ここに分散剤としてイソプロパノールを所定量添加し、30分以上攪拌混合を行うことで、混合溶液中にPd/Cを分散させた。
(Cu−UPD)
P/GにてWE電極に0.38Vの電位を印加し、還元電流がゼロとなるまでCu−UPDを実施した。これにより、パラジウム微粒子の表面の少なくとも一部を銅で被覆し、銅/パラジウム複合体を得た。
2.第2工程
(Pt置換)
反応器内を常温から5℃まで冷却した。一方で、0.05M硫酸200mlに0.85gの塩化白金酸カリウムを溶解させ、窒素バブリングで酸素脱気し、白金イオン含有溶液を調製した。白金イオン含有溶液をポンプにより反応器内に投入した。OCVをモニターし、0.6〜0.9Vの範囲で電位が収束するまでPt置換を行った。
(後処理)
電位収束後、減圧濾過を実施した。その後、固形分を超純水4Lで洗浄し、60℃で真空乾燥することにより、パラジウム含有微粒子をコア、白金を含む金属をシェルとするコアシェル触媒を得た。
(コアシェル触媒の評価)
以下の測定を行うことで、コアシェル触媒の評価を行った。結果を図1に示す。
測定装置として回転ディスク電極(電極面積0.196cm)を用いて、以下の手順で測定を行った。
(i)バフ研磨により、グラッシーカーボン(GC)電極表面を鏡面に仕上げた。
(ii)超純水を用いて、電極を超音波洗浄した。
(iii)以下の組成を有するインクを超音波分散させた後、10μLだけ電極に塗布した。
(インク組成)コアシェル触媒:30mg、超純水:30ml、濃硫酸:7.5μL、5%Nafion:131μL
(iv)ガラスセルに0.1mol/L HClO溶液を入れ、電極をセットした。酸素バブリング下、電位走引範囲1.05V〜0.1V、電位走引速度10mV/sで電位を走引した(2サイクル)。2サイクル目の0.1Vから1.05Vへと走引する際の、0.9Vでの電流値(I)、0.3Vでの電流値(Id)を測定した。活性支配電流(Ik)を以下の式に基づいて算出した。
Ik=(Id×I)/(Id−I)
あらかじめ得られたコアシェル触媒の金属組成をICP−AESにて測定しておき、塗布した触媒インクからGC電極表面に載っている白金量を算出した。Ikを白金量(g)で割った値を質量活性MA(A/g−Pt)とした。
図1に示すように、イソプロパノールの添加量が0体積%超30体積%未満の場合に限り、コアシェル触媒の触媒活性が飛躍的に向上した。特に、5体積%以上20体積%以下の場合に一層顕著な効果が確認できた。
イソプロパノール未添加の場合、カーボン担体の凝集が発生し、カーボン内部に埋没したパラジウム含有微粒子に十分量のCu2+/Pt2+が供給できず、Cu−UPD反応やPt置換反応を適切に行うことができなかった結果、例えばPt置換時にPtの偏析が生じ、触媒活性が低下したものと考えられる。
一方、イソプロパノールの含有量が多過ぎる場合、イソプロパノールによる還元作用によって混合溶液中の銅イオンの析出が生じ、結果として、Cu−UPD反応が進行せず、触媒活性が低下したものと考えられる。
(高分子分散剤を用いた場合との比較)
イソプロパノールを20体積%添加した混合溶液を用いて上記した手順にてコアシェル触媒を製造した場合と、汎用の高分子分散剤であるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系界面活性剤(分散剤A、商品名:トリトンX)を1体積%添加した混合溶液を用いて上記した手順にてコアシェル触媒を製造した場合とのそれぞれについて、コアシェル触媒についてCV測定を行った。結果を図2に示す。
図2に示すように、高分子分散剤を適用した場合、Pt置換後のCV測定において、Pt由来の水素吸着/脱離が消滅していることから、Pt置換反応が進行していないことが分かる。一方、イソプロパノールを適用した場合、水素吸着が明瞭に確認でき、Cu−UPD反応及びPt置換反応を阻害せず、コアの表面に白金含有シェルが適切に形成されていることが分かる。
本発明により製造されるコアシェル触媒は燃料電池の電極用の触媒として広く利用可能である。

Claims (1)

  1. パラジウム含有微粒子をコア、白金を含む金属をシェルとするコアシェル触媒の製造方法であって、
    イソプロパノールを0体積%超30体積%未満含むとともに硫酸及び銅をさらに含む混合溶液中で、カーボン担体に担持されたパラジウム含有微粒子に対し電位を印加して該パラジウム含有微粒子の表面の少なくとも一部を銅で被覆し、銅/パラジウム複合体を得る、第1工程と、
    白金イオン含有溶液中で、前記銅/パラジウム複合体の少なくとも一部の銅と白金とを置換する、第2工程と、
    を備える、コアシェル触媒の製造方法。
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