JP2015227273A - 分相ガラスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼結体からなる光取り出し層を形成しなくても、有機EL素子の光取り出し効率を高めることができ、しかも生産性に優れる分相ガラスの製造方法の提案。
【解決手段】屈折率nが1.55以上の分相性ガラスを成形した後、得られた分相性ガラスを熱処理して、少なくとも第一の相と第二の相を含む分相ガラスの製造方法。ガラス組成として、質量%で、SiO30〜75%、B0.1〜50%、Al0〜35%を含有する分相ガラス。
【選択図】図1

Description

本発明は、分相ガラスの製造方法に関し、具体的には、光散乱機能を有する分相ガラスの製造方法に関する。
近年、家電製品の普及、大型化、多機能化等の理由から、家庭等の生活空間で消費されるエネルギーが増えている。特に、照明機器のエネルギー消費が多くなっている。このため、高効率の照明が活発に検討されている。
照明用光源は、限られた範囲を照らす「指向性光源」と、広範囲を照らす「拡散光源」とに分けられる。LED照明は、「指向性光源」に相当し、白熱球の代替として採用されつつある。その一方で、「拡散光源」に相当する蛍光灯の代替光源が望まれており、その候補として、有機EL(エレクトロルミネッセンス)照明が有力である。
有機EL素子は、ガラス板と、陽極である透明導電膜と、電流の注入によって発光するエレクトロルミネッセンスを呈する有機化合物からなる一層又は複数層の発光層を含む有機EL層と、陰極とを備えた素子である。有機EL素子に用いられる有機EL層として、低分子色素系材料、共役高分子系材料等が用いられており、発光層を形成する場合、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層等との積層構造が形成される。このような積層構造を有する有機EL層を、陽極と陰極の間に配置し、陽極と陰極に電界を印加することにより、陽極である透明電極から注入された正孔と、陰極から注入された電子とが、発光層内で再結合し、その再結合エネルギーによって発光中心が励起されて、発光する。
有機EL素子は、携帯電話、ディスプレイ用途として検討が進められており、一部では既に実用化されている。また、有機EL素子は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の薄型テレビと同等の発光効率を有している。
しかし、有機EL素子を照明用光源に適用するためには、輝度が未だ実用レベルに到達しておらず、更なる発光効率の改善が必要である。
ガラス板と空気の屈折率差に起因して、ガラス板内に光が閉じ込められることが輝度低下の原因の一つである。例えば、屈折率n1.50のガラス板を用いた場合、空気の屈折率nは1.0であるため、臨界角はスネルの法則より42°と計算される。よって、この臨界角以上の入射角の光は、全反射を起こし、ガラス板内に閉じ込められて、空気中に取り出されないことになる。
特開2012−25634号公報
上記問題を解決するために、透明導電膜等とガラス板の間に、光取り出し層を形成することが検討されている。例えば、特許文献1には、ソーダガラス板の表面に、高屈折率のガラスフリットを焼結させた光取り出し層を形成すると共に、光取り出し層内に散乱物質を分散させることにより、光取り出し効率を高めることも記載されている。
しかし、ガラス板の表面に光取り出し層を形成するためには、ガラス板の表面にガラスペーストを塗布する印刷工程が必要になり、この工程は生産コストの高騰を招く。更に、ガラスフリット中に散乱粒子を分散させる場合、散乱粒子自体の吸収により光取り出し層の透過率が低くなる。
本発明は、上記事情に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、焼結体からなる光取り出し層を形成しなくても、有機EL素子の光取り出し効率を高めることができ、しかも生産性に優れるガラスの製造方法を創案することである。
本発明者は、鋭意検討の結果、高屈折率の分相性ガラスを熱処理して、分相ガラスを得ることにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の分相ガラスの製造方法は、屈折率nが1.55以上の分相性ガラスを成形した後、得られた分相性ガラスを熱処理して、少なくとも第一の相と第二の相を含む分相ガラスを得ることを特徴とする。ここで、「屈折率n」は、屈折率測定器で測定したd線の値を指す。例えば、まず25mm×25mm×約3mmの直方体試料を作製し、(徐冷点Ta+30℃)から(歪点Ps−50℃)までの温度域を0.1℃/分の冷却速度で徐冷処理した後、屈折率nが整合する浸液を浸透させながら、島津製作所社製の屈折率測定器KPR−2000により測定可能である。また、第一の相と第二の相の形成に伴う光散乱は、目視で確認可能である。更に、1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後の試料表面を走査型電子顕微鏡で観察すれば、各相の詳細を確認可能である。「分相性ガラス」は、未だ分相していないが、1100℃以下の熱処理により分相する性質を有するガラスを指す。
本発明の分相ガラスの製造方法では、屈折率nが1.55以上の分相性ガラスを成形する。従来の有機EL照明等の有機ELデバイスは、ガラス板と透明導電膜等の屈折率差が大きいことに起因して、有機EL層から入射した光がガラス板と透明導電膜等の界面で反射し、光取り出し効率が低下するという問題もあった。具体的には、透明導電膜の屈折率nは1.9〜2.0であり、有機EL層の屈折率nは1.8〜1.9であった。これに対して、ガラス板の屈折率nは、通常、1.50程度であった。そこで、上記のように分相性ガラス(分相ガラス)の屈折率nを規制すれば、ガラス板と透明導電膜等の屈折率差が小さくなるため、有機EL層から入射した光がガラス板と透明導電膜等の界面で反射し難くなり、光取り出し効率を高めることができる。
本発明の分相ガラスの製造方法では、分相性ガラスを熱処理して、分相ガラスを得る。このようにすれば、分相構造を制御し易くなる。特に、有機ELデバイスの素子構造が異なると、最適な分相構造も異なってくるが、同一の分相性ガラスから、熱処理条件を調整するだけで有機ELデバイスの素子構造に最適な分相構造を得ることができる。更に、成形時にガラスを分相させようとすると、ガラスが失透し易くなるという問題が発生するが、成形時の分相を抑制した上で、成形後に熱処理して、ガラスを分相させると、このような問題を的確に回避することができる。なお、分相現象は、熱処理条件(熱処理温度、熱処理時間)以外にも、ガラス組成、成形条件、徐冷条件等により制御することができる。
本発明の分相ガラスの製造方法では、少なくとも第一の相と第二の相を含む分相ガラスを得る。このようにすれば、有機ELデバイスに適用した場合、有機EL層からガラス板へ入射した光が、第一の相と第二の相の界面で散乱するため、光を外部に取り出し易くなり、結果として、焼結体からなる光取り出し層を形成しなくても、光取り出し効率を高めることができる。なお、「有機ELデバイス」には、有機EL照明のみならず、有機ELディスプレイ等が含まれる。
第二に、本発明の分相ガラスの製造方法は、屈折率nが1.65未満の分相性ガラスを成形することが好ましい。
第三に、本発明の分相ガラスの製造方法は、第一の相中のSiOの含有量が、第二の相中のSiOの含有量よりも多いことが好ましい。
第四に、本発明の分相ガラスの製造方法は、第二の相中のBの含有量が、第一の相中のBの含有量よりも多いことが好ましい。
第五に、本発明の分相ガラスの製造方法は、分相ガラスが、ガラス組成として、質量%で、SiO 30〜75%、B 0.1〜50%、Al 0〜35%を含有することが好ましい。このようにすれば、屈折率を高め易くなり、またガラス板の生産性を高め易くなる。
第六に、本発明の分相ガラスの製造方法は、分相性ガラスを平板形状に成形することが好ましい。
第七に、本発明の分相ガラスの製造方法は、分相ガラスを有機EL照明に用いることが好ましい。
第八に、本発明の分相ガラスは、上記の分相ガラスの製造方法により作製されたことが好ましい。
第九に、本発明の分相ガラスは、波長400〜700nmにおいてヘーズ値が5%以上の波長を有することが好ましい。このようにすれば、ガラス中で光が散乱し易くなるため、光を外部に取り出し易くなり、結果として、光取り出し効率を高め易くなる。ここで、「ヘーズ値」は、(拡散透過率)×100/(全光線透過率)で算出される値である。「拡散透過率」は、分光光度計(例えば、島津製作所社製UV−2500PC)により厚み方向で測定した値であり、例えば、両表面が鏡面研磨されたガラスを測定試料とすることができる。「全光線透過率」は、分光光度計(例えば、島津製作所社製UV−2500PC)により厚み方向で測定した値であり、例えば、両表面が鏡面研磨されたガラスを測定試料とすることができる。
第十に、本発明の分相性ガラスは、屈折率nが1.55以上であり、且つ800℃24時間の熱処理を行うと、分相していない状態から、少なくとも第一の相と第二の相に分相する性質を有することを特徴とする。
[実施例2]に係る熱処理後の試料No.1(板厚1.0mm)の両表面を鏡面研磨し、分光光度計により、厚み方向の全光線透過率及び拡散透過率を測定したデータである。 [実施例2]に係る試料No.1を1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後、得られた試料表面を走査型電子顕微鏡で観察した像である。
本発明の分相ガラスの製造方法では、屈折率nが1.55以上の分相性ガラスを成形する。分相性ガラスの屈折率nは、好ましくは1.56以上、1.57以上、1.58以上、1.59以上、1.60以上、1.61以上、1.62以上、特に1.63以上である。屈折率nが1.55未満になると、ガラス板と透明導電膜等の界面の反射によって光を効率良く取り出すことが困難になる。一方、屈折率nが高過ぎると、ガラス板と空気の界面での反射率が高くなり、光を外部に取り出し難くなる。よって、屈折率nは、好ましくは2.30以下、2.00以下、1.80以下、特に1.65未満である。
本発明の分相ガラスの製造方法において、厚み(平板形状の場合、板厚)が1.5mm以下、1.3mm以下、1.1mm以下、0.8mm以下、0.7mm以下、0.5mm以下、0.3mm以下、0.2mm以下、特に0.1mm以下の分相性ガラスを成形することが好ましい。厚みが小さい程、可撓性が高まり、有機EL照明の意匠性を高め易くなるが、厚みが極端に小さくなると、ガラスが破損し易くなる。よって、厚みは、好ましくは10μm以上、特に30μm以上である。
本発明の分相ガラスの製造方法において、平板形状に成形することが好ましく、つまりガラス板に成形することが好ましい。このようにすれば、有機ELデバイスに適用し易くなる。ガラス板に成形する場合、少なくとも一方の表面を未研磨面(特に、少なくとも一方の表面の有効面全体が未研磨面)とすることが好ましい。ガラスの理論強度は、非常に高いが、理論強度よりも遥かに低い応力でも破壊に至ることが多い。これは、ガラス板の表面にグリフィスフローと呼ばれる小さな欠陥が成形後の工程、例えば研磨工程等で生じるからである。よって、ガラス板の表面を未研磨にすれば、本来の機械的強度を損ない難くなるため、ガラス板が破壊し難くなる。また、研磨工程を簡略化又は省略し得るため、ガラス板の製造コストを低廉化することができる。
ガラス板に成形する場合、少なくとも一方の表面(特に未研磨面)の表面粗さRaが0.01〜1μmになるように成形することが好ましい。表面粗さRaが大きいと、その面に透明導電膜等を形成する場合、透明導電膜の品位が低下して、均一な発光を得難くなる。表面粗さRaの好適な上限範囲は1μm以下、0.8μm以下、0.5μm以下、0.3μm以下、0.1μm以下、0.07μm以下、0.05μm以下、0.03μm以下、特に10nm以下である。
本発明の分相ガラスの製造方法において、ダウンドロー法、特にオーバーフローダウンドロー法で分相性ガラスを成形することが好ましい。このようにすれば、未研磨で表面品位が良好なガラス板を製造することができる。その理由は、オーバーフローダウンドロー法の場合、表面になるべき面は樋状耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形されるからである。なお、オーバーフローダウンドロー法以外にも、スロットダウンドロー法で分相性ガラスを成形することもできる。このようにすれば、薄肉のガラス板を作製し易くなる。
上記成形方法以外にも、例えば、リドロー法、フロート法、ロールアウト法等を採用することができる。特に、フロート法は、大型のガラス板を効率良く作製することができる。
本発明の分相ガラスの製造方法では、熱処理により、少なくとも第一の相と第二の相を含む分相ガラスを得るが、その分相ガラスは、第一の相中のSiOの含有量が、第二の相中のSiOの含有量よりも多いことが好ましく、またガラス組成中にBを含む場合、第二の相中のBの含有量が、第一の相中のBの含有量よりも多いことが好ましい。このようにすれば、第一の相と第二の相の屈折率が相違し易くなり、ガラスの散乱機能を高めることができる。
本発明の分相ガラスの製造方法において、少なくとも一方の相(第一の相及び/又は第二の相)の分相粒子の平均粒子径が0.01〜5μm、特に0.05〜0.5μmになるように、分相性ガラスを熱処理することが好ましい。分相粒子の平均粒子径が小さいと、有機EL層から放射した光が、第一の相と第二の相の界面で散乱し難くなる。一方、分相粒子の平均粒子径が大きいと、散乱強度が強くなり過ぎて、全光線透過率が低下する虞がある。
本発明の分相ガラスの製造方法において、熱処理温度は、好ましくは600℃以上、700℃以上、750℃以上、特に800℃以上である。このようにすれば、分相構造を得易くなる。一方、熱処理温度は、好ましくは1100℃以下、1000℃以下、特に900℃以下である。熱処理温度が高過ぎると、熱処理コストが増大することに加えて、散乱強度が強くなり過ぎて、直線透過率、全光線透過率等が低下する虞がある。
熱処理時間は、好ましくは1分間以上、特に5分間以上である。このようにすれば、分相構造を得易くなる。一方、熱処理温度は、好ましくは72時間以下、48時間以下、24時間以下、特に60分間以下である。熱処理時間が長過ぎると、熱処理コストが増大することに加えて、散乱強度が強くなり過ぎて、直線透過率、全光線透過率等が低下する虞がある。
本発明に係る分相ガラス(又は分相性ガラス)は、ガラス組成として、質量%で、SiO 30〜75%、B 0.1〜50%、Al 0〜35%を含有することが好ましい。以下、上記のように各成分を限定した理由を説明する。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は、質量%を意味する。
SiOの含有量は30〜75%が好ましい。SiOの含有量が多くなると、溶融性、成形性が低下し易くなり、また屈折率が低下し易くなる。よって、SiOの好適な上限範囲は75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、42%以下、40%以下、特に40%未満である。一方、SiOの含有量が少なくなると、ガラス網目構造を形成し難くなり、ガラス化が困難になる。またガラスの粘性が低下し過ぎて、高い液相粘度を確保し難くなる。よって、SiOの好適な下限範囲は30%以上、32%以上、34%以上、特に36%以上である。
Alの含有量は0〜35%が好ましい。Alは、耐失透性を高める成分であるが、Alの含有量が多過ぎると、分相性が低下し易くなることに加えて、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆に耐失透性が低下し易くなる。また耐酸性が低下し易くなる。よって、Alの好適な上限範囲は35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、12%以下、10%以下、特に8%以下であり、好適な下限範囲は0.1%以上、3%以上、4%以上、特に5%以上である。
の含有量は0.1〜50%が好ましい。Bは、分相性を高める成分であるが、Bの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなることに加えて、耐酸性が低下し易くなる。よって、Bの好適な上限範囲は50%以下、40%以下、30%以下、25%以下、20%以下、17%以下、特に15%以下であり、好適な下限範囲は0.1%以上、0.5%以上、1%以上、4%以上、7%以上、9%以上、特に10%以上である。
質量比(Al+B)/SiOは、好ましくは0.3以上、0.33以上、0.35以上、0.37以上、0.39以上、0.4以上、0.41以上、0.42以上、0.43〜0.7、0.44〜0.65、特に0.45〜0.6である。このようにすれば、屈折率、分相性、耐失透性を同時に高め易くなる。なお、「(Al+B)/SiO」は、AlとBの合量をSiOの含有量で除した値である。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を導入することができる。
LiOの含有量は0〜30%が好ましい。LiOは、分相性を高める成分であるが、LiOの含有量が多過ぎると、液相粘度が低下し易くなり、また歪点が低下し易くなる。更に、酸によるエッチング工程において、アルカリ成分が溶出し易くなる。よって、LiOの好適な上限範囲は30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、1%未満、特に0.5%以下である。
NaOの含有量は0〜30%が好ましい。NaOは、分相性を高める成分であるが、NaOの含有量が多過ぎると、液相粘度が低下し易くなり、また歪点が低下し易くなる。更に、酸によるエッチング工程において、アルカリ成分が溶出し易くなる。よって、NaOの好適な上限範囲は30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、1%未満、特に0.5%以下である。
Oの含有量は0〜30%が好ましい。KOは、分相性を高める成分であるが、KOの含有量が多過ぎると、液相粘度が低下し易くなり、また歪点が低下し易くなる。更に、酸によるエッチング工程において、アルカリ成分が溶出し易くなる。よって、KOの好適な上限範囲は30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、1%未満、特に0.5%以下である。
MgOの含有量は0〜30%が好ましい。MgOは、屈折率、ヤング率、歪点を高める成分であると共に、高温粘度を低下させる成分であるが、MgOを多量に含有させると、液相温度が上昇して、耐失透性が低下したり、密度が高くなり過ぎる虞がある。よって、MgOの好適な上限範囲は30%以下、20%以下、10%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、特に1%未満である。なお、MgOを導入する場合、好適な下限範囲は0.1%以上、特に0.9%以上である。
CaOの含有量は0〜30%が好ましい。CaOは、高温粘度を低下させる成分であるが、CaOの含有量が多くなると、密度が高くなり易く、またガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。よって、CaOの好適な上限範囲は30%以下、20%以下、10%以下、8%以下、5%以下、特に3%以下であり、好適な下限範囲は0.1%以上、0.5%以上、特に1%以上である。
SrOの含有量は0〜30%が好ましい。SrOの含有量が多くなると、屈折率、密度が高くなり易く、またガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。よって、SrOの好適な上限範囲は30%以下、25%以下、20%以下、18%以下、特に15%以下であり、好適な下限範囲は1%以上、3%以上、5%以上、7%以上、9%以上、特に10%以上である。
BaOは、アルカリ土類金属酸化物の中ではガラスの粘性を極端に低下させずに、屈折率を高める成分である。BaOの含有量が多くなると、屈折率、密度が高くなり易く、またBaOの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。よって、BaOの好適な上限範囲は40%以下、30%以下、26%以下、24%以下、22%以下、特に20%以下であり、好適な下限範囲は1%以上、5%超、7%超、10%以上、12%以上、14%以上、特に16%以上である。
MgO+CaO+SrO+BaOの含有量は、屈折率と耐失透性の観点から、好ましくは25〜40%、28〜37%、特に30〜35%である。ここで、「MgO+CaO+SrO+BaO」は、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量を指す。
BaO−SrOの含有量は、好ましくは1〜12%、2〜11%、3〜10%、4〜9%、特に5〜8%である。このようにすれば、高屈折率を維持しながら、耐失透性を高め易くなる。なお、「BaO−SrO」は、BaOの含有量からSrOの含有量を減じた値を指す。
ZnOの含有量は0〜20%が好ましい。ZnOの含有量が多くなると、屈折率、密度が高くなり易く、またガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。よって、ZnOの好適な上限範囲は20%以下、10%以下、7%以下、5%以下、特に4%以下であり、好適な下限範囲は0.1%以上、0.5%以上、1%以上、1.5%以上、特に2%以上である。
TiOは、屈折率を高める成分であり、その含有量は0〜20%が好ましい。しかし、TiOの含有量が多くなると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。また全光線透過率が低下する虞がある。よって、TiOの好適な上限範囲は20%以下、15%以下、10%以下、特に8%以下であり、好適な下限範囲は0.001%以上、0.01%以上、0.1%以上、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、特に5%以上である。
質量比TiO/Bは、好ましくは0.01〜2、0.1〜1.7、0.15〜1.4、0.2〜1.2、0.25〜1、特に0.3〜0.8である。このようにすれば、高屈折率と高分相性を両立し易くなる。なお、「TiO/B」は、TiOの含有量をBの含有量で除した値である。
ZrOは、屈折率を高める成分であり、その含有量は0〜20%が好ましい。しかし、ZrOの含有量が多くなると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。よって、ZrOの好適な上限範囲は20%以下、10%以下、特に5%以下であり、好適な下限範囲は0.001%以上、0.01%以上、0.1%以上、1%以上、1.5%以上、特に2%以上である。
Оは、分相性を高める成分であり、その含有量は0〜10%が好ましい。しかし、PОの含有量が多くなると、分相性が高くなり過ぎて、成形時にガラスが分相し易くなる。またガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。よって、PОの好適な上限範囲は10%以下、7%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、特に0.5%以下であり、好適な下限範囲は0.001%以上、0.01%以上、0.1%以上、特に0.1%以上である。
Laは、屈折率を高める成分であり、その含有量は0〜10%が好ましい。Laの含有量が多くなると、密度が高くなり易く、また耐失透性や耐酸性が低下し易くなる。更に原料コストが上昇して、ガラス板の製造コストが高騰し易くなる。よって、Laの好適な上限範囲は10%以下、5%以下、3%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下である。
Nbは、屈折率を高める成分であり、その含有量は0〜10%が好ましい。Nbの含有量が多くなると、密度が高くなり易く、また耐失透性が低下し易くなる。更に原料コストが上昇して、ガラス板の製造コストが高騰し易くなる。よって、Nbの好適な上限範囲は10%以下、5%以下、3%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下である。
Gdは、屈折率を高める成分であり、その含有量は0〜10%が好ましい。Gdの含有量が多くなると、密度が高くなり過ぎたり、ガラス組成の成分バランスを欠いて、耐失透性が低下したり、高温粘性が低下し過ぎて、高い液相粘度を確保し難くなる。よって、Gdの好適な上限範囲は10%以下、5%以下、3%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下である。
レアメタル酸化物の含有量は合量で0〜10%が好ましい。レアメタル酸化物は、屈折率を高める成分であるが、これらの成分の含有量が多くなると、密度、熱膨張係数が高くなり易く、また耐失透性が低下して、高い液相粘度を確保し難くなる。更に原料コストが上昇して、ガラス板の製造コストが高騰し易くなる。よって、レアメタル酸化物の好適な上限範囲は10%以下、5%以下、3%以下、1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下である。なお、本発明でいう「レアメタル酸化物」は、La、Nd、Gd、CeO等の希土類酸化物、Y、Nb、Taを指す。
清澄剤として、下記酸化物換算で、As、Sb、SnO、Fe、F、Cl、SO、CeOの群から選択された一種又は二種以上を0〜3%導入することができる。特に、清澄剤として、SnO、Fe及びCeOが好ましい。一方、AsとSbは、環境的観点から、その使用を極力控えることが好ましく、各々の含有量は0.3%未満、特に0.1%未満が好ましい。ここで、「下記酸化物換算」は、表記の酸化物とは価数が異なる酸化物であっても、表記の酸化物に換算した上で取り扱うことを意味する。
SnOの含有量は、好ましくは0〜1%、0.001〜1%、特に0.01〜0.5%である。
Feの好適な上限範囲は0.05%以下、0.04%以下、0.03%以下、特に0.02%以下であり、好適な下限範囲は0.001%以上である。
CeOの含有量は0〜6%が好ましい。CeOの含有量が多くなると、耐失透性が低下し易くなる。よって、CeOの好適な上限範囲は6%以下、5%以下、3%以下、2%以下、1%以下、特に0.1%以下である。一方、CeOを導入する場合、CeOの好適な下限範囲は0.001%以上、特に0.01%以上である。
PbOは、高温粘性を低下させる成分であるが、環境的観点から、その使用を極力控えることが好ましい。PbOの含有量は0.5%以下、特に0.1%未満が好ましい。
上記成分以外にも、他の成分を合量で好ましくは10%(望ましくは5%)まで導入してもよい。
本発明に係る分相ガラス(又は分相性ガラス)は、以下の特性を有することが好ましい。
密度は、好ましくは5.0g/cm以下、4.5g/cm以下、4.0g/cm以下、3.5g/cm以下、特に3.2g/cm以下である。このようにすれば、有機ELデバイスを軽量化することができる。
30〜380℃における平均熱膨張係数は、好ましくは30×10−7/℃〜100×10−7/℃、40×10−7/℃〜90×10−7/℃、50×10−7/℃〜80×10−7/℃、特に55×10−7/℃〜70×10−7/℃である。近年、有機ELデバイスにおいて、デザイン的要素を高める観点から、ガラス板に可撓性が要求される場合がある。可撓性を高めるためには、ガラス板の板厚を小さくする必要があるが、この場合、ガラス板とITO、FTO等の透明導電膜の熱膨張係数が不整合になると、ガラス板が反り易くなる。そこで、30〜380℃における平均熱膨張係数を上記範囲とすれば、このような事態を防止し易くなる。なお、「30〜380℃における平均熱膨張係数」は、ディラトメーター等で測定可能である。
歪点は、好ましくは450℃以上、500℃以上、550℃以上、特に600℃以上である。透明導電膜を高温で形成する程、透明性が高く、電気抵抗が低くなり易い。しかし、従来のガラス板は、耐熱性が不十分であるため、透明導電膜を高温で成膜することが困難であった。そこで、歪点を上記範囲とすれば、透明導電膜の透明性と低電気抵抗の両立が可能になり、更には有機デバイスの製造工程において、熱処理によりガラス板が熱収縮し難くなる。
102.5dPa・sにおける温度は、好ましくは1450℃以下、1400℃以下、1350℃以下、1300℃以下、1250℃以下、特に1200℃以下である。このようにすれば、溶融性が向上するため、ガラス板の生産性が向上する。
液相温度は、好ましくは1300℃以下、1250℃以下、1200℃以下、特に1150℃以下である。また、液相粘度は、好ましくは102.5dPa・s以上、103.0dPa・s以上、103.5dPa・s以上、103.8dPa・s以上、104.0dPa・s以上、104.4dPa・s以上、特に104.6dPa・s以上である。このようにすれば、成形時にガラスが失透し難くなり、例えば、フロート法又はオーバーフローダウンドロー法でガラス板を成形し易くなる。ここで、「液相温度」は、30メッシュ(篩目開き500μm)を通過し、50メッシュ(篩目開き300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、温度勾配炉中に24時間保持した後、結晶の析出する温度を測定した値を指す。また「液相粘度」は、液相温度におけるガラスの粘度を指す。
分相温度は、好ましくは900℃以下、特に850℃以下である。また、分相粘度は、好ましくは104.0dPa・s以上、特に105.0〜108.0dPa・sである。このようにすれば、熱処理温度を低下させることができる。結果として、熱処理コストを低減し易くなる。更に、熱処理温度を低下できれば、熱処理によるガラス板の軟化変形を抑制し易くなる。ここで、「分相温度」は、ガラスを白金ボートに入れ、1400℃でリメルトした後、白金ボートを温度勾配炉に移し、温度勾配炉中で30分間保持した時に、明確な白濁が認められる温度を指す。「分相粘度」は、分相温度におけるガラスの粘度を白金引き上げ法で測定した値を指す。
波長400〜700nmにおいてヘーズ値が5%以上、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、特に90%以上の波長を有することが好ましい。所定値以上のヘーズ値を有する波長が存在しないと、光散乱機能が不十分になり、ガラス中の光を空気中に取り出し難くなる。
波長400〜700nmにおける全光線透過率は、好ましくは20%以上、30%以上、40%以上、特に50%以上である。全光線透過率が低過ぎると、ガラス中の光を空気中に取り出し難くなる。
波長400〜700nmにおいて拡散透過率が10%以上、20%以上、特に30%以上の波長を有することが好ましい。所定値以上の拡散透過率を有する波長が存在しないと、ガラス中の光を空気中に取り出し難くなる。
本発明の分相ガラスの製造方法において、平板形状を有する場合、少なくとも一方の表面に粗面化面を形成する粗面化工程を設けることが好ましい。粗面化面を有機EL照明等の空気と接する側に配置すれば、ガラス板の散乱効果に加えて、粗面化面の無反射構造により、有機EL層から放射した光が有機EL層内に戻り難くなり、結果として、光の取り出し効率を高めることができる。粗面化面の表面粗さRaは、好ましくは10Å以上、20Å以上、30Å以上、特に50Å以上である。粗面化面は、HFエッチング、サンドブラスト等で形成することができる。また、リプレス等の熱加工により、ガラス板の表面に凹凸形状を形成してもよい。このようにすれば、ガラス表面に正確な無反射構造を形成することができる。凹凸形状は、屈折率nを考慮しながら、その間隔と深さを調整すればよい。
また、大気圧プラズマプロセスにより粗面化面を形成することもできる。このようにすれば、ガラス板の一方の表面の表面状態を維持した上で、他方の表面に対して、均一に粗面化処理を行うことができる。また、大気圧プラズマプロセスのソースとして、Fを含有するガス(例えば、SF、CF)を用いることが好ましい。このようにすれば、HF系ガスを含むプラズマが発生するため、粗面化面を効率良く形成することができる。
更に、ガラス板の成形時に、少なくとも一方の表面に粗面化面を形成することもできる。このようにすれば、別途独立した粗面化処理が不要になり、粗面化処理の効率が向上する。
なお、ガラス板に粗面化面を形成せずに、所定の凹凸形状を有する樹脂フィルムをガラス板の表面に貼り付けてもよい。なお、凹凸形状の表面粗さRaは、好ましくは10Å以上、20Å以上、30Å以上、特に50Å以上である。
本発明の分相性ガラスは、屈折率nが1.55以上であり、且つ800℃24時間の熱処理を行うと、分相していない状態から、少なくとも第一の相と第二の相に分相する性質を有することを特徴とする。なお、本発明の分相性ガラスの技術的特徴(好適な構成、効果)は、本発明の分相ガラスの製造方法の説明欄に記載済みであり、ここでは、詳細な説明を省略する。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、試料No.1〜7を示している。
まず、表1に記載のガラス組成になるように、ガラス原料を調合した後、得られたガラスバッチをガラス溶融炉に供給して1400℃で7時間溶融した。次に、得られた溶融ガラスをカーボン板の上に流し出し、平板形状に成形した後、歪点より室温まで10時間かけて簡易な徐冷処理を行った。最後に、得られたガラス板について、必要に応じて加工を行い、種々の特性を評価した。
密度ρは、周知のアルキメデス法で測定した値である。
平均熱膨張係数αは、30〜380℃の温度範囲においてディラトメーターで測定した値である。なお、測定試料として、φ5mm×20mmの円柱状試料(端面はR加工されている)を用いた。
歪点Psは、ASTM C336−71に記載の方法で測定した値である。なお、歪点Psが高い程、耐熱性が高くなる。
徐冷点Ta、軟化点Tsは ASTM C338−93に記載の方法で測定した値である。
高温粘度104.0dPa・s、103.0dPa・s、102.5dPa・s及び102.0dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。なお、高温粘度が低い程、溶融性に優れる。
液相温度TLは、30メッシュ(篩目開き500μm)を通過し、50メッシュ(篩目開き300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、温度勾配炉中に24時間保持した後、結晶の析出する温度を測定した値である。液相粘度logηTLは、液相温度におけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値である。
分相温度TPは、各ガラスを白金ボートに入れ、1400℃でリメルトした後、白金ボートを温度勾配炉に移し、温度勾配炉中で30分間保持した時に、白濁が明確に認められる温度を測定したものである。
分相粘度logηTPは、分相温度における各ガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定したものである。
成形後の分相は、上記の徐冷処理後の成形試料を目視観察した際に、分相による白濁が認められたものを「○」、分相による白濁が認められず、透明であったものを「×」として評価した。
熱処理後の分相は、上記の徐冷処理後の成形試料を800℃で24時間の条件で熱処理し、得られた熱処理試料を目視観察した際に、分相による白濁が認められたものを「○」、分相による白濁が認められず、透明であったものを「×」として評価した。
屈折率nは、島津製作所社製の屈折率測定器KPR−2000により測定したd線の値である。具体的には、まず25mm×25mm×約3mmの直方体試料を作製し、(徐冷点Ta+30℃)から(歪点Ps−50℃)までの温度域を0.1℃/分の冷却速度で徐冷処理した後、屈折率nが整合する浸液を浸透させて測定した値である。
上記徐冷処理後の試料No.1を約15mm×130mmのサイズの白金ボートに投入した後、その白金ボートを電気炉内に投入し、1400℃でリメルトした。なお、白金ボート内でリメルトされたガラスの厚みは約3〜5mmであった。リメルトした後、電気炉から白金ボートを取り出し、空気中で放冷した。得られた分相性ガラスについて、800℃で24時間の条件で熱処理し、分相させた。更に、熱処理試料を約10mm×30mm×1.0mm厚のガラス板に加工した後、両表面を鏡面研磨し、波長300〜800nmについて、分光光度計(島津製作所社製分光光度計UV−2500PC)により、厚み方向の全光線透過率及び拡散透過率を測定した。その結果を図1に示す。また、上記熱処理試料を1Mの塩酸溶液に10分間浸漬させた後、カーボン蒸着し、試料表面を電界放出型走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製S−4300SE)により観察した。その結果を図2に示す。
図2に示すように、試料No.1の熱処理試料は、何れも波長400〜700nmにおいてヘーズ値が5%以上となる波長が存在し、光散乱機能を有していた。

Claims (10)

  1. 屈折率nが1.55以上の分相性ガラスを成形した後、得られた分相性ガラスを熱処理して、少なくとも第一の相と第二の相を含む分相ガラスを得ることを特徴とする分相ガラスの製造方法。
  2. 屈折率nが1.65未満の分相性ガラスを成形することを特徴とする請求項1に記載の分相ガラスの製造方法。
  3. 第一の相中のSiOの含有量が、第二の相中のSiOの含有量よりも多いことを特徴とする請求項1又は2に記載の分相ガラスの製造方法。
  4. 第二の相中のBの含有量が、第一の相中のBの含有量よりも多いことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の分相ガラスの製造方法。
  5. 分相ガラスが、ガラス組成として、質量%で、SiO 30〜75%、B 0.1〜50%、Al 0〜35%を含有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の分相ガラスの製造方法。
  6. 分相性ガラスを平板形状に成形することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の分相ガラスの製造方法。
  7. 分相ガラスを有機EL照明に用いることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の分相ガラスの製造方法。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の分相ガラスの製造方法により作製されたことを特徴とする分相ガラス。
  9. 波長400〜700nmにおいてヘーズ値が5%以上の波長を有することを特徴とする請求項8に記載の分相ガラス。
  10. 屈折率nが1.55以上であり、且つ800℃24時間の熱処理を行うと、分相していない状態から、少なくとも第一の相と第二の相に分相する性質を有することを特徴とする分相性ガラス。
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