JP2015034263A - 水性エマルジョン組成物及び乳化重合用安定剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた乳化重合安定性を発揮して形成され、優れた低温粘度安定性と流動性とを両立させることができる水性エマルジョン組成物の提供を目的とする。【解決手段】本発明は、ビニルアルコール単位と下記式(1)で表される単位とを含むビニルアルコール系重合体、及び主としてエチレン性不飽和単量体単位からなる重合体を含有する水性エマルジョン組成物である。上記ビニルアルコール系重合体の全単位に対する上記式(1)で表される単位の含有率としては、0.1モル%以上30モル%以下が好ましい。上記ヒドロキシメチル基含有ビニルアルコール系重合体のけん化度としては、80モル%以上99.9モル%以下が好ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、水性エマルジョン組成物及び乳化重合用安定剤に関する。
ポリビニルアルコールに代表されるビニルアルコール系重合体(以下、「PVA」と略記することがある。)は、水溶性の合成高分子として知られており、合成繊維であるビニロンの原料、紙加工剤、繊維加工剤、接着剤、乳化重合及び懸濁重合用の安定剤、無機物のバインダー、フィルム等の用途に広く用いられている。特に、PVAは酢酸ビニルに代表されるビニルエステル系単量体の乳化重合用保護コロイドとして知られており、これを乳化重合用安定剤として用い、乳化重合して得られるビニルエステル系水性エマルジョンは、紙用、木工用、プラスチック用等の各種接着剤、含浸紙用及び不織製品用等の各種バインダー、混和剤、打継ぎ材、塗料、紙加工、繊維加工等の分野で広く用いられている。
このようにPVAを乳化重合用安定剤として用いる場合、乳化重合時にエマルジョンの凝集を抑制し、優れた重合安定性を発揮させることが求められる。一方、PVAは水溶性であるため、得られるエマルジョンから形成される皮膜の耐水性が低下する、また得られるエマルジョンの粘度の温度依存性が大きい等の欠点を有しており、これらの性質は乳化重合に用いたPVAに依るところが大であることが知られている。そこで、PVAの特定の性能を向上させるために、結晶性の制御、官能基の導入等による各種変性PVAの開発が行われている。このような変性PVAとして、側鎖に1,2−グリコール成分を含有するPVA(特開2002−284818号公報参照)が検討されており、その水溶液は優れた粘度安定性を有するとされている。また、変性PVAを用いて得られるエマルジョンとして、シリル基を有する不飽和単量体単位を特定の割合で含有する変性PVAを乳化重合用安定剤とし、分散質がエチレン性不飽和単量体から選ばれる一種又は二種以上の単量体の重合体である水性エマルジョン組成物が提案されており、高い耐水性及び粘度安定性を有するとされている(特開2007−23148号公報参照)。
上述のように、乳化重合用安定剤として用いられる変性PVAには優れた重合安定性を発揮することが求められるが、加えて、得られるエマルジョンには、例えば接着剤として用いられる場合は、高粘度であると共に、接着剤の良好な伸びにより基材に塗工し易い等の流動性に優れることや、低温での粘度安定性が要求されている。しかしながら、上記従来の乳化重合用安定剤で得られるエマルジョンでは、これらを共に満足することができていない。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、優れた乳化重合安定性を発揮して形成され、優れた低温粘度安定性と流動性とを両立させることができる水性エマルジョン組成物の提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
ビニルアルコール単位と下記式(1)で表される単位とを含むビニルアルコール系重合体(以下、「ヒドロキシメチル基含有PVA」ともいう)、及び
主としてエチレン性不飽和単量体単位からなる重合体(以下、「[B]重合体」ともいう)
を含有する水性エマルジョン組成物である。
ビニルアルコール単位と下記式(1)で表される単位とを含むビニルアルコール系重合体(以下、「ヒドロキシメチル基含有PVA」ともいう)、及び
主としてエチレン性不飽和単量体単位からなる重合体(以下、「[B]重合体」ともいう)
を含有する水性エマルジョン組成物である。
当該水性エマルジョン組成物に含有されるヒドロキシメチル基含有PVAは、ヒドロキシメチル基を有することで、優れた乳化重合安定性を発揮することができ、得られるエマルジョンは低温粘度安定性及び流動性に優れる。当該水性エマルジョン組成物が上記構成のヒドロキシメチル基含有PVAを有することで、上記効果を奏する理由は必ずしも明確ではないが、例えば以下のように推察することができる。すなわち、上記ヒドロキシメチル基含有PVAは、上記式(1)に表される単位(つまり、重合体の主鎖に1,3−ジオール構造を有する構造)を有することにより、PVAの結晶性を低下させ、溶解性、流動性等の取り扱い性を向上させることができる。また、上記ヒドロキシメチル基含有PVAを皮膜に加工した際、上記皮膜は1,3−ジオール構造の高い水素結合力により、結晶性の低下に起因する皮膜強度の低下を軽減させることができ、高湿度下でも強靭性を維持することができる。その結果、得られるエマルジョンは、ヒドロキシメチル基に起因する結晶性低下作用を発揮するとともに、低温での粘度安定性が向上すると考えられる。
上記ヒドロキシメチル基含有PVAの全単位に対する上記式(1)で表される単位の含有率としては、0.1モル%以上30モル%以下が好ましい。上記式(1)で表される単位の含有率を上記範囲とすることで、上記ヒドロキシメチル基含有PVAはより優れた乳化重合安定性を発揮することができ、得られるエマルジョンの低温粘度安定性及び流動性がより優れる。
上記ヒドロキシメチル基含有PVAのけん化度としては、80モル%以上99.9モル%以下が好ましい。上記ヒドロキシメチル基含有PVAのけん化度を上記範囲とすることで、当該水性エマルジョン組成物の諸性能をより高めることができる。
上記ヒドロキシメチル基含有PVAは、下記式(2)で表される不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合体をけん化することにより得られたものであるとよい。
(式(2)中、Rは、一部に分岐構造又は環状構造を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基である。また、Rが有する水素原子の一部が他の官能基で置換されていてもよい。)
上記式(2)で表される不飽和単量体は、ビニルエステル系単量体との共重合性に優れる。当該水性エマルジョン組成物に含有される上記ヒドロキシメチル基含有PVAは、上記特定の不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合体をけん化することにより、上記式(1)で表される単位とビニルエステル単位とを同時に形成させることができるので、簡便に合成することができる。
上記ヒドロキシメチル基含有PVAの粘度平均重合度としては、100以上5,000以下が好ましい。ヒドロキシメチル基含有PVAの粘度平均重合度を上記範囲とすることで、上記ヒドロキシメチル基含有PVAの乳化重合安定性、並びに得られるエマルジョンの低温粘度安定性及び流動性をさらに高めることができる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、
ビニルアルコール単位と上記式(1)で表される単位とを含むビニルアルコール系重合体を含む乳化重合用安定剤である。
当該乳化重合用安定剤は、上述の特定のビニルアルコール系重合体を含むので、優れた乳化重合用安定性を発揮することができ、この乳化重合により得られるエマルジョンは低温粘度安定性及び流動性に優れる。
ビニルアルコール単位と上記式(1)で表される単位とを含むビニルアルコール系重合体を含む乳化重合用安定剤である。
当該乳化重合用安定剤は、上述の特定のビニルアルコール系重合体を含むので、優れた乳化重合用安定性を発揮することができ、この乳化重合により得られるエマルジョンは低温粘度安定性及び流動性に優れる。
以上説明したように、本発明の水性エマルジョン組成物は、優れた乳化重合安定性を発揮して形成され、優れた低温粘度安定性と流動性とを両立させることができる。本発明の乳化重合用安定剤によれば、優れた乳化重合安定性を発揮することができ、優れた低温粘度安定性と流動性とを共に有するエマルジョンを得ることができる。従って、当該水性エマルジョン組成物は、各種接着剤、塗料、繊維加工剤、紙加工剤、無機物バインダー、セメント混和剤、モルタルプライマー等に好適に用いられる。
<水性エマルジョン組成物>
本発明の水性エマルジョン組成物は、以下に詳説するヒドロキシメチル基含有PVA及び[B]重合体を含有する。当該水性エマルジョン組成物は、例えば、上記ヒドロキシメチル基含有PVAを分散剤として、[B]重合体を分散質として含有する。
本発明の水性エマルジョン組成物は、以下に詳説するヒドロキシメチル基含有PVA及び[B]重合体を含有する。当該水性エマルジョン組成物は、例えば、上記ヒドロキシメチル基含有PVAを分散剤として、[B]重合体を分散質として含有する。
当該水性エマルジョン組成物に含有されるヒドロキシメチル基含有PVAは、ヒドロキシメチル基を有することで、優れた乳化重合安定性を発揮することができ、得られるエマルジョンは低温粘度安定性及び流動性に優れる。当該水性エマルジョン組成物が上記構成のヒドロキシメチル基含有PVAを有することで、上記効果を奏する理由は必ずしも明確ではないが、例えば以下のように推察することができる。すなわち、上記ヒドロキシメチル基含有PVAは、上記式(1)で表される単位(つまり、重合体の主鎖に1,3−ジオール構造を有する構造)を有することにより、PVAの結晶性を低下させ、溶解性、流動性等の取り扱い性を向上させることができる。また、上記ヒドロキシメチル基含有PVAを皮膜に加工した際、上記皮膜は1,3−ジオール構造の高い水素結合力により、結晶性の低下に起因する皮膜強度の低下を軽減させることができ、高湿度下でも強靭性を維持することができる。その結果、得られるエマルジョンは、ヒドロキシメチル基に起因する結晶性低下作用を発揮するとともに、低温での粘度安定性が向上すると考えられる。
<ヒドロキシメチル基含有PVA>
上記ヒドロキシメチル基含有PVAは、ビニルアルコール単位と上記式(1)で表される単位とを含む。すなわち、上記ヒドロキシメチル基含有PVAは、上記式(1)で表される単位とビニルアルコール単位(−CH2−CHOH−)とを含む共重合体であり、さらに他の単位を有してもよい。
上記ヒドロキシメチル基含有PVAは、ビニルアルコール単位と上記式(1)で表される単位とを含む。すなわち、上記ヒドロキシメチル基含有PVAは、上記式(1)で表される単位とビニルアルコール単位(−CH2−CHOH−)とを含む共重合体であり、さらに他の単位を有してもよい。
上記ヒドロキシメチル基含有PVAにおける上記式(1)で表される単位の含有率としては、特に限定されないが、重合体中の全単位100モル%に対して、0.1モル%以上30モル%以下が好ましく、0.2モル%以上20モル%以下がより好ましく、0.3モル%以上10モル%以下がさらに好ましい。含有率が0.1モル%未満であると、ヒドロキシメチル基含有PVAの水に対する溶解性及び乳化重合安定性が不十分となることがある。含有率が30モル%を超えると、PVAの結晶性が極度に低下し、得られるエマルジョンの低温粘度安定性を維持できなくなる傾向がある。なお、本発明において重合体中の単位とは、重合体を構成する繰り返し単位のことをいう。
上記ヒドロキシメチル基含有PVAのJIS−K6726に準拠して測定した粘度平均重合度としては、特に限定されないが、100以上5,000以下が好ましく、200以上5,000以下がより好ましく、200以上4,000以下がさらに好ましい。粘度平均重合度が100未満になると、得られるエマルジョンの低温粘度安定性が低下することがある。粘度平均重合度が5,000を超えるヒドロキシメチル基含有PVAは、工業的な製造が難しくなる。
上記ヒドロキシメチル基含有PVAのけん化度(すなわち、ヒドロキシメチル基含有PVAにおける水酸基とエステル結合との合計に対する水酸基のモル分率)としては、特に限定されないが、80モル%以上99.9モル%以下が好ましく、90モル%以上99.5モル%以下がより好ましい。けん化度が80モル%未満になると、十分な低温粘度安定性を有するエマルジョンを得られないことがある。けん化度が99.9モル%より高いPVAは、一般に製造が難しい。
<ヒドロキシメチル基含有PVAの製造方法>
上記ヒドロキシメチル基含有PVAの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、ビニルエステル系単量体と、上記式(1)で表される単位に変換可能な不飽和単量体とを共重合し、得られた共重合体をけん化することにより得ることができる。式(1)で表される単位に変換可能な不飽和単量体としては、下記式(2)で表される不飽和単量体が挙げられる。
上記ヒドロキシメチル基含有PVAの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、ビニルエステル系単量体と、上記式(1)で表される単位に変換可能な不飽和単量体とを共重合し、得られた共重合体をけん化することにより得ることができる。式(1)で表される単位に変換可能な不飽和単量体としては、下記式(2)で表される不飽和単量体が挙げられる。
上記式(2)中、Rは、一部に分岐構造又は環状構造を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基である。また、Rが有する水素原子の一部が他の官能基で置換されていてもよい。
上記Rとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等の直鎖構造又は分岐構造を有するアルキル基が挙げられる。また、Rを置換してもよい他の官能基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基等が挙げられる。
上記式(2)で表される不飽和単量体としては、例えば、1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパン、1,3−ジプロピオニルオキシ−2−メチレンプロパン、1,3−ジブチリルオキシ−2−メチレンプロパン等が挙げられる。これらのうち、1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパンが製造容易性の点で好ましい。
上記式(2)で表される不飽和単量体は、一般的にPVAの変性に用いられる他のアリル型不飽和単量体(例えば、アリルグリシジルエーテル等)に比べ、ビニルエステル系単量体との共重合反応が進行し易い。従って、上記ヒドロキシメチル基含有PVAは、重合時における変性量や重合度の制約が少なく、変性量及び重合度を高くすることができる。また、重合終了時に残留する未反応の不飽和単量体の量を少なくすることができることから、上記ヒドロキシメチル基含有PVAは工業的な製造時における環境面及びコスト面においても優れている。
上記ビニルエステル系単量体としては、特に限定されないが、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられる。これらのうち、経済的観点からは酢酸ビニルが好ましい。
上記式(2)で表される不飽和単量体とビニルエステル系単量体とを共重合する重合方式は、回分重合、半回分重合、連続重合、半連続重合のいずれでもよく、重合方法には塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の方法を適用できる。無溶媒又はアルコール等の溶媒中で重合を進行させる塊状重合法又は溶液重合法が、通常採用される。高重合度のビニルエステル系共重合体を得る場合には、乳化重合法の採用が選択肢の一つとなる。溶液重合法の溶媒は特に限定されないが、例えば、アルコール等が挙げられる。溶液重合法の溶媒に使用されるアルコールは、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコールである。重合系における溶媒の使用量は、目的とするヒドロキシメチル基含有PVAの粘度平均重合度等に応じて溶媒の連鎖移動を考慮して選択すればよく、例えば溶媒がメタノールの場合、溶媒と重合系に含まれる全単量体との質量比{=(溶媒)/(全単量体)}にして0.01〜10の範囲、好ましくは0.05〜3の範囲から選択すればよい。
上記式(2)で表される不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合に使用される重合開始剤としては、公知の重合開始剤、例えばアゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤から重合方法に応じて選択される。アゾ系開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。過酸化物系開始剤としては、例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート系化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカネート等のパーエステル化合物;過酸化アセチル;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド;2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテート等が挙げられる。過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等を上記開始剤に組み合わせて重合開始剤としてもよい。レドックス系開始剤は、例えば上記の過酸化物系開始剤と亜硫酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酒石酸、L−アスコルビン酸、ロンガリット等の還元剤とを組み合わせた重合開始剤である。重合開始剤の使用量としては、重合触媒により異なるために一概には決められないが、重合速度に応じて選択される。例えば重合開始剤にアゾビスイソブチロニトリル又は過酸化アセチルを用いる場合、ビニルエステル系単量体に対して0.01〜0.2モル%が好ましく、0.02〜0.15モル%がより好ましい。重合温度としては、特に限定されないが、0℃〜150℃程度が適当であり、0℃以上かつ使用する溶媒の沸点以下が好ましい。
上記式(2)で表される不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合は、本発明の趣旨を損なわない範囲で連鎖移動剤の存在下で行ってもよい。連鎖移動剤としては、例えばアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等のアルデヒド類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;2−ヒドロキシエタンチオール等のメルカプタン類;ホスフィン酸ナトリウム一水和物等のホスフィン酸塩類等が挙げられる。これらのうち、アルデヒド類及びケトン類が好ましい。重合系への連鎖移動剤の添加量としては、添加する連鎖移動剤の連鎖移動係数及び目的とするPVAの重合度に応じて決定されるが、一般にビニルエステル系単量体100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
上記式(2)に表される不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合により得られたビニルエステル系共重合体をけん化して、上記ヒドロキシメチル基含有PVAを得ることができる。ビニルエステル系共重合体をけん化することによって、共重合体中のビニルエステル単位はビニルアルコール単位に変換される。また、上記式(2)で表される不飽和単量体に由来する単位のエステル結合も加水分解され、上記式(1)で表される1,3−ジオール構造に変換される。したがって、上記ヒドロキシメチル基含有PVAは、けん化後にさらに加水分解等の反応を行わなくても製造することができる。
ビニルエステル系共重合体のけん化は、例えばアルコール又は含水アルコールに上記共重合体が溶解した状態で行う。けん化に使用するアルコールとしては、例えばメタノール、エタノール等の低級アルコールが挙げられる。これらのうち、メタノールが好ましい。けん化に使用するアルコールは、例えば、その質量の40質量%以下の割合で、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、ベンゼン等の溶媒を含んでもよい。
けん化に使用する触媒としては、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物;ナトリウムメチラート等のアルカリ触媒;鉱酸等の酸触媒等が挙げられる。
けん化を行う温度としては、特に限定されないが、20℃〜60℃が好ましい。けん化の進行に従ってゲル状の生成物が析出してくる場合には、生成物を粉砕した後、さらにけん化を進行させるのがよい。その後、得られた溶液を中和することで、けん化を終了させ、洗浄、乾燥して、ヒドロキシメチル基含有PVAを得ることができる。けん化方法としては、上述した方法に限らず、公知の方法を採用できる。
上記ヒドロキシメチル基含有PVAは、本発明の趣旨を損なわない範囲で、上記式(1)で表される単位、ビニルアルコール単位及びビニルエステル単位以外の他の単位をさらに有することができる。上記他の単位としては、例えばビニルエステル系単量体と共重合可能でありかつ式(1)で表される単位に変換可能な不飽和単量体、及びビニルエステル系単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体に由来する単位が挙げられる。上記エチレン性不飽和単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン等のα−オレフィン類;アクリル酸及びその塩;アクリル酸エステル基を有する不飽和単量体;メタクリル酸及びその塩;メタクリル酸エステル基を有する不飽和単量体;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸及びその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミン及びその塩(例えば4級塩);メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸及びその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミン及びその塩(例えば4級塩);メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、2,3−ジアセトキシ−1−ビニルオキシプロパン等のビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル類;塩化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンな等のハロゲン化ビニリデン類;酢酸アリル、2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその塩又はエステル;ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物、酢酸イソプロペニル等が挙げられる。
上記ヒドロキシメチル基含有PVAにおける上記式(1)で表される単位、ビニルアルコール単位及びその他任意の構成単位の配列順序には特に制限はなく、ランダム、ブロック、交互のいずれであってもよい。
上記ヒドロキシメチル基含有PVAの一次構造については、270MHzの1H−NMRにより定量することができる。1H−NMR測定時のヒドロキシメチル基含有PVAの溶媒は重水素化DMSOを用いればよい。
上記ヒドロキシメチル基含有PVAの全単位に対する上記式(1)で表される単位の含有率(以下、「変性率」ともいう)は、例えば、上記ヒドロキシメチル基含有PVAが、ビニルアルコール単位及び上記式(1)で表される単位以外の単位を含まない場合、以下の方法にて算出できる。すなわち、ヒドロキシメチル基含有PVAの主鎖メチンに由来するピークα(4.7〜5.2ppm)と、上記式(1)で表される単位中のヒドロキシメチル基の−CH2−に由来するピークβ(3.25〜3.27ppm)とから、下記式を用いて、上記式(1)で表される単位の含有率Sを算出する。
S(モル%)
={(βのプロトン数/4)/(αのプロトン数+(βのプロトン数/4))}×100
S(モル%)
={(βのプロトン数/4)/(αのプロトン数+(βのプロトン数/4))}×100
上記ヒドロキシメチル基含有PVAの粘度平均重合度は、けん化度が99.5モル%未満の場合には、けん化度99.5モル%以上になるまでけん化したビニルアルコール系重合体について、水中、30℃で測定した極限粘度[η](g/dl)から次式により求めた粘度平均重合度(P)で表す。
P=([η]×103/8.29)(1/0.62)
P=([η]×103/8.29)(1/0.62)
当該水性エマルジョン組成物における上記ヒドロキシメチル基含有PVAの含有量は特に限定されないが、0.5質量%以上50質量%以下が好ましく、0.8質量%以上30質量%以下がより好ましく、1質量%以上20質量%以下がさらに好ましい。
当該水性エマルジョン組成物は、上述のヒドロキシメチル基含有PVAを乳化重合用安定剤として用い、[B]重合体を乳化重合により形成することで得ることができる。これにより、低温粘度安定性及び流動性に優れるエマルジョンを得ることができる。
<[B]重合体>
[B]重合体は、主としてエチレン性不飽和単量体単位からなる重合体である。
[B]重合体は、主としてエチレン性不飽和単量体単位からなる重合体である。
上記エチレン性不飽和単量体としては、
エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン;
塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニリデンクロリド、ビニリデンフルオリド等のハロゲン化オレフィン;
ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル;
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸エステル;
アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル及びこれらの四級化物、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びそのナトリウム塩等のアクリルアミド系単量体;
スチレン、α−メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩等のスチレン系単量体;
ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系単量体;
その他、N−ビニルピロリドン等が挙げられ、これらは単独又は二種以上混合して重合に用いられる。上記エチレン性不飽和単量体の中でも、ビニルエステル、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン及びジエン系単量体が好ましく、ビニルエステル単独、エチレンとビニルエステルとの併用及びビニルエステルと(メタ)アクリル酸エステルの併用がより好ましい。
エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン;
塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニリデンクロリド、ビニリデンフルオリド等のハロゲン化オレフィン;
ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル;
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のメタクリル酸エステル;
アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル及びこれらの四級化物、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びそのナトリウム塩等のアクリルアミド系単量体;
スチレン、α−メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩等のスチレン系単量体;
ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系単量体;
その他、N−ビニルピロリドン等が挙げられ、これらは単独又は二種以上混合して重合に用いられる。上記エチレン性不飽和単量体の中でも、ビニルエステル、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン及びジエン系単量体が好ましく、ビニルエステル単独、エチレンとビニルエステルとの併用及びビニルエステルと(メタ)アクリル酸エステルの併用がより好ましい。
上記の乳化(共)重合は、連鎖移動剤を重合初期に添加することで、さらに重合安定性を向上させることができる。連鎖移動剤としては、乳化重合時に連鎖移動を起こす化合物であれば特に制限されず、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン類;アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類;2−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロピオン酸、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、2−エチルヘキシルチオグリコレート、チオグリコール酸オクチル等のメルカプタン類等が挙げられる。これらのうち、メルカプタン類が好ましい。連鎖移動剤の添加量としては、特に制限されないが、全単量体100質量部に対して、0.01〜50質量部が好ましく、0.1〜30質量部がより好ましい。
上記の方法で得られる水性エマルジョンはそのままの状態で用いることができるが、必要であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、従来公知の各種エマルジョンや、通常使用される添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、有機溶剤(トルエン、キシレン等の芳香族化合物、アルコール、ケトン、エステル、含ハロゲン系溶剤等)、界面活性剤、可塑剤、沈殿防止剤、増粘剤、流動性改良剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、充填剤、湿潤剤、着色剤、結合剤、保水剤等が挙げられる。
上記界面活性剤としては、特に制限はなく、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤等が使用できる。アニオン性界面活性剤としては、例えばアルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸−ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられ、カチオン性界面活性剤としては、例えばアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。また、ノニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられ、両性界面活性剤としては、例えばアルキルベタイン、アミンオキシド、イミダゾリウムベタイン等が挙げられる。高分子界面活性剤としては、基本的には、分子中に親水基と疎水基を有するものであればよく、例えば、各種カルボン酸型高分子界面活性剤、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー(プルロニック型界面活性剤)、上記ヒドロキシメチル基含有PVAを除くPVA、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。これらのうち、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、上記ヒドロキシメチル基含有PVAを除くPVA、ヒドロキシエチルセルロースが好ましい。
(水性エマルジョン組成物の調製)
当該水性エマルジョン組成物は、例えば、上記ヒドロキシメチル基含有PVAを分散剤に用いて、水溶液中で、重合開始剤の存在下、上記エチレン性不飽和単量体を一時又は連続的に添加して、このエチレン性不飽和単量体を乳化重合することにより調製することができる。また、エチレン性不飽和単量体を、あらかじめヒドロキシメチル基含有PVA水溶液を用いて乳化したものを、連続的に重合反応系に添加する乳化重合法も採用できる。ヒドロキシメチル基含有PVAの使用量は特に限定されないが、[B]重合体100質量部に対し1〜30質量部が好ましく、2〜20質量部がより好ましい。
当該水性エマルジョン組成物は、例えば、上記ヒドロキシメチル基含有PVAを分散剤に用いて、水溶液中で、重合開始剤の存在下、上記エチレン性不飽和単量体を一時又は連続的に添加して、このエチレン性不飽和単量体を乳化重合することにより調製することができる。また、エチレン性不飽和単量体を、あらかじめヒドロキシメチル基含有PVA水溶液を用いて乳化したものを、連続的に重合反応系に添加する乳化重合法も採用できる。ヒドロキシメチル基含有PVAの使用量は特に限定されないが、[B]重合体100質量部に対し1〜30質量部が好ましく、2〜20質量部がより好ましい。
このようにして得られる水性エマルジョン組成物は、そのまま、若しくは従来公知の添加剤を添加して各種の用途に利用される。例えば、各種接着剤、塗料、繊維加工剤、紙加工剤、無機物バインダー、セメント混和剤、モルタルプライマー等広範な用途に利用される。さらには、得られたエマルジョンを噴霧乾燥等により粉末化したいわゆる粉末エマルジョンとしても有効に利用される。
<乳化重合用安定剤>
本発明の乳化重合用安定剤は、ビニルアルコール単位と上記式(1)で表される単位とを含むビニルアルコール系重合体を含む。当該乳化重合用安定剤は、乳化重合における分散剤として用いることで、優れた乳化重合安定性を発揮することができ、また優れた低温粘度安定性と流動性とを共に有する水性エマルジョンを形成することができる。当該乳化重合用安定剤については、上述の当該水性エマルジョン組成物における分散剤としてのヒドロキシメチル基含有PVAとして説明している。当該乳化重合用安定剤は、上記ヒドロキシメチル基含有PVAのみからなっていてもよく、上記ヒドロキシメチル基含有PVA以外にも、例えば、界面活性剤、上記ヒドロキシメチル基含有PVA以外の他のPVA系重合体、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子などの他の成分を含んでいてもよい。
本発明の乳化重合用安定剤は、ビニルアルコール単位と上記式(1)で表される単位とを含むビニルアルコール系重合体を含む。当該乳化重合用安定剤は、乳化重合における分散剤として用いることで、優れた乳化重合安定性を発揮することができ、また優れた低温粘度安定性と流動性とを共に有する水性エマルジョンを形成することができる。当該乳化重合用安定剤については、上述の当該水性エマルジョン組成物における分散剤としてのヒドロキシメチル基含有PVAとして説明している。当該乳化重合用安定剤は、上記ヒドロキシメチル基含有PVAのみからなっていてもよく、上記ヒドロキシメチル基含有PVA以外にも、例えば、界面活性剤、上記ヒドロキシメチル基含有PVA以外の他のPVA系重合体、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子などの他の成分を含んでいてもよい。
以下、実施例及び比較例により、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例及び比較例において「部」及び「%」は、特に断りのない限り質量を基準とする。
下記製造例により得られたPVA(ヒドロキシメチル基含有PVA及び無変性PVA)の物性値について、以下の方法に従って測定した。また、得られた水性エマルジョン組成物の粘度は、下記の方法で評価した。
[変性率]
各PVAの変性率(PVAにおけるヒドロキシメチル基を有する単量体単位の含有率)は、上述の1H−NMRを用いた方法により求めた。
各PVAの変性率(PVAにおけるヒドロキシメチル基を有する単量体単位の含有率)は、上述の1H−NMRを用いた方法により求めた。
[重合度]
各PVAの粘度平均重合度は、JIS−K6726:1994年に記載の方法により求めた。
各PVAの粘度平均重合度は、JIS−K6726:1994年に記載の方法により求めた。
[けん化度]
各PVAのけん化度は、JIS−K6726:1994年に記載の方法により求めた。
各PVAのけん化度は、JIS−K6726:1994年に記載の方法により求めた。
[水性エマルジョン組成物の粘度]
BH型粘度計(トキメック社)を用い、30℃において、得られた水性エマルジョン組成物の2rpmにおける粘度(η2rpm)及び20rpmにおける粘度(η20rpm)を測定した。
BH型粘度計(トキメック社)を用い、30℃において、得られた水性エマルジョン組成物の2rpmにおける粘度(η2rpm)及び20rpmにおける粘度(η20rpm)を測定した。
[製造例1](PVA−1の製造)
攪拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、ラジカル重合開始剤の添加口を備えた反応器に、酢酸ビニル640質量部、メタノール223質量部、コモノマーとして1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパン(DAMP)6.43質量部を仕込み、アルゴンバブリングをしながら30分間系内をアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.15質量部を添加し重合を開始した。60℃で218分重合した後、冷却して重合を停止した。重合停止時の重合率は40%であった。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、酢酸ビニル−1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパン共重合体(DAMP変性PVAc)のメタノール溶液(濃度33.5%)を得た。次に、このメタノール溶液149質量部にメタノール95.8質量部を加え(溶液中のDAMP変性PVAc50質量部)、さらに、4.72質量部の水酸化ナトリウムメタノール溶液(濃度13.3%)を添加して、40℃でけん化を行った(けん化溶液のDAMP変性PVAc濃度20%、DAMP変性PVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比0.025)。水酸化ナトリウムメタノール溶液を添加後約7分でゲル化物が生成したので、これを粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で53分間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル200質量部を加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール500gを加えて1時間加熱還流した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱水して得られた白色固体を真空乾燥機にて、40℃で24時間乾燥させ、上記式(1)で表される単位を含むヒドロキシメチル基含有PVA(PVA−1)を得た。重合度は1,700、けん化度は98.5モル%、変性量(すなわち、ヒドロキシメチル基含有PVAにおける式(1)で表される単位の含有率)は0.9モル%であった。PVA−1の物性を表2に示す。
攪拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、ラジカル重合開始剤の添加口を備えた反応器に、酢酸ビニル640質量部、メタノール223質量部、コモノマーとして1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパン(DAMP)6.43質量部を仕込み、アルゴンバブリングをしながら30分間系内をアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.15質量部を添加し重合を開始した。60℃で218分重合した後、冷却して重合を停止した。重合停止時の重合率は40%であった。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、酢酸ビニル−1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパン共重合体(DAMP変性PVAc)のメタノール溶液(濃度33.5%)を得た。次に、このメタノール溶液149質量部にメタノール95.8質量部を加え(溶液中のDAMP変性PVAc50質量部)、さらに、4.72質量部の水酸化ナトリウムメタノール溶液(濃度13.3%)を添加して、40℃でけん化を行った(けん化溶液のDAMP変性PVAc濃度20%、DAMP変性PVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比0.025)。水酸化ナトリウムメタノール溶液を添加後約7分でゲル化物が生成したので、これを粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で53分間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル200質量部を加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール500gを加えて1時間加熱還流した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱水して得られた白色固体を真空乾燥機にて、40℃で24時間乾燥させ、上記式(1)で表される単位を含むヒドロキシメチル基含有PVA(PVA−1)を得た。重合度は1,700、けん化度は98.5モル%、変性量(すなわち、ヒドロキシメチル基含有PVAにおける式(1)で表される単位の含有率)は0.9モル%であった。PVA−1の物性を表2に示す。
[製造例2〜6、8〜10、13〜15](PVA−2〜PVA−6、PVA−8〜PVA−10、PVA−13〜PVA−15の製造)
酢酸ビニル及びメタノールの仕込み量、重合時に使用するコモノマーの種類や添加量等の重合条件、けん化時におけるDAMP変性PVAcの濃度、酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件を表1に示すように変更したこと以外は、製造例1と同様の方法により各種ヒドロキシメチル基含有PVAを製造した。各PVAの物性を表2に示す。
酢酸ビニル及びメタノールの仕込み量、重合時に使用するコモノマーの種類や添加量等の重合条件、けん化時におけるDAMP変性PVAcの濃度、酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件を表1に示すように変更したこと以外は、製造例1と同様の方法により各種ヒドロキシメチル基含有PVAを製造した。各PVAの物性を表2に示す。
[製造例7](PVA−7の製造)
重合時に使用するコモノマーとして、エチレンを4kg/cm2の圧力で使用し、酢酸ビニル及びメタノールの仕込み量、その他のコモノマーの種類や添加量等の重合条件、けん化時におけるDAMP変性PVAcの濃度、酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件を表1に示すように変更したこと以外は、製造例1と同様の方法によりPVA−7を製造した。PVA−7の物性を表2に示す。
重合時に使用するコモノマーとして、エチレンを4kg/cm2の圧力で使用し、酢酸ビニル及びメタノールの仕込み量、その他のコモノマーの種類や添加量等の重合条件、けん化時におけるDAMP変性PVAcの濃度、酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件を表1に示すように変更したこと以外は、製造例1と同様の方法によりPVA−7を製造した。PVA−7の物性を表2に示す。
[製造例11](PVA−11の製造)
攪拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、ラジカル重合開始剤の添加口を備えた反応器に、酢酸ビニル700質量部及びメタノール300質量部を仕込み、アルゴンバブリングをしながら30分間系内をアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、AIBN0.25質量部を添加し重合を開始した。60℃で180分重合した後、冷却して重合を停止した。重合停止時の重合率は40%であった。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニル(PVAc)のメタノール溶液(濃度30%)を得た。次に、これにメタノールを加えて調製したPVAcのメタノール溶液497質量部(溶液中のPVAc100質量部)に、14.0質量部の水酸化ナトリウムメタノール溶液(濃度10.0%)を添加して、40℃でけん化を行った(けん化溶液のPVAc濃度20%、PVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比0.030)。水酸化ナトリウムメタノール溶液を添加後約1分でゲル化物が生成したので、これを粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で59分間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル500質量部を加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール2,000gを加えて1時間加熱還流した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱水して得られた白色固体を真空乾燥機にて、40℃で24時間乾燥させ無変性のポリビニルアルコール(PVA−11)を得た。重合度は1,700、けん化度は98.5モル%であった。PVA−11の物性を表2に示す。
攪拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、ラジカル重合開始剤の添加口を備えた反応器に、酢酸ビニル700質量部及びメタノール300質量部を仕込み、アルゴンバブリングをしながら30分間系内をアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、AIBN0.25質量部を添加し重合を開始した。60℃で180分重合した後、冷却して重合を停止した。重合停止時の重合率は40%であった。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニル(PVAc)のメタノール溶液(濃度30%)を得た。次に、これにメタノールを加えて調製したPVAcのメタノール溶液497質量部(溶液中のPVAc100質量部)に、14.0質量部の水酸化ナトリウムメタノール溶液(濃度10.0%)を添加して、40℃でけん化を行った(けん化溶液のPVAc濃度20%、PVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比0.030)。水酸化ナトリウムメタノール溶液を添加後約1分でゲル化物が生成したので、これを粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で59分間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル500質量部を加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール2,000gを加えて1時間加熱還流した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱水して得られた白色固体を真空乾燥機にて、40℃で24時間乾燥させ無変性のポリビニルアルコール(PVA−11)を得た。重合度は1,700、けん化度は98.5モル%であった。PVA−11の物性を表2に示す。
[製造例12及び16](PVA−12及びPVA−16の製造)
酢酸ビニル及びメタノールの仕込み量、けん化時におけるPVAcの濃度、酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件を表1に示すように変更したこと以外は、製造例11と同様の方法により各無変性PVAを製造した。各無変性PVAの物性を表2に示す。
酢酸ビニル及びメタノールの仕込み量、けん化時におけるPVAcの濃度、酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件を表1に示すように変更したこと以外は、製造例11と同様の方法により各無変性PVAを製造した。各無変性PVAの物性を表2に示す。
[実施例1]
(酢酸ビニルの乳化重合)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を供えた1Lガラス製重合容器に、イオン交換水258.1g及びPVA−1を17.6g仕込み95℃で完全に溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200rpmで撹拌しながら酢酸ビニル25.2gを加え、60℃に昇温した後、5%過酸化水素6.9g/20%酒石酸3.0gのレドックス開始剤を添加して重合を開始した。重合開始15分後から酢酸ビニル226.4gを3時間にわたって連続的に添加した後、5%過酸化水素0.9g/20%酒石酸0.3gを添加して重合を完結させ、固形分濃度49.5%のポリ酢酸ビニルエマルジョンを得た。
(酢酸ビニルの乳化重合)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を供えた1Lガラス製重合容器に、イオン交換水258.1g及びPVA−1を17.6g仕込み95℃で完全に溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200rpmで撹拌しながら酢酸ビニル25.2gを加え、60℃に昇温した後、5%過酸化水素6.9g/20%酒石酸3.0gのレドックス開始剤を添加して重合を開始した。重合開始15分後から酢酸ビニル226.4gを3時間にわたって連続的に添加した後、5%過酸化水素0.9g/20%酒石酸0.3gを添加して重合を完結させ、固形分濃度49.5%のポリ酢酸ビニルエマルジョンを得た。
<評価>
[ヒドロキシメチル基含有PVAの乳化重合安定性]
上記エマルジョン重合終了後に60メッシュフィルターにてろ過し、ろ過残分にて以下の基準で評価した。
◎;ろ過残分が0.1g以下であった
○;ろ過残分が0.1gを超え0.5g以下であった
△;ろ過残分が0.5gを超え3.0g以下であった
×;ろ過残分が3.0gを超え、又はエマルジョンを得られなかった
[ヒドロキシメチル基含有PVAの乳化重合安定性]
上記エマルジョン重合終了後に60メッシュフィルターにてろ過し、ろ過残分にて以下の基準で評価した。
◎;ろ過残分が0.1g以下であった
○;ろ過残分が0.1gを超え0.5g以下であった
△;ろ過残分が0.5gを超え3.0g以下であった
×;ろ過残分が3.0gを超え、又はエマルジョンを得られなかった
[流動性(水性エマルジョンの粘度の流動速度依存性)]
上記得られたポリ酢酸ビニルエマルジョンの固形分100質量部に対して、可塑剤としてジブチルフタレート5質量部を添加混合した。得られた水性エマルジョン組成物の粘度を上述の方法により測定した。2rpmにおける粘度(η2rpm)及び20rpmにおける粘度(η20rpm)からその比(η2rpm/η20rpm)を求めた。この値が大きいほど、流動性が良好であると評価できる。
上記得られたポリ酢酸ビニルエマルジョンの固形分100質量部に対して、可塑剤としてジブチルフタレート5質量部を添加混合した。得られた水性エマルジョン組成物の粘度を上述の方法により測定した。2rpmにおける粘度(η2rpm)及び20rpmにおける粘度(η20rpm)からその比(η2rpm/η20rpm)を求めた。この値が大きいほど、流動性が良好であると評価できる。
[水性エマルジョンの低温粘度安定性]
上記得られたポリ酢酸ビニルエマルジョンを5℃にて24時間保管した後の状態を観察し、以下の基準で評価した。
◎;変化なし
○;僅かに粘度が高くなっているが、常温で元に戻る
△;粘度が高くなっているが、常温でほぼ元に戻る
×;粘度が高くなり、常温でも元に戻らない
上記得られたポリ酢酸ビニルエマルジョンを5℃にて24時間保管した後の状態を観察し、以下の基準で評価した。
◎;変化なし
○;僅かに粘度が高くなっているが、常温で元に戻る
△;粘度が高くなっているが、常温でほぼ元に戻る
×;粘度が高くなり、常温でも元に戻らない
[実施例2〜9及び比較例1〜5]
上記用いたPVA−1に代えて、表2に示したPVA用いた以外は、実施例1と同様に水性エマルジョン組成物を調製して評価した。その結果を表2に合わせて示す。
上記用いたPVA−1に代えて、表2に示したPVA用いた以外は、実施例1と同様に水性エマルジョン組成物を調製して評価した。その結果を表2に合わせて示す。
[実施例10]
窒素吹き込み口、温度計、攪拌機を備えた5L耐圧性オートクレーブに、上記得られたPVA−10を47.3g、イオン交換水を1451.2g、ロンガリットを0.85g、酢酸ナトリウムを0.5g、及び塩化第一鉄を0.04g仕込み、95℃で完全に溶解し、その後60℃に冷却し、窒素置換を行った。次に酢酸ビニル1516.1gを仕込んだ後、エチレンを45kg/cm2まで加圧して導入し、4%過酸化水素水溶液100gを5時間かけて圧入し、60℃で乳化重合を行った。残存酢酸ビニル濃度が10%となったところで、エチレンを放出して、エチレン圧力20kg/cm2とし、3%過酸化水素水溶液5gを圧入し、重合を完結させた。冷却後、60メッシュのステンレス製金網を用いて濾過し、固形分濃度55.3%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョンが得られた。
窒素吹き込み口、温度計、攪拌機を備えた5L耐圧性オートクレーブに、上記得られたPVA−10を47.3g、イオン交換水を1451.2g、ロンガリットを0.85g、酢酸ナトリウムを0.5g、及び塩化第一鉄を0.04g仕込み、95℃で完全に溶解し、その後60℃に冷却し、窒素置換を行った。次に酢酸ビニル1516.1gを仕込んだ後、エチレンを45kg/cm2まで加圧して導入し、4%過酸化水素水溶液100gを5時間かけて圧入し、60℃で乳化重合を行った。残存酢酸ビニル濃度が10%となったところで、エチレンを放出して、エチレン圧力20kg/cm2とし、3%過酸化水素水溶液5gを圧入し、重合を完結させた。冷却後、60メッシュのステンレス製金網を用いて濾過し、固形分濃度55.3%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョンが得られた。
[比較例6]
PVA−10に代えて、上記得られたPVA−16を用いた以外は、実施例10と同様に水性エマルジョン組成物を調製して評価を行ったが、安定なエマルジョンは得られなかった。結果を表2に合わせて示す。なお、表2中、「PVAc−Et」は、PVAcとエチレンとの共重合体を示す。
PVA−10に代えて、上記得られたPVA−16を用いた以外は、実施例10と同様に水性エマルジョン組成物を調製して評価を行ったが、安定なエマルジョンは得られなかった。結果を表2に合わせて示す。なお、表2中、「PVAc−Et」は、PVAcとエチレンとの共重合体を示す。
表2に示されるように、実施例1〜10で調製した水性エマルジョン組成物は、優れた重合安定性を発揮して形成され、優れた低温粘度安定性と流動性とを両立させることができることが分かる。ここで、重合安定性及び低温粘度安定性は、○以上であれば、優れているとし、流動性は、(η2rpm/η20rpm)の値が2.0以上であれば、優れているとした。さらに、ヒドロキシメチル基含有PVAの粘度平均重合度、けん化度、変性量、分散質を特定した実施例7、8及び9は重合安定性により優れ、また得られるエマルジョンは、低温粘度安定性及び流動性に特に優れる(重合安定性及び低温粘度安定性が共に◎以上である)ことが分かる。
一方、PVAが規定の要件を満たさない場合(比較例1〜6)、重合安定性、並びに得られるエマルジョンの低温粘度安定性及び流動性が低下することが分かる。
本発明の水性エマルジョン組成物は、優れた乳化重合安定性を発揮して形成され、優れた低温粘度安定性と流動性とを両立させることができる。本発明の乳化重合用安定剤によれば、優れた乳化重合安定性を発揮することができ、優れた低温粘度安定性と流動性とを共に有するエマルジョンを得ることができる。従って、当該水性エマルジョン組成物は、各種接着剤、塗料、繊維加工剤、紙加工剤、無機物バインダー、セメント混和剤、モルタルプライマー等に好適に用いられる。
Claims (6)
- 上記ビニルアルコール系重合体の全単位に対する上記式(1)で表される単位の含有率が0.1モル%以上30モル%以下である請求項1に記載の水性エマルジョン組成物。
- 上記ビニルアルコール系重合体のけん化度が80モル%以上99.9モル%以下である請求項1又は請求項2に記載の水性エマルジョン組成物。
- 上記ビニルアルコール系重合体の粘度平均重合度が、100以上5,000以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の水性エマルジョン組成物。
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WO2021235507A1 (ja) * | 2020-05-21 | 2021-11-25 | 三菱ケミカル株式会社 | 変性エチレン-ビニルアルコール系樹脂、およびガスバリア材 |
WO2022097718A1 (ja) * | 2020-11-06 | 2022-05-12 | 株式会社クラレ | 変性ビニルアルコール系重合体 |
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