JP6027419B2 - アルケニル変性ビニルアルコール系重合体及びこれを含む増粘剤 - Google Patents
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Description
下記式(I)で表される単量体単位(以下、「単量体単位(a)」ともいう)を含有し、粘度平均重合度が100以上5,000以下、けん化度が20モル%以上99.99モル%以下、上記単量体単位の含有率が0.05モル%以上5モル%以下であるアルケニル変性ビニルアルコール共重合体である。
当該アルケニル変性PVAは、下記式(I)で表される単量体単位(a)を含有する。当該アルケニル変性PVAは、この単量体単位(a)が有する疎水性かつ二重結合を有するアルケニル基(R1)と、親水性のアミド結合との存在に基づき、アルケニル基の低結晶性により溶解時に水溶性に優れるにもかかわらず、疎水性相互作用により溶液状態で十分な増粘性を発揮することができる。当該アルケニル変性PVAは、上記単量体単位(a)と、ビニルアルコール単量体単位(−CH2−CHOH−)を有する共重合体であり、さらに他の単量体単位を有していてもよい。
S(モル%)
={(βのプロトン数/2)/(αのプロトン数+(βのプロトン数/2))}×100
P=([η]×103/8.29)(1/0.62)
当該アルケニル変性PVAを製造する方法は特に制限されないが、下記式(II)で表される不飽和単量体とビニルエステル系単量体との共重合を行い、得られたアルケニル変性ビニルエステル系重合体をけん化する方法が好ましい。ここで、上記の共重合はアルコール系溶媒中又は無溶媒で行うことが好適である。
エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン等のα−オレフィン;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2,3−ジアセトキシ−1−ビニルオキシプロパン等のビニルエーテル類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類;
塩化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;
塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン類;
酢酸アリル、2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン、塩化アリル等のアリル化合物;
ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;
酢酸イソプロペニル
等が挙げられる。
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等のアルデヒド類;
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;
2−ヒドロキシエタンチオール等のメルカプタン類;
トリクロロエチレン、パークロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;
ホスフィン酸ナトリウム1水和物等のホスフィン酸塩類
等が挙げられ、これらの中でもアルデヒド類およびケトン類が好適に用いられる。
本発明の増粘剤は、当該アルケニル変性PVAを含む。これにより、当該増粘剤は、優れた増粘性を発揮することができる。
PVAにおける式(I)で表される単量体単位(a)の含有率(以下、「アルケニル変性率」ともいう。)は、上述のプロトンNMRを用いた方法に準じて求めた。
PVAの重合度は、JIS−K6726に記載の方法により求めた。
PVAのけん化度は、JIS−K6726に記載の方法により求めた。
実施例1(PVA1の製造)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、コモノマー滴下口及び開始剤の添加口を備えた3Lの反応器に、酢酸ビニル750g、メタノール250g及びN−オクタデセニルメタクリルアミド(N−オレイルメタクリルアミド)1.1gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。また、ディレー溶液としてN−オクタデセニルメタクリルアミドをメタノールに溶解して濃度5%としたコモノマー溶液を調製し、このコモノマー溶液を窒素ガスのバブリングにより窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.25gを添加し重合を開始した。上記反応器に、上記ディレー溶液を滴下して重合溶液中のモノマー組成が一定となるようにしながら、60℃で3時間重合した後、冷却して重合を停止した。重合を停止するまで加えたコモノマーの総量は4.8gであった。また重合停止時の固形分濃度は29.9%であった。続いて30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、アルケニル変性酢酸ビニル系重合体(アルケニル変性PVAc)のメタノール溶液(濃度35%)を得た。さらに、これにメタノールを加えて調製したアルケニル変性PVAcのメタノール溶液771.4g(溶液中のアルケニル変性PVAcは200.0g)に、27.9gのアルカリ溶液(水酸化ナトリウムの10%メタノール溶液)を添加してけん化を行った。ここで、けん化溶液におけるアルケニル変性PVAcの濃度は25%、アルケニル変性PVAc中の酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比は0.03であった。アルカリ溶液を添加後約1分でゲル状物が生成した。このゲル状物を粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル500gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得た。この白色固体にメタノール2,000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。この洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られた白色固体を乾燥機中65℃で2日間放置してアルケニル変性PVA(PVA1)を得た。
酢酸ビニル及びメタノールの仕込み量、重合時に使用するアルケニル基を有する不飽和単量体の種類や添加量等の重合条件、けん化時におけるアルケニル変性PVAcの濃度、酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法により各種のアルケニル変性PVA(PVA2〜13及びPVAi〜iii)及びアルキル変性PVA(PVAvi)を製造した。
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管及び開始剤の添加口を備えた3Lの反応器に、酢酸ビニル750g、メタノール250g及びオレイルビニルエーテル57.3gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.0gを添加し重合を開始した。60℃で2時間重合した後、冷却して重合を停止した。重合停止時の固形分濃度は30.4%であった。続いて30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、アルケニル変性酢酸ビニル系共重合体(アルケニル変性PVAc)のメタノール溶液(濃度35%)を得た。さらに、これにメタノールを加えて調製したアルケニル変性PVAcのメタノール溶液792.9g(溶液中のアルケニル変性PVAcは200.0g)に、7.0gのアルカリ溶液(水酸化ナトリウムの10%メタノール溶液)を添加してけん化を行った。ここで、けん化溶液におけるアルケニル変性PVAcの濃度は25%、アルケニル変性PVAc中の酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比は0.0075であった。アルカリ溶液を添加後約12分でゲル状物が生成した。このゲル状物を粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル500gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得た。この白色固体にメタノール2,000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。この洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られた白色固体を乾燥機中65℃で2日間放置して変性PVA(PVAvi)を得た。
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管及び開始剤の添加口を備えた3Lの反応器に、酢酸ビニル900g及びメタノール100gを仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.25gを添加し重合を開始し、60℃で3時間重合した後、冷却して重合を停止した。重合停止時の固形分濃度は31.0%であった。続いて30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニル(PVAc)のメタノール溶液(濃度30%)を得た。さらに、これにメタノールを加えて調製したPVAcのメタノール溶液971.1g(溶液中のPVAcは200.0g)に、27.9gのアルカリ溶液(水酸化ナトリウムの10%メタノール溶液)を添加してけん化を行った。ここで、けん化溶液におけるPVAcの濃度は20%、PVAc中の酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比は0.03であった。アルカリ溶液を添加後約1分でゲル状物が生成した。このゲル状物を粉砕器にて粉砕し、40℃で1時間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル500gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得た。この白色固体にメタノール2,000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。この洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られた白色固体を乾燥機中65℃で2日間放置して無変性PVA(PVAv)を得た。
上記得られたアルケニル変性PVA等について、下記方法に従い水溶性について評価した。また、アルケニル変性PVAを増粘剤として用い、増粘性の評価を行った。評価結果を表1に合わせて示す。
攪拌機付300mLのセパラブルフラスコに、水98.5gの水と共に、PVA1.5gを入れ、攪拌しながら90℃に昇温し、PVAの溶解の様子を目視で観察した。昇温を開始してから完全に溶解するまでの時間を測定し、以下の基準に従って判定した。なお、下記評価がA又はBの場合、実用性に優れるといえる。
A:1時間未満
B:1時間以上3時間未満
C:3時間以上
D:完全に溶解できず、溶け残った。
上記[水溶性]の評価と同様の方法で、濃度1.5%のPVA水溶液を調製し、B型粘度計を用いてロータ回転数6rpmで温度が20℃における粘度(mPa・s)を測定した。
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(クラレ製OM−4200NT、総固形分55.0%)100部に、濃度10%のPVA溶液(溶媒:水/ブチルカービトール=80/20)5.5部を加えて、PVAとエマルジョンの混合液を作製し、BM型粘度計を用いてロータ回転数6rpmで温度が20℃における粘度を測定し、以下の基準で判定した。
A:20,000mPa・s以上
B:5,000mPa・s以上20,000mPa・s未満
C:1,000mPa・s以上5,000mPa・s未満
D:500mPa・s以上1,000mPa・s未満
E:500mPa・s未満
Claims (4)
- 上記式(I)におけるR1のアルケニル基の炭素数が15以上26以下である請求項1に記載のアルケニル変性ビニルアルコール系重合体。
- 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のアルケニル変性ビニルアルコール系重合体を含む増粘剤。
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