JP2016126154A - カラーフィルター用顔料分散体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、非露光部の溶解性が高く、露光部の密着性に優れる着色組成物が得られる顔料分散体、着色組成物及びこれを用いて得られるカラーフィルターに関する。
すなわち、本発明は〔1〕〜〔3〕に関する。
〔1〕 顔料(A)と、
SP値が7.2以上8.7以下の溶媒に5質量%以上溶解し、SP値が12.2以上22.6以下の溶媒への溶解量が5質量%未満である分散剤(B)と、
式(1)で表される基を有し、SP値が7.2以上12.2以下の溶媒に5質量%以上溶解する分散剤(C)と、
エーテル系溶媒(D)と、を含有するカラーフィルター用顔料分散体。
Rx1O−(Rx2O)n−* (1)
[式中、Rx1は炭素数1以上30以下の炭化水素基を示し、Rx2は炭素数2以上4以下のアルカンジイル基を示し、*は結合部位を示す。nは平均付加モル数であり、15以上100以下である。複数の(Rx2O)は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、また複数種の(Rx2O)はいかなる配列順序であってもよい。]
〔2〕 〔1〕に記載の顔料分散体と、アルカリ可溶性樹脂、多官能モノマー、及び光重合開始剤とを含む、カラーフィルター用着色組成物。
〔3〕 〔2〕に記載の着色組成物を用いて製造される、カラーフィルター。
本発明の顔料分散体によれば、非露光部の溶解性が高く、露光部の密着性に優れる着色組成物が得られる。
顔料の分散剤として、疎水性の高い分散剤(B)と、エーテル系溶媒と親和性の高い式(1)で表される基を有する分散剤(C)を併用することで、分散時に分散剤(B)が先に顔料に吸着し、分散剤(C)がその周りに吸着する。フォトリソグラフィーにおいて、分散剤(C)は溶媒に対する溶解性が高いため、非露光部の溶解性が向上する。一方、露光部においては、分散剤(C)が有する式(1)で表される基が、硬化に伴って分散剤(B)に固定化され、露光部の優れた密着性が維持されるものと推測される。
ただし上記は推定であり、本発明の効果は、上記メカニズムに限定されない。
以下、本発明に用いられる各成分、工程等について説明する。
本発明で用いられる顔料(A)(以下、単に「顔料」ともいう)としては、カラーフィルターに好適に用いられるものが好ましく、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、縮合多環顔料、レーキ顔料等が挙げられる。
アゾ顔料としてはC.I.ピグメントレッド3等の不溶性アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド48:1等の溶性アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド144等の縮合アゾ顔料が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:6等の銅フタロシアニン顔料、C.I.ピグメントグリーン58等の亜鉛フタロシアニン顔料等が挙げられる。
縮合多環顔料としては、C.I.ピグメントレッド177等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド123等のペリレン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ43等のペリノン系顔料、C.I.ピグメントレッド122等のキナクリドン系顔料、C.I.ピグメントバイオレット23等のジオキサジン系顔料、C.I.ピグメントイエロー109等のイソインドリノン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ66等のイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントイエロー138等のキノフタロン系顔料、C.I.ピグメントイエロー150等のニッケルアゾ錯体系顔料、C.I.ピグメントレッド88等のインジゴ系顔料、C.I.ピグメントグリーン8等の金属錯体顔料、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントオレンジ71等のジケトピロロピロール系顔料等が挙げられる。
これらの中では、本発明の効果をより有効に発現させる観点から、下記式(P1)で表されるジケトピロロピロール系顔料が好ましい。
ジケトピロロピロール系顔料としては、本発明の効果をより有効に発現させる観点から、更に好ましくは、式(P1)において、Y1及びY2が水素原子であり、X1及びX2が、塩素原子(C.I.ピグメントレッド254)又は臭素原子である。
上述の好ましいジケトピロロピロール系顔料の市販品としては、BASF社製「Irgaphor Red」シリーズの「B−CF」、「BK−CF」、「BT−CF」、「S3620CF」、「S3621CF」;「Irgazin DPP Red」シリーズの「BO」、「BL」;「Cromophtal DPP Red」シリーズの「BP」、「BOC」;クラリアント社製「HOSTAPERM RED D2B」シリーズの「C0F01」、「COFLV3781」:大日精化工業株式会社製「クロモファインレッド6156EC」等が挙げられる。
有機顔料は、カラーフィルターの光学特性向上の観点から、その平均一次粒子径を、好ましくは100nm以下、更に好ましくは20〜60nmにした微粒化処理品を用いることが望ましい。有機顔料の平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の長軸径と直交する径を短軸径とし、短軸径と長軸径とを計測してその平均値をその粒子の粒子径とし、100個以上の粒子について、それぞれの粒子の体積を、粒子径を一辺とする立方体と近似して体積平均粒子径を求め、それを平均一次粒子径とする。
上記の有機顔料は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機顔料とエーテル系溶媒との親和性を高め、分散性及び保存安定性を高めるという観点から、有機顔料の表面に、樹脂や高分子、顔料誘導体等により予め表面処理を施した顔料を用いることもできる。
分散剤(B)は、露光部の密着性の観点から、SP値が7.2以上8.7以下の溶媒に5質量%以上溶解し、SP値が12.2以上22.6以下の溶媒への溶解量が5質量%未満である溶解性を有し、好ましくは、SP値が7.2以上8.7以下の溶媒に5質量%以上溶解し、SP値が8.9以上22.6以下の溶媒への溶解量が5質量%未満である溶解性を有する。
当該溶解性に関する数値は、下記の試験方法による。
20mLガラス管に分散剤を0.5g仕込み、次に水または各種SP値を有する溶媒を10g仕込み、蓋をして25℃で5分間振とうし、水または溶媒への溶解性を評価する。
使用する溶媒は、水(SP値22.6)、エタノール(SP値12.2)、アセトン(SP値8.9)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセート(PGMEA)(SP値8.7)、ヘキサン(SP値7.2)である。
上記各溶媒において、分散剤が、完全に溶解するか否かを観察し、溶解するSP値の幅を定める。
なお、上記溶媒のSP値はFedorsの方法〔Robert F. Fedors, Polymer Engineering and Science, 14, 147-154 (1974)〕によって求めた値である。
ポリエステル鎖としては、好ましくは、ポリラクトン鎖、より好ましくはポリカプロラクトン鎖及びポリバレロラクトン鎖から選ばれる少なくとも1種、更に好ましくはポリカプロラクトン鎖である。
分散剤(C)は、非露光部の溶解性の観点から、式(1)で表される基を有し、SP値が7.2以上12.2以下の溶媒に5質量%以上溶解する。
分散剤(C)を含むことで、低温で保存しても流動性が失われず、低温安定性に優れる分散体及び着色組成物が得られるという効果を奏する。
Rx1O−(Rx2O)n−* (1)
式中、Rx1は炭素数1以上30以下の炭化水素基を示し、Rx2は炭素数2以上4以下のアルカンジイル基を示し、*は結合部位を示す。nは平均付加モル数であり、15以上100以下である。複数の(Rx2O)は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、複数種の(Rx2O)はいかなる配列順序であってもよい。
Rx1としては、メチル基、デシル基、ラウリル基、オレイル基、ステアリル基、p−オクチルフェニル基、及びp−ノニルフェニル基から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。Rx1は、分散性及び塗膜の製造容易性の観点から、好ましくは脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは、メチル基、デシル基及びラウリル基から選ばれる少なくとも1種であり、更に好ましくはラウリル基である。
(Rx2O)は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、(Rx2O)はいかなる配列順序であってもよく、その配列はランダム、又はブロックのいずれであってもよい。
Rx1O−(PO)a−(EO)b−(BO)c−* (1a)
式中、Rx1は炭素数1以上30以下の炭化水素基を示し、POはプロピレンオキシ単位、EOはエチレンオキシ単位、BOはブチレンオキシ単位を示し、*は結合部位を示す。a,b,及びcは、平均付加モル数であり、(a+b+c)は15以上100以下であり、(a+b)/(a+b+c)が、0.9以上である。なお、PO,EO,BOはいかなる配列順序であってもよい。
Rx1の好ましい例は上述の式(1)における好ましい例と同様である。
上記式(1a)中(PO)、(EO)及び(BO)で示される構造単位は、好ましくはブロック重合体である。
bは、非露光部の溶解性の観点から、好ましくは10以上、より好ましくは13以上であり、露光部の密着性の観点から、好ましくは100以下、より好ましくは95以下、更に好ましくは70以下、更に好ましくは50以下、更に好ましくは30以下、更に好ましくは20以下である。
cは、露光部の密着性の観点から、0以上であり、非露光部の溶解性及び製造容易性の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは0である。
(a+b+c)は、非露光部の溶解性の観点から、好ましくは21以上、より好ましくは25以上、更に好ましくは35以上であり、同様の観点から、好ましくは85以下、より好ましくは60以下、更に好ましくは50以下である。
(a+b)/(a+b+c)は、露光部の密着性の観点から、1.0以下であり、非露光部の溶解性及び製造容易性の観点から、好ましくは0.9以上、より好ましくは0.95以上であり、更に好ましくは1.0である。
なお、上記式(1a)は、該構造単位がブロック重合体であることが好ましく、より好ましくはジブロック重合体であり、上記式(1a)のRx1Oは(PO)と結合することが好ましい。
b/(a+b)は、非露光部の溶解性の観点から、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.20以上、更に好ましくは0.40以上、更に好ましくは0.50以上であり、同様の観点から、好ましくは0.97以下、より好ましくは0.90以下、更に好ましくは0.86以下、更に好ましくは0.80以下である。
Rx1O−(PO)a−(EO)b−* (1b)
式中、Rx1、PO、EO、a、b及び*は、式(1a)で示されるものと同じであり、(a+b)は15以上100以下である。PO、EOはいかなる配列順序であってもよい。
Rx1の好ましい例は上述の式(1)における好ましい例と同様である。
a、b及びb/(a+b)の好ましい例は上述の式(1a)における好ましい例と同様である。
上記式(1b)中(PO)及び(EO)で示される構造単位は、好ましくはブロック重合体であり、より好ましくはジブロック重合体である。上記式(1b)のRx1Oは(PO)と結合し、(EO)は*で示される結合部位側に配されることが好ましい。
R5のアルカンジイル基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、各種プロパンジイル基、各種ヘキサンジイル基、各種オクタンジイル基及び各種ノナンジイル基から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、分散性及び保存安定性の観点から好ましくはプロパン−1,3−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、及びノナン−1,9−ジイル基から選ばれる少なくとも1種であり、分散性、保存安定性及び再分散性の観点からより好ましくはプロパン−1,3−ジイル基及びヘキサン−1,6−ジイル基から選ばれる少なくとも1種であり、更に好ましくはヘキサン−1,6−ジイル基である。
R61の炭素数は、本発明の顔料分散剤の製造容易性の観点から、好ましくは4以下であり、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1である。
R61としては、メチレン基が好ましい。
R61は、好ましくはN+に結合する。
R3としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基及びベンジル基から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、分散体の分散性及び保存安定性を向上させる観点から、好ましくは水素原子又はメチル基である。
(M2)−は、上述の(M1)−好ましい態様と同様のものが好ましい例として挙げられる。式(B)、式(C)のR4及びR5の好ましい置換基は上述の式(A)におけるものと同様である。
分散剤(C)が、一分子構造中に式(A)、式(B)、又は式(C)で表される構造単位を有する場合、その一分子構造中の合計平均構造単位数は、分散性の観点から、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.0以下、更に好ましくは3.0以下、更に好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.2以下であり、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは1.7以上、更に好ましくは1.8以上である。
分散剤(C)が、一分子構造中に式(A)、式(B)、又は式(C)で表される構造単位を有する場合、その分子末端は、好ましくは、炭素数1以上10以下の炭化水素基、及び炭素数2以上6以下のヒドロキシアルキル基から選ばれる少なくとも1種、好ましくは炭素数1以上10以下の炭化水素基、又は炭素数2以上6以下のヒドロキシアルキル基、より好ましくは炭素数1以上5以下の炭化水素基、又は炭素数3以上6以下のヒドロキシアルキル基、更に好ましくは炭素数1以上3以下の炭化水素基、又は炭素数4以上6以下のヒドロキシアルキル基である。
上記分子末端は、式(A)、式(B)又は式(C)で表される構造単位のN原子に結合する末端基を意味する。上記の好ましい分子末端の例は、R5側末端においては、TR5―(Tは、末端原子或いは置換基)である。
nは、非露光部の溶解性の観点から、5以下であり、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.0以下、更に好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.2以下であり、1以上であり、好ましくは1.5以上、より好ましくは1.7以上、更に好ましくは1.8以上である。
mは、非露光部の溶解性の観点から、4以下であり、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.3以下、更に好ましくは0.5以下である。
kは、非露光部の溶解性の観点から、4以下であり、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.2以下、更に好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.2以下、更に好ましくは0である。
nと(n+m+k)との比(n/(n+m+k))は、非露光部の溶解性の観点から、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.6以上であり、本発明の顔料分散剤の製造容易性の観点から、1.0以下である。
なお、n、m、kでその平均構造単位数が示される各構造単位は、いかなる配列順序であってもよい。n、m、kのいずれか1以上が複数である場合、各構造単位は、ランダム、ブロック等のいかなる配列順序であってもよい。
式(2)におけるR4,R5のアルカンジイル基,R6,R61 ,(M1)−の好ましい例示は、上記式(A)の好ましい例示と同様である。式(2)におけるR3,(M2)−の好ましい例示は、上記式(C)の好ましい例示と同様である。
式(3)におけるnは、非露光部の溶解性の観点から、5以下であり、好ましくは4以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.2以下であり、非露光部の溶解性の観点から、1以上であり、好ましくは1.5以上、より好ましくは1.7以上、更に好ましくは1.8以上である。
本発明において使用される分散剤は、例えば、式(1)で表される基を有するハロゲン化アルキルエステル化合物と、ポリアミン化合物との反応により式(A)で表される構造単位を一分子構造中に有する分散剤が得られる。
4級アンモニウム塩化合物を得る反応における反応雰囲気は、窒素ガス雰囲気、アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。当該工程における反応の温度は、例えば、好ましくは50℃以上、より好ましくは80℃以上であり、好ましくは100℃以下である。
その他、市販品として、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン(花王(株)製「カオーライザーNo.1」)、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン(花王(株)製「カオーライザーNo.2」)、ポリアミングリコール(花王(株)製「カオーライザーP200」)等を用いることができる。
4級化剤としては、3級アミノ基と反応し当該アミノ基を4級アンモニウム化する物質が使用され、例えば、硫酸ジアルキル、ハロゲン化アルキル、p−トルエンスルホン酸アルキルから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。酸としては、例えば、カルボン酸、スルホン酸、塩酸、硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、及び亜リン酸から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
本発明の顔料分散体は、エーテル系溶媒を含有する。
エーテル系溶媒の25℃での粘度は、コントラスト比を向上させる観点から、好ましくは0.8〜5.0mPa・s、より好ましくは0.9〜4.0mPa・s、更に好ましくは1.0〜3.5mPa・sである。
エーテル系溶媒のSP値は、顔料表面との適度な親和性、低表面張力、カラーフィルターに用いられるバインダー成分等との相溶性を高め、得られる硬化膜のコントラスト比を向上させる観点から、好ましくは7.5〜10.5、より好ましくは8.0〜9.5、更に好ましくは8.5〜9.0である。SP値はFedorsの方法〔Robert F.Fedors, Polymer Engineering and Science, 14, 147-154 (1974)〕によって求められる。
エーテル系溶媒の沸点は、塗膜乾燥での除去の容易さと作業安全性の観点から、好ましくは50〜300℃、より好ましくは100〜260℃、更に好ましくは120〜200℃である。
(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートの例としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」ともいう)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(以下、「BCA」ともいう)等が挙げられる。なかでも顔料の分散性、コントラスト比及び輝度向上の観点から、好ましくはPGMEA(沸点:146℃、25℃での粘度:1.1mPa・s、SP値:8.73)及びBCA(沸点:247℃、25℃での粘度:3.1mPa・s、SP値:8.94)、より好ましくはPGMEAである。
本発明の分散体又は着色組成物は、耐熱性の観点から、マレイミド基を2つ以上有する芳香族化合物(以下、「マレイミド化合物」ともいう)を含有することが好ましい。
マレイミド化合物は、着色組成物を硬化した後、高温条件に晒される際に顔料の昇華を防止して、硬化膜の耐熱性を向上させるために使用される。
本発明に用いられるマレイミド化合物は、少なくとも一つの芳香環を有する。
マレイミド化合物としては、1,3−フェニレンジマレイミド、1,4−フェニレンジマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、4,4’−ジフェニルスルフォンビスマレイミド、ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、及び2,2−ビス−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
溶媒に対する溶解性の観点、及び耐熱性を向上させ基板密着性も向上させる観点から、好ましくはフェニレンジマレイミドであり、より好ましくはN,N’−1,3−フェニレンジマレイミド(以下、「PDM」ともいう)である。
本発明の分散体及び着色組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含有することが好ましい。アルカリ可溶性樹脂は、フォトリソグラフィー法によりカラーフィルターを製造する際に、非露光部を現像液に溶解させるために好ましく用いられる。
アルカリ可溶性樹脂としては、ネガ型レジストに一般的に用いられるものを用いることができ、アルカリ水溶液に可溶性を有するもの、すなわち、0.05質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に20℃で1質量%以上溶解するものであればよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、2,2’−オキシビス(メチレン)ビス−2−プロペノエート、スチレン、γ−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド及びN−フェニルマレイミドから選ばれる少なくとも1種以上と、(メタ)アクリル酸、アクリル酸の二量体、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸及びこれらの無水物から選ばれる少なくとも1種以上とからなる共重合体が挙げられる。本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートから選ばれる少なくとも1種を意味し、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種を意味する。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられ、好ましくはベンジル(メタ)アクリレート及びメチル(メタ)アクリレートである。
上記の共重合体にさらに反応性基を導入した樹脂も好ましく挙げられる。反応性基としては、製造容易性の観点から、より好ましくはグリシジル基及びエチレン性不飽和基から選ばれる少なくとも1種である。このようなアルカリ可溶性樹脂の市販品としては、株式会社日本触媒製「アクリキュアー」シリーズの「RD−KA−501」、「RD−KA−502」、「BX−KA−01」及び「BX−KA−02」、東亞合成株式会社製「アロニックス」シリーズの「M6100」、「M7100」、「M8030」等を挙げることができる。
本発明で用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、好ましくは(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体である。前記共重合体としては、好ましくはベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体及びメチル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体より選ばれる少なくとも1種以上、より好ましくはベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体である。
(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合割合(モル比)は、好ましくは90/10〜50/50、より好ましくは80/20〜60/40である。
アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、塗膜の硬化性の観点から、好ましくは5,000以上、より好ましくは7,000以上、更に好ましくは10,000以上であり、現像性の観点から、好ましくは50,000以下、より好ましくは40,000以下、更に好ましくは20,000以下である。
本発明の着色組成物は、多官能モノマーを含有することが好ましい。多官能モノマーは、フォトリソグラフィー法によりカラーフィルターを製造する際に、露光部を硬化させるために用いられる。多官能モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有する、(メタ)アクリル酸エステル(多価アルコールの水酸基の複数をアクリル酸でエステル化して得られる化合物等)、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミド、アリル化合物、ビニルエステル等が挙げられ、好ましくはエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステル、より好ましくはジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(以下、「DPHA」ともいう)である。
本発明の着色組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としては、芳香族ケトン類、ロフィン2量体、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類及びポリハロゲン類から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。好ましくは4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体との組み合わせ、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン]及び2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルホリノプロピオフェノンから選ばれる少なくとも1種以上であり、より好ましくは2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルホリノプロピオフェノン(以下、「MMTMPP」ともいう)である。
本発明の顔料分散体は、例えば、以下の工程を有する製造方法により得ることができる。
工程:顔料(A)と、分散剤(B)と、分散剤(C)と、エーテル系溶媒(D)と、任意でマレイミド化合物と、任意でアルカリ可溶性樹脂とを含有する混合物を分散して顔料分散体を得る工程
これらの中では、顔料を非水系溶媒中に均一に混合させる観点から、ホモミキサー等の高速撹拌混合装置、ペイントシェーカーやビーズミル等のメディア式分散機が好ましい。市販のメディア式分散機としては、寿工業(株)製「ウルトラ・アペックス・ミル」、浅田鉄工(株)製「ピコミル」等が挙げられる。
メディア式分散機を用いる場合に、分散工程で用いるメディアの材質としては、ジルコニア、チタニア等のセラミックス、ポリエチレン、ナイロン等の高分子材料、金属等が好ましく、摩耗性の観点からジルコニアが好ましい。メディアの直径としては、顔料中の凝集粒子を解砕する観点から、好ましくは0.003mm以上、より好ましくは0.01mm以上であり、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.4mm以下である。
分散時間は、顔料を十分に微細化する観点から、好ましくは0.3時間以上、より好ましくは1時間以上であり、顔料分散体の製造効率の観点から、好ましくは200時間以下、より好ましくは50時間以下である。
予備分散で用いる混合分散機は、上記の種々の分散機を用いることができるが、顔料を非水系溶媒中に均一に混合させる観点から、ペイントシェーカーやビーズミル等のメディア式分散機が好ましい。
予備分散工程において使用するメディアの直径としては、顔料中の凝集粒子を解砕する観点から、好ましくは0.1mm以上であり、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.4mm以下である。
予備分散工程における分散時間は、顔料中の凝集粒子を解砕する観点から、好ましくは0.1時間以上、より好ましくは0.5時間以上、更に好ましくは1時間以上であり、顔料分散体の製造効率の観点から、好ましくは10時間以下、より好ましくは5時間以下、更に好ましくは4時間以下である。
本分散は、予備分散で得られた予備分散液を分散処理する工程であり、前記予備分散工程で得られた混合物を更に微細化するために行われるが、顔料を微細化する観点から、メディア式分散機を用いることが好ましく、前記の高圧式分散機を併用してもよい。
本分散工程で用いるメディアの直径としては、顔料を微細化する観点から、好ましくは0.1mm未満、より好ましくは0.08mm以下、更に好ましくは0.07mm以下であり、メディアを顔料と分離する観点から、好ましくは0.003mm以上、より好ましくは0.01mm以上である。
本分散の分散時間は、顔料を十分に微細化する観点から、好ましくは2時間以上、より好ましくは3時間以上であり、顔料分散体の製造効率の観点から、好ましくは200時間以下、より好ましくは50時間以下、更に好ましくは24時間以下である。
上記顔料分散体中の顔料(A)の含有量は、良好な着色性を得る観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは12質量%以上であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは16質量%以下である。
顔料分散体中の顔料(A)に対する分散剤(B)の質量比〔分散剤(B)/顔料(A)〕は、分散特性を向上させる観点から、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.4以上であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下、更に好ましくは1.1以下である。
顔料分散体中の顔料(A)に対する分散剤(C)の質量比〔分散剤(C)/顔料(A)〕は、分散特性を向上させる観点から、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.4以上であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下、更に好ましくは1.1以下である。
顔料分散体中の分散剤(B)及び分散剤(C)の合計量に対する、分散剤(B)の質量比〔分散剤(B)/(分散剤(B)+分散剤(C))〕は、分散特性を向上させる観点から、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.4以上であり、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下、更に好ましくは0.6以下である。
顔料分散体中のエーテル系溶媒(D)の含有量は、分散体の低粘度化の観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
顔料分散体中のマレイミド化合物の含有量は、耐熱性の観点から、顔料に対して、好ましくは0質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
顔料分散体中のアルカリ可溶性樹脂の含有量は、分散性の観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは4.5質量%以下であり、好ましくは0質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上である。
顔料分散体中の顔料の平均粒径は、カラーフィルター用色材として良好なコントラスト比を得る観点から、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下、更に好ましくは90nm以下、更により好ましくは70nm以下、より更に好ましくは60nm以下であり、生産性の観点から、好ましくは20nm以上である。
本発明の着色組成物は、例えば、以下の工程を有する製造方法により得ることができる。
工程:顔料分散体と、多官能モノマーと、光重合開始剤とを混合して着色組成物を得る工程
本工程においては、いかなる順に添加してもよく、顔料分散体に対して、多官能モノマー等を添加してもよいし、多官能モノマー等に対して、顔料分散体を添加してもよい。混合方法は、特に制限されず、攪拌装置等によって攪拌することでカラーフィルター用着色組成物が得られる。
着色組成物中の顔料(A)の含有量は、良好な着色性を得る観点から、好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下である。
着色組成物中の顔料(A)に対する分散剤(B)の質量比〔分散剤(B)/顔料(A)〕は、分散特性を向上させる観点から、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.4以上であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下、更に好ましくは0.9以下である。
着色組成物中の顔料(A)に対する分散剤(C)の質量比〔分散剤(C)/顔料(A)〕は、分散特性を向上させる観点から、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.4以上であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下、更に好ましくは0.9以下である。
着色組成物中の分散剤(B)及び分散剤(C)の合計量に対する、分散剤(B)の質量比〔分散剤(B)/(分散剤(B)+分散剤(C))〕は、分散特性を向上させる観点から、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.4以上であり、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下、更に好ましくは0.6以下である。
着色組成物中のエーテル系溶媒(D)の含有量は、良好な着色性及び粘度を得る観点から、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。
着色組成物中のアルカリ可溶性樹脂の含有量は、良好な現像性と膜硬度を得る観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下である。
着色組成物中の多官能モノマーの含有量は、良好な膜硬度を得る観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。
着色組成物中の光重合開始剤の含有量は、良好な膜硬度を得る観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7.0質量%以下、更に好ましくは4.0質量%以下である。
着色組成物中のマレイミド化合物の量は、耐熱性を向上させる観点から、顔料に対して、好ましくは0質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
本発明のカラーフィルター用着色組成物は、カラーフィルター製造用に用いられる。
カラーフィルターの製造方法においては、好ましくは以下の工程(a)及び(b)を有する。
工程(a):本願発明の着色組成物を基板上に塗布、光硬化、現像を行い、塗膜を得る工程
工程(b):前記工程(a)で得た塗膜を200〜300℃に加熱して硬化膜を得る工程
光硬化は、塗膜に紫外線を照射して、着色組成物中の多官能モノマーが架橋反応し、塗膜を硬化させる。光硬化は続く現像でガラス基板上にパターンを残すために行い、現像で除去する部分には紫外線を防ぐフォトマスクを載せて硬化させないことが好ましい。光硬化は、紫外線照射量が10〜100mJ/cm2で行うことが好ましい。
現像は、光硬化後の硬化塗膜をアルカリ水溶液中に浸漬し、更に水でリンスして未硬化部分を除去する。用いるアルカリ水溶液としては、アルカリ剤の濃度が0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜1質量%が好ましい。現像に用いるアルカリ剤としては、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の水溶液が好ましく、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液がより好ましい。
アルカリ水溶液のpHとしては10.0〜13.0が好ましい。
硬度及び光学特性に優れた硬化膜を得る観点から、加熱温度は、210〜280℃が好ましく、220〜270℃がより好ましい。同様の観点から、加熱時間は5〜120分間が好ましく、10〜40分間がより好ましい。
本発明のカラーフィルター用着色組成物を用いることで工程(b)における耐熱性を高めることができる。
NMR測定装置(Varian社製「Mercury400型」)を用いて、アルコキシポリアルキレングリコールの末端水酸基をトリフルオロ酢酸でエステル化したサンプルのプロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルより求めた(測定条件:ノンデカップリング法、緩和時間10秒、積算回数32回)。トリフルオロ酢酸処理したサンプル 0.01gを重クロロホルム 0.99gに溶解した溶液を測定に用いた。PO及びEOの平均付加モル数はそれぞれ以下の式により計算した。
PO平均付加モル数=(ポリオキシプロピレンのメチル基に由来するシグナルの積分値)/(トリフルオロ酢酸エステル基に隣接するメチレン基に由来するシグナルの積分値)/1.5
EO平均付加モル数=(ポリオキシエチレンのメチレン基に由来するシグナルの積分値)/(トリフルオロ酢酸エステル基に隣接するメチレン基に由来するシグナルの積分値)/2
重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」ともいう)を用いて、下記条件のいずれかで測定した。
測定試料の調製は、以下の通り行った。後述の製造例で得られた化合物を含む溶液の固形分が0.05gとなる量を、ガラス瓶((株)マルエム製「スクリュー管 No.5」)に採り、下記溶離液を加えて全量を10gとし、密栓した。続いて前記ガラス瓶を試験管ミキサー(IKA社製「Minishaker MS1」)を用いて2500rpmで1分間撹拌し、得られた溶液の100μLを測定試料として用いた。
<条件1>
エタノール/水混合溶媒(質量比8/2)に、臭化リチウムと酢酸をそれぞれ50mmol/Lと1質量%の濃度となるように溶解した液を溶離液として、GPC〔装置:東ソー株式会社製「HLC−8320GPC」、検出器:示差屈折計(装置付属)、カラム:東ソー株式会社製「TSK−GEL、α−M」×2本、流速:0.6mL/min、カラム温度:40℃〕により、標準物質として下記の単分散ポリエチレングリコールを用いて測定した。
[標準物質:ポリエチレングリコール]
ジーエルサイエンス社製「2070−1(Mw 106)」,「2070−3(Mw 400)」,「2070−6(Mw 1500)」,「2070−8(Mw 6450);東ソー株式会社製「SE−5(Mw 45000)」;American Polymer Standards Corp社製「PEOX270K(Mw 258000)」,「PEOX1000K(Mw 992000)
<条件2>
クロロホルムに、ジメチルドデシルアミン(花王(株)製「ファーミン DM20」)を100mmol/Lとなるように溶解した液を溶離液として、GPC〔装置:東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」、検出器:示差屈折計(装置付属)、カラム:昭和電工(株)製「K−804L」、流速:1.0mL/min、カラム温度:40℃〕により、標準物質として下記の単分散ポリスチレンを用いて測定した。
[標準物質:ポリスチレン]
東ソー株式会社製「A−500(Mw 590)」,「A−5000(Mw 5060)」,「F−2(Mw 18100)」,「F−10(Mw 96400)」,「F−40(Mw 427000)」;pressure chemical社製「PS30908(Mw 50000)
シャーレに乾燥無水硫酸ナトリウム10g及びガラス棒を入れ、試料2gを量り採り、ガラス棒で混合し、105℃の減圧乾燥機(圧力8kPa)で2時間乾燥した。乾燥後の質量を計り、次式より固形分を算出した。
固形分(質量%)=〔(乾燥後の質量g)−(シャーレ+ガラス棒+乾燥無水硫酸ナトリウムの質量g)〕/(試料の質量g)×100
(塩化物イオン量の比率基準)
反応により、アルコキシポリアルキレングリコールモノクロロアセテートの塩素が塩化物イオンとなることから、塩化物イオン量の比率基準の反応率は、次式より算出した。
反応率(%)=[塩化物イオン量(質量%)]/[全塩素含有量(質量%)]×100
塩化物イオン量はVolhard法により定量した値、全塩素含有量は、ナトリウムブチラートで分解後、Volhard法により定量した値とした。
(アミン減少量基準)
反応により、アミンが4級塩となり、アミン価が減少することから、アミン減少量基準の反応率は、次式より算出した。
反応率(%)=[(反応前のアミン価mg/KOH)−(反応後のアミン価mg/KOH)]/(反応前のアミン価mg/KOH)×100
アミン価は、中和に必要とする過塩素酸量をKOHに換算した値とした。
NMR測定装置(Varian社製「Mercury400型」)を用いて、原料のアミン化合物、ハロゲン化アルキルエステル化合物及び4級化物のプロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルを求めた(測定条件:ノンデカップリング法、緩和時間10秒、積算回数32回)。試料0.01gを重クロロホルム 0.99gに溶解した溶液を測定に用いた。
20mLガラス製サンプル瓶に試料を10g仕込み、蓋をして−5℃で24時間静置した。静置直後に、サンプル瓶を逆さまにし、試料が下に流れてメニスカスが水平になるまでの時間を測定し、以下の基準で流動性を評価した。時間が短いほど低温流動性に優れる。
A:5秒未満
B:5秒以上60秒未満
C:60秒以上
ガラス基板上に実施例及び比較例で得られた着色組成物をスピンコーターで塗布した後、水平台にて室温で30分間静置して溶媒を揮発させ、基板上に厚さ2μmの塗膜を有する基板を得た。基板の、着色組成物を塗布した面にフォトマスクを載せた。前記フォトマスクは、幅(単位μm)1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95及び100のスリット(各スリットの間隔は200〜300μm)を有する。紫外線ファイバースポット照射装置(株式会社モリテックス製「MUV−202U」)を用い、前記フォトマスクを介して、基板に紫外線を40mJ/cm2照射した。テトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.1質量%水溶液に基板を浸漬し、5秒毎に基板を前記水溶液から引き上げ、露光パターンが現れるまでの浸漬時間(秒)を、溶解性の指標として測定した。時間が短いほど溶解性に優れる。露光パターンが現れてからさらに20秒間、基板を水溶液に浸漬した後、基板をイオン交換水でリンスし、基板上に残存する水を除去した。光学顕微鏡を用い、前記フォトマスクによって現像された基板上の細線を観察し、基板上に残存する最も細い細線の線幅を密着性の指標とした。前記線幅が小さいほど、密着性に優れる。
反応装置として、撹拌装置、温度制御装置を備えた容積6.0Lのオートクレーブを用いた。ラウリルアルコール(花王(株)製「カルコール2098」) 375g(2.0モル)と、48質量%水酸化カリウム水溶液12.4gとを仕込み、窒素置換した。100℃、4.7kPaにて1.0時間脱水を行い、窒素で大気圧に戻した。PO 3694g(63.6モル)を圧力0.1〜0.45MPaとなるように導入しながら、110℃で36時間PO付加反応を行った。次いでEO 1405g(31.9モル)を圧力0.1〜0.4MPaとなるように導入しながら、140℃で12時間EO付加反応を行った。60℃まで冷却し、氷酢酸(キシダ化学(株)製、特級試薬) 5.3gを添加し、1時間撹拌し、ラウロキシポリプロピレングリコール(29)ポリエチレングリコール(15)(以下、化合物C−2「ラウロキシPPG(29)PEG(15)」ともいう」を得た。
撹拌装置、温度計、窒素吹き込み管、冷却管を取り付けた3リットルの四つ口フラスコに、製造例1で得られたラウロキシPPG(29)PEG(15) 653gと、モノクロロ酢酸(和光純薬工業(株)製、特級試薬) 35.1gと、p−トルエンスルホン酸・一水和物(キシダ化学(株)製、特級試薬) 3.5gとを仕込み、撹拌しながら、窒素置換を行った。140℃まで昇温し、窒素を吹き込みながら、冷却管につないだ真空ポンプ(佐藤真空機械工業(株)製「BSW−50」)を用いて減圧(10kPa)しながら、16時間反応させた。80℃まで温度を下げた後、無水炭酸ナトリウム(キシダ化学(株)製、特級試薬) 26.8gを添加し、2時間撹拌した。得られた液を濾紙(アドバンテック東洋(株)製「No.5A」)で濾過し、ラウロキシPPG(29)PEG(15)モノクロロアセテートを得た。
還流冷却器、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに、製造例2で得られたラウロキシPPG(29)PEG(15)モノクロロアセテート 254g、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン(花王(株)製「カオーライザーNo.2」) 6.4gを仕込み、窒素置換を行った。80℃で撹拌しながら、20時間反応させた。PGMEA 385gを添加し、1時間撹拌後、冷却して、化合物C−1(ラウロキシPPG(29)PEG(15)モノクロロアセテートによるN,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン4級化物)のPGMEA溶液を得た。該溶液の固形分は39.4質量%であり、重量平均分子量は4000(<条件1>による測定値)であった。
全塩素含有量に対する塩化物イオン量の比率から求めた反応率は93モル%、アミン減少量から求めた反応率は99モル%であった。NMR測定結果では、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミンのNに結合するメチル基およびメチレン基に由来するシグナルが、反応によりそれぞれ2.2、2.3ppmから3.0、4.0ppmに、Nからさらに1つ離れたメチレン基に由来するシグナルが、1.6ppmから2.8ppmへ移行した。ラウロキシPPG(29)PEG(15)モノクロロアセテートの塩素が結合しているメチレン基に由来するシグナルが、反応により4.1ppmから4.9ppmへ移行した。
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管及び温度計を取り付けた反応容器に、メタクリル酸(以下、「MAA」ともいう) 12.0g、メタクリル酸ベンジル(以下、「BzMA」ともいう) 28.0g、3−メルカプトプロピオン酸 0.56g、PGMEA 40gを入れ、反応容器内を攪拌しながら窒素置換を行った。反応容器内を攪拌しながら78℃まで昇温した後、別途調製したモノマー溶液[MAA 48.0g、BzMA 112.0g、3−メルカプトプロピオン酸 2.2g、PGMEA 160g、V−65 2.0g]を、3時間かけて滴下した。滴下終了後、V−65 2.0gをPGMEA 10.0gに溶解した液を加え、撹拌を1時間続けた。その後、更にV−65 1.0gをPGMEA 10.0gに溶解した液を加え、撹拌を1時間続けた。これを冷却して、BzMA/MAA共重合体(モル比7/3)(以下「アルカリ可溶樹脂A」ともいう。)のPGMEA溶液(アルカリ可溶性樹脂溶液、以下「樹脂溶液A」ともいう)を得た。該溶液の固形分は50.0質量%であり、BzMA/MAA共重合体の重量平均分子量は14000(<条件1>による測定値)であった。
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管及び温度計を取り付けた500mLの四つ口フラスコに、テトラヒドロフラン(以下、「THF」ともいう)250g及びジメチルケテンメチルトリメチルシリルアセタール5.81gを入れ、反応容器内を攪拌しながら窒素置換を行った。テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートの1モル/Lのアセトニトリル溶液0.5gをさらに入れ、反応容器内を40℃未満に保ちながら攪拌し、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」ともいう)100gを1時間かけて滴下した。さらに1時間攪拌した後、メタクリル酸ジメチルアミノエチル(以下、「DMAEMA」ともいう)33.3gを20分かけて滴下した。1時間攪拌した後、メタノール1gを加えて反応を停止した。得られたブロック共重合体のTHF溶液はヘキサン中で再沈殿させ、ろ過、真空乾燥により精製を行い、MMA/DMAEMAブロック共重合体を得た。MMA/DMAEMAブロック共重合体の重量平均分子量は8100(<条件1>による測定値)であった。
還流冷却器、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコ中で、PGMEA 23gに、製造例5で得られたブロック共重合体5.0gを溶解させ、塩化ベンジル(関東化学(株)製)を0.75g仕込み、窒素置換を行った。80℃で攪拌しながら12時間反応させることにより、固形分20質量%の塩型ブロック共重合体溶液を得た。
20mLガラス管に分散剤を0.5g仕込み、次に水または各種SP値を有する溶媒を10g仕込み、蓋をして25℃で5分間振とうし、水または溶媒への溶解性を評価した。
使用した溶媒は、水(SP値22.6)、エタノール(SP値12.2)、アセトン(SP値8.9)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセート(PGMEA)(SP値8.7)、ヘキサン(SP値7.2)である。分散剤が、溶媒に完全に溶解している場合には「S」とし、溶解していない分散剤が残っている場合には「N」とした。結果を表1に示す。
ジケトピロロピロール系顔料(BASFジャパン株式会社製「Irgaphor Red S 3621 CF」)16.6g、PR254(クラリアント(株)製「HOSTAPERM RED D2B−COF01」)2.9g、1,3−フェニレンジマレイミド(以下「PDM」ともいう)0.98g、製造例3で得られた化合物C−1溶液 19.80g(固形分39.4質量%)、製造例4で得られた樹脂溶液A 11.70g(固形分50.0質量%)、PGMEA 98.03g、粒径0.3mmのジルコニアビーズ 300gを500mLプラスチック容器に入れ、分散機(浅田鉄工(株)製「ペイントシェーカー」)による分散(予備分散)を3時間行い、濾過によりジルコニアビーズを除去した。得られた液 100gと、粒径0.05mmのジルコニアビーズ 300gとを250mLプラスチック容器に入れ、前記分散機による分散(本分散)を9時間行い、濾過によりジルコニアビーズを除去して、顔料を13.0質量%、化合物C−1、樹脂溶液Aの固形分およびPDMを合計で9.75質量%含む、顔料分散体1を得た。
顔料分散体1の調製において、化合物C−1溶液をアジスパー PB821(味の素ファインテクノ株式会社製)(以下「分散剤B−1」ともいう) 7.80g(固形分100質量%)に、PGMEAを 110.03gに変更した以外は、顔料分散体1の調製と同様にして、顔料を13.0質量%、分散剤B−1、樹脂溶液Aの固形分およびPDMを合計で9.75質量%含む、顔料分散体2を得た。
顔料分散体2の調製において、分散剤B−1 7.80gを分散剤B−1 5.85gと製造例1で得られた化合物C−2 1.95gに変更した以外は、顔料分散体2の調製と同様にして、顔料を13.0質量%、分散剤B−1、化合物C−2、樹脂溶液Aの固形分およびPDMを合計で9.75質量%含む、顔料分散体3を得た。
顔料分散体1の調製において、化合物C−1溶液をソルスパース 76500(日本ルブリゾール株式会社製)(以下「分散剤B−2」ともいう) 15.63g(固形分50.0質量%)に、PGMEAを 102.20gに変更した以外は、顔料分散体1の調製と同様にして、顔料を13.0質量%、分散剤B−2、樹脂溶液Aの固形分およびPDMを合計で9.75質量%含む、顔料分散体4を得た。
顔料分散体1の調製において、化合物C−1溶液を分散剤B−3 39.00g(固形分20質量%)に、PGMEAを 78.83gに変更した以外は、顔料分散体1の調製と同様にして、顔料を13.0質量%、分散剤B−3、樹脂溶液Aの固形分およびPDMを合計で9.75質量%含む、顔料分散体5を得た。
顔料分散体5の調製において、分散剤B−3 39.00gを分散剤B−3 29.25gと製造例1で得られた化合物C−2 1.95gに、PGMEAを 86.37gに変更した以外は、顔料分散体5の調製と同様にして、顔料を13.0質量%、分散剤B−3、化合物C−2、樹脂溶液Aの固形分およびPDMを合計で9.75質量%含む、顔料分散体6を得た。
顔料分散体2 3.84g、顔料分散体1 1.28g、製造例4で得られた樹脂溶液A 0.74g、DPHA(多官能モノマー:日本化薬(株)製「DPHA」) 0.26g、MMTMPP(光重合開始剤:和光純薬工業(株)製)0.20g及びPGMEA 3.67gを、均一になるまで混合し、着色組成物A−1を得た。
実施例1において、顔料分散体2を2.56gに、顔料分散体1を2.56gに変更した以外は、同様の調製を行い、着色組成物A−2を得た。
実施例1において、顔料分散体2を1.28gに、顔料分散体1 3.84gに変更した以外は、同様の調製を行い、着色組成物A−3を得た。
実施例1において、顔料分散体2を5.12gに、顔料分散体1を0gに変更した以外は、同様の調製を行い、着色組成物D−1を得た。
実施例1において、顔料分散体2を0gに、顔料分散体1を5.12gに変更した以外は、同様の調製を行い、着色組成物D−2を得た。
顔料分散体3 5.12g、製造例4で得られた樹脂溶液A 0.74g、DPHA(多官能モノマー:日本化薬(株)製「DPHA」) 0.26g、MMTMPP(光重合開始剤:和光純薬工業(株)製)0.20g及びPGMEA 3.67gを、均一になるまで混合し、着色組成物A−4を得た。
実施例1において、顔料分散体2を顔料分散体4に変更した以外は、同様の調製を行い、着色組成物A−5を得た。
実施例2において、顔料分散体2を顔料分散体4に変更した以外は、同様の調製を行い、着色組成物A−6を得た。
比較例1において、顔料分散体2を顔料分散体4に変更した以外は、同様の調製を行い、着色組成物D−3を得た。
実施例1において、顔料分散体2を顔料分散体5に変更した以外は、同様の調製を行い、着色組成物A−7を得た。
実施例2において、顔料分散体2を顔料分散体5に変更した以外は、同様の調製を行い、着色組成物A−8を得た。
実施例3において、顔料分散体2を顔料分散体5に変更した以外は、同様の調製を行い、着色組成物A−9を得た。
比較例1において、顔料分散体2を顔料分散体5に変更した以外は、同様の調製を行い、着色組成物D−4を得た。
実施例4において、顔料分散体3を顔料分散体6に変更した以外は、同様の調製を行い、着色組成物A−10を得た。
分散剤B−2:ソルスパース 76500(日本ルブリゾール株式会社製)(ポリプロピレンオキシド鎖、4級アンモニウム基及びウレタン結合を有する分散剤)
分散剤B−3:製造例6の塩型ブロック共重合体(ポリメタクリレート鎖及び4級アンモニウム基を有する分散剤)
分散剤C−1:製造例3の化合物C−1(重量平均分子量:4,000)
分散剤C−2:製造例1の化合物C−2(重量平均分子量:2500)
Claims (10)
- 顔料(A)と、
SP値が7.2以上8.7以下の溶媒に5質量%以上溶解し、SP値が12.2以上22.6以下の溶媒への溶解量が5質量%未満である分散剤(B)と、
式(1)で表される基を有し、SP値が7.2以上12.2以下の溶媒に5質量%以上溶解する分散剤(C)と、
エーテル系溶媒(D)と、を含有するカラーフィルター用顔料分散体。
Rx1O−(Rx2O)n−* (1)
[式中、Rx1は炭素数1以上30以下の炭化水素基を示し、Rx2は炭素数2以上4以下のアルカンジイル基を示し、*は結合部位を示す。nは平均付加モル数であり、15以上100以下である。複数の(Rx2O)は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、また複数種の(Rx2O)はいかなる配列順序であってもよい。] - 分散剤(B)及び分散剤(C)の合計量に対する分散剤(B)の質量比〔分散剤(B)/(分散剤(B)+分散剤(C))〕、0.20以上0.80以下である、請求項1に記載のカラーフィルター用顔料分散体。
- 分散剤(B)が、アンモニウム基、アミド基、及びウレタン基から選ばれる少なくとも1種と、ポリエステル鎖、ポリ(メタ)アクリレート鎖、及びポリプロピレンオキシド鎖から選ばれる少なくとも1種とを有する請求項1又は2に記載のカラーフィルター用顔料分散体。
- 式(1)で表される基が、下記式(1a)で表される基である、請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
Rx1O−(PO)a−(EO)b−(BO)c−* (1a)
[式中、Rx1は炭素数1以上30以下の炭化水素基を示し、POはプロピレンオキシ単位、EOはエチレンオキシ単位、BOはブチレンオキシ単位を示し、*は結合部位を示す。a,b,及びcは平均付加モル数であり、(a+b+c)は15以上100以下であり、(a+b)/(a+b+c)が、0.9以上である。なお、PO,EO,BOはいかなる配列順序であってもよい。] - b/(a+b)が、0.10以上0.90以下である、請求項4に記載のカラーフィルター用顔料分散体。
- 分散剤(C)が、水に5質量%以上溶解する、請求項1〜5のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
- 顔料(A)の含有量が、3質量%以上30質量%以下であり、顔料(A)に対する分散剤(B)の質量比〔分散剤(B)/顔料(A)〕が、0.2以上1.5以下であり、顔料(A)に対する分散剤(C)の質量比〔分散剤(C)/顔料(A)〕が、0.2以上1.5以下である、請求項1〜6のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の顔料分散体と、アルカリ可溶性樹脂、多官能モノマー、及び光重合開始剤とを含む、カラーフィルター用着色組成物。
- 顔料(A)の含有量が4質量%以上10質量%以下であり、顔料(A)に対する分散剤(B)の質量比〔分散剤(B)/顔料(A)〕が0.2以上1.5以下であり、顔料(A)に対する分散剤(C)の質量比〔分散剤(C)/顔料(A)〕が0.2以上1.5以下であり、アルカリ可溶性樹脂の含有量が0.1質量%以上20質量%以下であり、多官能モノマーの含有量が0.1質量%以上10質量%以下であり、光重合開始剤の含有量が0.1質量%以上10質量%以下である、請求項8に記載のカラーフィルター用着色組成物。
- 請求項8又は9に記載の着色組成物を用いて製造される、カラーフィルター。
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