JP6110678B2 - ヒドロキシメチル基含有ビニルアルコール系重合体 - Google Patents
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Description
[1]ビニルアルコール単位、及び下記式(1)で示される構造単位を含むヒドロキシメチル基含有ビニルアルコール系重合体;
[3]けん化度が80〜99.9モル%である[1]または[2]に記載のヒドロキシメチル基含有ビニルアルコール系重合体;
に関する。
けん化度が99.5モル%未満の場合には、けん化度99.5モル%以上になるまでけん化したビニルアルコール系重合体について、水中、30℃で測定した極限粘度[η](g/dl)から次式により求めた粘度平均重合度(P)で表す。
P=([η]×103/8.29)(1/0.62)
ビニルアルコール系重合体の5℃、10%水溶液を調製して、1時間後及び12時間後の粘度を測定し、増粘倍率を求め、以下の通り評価した。
A:増粘倍率が6倍未満である。
B:増粘倍率が6倍以上である。
ビニルアルコール系重合体の4%水溶液を調製し、垂直に立てたガラス管(内径4.5cm、高さ150cm)に深さ13cmになるように仕込み、1.5L/minの速度で、10分間のポンプ循環(ガラス管の下部から水溶液を抜き取りガラス管上部へ返送)を行った後、泡の発生した高さを測定した。その結果を以下の通り評価した。
A:発泡した泡の高さが27cm未満
B:発泡した泡の高さが27cm以上40cm未満
C:発泡した泡の高さが40cm以上
濃度4%のビニルアルコール系重合体水溶液を調製し、それをPETフィルム上に流延した後20℃1週間乾燥させ、さらに真空乾燥機で一晩乾燥させることで、厚み40μmの皮膜を得た。1Lのイオン交換水を加えた1Lのビーカーを20℃に温度制御したバスに浸し、長さ30mmのテフロン(登録商標)製マグネティックスターラーチップで300rpmの回転速度で攪拌しているところに、金属枠で固定した上記皮膜(サイズ:40mm×40mm、厚み40μm)を投入し、完全に溶解する時間を測定した。なお、皮膜の厚みが40μmとは異なる場合、以下の式に従って皮膜の厚み40μmの値に換算した。
換算溶解時間(秒)=[40/皮膜厚(μm)]2×サンプル溶解時間(秒)
測定結果は、以下の通り評価した。
A:30分以内に完全溶解する。
B:30分以上経過しても完全溶解しない。
濃度4%のビニルアルコール系重合体水溶液を調製し、それをPETフィルム上に流延した後20℃1週間乾燥させ、厚み約40μmの皮膜を得た。得られた皮膜を10mm×80mmの短冊状にカットし、20℃、湿度80%にて一週間調湿した後、(株)島津製作所製AG−ISを用いて、チャック間距離50mm、引張り速度500mm/分の条件で強伸度測定を行い、応力−ひずみ曲線から靭性を求めた。なお、測定は各サンプル5回測定し、その平均値を求め、以下の評価基準で評価した。
A:280kgf/mm以上
B:240kgf/mm以上280kgf/mm未満
C:240kgf/mm未満
酢酸ビニル−1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパン共重合体の合成
攪拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、開始剤の添加口を備えた反応器に、酢酸ビニル640質量部、メタノール質量部、コモノマーとして1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパン(DAMP)6.43質量部を仕込み、アルゴンバブリングをしながら30分間系内をアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.15gを添加し重合を開始した。60℃で218分重合した後、冷却して重合を停止した。重合停止時の重合率は40%であった。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、酢酸ビニル−1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパン共重合体(DAMP変性PVAc)のメタノール溶液(濃度33.5%)を得た。次に、このメタノール溶液149質量部にメタノール95.8質量部を加え(溶液中のDAMP変性PVAc50質量部)、さらに、4.72gの水酸化ナトリウムメタノール溶液(濃度13.3%)を添加して、40℃でけん化を行った(けん化溶液のDAMP変性PVAc濃度20%、DAMP変性PVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比0.03)。水酸化ナトリウムメタノール溶液を添加後約7分でゲル化物が生成したので、これを粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で53分間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル200質量部を加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール500gを加えて1時間加熱還流した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱水して得られた白色固体を真空乾燥機にて、40℃で24時間乾燥させ、一般式(1)で示される構造単位を含むヒドロキシメチル基含有ビニルアルコール系重合体を得た。重合度は1800、けん化度は98.7モル%、変性量(すなわち、ヒドロキシメチル基含有ビニルアルコール系重合体における式(1)に示される構造単位の含有率)は0.9モル%であった。物性を表2に示す。
酢酸ビニル及びメタノールの仕込み量、重合時に使用するコモノマーの種類や添加量等の重合条件、けん化時における変性PVAcの濃度、酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により各種変性PVAを製造した。各PVAの物性を表2に示す。
攪拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、開始剤の添加口を備えた反応器に、酢酸ビニル700質量部、メタノール300質量部を仕込み、アルゴンバブリングをしながら30分間系内をアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、AIBN0.25gを添加し重合を開始した。60℃で180分重合した後、冷却して重合を停止した。重合停止時の重合率は40%であった。続いて、30℃、減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応のモノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニル(PVAc)のメタノール溶液(濃度30%)を得た。次に、これにメタノールを加えて調製したPVAcのメタノール溶液497質量部(溶液中のPVAc100質量部)に、14.0質量部の水酸化ナトリウムメタノール溶液(濃度10.0%)を添加して、40℃でけん化を行った(けん化溶液のPVAc濃度20%、PVAc中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比0.03)。水酸化ナトリウムメタノール溶液を添加後約1分でゲル化物が生成したので、これを粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で59分間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル500質量部を加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和が終了したことを確認した後、濾別して白色固体を得、これにメタノール2000gを加えて1時間加熱還流した。上記の洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱水して得られた白色固体を真空乾燥機にて、40℃で24時間乾燥させ無変性のポリビニルアルコール(PVA)を得た。重合度は1700、けん化度は98.5モル%であった。物性を表2に示す。
酢酸ビニル及びメタノールの仕込み量、けん化時における変性PVAcの濃度、酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件を表1に示すように変更したこと以外は、比較例1と同様の方法により無変性PVAを製造した。物性を表2に示す。
酢酸ビニル及びメタノールの仕込み量、重合時に使用するコモノマーの種類や添加量等の重合条件、けん化時における変性PVAcの濃度、酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比等のけん化条件を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により各種変性PVAを製造した。各PVAの物性を表2に示す。
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