JP2013257454A - カラーフィルター用顔料分散体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、コントラストに優れた硬化膜を形成することができ、更に現像時の硬化膜の基板密着性と良好な現像性を両立できる着色組成物を得ることができ、粘度が低く、保存安定性に優れるカラーフィルター用顔料分散体、その製造方法、カラーフィルター用顔料分散剤を含有するカラーフィルター用着色組成物及びカラーフィルターを提供する。
【解決手段】〔1〕ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(A)及びアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(B)を由来とする構成単位を含有し、(B)のポリアルキレングリコール部分が、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合付加体であり、ポリアルキレングリコール部分のアルキレンオキシド平均付加モル数が20〜200である顔料分散剤、有機顔料、及びエーテル系有機溶媒を含有するカラーフィルター用顔料分散体、〔2〕前記〔1〕の顔料分散体の製造方法、〔3〕前記〔1〕の顔料分散体を含有するカラーフィルター用着色組成物、及び〔4〕前記〔3〕のカラーフィルター用着色組成物の光硬化物を有するカラーフィルターである。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルター用顔料分散体、その製造方法、カラーフィルター用顔料分散剤を含有するカラーフィルター用着色組成物及びカラーフィルターに関する。
液晶表示装置に用いられるカラーフィルターは、顔料分散体に樹脂等を配合した着色組成物をガラス等の透明基板に塗布した後、露光・硬化、現像、熱硬化させるフォトリソグラフィー法等によって製造されている。ここで用いられる顔料分散体は、顔料を有機溶媒に分散した非水系顔料分散体であるが、非水系顔料分散体の製造方法として、グラフトポリマー等の高分子分散剤を用いる製造方法が知られている。
例えば、特許文献1には、顔料同士の凝集を防止し、顔料の良好な分散を実現することを目的として、末端にエチレン性不飽和二重結合を有する重合性オリゴマーと、窒素原子とエチレン性不飽和二重結合とを有する窒素含有モノマーと、エーテル基を有する重合性モノマーとを共重合体単位として含む、窒素原子及びエーテル基を有するグラフト共重合体を含有することを特徴とする顔料分散剤が開示されている。
特許文献2には、顔料の分散性、安定性を向上させ、鮮明な色調と高い着色力を有する高画質の画像を形成することを目的として、(a)重合性化合物、(b)顔料、及び(c)少なくともポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のモノマーからなる重合単位を有するグラフト重合体を含有することを特徴とするインク組成物が開示されている。
特許文献3には、粘度を低下し、安定性を向上させることを目的として、着色剤、ビニルポリマー及び有機溶剤を含有し、ビニルポリマーがベンジル(メタ)アクリレート等の構成単位及びポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等の構成単位を有するポリマーである、油性インク組成物が開示されている。
特開2001−31885号公報 特開2006−241193号公報 特開2007−45903号公報
カラーフィルターの製造過程では、ガラス基板等の上に形成した塗膜に露光する露光・硬化工程後、アルカリ性現像液で非露光部を洗い流し、目的とするパターンを形成する現像工程を有する。この現像工程において、露光部の塗膜の基板への密着性が低く、現像液によって剥離し、パターン形成不良となる問題や、非露光部が現像液に溶解しにくく、溶解に長時間を要するため、ブラックマトリックス部分や先に形成された別の色の塗膜の剥離や損傷が引き起こされる、いわゆる現像性に劣るという問題があり、これらを両立することは困難である。
本発明は、粘度が低く、保存安定性に優れ、コントラストに優れた硬化膜を形成することができ、更に現像時の塗膜の基板密着性と良好な現像性を両立できる着色組成物を得ることができるカラーフィルター用顔料分散体、その製造方法、カラーフィルター用顔料分散剤を含有するカラーフィルター用着色組成物及びカラーフィルターを提供することを課題とする。
本発明者らは、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドと特定のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートを由来とする構成単位を含有した顔料分散剤を用いることにより、粘度が低く、保存安定性に優れたカラーフィルター用顔料分散体が得られ、更にこれを着色組成物に用いることで、コントラストに優れた硬化膜を形成することができ、カラーフィルターの製造過程における現像時の塗膜の基板密着性に優れ、現像時間が短くなることを見出した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔4〕を提供する。
〔1〕ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(A)及びアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(B)を由来とする構成単位を含有し、(B)のポリアルキレングリコール部分が、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合付加体であり、ポリアルキレングリコール部分のアルキレンオキシド平均付加モル数が20〜200である顔料分散剤、有機顔料、及びエーテル系有機溶媒を含有するカラーフィルター用顔料分散体。
〔2〕ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(A)及びアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(B)を由来とする構成単位を含有し、(B)のポリアルキレングリコール部分が、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合付加体であり、ポリアルキレングリコール部分のアルキレンオキシド平均付加モル数が20〜200である顔料分散剤、有機顔料、及びエーテル系有機溶媒の混合物を分散する工程を含む、カラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
〔3〕前記〔1〕の顔料分散体と、(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリル酸の共重合体であるアルカリ可溶性樹脂と、を含有するカラーフィルター用着色組成物。
〔4〕ガラス基板と、該ガラス基板上に形成された前記〔3〕のカラーフィルター用着色組成物の光硬化物と、を有するカラーフィルター。
本発明によれば、粘度が低く、保存安定性に優れ、コントラストに優れた硬化膜を形成することができ、更に現像時の塗膜の基板密着性と良好な現像性を両立できる着色組成物を得ることができるカラーフィルター用顔料分散体、その製造方法、カラーフィルター用顔料分散剤を含有するカラーフィルター用着色組成物及びカラーフィルターを提供することができる。
本発明のカラーフィルター用顔料分散体は、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(A)及びアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(B)を由来とする構成単位を含有し、(B)のポリアルキレングリコール部分が、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合付加体であり、ポリアルキレングリコール部分のアルキレンオキシド平均付加モル数が20〜200である顔料分散剤、有機顔料、及びエーテル系有機溶媒を含有することを特徴とする。
本発明のカラーフィルター用顔料分散体が、粘度が低く、保存安定性に優れ、これを含有するカラーフィルター用着色組成物が、コントラストに優れた硬化膜を形成することができ、更に現像時の塗膜の基板密着性と良好な現像性を両立できる理由は定かではないが、次のように考えられる。
本発明のカラーフィルター用顔料分散体は、顔料表面への強い吸着性を有するジアルキルアミノアルキル基及びアミド基を有するジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド部分と、エーテル系有機溶媒に親和性を持つプロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合付加体であるアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート部分を含有する顔料分散剤を含む。ポリアルキレングリコール部分のうち、プロピレンオキシド部分は嵩高いため、溶媒中に広がりやすく、顔料粒子同士に強い斥力が生じ、顔料同士の凝集を有効に抑えることが可能であると考えられる。
このように顔料粒子及び分散剤の形成する集合体の表面に比較的疎水的なプロピレンオキシド部分が配向するため、露光によって硬化膜となり運動性のなくなった顔料粒子においては、プロピレンオキシド部分の疎水性が有効に働き、アルカリ性の水溶液である現像液への親和性が低くなるために、基板への密着性に優れるものと考えられる。一方、本発明に用いられる顔料分散剤には比較的親水的なエチレンオキシド部分も有する。そのため、非露光部、すなわちいまだ分散液状態にある顔料粒子においては、現像液の浸透が促進され、現像性にも優れるものと考えられ、これらのことから、本発明の顔料分散体を含有する着色組成物は、塗膜の基板密着性と良好な現像性を両立できるものと考えられる。
更に、本発明の分散剤は、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(A)を由来とする構成単位を含有することで、顔料表面への強い吸着性を有し、アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(B)を由来とする構成単位を含有することで、エーテル系有機溶媒に親和性を持つ。更に、該顔料分散剤は、比較的長いアルコキシポリエチレングリコール基を比較的多量に含むことが特徴である。そのため、高い溶媒への親和性を有するにもかかわらず、顔料表面から脱離しにくくなると考えられ、塗膜化(顔料濃縮)工程や高温での保存時にも分散安定性を維持し、得られる硬化膜のコントラストが優れ、分散体の保存安定性にも優れるものと考えられる。
以下、本発明に用いられる各成分、工程等について説明する。
[顔料分散剤]
本発明に用いられる顔料分散剤は、顔料の分散性を良好にし、塗膜の基板密着性と良好な現像性を両立する観点から、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(A)(以下、(A)成分ともいう)及びアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(B)(以下、(B)成分ともいう)を由来とする構成単位を含有し、(B)のポリアルキレングリコール部分が、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合付加体であり、ポリアルキレングリコール部分のアルキレンオキシド平均付加モル数が20〜200である。
顔料分散剤中のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(A)とアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(B)との重量比〔(A)/(B)〕は、顔料の分散性を向上させ、基板密着性を向上させる観点から、10/90〜49/51が好ましく、15/85〜40/60がより好ましく、20/80〜30/65が更に好ましく、20/80〜23.5/76.5がより更に好ましい。
本発明に用いられる顔料分散剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)成分及び(B)成分以外のモノマーを由来とする構成単位を含んでいてもよいが、(A)成分及び(B)成分を由来とする構成単位の含有量が、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは70重量%であり、更に好ましくは90重量%以上であり、より更に好ましくは(A)成分及び(B)成分を由来とする構成単位のみからなることが好ましい。
顔料分散剤のポリエチレングリコール換算の重量平均分子量は、基板密着性を向上させる観点から、好ましくは5,000〜50,000であり、より好ましくは10,000〜40,000であり、更に好ましくは11,000〜16,000であり、現像性を向上させる観点から、好ましくは5,000〜50,000であり、より好ましくは15,000〜40,000であり、更に好ましくは16,000〜30,000である。
なお、重量平均分子量の測定は、実施例記載の方法により行うことができる。
<ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(A)>
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(A)としては、顔料の分散性を向上させ、ひいては得られる硬化膜の現像性及び基板密着性を向上させる観点から、N,N−ジメチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド又はN,N−ジエチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドが好ましく、N,N−ジメチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドが好ましい。本明細書において(メタ)アクリルアミドとは、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミドを意味する。
N,N−ジメチルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、前記の観点から、N,N−ジメチルアミノアルキルアクリルアミドが好ましく、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド又はN,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミドが好ましく、なかでも、顔料表面への強い吸着性の観点から、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミドが好ましい。
顔料分散剤の全構成単位中の(A)由来の構成単位の含有量は、得られる硬化膜の基板密着性を向上させる観点から、好ましくは10〜49重量%であり、より好ましくは15〜40重量%であり、更に好ましくは20〜30重量%であり、より更に好ましくは20〜23.5重量%である。
<アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(B)>
アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(B)のポリアルキレングリコール部分が、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合付加体であり、ポリアルキレングリコール部分のアルキレンオキシド平均付加モル数が20〜200である。
アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートは、アルコキシポリアルキレングリコールメタクリレート又はアルコキシポリアルキレングリコールアクリレートのいずれでもよいが、アルコキシポリアルキレングリコールメタクリレートが好ましい。本明細書において(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。
前記ポリアルキレングリコール部分は、顔料の有機溶媒への分散性を高め、ひいては得られる硬化膜の基板密着性と現像性を両立させる観点から、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合付加体である。ポリアルキレングリコール部分のエチレンオキシドを由来とする構成単位とプロピレンオキシドを由来とする構成単位との重量比〔(エチレンオキシドを由来とする構成単位)/(プロピレンオキシドを由来とする構成単位)〕は、10/90〜80/20が好ましい。なかでも、得られる硬化膜の現像性を向上させる観点から、40/60〜75/25が好ましく、50/50〜70/30がより好ましく、60/40〜70/30が更に好ましい。また、得られる硬化膜の基板密着性を向上させる観点から、10/90〜60/40がより好ましく、15/85〜50/50がより好ましく、20/80〜50/50が更に好ましい。
また、ポリアルキレングリコール部分は、ブロック付加体、ランダム付加体のいずれでもよいが、得られる硬化膜の基板密着性と現像性を両立させる観点から、ブロック付加体であることが好ましく、メタクリレート側がエチレンオキシドを由来とする構成単位を有し、末端側がプロピレンオキシドを由来とする構成単位を有するブロック付加体であることがより好ましい。
このようなブロック付加体は、特に制限されないが、例えば、以下の方法により得ることができる。
アルコキシプロピレングリコール又はアルコキシジプロピレングリコールを出発物質として、塩基触媒の存在下でプロピレンオキシドを開環重合させ、その後に、更に塩基触媒の存在下でエチレンオキシドを開環重合させることでアルコキシポリプロピレングリコールポリエチレングリコールが得られる。更に、当該アルコキシポリプロピレングリコールポリエチレングリコールと(メタ)アクリル酸とを脱水反応させることでアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(B)が得られる。
アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(B)は、顔料の有機溶媒への分散性を高め、ひいては得られる硬化膜の基板密着性と現像性を両立させる観点から、ポリアルキレングリコール部分のアルキレンオキシド平均付加モル数が20〜200であり、なかでも現像性を向上させる観点から、20〜150が好ましく、20〜39がより好ましく、30〜39が更に好ましい。また、基板密着性を向上させる観点から、30〜150が好ましく、40〜100がより好ましく、40〜70が更に好ましい。
アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(B)のアルコキシ基としては、分散性を向上させる観点から、炭素数1〜12が好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が更に好ましい。アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、メトキシ基が好ましい。
顔料分散剤の全構成単位中の(B)成分由来の構成単位の含有量は、分散性を向上させ、ひいては得られる硬化膜の基板密着性を向上させる観点から、好ましくは51〜95重量%であり、より好ましくは60〜85重量%であり、更に好ましくは70〜80重量%であり、より更に好ましくは76.5〜80重量%である。
<顔料分散剤の製造>
前記顔料分散剤は、モノマー混合物を公知の重合法により共重合させることによって製造される。重合法としては溶液重合法が好ましい。
溶液重合法で用いる溶媒に制限はないが、後述の本発明に用いられるエーテル系有機溶媒又は沸点が100℃以下の有機溶媒が好ましく、顔料の分散安定性を高める観点から、エーテル系有機溶媒が好ましい。
エーテル系有機溶媒としては、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA)がより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)が更に好ましい。
沸点が100℃以下の有機溶媒は、重合後の除去が容易である点から好ましく用いられ、例としては、アセトン、メチルエチルケトン、エタノール等が挙げられる。
重合の際には、重合開始剤や重合連鎖移動剤を用いることができるが、重合開始剤としては、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が好ましく、重合連鎖移動剤としては、2−メルカプトエタノールが好ましい。
好ましい重合条件は、重合開始剤の種類等によって異なるが、重合温度は50〜80℃が好ましく、重合時間は1〜20時間であることが好ましい。また、重合雰囲気は、窒素ガス雰囲気、アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
[有機顔料]
本発明に用いられる有機顔料(以下、単に「顔料」ともいう)としては、カラーフィルターに好適に用いられるものであれば特に制限はなく、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、縮合多環顔料、レーキ顔料等が挙げられる。
顔料の酸量(COOH換算)は、100〜300μmol/gが好ましい。なかでも、顔料分散剤の吸着性の観点から、100〜250μmol/gがより好ましく、100〜200μmol/gが更に好ましい。なお、酸量の測定方法は、実施例記載の方法により行うことができる。
アゾ顔料としてはC.I.ピグメントレッド3等の不溶性アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド48:1等の溶性アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド144等の縮合アゾ顔料が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:6等の銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
縮合多環顔料としては、C.I.ピグメントレッド177等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド123等のペリレン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ43等のペリノン系顔料、C.I.ピグメントレッド122等のキナクリドン系顔料、C.I.ピグメントバイオレット23等のジオキサジン系顔料、C.I.ピグメントイエロー109等のイソインドリノン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ66等のイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントイエロー138等のキノフタロン系顔料、C.I.ピグメントイエロー150等のニッケルアゾ錯体系顔料、C.I.ピグメントレッド88等のインジゴ系顔料、C.I.ピグメントグリーン8等の金属錯体顔料、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントオレンジ71等のジケトピロロピロール系顔料等が挙げられる。
これらの中では、本発明の効果をより有効に発現させる観点から、下記一般式(1)で表されるジケトピロロピロール系顔料が好ましい。
Figure 2013257454
式(1)中、X1及びX2は、それぞれ独立して、水素原子又はハロゲン原子を示し、Y1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子又は−SO3H基を示す。なお、ハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子が好ましい。
ジケトピロロピロール系顔料の市販品の好適例としては、BASF社製、C.I.ピグメントレッド254、商品名「Irgaphor Red B-CF」、「Irgaphor Red BK-CF」、「Irgaphor Red BT-CF」、「Irgazin DPP Red BO」、「Irgazin DPP Red BL」、「Cromophtal DPP Red BP」、「Cromophtal DPP Red BOC」等が挙げられる。
有機顔料は、明度Y値の向上の観点から、その平均一次粒子径を、好ましくは100nm以下、更に好ましくは20〜60nmにした微粒化処理品を用いることが望ましい。有機顔料の平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測してその平均値をその粒子の粒子径とし、100個以上の粒子について、それぞれの粒子の体積を、粒子径を一辺とする立方体と近似して体積平均粒子径を求め、それを平均一次粒子径とする。
上記の有機顔料は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、有機顔料とエーテル系有機溶媒との親和性を高め、分散安定性を高めるという観点から、有機顔料の表面に、樹脂や高分子、顔料誘導体等により予め表面処理を施した顔料を用いることもできる。
[エーテル系有機溶媒]
本発明においては、顔料の分散性を高めるとともに、カラーフィルターに用いられるバインダー成分等との相溶性を高め、得られる硬化膜の基板密着性と現像性を両立させる観点から、エーテル系有機溶媒が用いられる。
エーテル系有機溶媒の25℃での粘度は、顔料分散体を用いた硬化膜のコントラストを向上させる観点から、0.8〜5.0mPa・sが好ましく、0.9〜4.0mPa・sがより好ましく、1.0〜3.5mPa・sが更に好ましい。
エーテル系有機溶媒のSP値は、顔料表面との適度な親和性、低表面張力、カラーフィルターに用いられるバインダー成分等との相溶性を高め、得られる硬化膜のコントラストを向上させる観点から、7.5〜10.5が好ましく、8.0〜9.5がより好ましく、8.5〜9.0が更に好ましい。SP値はFedorの方法によって求められる。
エーテル系有機溶媒の沸点は、塗膜乾燥での除去の容易さと作業安全性の観点から、50〜300℃が好ましく、100〜260℃がより好ましく、120〜200℃が更に好ましい。
エーテル系有機溶媒としては、顔料表面との適度な親和性、塗膜乾燥での除去の容易性、低表面張力、カラーフィルターに用いられるバインダー成分等との相溶性を高め、得られる硬化膜のコントラストを向上させる観点から、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート、(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテルが好ましく、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートがより好ましい。本明細書において(ポリ)アルキレングリコールとは、アルキレングリコール及び/又はポリアルキレングリコールを意味する。
(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートの例としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられ、なかでも有機顔料の分散性の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、沸点:146℃、25℃での粘度:1.1mPa・s、SP値:8.73)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA、沸点:247℃、25℃での粘度:3.1mPa・s、SP値:8.94)が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)がより好ましい。
(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネートの例としては、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート等が挙げられる。
(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテルの例としては、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルプロピルエーテル等が挙げられる。
[顔料分散体の製造方法]
本発明のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法に特に制限はないが、得られる硬化膜の基板密着性と現像性を両立させる観点から、下記工程を含むことが好ましい。
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(A)及びアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(B)を由来とする構成単位を含有し、(B)のポリアルキレングリコール部分が、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合付加体であり、ポリアルキレングリコール部分のアルキレンオキシド平均付加モル数が20〜200である顔料分散剤、有機顔料、及びエーテル系有機溶媒の混合物を分散する工程。
本製造法の前記分散工程における分散方法に特に制限はなく、前記混合物を一度の分散で目的とする顔料分散体を得てもよいが、前記混合物を予備分散した後、更に本分散を行うことが、より微細で均一な顔料分散体を得る観点から好ましい。
(予備分散)
前記予備分散は、顔料分散剤、有機顔料、及びエーテル系有機溶媒の全成分を一度に混合し、分散してもよいが、顔料分散剤及びエーテル系有機溶媒を予め混合して予備混合物を調製し、得られた予備混合物に顔料を混合し、分散して最終的な混合物を得ることが好ましい。
予備分散工程における、顔料分散液中の顔料の含有量は、良好な着色性を得る観点から、3重量%以上が好ましく、良好な着色性及び粘度を得る観点から、3〜30重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
予備分散工程における、顔料分散液中の顔料分散剤の含有量は、基板密着性と現像性に優れた硬化膜を得る観点から、2〜15重量%が好ましく、4〜9重量%がより好ましい。
予備分散工程において、顔料に対する顔料分散剤の重量比〔顔料分散剤/顔料〕は、顔料に必要量の顔料分散剤を付着させ、ひいては得られる硬化膜のコントラストを向上させ、基板密着性と現像性を向上させる観点から、0.2〜1.6が好ましく、0.3〜1.2がより好ましく、0.4〜0.8が更に好ましい。
予備分散工程における、エーテル系有機溶媒の含有量は、均一に分散させる観点から、20〜90重量%が好ましく、40〜85重量%がより好ましい。
予備分散工程における分散時間は特に制限はないが、0.1〜10時間が好ましく、0.5〜5時間がより好ましく、1〜4時間が更に好ましい。
予備分散で用いる混合分散機に特に制限はなく、公知の種々の分散機を用いることができる。例えば、ホモミキサー等の高速撹拌混合装置、ロールミル、ニーダー、エクストルーダ等の混練機、高圧ホモジナイザー等の高圧式分散機、ペイントシェーカー、ビーズミル等のメディア式分散機等が挙げられる。これらの装置は複数を組み合わせて使用することもできる。
これらの中では、有機顔料をエーテル系有機溶媒中に均一に混合させる観点から、ホモミキサー等の高速撹拌混合装置、ペイントシェーカーやビーズミル等のメディア式分散機がより好ましい。
メディア式分散機を用いる場合に、予備分散工程で用いるメディアの材質としては、ジルコニア、チタニア等のセラミックス、ポリエチレン、ナイロン等の高分子材料、金属等が好ましく、摩耗性の観点からジルコニアが好ましい。また、メディアの直径としては、有機顔料中の凝集粒子を解砕する観点から、0.1〜0.5mmが好ましく、0.1〜0.4mmがより好ましい。
(本分散)
本分散は、予備分散で得られた予備分散液を分散処理する工程であり、前記予備分散工程で得られた混合物を更に微細化するために行われるが、有機顔料を微細化する観点から、メディア式分散機を用いることが好ましく、前記の高圧式分散機を併用してもよい。
本分散工程で用いるメディアの材質としては、ジルコニア、チタニア等のセラミックス、ポリエチレン、ナイロン等の高分子材料、金属等が好ましく、摩耗性の観点からジルコニアが好ましい。また、メディアの直径としては、有機顔料を微細化する観点から、0.15mm以下が好ましく、0.1mm以下がより好ましく、0.07mm以下が更に好ましく、メディアを顔料と分離する観点から、0.003mm以上がより好ましく、0.01mm以上が更に好ましい。
以上の観点から、本分散工程で用いるメディア直径としては、0.003〜0.1mmが好ましく、0.01〜0.07mmがより好ましい。
以上のように、本分散工程は前記予備分散工程より小さいメディアを用いて分散することが好ましい。
すなわち、本発明において、混合物を分散する工程は、メディアを用いて分散する予備分散工程と前記予備分散工程より小さいメディアを用いて分散する本分散工程を含むことが好ましい。
本分散工程で用いるメディア式分散機としては、ペイントシェーカー、ビーズミル等が好ましく、市販のメディア式分散機としては、ウルトラ・アペックス・ミル(寿工業株式会社製、商品名)、ピコミル(浅田鉄工株式会社製、商品名)等が挙げられる。
本分散工程における分散時の温度は、得られる顔料分散液の保存安定性の観点から、10〜35℃に保つことが好ましく、15〜30℃がより好ましく、18〜27℃が更に好ましい。
本分散工程における分散時間は、有機顔料を十分に微細化する観点から、2〜200時間が好ましく3〜50時間がより好ましい。
本分散工程における、顔料分散液中の有機顔料の割合、顔料分散液中の顔料分散剤の含有量、顔料に対する顔料分散剤の重量比〔顔料分散剤/顔料〕、エーテル系有機溶媒の含有量は、前記の予備分散工程における場合と同じである。
〔カラーフィルター用顔料分散体〕
本発明の製造方法により得られるカラーフィルター用顔料分散体は、前記顔料分散剤、有機顔料及びエーテル系有機溶媒を含む。
顔料分散体中の有機顔料の含有量は、良好な着色性を得る観点から、3重量%以上が好ましく、良好な着色性及び粘度を得る観点から、3〜30重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
顔料分散体中の顔料に対する顔料分散剤の重量比〔顔料分散剤/顔料〕は、コントラストを向上させる観点から、0.2〜1.5であり、0.3〜1.2が好ましく、0.4〜1.0がより好ましい。
顔料分散体中のエーテル系有機溶媒の含有量は、良好な着色性及び分散体の低粘度化の観点から、20〜90重量%が好ましく、40〜85重量%がより好ましい。
顔料分散体中の有機顔料の体積平均粒径は、カラーフィルター用色材として良好なコントラストを得るために、200nm以下が好ましく、120nm以下がより好ましく、20〜100nmが更に好ましく、20〜90nmがより更に好ましい。
なお、体積平均粒径は、粒径測定装置(堀場製作所社製、商品名:SZ−100)を用いて、測定条件として、例えばジケトピロロピロール系顔料の場合、顔料粒子屈折率:1.51、顔料密度:1.45g/cm3、PGMEA屈折率:1.400、PGMEA粘度:1.136mPa・s、測定温度:25℃を入力して、25℃で測定することができる。
本発明の製造方法により得られる顔料分散体の顔料濃度10重量%における粘度(20℃)は、カラーフィルター用色材として良好な粘度とするために、1〜200mPa・sが好ましく、1〜50mPa・sがより好ましく、2〜10mPa・sが更に好ましい。なかでも硬化膜の基板密着性を向上させる観点からは、3〜5.7mPa・sが好ましい。粘度の測定は実施例記載の方法による。
[カラーフィルター用着色組成物]
本発明のカラーフィルター用着色組成物は、前記製造方法によって得られた顔料分散体を含有するが、顔料分散剤、有機顔料及びエーテル系有機溶媒以外にバインダー成分等を含有することができる。
バインダー成分としては、電離放射線硬化性成分を含有するバインダー成分等が挙げられる。
電離放射線硬化性成分を含有するバインダー成分には、アルカリ可溶性樹脂、多官能モノマーや電離放射線により活性化する光重合開始剤を含有し、更に多官能オリゴマー、単官能のモノマー、及び増感剤等を配合することができる。
着色組成物中のバインダー成分の含有量は、溶媒を除いた有効分中20〜80重量%が好ましい。
前記アルカリ可溶性樹脂としては、ネガ型レジストに一般的に用いられるものを用いることができ、アルカリ水溶液に可溶性を有する樹脂、すなわち、0.05重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に20℃で1重量%以上溶解する樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の例としては、顔料の硬化膜中での分散を維持し、コントラストを向上させる観点から、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸の共重合体が好ましく挙げられ、(メタ)アクリル酸アルキル又は(メタ)アクリル酸ベンジルと、(メタ)アクリル酸との共重合体がより好ましく、(メタ)アクリル酸ベンジルと(メタ)アクリル酸との共重合体が更に好ましい。(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸の共重合割合〔モル比;(メタ)アクリル酸エステル/(メタ)アクリル酸〕は、97/3〜50/50であることが好ましく、95/5〜70/30であることがより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は5,000〜50,000が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の含有量は、溶媒を除いた有効分中20〜80重量%が好ましい。
多官能モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステル(例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等)、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミド、アリル化合物、ビニルエステル等が挙げられる。本発明の顔料分散体中の多官能モノマーの含有量は、溶媒を除いた有効分中10〜60重量%が好ましい。
光重合開始剤としては、芳香族ケトン類、ロフィン2量体、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、ポリハロゲン類等が挙げられる。例えば4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の組み合わせ、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン]、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルホリノプロピオフェノンが好ましい。
着色組成物中の光重合開始剤の含有量は、溶媒を除いた有効分中0.2〜20重量%が好ましい。
上記のアルカリ可溶性樹脂、多官能モノマー、光重合開始剤、更に多官能オリゴマー、単官能のモノマー、及び増感剤等の添加剤等は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のカラーフィルター着色組成物は、以下の工程(1)及び工程(2)を経てカラーフィルターの製造に使用される。
<工程(1)>
工程(1)は、カラーフィルター用着色組成物をガラス基板上に塗布、光硬化、現像を行い、塗膜を得る工程である。
工程(1)における、塗布は、ガラス基板上にロールコーター、スリットコーター、スプレー、バーコーター、アプリケーター、スピンコーター、ディップコーター、インクジェット、スクリーン印刷で塗布することが好ましく、スピンコーターで塗布することがより好ましい。塗布後には、有機溶媒を乾燥させ、塗膜の平滑性やハンドリングの観点から加熱することが好ましい。加熱温度は50〜140℃が好ましく、70〜90℃がより好ましい。加熱時間は0.5〜60分間が好ましく、1〜10分間がより好ましい。
光硬化は、塗膜に紫外線を照射して、塗膜を硬化させる。光硬化は続く現像でガラス基板上にパターンを残すために行い、現像で除去する部分には紫外線を防ぐフォトマスクを載せて硬化させないことが好ましい。光硬化は、紫外線照射量が10〜100mJ/cm2まで行うことが好ましい。
現像は、光硬化後の硬化塗膜をアルカリ水溶液中に浸漬し、更に水でリンスして未硬化部分を除去する。用いるアルカリ水溶液としては、アルカリ剤の濃度が0.001〜10重量%が好ましく、0.01〜1重量%が好ましい。また、現像に用いるアルカリ剤としては、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の水溶液が好ましく、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液がより好ましい。
<工程(2)>
工程(2)は、前記工程(1)で得た塗膜を70〜300℃に加熱して硬化膜を得る工程である。
工程(2)は、ポストベイク工程であり、本工程を行うことにより、硬度に優れた硬化膜を形成することができる。
硬度に優れ、耐熱性にも優れた硬化膜を得る観点から、加熱温度は70〜300℃であり、150〜280℃が好ましく、200〜270℃がより好ましい。
硬度に優れ、耐熱性にも優れた硬化膜を得る観点から、加熱時間は10〜300分間が好ましく、20〜40分間がより好ましい。
以上の工程を経て、ガラス基板と、該ガラス基板上に形成されたカラーフィルター用着色組成物の光硬化物と、を有するカラーフィルターが製造される。当該カラーフィルターは、ガラス基板と着色組成物の光硬化物との密着性に優れる。
上述した実施の形態に関し、本発明は以下のカラーフィルター用顔料分散体、その製造方法、カラーフィルター用顔料分散剤を含有するカラーフィルター用着色組成物及びカラーフィルターを開示する。
<1>ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(A)及びアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(B)を由来とする構成単位を含有し、(B)のポリアルキレングリコール部分が、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合付加体であり、ポリアルキレングリコール部分のアルキレンオキシド平均付加モル数が20〜200である顔料分散剤、有機顔料、及びエーテル系有機溶媒を含有するカラーフィルター用顔料分散体。
<2>(B)のポリアルキレングリコール部分が、メタクリレート側がエチレンオキシドを由来とする構成単位を有し、末端側がプロピレンオキシドを由来とする構成単位を有するブロック付加体である、<1>に記載のカラーフィルター用顔料分散体。
<3>(B)のポリアルキレングリコール部分のエチレンオキシドを由来とする構成単位とプロピレンオキシドを由来とする構成単位との重量比〔(エチレンオキシドを由来とする構成単位)/(プロピレンオキシドを由来とする構成単位)〕が、10/90〜80/20、好ましくは40/60〜75/25、より好ましくは50/50〜70/30、更に好ましくは60/40〜70/30、また、好ましくは10/90〜60/40、より好ましく15/85〜50/50、更に好ましくは20/80〜50/50である、<1>又は<2>に記載のカラーフィルター用顔料分散体。
<4>(B)のポリアルキレングリコール部分のアルキレンオキシド平均付加モル数が、20〜150、好ましくは20〜39、より好ましくは30〜39、また、好ましくは30〜150、より好ましくは40〜100、更に好ましくは40〜70である、<1>〜<3>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
<5>(B)のアルコキシ基の炭素数が、1〜12、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6である、<1>〜<4>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
<6>(B)のアルコキシ基が、メトキシ基、及びエトキシ基のうち1種または2種である、<1>〜<5>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
<7>前記顔料分散剤のポリエチレングリコール換算の重量平均分子量が5,000〜50,000、より好ましくは10,000〜40,000、更に好ましくは11,000〜16,000、また、15,000〜40,000であり、更に好ましくは16,000〜30,000である、<1>〜<6>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
<8>(A)がN,N−ジメチルアミノアルキルアクリルアミドである、<1>〜<7>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
<9>有機顔料の酸量(COOH換算)が、100〜300μmol/g、より好ましくは100〜250μmol/g、更に好ましくは100〜200μmol/gである、<1>〜<9>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
<10>有機顔料がジケトピロロピロール系顔料である、<1>〜<9>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
<11>ジケトピロロピロール系顔料が下記一般式(1)で表される<10>に記載のカラーフィルター用顔料分散体。
Figure 2013257454
〔式(1)中、X1及びX2は、それぞれ独立して、水素原子又はハロゲン原子を示し、Y1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子又は−SO3H基を示す。なお、ハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子が好ましい。〕
<12>顔料分散剤の全構成単位中の(A)由来の構成単位の含有量が、10〜49重量%、より好ましくは15〜40重量%、更に好ましくは20〜30重量%、より更に好ましくは20〜23.5重量%である、<1>〜<11>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
<13>顔料分散剤の全構成単位中の(B)由来の構成単位の含有量が、51〜95重量%、より好ましくは60〜85重量%、更に好ましくは70〜80重量%、より更に好ましくは76.5〜80重量%である、<1>〜<12>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
<14>顔料分散剤中のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(A)とアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(B)との重量比〔(A)/(B)〕が、10/90〜49/51、より好ましくは15/85〜40/60、更に好ましくは20/80〜30/65、より更に好ましくは20/80〜23.5/76.5である、<1>〜<13>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
<15>エーテル系有機溶媒の25℃での粘度が、0.8〜5.0mPa・s、より好ましくは0.9〜4.0mPa・s、更に好ましくは1.0〜3.5mPa・sである、<1>〜<14>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
<16>エーテル系有機溶媒のSP値が、7.5〜10.5、より好ましくは8.0〜9.5、更に好ましくは8.5〜9.0である、<1>〜<15>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
<17>エーテル系有機溶媒の沸点が、50〜300℃、より好ましくは100〜260℃、更に好ましくは120〜200℃である、<1>〜<16>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
<18>顔料分散体中の有機顔料の含有量が、3重量%以上、より好ましくは3〜30重量%、更に好ましくは5〜20重量%である、<1>〜<17>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
<19>顔料分散体中の顔料に対する顔料分散剤の重量比〔顔料分散剤/顔料〕が、0.2〜1.5、好ましくは0.3〜1.2、より好ましくは0.4〜1.0である、<1>〜<18>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
<20>顔料分散体中のエーテル系有機溶媒の含有量が、20〜90重量%、より好ましくは40〜85重量%である、<1>〜<19>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
<21>顔料分散体中の有機顔料の平均粒径が、200nm以下、より好ましくは120nm以下、更に好ましくは20〜100nm、より更に好ましくは20〜90nmである、<1>〜<20>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
<22>顔料分散体の顔料濃度10重量%における粘度(20℃)が、1〜200mPa・s、より好ましくは1〜50mPa・s、更に好ましくは2〜10mPa・s、より更に好ましくは3〜5.7mPa・sである、<1>〜<21>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
<23>ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(A)及びアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(B)を由来とする構成単位を含有し、(B)のポリアルキレングリコール部分が、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合付加体であり、ポリアルキレングリコール部分のアルキレンオキシド平均付加モル数が20〜200である顔料分散剤、有機顔料、及びエーテル系有機溶媒の混合物を分散する工程を含む、カラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<24>前記混合物を分散する工程が、メディアを用いて分散する予備分散工程と前記予備分散工程より小さいメディアを用いて分散する本分散工程を含む、<23>に記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<25>予備分散工程における、顔料分散液中の顔料の含有量が、3重量%以上、好ましくは3〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%である、<24>に記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<26>予備分散工程における、顔料分散液中の顔料分散剤の含有量が、2〜15重量%、より好ましくは4〜9重量%である、<24>又は<25>に記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<27>予備分散工程において、顔料に対する顔料分散剤の重量比〔顔料分散剤/顔料〕が、0.2〜1.6、より好ましくは0.3〜1.2、更に好ましくは0.4〜0.8である、<24>〜<26>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<28>予備分散工程における、エーテル系有機溶媒の含有量が、20〜90重量%、より好ましくは40〜85重量%である、<24>〜<27>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<29>予備分散工程における分散時間が、0.1〜10時間、より好ましくは0.5〜5時間、更に好ましくは1〜4時間である、<24>〜<28>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<30>予備分散工程におけるメディアの直径が、0.1〜0.5mm、より好ましくは0.1〜0.4mmである、<24>〜<29>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<31>本分散工程における分散時の温度が、10〜35℃、好ましくは15〜30℃、より好ましくは18〜27℃である、<24>〜<30>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<32>本分散工程における分散時間は、2〜200時間、より好ましく3〜50時間である、<24>〜<31>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<33>本分散工程におけるメディアの直径が、0.003〜0.1mm、より好ましくは0.01〜0.07mmである、<24>〜<32>のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
<34><1>〜<22>のいずれかに記載の顔料分散体と、(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリル酸の共重合体であるアルカリ可溶性樹脂と、を含有するカラーフィルター用着色組成物。
<35>アルカリ可溶性樹脂の(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸の共重合割合〔モル比;(メタ)アクリル酸エステル/(メタ)アクリル酸〕が、97/3〜50/50、より好ましくは95/5〜70/30である、<34>に記載のカラーフィルター用着色組成物。
<36>アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量が、5,000〜50,000である、<34>又は<35>に記載のカラーフィルター用着色組成物。
<37>多官能モノマーを更に含有する、<34>〜<36>のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物。
<38>光重合開始剤を更に含有する、<34>〜<37>のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物。
<39>ガラス基板と、該ガラス基板上に形成された<34>〜<38>のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物の光硬化物と、を有するカラーフィルター。
以下の製造例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り、「重量部」及び「重量%」である。「アルキレングリコール(Xモル)」とする表記におけるXは、当該アルキレングリコールのアルキレンオキシド平均付加モル数を意味する。なお、顔料分散剤の分子量、固形分、顔料分散体の粘度、平均粒径の測定、顔料の酸量の測定、及び硬化膜の現像性、基板密着性、コントラストの評価は以下の方法により行った。
(1)顔料分散剤の重量平均分子量の測定
顔料分散剤の重量平均分子量は、下記条件のいずれかで測定した。
<条件1>
エタノール/水(重量比3/7)に、リチウムブロマイドと酢酸をそれぞれ50mmol/Lと1重量%の濃度となるように溶解した液を溶離液として、ゲルクロマトグラフィー法〔東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8320GPC)、検出器:示差屈折計(装置付属)、東ソー株式会社製カラム(TSK−GEL、α−M×2本)、流速:0.6mL/min〕により、標準物質としてポリエチレングリコールを用いて測定した。
<条件2>
エタノール/水(重量比8/2)に、リチウムブロマイドと酢酸をそれぞれ50mmol/Lと1重量%の濃度となるように溶解した液を溶離液として、ゲルクロマトグラフィー法〔東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8320GPC)、検出器:示差屈折計(装置付属)、東ソー株式会社製カラム(TSK−GEL、α−M×2本)、流速:0.6mL/min〕により、標準物質としてポリエチレングリコールを用いて測定した。
(2)顔料分散剤の固形分の測定
シャーレにガラス棒と乾燥無水硫酸ナトリウム10部を量り採り、そこに顔料分散剤溶液2部(サンプル量)を加えてガラス棒で混合し、105℃の減圧乾燥機(圧力8kPa)で2時間乾燥した。乾燥後の重さを計り、次式より固形分を算出した。
固形分=〔(乾燥後の重さ)−(シャーレ+ガラス棒+無水硫酸ナトリウムの重さ)〕/(サンプル量)×100
(3)顔料分散体の粘度の測定
顔料濃度を10%に調整した顔料分散体1mLを、20℃で5分間保持した後、E型粘度計(東機産業株式会社製、TV−25 typeL、ローター1°34′×R24)を用いて、20℃で顔料分散体の粘度を測定した。ローターの回転数は20rpmで測定し、150mPa・sを超えた場合、10rpmに変更して測定した。
(4)顔料分散体の保存安定性の評価
(3)と同様に顔料濃度を10%に調整した顔料分散体をガラス製密閉容器に充填し、40℃で7日間静置した。この分散体1mLを、20℃で5分間保持した後、E型粘度計(東機産業株式会社製、TV−25 typeL、ローター1°34′×R24)を用いて、20℃で顔料分散体の粘度を測定した。ローターの回転数は20rpmで測定し、150mPa・sを超えた場合、10rpmに変更して測定した。
(5)顔料分散体の体積平均粒径の測定
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」という)15gを入れた20mlスクリュー管に、実施例及び比較例で得られた顔料分散体を0.01g添加し、試験管ミキサーを用いて2500rpmで1分間撹拌した。粒径測定装置(堀場製作所社製、商品名:SZ−100)を用いて、測定条件として、ジケトピロロピロール系顔料の粒子屈折率:1.51、PGMEAの屈折率:1.400とその粘度:1.136mPa・s、測定温度:25℃を入力して、25℃で測定した。粒子径解析−光子相関法(JIS Z 8826)に基づき、キュムラント解析されて求められたキュムラント平均粒径を顔料分散体の体積平均粒径を顔料分散体の平均粒径とした。
(6)顔料の酸量の測定
容器にメチルエチルケトン/イオン交換水混合溶液(重量比1:8)約50mlを入れ、スターラーで撹拌している中に、精秤した顔料約2gを添加した。0.1NNaOH溶液を6ml添加後、電位差自動滴定装置AT−610(京都電子工業製)を用いて、0.1NHCl溶液で逆滴定を行った。滴定量と顔料重量から、顔料の酸量(COOH換算)を計算により求めた。
(7)硬化膜の現像性の評価
実施例及び比較例で調製した着色組成物をガラス基板上にスピンコーターで塗布した後、水平台にて6分間静置し、80℃で3分間ホットプレートにより乾燥した。次いで、得られた塗膜にフォトマスクを載せ、紫外線ファイバースポット照射装置(株式会社モリテックス製、MUV−202U)を用いて60mJ/cm2まで紫外線を照射し、硬化膜基板を得た。
次いで、この硬化膜基板を、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.1%水溶液中でゆっくり揺動させ、5秒刻みで、水溶液から引き上げ、次いで水シャワーでリンスし未硬化部分を除去した。露光パターンが最も早く得られるテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液浸漬時間を現像時間とした。現像時間が短いほど現像性に優れる。
(8)基板密着性の評価
前記現像性の評価で得られた硬化膜基板のパターンの形成性を目視により観察し、下記の基準で基板密着性を評価した。
AA:完全なパターンが形成できており、パターンの端部に乱れがない。
A:完全なパターンが形成できているが、パターンの端部に乱れが見られる。
B:パターンの一部が形成できているが、一部は欠損している。
C:パターンのほぼ全体が欠損している。
パターンの形成性が良好であるほど基板密着性に優れる。
(9)コントラストの評価(硬化膜のコントラスト比の測定)
実施例及び比較例で調製した着色組成物をガラス基板上にスピンコーターで塗布した後、水平台にて6分間静置し、80℃で3分間ホットプレートにより乾燥した。次いで、得られた塗膜に紫外線ファイバースポット照射装置(株式会社モリテックス製、MUV−202U)を用いて60mJ/cm2まで紫外線を照射した後、230℃のクリーンオーブン内で90分間加熱してポストベーク(焼き締め)を行い、硬化膜を作製した。硬化膜のコントラスト比をコントラスト比測定器(壺坂電機株式会社製、CT−1)で測定した。
コントラスト比の値が大きいものほど、コントラストが良好である。
合成例1[メトキシポリプロピレングリコール(10モル)の合成]
撹拌装置、温度制御装置を備えた容積6.0Lのオートクレーブにメチルプロピレンジグリコール(日本乳化剤株式会社製、商品名:MFDG)965g(6.5モル)、48%水酸化カリウム水溶液38.7gを仕込み、オートクレーブ内を窒素置換した後に100℃、4.7kPaにて1.0時間水分を除去した。窒素で大気圧に戻して110℃まで昇温した後、プロピレンオキサイド(以下「PO」という)2920g(50.3モル)を圧力0.1〜0.45MPaとなるように導入しながら8時間、付加反応を行った。その後60℃まで冷却し、メトキシポリプロピレングリコール(10モル)3901gを得た。
合成例2[メトキシポリプロピレングリコール(19モル)の合成]
撹拌装置、温度制御装置を備えた容積6.0Lのオートクレーブに合成例1と同様にして得られたメトキシポリプロピレングリコール(10モル)974g(1.6モル)を仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、110℃まで昇温した後、PO882g(15.2モル)を圧力0.1〜0.45MPaとなるように導入しながら10時間、付加反応を行った。その後60℃まで冷却し、メトキシポリプロピレングリコール(19モル)1855gを得た。
合成例3[メトキシポリプロピレングリコール(27モル)の合成]
撹拌装置、温度制御装置を備えた容積6.0Lのオートクレーブに合成例2と同様にして得られたメトキシポリプロピレングリコール(19モル)1120g(1.0モル)を仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、110℃まで昇温した後、PO576g(9.9モル)を圧力0.1〜0.45MPaとなるように導入しながら18時間、付加反応を行った。その後60℃まで冷却し、メトキシポリプロピレングリコール(27モル)1692gを得た。
合成例4[メトキシポリプロピレングリコール(10モル)ポリエチレングリコール(15モル)の合成]
撹拌装置、温度制御装置を備えた容積1.5Lのオートクレーブに合成例1と同様にして得られたメトキシポリプロピレングリコール(10モル)529g(0.9モル)を仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、140℃まで昇温した後、エチレンオキサイド(以下「EO」という)570g(12.9モル)を圧力0.1〜0.4MPaとなるように導入しながら2時間、付加反応を行った。その後60℃まで冷却し、メトキシポリプロピレングリコール(10モル)ポリエチレングリコール(15モル)1095gを得た。
合成例5[メトキシポリプロピレングリコール(10モル)ポリエチレングリコール(29モル)の合成]
撹拌装置、温度制御装置を備えた容積6.0Lのオートクレーブに合成例1と同様にして得られたメトキシポリプロピレングリコール(10モル)919g(1.5モル)を仕込んだ。合成例4のEO570gを1980g(45.0モル)に、反応時間を3時間に変更した以外は、合成例4と同様にして、メトキシポリプロピレングリコール(10モル)ポリエチレングリコール(29モル)2896gを得た。
合成例6[メトキシポリプロピレングリコール(19モル)ポリエチレングリコール(21モル)の合成]
撹拌装置、温度制御装置を備えた容積1.5Lのオートクレーブに合成例2と同様にして得られたメトキシポリプロピレングリコール(19モル)650g(0.6モル)を仕込んだ。合成例4のEO570gを542g(12.3モル)に、反応時間を3時間に変更した以外は、合成例4と同様にして、メトキシポリプロピレングリコール(19モル)ポリエチレングリコール(21モル)1188gを得た。
合成例7[メトキシポリプロピレングリコール(27モル)ポリエチレングリコール(15モル)の合成]
撹拌装置、温度制御装置を備えた容積6.0Lのオートクレーブに合成例3と同様にして得られたメトキシポリプロピレングリコール(27モル)1510g(0.9モル)を仕込んだ。合成例4の反応時間を2.5時間に変更した以外は、合成例4と同様にして、メトキシポリプロピレングリコール(27モル)ポリエチレングリコール(15モル)2074gを得た。
合成例8〔メトキシポリプロピレングリコール(10モル)ポリエチレングリコール(15モル)メタクリレートの合成〕
撹拌装置、温度計、空気吹き込み管、ディーンスターク管、ジムロート管を装着した1リットルの四つ口フラスコに、合成例4で得たメトキシポリプロピレングリコール(10モル)ポリエチレングリコール(15モル)500g(0.39モル)、トルエン376g、p−トルエンスルホン酸・一水和物22.4g、ハイドロキノン1.1gを仕込み、50℃まで昇温し、50〜60℃で30分撹拌した。その後、メタクリル酸40.6g(0.47モル)を加え、吹き込み管により空気を吹き込みながら、110〜120℃で9時間反応させた。50〜60℃に冷却後、分液漏斗に移し、5N水酸化ナトリウム水溶液を加えてよく振り混ぜ、静置後に生じた下層を分離した。さらに20重量%塩化ナトリウム水溶液を加えてよく振り混ぜ、静置後に生じた下層を分離した。さらに20重量%塩化ナトリウム水溶液を加えてよく振り混ぜ、静置後に生じた下層を分離する操作を、下層のpHが7〜8になるまで繰り返した。上層にp−メトキシフェノール0.05gを加え、減圧下60℃でトルエンを除去し、メトキシポリプロピレングリコール(10モル)ポリエチレングリコール(15モル)メタクリレートを得た。
合成例9[メトキシポリプロピレングリコール(10モル)ポリエチレングリコール(29モル)メタクリレートの合成]
合成例8において、メトキシポリプロピレングリコール(10モル)ポリエチレングリコール(15モル)を合成例5で得られたメトキシポリプロピレングリコール(10モル)ポリエチレングリコール(29モル)500g(0.26モル)に、トルエン376gを362gに、p−トルエンスルホン酸・一水和物22.4gを15.1gに、ハイドロキノン1.1gを0.7gに、メタクリル酸40.6gを27.3g(0.32モル)にした以外は、合成例8と同様の方法により、メトキシポリプロピレングリコール(10モル)ポリエチレングリコール(29モル)メタクリレートを得た。
合成例10[メトキシポリプロピレングリコール(19モル)ポリエチレングリコール(21モル)メタクリレートの合成]
合成例8において、メトキシポリプロピレングリコール(10モル)ポリエチレングリコール(15モル)を合成例6で得たメトキシポリプロピレングリコール(19モル)ポリエチレングリコール(21モル)500g(0.24モル)に、トルエン376gを360gに、p−トルエンスルホン酸・一水和物22.4gを13.8gに、ハイドロキノン1.1gを0.7gに、メタクリル酸40.6gを25.1g(0.29モル)にした以外は、合成例8と同様の方法により、メトキシポリプロピレングリコール(19モル)ポリエチレングリコール(21モル)メタクリレートを得た。
合成例11[メトキシポリプロピレングリコール(27モル)ポリエチレングリコール(15モル)メタクリレートの合成]
合成例8において、メトキシポリプロピレングリコール(10モル)ポリエチレングリコール(15モル)を合成例7で得たメトキシポリプロピレングリコール(27モル)ポリエチレングリコール(15モル)500g(0.22モル)に、トルエン376gを357gに、p−トルエンスルホン酸・一水和物22.4gを12.6gに、ハイドロキノン1.1gを0.6gに、メタクリル酸40.6gを22.8g(0.29モル)にした以外は、合成例8と同様の方法により、メトキシポリプロピレングリコール(27モル)ポリエチレングリコール(15モル)メタクリレートを得た。
アルコキシポリプロピレングリコールポリエチレングリコールメタクリレートにおけるPO/EO付加モル数は、Varian社製 Mercury400型を用いてアルコキシポリプロピレングリコールポリエチレングリコールメタクリレート0.01gを重クロロホルム0.99gに溶解した溶液のプロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルにより求めた(測定条件:ノンデカップリング法、緩和時間10秒、積算回数32回)。PO付加モル数とEO付加モル数はそれぞれ以下の式により計算した。
PO付加モル数=(ポリオキシプロピレンのメチル基に由来するシグナルの積分値)/{(ビニリデン基に由来するシグナルの積分値)×1.5}
EO付加モル数=(ポリオキシエチレンのメチレン基に由来するシグナルの積分値)/{(ビニリデン基に由来するシグナルの積分値)×2}
製造例1〔顔料分散剤(1)(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/メトキシポリプロピレングリコール(10モル)ポリエチレングリコール(15モル)メタクリレート共重合体(33.3/66.7重量%))の合成〕
還流冷却器、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド(株式会社興人社製、商品名:DMAPAA−MHQ。以下「DMAPAA」という)15.0g、メトキシポリプロピレングリコール(10モル)ポリエチレングリコール(15モル)メタクリレート(合成例8、以下「M−PO(10)EO(15)」という)30.0g、2-メルカプトエタノール(東洋紡績株式会社製、以下「ME」という)0.14g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(協和発酵ケミカル株式会社製、商品名:PMA。以下、「PGMEA」という)69.1gを仕込み、窒素置換を行った。80℃で撹拌しながら、DMAPAA34.9g、M−PO(10)EO(15)70.1g、ME0.32gをPGMEA134.1gに溶解した液と2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業株式会社製、商品名:V−65。以下、「V−65」という)3.0gをPGMEA27.0gに溶解した液をそれぞれ3時間かけて滴下した。滴下終了した後に更に、V−65 0.38gをPGMEA3.75gに溶解した液を加え、撹拌を1時間続けた。その後更にV−65 0.38gをPGMEA3.75gに溶解した液を加え、撹拌を1時間続けた。その後、冷却し、顔料分散剤(1)(DMAPAA/M−PO(10)EO(15)共重合体)のPGMEA溶液を得た。溶液の固形分は39.3質量%であり、顔料分散剤(1)の重量平均分子量は39000(<条件2>による測定値)であった。
製造例2〔顔料分散剤(2)(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/メトキシポリプロピレングリコール(10モル)ポリエチレングリコール(29モル)メタクリレート共重合体(10.7/89.3重量%))の合成〕
還流冷却器、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにDMAPAA4.8g、メトキシポリプロピレングリコール(10モル)ポリエチレングリコール(29モル)メタクリレート(合成例9、以下「M−PO(10)EO(29)」という)40.2g、ME0.14g、PGMEA69.1gを仕込み、窒素置換を行った。80℃で撹拌しながら、DMAPAA11.2g、M−PO(10)EO(29)93.8g、ME0.32gをPGMEA134.1gに溶解した液とV−65 3.0gをPGMEA27.0gに溶解した液をそれぞれ3時間かけて滴下した。滴下終了した後に更に、V−65 0.38gをPGMEA3.75gに溶解した液を加え、撹拌を1時間続けた。その後更にV−65 0.38gをPGMEA3.75gに溶解した液を加え、撹拌を1時間続けた。その後、冷却し、顔料分散剤(2)(DMAPAA/M−PO(10)EO(29)共重合体)のPGMEA溶液を得た。溶液の固形分は39.3質量%であり、顔料分散剤(2)の重量平均分子量は20000(<条件2>による測定値)であった。
製造例3〔顔料分散剤(3)(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/メトキシポリプロピレングリコール(10モル)ポリエチレングリコール(29モル)メタクリレート共重合体(24.2/75.8重量%))の合成〕
還流冷却器、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにDMAPAA10.9g、M−PO(10)EO(29)34.1g、ME0.41g、PGMEA69.5gを仕込み、窒素置換を行った。80℃で撹拌しながら、DMAPAA25.4g、M−PO(10)EO(29)79.6g、ME0.95gをPGMEA135.1gに溶解した液とV−65 3.0gをPGMEA27.0gに溶解した液をそれぞれ3時間かけて滴下した。滴下終了した後に更に、V−65 0.38gをPGMEA3.75gに溶解した液を加え、撹拌を1時間続けた。その後更にV−65 0.38gをPGMEA3.75gに溶解した液を加え、撹拌を1時間続けた。その後、冷却し、顔料分散剤(3)(DMAPAA/M−PO(10)EO(29)共重合体)のPGMEA溶液を得た。溶液の固形分は39.7質量%であり、顔料分散剤(2)の重量平均分子量は19000(<条件2>による測定値)であった。
製造例4〔顔料分散剤(4)(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/メトキシポリプロピレングリコール(19モル)ポリエチレングリコール(21モル)メタクリレート共重合体(22.7/77.3重量%))の合成〕
還流冷却器、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにDMAPAA10.2g、メトキシポリプロピレングリコール(19モル)ポリエチレングリコール(21モル)メタクリレート(合成例10、以下「M−PO(19)EO(21)」という)34.8g、ME0.41g、PGMEA69.5gを仕込み、窒素置換を行った。80℃で撹拌しながら、DMAPAA23.8g、M−PO(19)EO(21)81.2g、ME0.95gをPGMEA135.1gに溶解した液とV−65 3.0gをPGMEA27.0gに溶解した液をそれぞれ3時間かけて滴下した。滴下終了した後に更に、V−65 0.38gをPGMEA3.75gに溶解した液を加え、撹拌を1時間続けた。その後更にV−65 0.38gをPGMEA3.75gに溶解した液を加え、撹拌を1時間続けた。その後、冷却し、顔料分散剤(4)(DMAPAA/M−PO(19)EO(21)共重合体)のPGMEA溶液を得た。溶液の固形分は39.7質量%であり、顔料分散剤(4)の重量平均分子量は13000(<条件2>による測定値)であった。
製造例5〔顔料分散剤(5)(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/メトキシポリプロピレングリコール(27モル)ポリエチレングリコール(15モル)メタクリレート共重合体(21.2/78.8重量%))の合成〕
還流冷却器、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにDMAPAA12.7g、メトキシポリプロピレングリコール(27モル)ポリエチレングリコール(15モル)メタクリレート(合成例11、以下「M−PO(27)EO(15)」という)47.3g、ME0.54g、PGMEA92.6gを仕込み、窒素置換を行った。80℃で撹拌しながら、DMAPAA29.6g、M−PO(27)EO(15)110.4g、ME1.26gをPGMEA180.1gに溶解した液とV−65 4.0gをPGMEA36.0gに溶解した液をそれぞれ3時間かけて滴下した。滴下終了した後に更に、V−65 0.50gをPGMEA5.0gに溶解した液を加え、撹拌を1時間続けた。その後更にV−65 0.50gをPGMEA5.0gに溶解した液を加え、撹拌を1時間続けた。その後、冷却し、顔料分散剤(5)(DMAPAA/M−PO(27)EO(15)共重合体)のPGMEA溶液を得た。溶液の固形分は40.8質量%であり、顔料分散剤(5)の重量平均分子量は14500(<条件2>による測定値)であった。
比較製造例1〔比較顔料分散剤(1)(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/ヒドロキシポリプロピレングリコール(5モル)メタクリレート共重合体(21.2/78.8重量%))の合成〕
製造例5において、メトキシポリプロピレングリコール(27モル)ポリエチレングリコール(15モル)メタクリレートをポリプロピレングリコール(5モル)モノメタクリレート(商品名:ブレンマーPP−1000,日油(株)製)(以下「PP−1000」又は「H−PO(5)」という)に変えて、それ以外は製造例5と同様にして、比較顔料分散剤(1)(DMAPAA/H−PO(5)共重合体)を得た。
溶液の固形分は40.8%であり、比較顔料分散剤(1)の重量平均分子量は12500(<条件2>による測定値)であった。
比較製造例2〔比較顔料分散剤(2)(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/メトキシポリエチレングリコール(23モル)メタクリレート共重合体(36.0/64.0重量%))の合成〕
還流冷却器、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにDMAPAA43.1g、メトキシポリエチレングリコール(23モル)メタクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステルM−230G。以下、「M−230G」又は「M−EO(23)」という)76.9g、ME0.36g、PGMEA184.1gを仕込み、窒素置換を行った。80℃で撹拌しながら、DMAPAA100.7g、M−230G179.3g、ME0.84gをPGMEA357.7gに溶解した液とV−65 8.0gをPGMEA72.0gに溶解した液をそれぞれ3時間かけて滴下した。滴下終了した後に更に、V−65 1.0gをPGMEA10.0gに溶解した液を加え、撹拌を1時間続けた。その後更にV−65 1.0gをPGMEA10.0gに溶解した液を加え、撹拌を1時間続けた。その後、冷却し、比較顔料分散剤(2)(DMAPAA/M−EO(23)共重合体)のPGMEA溶液を得た。
溶液の固形分は40.1%であり、比較顔料分散剤(2)の重量平均分子量は33100(<条件1>による測定値)であった。
比較製造例3〔比較顔料分散剤(3)(3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミド/メトキシポリエチレングリコール(45モル)メタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体(15.0/20.0/65.0重量%))の合成〕
還流冷却器、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにDMAPAA18.0g、メトキシポリエチレングリコール(45モル)メタクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステルM−450G。以下、「M−450G」又は「M−EO(45)」という)24.0g、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー(東亞合成株式会社製、商品名:マクロモノマーAA−6、数平均分子量6000。以下、「AA−6」という)78.0g、ME0.36g、PGMEA184.1gを仕込み、窒素置換を行った。80℃で撹拌しながら、DMAPAA42.0g、M−450G56.0g、AA−6を182.0g、ME0.84gをPGMEA357.7gに溶解した液とV−65 8.0gをPGMEA72.0gに溶解した液をそれぞれ3時間かけて滴下した。滴下終了した後に更に、V−65 1.0gをPGMEA10.0gに溶解した液を加え、撹拌を1時間続けた。その後更にV−65 1.0gをPGMEA10.0gに溶解した液を加え、撹拌を1時間続けた。その後、冷却し、比較顔料分散剤(3)(DMAPAA/M−EO(45)/AA−6共重合体)のPGMEA溶液を得た。
溶液の固形分は40.0%であり、比較顔料分散剤(3)(DMAPAA/M−EO(45)/AA−6共重合体)の重量平均分子量は45000(<条件2>による測定値)であった。
実施例1(顔料分散体(1)の調製)
PGMEA119.7g、製造例1で得られた顔料分散剤(1)溶液15.3g(有効分6.0g)、ジケトピロロピロール系顔料(クラリアントジャパン株式会社製、C.I.ピグメントレッド254、商品名「Hostaperm Red D2B−COF LV3781、平均一次粒子径:30nm、酸量:156μmol/g)15.0g、さらにφ0.3mmのジルコニアビーズ300gを500mlポリ容器に入れ、ペイントシェーカーにて3時間撹拌した後、ジルコニアビーズを除去して予備分散液を得た。
次いで、この予備分散液100gと、φ0.05mmジルコニアビーズ200gを250mlポリ容器に入れ、ペイントシェーカーで24時間撹拌し、ジルコニアビーズを除去した後、顔料分散体(1)を得た。
実施例2〜5及び比較例1〜3(顔料分散体(2)〜(5)及び比較顔料分散体(1)〜(3)の調製)
実施例1において、顔料分散剤(1)を、それぞれ顔料分散剤(2)〜(5)、比較顔料分散剤(1)〜(3)にかえて、有効分6.0gとなるようにし、PGMEAの量を実施例1と同様になるように調整した以外は、実施例1と同様にして、顔料分散体(2)〜(5)及び比較顔料分散体(1)〜(3)を得た。
比較例4(比較顔料分散体(4)の調製)
実施例1において、顔料分散剤(1)溶液15.3gを、アジスパーPB821(ポリアリルアミン−ポリカプロラクトン系グラフト型分散剤、味の素ファインテクノ株式会社製、固形分100%)6.0gに、PGMEA119.7gをPGMEA129.0gに変えて、それ以外は実施例1と同様にして、比較顔料分散体(4)を得た。
比較例5(比較顔料分散体(5)の調製)
実施例1において、顔料分散剤(1)溶液15.3gを、ソルスパース76500(エチレンオキサイド鎖、プロピレンオキサイド鎖および4級化剤により4級化されたアミノ基を有するポリウレタン系分散剤、日本ルーブリゾール株式会社製、固形分50%)12.0gに、PGMEA119.7gをPGMEA123.0gに変えて、それ以外は実施例1と同様にして、比較顔料分散体(5)を得た。
実施例6〜10及び比較例6〜10(着色組成物の調製)
顔料濃度を10%に調整した顔料分散体(1)〜(5)及び比較顔料分散体(1)〜(5)1.00部、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(アルカリ可溶性樹脂、モル比:80/20、重量平均分子量:14000、固形分40重量%のPGMEA溶液)0.194部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(多官能モノマー:日本化薬株式会社製、DPHA)0.059部、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルホリノプロピオフェノン(光重合開始剤:和光純薬工業株式会社製)0.045部、PGMEA0.250部を均一になるまで試験管ミキサーで混合し、着色組成物を得た。
得られた顔料分散体(1)〜(5)(実施例1〜5)、比較顔料分散体(1)〜(5)(比較例1〜5)の物性評価結果とそれらに対応する着色組成物(実施例6〜10、比較例6〜10)の評価結果を表1に示す
Figure 2013257454
表1から、実施例1〜5の顔料分散体によれば、粘度が低く、保存安定性に優れることが分かる。更に、実施例1〜5の顔料分散体を含有する実施例6〜10の着色組成物は、比較例1〜5の顔料分散体を含有する比較例6〜10の着色組成物よりも、硬化膜のコントラストに優れ、現像時の現像時間が短く、現像性に優れ、得られる硬化膜の基板密着性にも優れ、これらを両立できることが分かる。

Claims (12)

  1. ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(A)及びアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(B)を由来とする構成単位を含有し、(B)のポリアルキレングリコール部分が、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合付加体であり、ポリアルキレングリコール部分のアルキレンオキシド平均付加モル数が20〜200である顔料分散剤、有機顔料、及びエーテル系有機溶媒を含有するカラーフィルター用顔料分散体。
  2. (B)のポリアルキレングリコール部分が、メタクリレート側がエチレンオキシドを由来とする構成単位を有し、末端側がプロピレンオキシドを由来とする構成単位を有するブロック付加体である、請求項1に記載のカラーフィルター用顔料分散体。
  3. (B)のポリアルキレングリコール部分のエチレンオキシドを由来とする構成単位とプロピレンオキシドを由来とする構成単位との重量比〔(エチレンオキシドを由来とする構成単位)/(プロピレンオキシドを由来とする構成単位)〕が、10/90〜80/20である、請求項1又は2に記載のカラーフィルター用顔料分散体。
  4. 前記顔料分散剤のポリエチレングリコール換算の重量平均分子量が5000〜50000である、請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
  5. 有機顔料の酸量(COOH換算)が、100〜300μmol/gである、請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
  6. (A)がN,N−ジメチルアミノアルキルアクリルアミドである、請求項1〜5のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
  7. 有機顔料がジケトピロロピロール系顔料である、請求項1〜6のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
  8. 顔料分散剤の全構成単位中の(B)由来の構成単位の含有量が、51〜95重量%である、請求項1〜7のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体。
  9. ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド(A)及びアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(B)を由来とする構成単位を含有し、(B)のポリアルキレングリコール部分が、プロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合付加体であり、ポリアルキレングリコール部分のアルキレンオキシド平均付加モル数が20〜200である顔料分散剤、有機顔料、及びエーテル系有機溶媒の混合物を分散する工程を含む、カラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
  10. 前記混合物を分散する工程が、メディアを用いて分散する予備分散工程と前記予備分散工程より小さいメディアを用いて分散する本分散工程を含む、請求項9に記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の顔料分散体と、(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリル酸の共重合体であるアルカリ可溶性樹脂と、を含有するカラーフィルター用着色組成物。
  12. ガラス基板と、該ガラス基板上に形成された請求項11に記載のカラーフィルター用着色組成物の光硬化物と、を有するカラーフィルター。
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