JP2015226473A - 焙煎コーヒー豆の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
酸性水溶液は、酸を水に溶解して調製したものを使用することが可能である。酸としては、有機酸でも無機酸でもよく、それらの塩であってよい。塩としては、アルカリ金属塩が挙げられ、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩を挙げることができる。酸は、1種又は2種以上を適宜選択することができる。
有機酸は、一塩基酸でも、多塩基酸でもよく、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マロン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリコール酸、リンゴ酸、ピルビン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、コウジ酸、ジピコリン酸、アコニット酸、レブリン酸、ヒドロキシアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、サリチル酸、没食子酸、トロパ酸、アスコルビン酸、グルコン酸等を挙げることができる。有機酸塩としては、例えば、上記有機酸のアルカリ金属塩が挙げられ、具体例として、例えば、フタル酸水素カリウム等を挙げることができる。また、無機酸としては、例えば、塩酸、リン酸、硫酸、亜硫酸、スルファミン酸等を挙げることができる。無機酸塩としては、例えば、上記無機酸のアルカリ金属塩が挙げられ、具体例として、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、酸性ヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性ヘキサメタリン酸カリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム等を挙げることができる。
中でも、食品への使用を考慮すると、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、フタル酸、フタル酸水素カリウム、フマル酸、グルタミン酸、乳酸、コハク酸、酒石酸、没食子酸、アスコルビン酸、リン酸、リン酸二水素カリウム及びリン酸二水素ナトリウムから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
酸性水溶液を調製する際に使用する水としては、例えば、水道水、蒸留水、イオン交換水、天然水等を適宜選択することができる。
また、酸性水溶液を添加する際の温度は、後述する保持温度に近い温度がよいが、温度調整のし易さの観点から、好ましくは10〜100℃、より好ましくは15〜70℃、更に好ましくは18〜50℃、より更に好ましくは18〜25℃である。
保持温度は、ヒドロキシハイドロキノン量の低減、生産効率の観点から、20℃以上が好ましく、25℃以上がより好ましく、30℃以上が更に好ましく、35℃以上がより更好ましく、そして100℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましく、80℃以下が更に好ましく、70℃以下がより更に好ましい。保持温度の範囲としては、好ましくは20〜100℃、より好ましくは25〜90℃、更に好ましくは30〜80℃、更に好ましくは35〜80℃、より更好ましくは35〜70℃である。
(1)焙煎コーヒー豆中のヒドロキシハイドロキノンの含有量は、生理効果の観点から、焙煎コーヒー豆100g当たり15mg以下が好ましく、10mg以下がより好ましく、5mg以下が更に好ましく、1mg以下がより更に好ましい。かかるヒドロキシハイドロキノンの含有量の下限値は特に限定されず、焙煎コーヒー豆100g当たり0mgであってもよい。なお、ヒドロキシハイドロキノンの含有量が0mgとは、後掲の実施例に記載の「ヒドロキシハイドロキノンの分析」において、ヒドロキシハイドロキノンの含有量が検出限界以下である場合も包含する概念である。
(2)焙煎コーヒー豆中のクロロゲン酸類の含有量は、生理効果増強の観点から、焙煎コーヒー豆100g当たり、100mg以上が好ましく、300mg以上がより好ましく、500mg以上が更に好ましく、また風味の観点から、4500mg以下が好ましく、4000mg以下がより好ましく、3500mg以下が更に好ましい。かかるクロロゲン酸類の含有量の範囲としては、焙煎コーヒー豆100g当たり、好ましくは100〜4500mg、より好ましくは300〜4000mg、更に好ましくは500〜3500mgである。ここで、本明細書において「クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸を併せての総称であり、本発明においては、上記6種のクロロゲン酸類のうち少なくとも1種を含有すればよい。また、クロロゲン酸類の含有量は、上記6種の合計量に基づいて定義される。
(ii)焙煎コーヒー豆中のクロロゲン酸類含有量[mg/100g]=[コーヒー抽出液中のクロロゲン酸類含有量(mg/100g)]×[コーヒー抽出液の質量(g)]/[焙煎コーヒー豆の質量(g)]
<1>
粉砕された原料焙煎コーヒー豆に、該原料焙煎コーヒー豆に対して15〜95質量%の酸性水溶液を添加した後、10〜110℃にて保持する、焙煎コーヒー豆の製造方法。
原料焙煎コーヒー豆の豆種が、好ましくはアラビカ種、ロブスタ種及びリベリカ種から選ばれる少なくとも1種であり、原料焙煎コーヒー豆の産地が、好ましくはブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジェロ、マンデリン、ブルーマウンテン及びグァテマラから選ばれる少なくとも1種である、前記<1>記載の製造方法。
<3>
原料焙煎コーヒー豆が、生コーヒー豆を、好ましくは180〜300℃、より好ましくは190〜280℃、更に好ましくは200〜280℃の温度で焙煎したものである、前記<1>又は<2>記載の製造方法。
<4>
原料焙煎コーヒー豆のL値が、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは15以上であって、好ましくは40以下、より好ましくは35以下、更に好ましくは30以下、殊更に好ましくは28以下である、前記<1>〜<3>のいずれか一に記載の製造方法。
<5>
原料焙煎コーヒー豆のL値が、好ましくは10〜40、より好ましくは12〜35、更に好ましくは15〜30、殊更に好ましくは15〜28である、前記<1>〜<4>のいずれか一に記載の製造方法。
<6>
原料焙煎コーヒー豆が、好ましくは1種単独であるか、あるいは焙煎度、豆種及び産地のうちの1以上が異なる混合物である、前記<1>〜<5>のいずれか一に記載の製造方法。
<7>
粉砕された原料焙煎コーヒー豆の平均粒径が、好ましくは5mm以下、より好ましくは2.5mm以下、更に好ましくは1.5mm以下であって、好ましくは0.001mm以上、より好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.05mm以上である、前記<1>〜<6>のいずれか一に記載の製造方法。
<8>
粉砕された原料焙煎コーヒー豆の平均粒径が、好ましくは0.001〜5mm、より好ましくは0.01〜2.5mm、更に好ましくは0.05〜1.5mmである、前記<1>〜<7>のいずれか一に記載の製造方法。
<9>
酸性水溶液が、好ましくは有機酸、無機酸及びそれらの塩の1種又は2種以上の酸の水溶液である、前記<1>〜<8>のいずれか一に記載の製造方法。
<10>
有機酸が、好ましくは一塩基酸、多塩基酸及びそれらの塩の1種又は2種以上である、前記<9>記載の製造方法。
有機酸が、好ましくはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マロン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリコール酸、リンゴ酸、ピルビン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、コウジ酸、ジピコリン酸、アコニット酸、レブリン酸、ヒドロキシアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、サリチル酸、没食子酸、トロパ酸、アスコルビン酸、及びグルコン酸から選ばれる1種又は2種以上である、前記<9>又は<10>記載の製造方法。
<12>
無機酸が、好ましくは塩酸、リン酸、硫酸、亜硫酸、及びスルファミン酸から選ばれる1種又は2種以上である、前記<9>記載の製造方法。
<13>
酸性水溶液が、好ましくはクエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、フタル酸、フタル酸水素カリウム、フマル酸、グルタミン酸、乳酸、コハク酸、酒石酸、没食子酸、アスコルビン酸、リン酸、リン酸二水素カリウム及びリン酸二水素ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上の酸の水溶液である、前記<1>〜<12>のいずれか一に記載の製造方法。
<14>
酸性水溶液のpHが、好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは2以上、更に好ましくは2.5以上、より更に好ましくは3以上であって、好ましくは6.5以下、より好ましくは6.3以下、更に好ましくは6.1以下である、前記<1>〜<13>のいずれか一に記載の製造方法。
<15>
酸性水溶液のpHが、好ましくは1以上6.5以下、より好ましくは1.5以上6.5以下、更に好ましくは2以上6.3以下、更に好ましくは2.5以上6.3以下、より更に好ましくは3以上6.1以下である、前記<1>〜<14>のいずれか一に記載の製造方法。
<16>
好ましくは酸性水溶液の添加後、あるいは酸性水溶液を添加しながら、原料焙煎コーヒー豆を撹拌混合する、前記<1>〜<15>のいずれか一に記載の製造方法。
<17>
酸性水溶液の添加を、好ましくは常圧下で行う、前記<1>〜<16>のいずれか一に
記載の製造方法。
<18>
酸性水溶液を添加する際の焙煎コーヒー豆の温度が、好ましくは室温ないし室温付近の温度であり、より好ましくは10〜100℃、更に好ましくは15〜70℃、より更に好ましくは15〜30℃、殊更に好ましくは18〜25℃である、前記<1>〜<17>のいずれか一に記載の製造方法。
<19>
酸性水溶液の添加量が、原料焙煎コーヒー豆に対して、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上であって、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下、より更に好ましくは70質量%以下である、前記<1>〜<18>のいずれか一に記載の製造方法。
<20>
酸性水溶液の添加量が、原料焙煎コーヒー豆に対して、好ましくは15〜90質量%、より好ましくは20〜85質量%、更に好ましくは25〜80質量%、更に好ましくは25〜70質量%、より更に好ましくは30〜70質量%である、前記<1>〜<19>のいずれか一に記載の製造方法。
酸性水溶液を添加する際の温度が、好ましくは保持温度と略同一の温度、より好ましくは10〜100℃、更に好ましくは15〜70℃、より更に好ましくは18〜50℃、殊更に好ましくは18〜25℃である、前記<1>〜<20>のいずれか一に記載の製造方法。
<22>
保持温度が、好ましくは20℃以上、より好ましくは25℃以上、更に好ましくは30℃以上、より更に好ましくは35℃以上であって、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下、更に好ましくは80℃以下、より更に好ましくは70℃以下である、前記<1>〜<21>のいずれか一に記載の製造方法。
<23>
保持温度が、好ましくは20〜100℃、より好ましくは25〜90℃、更に好ましくは30〜80℃、更に好ましくは35〜80℃、より更好ましくは35〜70℃である、前記<1>〜<22>のいずれか一に記載の製造方法。
<24>
保持時間が、好ましくは10分以上、より好ましくは20分以上、更に好ましくは30分以上、更に好ましくは40分以上、より更に好ましくは50分以上であって、好ましくは200分以下、より好ましくは150分以下、更に好ましくは120分以下、より更に好ましくは90分以下である、前記<1>〜<23>のいずれか一に記載の製造方法。
<25>
保持時間が、好ましくは10〜200分、より好ましくは20〜150分、更に好ましくは30〜120分、更に好ましくは40〜90分、より更に好ましくは50〜90分である、前記<1>〜<24>のいずれか一に記載の製造方法。
<26>
保持温度が10〜70℃である場合、保持時間は、好ましくは20〜200分、より好ましくは20〜150分、更に好ましくは30〜90分である、前記<1>〜<20>のいずれか一に記載の製造方法。
<27>
保持温度が70℃超〜110℃である場合、保持時間は、好ましくは15〜90分、より好ましくは15〜70分、更に好ましくは20〜60分である、前記<1>〜<20>のいずれか一に記載の製造方法。
<28>
保持工程を、好ましくは常圧下で行う、前記<1>〜<27>のいずれか一に記載の製造方法。
<29>
保持工程を、好ましくは密封状態で行う、前記<1>〜<28>のいずれか一に記載の製造方法。
<30>
保持工程後、好ましくは焙煎コーヒー豆を乾燥する、前記<1>〜<29>のいずれか一に記載の製造方法。
乾燥後の焙煎コーヒー豆の含水率が、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、殊更に好ましくは5質量%以下である、前記<30>記載の製造方法。
<32>
当該焙煎コーヒー豆は、焙煎コーヒー豆100g当たりのヒドロキシハイドロキノンの含有量が、好ましくは15mg以下、より好ましくは10mg以下、更に好ましくは5mg以下、より更に好ましくは1mg以下、殊更に好ましくは0mgである、前記<1>〜<31>のいずれか一に記載の製造方法。
<33>
当該焙煎コーヒー豆は、焙煎コーヒー豆100g当たりのクロロゲン酸類の含有量が、好ましくは100mg以上、より好ましくは300mg以上、更に好ましくは500mg以上であって、好ましくは4500mg以下、より好ましくは4000mg以下、更に好ましくは3500mg以下である、前記<1>〜<32>のいずれか一に記載の製造方法。
<34>
当該焙煎コーヒー豆は、焙煎コーヒー豆100g当たりのクロロゲン酸類の含有量が、好ましくは100〜4500mg、より好ましくは300〜4000mg、更に好ましくは500〜3500mgである、前記<1>〜<33>のいずれか一に記載の製造方法。
<35>
クロロゲン酸類が、好ましくは3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸、5−カフェオイルキナ酸、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸から選ばれる少なくとも1種である、前記<33>又は<34>記載の製造方法。
粉砕焙煎コーヒー豆0.8gに、抽出用水〔リン酸1gと、1−ヒドロキシ1,1−ジホスホン酸(HEDPO)0.03gをイオン交換水1Lに溶解した液〕を80g加え、95〜99℃の間に保持しながら10分間浸漬抽出を行い、上清を採取し、コーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液に基づいて、焙煎コーヒー豆の分析を行った。
分析機器はHPLC−電気化学検出器(クーロメトリック型)であるクーロアレイシステム(モデル5600A、米国ESA社製)を使用した。装置の構成ユニットの名称・型番は次の通りである。
・アナリティカルセル:モデル5011(ESA)、
・クーロアレイエレクトロニクスモジュール・ソフトウエア:クーロケムIII(ESA)、
・溶媒送液ポンプ:LC−20AD(島津製作所社製)、イナートミキサー20A(島津製作所社製)
・オートサンプラー:SIL−20AC(島津製作所社製)、ピークパルスダンパー、
・デガッサー:DGU−20A−5(島津製作所社製)、
・カラムオーブン:CTO−20AC、
・カラム:CAPCELL PAK C18 AQ 内径4.6mm×長さ250mm 粒子径5μm(資生堂社製)。
・サンプル注入量:10μL、
・流量:1.0mL/min、
・電気化学検出器の印加電圧:200mV、
・カラムオーブン設定温度:40℃、
・溶離液A:0.1(W/V)%リン酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、5(V/V)%メタノール溶液、
・溶離液B:0.1(W/V)%リン酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、50(V/V)%メタノール溶液。
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
10.1分 0% 100%
20.0分 0% 100%
20.1分 100% 0%
50.0分 100% 0%
分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通りである。
・UV−VIS検出器:SPD20A(島津製作所社製)、
・カラムオーブン:CTO−20AC(島津製作所社製)、
・ポンプ:LC−20AT(島津製作所社製)、
・オートサンプラー:SIL−20AC(島津製作所社製)、
・カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト社製)、
・デガッサー:DGU−20A−5(島津製作所社製)。
・サンプル注入量:10μL、
・流量:1.0mL/min、
・UV−VIS検出器設定波長:325nm、
・カラムオーブン設定温度:35℃、
・溶離液C:0.05M 酢酸、0.1mM HEDPO、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液、
・溶離液D:アセトニトリル。
時間 溶離液C 溶離液D
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
クロロゲン酸類の保持時間(単位:分)
・モノカフェオイルキナ酸:5.3、8.8、11.6の計3点
・モノフェルラキナ酸:13.0、19.9、21.0の計3点
ここで求めた6種のクロロゲン酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、クロロゲン酸類含有量(質量%)を求めた。
試料を、色差計(スペクトロフォトメーター SE2000、日本電色社製)を用いて測定した。
平均粒径は、レーザ回折・散乱法粒度分布測定装置(LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて体積基準の平均径を測定した。
ブラジル産アラビカ種のL18の原料焙煎コーヒー豆を、粉砕機〔ワンダーブレンダーWB−1、大阪ケミカル(株)〕にて粉砕し、平均粒経0.30mmの粉砕原料焙煎コーヒー豆を得た。次に、ガラスビーカーに粉砕原料焙煎コーヒー豆を20g計量した。
次に、粉砕原料焙煎コーヒー豆20gに、pH4.01のフタル酸水素カリウム水溶液7.8gを加え、薬さじにて均一に混合を行った。ガラスビーカーを密栓した後に、40℃の恒温槽にて60分間静置を行い、焙煎コーヒー豆を得た。得られた焙煎コーヒー豆を、凍結乾燥機(EYELA、FDU−1110)にて凍結乾燥し、含水率3質量%の焙煎コーヒー豆を得た。前述の「焙煎コーヒー豆の分析」に基づいて、得られた焙煎コーヒー豆の分析を行った。その結果を表1に示す。
表1に示すフタル酸水素カリウム水溶液の添加量に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて焙煎コーヒー豆を得た。そして、得られた焙煎コーヒー豆について実施例1と同様の操作にて分析を行った。その結果を表1に示す。
表1に示す保持温度に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて焙煎コーヒー豆を得た。そして、得られた焙煎コーヒー豆について実施例1と同様の操作にて分析を行った。その結果を表1に示す。
表1に示すフタル酸水素カリウム水溶液の添加量、及び保持時間に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて焙煎コーヒー豆を得た。そして、得られた焙煎コーヒー豆について実施例1と同様の操作にて分析を行った。その結果を表1に示す。
表1に示すフタル酸水素カリウム水溶液の添加量に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて焙煎コーヒー豆を得た。そして、得られた焙煎コーヒー豆について実施例1と同様の操作にて分析を行った。その結果を表1に示す。
フタル酸水素カリウム水溶液の代わりに、pH1.78のクエン酸水溶液を用いたこと以外は、実施例5と同様の操作にて焙煎コーヒー豆を得た。そして、得られた焙煎コーヒー豆について実施例1と同様の操作にて分析を行った。その結果を表2に示す。
表2に示すクエン酸水溶液の添加量に変更したこと以外は、実施例7と同様の操作にて焙煎コーヒー豆を得た。そして、得られた焙煎コーヒー豆について実施例1と同様の操作にて分析を行った。その結果を表2に示す。
フタル酸水素カリウム水溶液の代わりに、pH3.9のリンゴ酸水溶液を用いたこと以外は、実施例5と同様の操作にて焙煎コーヒー豆を得た。そして、得られた焙煎コーヒー豆について実施例1と同様の操作にて分析を行った。その結果を表2に示す。
フタル酸水素カリウム水溶液の代わりに、pH4.0のグルコン酸水溶液を用いたこと以外は、実施例5と同様の操作にて焙煎コーヒー豆を得た。そして、得られた焙煎コーヒー豆について実施例1と同様の操作にて分析を行った。その結果を表2に示す。
フタル酸水素カリウム水溶液の代わりに、リン酸水溶液とフタル酸水素カリウム水溶液を混合したpH5.0の酸性水溶液を用いたこと以外は、実施例5と同様の操作にて焙煎コーヒー豆を得た。そして、得られた焙煎コーヒー豆について実施例1と同様の操作にて分析を行った。その結果を表2に示す。
フタル酸水素カリウム水溶液の代わりに、リン酸水溶液とフタル酸水素カリウム水溶液を混合したpH6.0の酸性水溶液を用いたこと以外は、実施例5と同様の操作にて焙煎コーヒー豆を得た。そして、得られた焙煎コーヒー豆について実施例1と同様の操作にて分析を行った。その結果を表2に示す。
フタル酸水素カリウム水溶液の代わりに、クエン酸水溶液とフタル酸水素カリウム水溶液を混合したpH3.0の酸性水溶液を用いたこと以外は、実施例5と同様の操作にて焙煎コーヒー豆を得た。そして、得られた焙煎コーヒー豆について実施例1と同様の操作にて分析を行った。その結果を表2に示す。
ブラジル産アラビカ種のL18の原料焙煎コーヒー豆を粉砕機〔ワンダーブレンダーWB−1、大阪ケミカル社製〕にて1秒間粉砕し、TESTING SIEVE(TOKYO SCREEN社製、JIS Z8801)を用いて、表3に示すフラクションに分級した。なお、表3の「篩メッシュ」において表中の各数値は篩目の大きさを示し、例えば、実施例14では、粉砕原料焙煎コーヒー豆の粒子径が目開き2.0mmの篩をパスし、目開き1.7mmの篩にオンする大きさであることを意味する。
次に、実施例5において、平均粒経0.30mmの粉砕原料焙煎コーヒー豆の代わりに、表3に示すフラクションの原料焙煎コーヒー豆を用いたこと以外は、実施例5と同様の操作にて焙煎コーヒー豆を得た。そして、得られた焙煎コーヒー豆について、粉砕機〔ワンダーブレンダーWB−1、大阪ケミカル社製〕にて粉砕し、実施例1と同様の操作にて分析を行った。その結果を表3に示す。
実施例5において、ブラジル産アラビカ種の未粉砕の原料焙煎コーヒー豆を用いたこと以外は、実施例5と同様の操作にて焙煎コーヒー豆を得た。そして、得られた焙煎コーヒー豆について、粉砕機〔ワンダーブレンダーWB−1、大阪ケミカル社製〕にて粉砕し、実施例1と同様の操作にて分析を行った。その結果を表3に示す。
Claims (8)
- 粉砕された原料焙煎コーヒー豆に、該原料焙煎コーヒー豆に対して15〜95質量%の酸性水溶液を添加した後、10〜110℃にて保持する、焙煎コーヒー豆の製造方法。
- 保持時間が10〜200分である、請求項1記載の焙煎コーヒー豆の製造方法。
- 前記酸性水溶液のpHが1以上6.5以下である、請求項1又は2記載の焙煎コーヒー豆の製造方法。
- 常圧下で保持する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の焙煎コーヒー豆の製造方法。
- 前記原料焙煎コーヒー豆のL値が10〜40である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の焙煎コーヒー豆の製造方法。
- 前記原料焙煎コーヒー豆の平均粒径が5mm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の焙煎コーヒー豆の製造方法。
- 当該焙煎コーヒー豆は、焙煎コーヒー豆100g当たりのヒドロキシハイドロキノンの含有量が15mg以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の焙煎コーヒー豆の製造方法。
- 当該焙煎コーヒー豆は、焙煎コーヒー豆100g当たりのクロロゲン酸類の含有量が100mg以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の焙煎コーヒー豆の製造方法。
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