JP2015214483A - 自動車用紫外線吸収ガラス物品および自動車の摺動窓 - Google Patents

自動車用紫外線吸収ガラス物品および自動車の摺動窓 Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性等の機械的耐久性を有するとともに長期使用による紫外線吸収能の低下が少ない紫外線吸収膜を形成させるための塗布液、およびその塗布液を用いて形成された耐摩耗性等の機械的耐久性を有し長期使用による紫外線吸収能の低下が少ない紫外線吸収膜を有する自動車用紫外線吸収ガラス物品および自動車の摺動窓を提供する。【解決手段】ガラス基材と、ガラス基材の少なくとも一部の表面に、ガラス基材と接するように設けられた酸素とケイ素の結合を含む紫外線吸収膜とを有する紫外線吸収ガラス物品であって、紫外線吸収膜の表面に対して、所定の摩耗試験を行ったときの、試験前後の曇価の増加量が特定の値以下であり、紫外線吸収ガラス物品に所定の耐候試験を行った後の、紫外線吸収ガラス物品の、波長380nmにおける光線の透過率が特定の値以下であることを特徴とする自動車用紫外線吸収ガラス物品。【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス等の物品表面に塗布液を用いて形成された紫外線吸収膜を有する自動車用紫外線吸収ガラス物品および自動車の摺動窓に関する。
近年、自動車等の車輌用の窓ガラスや家屋、ビル等の建物に取り付けられる建材用の窓ガラス等の透明基板に、これらを通して車内や屋内に入射する紫外線を吸収する能力を有し、かつ耐摩耗性等の機械的耐久性を備えた紫外線吸収膜を被膜形成する試みがなされている。
上記高い耐摩耗性と紫外線吸収能を有する紫外線吸収被膜を得るために、従来から、有機系紫外線吸収剤をシラン化合物に配合した塗布液を用いて基板上にシリカ系紫外線吸収膜を形成させる試みがなされている。例えば、特許文献1には、シリコンアルコキシドと、ポリエチレングリコール等の水溶性有機ポリマーとを含み、さらに紫外線吸収剤や有機色素を含有する塗布液をガラス板上に塗布し、硬化させて有機無機複合膜からなる紫外線吸収膜を得ることが記載されている。しかしながら、特許文献1に記載のシリカ系紫外線吸収膜では、耐摩擦性等の機械的耐久性は有するものの、本発明で求めている長波長紫外線吸収は達成できておらず、また、長波長の紫外線を吸収するためにより紫外性吸収剤を高濃度に添加すると機械的耐久性の劣化及び高湿度下で膜からの紫外線吸収剤のブリードアウト(Bleed out)が起こり、これにより紫外線吸収能を長期間保持できないという問題があった。
シリカ系紫外線吸収膜における紫外線吸収剤のブリードアウトの問題を解消する技術として、特許文献2には、シラン化合物と紫外線吸収能を有する有機化合物の反応生成物をシラン化合物に配合した塗布液を用いてシリカ系紫外線吸収膜を形成させる試みが記載されている。特許文献2に記載のシリカ系紫外線吸収膜では、膜からの紫外線吸収剤のブリードアウトはないものの、本発明で求めている長波長紫外線吸収を達成した場合でも、特にガラスにこのシリカ系紫外線吸収被膜を形成させた場合に耐クラック性および耐摩耗性が十分ではないという問題があった。
そこで、耐摩耗性等の機械的耐久性を確保しつつ、長期使用による紫外線吸収能の低下が少ない紫外線吸収膜が求められていた。
国際公開第2006/137454号パンフレット 特開2001−89710号公報
本発明は上記問題を解決するためになされたものであって、耐摩耗性等の機械的耐久性を有するとともに長期使用による紫外線吸収能の低下が少ない紫外線吸収膜を形成させるための塗布液、およびその塗布液を用いて形成された耐摩耗性等の機械的耐久性を有し長期使用による紫外線吸収能の低下が少ない紫外線吸収膜を有する紫外線吸収ガラス物品を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有する自動車用紫外線吸収ガラス物品および自動車の摺動窓を提供する。
[1]ガラス基材と、前記ガラス基材の少なくとも一部の表面に、前記ガラス基材と接するように設けられた酸素とケイ素の結合を含む紫外線吸収膜とを有する紫外線吸収ガラス物品であって、前記紫外線吸収膜の表面に対して、JIS−R3212(1998年)によるCS−10F摩耗ホイールでの1000回転摩耗試験を行ったときの、試験前に対する試験後の曇価の増加量が5.0%以下であり、前記紫外線吸収ガラス物品を、スーパーキセノンウェザーメーター(スガ試験機:SX75)に設置し、照射照度150W/m(300−400nm)、ブラックパネル温度83℃、湿度50RH%の条件に曝し1000時間放置する耐候試験を行った後の、前記紫外線吸収ガラス物品の、波長380nmにおける光線の透過率が7.6%以下であることを特徴とする自動車用紫外線吸収ガラス物品。
[2]前記耐候試験を行った後の、前記紫外線吸収ガラス物品の、波長380nmにおける光線の透過率が4.1%以下であることを特徴とする[1]に記載の自動車用紫外線吸収ガラス物品。
[3]前記耐候試験を行った後の、前記紫外線吸収ガラス物品の、波長380nmにおける光線の透過率が0.9%以下であることを特徴とする[1]に記載の自動車用紫外線吸収ガラス物品。
[4]前記紫外線吸収膜がヒンダードアミン系光安定化剤を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の自動車用紫外線吸収ガラス物品。
[5]前記紫外線吸収膜がシリカ微粒子を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の自動車用紫外線吸収ガラス物品。
[6]前記紫外線吸収膜を構成する材料がエポキシ基を有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の自動車用紫外線吸収ガラス物品。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の自動車用紫外線吸収ガラス物品を窓部材として用いたことを特徴とする自動車の摺動窓。
本発明の自動車用紫外線吸収ガラス物品および自動車の摺動窓は、機械的にも紫外線吸収能についても長期耐久性を有する。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
[本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液]
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液は、エポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分と、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物との反応生成物であるオルガノオキシシラン化合物(b)(以下、必要に応じて「シリル化ベンゾフェノン系化合物」ともいう)に由来する成分および、前記(a)、(b)以外のオルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分とを含有する。なお、上記オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)は、それぞれ、ケイ素原子に結合したオルガノオキシ基を2以上有する化合物である。
本発明において、オルガノオキシシラン化合物に由来する成分とは、オルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分を例に説明すれば、オルガノオキシシラン化合物(a)自身を包含するとともに、オルガノオキシシラン化合物(a)を構成単位とする部分加水分解縮合物や、オルガノオキシシラン化合物(a)と、オルガノオキシシラン化合物(b)および/または(c)と、を構成単位とする部分加水分解共縮合物における、オルガノオキシシラン化合物(a)の構成単位を包含する成分をいう。
したがって、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液は、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)にそれぞれ由来する成分として、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)自体を含有してもよく、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)それぞれの部分加水分解縮合物を含有していてもよい。さらに、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液は、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)中の任意の2種の部分加水分解共縮合物と他の1種とを含有していてもよい。さらに、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液は、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)の3種の部分加水分解共縮合物を含有していてもよい。これらの部分加水分解縮合物や部分加水分解共縮合物については、各オルガノオキシシラン化合物の説明の後に説明する。
オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)の最終的な硬化物においては、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)も上記部分加水分解縮合物や部分加水分解共縮合物を構成するオルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)の構成単位も同一の硬化物構成単位となると考えられる。本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液は、オルガノオキシシラン化合物自身であれ部分加水分解縮合物や部分加水分解共縮合物における構成単位であれ、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)の3種に由来する各成分を組合わせて含有することが必須である。
<エポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物(a)>
本発明におけるエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物(a)は、エポキシ基を含有する有機基がケイ素原子に結合しているオルガノオキシシラン化合物であれば、特に限定されないが、好ましくは、下記一般式(A)で示されるオルガノオキシシラン化合物を挙げることができる。なお、上記ケイ素原子に結合している有機基とはケイ素原子に結合する原子が炭素原子である有機基をいう。また、以下、エポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物(a)をオルガノオキシシラン化合物(a)ともいう。
SiR (OR4−(a+b) ……(A)
ここで、式(A)中、Rはエポキシ基を含有する有機基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基、Rは水素原子または炭素数1〜10の酸素原子を含んでもよい1価炭化水素基であり、aは1または2、bは0または1であり、a+bは1または2である。
上記式(A)中、Rはエポキシ基を含有する有機基であり、有機基が含有するエポキシ基の個数や有機基自体の種類は特に限定されないが、具体的には、末端にエポキシ基またはエポキシ基含有シクロアルキル基1個を有する炭素数2〜15の酸素原子を有してもよい直鎖または分岐のアルキル基が挙げられる。これらのうちでも、本発明においては、下記(1−1)式で示される3−グリシドキシプロピル基、下記(1−2)式で示される5,6−エポキシへキシル基、下記(1−3)式で示される9,10−エポキシデシル基、下記(1−4)式で示される2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基等が好ましく、シラン化合物との反応性の点から3−グリシドキシプロピル基および2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基等が特に好ましい。
Figure 2015214483
上記式(A)中、ケイ素原子に結合するエポキシ基を含有する有機基Rの数は、aで示される。式(A)で示される化合物において、aの数は、1または2であるが、本発明においては、aが1であるエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物が好ましく用いられる。
上記式(A)中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、デシル基、フェニル基等が挙げられる。好ましいRは、炭素数4以下のアルキル基である。上記式(A)中、bで示されるRすなわちケイ素原子に結合する炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基の数は、0または1であるが、耐摩耗性の点からは、b=0の場合が好ましい。
上記式(A)中、Rは、水素原子または炭素数1〜10の酸素原子を含んでもよい1価炭化水素基である。このような1価炭化水素基としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基またはアルキニル基、炭素数5または6のシクロアルキル基、炭素数2〜10アシル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアルアルキル基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、イソプロペニル基、メトキシエチル基、アセチル基等が挙げられる。酸素原子を含む1価炭化水素基としては、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、アシルオキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基などが挙げられ、具体的には例えば2−メトキシエチル基などが挙げられる。これらのなかでも、本発明においては加水分解速度、塗布液の安定性の点からメチル基、エチル基、イソプロピル基等の炭素数4以下のアルキル基が特に好ましい。
なお、上記式(A)中、a+bは1または2であることから、4−a−bで示されるケイ素原子に結合するORの数は、3または2である。
このような上記一般式(A)で示されるエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物として、具体的には、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランおよび2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
本発明においては、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液が含有する他の成分への溶解性、後述するオルガノオキシシラン化合物(c)との反応性等の観点から、上記オルガノオキシシラン化合物(a)としてより好ましくは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン等が用いられる。
本発明に用いられるオルガノオキシシラン化合物(a)は、厚膜化したときに所望の耐摩耗性を維持しつつ、耐クラック性を付与するバインダーとして作用すると考えられる。
<オルガノオキシシラン化合物(b)>
本発明におけるオルガノオキシシラン化合物(b)、すなわち、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物との反応生成物であるオルガノオキシシラン化合物(b)は、原料である水酸基含有ベンゾフェノン系化合物の作用により紫外線吸収能を有する成分である。水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物との反応生成物(前記のように、シリル化ベンゾフェノン系化合物ともいう)は、オルガノオキシシラン化合物から形成される架橋構造を有する酸化ケイ素系ネットワーク内に組み込まれることで、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物の残基がネットワークに固定される。これにより、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物がブリードアウトすることがなく、これにより紫外線吸収膜が長期にわたって紫外線吸収能を保持することを可能としている。なお、シリル化ベンゾフェノン系化合物はオルガノオキシシラン化合物(a)と同様のオルガノオキシシシリル基を有することより、オルガノオキシシラン化合物の1種とみなす。
上記シリル化ベンゾフェノン系化合物の原料である水酸基を有するベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン骨格を有する化合物であって水酸基を有するものであればいずれのものでもよいが、本発明においては、下記一般式(B)で示される、水酸基を2〜4個有するベンゾフェノン系化合物が、シリル化した後も優れた紫外線吸収能を有する点から好ましく用いられる。紫外線吸収能の点、特に380nmまでの長波長の紫外線吸収能の点からいえば、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物が有する水酸基数は、より好ましくは3個または4個である。
Figure 2015214483
(式中、Xはそれぞれ同一でも異なっていてもよい、水素原子または水酸基を表し、そのうちの少なくとも1個は水酸基である。)
さらに、上記一般式(B)で表される水酸基を有するベンゾフェノン系化合物のうちでも、本発明においては、下記式(2−1)で示される2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、(2−2)で示される2,2’,3(または4、5、6のいずれか)−トリヒドロキシベンゾフェノン、(2−3)で示される2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等がより好ましく、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンが特に好ましい。水酸基を有するベンゾフェノン系化合物をシリル化する反応において、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物は1種を単独でまたは2種以上の混合物として用いることが可能である。
Figure 2015214483
このような水酸基含有ベンゾフェノン系化合物をシリル化する反応に用いるエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物としては、前記オルガノオキシシラン化合物(a)と同様の化合物が挙げられる。好ましくは、前記一般式(A)で示される化合物が挙げられるが、より好ましくは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシランおよび2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
これらのなかでも、本発明においては、塗布液への溶解性等の観点から、上記エポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物として特に好ましくは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン等が用いられる。なお、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物をシリル化する反応において、エポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物は1種を単独でまたは2種以上の混合物として用いることが可能である。
水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物との反応生成物を得る方法としては、通常のシリル化反応にかかる方法が特に限定されずに適用可能であるが、具体的には、以下の方法が挙げられる。
水酸基含有ベンゾフェノン系化合物の少なくとも1種とエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物の少なくとも1種を、必要に応じて触媒の存在下で、反応させる。反応に用いるエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物の量は、特に限定されないが、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物1モルに対して好ましくは0.5〜5.0モル、さらに好ましくは1.0〜3.0モルである。水酸基含有ベンゾフェノン系化合物1モルに対するエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物の量が0.5モル未満であると、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液に添加しようとする場合、溶解性が低下することおよびシリル化されていない水酸基含有ベンゾフェノン系化合物が多く膜中に存在することにより、ブリードアウトするおそれがある。また、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物1モルに対するエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物の量が5.0モルを超えると、紫外線吸収に関する水酸基含有ベンゾフェノン系化合物の絶対量が少なくなるため、紫外線吸収性が低下するおそれがある。
また、本反応でエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物を過剰に添加した場合、水酸基含有ベンゾフェノン化合物と反応できない未反応のエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物が残存するが、この未反応のエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物は、上述のオルガノオキシシラン化合物(a)として機能するため、未反応エポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物は精製により除去する必要はない。なお、この未反応エポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物は、後述する本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液に配合する際には、オルガノオキシシラン化合物(a)の配合量として加算される。
上記シリル化反応に用いられる触媒としては、特開昭58−10591号公報に記されているような、第4級アンモニウム塩が好ましい。第4級アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド等が例示される。
反応系への触媒の添加量は特に限定されないが、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物との合計100質量部に対して、0.005〜10質量部となるような添加量が好ましく、さらに好ましくは0.01〜5質量部となるような添加量である。水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物との合計100質量部に対する触媒の添加量が0.005質量部未満では、反応に長時間を要し、また10質量部を超えると、この反応生成物を本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液に添加した場合に触媒が塗布液の安定性を低下させるおそれがある。
上記シリル化反応は、触媒の存在下、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物の好ましくは上記割合の混合物を、50〜150℃の温度範囲で4〜20時間加熱することにより行うことができる。この反応は無溶媒で行っても、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物およびエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物の双方を溶解する溶媒中で行ってもよいが、反応の制御のしやすさ、扱いやすさから溶媒を用いる方法が好ましい。このような溶媒としては、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが例示される。また、用いる溶媒の量としては、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物との合計100質量部に対して10〜300質量部程度の量が挙げられる。
本発明において好ましく用いられるシリル化ベンゾフェノン系化合物、すなわちオルガノオキシシラン化合物(b)、としては、3個以上の水酸基を含有するベンゾフェノン系化合物の1〜2個の水酸基と、エポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物のエポキシ基が反応して得られる反応生成物等が挙げられ、より好ましくは、下記式(3−1)に示される4−(2−ヒドロキシ−3−(3−トリメトキシシリル)プロポキシ)プロポキシ)−2,2’,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。なお、下記式(3−1)中、Meはメチル基を表す。
Figure 2015214483
<オルガノオキシシラン化合物(c)>
本発明におけるオルガノオキシシラン化合物(c)は、前記(a)、(b)以外のオルガノオキシシラン化合物、すなわち、エポキシ基や水酸基含有ベンゾフェノン系化合物の残基を含有しないオルガノオキシシラン化合物である。オルガノオキシシラン化合物(c)としては、エポキシ基や水酸基含有ベンゾフェノン系化合物の残基を含有しないオルガノオキシシラン化合物であれば、特に限定されないが、本発明において好ましくは、下記一般式(C)で示されるシラン化合物が挙げられる。
SiR (OR4−(m+n) ……(C)
ここで、式(C)中Rは、炭素数1〜10の置換または非置換の1価炭化水素基であり、Rは炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基、Rは水素原子または炭素数1〜10の酸素原子を含んでもよい1価炭化水素基であり、mおよびnは0、1または2であり、m+nは0、1または2である。ただし、上記Rは、エポキシ基を含有する有機基ではなく、また水酸基含有ベンゾフェノン系化合物の残基を有する有機基でもない。
上記式(C)中Rは、具体的には、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、アルケニル基、またはこれらの基の水素原子の一部または全部が(メタ)アクリルオキシ基、メルカプト基、アミノ基もしくはシアノ基などエポキシ基を含有しない置換基で置換された置換1価炭化水素基が挙げられる。より具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基、シクロヘキシル基などのアルキル基、フェニル基、フェネチル基などのアリール基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基などのハロゲン化アルキル基、p−クロロフェニル基などのハロゲン化アリール基、ビニル基、アリル基、9−デセニル基、p−ビニルベンジル基などのアルケニル基、3−メタクリルオキシプロピル基、3−アクリルオキシプロピル基などの(メタ)アクリルオキシ基含有有機基、3−メルカプトプロピル基、p−メルカプトメチルフェニルエチル基などのメルカプト基含有有機基、3−アミノプロピル基、(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基などのアミノ基含有有機基、2−シアノエチル基などのシアノ基含有有機基などを例示することができる。なお、本明細書において用いる、(メタ)アクリルオキシ基等の「(メタ)アクリル…」の用語は、「アクリル…」と「メタクリル…」の両方を意味する。
なお、本発明において、Rとして好ましくは、3−メタクリルオキシプロピル基、3−アクリルオキシプロピル基等を挙げることができる。上記式(C)中、mで示されるケイ素原子に結合するRの数は、0、1または2であるが、本発明においては、耐摩耗性の観点から、m=0であることが好ましい。
上記式(C)中Rは、上記式(A)におけるRと同様の基であり、Rは上記式(A)におけるRと同様の基である。Rとしては、炭素数4以下のアルキル基が好ましく、Rとしては、炭素数4以下のアルキル基が好ましい。上記式(C)中、nで示されるケイ素原子に結合するRの数は、0、1または2である。また、m+nが0、1または2であることから、4−m−nで示される上記式(C)中のケイ素原子に結合するORの数は、4、3または、2である。すなわち、本発明に用いる上記式(C)で示されるシラン化合物は、接着性のあるバインダーとして作用する。
上記式(C)で示されるシラン化合物として、具体的には、以下に例示するジアルコキシシランまたはジアシルオキシシラン類、トリアルコキシまたはトリアシルオキシシラン類、テトラアルコキシシラン類が挙げられる。
上記ジアルコキシシランまたはジアシルオキシシラン類として、具体的には、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ(2−メトキシエトキシ)シラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジイソプロペノキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジイソプロペノキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジアセトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジプロポキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、2−シアノエチルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
上記トリアルコキシまたはトリアシルオキシシラン類として、具体的には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリプロポキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−シアノエチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
また、上記テトラアルコキシシラン類として、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラn−ブチルオキシシラン、テトラsec−ブチルオキシシラン、テトラtert−ブチルオキシシラン等を挙げることができる。
これらのなかでも、オルガノオキシシラン化合物(c)としては、炭素数1〜4のアルコキシ基を有するテトラアルコキシシラン類、および炭素数1〜4のアルコキシ基と炭素数1〜4のアルキル基とを有するトリアルコキシシラン類が好ましい。さらに好ましくは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類が挙げられる。
オルガノオキシシラン化合物は、オルガノオキシ基が加水分解してケイ素原子に結合した水酸基(シラノール基)となり、次いでシラノール基同士が脱水縮合して−Si−O−Si−で表されるシロキサン結合を生成して高分子量化する。ジオルガノオキシシラン化合物のみからは線状のポリシロキサンが生成するが、トリオルガノオキシシラン化合物やテトラオルガノオキシシラン化合物からはポリシロキサンの3次元的なネットワーク(酸化ケイ素系ネットワーク)が生成する。ジオルガノオキシシラン化合物とトリオルガノオキシシラン化合物やテトラオルガノオキシシラン化合物との混合物からもポリシロキサンの3次元的なネットワークが生成する。
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液は、耐摩耗性等の機械的耐久性を有する紫外線吸収膜を形成するためのものであることより、オルガノオキシシラン化合物である(a)〜(c)の少なくとも一部はトリオルガノオキシシラン化合物またはテトラオルガノオキシシラン化合物である必要がある。本発明におけるオルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)の3種のオルガノオキシシラン化合物のうち少なくともオルガノオキシシラン化合物(c)はトリアルコキシシラン類またはテトラアルコキシシラン類であることが好ましく、オルガノオキシシラン化合物(a)、(b)はジアルコキシシラン類とトリアルコキシシラン類のいずれであってもよい。耐摩耗性等の機械的耐久性をより高めるために、オルガノオキシシラン化合物(c)はテトラアルコキシシラン類であることがより好ましい。さらには、オルガノオキシシラン化合物(a)、(b)はともにトリアルコキシシラン類であることが好ましい。
<オルガノオキシシラン化合物の部分加水分解(共)縮合物>
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液は、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)にそれぞれ由来する成分として、上記オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)のそれぞれの部分加水分解縮合物を含有していてもよい。また、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液は、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)の任意の2種の部分加水分解共縮合物と他の1種を含有していてもよく、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)の3種の部分加水分解共縮合物を含有してもよい。
部分加水分解縮合物とは、オルガノオキシシラン化合物が加水分解し次いで脱水縮合することによって生成するオリゴマー(多量体)である。部分加水分解縮合物は通常溶媒に溶解する程度の高分子量化体である。部分加水分解縮合物は、オルガノオキシ基やシラノール基を有し、さらに加水分解縮合して最終的な硬化物になる性質を有する。ある1種のオルガノオキシシラン化合物のみから部分加水分解縮合物を得ることができ、また2種以上のオルガノオキシシラン化合物からそれらの共縮合体である部分加水分解共縮合物を得ることもできる。例えば、オルガノオキシシラン化合物(a)として2種以上のエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物の混合物から部分加水分解共縮合物を得ることができる。ただし、本発明においては、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)間の異なる種類のオルガノオキシシラン化合物から得られるものを部分加水分解共縮合物といい、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)のいずれかのみに属する2種以上から得られるものは部分加水分解縮合物というものとする。
部分加水分解縮合物としては、例えば、オルガノオキシシラン化合物(a)のみから得られる部分加水分解縮合物がある。オルガノオキシシラン化合物(b)やオルガノオキシシラン化合物(c)からもそれぞれその部分加水分解縮合物を得ることができる。部分加水分解共縮合物としては、例えば、オルガノオキシシラン化合物(a)とオルガノオキシシラン化合物(b)の混合物から得られる部分加水分解共縮合物がある。同様に、オルガノオキシシラン化合物(a)とオルガノオキシシラン化合物(c)の混合物やオルガノオキシシラン化合物(b)とオルガノオキシシラン化合物(c)の混合物からそれぞれ部分加水分解共縮合物を得ることができる。さらには、オルガノオキシシラン化合物(a)とオルガノオキシシラン化合物(b)とオルガノオキシシラン化合物(c)の3者の混合物からそれらの部分加水分解共縮合物を得ることもできる。これら部分加水分解縮合物や部分加水分解共縮合物は、未反応原料であるオルガノオキシシラン化合物を含んでいてもよい。以下、部分加水分解縮合と部分加水分解共縮合を総称して部分加水分解(共)縮合ともいい、得られるものを部分加水分解(共)縮合物ともいう。
上記オルガノオキシシラン化合物の部分加水分解(共)縮合は、例えば、酸触媒存在下、出発物質であるオルガノオキシシラン化合物またはその低級アルコール溶液に水を添加して行うことができる。低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等が例示される。更に、そのアルコールと併用可能な溶媒としては、アセトン、アセチルアセトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸イソブチルなどのエステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類が例示される。オルガノオキシシラン化合物の部分加水分解(共)縮合に用いる低級アルコールの量として具体的には、オルガノオキシシラン化合物100質量部に対して0〜1000質量部程度の量を挙げることができる。また、水の量として具体的には、上記オルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分のSiO換算量に対してモル比で4〜20当量となる量が好ましく、8〜15当量となる量がより好ましい。水の量が上記モル比で4当量未満では加水分解が進まずヘイズが上昇したり、塗布時に基材によっては塗布液がはじかれるおそれがあり、20当量を超えると加水分解速度が速くなり長期保管性が十分でなくなるおそれがある。
また、上記酸触媒として具体的には、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、亜硝酸、過塩素酸、スルファミン酸などの無機酸類や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、グリコール酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、クエン酸、リンゴ酸などのカルボン酸類、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのスルホン酸類が例示できる。
本発明において上記部分加水分解(共)縮合に用いる酸触媒は、得られる紫外線吸収膜に十分な耐光性を保持させる、特に紫外線吸収能の光劣化を防止する観点から、第一プロトンのpKa(以下、pKa1と記載する。)が1.0〜5.0の酸を用いることが好ましい。このような酸として、具体的には、酢酸(pKa1=4.76)、乳酸(pKa1=3.64)、マレイン酸(pKa1=1.84)、マロン酸(pKa1=2.65)、シュウ酸(pKa1=1.04)等が挙げられる。
酸の添加量は、触媒としての機能が果たせる範囲で特に限定なく設定できるが、具体的には、pKa1が1未満の酸を用いる場合には、該酸の第一プロトンが完全に解離したときのプロトンの塗布液全質量に対するモル濃度として0.001〜0.1モル/kgとなる割合で含有することが好ましく、0.001〜0.01モル/kgとなる割合で含有することがより好ましい。得られる紫外線吸収膜に十分な耐光性を保持させる、特に紫外線吸収能の光劣化を防止する観点から、pKa1が1.0〜5.0の酸を用いる場合には、上記モル濃度として0.005〜5.0モル/kgとなる割合で含有することが好ましく、0.01〜3.5モル/kgとなる割合で含有することがより好ましい。
上記オルガノオキシシラン化合物の部分加水分解(共)縮合は具体的には、酸触媒存在下、オルガノオキシシラン化合物の低級アルコール溶液に水が添加された反応液を、10〜40℃で1〜48時間撹拌することで行うことができる。
<本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液の組成>
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液は、エポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分と、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物との反応生成物であるオルガノオキシシラン化合物(b)(以下、必要に応じて「シリル化ベンゾフェノン系化合物」ともいう)に由来する成分および、前記(a)、(b)以外のオルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分とを含有する。
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液は、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)にそれぞれ由来する成分として、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)自体を含有してもよく、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)それぞれの部分加水分解縮合物を含有していてもよい。さらに、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液は、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)中の任意の2種の部分加水分解共縮合物と他の1種とを含有していてもよい。さらに、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液は、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)の3種の部分加水分解共縮合物を含有していてもよい。
このようにして、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液が含有する、上記オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)にそれぞれ由来する成分の組合せとしては、例えば、オルガノオキシシラン化合物(a)とオルガノオキシシラン化合物(c)の部分加水分解共縮合物とオルガノオキシシラン化合物(b)との組合せや、オルガノオキシシラン化合物(a)とオルガノオキシシラン化合物(c)の部分加水分解共縮合物とオルガノオキシシラン化合物(b)の部分加水分解縮合物との組合せ等が挙げられる。さらに、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液は、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)の3種の部分加水分解共縮合物を含有していてもよい。また、上記部分加水分解(共)縮合物を含有する塗布液は未反応原料などのオルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)を含有していてもよい。
なお、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液においては、該塗布液中の上記オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)にそれぞれ由来する成分の組成割合は、塗布液が部分加水分解(共)縮合物を含有する場合、部分加水分解(共)縮合物の各構成単位をその原料のオルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)にそれぞれ換算した量を、さらに該塗布液が部分加水分解(共)縮合物以外にオルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)自体を含有する場合には、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)のそれぞれについてそれ自体の量と上記各換算量との合計量を、表すものとする。例えば、紫外線吸収膜形成用塗布液が、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)の3種の部分加水分解共縮合物のみを含有する場合、その構成単位の量をオルガノオキシシラン化合物である(a)〜(c)に換算してオルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)の量として表す。また、例えば、紫外線吸収膜形成用塗布液がオルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)の3種の部分加水分解共縮合物とオルガノオキシシラン化合物(c)を含有する場合、前記塗布液中のオルガノオキシシラン化合物(c)の量は、部分加水分解共縮合物におけるオルガノオキシシラン化合物(c)に由来する構成単位と当該共縮合物以外に単体で含有するオルガノオキシシラン化合物(c)との合計量とする。
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液中の上記の定義で表したオルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分〜オルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分の含有割合は、オルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物との反応生成物であるオルガノオキシシラン化合物(b)に由来する成分、および前記(a)、(b)以外のオルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分の合計固形分量の100質量部に対して、好ましくはオルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分については5〜50質量部、オルガノオキシシラン化合物(b)に由来する成分については10〜50質量部、オルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分については40〜80質量部となる割合であり、より好ましくはオルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分については7〜35質量部、オルガノオキシシラン化合物(b)に由来する成分については15〜40質量部、オルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分については45〜70質量部となる割合であり、特に好ましくはオルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分については10〜30質量部、オルガノオキシシラン化合物(b)に由来する成分については20〜30質量部、オルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分については50〜65質量部となる割合である。
オルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物との反応生成物であるオルガノオキシシラン化合物(b)に由来する成分、および前記(a)、(b)以外のオルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分の合計固形分量100質量部に対するオルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分の含有割合が、50質量部よりも多いと所望の耐摩耗性が得られないことがあり、また5質量部よりも少ないと所望の紫外線吸収能発現に必要な膜厚を形成するとクラックが生じることがある。オルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物との反応生成物であるオルガノオキシシラン化合物(b)に由来する成分、および前記(a)、(b)以外のオルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分の合計固形分量100質量部に対するオルガノオキシシラン化合物(b)に由来する成分の含有割合が、50質量部よりも多いと所望の耐摩耗性が得られないことがあり、また10質量部よりも少ないと所望の紫外線吸収能が得られないことがある。オルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物との反応生成物であるオルガノオキシシラン化合物(b)に由来する成分、および前記(a)、(b)以外のオルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分の合計固形分量100質量部に対する、オルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分の含有割合が、80質量部よりも多いと所望の紫外線吸収能発現に必要な膜厚を形成するとクラックが生じることがあり、また40質量部よりも少ないと所望の耐摩耗性が得られないことがある。
また、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液におけるオルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分とオルガノオキシシラン化合物(b)に由来する成分の含有比率である[(a)/(b)]は、質量比で10/90〜80/20であることが好ましく、より好ましくは、20/80〜70/30である。この(a)/(b)が10/90より小さいと所望の摩耗性が得られないことがあり、80/20より大きいと所望の紫外線吸収能発現に必要な膜厚を形成するとクラックが生じることがある。
また、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液におけるオルガノオキシシラン化合物(b)に由来する成分とオルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分の含有比率である[(b)/(c)]は、質量比で20/80〜40/60であることが好ましく、より好ましくは、25/75〜35/65である。この(b)/(c)が20/80より小さいと所望の紫外線吸収能発現に必要な膜厚を形成するとクラックが生じることがあり、40/60より大きいと所望の摩耗性が得られないことがある。
また、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液において、前記オルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分の含有量は、この成分に含まれるケイ素原子をSiOに換算したときのSiO含有量として、1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜8質量%である。このオルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分の合計含有量が、1%未満であると、所望の膜厚の紫外線吸収膜を得るための塗布液の塗布量を多くする必要があり、その結果外観が悪化するおそれがあり、10質量%を超えると、塗布液を塗布した状態での膜厚が厚くなり得られる紫外線吸収膜にクラックが発生するおそれがある。
また、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液は、必須成分である上記オルガノオキシシラン化合物等以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、種々の任意の配合剤を含有することができる。
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液が含有することができる任意の配合剤としては、例えば、長期間に亘る光照射による紫外線吸収膜の紫外線吸収能の低下やクラックの発生を防止することで耐光性を向上させる配合剤(以下、必要に応じて「耐光性向上剤」という。)が挙げられる。
このような耐光性向上剤として、具体的には、ポリエポキシド類、グリセリン等が挙げられるが、本発明においてはポリエポキシド類が好ましい。
ポリエポキシド類とは、複数のエポキシ基を有する化合物の総称である。すなわち、ポリエポキシド類の平均エポキシ基数は2以上であるが、本発明においては平均エポキシ基数が2〜10のポリエポキシドが好ましい。
このようなポリエポキシド類としては、ポリグリシジルエーテル化合物、ポリグリシジルエステル化合物、およびポリグリシジルアミン化合物等のポリグリシジル化合物が好ましい。また、ポリエポキシド類としては、脂肪族ポリエポキシド類、芳香族ポリエポキシド類のいずれであってもよく、脂肪族ポリエポキシド類が好ましい。これらは、エポキシ基を2個以上有する化合物である。
これらのなかでもポリグリシジルエーテル化合物が好ましく、脂肪族ポリグリシジルエーテル化合物が特に好ましい。ポリグリシジルエーテル化合物としては、2官能以上のアルコールのグリシジルエーテルであることが好ましく、耐光性向上に対してより高い効果を発揮できる点から3官能以上のアルコールのグリシジルエーテルであることが特に好ましい。なお、これらアルコールは、脂肪族アルコール、脂環式アルコール、または糖アルコールであることが好ましい。
具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうちでも、特に耐光性向上に対してより高い効果を発揮できる点から、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、およびソルビトールポリグリシジルエーテル等の3個以上の水酸基を有する脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテル(1分子あたり平均のグリシジル基(エポキシ基)数が2を超えるもの)が好ましい。
上記耐光性向上剤の配合量は、本発明の効果を損なわずに紫外線吸収膜の機械的強度と紫外線吸収能の光劣化を防止できる量であれば特に制限されないが、例えば、ポリエポキシド類およびグリセリンから選ばれる1種を用いた場合の含有量として、紫外線吸収膜形成用塗布液中の前記オルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物との反応生成物であるオルガノオキシシラン化合物(b)に由来する成分、および前記(a)、(b)以外のオルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分の合計固形分量100質量部に対して、0.1〜20質量部となる量が好ましく、1.0〜10質量部となる量がより好ましい。上記耐光性向上剤の配合量が、0.1質量部未満であると紫外線吸収能の光劣化を十分に防止できないことがあり、20質量部を超えると紫外線吸収膜の機械的強度が劣化するおそれがある。
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液はさらに、耐光性向上の目的で、光安定剤を含んでいてもよい。光安定剤として好ましくは、ヒンダードアミン系光安定化剤(HALS)等が挙げられる。光安定剤の配合量は、紫外線吸収膜形成用塗布液中の前記オルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物との反応生成物であるオルガノオキシシラン化合物(b)に由来する成分、および前記(a)、(b)以外のオルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分の合計固形分量100質量部に対して、好ましくは0.001〜0.015質量部となる量であり、より好ましくは0.002〜0.009質量部となる量である。
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液が含有可能な任意の配合剤として、さらに、紫外線吸収膜の耐摩耗性をさらに向上させるために配合されるシリカ微粒子が挙げられる。シリカ微粒子を紫外線吸収膜形成用塗布液に配合する場合には、コロイダルシリカとして配合することが好ましい。なお、コロイダルシリカとは、シリカ微粒子が、水またはメタノール、エタノール、イソブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の有機溶媒中に分散されたものをいう。本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液製造の際にコロイダルシリカを適宜配合して、シリカ微粒子を含む紫外線吸収膜形成用塗布液を製造することができる。また、オルガノオキシシラン化合物の部分加水分解(共)縮合物を製造する場合、その原料オルガノオキシシラン化合物にコロイダルシリカを配合して部分加水分解(共)縮合を行い、シリカ微粒子含有部分加水分解(共)縮合物を得ることができ、これを用いてシリカ微粒子を含む本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液とすることも可能である。
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液に任意成分としてシリカ微粒子を配合する場合には、平均粒径(BET法)が1〜100nmのシリカ微粒子を配合することが好ましい。平均粒径が100nmを超えると、粒子が光を乱反射するため、得られる紫外線吸収膜の曇価の値が大きくなり、光学品質上好ましくない場合がある。さらに、平均粒径は5〜40nmであることが特に好ましい。これは、紫外線吸収膜に耐摩耗性を付与しつつ、かつ紫外線吸収膜の透明性を保持するためである。また、コロイダルシリカは水分散型および有機溶剤分散型のどちらも使用できるが、有機溶剤分散型を使用することが好ましい。また、水分散型を用いる場合には、酸性水溶液中で分散させたコロイダルシリカを用いることが好ましい。さらに、コロイダルシリカには、アルミナゾル、チタニアゾル、セリアゾル等のシリカ微粒子以外の無機質微粒子を含有させることもできる。
また、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液に任意成分としてシリカ微粒子を配合する場合には、その配合量としては、紫外線吸収膜形成用塗布液中の前記オルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物との反応生成物であるオルガノオキシシラン化合物(b)に由来する成分、および前記(a)、(b)以外のオルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分の合計固形分量100質量部に対して、0.5〜50質量部となる量が好ましく、10〜30質量部となる量がより好ましい。上記配合量の範囲が、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液を用いて形成される紫外線吸収膜において、十分な耐摩耗性を確保しながら紫外線吸収膜の製膜性を維持し、かつクラックの発生や、シリカ微粒子同士の凝集による紫外線吸収膜の透明性の低下を防止できるシリカ微粒子の配合量の範囲である。
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液はさらに、機能性付与の目的でインジウム錫酸化物微粒子、アンチモン錫酸化物微粒子等の機能性微粒子や有機色素を含んでいてもよい。
また、基材への塗工性および得られる塗膜の平滑性を向上させる目的で界面活性剤を添加剤として含んでいてもよい。
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液はさらに、基材への塗工性向上の目的で、消泡剤や粘性調整剤等の添加剤を含んでいてもよく、基材への密着性向上の目的で密着性付与剤等の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤の配合量は、紫外線吸収膜形成用塗布液中の前記オルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物との反応生成物であるオルガノオキシシラン化合物(b)に由来する成分、および前記(a)、(b)以外のオルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分の合計固形分量100質量部に対して、各添加剤成分毎に0.01〜2質量部となる量が好ましい。また、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液は、本発明の目的を損なわない範囲で、染料、顔料、フィラーなどを含んでいてもよい。
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液が含有することができる任意の配合剤としては、さらに、紫外線吸収膜に可撓性を付与する配合剤等を挙げることができる。
可撓性を付与する配合剤としては、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの各種有機樹脂を挙げることができる。
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液においては、これが含有する上記オルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分、オルガノオキシシラン化合物(b)に由来する成分、オルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分等の硬化成分を後述の通り硬化させることで紫外線吸収膜を形成する。本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液は、上記硬化を促進する酸触媒を含有することが好ましい。
酸触媒として具体的には、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、亜硝酸、過塩素酸、スルファミン酸などの無機酸類や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、グリコール酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、クエン酸、リンゴ酸などのカルボン酸類、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのスルホン酸類が例示できる。
本発明においてはこれらのうちでも、得られる紫外線吸収膜に十分な耐光性を保持させる、特に紫外線吸収能の光劣化を防止する観点から、第一プロトンのpKaが1.0〜5.0の酸を用いることが好ましい。このような酸として、具体的には、酢酸(pKa1=4.76)、乳酸(pKa1=3.64)、マレイン酸(pKa1=1.84)、マロン酸(pKa1=2.65)、シュウ酸(pKa1=1.04)等が挙げられる。
なお、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液においては、耐光性の向上、特に紫外線吸収能の光劣化を防止する観点から、上記ポリエポキシド類やグリセリン等の耐光性向上剤とともに、第一プロトンのpKaが1.0〜5.0の酸を用いることが好ましい。
酸の添加量は、触媒としての機能が果たせる範囲で特に限定なく設定できるが、具体的には、pKa1が1.0未満の酸を用いる場合には、該酸の第一プロトンが完全に解離したときのプロトンの塗布液全質量に対するモル濃度として0.001〜0.1モル/kgとなる割合で含有することが好ましく、0.001〜0.01モル/kgとなる割合で含有することがより好ましい。用いる酸の濃度が0.001モル/kg未満では触媒としての機能が十分に果たせないことがあり、0.1モル/kgを超えると紫外線吸収膜が黄変するおそれがある。
特に、得られる紫外線吸収膜に十分な耐光性を保持させる、かつ紫外線吸収能の光劣化を防止する観点から、pKa1が1.0〜5.0の酸を用いることが好ましい。この場合には、上記モル濃度として0.005〜5.0モル/kgとなる割合で含有することが好ましく、0.01〜3.5モル/kgとなる割合で含有することがより好ましい。用いる酸の濃度が0.005モル/kg未満では加水分解が進まず塗膜時にヘイズが上昇したり、基板によっては塗布液がはじかれるおそれがあり、5.0モル/kgを超えると加水分解速度が速くなり長期保管性が十分でなくなるおそれがある。
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液は、上記酸触媒の他に硬化触媒を含有してもよい。硬化触媒としては、脂肪族カルボン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、酒石酸、コハク酸等のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;ベンジルトリメチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩等の四級アンモニウム塩;アルミニウム、チタン、セリウム等の金属アルコキシドやキレート;過塩素酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、イミダゾール類及びその塩、トリフルオロメチルスルホン酸アンモニウム、ビス(トルフルオルメチルスルホニル)ブロモメチルアンモニウム等が挙げられる。
また、本発明においては、所望の耐摩耗性を得るために、紫外線吸収膜形成用塗布液のpHを1.0〜5.0に調整することが好ましく、2.0〜4.5に調整することがより好ましい。pH調整の手法としては、上記好ましい範囲内で酸触媒の含有量を調整する、硬化触媒の含有量を調整する等の方法が挙げられる。
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液は、通常、必須成分である所定量の上記オルガノオキシシラン化合物等および任意の配合剤である種々の添加剤等とともに、上記オルガノオキシシラン化合物等を加水分解・縮重合させるための水を含有する。
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液が含有する水の量は、上記オルガノオキシシラン化合物等を加水分解・縮重合させるために十分な量であれば、特に制限されないが、上記オルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分のSiO換算量に対してモル比で4〜20当量となる量が好ましく、8〜15当量となる量がより好ましい。水の量が上記モル比で4当量未満では加水分解が進まず塗膜時にヘイズが上昇したり、塗布時に基材によっては塗布液がはじかれるおそれがあり、20当量を超えると加水分解速度が速くなり長期保管性が十分でなくなるおそれがある。
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液を用いて形成される紫外線吸収膜は、通常の使用に耐えうる硬度を有するが、得られる紫外線吸収膜の耐光性の向上、特に紫外線吸収能の光劣化を防止する目的で、紫外線吸収膜形成用塗布液に酸触媒として上記pKa1が1.0〜5.0の酸を用いる場合には、硬度、例えば耐傷付き性の低下が見られることがある。このような耐傷付き性の低下を防止して、紫外線吸収膜硬度を一定レベルに維持するために、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液においては、特に、上記pKa1が1.0〜5.0の酸を用いた場合に、シリカ微粒子を配合し、さらに上記オルガノオキシシラン化合物等を加水分解・縮重合させるために配合される水の量を増加することが好ましい。用いるシリカ微粒子としては、上記で説明したのと同様のシリカ微粒子が挙げられる。好ましい態様も同様である。
上記シリカ微粒子と水の配合量として、具体的には、シリカ微粒子については、上記オルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物との反応生成物であるオルガノオキシシラン化合物(b)に由来する成分、および前記(a)、(b)以外のオルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分の合計固形分量100質量部に対して、好ましくは0.5〜50質量部、より好ましくは1.0〜10質量部の配合量が、水については、上記オルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分のSiO換算量に対してモル比で、好ましくは8〜20当量、より好ましくは12.5〜17.5当量の配合量が挙げられる。
なお、上記シリカ微粒子として水分散型コロイダルシリカを用いた場合には、その水も紫外線吸収膜形成用塗布液に含まれる水として扱われる。
シリカ微粒子と水の配合量のいずれかが上記配合量のそれぞれの下限より少ないと、耐傷付き性が低下することがある。また、シリカ微粒子を上記上限を超えて配合すると紫外線吸収膜の製膜性に影響を及ぼすことがあり、水を上記上限を超えて配合すると加水分解速度が速くなり長期保管性が十分でなくなることがある。
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液は、通常、必須成分である所定量の前記オルガノオキシシラン化合物等および任意の配合剤である種々の添加剤等が任意の量、溶媒中に溶解、分散した形態で調製される。前記紫外線吸収膜形成用塗布液中の全不揮発成分が溶媒に安定に溶解、分散することが必要であり、そのために溶媒は、少なくとも20質量%以上、好ましくは50質量%以上のアルコールを含有する。
このような溶媒に用いるアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−エトキシエタノール、4−メチル−2−ペンタノール、および2−ブトキシエタノール等が好ましく、これらのうちでも、上記オルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分、水酸基含有ベンゾフェノン系化合物とエポキシ基含有オルガノオキシシラン化合物との反応生成物であるオルガノオキシシラン化合物(b)に由来する成分、および前記(a)、(b)以外のオルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分の溶解性が良好な点、基材への塗工性が良好な点から、沸点が80〜160℃のアルコールが好ましい。具体的には、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−エトキシエタノール、4−メチル−2−ペンタノール、および2−ブトキシエタノールが好ましい。
また、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液に用いる溶媒としては、前記塗布液が部分加水分解(共)縮合物を含む場合には、その製造過程で、原料オルガノオキシシラン化合物(例えばアルキルトリアルコキシシラン)を加水分解することに伴って発生する低級アルコール等や、有機溶媒分散系のコロイダルシリカを使用した場合にはその分散有機溶媒も含まれる。
さらに、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液においては、上記以外の溶媒として、水/アルコールと混和することができるアルコール以外の他の溶媒を併用してもよく、このような溶媒としては、アセトン、アセチルアセトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸イソブチル等のエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類が挙げられる。
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液において用いる溶媒の量は、紫外線吸収膜形成用塗布液中の全不揮発成分100質量部に対して、100〜1900質量部であることが好ましく、250〜900質量部であることがより好ましい。
また、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液が、前記オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)にそれぞれ由来する成分として、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)自体を含有する場合には、保存等に際して塗布液を安定化するために、これらを部分加水分解(共)縮合させる処理を行ってもよい。前記と同様にこの部分加水分解共縮合においては、酸触媒の存在下で、前記と同様の反応条件の下で行うことが好ましい。通常は、オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)を混合後、酸触媒存在下に常温で所定時間攪拌することにより目的を達することができる。
[本発明の紫外線吸収ガラス物品]
本発明の紫外線吸収ガラス物品は、ガラス基材と、前記ガラス基材の少なくとも一部の表面に上記本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液を用いて形成された紫外線吸収膜とを有する。
本発明の紫外線吸収ガラス物品に用いるガラス基材の材質としては、特に限定されず、通常のソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が挙げられる。また、本発明の紫外線吸収ガラス物品のガラス基材としては、紫外線や赤外線を吸収するガラス基材を用いることも可能である。
なお、本発明の紫外線吸収ガラス物品が好ましく適用されるのは、耐摩耗性が特に求められる用途であり、具体的には、自動車の窓用、特にウインドシールドや摺動窓用である。
本発明の紫外線吸収ガラス物品は、上記構成の本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液を用いて後述のように形成された紫外線吸収膜を有し、前記オルガノオキシシラン化合物(b)に由来する成分が有する水酸基含有シベンゾフェノン系化合物残基の紫外線吸収能により、分光光度計(日立製作所製:U−3500)を用いて測定した波長380nmの光の透過率が7.0%、好ましくは4.0%、より好ましくは1.0%以下であることを可能としている。
さらに、紫外線吸収成分である水酸基含有ベンゾフェノン系化合物残基は、紫外線吸収膜を構成する酸化ケイ素系ネットワークに固定されているため、長期使用によるブリードアウトも少なく、本発明の紫外線吸収ガラス物品を紫外線吸収能の長期保存安定性に優れるものとしている。また、本発明の紫外線吸収ガラス物品においては、オルガノオキシシラン化合物(a)に由来する成分およびオルガノオキシシラン化合物(c)に由来する成分がバインダー成分として作用してオルガノオキシシラン化合物(b)に由来する成分を固定した酸化ケイ素系ネットワークを形成することで、紫外線吸収膜のガラス基材に対する密着性、耐傷付き性等の硬度、および耐クラック性が高次元で両立可能となっている。
また、上記ポリエポキシド類やグリセリン等の耐光性向上剤を配合した、および/または、酸触媒として上記pKa1が1.0〜5.0の酸を用いた、好ましくはこの両者を含有する、紫外線吸収膜形成用塗布液を用いて形成された紫外線吸収膜は、紫外線吸収膜の機械的強度と紫外線吸収能の光劣化が防止され、長期に亘る光照射に対する耐久性すなわち耐光性を有する紫外線吸収膜である。
本発明の紫外線吸収ガラス物品は、本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液から形成された酸化ケイ素系ネットワークを主構成要素とする紫外線吸収膜を有することで、前記紫外線吸収膜の表面に対して、JIS−R3212(1998年)によるCS−10F摩耗ホイールでの1000回転摩耗試験を行ったときの、試験前に対する試験後の曇価の増加量を5.0%以下とすることを可能としている。
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液を上記ガラス基材上に形成させる具体的な方法としては、(A)ガラス基材上に塗布液を塗布し塗膜を形成する工程と、(B)前記塗膜から前記有機溶媒を除去するとともに前記オルガノオキシシラン化合物(a)〜(c)にそれぞれ由来する3成分(以下、「オルガノオキシシラン化合物等」という)を硬化させて硬化物とすることで紫外線吸収膜を形成する工程を含む方法が挙げられる。
塗布液をガラス基材上に塗布して、塗布液の被膜を形成する。なお、ここで形成される被膜は上記溶媒を含む被膜である。ガラス基材上への塗布液の塗布方法は、均一に塗布される方法であれば特に限定されず、フローコート法、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、ロールコート法、メニスカスコート法、ダイコート法など、公知の方法を用いることができる。塗布液の被膜の厚さは、最終的に得られる紫外線吸収膜の厚さを考慮して決められる。
次に(B)の工程:ガラス基材上の塗布液の被膜から溶媒を除去するとともに前記オルガノオキシシラン化合物等を硬化させて紫外線吸収膜を形成する工程が実施される。
上記塗布液の被膜は揮発性の有機溶媒などを含んでいるため、塗布液による被膜形成後、まずこの揮発性成分を蒸発させて除去する。この揮発性成分の除去は加熱および/または減圧乾燥によって行うことが好ましい。ガラス基材上に塗布液の被膜を形成した後、室温〜120℃程度の温度下で仮乾燥することが塗膜のレベリング性向上の観点から好ましい。通常この仮乾燥中に、これと並行して揮発成分が気化して除去されるため、揮発成分除去の操作は仮乾燥に含まれることになる。仮乾燥の時間、すなわち揮発成分除去の操作の時間は、被膜形成に用いる塗布液にもよるが3秒〜2時間程度であることが好ましい。
なお、この際、揮発成分が十分除去されることが好ましいが、完全に除去されなくてもよい。つまり、紫外線吸収膜の性能に影響を与えない範囲で紫外線吸収膜に有機溶媒等が残存することも可能である。また、上記揮発性成分の除去のために加熱を行う場合には、その後必要に応じて行われる酸化ケイ素系化合物の作製のための加熱と、上記揮発性成分の除去のための加熱、すなわち仮乾燥と、は連続して実施してもよい。
上記のようにして塗膜から揮発成分を除去した後、前記オルガノオキシシラン化合物等を硬化させる。この反応は、常温下ないし加熱下に行うことができる。加熱下に硬化物(酸化ケイ素系ネットワーク)を生成させる場合、硬化物が有機成分を含むことより、その加熱温度の上限は200℃が好ましく、特に190℃が好ましい。常温においても硬化物を生成させることができることより、その加熱温度の下限は特に限定されるものではない。ただし、加熱による反応の促進を意図する場合は、加熱温度の下限は60℃が好ましく、80℃がより好ましい。したがって、この加熱温度は60〜200℃が好ましく、80〜190℃がより好ましい。加熱時間は、被膜形成に用いる塗布液にもよるが、数分〜数時間であることが好ましい。
本発明の紫外線吸収膜形成用塗布液を用いて、このようにして形成される紫外線吸収膜を有する紫外線吸収ガラス物品の、紫外線吸収膜の膜厚は、1.0〜8.0μmであることが好ましく、より好ましくは1.5〜7.0μmである。紫外線吸収膜の膜厚が1.0μm未満であると、紫外線吸収効果が不十分となることがある。また、紫外線吸収膜の膜厚が8.0μmを越えると所望の耐摩耗性を発現したときにクラックが発生することがある。
以下、本発明の実施例を挙げてさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下に説明する例1〜18が実施例であり、例19〜21が比較例である。また、各例において商品名で記載した薬剤の構成化合物を以下に示す。
<樹脂>
SR−SEP:阪本薬品工業社製、ソルビトール系ポリグリシジルエーテル
<その他>
ソルミックスAP−1:日本アルコール販売社製、エタノール:イソプロピルアルコール:メタノール=85:10:5(質量比)の混合溶媒
メタノールシリカゾル:日産化学工業社製、平均一次粒径10〜20nmのシリカ微粒子を固形分濃度30質量%でメタノールに分散させたコロイダルシリカ
(紫外線吸収剤シリル化合成例)
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン(BASF社製)49.2g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製)47.3g、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(純正化学社製)0.8g、酢酸ブチル(純正化学社製)100gを仕込み攪拌しながら60℃に昇温し、溶解させ、120℃まで加熱し4時間反応させることにより、固形分濃度49質量%のシリル化紫外線吸収剤溶液を得た。
(例1)
エタノール41.9g、テトラメトキシシラン17.3g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5.8g、上記合成例で得られたシリル化紫外線吸収剤溶液15.0g、純水15.8g、1%硝酸水溶液4.2gを仕込み、一時間攪拌して、紫外線吸収膜形成用塗布液1を得た。その後、表面を清浄した高熱線吸収グリーンガラス(Tv:75.2%、Tuv:9.5%、波長380nmの光の透過率:38.5%、縦10cm、横10cm、厚さ3.5cm、旭硝子社製、通称UVFL)上にスピンコート法によって塗布し、大気中、150℃で30分間乾燥させた後、紫外線吸収膜付きガラス板を得た。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を以下のとおり評価した。評価結果を表2に示す。
[評価]
1)膜厚:走査型電子顕微鏡(日立製作所製:S−800)によって紫外線吸収膜の断面観察を行い、得られた観察像より膜厚[nm]を得た。
2)クラック:乾燥後の紫外線吸収膜を肉眼および金属顕微鏡にて観察し、層面にクラックが入っているかどうかで判断した。クラックが入っていない、つまり肉眼でも顕微鏡でも観察できないものを○、肉眼では見えないが顕微鏡では観察されるものを△、肉眼でも観察できるものを×とした。
3)分光特性は、分光光度計(日立製作所製:U−3500)を用いて測定し、波長380nmにおける光線の透過率と、JIS−R3106に従って算出した可視光線透過率および紫外線透過率によって判定した。
4)耐摩耗性:テーバー式耐摩耗試験機を用い、JIS−R3212(1998年)に記載の方法によって、CS−10F摩耗ホイールで1000回転の摩耗試験を行い、試験前後の傷の程度を曇価(ヘイズ値)によって測定し、曇価の増加量[%]で評価した。
5)耐湿試験:80℃、95RH%の恒温恒湿槽に検体を投入し、1000時間経過後、検体に対する波長380nmの光の透過率を測定するとともに、上記2)と同様の方法でクラックの判定を行った。
6)促進耐候性試験(耐光性評価):スーパーキセノンウェザーメーター(スガ試験機:SX75)に検体を設置し、照射照度150W/m(300−400nm)、ブラックパネル温度83℃、湿度50RH%の条件に検体を曝し1000時間経過した後、検体に対する波長380nmの光の透過率を測定するとともに、上記2)と同様の方法でクラックの判定を行った。
7)スクラッチ試験(耐傷付き性/硬度評価):ガラス板上の紫外線吸収膜に人の手によりボールペンシルを押し当て2cm引掻いた後、傷の跡を目視により判断してスクラッチ試験とした。膜に肉眼で観察できる傷があるものを×、肉眼で観察できる傷が全くない・ほとんどないものを○とした。
(例2)
膜厚を変更した以外は例1と同様にして、紫外線吸収膜付きガラス板を作製した。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
(例3)
エタノール42.6g、テトラメトキシシラン18.1g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン4.6g、上記合成例で得られたシリル化紫外線吸収剤溶液14.8g、純水15.8g、1%硝酸水溶液4.2gを仕込み、一時間攪拌して、紫外線吸収膜形成用塗布液2を得た。塗布液1に代えて上記塗布液2を使用した以外は例1と同様にして、紫外線吸収膜付きガラス板を作製した。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
(例4)
エタノール41.9g、テトラメトキシシラン15.4g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン8.0g、上記合成例で得られたシリル化紫外線吸収剤溶液15.2g、純水15.4g、1%硝酸水溶液4.2gを仕込み、一時間攪拌して、紫外線吸収膜形成用塗布液3を得た。塗布液1に代えて上記塗布液3を使用した以外は例1と同様にして、紫外線吸収膜付きガラス板を作製した。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
(例5)
エタノール46.2g、テトラメトキシシラン16.6g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2.8g、上記合成例で得られたシリル化紫外線吸収剤溶液17.0g、純水13.8g、1%硝酸水溶液3.6gを仕込み、一時間攪拌して、紫外線吸収膜形成用塗布液4を得た。塗布液1に代えて上記塗布液4を使用した以外は例1と同様にして、紫外線吸収膜付きガラス板を作製した。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
(例6)
エタノール38.8g、テトラメトキシシラン16.4g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.8g、上記合成例で得られたシリル化紫外線吸収剤溶液13.4g、純水17.1g、1%硝酸水溶液4.5gを仕込み、一時間攪拌して、紫外線吸収膜形成用塗布液5を得た。塗布液1に代えて上記塗布液5を使用した以外は例1と同様にして、紫外線吸収膜付きガラス板を作製した。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
(例7)
ソルミックスAP−1の21.2g、テトラメトキシシランの15.0g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの5.1g、上記合成例で得られたシリル化紫外線吸収剤溶液の14.6g、ポリエポキシドとしてSR−SEPの1.2g、コロイダルシリカとしてメタノールシリカゾルの2.1g、酢酸の14.2g、イオン交換水の26.6gを仕込み、一時間攪拌した。その後、ソルミックスAP−1の4.94gを添加し攪拌して、紫外線吸収膜形成用塗布液6を得た。塗布液1に代えて上記塗布液6を使用し、乾燥条件を180℃、30分間とした以外は例1と同様にして、紫外線吸収膜付きガラス板を作製した。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を、耐湿試験の温度を50℃に変更した以外は例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
(例8)
膜厚を変更した以外は例7と同様にして、紫外線吸収膜付きガラス板を作製した。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を例7と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
(例9)
ソルミックスAP−1の14.0g、テトラメトキシシランの16.5g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの5.2g、上記合成例で得られたシリル化紫外線吸収剤溶液の15.0g、ポリエポキシドとしてSR−SEPの0.3g、コロイダルシリカとしてメタノールシリカゾルの4.2g、酢酸の15.6g、イオン交換水の29.2gを仕込み、一時間攪拌した。その後、ソルミックスAP−1の4.94gを添加し攪拌して、紫外線吸収膜形成用塗布液7を得た。塗布液6に代えて上記塗布液7を使用した以外は例7と同様にして、紫外線吸収膜付きガラス板を作製した。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を例7と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
(例10)
ソルミックスAP−1の20.5g、テトラメトキシシランの14.5g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの5.3g、上記合成例で得られたシリル化紫外線吸収剤溶液の15.0g、ポリエポキシドとしてSR−SEPの1.1g、コロイダルシリカとしてメタノールシリカゾルの4.2g、酢酸の13.7g、イオン交換水の25.7gを仕込み、一時間攪拌した。その後、ソルミックスAP−1の4.94gを添加し攪拌して、紫外線吸収膜形成用塗布液8を得た。塗布液6に代えて上記塗布液8を使用した以外は例7と同様にして、紫外線吸収膜付きガラス板を作製した。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を例7と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
(例11)
ソルミックスAP−1の49.5g、テトラメトキシシランの15.5g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの4.9g、上記合成例で得られたシリル化紫外線吸収剤溶液の14.1g、ポリエポキシドとしてSR−SEPの1.3g、硝酸1%水溶液の3.1g、イオン交換水の11.6gを仕込み、一時間攪拌した。その後、ソルミックスAP−1の4.94gを添加し攪拌して紫外線吸収膜形成用塗布液9を得た。塗布液6に代えて上記塗布液9を使用した以外は例7と同様にして、紫外線吸収膜付きガラス板を作製した。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を例7と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
(例12)
ソルミックスAP−1の34.9g、テトラメトキシシランの15.5g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの4.9g、上記合成例で得られたシリル化紫外線吸収剤溶液の14.1g、ポリエポキシドとしてSR−SEPの1.3g、酢酸の14.6g、イオン交換水の14.6gを仕込み、一時間攪拌した。その後、ソルミックスAP−1の4.94gを添加し攪拌して、紫外線吸収膜形成用塗布液10を得た。塗布液6に代えて上記塗布液10を使用した以外は例7と同様にして、紫外線吸収膜付きガラス板を作製した。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を例7と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
(例13)
ソルミックスAP−1の33.9g、テトラメトキシシランの15.8g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの5.0g、上記合成例で得られたシリル化紫外線吸収剤溶液の14.4g、グリセリン(純正化学社製)の1.0g、酢酸の14.9g、イオン交換水の14.9gを仕込み、一時間攪拌した。その後、ソルミックスAP−1の4.94gを添加し攪拌し紫外線吸収膜形成用塗布液11を得た。塗布液6に代えて上記塗布液11を使用した以外は例7と同様にして、紫外線吸収膜付きガラス板を作製した。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を例7と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
(例14)
ソルミックスAP−1の50.3g、テトラメトキシシランの12.1g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの3.8g、上記合成例で得られたシリル化紫外線吸収剤溶液の11.0g、酢酸の11.4g、イオン交換水の11.4を仕込み、一時間攪拌した。その後、ソルミックスAP−1の4.94gを添加し攪拌して、紫外線吸収膜形成用塗布液12を得た。塗布液6に代えて上記塗布液12を使用した以外は例7と同様にして、紫外線吸収膜付きガラス板を作製した。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を、耐湿試験を除いて例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
(例15)
ソルミックスAP−1の52.2g、テトラメトキシシランの12.1g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの3.8g、上記合成例で得られたシリル化紫外線吸収剤溶液の11.0g、乳酸の9.5g、イオン交換水の11.4gを仕込み、一時間攪拌した。その後、ソルミックスAP−1の4.94gを添加し攪拌して、紫外線吸収膜形成用塗布液13を得た。塗布液6に代えて上記塗布液13を使用した以外は例7と同様にして、紫外線吸収膜付きガラス板を作製した。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を、耐湿試験を除いて例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
(例16)
ソルミックスAP−1の61.5g、テトラメトキシシランの12.1g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの3.8g、上記合成例で得られたシリル化紫外線吸収剤溶液の11.0g、マロン酸の0.2g、イオン交換水の11.4gを仕込み、一時間攪拌した。その後、ソルミックスAP−1の4.94gを添加し攪拌して、紫外線吸収膜形成用塗布液14を得た。塗布液6に代えて上記塗布液14を使用した以外は例7と同様にして、紫外線吸収膜付きガラス板を作製した。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を、耐湿試験を除いて例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
(例17)
ソルミックスAP−1の17.8g、テトラメトキシシランの16.5g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの5.3g、上記合成例で得られたシリル化紫外線吸収剤溶液の15.1g、ポリエポキシドとしてSR−SEPの0.3g、酢酸の15.6g、イオン交換水の29.3gを仕込み、一時間攪拌した。その後、ソルミックスAP−1の4.94gを添加し攪拌し紫外線吸収膜形成用塗布液15を得た。塗布液6に代えて上記塗布液15を使用した以外は例7と同様にして、紫外線吸収膜付きガラス板を作製した。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を例7と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
(例18)
ソルミックスAP−1の30.4g、テトラメトキシシランの15.5g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの4.9g、上記合成例で得られたシリル化紫外線吸収剤溶液の14.2g、ポリエポキシドとしてSR−SEPの1.2g、コロイダルシリカとしてメタノールシリカゾルの4.3g、酢酸の14.7g、イオン交換水の14.7gを仕込み、一時間攪拌した。その後、ソルミックスAP−1の4.94gを添加し攪拌して、紫外線吸収膜形成用塗布液16を得た。塗布液6に代えて上記塗布液16を使用した以外は例7と同様にして、紫外線吸収膜付きガラス板を作製した。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を例7と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
(例19)
エタノール43.3g、テトラメトキシシラン21.8g、上記合成例で得られたシリル化紫外線吸収剤溶液14.2g、純水16.4g、1%硝酸水溶液4.3gを仕込み、一時間攪拌して、紫外線吸収膜形成用塗布液17を得た。塗布液1に代えて上記塗布液17を使用した以外は例1と同様にして、紫外線吸収膜付きガラス板を作製した。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す
(例20)
エタノール47.0g、テトラメトキシシラン15.1g、メチルトリメトキシシラン5.1g、上記合成例で得られたシリル化紫外線吸収剤溶液13.1g、純水15.6g、1%硝酸水溶液4.1gを仕込み、一時間攪拌して紫外線吸収膜形成用塗布液18を得た。塗布液1に代えて上記塗布液18を使用し、乾燥後の紫外線吸収膜の膜厚を表2に示すように変更した以外は例1と同様にして、紫外線吸収膜付きガラス板を作製した。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す
(例21)
エタノール49.6g、テトラメトキシシラン17.3g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.6g、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン3.6g、純水15.8g、1%硝酸水溶液4.2gを仕込み、一時間攪拌して、紫外線吸収膜形成用塗布液19を得た。塗布液1に代えて上記塗布液19を使用し、乾燥後の紫外線吸収膜の膜厚を表2に示すように変更した以外は例1と同様にして、紫外線吸収膜付きガラス板を作製した。得られた紫外線吸収膜付きガラス板の特性を例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
上記例1〜例21で得られた紫外線吸収膜形成用塗布液の組成を表1にまとめて示す。なお、表1において、用いた化合物の略号は以下の化合物を示すものである。
TMOS:テトラメトキシシラン
MTMS:メチルトリメトキシシラン
GPTMS:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
Si−THBP:合成例で得られたシリル化紫外線吸収剤
THBP:2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン
Figure 2015214483
Figure 2015214483
表2が示す通り、比較例である例19〜21で作製された紫外線吸収膜では、紫外線吸収能はあるもののクラックが発生し機械的特性が不十分である。一方、実施例である例1〜18で作製された紫外線吸収膜では、紫外線吸収能に優れ、また耐摩耗性、耐クラック性等の機械的特性にも優れることがわかる。
また、例7〜18で作製された紫外線吸収膜は、膜形成材料である塗料組成物にポリエポキシド類やグリセリンを含有するおよび/または酸触媒としてpKa1が1.0〜5.0の弱酸を用いたものであり、促進耐候性試験後のクラックの発生や紫外線吸収能の低下が抑制された耐光性に優れる紫外線吸収膜である。さらに、例1〜11で作製された紫外線吸収膜は、酸として強酸(硝酸)を用いた、または、膜形成材料である塗料組成物にポリエポキシド類やグリセリンを含有しこれに加えて酸触媒として弱酸(酢酸)を用い、さらにシリカ微粒子と水を適量、配合したものであり、一定の硬度を有し耐傷付き性に優れることがわかる。
本発明の紫外線吸収ガラス物品は、優れた紫外線吸収性および機械的耐久性を有しており、自動車用のドアガラス板など、耐摩耗性、耐クラック性等の機械的耐久性が高度に要求される部位への適用も可能である。
なお、2009年5月15日に出願された日本特許出願2009−118259号の明細書、特許請求の範囲及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の開示として取り入れるものである。

Claims (7)

  1. ガラス基材と、
    前記ガラス基材の少なくとも一部の表面に、前記ガラス基材と接するように設けられた酸素とケイ素の結合を含む紫外線吸収膜とを有する紫外線吸収ガラス物品であって、
    前記紫外線吸収膜の表面に対して、JIS−R3212(1998年)によるCS−10F摩耗ホイールでの1000回転摩耗試験を行ったときの、試験前に対する試験後の曇価の増加量が5.0%以下であり、
    前記紫外線吸収ガラス物品を、スーパーキセノンウェザーメーター(スガ試験機:SX75)に設置し、照射照度150W/m(300−400nm)、ブラックパネル温度83℃、湿度50RH%の条件に曝し1000時間放置する耐候試験を行った後の、前記紫外線吸収ガラス物品の、波長380nmにおける光線の透過率が7.6%以下であることを特徴とする自動車用紫外線吸収ガラス物品。
  2. 前記耐候試験を行った後の、前記紫外線吸収ガラス物品の、波長380nmにおける光線の透過率が4.1%以下であることを特徴とする請求項1に記載の自動車用紫外線吸収ガラス物品。
  3. 前記耐候試験を行った後の、前記紫外線吸収ガラス物品の、波長380nmにおける光線の透過率が0.9%以下であることを特徴とする請求項1に記載の自動車用紫外線吸収ガラス物品。
  4. 前記紫外線吸収膜がヒンダードアミン系光安定化剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動車用紫外線吸収ガラス物品。
  5. 前記紫外線吸収膜がシリカ微粒子を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動車用紫外線吸収ガラス物品。
  6. 前記紫外線吸収膜を構成する材料がエポキシ基を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の自動車用紫外線吸収ガラス物品。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の自動車用紫外線吸収ガラス物品を窓部材として用いたことを特徴とする自動車の摺動窓。
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