JP2016020166A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステアリング操作に対する運転者の違和感を低減させても処理の複雑化を抑えること。
【解決手段】ステアリング装置は、操舵機構、操舵機構にアシストトルクを付与する操舵モータと、アシストトルクを発生させるように操舵モータを制御するECU(目標値演算部、モータ制御部)とを備える。ECUは、操舵機構にかかる操舵トルクτに応じて操舵モータが付与するアシストトルクの目標値を演算し、その演算結果に基づく目標値となるように操舵モータを制御する操舵アシスト処理を行う。そして、ECUは、ガタ詰め処理におけるステップS101及びステップS102の判断が共に肯定の場合、操舵アシスト処理の開始に先立って操舵機構にかかる操舵とは反対方向にトルクを発生させるように操舵モータを制御するようにした。
【選択図】図4

Description

本発明は、ステアリング装置に関する。
従来、ステアリングホイールの操作に伴うステアリングシャフトの回転をラック軸に伝達することにより転舵輪の向きを変える操舵機構を備えたステアリング装置では、運転者のステアリング操作を補助(操舵アシスト)するものがある。操舵アシストには、モータ等のアクチュエータが用いられ、運転者のステアリング操作に応じてモータ等の制御がなされる。
操舵機構におけるステアリングホイールからステアリングシャフトを経てラック軸に至る途中には、機械的に連結される機械要素を多く有する。ステアリングシャフトとラック軸との連結自体もラックアンドピニオン機構等のように機械的に構成される機械要素である。このため、ステアリングホイールからラック軸、ステアリングシャフトとラック軸との連結といったように機械要素においては、部品の経年劣化や組み付け及び製造誤差に起因してガタ付きが生じる場合がある。こうしたガタ付きは、機械要素同士の連結が不十分なのに操舵アシストする状況を招いたりするようになり、操舵アシストが却ってステアリング操作に対して運転者に違和感を与えてしまう。
こうした問題を解決するために、例えば、特許文献1に記載されるように、ステアリング装置に生じているガタ付きをステアリング操作の状況から検出する試みがなされている。
こうして検出したガタ付きに対し、例えば、特許文献2に記載されるように、操舵アシストのために発生させるトルクを算出する際に、ガタ付きを考慮して補正する試みがなされている。
特開2013−244855号公報 特開2011−255776号公報
上述した特許文献1及び特許文献2による問題解決は、操舵アシストの制御に際し、結局のところ常にガタ付きを想定して処理を行う必要がある。すなわち、操舵アシストのために発生させるトルクとして、アシストに必要なアシストトルクに加えてこうしたアシストトルクを補正するための補正トルクが必要となり、処理の複雑化を招く。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ステアリング操作に対する運転者の違和感を低減させても処理の複雑化を抑えることができるステアリング装置を提供することにある。
上記課題を解決するステアリング装置は、操舵機構と、操舵機構にアシストトルクを付与する操舵アクチュエータと、アシストトルクを発生させるように操舵アクチュエータを制御する制御部とを備える。制御部は、操舵機構にかかる操舵トルクに応じて操舵アクチュエータが付与するアシストトルクの目標値を演算し、その演算結果に基づく目標値となるように操舵アクチュエータを制御する操舵アシスト処理を行う。そして、制御部は、所定条件を満たす場合、操舵アシスト処理の開始に先立って操舵機構にかかる操舵とは反対方向にトルクを発生させるように操舵アクチュエータを制御するようにしている。
上記構成のように、操舵機構に部品の経年劣化や組み付け及び製造誤差に起因してガタ付きが生じている場合には、操舵機構にかかる操舵とは反対方向にトルクを発生させることで、上記ガタ付きを詰めることができるようになる。そして、こうした操舵機構にかかる操舵とは反対方向へのトルクの発生が操舵アシスト処理の開始に先立ってなされることで、この場合における実際の操舵アシスト処理の際には上記ガタ付きが詰められるようになる。このため、上記ガタ付きが詰められた後の操舵アシスト処理では、機械要素同士の連結が不十分なのに操舵アシストする状況の発生が抑制されるとともに、上記ガタ付きを考慮しての目標値の補正等の処理が不要になる。したがって、ステアリング操作に対する運転者の違和感を低減させても処理の複雑化を抑えることができる。
一方、操舵機構にかかる操舵とは反対方向へのトルクを状況に関係なく発生させてしまうと、実際には上記ガタ付きが生じていなければ却って運転者に違和感を与えかねない。そこで、上記構成では、操舵機構にかかる操舵とは反対方向へのトルクが所定条件を満たしている場合に発生されるようにしている。このため、適切な状況で上記ガタ付きが詰められるようになり、ステアリング操作に対する運転者の違和感を効果的に低減させることができる。
こうした所定条件としては、操舵機構にかかる操舵の速度が所定速度よりも大きい及び操舵機構にかかる操舵の加速度が所定加速度よりも大きい少なくとも一方を満たすことであったり、操舵機構にかかる操舵トルクが所定トルクよりも小さいことであったりする。これら構成によれば、操舵機構の操舵中であることを検出したりすることができ、操舵機構にかかる操舵とは反対方向へトルクを発生させる状況を操舵アシストが要求される状況に効果的に対応させることができる。
そして、所定条件の要素を単独で設定するだけでなく、所定条件の要素を複数設定することで、操舵アシストが要求される状況をさらに効果的に対応させることができる。例えば、操舵機構にかかる操舵の速度が所定速度よりも大きい、かつ操舵機構にかかる操舵トルクが所定トルクよりも小さい場合に所定条件を満たすようにすることが考えられる。その他、上記操舵の速度に関する条件を操舵の加速度に関する条件に置き換えたり、上記操舵トルクに関する条件をはずして操舵機構にかかる操舵の速度が所定速度よりも大きい及び操舵機構にかかる操舵の加速度が所定加速度よりも大きい何れも満たす場合に所定条件を満たすようにしたりすることも考えられる。
また、上述した効果を奏するためのステアリング装置としては、操舵トルクを検出するトルクセンサが設けられるステアリングシャフトと、ステアリングシャフトの一部であって、一端にステアリングホイールが連結されるコラム軸と、コラム軸に設けられるとともに、上記所定条件を判断するためのひとつの要素を検出する操舵角センサと、コラム軸と少なくとも一つの機械要素を介して連結をなすステアリングギヤボックスと、を備え、さらに操舵アクチュエータは、ステアリングギヤボックスにユニット化されることが推奨される。
上記構成において、操舵アクチュエータの動力は、ステアリングギヤボックスの動作源となる動作トルクや、ステアリングギヤボックスの動作をアシストするアシストトルクとして作用する。これによれば、操舵機構を構成するステアリングホイール(特にコラム軸)からステアリングギヤボックスの間の機械要素によるガタ付きを詰めることができるようになる。したがって、ステアリング操作に対する運転者の違和感を効果的に低減させる効果の及ぶ範囲を拡大することができる。
その他、操舵角センサについては、トルクセンサよりもステアリングシャフトのなるべくステアリングホイール側に設けることで、上記ガタ付きを詰める際の所定条件の判断をより高精度で行うことができる。
本発明によれば、ステアリング操作に対する運転者の違和感を低減させても処理の複雑化を抑えることができる。
ステアリング装置の概略を示す図。 モーターコントロールユニットを示す図。 操舵アシスト処理で演算するアシストトルクを説明する図。 ガタ詰め処理を説明するフローチャート。
以下、ステアリング装置の実施形態を説明する。
図1に示すように、本実施形態のステアリング装置は、運転者のステアリングホイール2の操作(以下、「ステアリング操作」という)により転舵輪6の舵角を変更可能な操舵機構1を備える。操舵機構1において、ステアリングホイール2が連結されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介して転舵軸としてのラック軸5に連結される。
具体的に、ステアリングホイール2は、ステアリングシャフト3に対して径方向に回転可能に機械機構2aを介して機械的に連結(固定)される。ステアリングシャフト3は、ステアリングホイール2側から順に、一端にステアリングホイール2が機械機構2aを介して連結されるコラム軸31と、コラム軸31と自在継手3aを介して機械的に連結される中間軸32と、中間軸32と自在継手3bを介して機械的に連結されるピニオン軸33からなる。ピニオン軸33とラック軸5とは所定の交差角をもって配置され、ラック軸5に形成されたラック歯5aとピニオン軸33に形成されたピニオン歯33aとが噛合されることでラックアンドピニオン機構4が構成される。
そして、運転者によるステアリングホイール2の操作(以下、「ステアリング操作」という)に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。そして、このラック軸5の往復直線運動により転舵輪6の舵角が変更される。
また、ステアリング装置のラック軸5には、操舵機構1の特にラック軸5に対してステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与(以下、「操舵アシスト」という)する操舵力補助装置としてのモーターコントロールユニット(以下、「MCU」という)10が備え付けられる。
図2に示すように、MCU10は、操舵アシストの際の動力源となる操舵アクチュエータとしての操舵モータ12と、操舵モータ12の作動を制御する制御部としてのECU20とを備える。操舵モータ12は、例えば、三相のブラシ付きモータが採用される。ECU20には、トルクセンサ14、車速センサ15、及び操舵角センサ16が接続される。
トルクセンサ14は、ステアリングホイール2に加わる操舵トルクτ、すなわち操舵機構1にかかる操舵トルクτを検出する。トルクセンサ14は、ラックアンドピニオン機構4のピニオン軸33側の部分に設けたトーションバー近傍に設けられ、ラックアンドピニオン機構4及びMCU10とユニット化されたステアリングギヤボックス11を構成する。そして、トルクセンサ14は、トーションバーの捻じれに応じた信号をECU20に出力する。
車速センサ15は、車両の車速Vを検出する。車速センサ15は、転舵輪6近傍に設けられる。そして、車速センサ15は、転舵輪6の回転速度に応じた信号をECU20に出力する。
操舵角センサ16は、ステアリングホイール2の操舵速度θvを検出する。操舵角センサ16は、ステアリングシャフト3のステアリングホイール2近傍、すなわちコラム軸31に設けられる。そして、操舵角センサ16は、ステアリングシャフト3の回転速度に応じた信号をECU20に出力する。なお、回転速度は、ステアリングシャフト3の操舵角を微分したものであって、正負の要素を持って正負から回転方向、すなわち操舵方向を意味する。
ステアリング装置は、操舵モータ12の回転をラック軸5に伝達することによりそのモータトルクを動力として操舵機構1に付与する。なお、MCU10の操舵モータ12は、ラック軸5と同軸に配置され、ボールねじ機構を介して回転をラック軸5に伝達する。こうした操舵モータ12が付与する動力は、ラック軸5の動作源となる動作トルクや、ラック軸5の動作をアシストするアシストトルクとして作用する。すなわち、本実施形態のステアリング装置におけるMCU10は、操舵力発生装置や、ラック型の電動パワーステアリング装置として機能しうる。
そして、ECU20は、各種センサのうちトルクセンサ14及び車速センサ15により検出される操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、操舵モータ12が発生するアシストトルクの目標値を演算する操舵アシスト処理を行う。
具体的に、ECU20は、目標値演算部21、及びモータ制御部22を備える。目標値演算部21は、操舵トルクτと車速Vとに応じて、マップを用いて目標値としてのモータトルク指令値Tr*を演算し、モータ制御部22に出力する。
例えば、図3のマップに示すように、アシストトルクの目標値は、操舵トルクτや車速Vから演算される。目標値演算部21は、操舵トルクτが大きくなるほど目標値を大きい値に設定する。また、目標値演算部21は、車速Vが速くなるほど、操舵トルクτに対する目標値の変化勾配(アシスト勾配)を小さくする。
モータ制御部22は、モータトルク指令値Tr*に基づく電流指令値を演算するとともに、その電流指令値の電流フィードバック制御を通じて、電圧指令値を演算する。そして、モータ制御部22は、電圧指令値に基づきモータ制御信号Smを演算して操舵モータ12への駆動電力の供給を制御する。
本実施形態の操舵機構1におけるステアリングホイール2からステアリングシャフト3を経てラック軸5に至る途中には、機械機構2a、自在継手3a,3bといった機械的に構成される機械要素を複数有する。ステアリングシャフト3とラック軸5との連結自体、すなわちラックアンドピニオン機構4もラック歯5aとピニオン歯33aのように機械的に構成される機械要素である。このため、ステアリングホイール2からラック軸5の連結、ラックアンドピニオン機構4といったように機械要素においては、部品の経年劣化や組み付け及び製造誤差に起因してガタ付きを生じる場合がある。なお、本実施形態で想定可能なガタ付きは、操舵モータ12から上流側に位置している上述した機械機構2a、自在継手3a,3b、ラックアンドピニオン機構4で生じるガタ付きである。
そこで、本実施形態の目標値演算部21(ECU20)は、各種センサのうちトルクセンサ14及び操舵角センサ16により検出される操舵トルクτ及び操舵速度θvに基づいて、操舵機構1における上述したガタ付きを詰めるガタ詰め処理を行う。目標値演算部21は、こうしたガタ詰め処理を操舵アシストによりアシストトルクを付与する、すなわち操舵アシスト処理の開始に先立って行う。
図4に示すように、ガタ詰め処理において、目標値演算部21は、操舵トルクτが「0(零)」であるか否か判断する(ステップS101)。ステップS101は操舵アシストの不感帯として設定され、本実施形態では操舵トルクτが「0」である場合に操舵アシストの不感帯となる。すなわち、本実施形態のMCU10は、操舵トルクが「0」である場合に操舵アシスト(操舵アシスト処理)を行わず、操舵トルクτが少しでも発生し、操舵トルクが「0」でない場合に操舵アシスト(操舵アシスト処理)を行う。
ステップS101にて、操舵トルクτが「0」でないと判断するとき(S101:NO)、目標値演算部21は、ガタ詰め処理から操舵アシスト処理へと移行する(ステップS201)。一方、ステップS101にて、操舵トルクτが「0」であると判断するとき(S101:YES)、目標値演算部21は、操舵速度θvが閾値αよりも大きいか否か判断する(ステップS102)。閾値αは、車両の走行中にステアリング操作されているとして経験的に導かれる値に設定される。
ステップS102にて、操舵速度θvが閾値α以下であると判断するとき(S102:NO)、目標値演算部21は、ガタ詰め処理から操舵アシスト処理へと移行する(ステップS201)。一方、ステップS102にて、操舵速度θvが閾値αよりも大きいと判断するとき(S102:YES)、目標値演算部21は、操舵方向の反対方向にモータトルクを発生させる(ステップS103)。ステップS103の操舵方向は、操舵速度θvから判断される。本実施形態では、ステップS101及びステップS102の判断が所定条件を満たすか否かの判断となり、それぞれの内容である操舵トルクτ及び操舵速度θvが所定条件の要素、すなわちパラメータとなる。そして、ステップS101及びステップS102の判断が共に「YES」となる肯定の場合に所定条件を満たし、どちらかが少なくとも「NO」となる否定の場合に所定条件を満たさない。
ステップS103にて、目標値演算部21は、操舵方向の反対方向にモータトルクを発生させるように操舵モータ12の回転を制御する。すなわち、目標値演算部21は、操舵モータ12を回転させるための目標値としてのモータトルク指令値Tr*を演算し、モータ制御部22に出力する。そして、目標値演算部21は、ステップS101の処理から順に、ステップS101又はステップS102の何れかが否定となるまでの間、ステップS101〜S103の1セットの処理、すなわちガタ詰め処理を繰り返し行う。
目標値演算部21は、操舵アシスト処理に先立って行う最初(1セット目)のセットのステップS103にて、予め定めた初期目標値を設定する。初期目標値は、操舵方向の反対方向に操舵モータ12の回転を始動させるのに必要として経験的に導かれる値に設定される。
そして、目標値演算部21は、操舵アシスト処理に先立って行う最初以後(2セット目以後)のセットのステップS103にて、上記初期目標値、又は直前のステップS103の目標値よりも小さく設定するといったことをガタ詰め処理のセットを繰り返す毎に行う。すなわち、目標値演算部21は、ガタ詰め処理を繰り返し、ステップS103を繰り返す毎に目標値を減衰させるように制御する。
ガタ詰め処理において、ステップS101及びステップS102の判断が共に肯定となる所定条件を満たす場合は、操舵トルクτが「0」かつ操舵速度θvがαよりも大きい状況である。これは、ステアリング操作が実際に行われているのに、操舵アシストが可能になっておらず、操舵機構1の途中で機械要素同士の連結が不十分で、その操作が操舵機構1全体に伝わりきれていないと言える。このようにして操舵機構1にガタ付きが生じているか否か、さらにはガタ詰めするように操舵方向の反対方向に操舵モータ12を回転させるか否かが判断される。
なお、ガタ詰め処理において、ステップS101が否定となる所定条件を満たさない場合は、操舵トルクτが「0」でない場合であって、既に操舵アシストしている状況が考えられる。また、ガタ詰め処理において、ステップS101が肯定かつステップS102が否定となる所定条件を満たさない場合は、ステアリング操作が実際に行われてなかったり、操舵速度θvがαに達していないので車両を車庫入れしていたりする状況が考えられる。
以上に説明したステアリング装置によれば、以下の(1)〜(6)に示す作用及び効果を奏する。
(1)ガタ詰め処理のステップS101及びステップS102の判断が共に肯定の場合には、操舵機構1にかかる操舵とは反対方向にモータトルクを発生させることで、操舵機構1に上述したようなガタ付きが生じていればガタ付きを詰めることができるようになる。
そして、こうした操舵機構1にかかる操舵とは反対方向へのモータトルクの発生が操舵アシスト処理の開始に先立ってなされることで、操舵機構1にガタ付きが生じていたとしてもこの場合における実際の操舵アシスト処理の際には、ガタ付きが詰められるようになる。
このため、ガタ付きが詰められた後の操舵アシスト処理では、機械要素同士の連結が不十分なのに操舵アシストする状況の発生が抑制されるとともに、ガタ付きを考慮しての目標値の補正等の処理が不要になる。したがって、ステアリング操作に対する運転者の違和感を低減させても処理の複雑化を抑えることができる。
(2)一方、操舵機構1にかかる操舵とは反対方向へのモータトルクを状況に関係なく発生させてしまうと、実際には上述したようなガタ付きが生じていなければ却って運転者に違和感を与えかねない。そこで、本実施形態では、操舵機構1にかかる操舵とは反対方向へのモータトルクを発生させるのは、ガタ詰め処理におけるステップS101及びステップS102の判断が共に肯定の場合としている。このため、適切な状況で上記ガタ付きが詰められるようになり、ステアリング操作に対する運転者の違和感を効果的に低減させることができる。
(3)こうしたステップS101及びステップS102の判断が共に肯定となる内容としては、操舵機構1にかかる操舵の操舵速度θvが所定速度「α」よりも大きいことを満たすとともに、操舵機構1にかかる操舵トルクτが「0」であることを満たす。
これらによれば、操舵機構1の操舵中であることを検出することができ、操舵機構1にかかる操舵とは反対方向へモータトルクを発生させる状況を操舵アシストが要求される状況に効果的に対応させることができる。
(4)本実施形態では、ガタ詰め処理におけるステップS101及びステップS102の判断が共に肯定となるように、操舵機構1にかかる操舵とは反対方向へモータトルクを発生させる条件の要素を単独で設定するだけでなく、操舵トルクτ及び操舵速度θvといったように複数設定している。したがって、操舵アシストが要求される状況をさらに効果的に対応させることができる。
(5)本実施形態において、操舵モータ12の動力は、ステアリングギヤボックス11、すなわちラック軸5の動作源となる動作トルクや、ステアリングギヤボックス11、すなわちラック軸5の動作をアシストするアシストトルクとして作用する。これによれば、操舵機構1を構成するステアリングホイール2(特にコラム軸31)からステアリングギヤボックス11、すなわち操舵アシストされるラック軸5の部分の間の機械要素によるガタ付きを詰めることができるようになる。したがって、ステアリング操作に対する運転者の違和感を効果的に低減させる効果の及ぶ範囲を拡大することができる。
(6)また、操舵角センサ16については、トルクセンサ14よりもステアリングシャフト3のなるべくステアリングホイール2側に設けることで、ガタ詰め処理における特にステップS102の判断をより高精度で行うことができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、操舵モータ12の回転をラック軸5に伝達することによりそのモータトルクを動力として操舵機構1に付与するようにしたが、操舵モータ12の回転をコラム軸31に伝達するようにしてもよい。この場合には、MCU10及びトルクセンサ14は、コラム軸31近傍に設けるようにする。本別例においても、ステアリングシャフト3における機械機構2aや自在継手3a等で生じるガタ付きについては上記実施形態同様の効果を奏する。
・ガタ詰め処理におけるステップS101の判断について、操舵トルクτが「0」でない場合を条件に設定してもよい。この条件には、範囲(幅)を持たせることもでき、操舵アシストの不感帯として設定される範囲であればよい。これによれば、操舵トルクτが「0」から値βまでの範囲を操舵アシストの不感帯として設定するステアリング装置へ適用することができる。ただし、値βは比較的に小さい値が好ましい。
・所定条件としては、操舵速度θvに替えて操舵加速度θaを用いるようにしてもよい。操舵加速度は、操舵角センサ16で検出され、ステアリングシャフト3の回転加速度に応じた信号としてECU20に出力される。なお、回転加速度は、回転速度を微分したものである。ただし、この場合にもステアリング操作の操舵方向を検出するには、操舵速度θvを用いる。その他、所定条件としては、操舵速度θv及び操舵加速度θaの何れも用いるようにしてもよく、この場合には操舵機構1にガタ付きが生じているか否かの判断の精度が高められる。
・所定条件の要素を単独で設定してもよく、操舵トルクτのみを設定したり、操舵速度θvのみを設定したり変更することで、ガタ詰め処理を簡素化することもできる。なお、操舵トルクτのみを設定する場合には、車速Vから車両の走行中であることを判断すれば、上記実施形態同様の効果を奏する。
・ガタ詰め処理におけるステップS101及びステップS102の処理順序を入れ替えることもできる。この場合でも上記実施形態同様の効果を奏する。
・操舵モータ12には、ブラシレスモータを採用することもできる。この場合には回転を制御するために操舵モータ12の回転角を検出し、その検出結果をECU20に出力する回転角センサを設ければよい。
・上記実施形態のステアリング装置は、ステアリングギヤボックス11のピニオン軸33(ラックアンドピニオン機構4)に操舵モータ12の動力を付与する、所謂、ピニオン型の電動パワーステアリング装置であってもよい。
次に、上記実施形態及び別例(変形例)から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記所定条件における前記所定トルクは操舵アシストの不感帯として設定される。この構成によれば、性能上、操舵アシストの不感帯が存在していてもそうした不感帯も考慮したガタ詰めを可能にする。
(ロ)前記操舵機構は、ステアリングホイールが連結されたステアリングシャフトと転舵輪が連結された転舵軸とを含み、前記操舵アクチュエータは、前記操舵機構の前記転舵軸に動力を付与するものである。この構成によれば、操舵機構を構成するステアリングホイールから操舵アシストされる転舵軸の部分の間におけるガタ付きを詰めることができるようになる。例えば、操舵機構がステアリングギヤボックスのピニオン軸に動力を付与するように構成される場合、ステアリングホイール(特にコラム軸)からピニオン軸の間の機械要素によるガタ付きを詰めることができる。
1…操舵機構、2…ステアリングホイール、2a…機械機構、3…ステアリングシャフト、3a,3b…自在継手、4…ラックアンドピニオン機構、5…ラック軸(転舵軸)、5a…ラック歯、12…操舵モータ(操舵アクチュエータ)、14…トルクセンサ、15…車速センサ、16…操舵角センサ、20…ECU(制御部)、21…目標値演算部(制御部)、22…モータ制御部(制御部)、31…コラム軸、32…中間軸、33…ピニオン軸、33a…ピニオン歯、τ…操舵トルク、V…車速、θv…操舵速度、θa…操舵加速度。

Claims (4)

  1. 操舵機構と、前記操舵機構にアシストトルクを付与する操舵アクチュエータと、前記アシストトルクを発生させるように前記操舵アクチュエータを制御する制御部とを備えるステアリング装置において、
    前記制御部は、
    前記操舵機構にかかる操舵トルクに応じて前記操舵アクチュエータが付与する前記アシストトルクの目標値を演算し、その演算結果に基づく目標値となるように前記操舵アクチュエータを制御する操舵アシスト処理を行い、
    所定条件を満たす場合、前記操舵アシスト処理の開始に先立って前記操舵機構にかかる操舵とは反対方向にトルクを発生させるように前記操舵アクチュエータを制御することを特徴とするステアリング装置。
  2. 前記所定条件は、前記操舵機構にかかる操舵の速度が所定速度よりも大きい及び前記操舵機構にかかる操舵の加速度が所定加速度よりも大きい少なくとも一方を満たす請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 前記所定条件は、前記操舵機構にかかる操舵トルクが所定トルクよりも小さいことを満たす請求項1又は請求項2に記載のステアリング装置。
  4. 前記操舵機構は、
    前記操舵トルクを検出するトルクセンサが設けられるステアリングシャフトと、
    前記ステアリングシャフトの一部であって、一端にステアリングホイールが連結されるコラム軸と、
    前記コラム軸に設けられるとともに、前記所定条件を判断するためのひとつの要素を検出する操舵角センサと、
    前記コラム軸と少なくとも一つの機械要素を介して連結をなすステアリングギヤボックスと、を備え、
    前記操舵アクチュエータは、前記ステアリングギヤボックスにユニット化される請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016068583A (ja) * 2014-09-26 2016-05-09 富士重工業株式会社 電動パワーステアリング装置

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