JP2014526267A - 熱帯適合化剤 - Google Patents

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Abstract

例えばグリセロール水などの湿潤剤用の担体としての、例えば食物繊維などの不溶性の吸水性食品原材料の粒子の、湿潤剤をチョコレート製品に添加するための使用。さらに、水又は湿潤剤が充填された、例えば柑橘類繊維などの不溶性の食品原材料の分離粒子を含む熱帯適合化剤。熱帯適合化剤は、例えばカカオバターなどの液体油脂に分散させる。熱帯適合化剤は耐熱性チョコレート製品の製造に使用される。
【選択図】 図3

Description

本発明は熱帯適合化剤、熱帯適合化剤の製造方法、チョコレート又はチョコレート類似品を熱帯適合化する方法、及び熱帯適合化剤を含有するチョコレート又はチョコレート類似品に関する。
発明の背景
従来法で製造されたチョコレートは、カカオバター由来の油脂及び油脂様物質に均一に分散されている、糖、カカオ固形物及びタンパク質(通常ミルク由来のタンパク質)からなる。チョコレート類似品は、カカオバター油脂の一部/全部の代わりに別の植物性油脂を含有している。連続油脂相は乳脂を含有していることが多い。
カカオバターは約28℃で一般的に柔らかくなり始め、その結果、チョコレートの機械的強度が低下する。このことは、熱帯諸国において高頻度で生じる高い周囲温度で、チョコレートがべたつくようになるか、液状にすらなることを意味する。チョコレートは包み紙にくっつきやすく、包み紙を取り除く際には崩れやすくなり、清潔にしたい場合にはほとんどの場合スプーンでしか食べることができない、半液体状の塊が残る。コーティングされているチョコレート製品は、このような条件下では一般的に完全な状態が失われ、製品の内容物はしばしば漏れ出し、個々の製品単位が包装材料内で互いにくっつく傾向にある。チョコレートはまた、低温条件下で保存され食べられるチョコレートの重要な(しかも快い)テクスチャー上の特性である「スナップ性(snap)」も失う。
耐熱性チョコレートを生産する試みが多数ある。最も広く用いられている手法は、主に次の2つの群に分けることができる。1)高融点油脂の混合、及び2)スポンジとして作用し、油脂を保持する、糖の結晶若しくはタンパク質粒子の三次元マトリックス又は網目構造の作製であり、このようにして油脂が融解される場合であっても製品の構造が維持される。過去一世紀にわたり、数多くの様々な方法が報告されてきた。
チョコレートに高融点の油脂を使用する場合、主に2つの短所がある。すなわち、多くの国々の食品規則によって、チョコレートにおけるカカオバター代用品の使用が制限されていることである。第2に、チョコレート類似製品の高融点油脂が、不快なワックス質の食感をもたらすことである。
DE389127(1919)に初めて開示されているように、水又はポリオールをチョコレートに添加することによって糖の結晶を生じさせる多数の方法が開示されている。CH409,603(1962)には、急速な粘度上昇を生じる、製造中の液体チョコレートマスへの水の直接添加が開示されている。その結果、材料の金型への注入、又はコーティングへの使用が困難になる。
EP0189469(1985)には、液体ポリオールを、テンパリングした従来のチョコレートマスと混合してから金型に入れることが開示されている。常温で液体であるポリオール(例えばグリセロール)が好ましいが、この特許は、より高融点のポリオール(例えばソルビトール)を使用することもできることを開示している。この混合物をわずかに高い温度(24℃〜35℃)で保持し、その間に粘度が上昇する。粘度上昇は油脂とポリオールとの間の化学反応の結果であると述べられている。保持期間の時間及び温度は粘度上昇を調節する重要なパラメーターである。粘度は、後に続く成型操作又はコーティング操作のために十分に低い状態が維持されなければならない。
米国特許第5445843号で開示されている方法においては、ポリオール(例えばグリセロール)は、液体油脂(例えば溶融したカカオバター)と乳化剤としてのレシチンとを用いて乳化され、次いでエマルションを噴霧冷却することによりカプセル化される。エマルションの「カプセル」(この平均直径は100ミクロンである)は、ポリオール含有量が0.2〜5重量%に達するように液体チョコレートマスに添加される。製品は数分間、液体のままであったことが報告されている。
米国特許第4446166号には、チョコレートマスへの水の添加が速すぎることを回避するための乳化の使用が開示されている。水中油滴型エマルション(一般的に50%の水、50%の油脂)は、乳化剤としてレシチンを使用し、カカオバターを用いて調製される。エマルションは冷却され粉砕されて部分的又は完全な固体粒子として得られ、次いで、2〜10%の濃度でチョコレートマスに添加される。より温かい液体チョコレートマスに加えると、エマルション粒子は溶融し、水滴を放出する。この方法の欠点は、エマルション粒子が溶融前に確実に均一に分布する必要があることである。水が早期に放出されると、チョコレートの成型又はコーティングに不適切な粘度の急上昇が生じる。
EP0297054には、水性泡を使用することにより水を均一に分散させる方法が開示されている。泡は可食性起泡剤(例えば卵アルブミン)で安定化され、従来法で製造されたチョコレートマスにテンパリング後に添加される。泡は、0.5〜2%の水をもたらす濃度で添加され、報告によれば、有意な粘度上昇はなく、成型又はコーティングに使用可能な処理済みチョコレートが得られる。封入された気体は、減圧に暴露することによって液体のままの製造物から除去することができる。EP0407347には類似の方法が開示されている。
EP0393327には、油中水滴型エマルションの水相が糖(例えば、スクロース若しくはグルコース)又はポリオール(例えばソルビトール)を含有する別の態様が開示されている。エマルションは、0.1〜3%濃度の乳化剤を使用し、30〜60%の油脂を用いて調製される。開示されている適切な乳化剤は、レシチン、グリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセロール縮合型リシノール酸エステル、及びHLBが7以下のショ糖脂肪酸エステルである。エマルションの水相中の糖又はポリオールの濃度は20〜60%とすることができ、水の濃度は15〜25%とすることができる。水相中の糖又はポリオールは、熱安定性のチョコレートマスに、より滑らかなテクスチャーを付与することが報告されている。しかし、内部構造の適切な形成には約20日間の保存期間が必要とされる。
類似の方法がEP0442324に開示されているが、それによれば、水中油滴型エマルションは、少量の適切な乳化剤を含有している水に30〜80%の油又は脂(例えばカカオバター)を混合することにより調製される。このエマルションは約5%の濃度で、従来どおりに製造されテンパリングされたチョコレートマスと混合され、次いで成型される。水中油滴型エマルションを安定して維持するためには、温度を90°F以下になるように調節することが重要であると述べられている。均一に分散された水は、最終製品の固化中にチョコレートマスの粘度上昇を生じさせる。しかし、熱安定性を確かなものにするためには、やはり、数日間、成型品を保存しておく必要がある。
米国特許第5486376号には、チョコレートマスに微細分散された水を加えるための油中水滴型マイクロエマルションの使用が開示されている。同様に、米国特許第6159526号には、ショ糖脂肪酸エステル(HLB<3)によって安定化された油中水滴型エマルションとして水をチョコレートに添加することが開示されている。米国特許第6159526号は、主に、チョコレートへの水性着香料の添加に関する。
国際公開第93/06737号には、「ラフチリン」(イヌリン)、デンプン(ジャガイモ及びトウモロコシ)、「スプレンデッド」(ペクチン)又はアラビアゴムに水を添加することによりゲル/ペーストを製造する方法が開示されている。次いで、このペーストは、テンパリングされたチョコレートに混合され成型される。
米国特許第5,468,509号には、チョコレートに16%以下の水を添加する方法が開示されている。このチョコレートは、おそらく成型の可能性を維持している。2種類の混合物が調製されている。(1)乳化剤の存在下においてカカオをカカオバターでコーティングし、(2)水、甘味料及び乳固形分を混合して水相を形成させる。2種類を穏やかに混合し、製品を成型する。
米国特許第5,965,179号の目的は、チョコレート処理用の押出成形機を使用することによって、チョコレートに水を添加する際の粘度上昇の問題を回避することである。水は、微結晶性セルロースと一緒に水性ゲルとして添加される。このゲルは二軸スクリュー押出機を使用してチョコレートに注入され、3〜20%の添加水を含有する粘性の製品が形成される。
米国特許出願公開第2005/0118327号には、20〜50%の糖又はポリオール、水、乳化剤及びゲル化剤(親水コロイド)を含むゲルビーズの製造が開示されている。ゲルビーズは、高剪断混合機中の液体油脂に高温の水性ゾル(90℃〜95℃)を分散させてエマルションを形成し、次いで冷却してビーズのゲル化を行なうことによって形成される。油脂に分散させたゲルビーズは、溶融チョコレートマスに混合される。一つの欠点は、ゲルビーズから糖/ポリオールシロップを放出させるには活性化が必要であるということである。米国特許出願公開第2005/0118327号は、−5℃〜−15℃の温度で凍結させることによってゲルビーズの分解が活性化されることを示唆している。この冷却がないと、保形性を得るために10〜14日間製品を保存する必要があることが報告されている。
別の手法において、国際公開第91/19424号には、アルギン酸塩又はペクチン酸塩、二価金属イオン、及び金属イオン用の金属イオン封鎖剤を含むゲルビーズの製造が開示されている。このゲルビーズは油脂代替品として使用される。
EP0688506には、ポリオール又はポリオール/水をゲル化剤及びアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩とともに含むゲルの製造が開示されている。ゲルは、液体チョコレートに添加する前に、120℃の温度まで加熱し、次いで液体窒素で凍結することにより製造される。
これらの先行技術文献には、例えば、工程の早期に生じる、水のチョコレートマスへの放出に関する欠点があり、一般的なコーティング工程に使用する材料として十分なほど長く放出を遅らせることができない。水の分散及び放出が十分な微調整下になく、最終製品に好ましくないざらついたテクスチャーが出現するのを回避できないこと、及び/又は、安定性を得るのに必要な構造の十分な形成に、活性化又は長時間の不便な保存時間が必要であることである。これらの工程の多くは複雑であり、又は生産方法にさらなるステップが必要であり、及び/又は乳化剤及び/又はゲル化剤の使用が要求される。
したがって、いかなる実質的な粘度上昇も遅らせ、従来の成型方法又はコーティング方法に使用することができるようにし、しかもチョコレート製品に適切なテクスチャー及び安定性、又は完全性をもたらす、熱帯適合化剤を提供することが現在必要とされている。
本発明の目的は、上述の文献の1つ又は複数の欠点を最小限にするか解消する、熱帯適合化剤を提供することである。
熱帯適合化された製品に熱に対する形状安定性、すなわち完全性をもたらし、しかも適切なコストで容易に工業生産化することができる熱帯適合化剤を提供することは有利である。
いかなる実質的な粘度上昇も遅らせて材料を従来の成型方法又はコーティング方法で使用できるようにし、しかも適切な保存期間の後に、官能検査によるパラメーターを損なうことなく、チョコレート製品の熱に対する形状安定性、すなわち完全性をもたらす、熱帯適合化剤を提供することは有利である。
本発明者は、チョコレート又はその類似品に水及び/又は湿潤剤を加え、耐熱性チョコレート又はその類似品を得る実質的に異なる経路を開発した。先行技術の手法とは対照的に、本発明はエマルションの形成にも水性ゲルにも依存しない。
驚いたことに、本発明者は不溶性の吸水性食品原材料粒子が、液体チョコレートマスに水及び/又は湿潤剤を加えるための媒体として使用できることを見出した。
水及び/又は湿潤剤が充填された不溶性の食品原材料粒子は、通常の処理時間にわたっていかなる有意な粘度上昇も示さずに液体チョコレートマスに添加することができ、チョコレートを標準的な成型技術又はコーティング技術により加工することを可能にし、熱帯適合化剤として作用し、得られるチョコレートの耐熱性を改善する。
一実施形態によれば、液体油脂成分と、液体油脂成分に分散された、水及び/又は湿潤剤液体が充填された不溶性の吸水性食品原材料物質の複数の分離した粒子とを含む、熱帯適合化剤が提供される。
本発明による適切な湿潤剤は、食品用湿潤剤液体である。本発明による湿潤剤の例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールなどのポリオール、及びソルビトール、キシリトール、マルチトール、マンニトールなどの糖アルコール、フルクトース、デキストロース、ガラクトースなどの糖溶液、又はそれらの任意の混合物が挙げられる。特定の実施形態によれば、湿潤剤液体はポリオールである。一部の実施形態によれば、湿潤剤液体はグリセロールである。別の実施形態によれば、湿潤剤液体はプロピレングリコールである。しかし、例えば糖アルコールなどの他のポリオールが考えられる。
不溶性の吸水性食品原材料物質の例としてはセルロース成分があり、微結晶性セルロース(MCC)及び不溶性のセルロース成分含有の食物繊維が挙げられる。一実施形態によれば、不溶性の吸水性食品原材料粒子は食物繊維の不溶性の粒子である。フルーツ、野菜及び/又は穀物繊維が考えられる。本発明による食物繊維粒子の例としては、柑橘類繊維、リンゴ繊維、オートムギ繊維、ジャガイモ繊維、エンドウ繊維、コムギ繊維、サトウキビ繊維、サトウダイコン繊維、カカオ粉末、イナゴマメ繊維、及びそれらの任意の混合物が挙げられる。好ましい一実施形態では、食物繊維は、柑橘類繊維、リンゴ繊維、オートムギ繊維及びジャガイモ繊維から選択される。一実施形態では、食物繊維は柑橘類繊維である。別の実施形態では、食物繊維はジャガイモ繊維である。他の実施形態では、不溶性の吸水性食品原材料粒子は微結晶性セルロースである。
好ましい一実施形態では、液体油脂はカカオバターである。多くの国々における食品規則が、チョコレートマスへの他の油脂の添加を制限又は禁止している中、熱帯適合化剤の液体油脂成分としてのカカオバターの使用は、チョコレート製品の製造において特に好ましい。別の好ましい実施形態では、液体油脂は、例えば、チョコレートコンパウンド又はコンパウンドでコーティングされた製品等のチョコレート類似品マスの製造に使用される油脂と同様の1種又は複数の植物性油脂を含み、熱帯適合化チョコレート類似品マスの適合性及び安定性を高める。
有利なことに、本発明の熱帯適合化剤は食品原材料から製造することができ、いかなる乳化剤、ゲル化剤、又は他の添加剤も使用する必要がない。多くの国々の食品規則は、チョコレートへの人工添加物の添加を制限又は禁止している中、有利なことに、熱帯適合化剤はチョコレートにおける使用に適している。
本発明は、チョコレート又はチョコレート類似品の完全性又は保形性を高めるのに十分な量の熱帯適合化剤を含むチョコレート又はチョコレート類似品を包含する。好ましい一実施形態では、熱帯適合化剤は、チョコレート又はチョコレート類似品に約0.1〜5重量パーセントのポリオール及び/又は水を与える。
さらに一実施形態では、(a)液体油脂に不溶性の吸水性食品原材料粒子を混合するステップと、(b)水及び/又は湿潤剤液体が分離粒子に吸収されるような、水及び/又は湿潤剤液体と吸水性食品原材料粒子との比をもたらす量で、ステップ(a)の混合物に水及び/又は湿潤剤液体を添加するステップとを含む、熱帯適合化剤の製造方法を提供する。
一実施形態では、水及び/又は湿潤剤液体が分離粒子に吸収されるような、水及び/又は湿潤剤液体と不溶性の吸水性食品原材料粒子との比をもたらす量で、水及び/又は湿潤剤液体と不溶性の吸水性食品原材料粒子とを混合するステップを含む、熱帯適合化剤の製造方法を提供する。
また、チョコレートマス又はチョコレート類似品マス、場合によりテンパリング済みチョコレートマス又は未テンパリングのチョコレート類似品マスを、本発明による熱帯適合化剤と組み合わせ、熱帯適合化チョコレートマスの構造を増大させることにより、チョコレート又はその類似品を熱帯適合化方法も提供する。好ましくは、熱帯適合化剤の量は、熱帯適合化されていないチョコレートマスと比べて、熱帯適合化マスの保形性を高めるのに十分である。
また本発明は、チョコレート製品に水及び/又は湿潤剤を加えるための、水及び/又は湿潤剤用の担体としての不溶性の吸水性食品原材料粒子の使用を包含する。別の態様では、本発明は、チョコレート製品の熱に対する形状安定性を改善するための、水及び/又は湿潤剤液体が充填された不溶性の吸水性食品原材料粒子の使用を包含する。
別の態様では、本発明は、チョコレート製品の熱に対する形状安定性を改善するための、水及び/又は湿潤剤が充填された不溶性の吸水性食品原材料物質の分離粒子を含む、熱帯適合化剤の使用を包含する。
別の態様では、本発明は、液体油脂成分と、水及び/又は湿潤剤が充填された担体成分としての不溶性の吸水性食品原材料の分離粒子とを含み、水及び/又は湿潤剤が充填された担体成分の分離粒子が液体油脂成分に分散されている、チョコレート製品の熱に対する形状安定性を改善するための、熱帯適合化剤の使用を包含する。
有利なことに、本発明の熱帯適合化剤は、チョコレートマスが従来の工業生産方法で操作され成型されるか、コーティングに使用され得るように、時間が経過しても液体チョコレートマスの粘度のいかなる有意な上昇も引き起こすことなく液体チョコレートマスに添加することができ、それと同時に、室温より上の高い温度、例えば最高40℃までの温度及びそれより高い温度であっても、改善された形状安定性を示すチョコレート製品を提供することができる。
本チョコレート製品は、油脂組成物の融解範囲よりも高い温度にさらされた場合であっても、触ると乾いていて、チョコレートの包装紙にくっつかないか、包装紙の形状に適合することがない。
有利なことに、通常のチョコレートの良好なテクスチャーと官能的特性は保持されている。このことは、本発明による熱帯適合化剤を含むチョコレート製品が、室温で食べられた場合に、通常のチョコレートで期待される官能的特性、例えば、スナップ性、口どけ、滑らかなテクスチャーを示し、浸食的な異なる(チョコレートではない)風味が一切ないことが確認されるという事実によって実証される。有利なことに、この効果は、大きな糖の結晶クラスターが関与するざらついたテクスチャー上の特質を最小限にするか又は回避しながら得られる。
有利なことに、本発明による熱帯適合化剤、及び熱帯適合化剤 チョコレート又はチョコレート類似品の製造は、工業的用途に好適な、単純でコスト効率のよい方法を使用し、厳しい条件や高価な機械類を必要としない。有利なことに、本発明の熱帯適合化剤は、ほんの数種の原材料成分が必要なだけであり、市販の食品原材料で製造することができる。高価な添加剤は必要ない。
図1は、45℃で加熱し、機械的衝撃を加えた後の本発明の一実施形態による熱帯適合化剤を含有するチョコレート製品を、対照の基準チョコレート製品と比較した図である。
図2は、45℃で加熱し、機械的衝撃を加えた後の本発明の特定の実施形態による熱帯適合化剤を含有するチョコレート製品を、対照の基準チョコレート製品と比較した図である。
図3は、基準チョコレート製品及び0.5%グリセロールを含有する基準チョコレート製品と比較した、本発明の一実施形態による熱帯適合化剤を含有する液体チョコレート製品に関する混合時のトルクを経時的に示すグラフである。
発明の詳細な説明
本発明の発明者は、驚いたことに、不溶性の吸水性食品粒子を液体チョコレートマスへの水及び/又は湿潤剤の添加に媒体として使用することができることを見出した。
また驚いたことに、その効果は、時間が経過しても液体チョコレートマスの粘度にいかなる有意な上昇もなく、チョコレートマスが従来の工業生産方法で操作され成型され、それと同時に、室温より上の高い温度、例えば最高40℃までの温度及びそれより高い温度であっても、形状安定性の改善を示す「熱帯適合化(tropicalized)」チョコレート製品が得られることである。有利なことに、通常のチョコレートで期待される官能的特性を維持しながら、かつ大きな糖の結晶クラスターが関与するざらついたテクスチャー上の特質を最小限にするか又は回避させながら、上記効果を得ることができる。
いかなる理論によっても束縛されることを望まないが、水及び/又は湿潤剤液体は不溶性の吸水性食品粒子に吸収され、それにより水及び/又は湿潤剤のチョコレートマスへの放出が遅くなると考えられる。チョコレートマスに分散されている熱帯適合化剤からの水及び/又は湿潤剤の放出によって、分散粒子の三次元構造が時間をかけて遅く発達して、液体油脂が融解するか実質的に液体であるときに油脂を保持し菓子商品の形状を維持し得る自立マトリックス(self−supporting matrix)になる。
不溶性の吸水性粒子は、固体構造を維持しながら、すなわち、分離固体粒子の構造を維持しながら吸水する能力のある、任意の適切な食品原材料物質の粒子を含み得る。不溶性の食品用粒子は、それ自体の重量の数倍の水及び/又は湿潤剤液体成分が充填されたときに、独立した固体粒子を維持する。不溶性の吸水性粒子は、水和に持ちこたえる不溶性の骨格を有し、高度な多孔質容積又は材料を膨潤させる能力を有する。水及び/又は湿潤剤液体が充填された不溶性の吸水性食品原材料粒子は、分離粒子として存在し、ゲルを形成しない。いかなる理論によっても束縛されることを望まないが、水及び/又は湿潤剤液体が充填された不溶性の吸水性食品原材料粒子は、液相で分離粒子の高密度分散系(crowded dispersion)を形成すると考えられる。
典型的な適切な原材料はセルロース系構造を含んでいる。例えば、ペクチン系成分とセルロース系成分との混合物を含む天然食物繊維は、固体構造を維持しながら良好な吸水能力を示す。本発明による不溶性の吸水性食品原材料物質の例としては、微結晶性セルロース(MCC)、及びセルロース系成分を含む食物繊維が挙げられる。好ましい実施形態によれば、不溶性の吸水性食品原材料粒子は、食物繊維の吸水性不溶性の粒子から選択される。フルーツ、野菜及び/又は穀物繊維が考えられ、例えば、柑橘類、リンゴ、キーウィの繊維、クロフサスグリ、トマト、ニンジン、オートムギ、エンドウ、ジャガイモ、イナゴマメ、サトウキビ、サトウダイコン、カカオ又はコムギの繊維、あるいは他の吸水性の不溶性の食物繊維である。本発明による食物繊維粒子の例としては、柑橘類繊維、リンゴ繊維、オートムギ繊維、ジャガイモ繊維、エンドウ繊維、及びそれらの任意の混合物が挙げられる。適切な食物繊維粒子は市販されている。好ましい一実施形態によれば、不溶性の吸水性粒子は、単独であるか、又は別の不溶性の吸水性食物繊維粒子と組み合わせた、柑橘類の繊維粒子である。他の実施形態においては、不溶性の吸水性食品原材料粒子はジャガイモ繊維である。別の実施形態では、不溶性の吸水性食品原材料粒子は微結晶性セルロースである。
適切には粒子は5〜200ミクロン、好ましくは10〜100ミクロンの平均粒度を有することができる。チョコレート又はコンパウンド中の分散粒子のサイズは、味の識別及び菓子の食味に影響を及ぼす。官能的限界(50ミクロンまで)より下の小粒子、すなわち平均粒子サイズが約50ミクロン未満の粒子、例えば、少なくとも約10ミクロン、約50ミクロン未満の平均粒度を有する粒子が好ましい。所望のサイズの粒子、例えば約50ミクロン未満の粒子は、篩分けにより市販の粉末、例えば繊維粉末から分画することができるか、又は微粉化ミルにより製造することができる。
吸水性粒子には、水、湿潤剤液体、あるいは水及び/又は湿潤剤液体の混合物を充填することができる。熱帯適合化剤は、任意の割合で水及び/又は湿潤剤を含む。一実施形態によれば、熱帯適合化剤は、水と湿潤剤液体とを1:10〜10:1w/wの水:湿潤剤の割合で、好ましくは1:2〜2:1w/wの水:湿潤剤の割合で、例えば約1:1の水:湿潤剤の割合で含む。一実施形態によれば、熱帯適合化剤は、水とポリオールとを1:10〜10:1w/wの水:ポリオールの割合で、好ましくは1:2〜2:1w/wの水:ポリオールの割合で、例えば約1:1の水:ポリオールの割合で含む。
本発明による適切な湿潤剤は食品用の湿潤剤液体である。湿潤剤は液体の形態であり、水に溶解した溶液の形態をとり得る。本発明による湿潤剤の例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、マンニトールなどのポリオール、フルクトース、デキストロース、ガラクトースなどの糖溶液、又はそれらの任意の混合物が挙げられる。一部の実施形態では、湿潤剤は糖溶液であり、特に水に溶解させた単糖の溶液であり、例えば水に溶解させたフルクトース、デキストロース、ガラクトース又はそれらの任意の混合物の溶液である。
一部の実施形態では、湿潤剤はポリオールである。好ましいポリオールはグリセロールである。しかし、例えばソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、マンニトールなどの糖アルコールなどの他のポリオールが考えられる。特定の実施形態によれば、ポリオールはグリセロール、ソルビトール、キシリトール又はその任意の混合物から選択される。別の実施形態によれば、湿潤剤液体はプロピレングリコールである。一部の実施形態によれば、湿潤剤は、例えば、グリセロールと別の湿潤剤液体、例えば、別のポリオール及び/又はプロピレングリコールとを組み合わせた、ポリオールの混合物である。
水は純粋な飲用水であるか、水溶液、例えば、炭水化物、ポリオール、塩及び/又はタンパク質の水溶液の一部として供給することができる。例えば、水は、フルーツジュースの形態で、又はミルクの形態で供給することができる。好ましい実施形態では、水は単独で、すなわち純粋な水として使用される。
親水性の吸水性粒子は、グリセロール及び/又は水を吸収及び/又は吸着することにより含有する。
熱帯適合化剤中の水及び/又はグリセロールの上限は、粒子の膨潤特性及び保水特性によってほぼ決定される。水及び/又は例えばグリセロールなどの湿潤剤液体による水和時及び可塑化時の粒子の膨潤は、充填している液体の増加とともに増大し、それによって、分散系の粒子の体積画分が増大する。粒子の受容能力を超える充填は、粒子を、水及び/又は湿潤剤液体中に包み込む危険にさらし、液体油脂成分に非分散相が形成されることを導く。したがって、そのような過剰充填は、粒子の液体を維持し保護する特性に好ましくない影響を及ぼし、液体チョコレートマスに添加する際の有意な粘度上昇を抑制する熱帯適合化剤の能力、及びチョコレート製品の形状安定性の形成に影響を及ぼす。したがって、熱帯適合化剤中の水及び/又は湿潤剤液体に対する上限は、すなわち、粒状原材料の膨潤特性及び保水特性を勘案して、選択される特定の種類の粒子によって決まる。充填している水及び/又は湿潤剤液体の下限値は、所望の形状安定性を得るのに十分なように充填される水及び/又は湿潤剤液体を得るための、チョコレート製品中の熱帯適合化剤の所望の含有量によってほぼ決定される。
適切には熱帯適合化剤は、水及び/又は湿潤剤液体成分と不溶性の吸水性食品粒子とを約1:10〜約8:1w/w、例えば約1:10〜約6:1w/w、好ましくは約1:10〜約5:1w/wの割合で含む。一実施形態では、水及び/又は湿潤剤成分と不溶性の吸水性食品粒子とは約1:5〜約5:1w/w、好ましくは約1:3〜約3:1の割合で、例えば約2:1〜約1:2の割合で存在する。
一実施形態では、熱帯適合化剤は、液体油脂成分中に親水性の吸水性粒子の分散物を含む。
液体油脂成分は、食品での使用に適している任意の植物性脂又は油であり得る。油脂成分は、その成分が添加されるチョコレート又はチョコレート類似品と適合するものでなければならない。適切な油脂としては、数ある中でもカカオバター、カカオバター類似品(CBE)、カカオバター代用品(CBS)、植物油及びバターオイルが挙げられる。適切なCBE及びCBSは幅広く市販されている。CBEの例としては、Coberine(登録商標)(Loders Croklaan)及びIllexao(登録商標)SC70(AarhusKarlshamn)が挙げられる。CBSの例としては、Palkena(登録商標)Range及びMelano(登録商標)Range(不二製油)が挙げられる。
好ましくは、液体油脂は、特に熱帯適合化剤がチョコレート製品で使用される場合、カカオバターを含む。好ましい一実施形態では、液体油脂はカカオバターであり、熱帯適合化剤は、チョコレート類似品ではなく通常のチョコレートに含まれる。
しかし、液体油脂は、特に熱帯適合化剤がチョコレート類似品で使用される場合、1種又は複数のカカオバター代用品を含むことができる。別の実施形態では、液体油脂は1種又は複数の植物性油脂、例えば非ラウリン酸植物性油脂を含んでいるのが好ましい。熱帯適合化剤がチョコレート類似品で使用される場合、植物性油脂は、熱帯適合化チョコレートマスの適合性及び安定性を高めるために、チョコレート類似品マスの製造で使用される同一油脂又は同一油脂の少なくとも一つであることが好ましい。
熱帯適合化剤中の液体油脂成分の量は、中にグリセロール及び/又は水が充填された粒子を分散させることによって、熱帯適合化剤を製造する間、粒子の自由流動性の挙動を維持するのに十分な量としなければならない。十分な量の液体油脂成分としては、一般的には熱帯適合化剤の約30〜約95重量パーセント、好ましくは約40〜約80重量パーセント、例えば、熱帯適合化剤の約50〜約70重量パーセントを挙げることができる。
一実施形態によれば、本発明による熱帯適合化剤は、(a)液体油脂成分に不溶性の吸水性食品原材料粒子を混合して分散系を形成させるステップと、(b)混合により水及び/又は湿潤剤液体成分を添加するステップとを含む、非常に単純な方法によって製造することができる。
この製造工程は、油脂成分の融点よりも上の温度で実施されなければならない。例えば、油脂成分がカカオバターである場合、40℃又はそれより上の温度であり、例えば約50℃の温度が好ましい。室温で液体である、油などの油脂成分を使用する場合、熱帯適合化剤の製造は室温で、すなわち加熱を行なうことなく実施することができる。
この工程の一態様では、一部の液体油成分中の粒子の分散は、別の部分の液体油成分中のポリオール及び/又は水成分のエマルションと混合される。
液体油成分中のポリオール及び/又は水成分の乳化は、例えば従来の混合/混和装置における撹拌で成分を単純に混合することによって実施することができる。場合により、乳化剤を添加してエマルションの形成を促進することができる。乳化剤成分は任意の適切な乳化剤であり得る。好ましくは、乳化剤成分はレシチン、例えばダイズレシチンを含む。乳化剤は、使用する際、通常、熱帯適合化剤の全重量に対して約0.001〜2重量パーセント、好ましくは約0.10〜1重量パーセント、例えば0.10〜0.5重量パーセントの量で熱帯適合化剤に存在する。
製造した熱帯適合化剤は、後の液体チョコレートマスへの添加のために、融解したままにすることができる。あるいは、熱帯適合化剤は保存及び流通のために冷却及び固化させることができ、液体チョコレートに添加するために再溶融させることができ、又は液体チョコレートに「乾燥」添加するために粒子状又はフレーク状とすることができ、その添加の際、油脂は溶融し、粒子は分散する。
代替法では、熱帯適合化剤は、液体油脂成分を添加しないで製造することができ、水及び/又は湿潤剤液体が充填された不溶性の食品粒子は、液体油脂成分中に分散を最初に形成させずに、液体チョコレートマスと混合することができる。例えば、熱帯適合化剤は、不溶性の吸水性食品粒子を水及び/又は湿潤剤液状成分と混合することにより製造することができ、それによって、不溶性の吸水性食品粒子は水及び/又は湿潤剤液体を吸収し、水及び/又は湿潤剤液体が充填される。次いで、充填された粒子は、混合により液体チョコレートマスに添加され、液体チョコレート中に充填された粒子を分散させることができる。好ましい実施形態では、不溶性の食品原材料粒子と水及び/又は湿潤剤との混合物は、液体チョコレートマスに添加される前に、不溶性の食品原材料粒子による水及び/又は湿潤剤の吸収を最適化するために、一定の時間、例えば1〜48時間平衡化されることができる。
したがって、本発明による熱帯適合化剤は、厳しい条件又はいかなる複雑な装置も必要なく、非常に単純でコスト効率の良い方法で製造することができる。
本発明の熱帯適合化剤は、チョコレート及びチョコレート類似製品内に分散させて、高温、例えば最高で約40℃までの温度であっても、得られるチョコレート製品の保形性を改善することができる。熱帯適合化剤の一時的に封入された水及び/又は湿潤剤液体成分は、チョコレート又はその類似品内に粒子担体とともに分散される。液体油脂成分に分散された、水及び/又は湿潤剤液体を充填された食品粒子を添加することによって、親水性液体チョコレートマス中の充填粒子を容易に効率的且つ均一に分散させる。理論によって束縛されるものではないが、チョコレートマスに分散されている熱帯適合化剤からの水及び/又は湿潤剤が遅れて放出されることによって、分散粒子の三次元構造が、液体油脂が融解するか実質的に液体であるときにその油脂を保持し、菓子商品の形状を維持し得る自立マトリックスに発達し、それによって、例えば最高約40℃までの高温であってもチョコレート製品の構造が維持されると考えられる。
熱帯適合化剤は、手動撹拌及び/又は標準の従来の混合装置の使用のいずれかの撹拌によって、液体チョコレートに添加され分散させることができる。有利なことに、脂質ベースの熱帯適合化剤は、液体チョコレートに容易に分散され、液体チョコレートマス中の食品粒子の実質的に均一且つ均質な分散が得られる。
熱帯適合化剤は、チョコレートのテンパリング前、テンパリング後、又はテンパリングと一緒に、液体チョコレートに添加することができる。剤を添加した後のチョコレート粘度の上昇は、(手動若しくは機械によって、熱的に/機械的に、又はシーディング剤若しくは予備結晶化したチョコレートマスの添加によって)テンパリングする工程が可能となる程度まで遅くなり、その後にチョコレートの操作を不可能にすることもなく、またテンパリング用の機械及びそれに関連するパイプやポンプを塞ぐこともない。
液体チョコレートマスに本発明の熱帯適合化剤を添加する際の水及び/又は湿潤剤液体の放出は、数時間にわたって、液体チョコレートマスの粘度の有意な上昇を回避するのに十分なほどにゆっくりであり、熱帯適合化食品を従来の工業プロセスによる成型製品又はコーティング製品の製造において使用するのに適したものとする。「有意な上昇」とは、従来の成型工程又はコーティング工程を妨げる粘度の上昇を意味する。好ましくは、粘度の上昇は約20パーセント未満、更に好ましくは約10パーセント未満である。
チョコレートマス又はコンパウンドマスに添加される剤の割合は、所望の時間内で適切な熱安定性の改善を得るのに必要とされる水及び/又は湿潤剤液体の量を基準とする。一般的に、完成チョコレート製品中の水及び/又は湿潤剤の適切な含有量は、チョコレート製品の全重量に対して約0.1〜約5重量パーセントの範囲であり得る。好ましい実施形態では、熱帯適合化剤は、最終チョコレート製品中の水及び/又は湿潤剤の含有量が約0.5%〜約3%、さらに好ましくは約0.5%〜約2%wt/wtとなるような量でチョコレートマスに添加される。
非常に多量の熱帯適合化剤の添加、又は、微粒子担体成分に対し水及び/又は湿潤剤液体成分が非常に高比率である熱帯適合化剤の添加は、特にこれらの要因が重なって存在する場合、製品を成型、コーティング又はその両方に適するようにするためには急速すぎる粘度の上昇の原因となる傾向があり得る。熱帯適合化剤の添加が非常に少量である場合、所望の熱形状安定特性を発揮するのにかかる時間に遅延が生じ、又は所望の熱安定特性を得るのに失敗する可能性がある。そのような濃度及びサイズは、本明細書に記載の本発明が参照されたならば、当業者により慣用の実験操作によって容易に決定することができる。
一実施形態によれば、熱帯適合化剤を添加する出発チョコレートマスの油脂含量、例えばカカオバター含量は、所望の油脂含量を有する最終チョコレート製品を生産するために、熱帯適合化剤の油脂含量、例えばカカオバター含量がもたらす油脂残量分だけ、所望の最終油脂含量と比べて低減される。
有利なことに、本発明による熱帯適合化剤を含んで得られるチョコレート製品は、高温で、例えば40℃のような高温であっても包装材料にくっつかないか、又は包装材料の形状に適合することがなく、好ましくない外観又は食感をもたらさず、チョコレート又はその類似品にブルームの好ましくない現象をもたらさない。さらに、熱帯適合化チョコレート及びチョコレート類似品は、熱帯適合化剤を含んでいない、対応する通常のチョコレート又はチョコレート類似品製品と比較すると、40℃のような高温であっても、高温での保形性が改善されていた。本発明で得ることができる別の利点は、なお良好な熱帯適合化の効果を得ながらも、水及び食物繊維などの従来の自然食品原材料のみを使用することができることである。有利なことに、本発明の熱帯適合化剤は、チョコレート製造の食品規則下で許可されている成分だけを使用することができることから、通常のチョコレートでの使用に適する。
熱帯適合化剤は、すべての種類のチョコレート、例えばホワイトチョコレート、ミルクチョコレート、ダークチョコレート若しくはすべての中間製品、又はすべての種類のチョコレート類似品、例えばコーティングコンパウンドに添加することができる。耐熱性は、粒子網目構造の構成成分の充填及び近接により、糖、及び粒度が細かいミルク粒子状固体を高い割合で含み、かつ油脂含量が比較的低いマス中で最も効果的に生じることが予想され得る。
本発明の熱帯適合化剤を含むチョコレート及びチョコレート類似品は、暑い気候が原因でチョコレート、チョコレート類似品の頻繁な又は急速な融解を生じる熱帯諸国で有利に使用される。例えば、薄くて急速に溶けやすいコーティング及びカバーを含むチョコレート類似品は、本発明の熱帯適合化剤を使用すると、驚くことに有利に製造することができる。本発明の熱帯適合化剤を含む食品は、べたべたしないままであるため、包装材料からスムースに取り出され、食べている間に消費者の指に食品が残らない。
本明細書で使用する「熱帯適合化剤」という用語は、一般に、熱帯適合化剤が添加された熱帯適合化食品中の安定性又は構造的な完全性を高める、本発明による適切な物質を意味する。この構造的な完全性は、一般的には、短い保存期間の間に形成され、熱帯適合化剤が添加される1種又は複数の食品を、例えば最高で約40℃の熱帯温度下であっても、実質的な又は完全な固体を維持するか溶融しないようにすることができる。したがって、「熱帯適合化剤」という用語は、食料に保形性、耐熱性、好ましくはその両方の特性を提供する原材料を含む。好ましくは、熱帯適合化剤という用語は、熱帯適合化剤が加えられる食品の粘度のいかなる実質的な上昇も遅らせる又は回避する適切な物質を意味し得る。
本明細書で使用される「約」という用語は、一般に、一連の数字における両方の数を意味するものと理解されたい。さらに、本明細書のすべての数字の範囲は、範囲内のそれぞれのすべての整数を包含するものと理解されたい。
本出願に引用されているすべての特許文献及び非特許文献は、引用によってその全体を参照により援用するものとする。
ここで、限定されるものではない以下の実施例において、本発明をさらに詳細に開示する。
実施例1:グリセロールを含む、本発明の一実施形態による熱帯適合化剤の製造
熱帯適合化剤を以下の組成で製造した。
カカオバター 3部 50%
ヘルバセルAQプラスシトラスファイバー(Herbacel AQPlus Citrus Fibre) 1部 17%
グリセロール 2部 33%
100gの乾燥シトラスファイバー粉末を、中間速度設定で2分間作動する高剪断固定子回転子ベンチトップミキサー(Silverson Machines Ltd, Chesham, Bucks, U.K. Model:L2R)を使用して、55℃の温度で300gの溶融カカオバターに分散させた。
200gのグリセロールを55℃まで温め、連続的な高速混合により繊維分散系に徐々に増やしながら加えた。3つのすべての成分の均質ミックスが調製され、グリセロールは繊維粒子の分散系に均一に分布した。グリセロール添加時の混合の合計時間は15分であった。
この混合物を冷却し、周囲温度で固化させた。あるいは、混合物は、その後の使用に備えて温かい状態で(例えば約50℃で)保存することができる。
実施例2:水を含む、本発明の一実施形態による熱帯適合化剤の製造
熱帯適合化剤は、以下の組成で製造した。
カカオバター 3部 50%
ヘルバセルAQプラスシトラスファイバー 1部 17%
水 2部 33%
100gの乾燥シトラスファイバー粉末を、最高速度で作動するケンウッドマルチ−プロ(Kenwood Multi−Pro)フードプロセッサーのミキサーポットにおいて、55℃の温度で300gの溶融カカオバターに分散させた。
200gの飲用水を55℃に温め、高速混合を維持しながら、繊維の分散系に徐々に増やしながら加えた。3つのすべての成分の均質なミックスが得られ、水は繊維粒子の分散系に均一に分布した。水添加時の混合の合計時間は15分であった。
混合物は、その後の使用に備えて温かい状態で(50℃)保存した。
あるいは、混合物は、例えば周囲温度で、冷却し固化させることができる。
実施例3:水及びグリセロールを含む本発明の一実施形態による熱帯適合化剤の製造
熱帯適合化剤は、以下の組成で製造した。
カカオバター 3部 50%
ヘルバセルAQプラスシトラスファイバー 1部 16.7%
水 1部 16.7%
グリセロール 1部 16.7%
100gの乾燥シトラスファイバー粉末を、最高速度で作動するケンウッドマルチ−プロフードプロセッサーのミキサーポットにおいて、55℃の温度で300gの溶融カカオバターに分散させた。
100gの飲用水と100gのグリセロールをボウル中で手動撹拌によって混合し、55℃に温めた。
水/グリセロールミックスは、高速混合を維持しながら、繊維分散系に徐々に増やしながら添加した。3つのすべての成分の均質なミックスが調製され、水及びグリセロールは繊維粒子の分散系に均一に分布した。水及びグリセロール添加時の混合の合計時間は15分であった。
混合物は、その後の使用に備えて温かい状態で(50℃)保存した。あるいは、混合物は、例えば周囲温度で、冷却し固化させることができる。
実施例4:グリセロールを含む、本発明の一実施形態による熱帯適合化剤の製造
熱帯適合化剤は、以下の組成で製造した。
1)カカオバター 1.5部 30%
ヘルバセルAQプラスシトラスファイバー 1部 20%
2)カカオバター 1.5部 30%
グリセロール 1部 20%
レシチン 1%
1)シルバーソン(Silverson)ミキサーを使用して、200gの繊維を50℃の300gのカカオバターに分散させ、分散系を形成させた。
2)最高速度でシルバーソンミキサーを使用し、200gのグリセロールを50℃の300gのカカオバターに乳化させた。全ミックスの約1%に等しい少量のレシチンを使用してエマルションの形成を促進した。
3)エマルションは、5秒間、ボウルでのスパチュラを用いた手動撹拌による撹拌下で、分散系に絶え間なく注ぎ入れた。撹拌は1分間継続して均質な分散を確実にした。
3つのすべての成分の均質なミックスを調製し、グリセロールを繊維粒子中に均一に分布させた。混合物は、チョコレートで使用する前に静置して温かい状態(50℃)で保存した。あるいは、混合物は、例えば周囲温度で、冷却し固化させることができる。
実施例5:実施例1による熱帯適合化剤を含有するチョコレート製品の経時的な粘度変化
doughLAB(Newport Scientific)粘度試験装置を使用して、液体チョコレートに熱帯適合化剤を添加した後の見かけ粘度の変化を観察した。異なる3つの試料について試験した。
(i)テンパリングしたミルクチョコレート
(ii)0.5%グリセロール(wt/wt)が直接添加された、テンパリングしたミルクチョコレート
(iii)1%グリセロール(wt/wt)の濃度まで実施例1による本発明の熱帯適合化剤が添加された、テンパリングしたミルクチョコレート。
テンパリングしたミルクチョコレートを、30℃に維持したdoughLAB(Newport Scientific)粘度試験装置に装填し、30r.p.mの固定速度でのマシンの回転混合部で生じるトルクの関数として、その粘度を経時的にモニターした。
30℃で維持したdoughLAB(Newport Scientific)粘度試験装置において同一条件下で、テンパリングしたミルクチョコレートの同一バッチから得た試料を用いて、同じ測定を行なった。しかし、(a)は、試験開始時(時間=0)に粘度試験装置の機器中のチョコレートに0.5%グリセロール(重量パーセント)を直接加え、(b)は、試験開始時(時間=0)に実施例1により調製した熱帯適合化剤を添加することによって、1%グリセロール(重量パーセント)を加えた。
結果を図3に示す。この図はトルク(mN・m)を経時的(秒)に示す。一番上のプロットは、0.5%グリセロールを直接添加したチョコレートを示し、中央のプロットは基準チョコレートを示し、一番下のプロットラインは、実施例1により調製した熱帯適合化剤(1%グリセロール)を添加したチョコレートを示す。
1時間にわたり、低撹拌下では、基準チョコレートは粘度上昇をほとんど示さなかったことがわかる。明らかに対照的に、0.5%グリセロールを添加すると、粘度が急激に上昇してピークが生じ、ペースト状マスがさらに煎断され作用されるにつれて、その後マシンのトルクが低下する。また明らかに対照的に、実施例1の熱帯適合化剤の添加によって加えられた1%グリセロールを含む試料は、熱帯適合化剤を添加した後、1時間の試験期間に対して、無視してもよい粘度上昇が示された。
実施例1の熱帯適合化剤の添加によって加えられた1%グリセロールを含むチョコレートは、工業的チョコレート製造法で操作し成型させることができる程十分に低い粘度を保持することが明らかである。対照的に、0.5%グリセロールの直接添加によって生じる粘度の急増は、従来の工業プロセスでそのようなチョコレートを操作し成型することが困難である。
次いで、実施例1の熱帯適合化剤の添加によって加えられた1%グリセロールを含むチョコレートは、熱安定性に関する後続の試験のために、doughLAB容器から注ぎ出し、チョコレートタブレットに成型した。
実施例6:本発明による熱帯適合化チョコレート製品の熱安定性
保形性の測定
高温に対するチョコレート対象品の形状及びサイズ安定性の評価に用いる技術は、次を含む。
(i)同一寸法の型に注ぎ入れることにより液体チョコレート試料(基準チョコレートと、本発明による異なる1種又は複数の実施形態の熱帯適合化剤を含む熱帯適合化チョコレート)から標準寸法のバーを成形し、冷却及び固化させる。
(ii)チョコレートバーを型から取り出し、加熱する前に固形チョコレートバーの寸法(長さ×幅)を測定する。
(iii)水平な金属トレー上のチョコレートバーを40℃まで、脂質マトリックスを完全に溶融するのに適切な時間、加熱する(これらの試験では1時間加熱した)。
(iv)次いで、下方への垂直な反復力衝撃の機械的衝撃に試料をさらす。チョコレートを冷却して再度固化させ、次いで、加熱処理後の試料チョコレート製品の広がりを完全に含む最小限の長方形領域の寸法を測定する。
(v)保形性指数SRI(l×w)/(l×w)及び/又は形状安定度指数(SI)を計算する。
Figure 2014526267

式中、l及びwは加熱前のバーの長さ及び幅であり、l及びwは、加熱及び衝撃試験を行なった後の試料を完全に含有している最小限の長方形領域の長さ及び幅寸法であり、上付けのcは対照の基準試料を示し、tは試験サンプルを示す。
図1は、加熱処理及び機械的衝撃処理の後の、基準ミルクチョコレートバー(左)と熱帯適合化剤を含有する試験ミルクチョコレートバー(右)の写真図面である。
標準チョコレートは形状の完全性をすべて失い、トレーを横切って広がるが、ある程度の熱安定性を有するチョコレートはそのような変形に耐えて、いくらか形態を保持することがわかった。最初に成型した試料の寸法を標準化し、試験後の試料の広がりを完全に含む最小限の長方形領域を測定することによって、基準に対する又は最初に成型した寸法に対する形状安定性の程度を表すための指数を導くことができる。
記載した試験方法は、すべての研究室で使用可能な定量的な保形性指数(SRI)をもたらし、特別なレオメトリーを必要としない。SRI値が1単位よりも高くなるほど、熱形状安定性の程度は低くなる。
最初の試験では、テンパリングした標準ミルクチョコレート(基準試料)と実施例1による熱帯適合化剤の添加により加えた1%グリセロールを含むチョコレートとをdoughLAB試験装置での測定後に成型させ(実施例5による)、1週間28℃での保存下で熟成させた。
成型したタブレットは、寸法が100×22×7mmであった。したがって、ベース領域は2200mmであった。
熱処理及び機械的衝撃試験の後、基準試料は、115×37mmの最小長方形サイズで囲まれる寸法まで広がり、したがって4255mmであった。一方、熱帯適合化剤を含有する試料は、試験後に2900mmの長方形の中に含まれていた。
異なる領域を比率で示し有用な指数を得ることができる。例えば、試験試料は最初のタブレットサイズに対して(l×w)/(l×w)(式中、l及びwは加熱前のバーの長さ及び幅であり、l及びwは加熱及び衝撃試験後の試料を完全に含有している最小長方形領域の長さ及び幅寸法である。)の保形性指数(SRI)を有すると表すことができる。この場合、2900:2200によって1.32の指数(SRI)が得られる。一方、基準試料は1.93の指数(SRI)を有する。完全な形状安定性の試料は、SRI指数が1である。SRI値が1単位よりも大きく高いほど、試料の安定性は小さくなる。
あるいは、試験試料の形状安定性は、加熱及び衝撃試験後の基準試料の安定性に対する形状安定度指数(SI)として評価することができる。それによれば、試験試料はその基準に対して4255:2900の安定性であり、形状安定度指数(SI)は1.47である。SIが1の試験試料は、基準試料と同程度の形状安定性を有する。SI比率が高くなるほど、試験試料の熱形状安定性は大きくなる。
実施例7:熱帯適合化チョコレート製品の熱安定性の改善
さらなる安定性の結果並びに熟成期間及び温度の効果。
異なる4つの試料について試験した。
(i)テンパリングしたミルクチョコレート
(ii)実施例1による本発明の熱帯適合化剤を2%グリセロール(wt/wt)の濃度まで添加した、テンパリングされたミルクチョコレート
(iii)実施例2による本発明の熱帯適合化剤を2%の水(wt/wt)の濃度まで添加した、テンパリングされたミルクチョコレート
(iv)実施例3による本発明の熱帯適合化剤を1%のグリセロール(wt/wt)の濃度と1%の水(wt/wt)の濃度まで添加した、テンパリングされたミルクチョコレート。
実施例1による60gの熱帯適合化剤を、20分間の連続的な手動による混合によって、940gのテンパリングされたミルクチョコレートに30℃で加え、2%のグリセロールを含有する試料を得た。熱帯適合化剤は液体チョコレートに容易に分散した。実施例2及び実施例3の熱帯適合化剤を用いて、2%の水、及び1%の水/1%グリセロールにそれぞれ等しいさらなる試料を同様の方法で調製した。
チョコレートに一定用量の熱帯適合化剤を添加して(最終チョコレート製品に対して)約1〜2重量%のグリセロール及び/又は水の用量を含有させると、添加した後、最高1時間又はそれ以上の撹拌を伴った長時間保存であっても、油脂連続体の凝固温度よりも高く維持されているチョコレートの粘度上昇は最小限であることがわかった。その結果、このチョコレートは、従来の充填及び成型によって使用及び成形するための適性を保持していた。
それぞれの試験試料及び基準試料の成型タブレット(100×22×7mm)はヒートシールされたラミネートフィルムで包装し、28℃/60%相対湿度(RH)で加熱器に保存した。実施例6の条件下での安定性試験は、0、1、2及び4週間の成熟後の時間に実施した。
図2は、2週間28℃/60%相対湿度(RH)で熟成させた試料に対して、加熱処理及び機械的衝撃処理を行なった後の、基準ミルクチョコレートバー(左)と熱帯適合化剤を含有する試験ミルクチョコレートバー(右)との写真図面である。
下記の表1は、基準のテンパリングされたミルクチョコレート(i)と比較した、実施例1−3(ii)、(iii)及び(iv)にそれぞれ記載の剤を含有するチョコレートに関する形状安定性試験の結果を示す。
Figure 2014526267
結果は、製造後、熟成0時間で試験した場合であっても、基準のミルクチョコレート試料と比較して、本発明による熱帯適合化剤を含有するすべての試料の熱安定性が改善されたことを示す。形状安定性は、グリセロール/水の放出と熱安定性の発現のきっかけとなる追加のいかなるステップも必要とすることなく、速やかに得られることがわかる。
すべての試料において、時間の経過とともに形状安定性が改善されたことが結果からわかる。水が追加されたチョコレートは、基準に対して極めて速やかに安定性を示すが、グリセロールの試料とグリセロール及び水の試料は高い耐性を得るのがより遅かった。28℃/60%相対湿度(RH)で熟成させた1週間後に、試験試料は完全な熱安定性が得られた。熟成を促進する条件下での極めて長い熟成の後では、熱安定性の程度は、基準試料及び試験試料のすべてにおいて低下するように思われた。
実施例8:プロピレングリコールを含む、本発明の一実施形態による熱帯適合化チョコレート製品の熱安定性
熱帯適合化剤は、以下の組成で製造した。
カカオバター 300g
ヘルバセルAQプラスシトラスファイバー 100g
湿潤剤 200g
レシチン 2.5g。
2つの試料を次の異なる湿潤剤を用いて調製した。(i)湿潤剤としてのグリセロールと(ii)湿潤剤としてのプロピレングリコール。
1)300gのカカオバター(溶融させたもの)を、20秒間ケンウッドフードプロセッサー中の2.5gのヒマワリレシチンと混合させた。
2)100gのシトラスファイバーを混合物に加え、60秒間混合した。
3)200gの湿潤剤(グリセロール又はプロピレングリコール)を、確実に均質な分散が得られるように連続的に混合しながら、蠕動ポンプを介して30分間滴下して添加した。
両ケースにおいて、3つの成分すべての均質なミックスが調製され、湿潤剤は繊維粒子中に均一に分布した。このミックスを、液体チョコレートに添加する前に、12時間、温保存(45℃)にて静置した。
あるいは、混合物は、例えば周囲温度で、冷却し固化させることができる。
そのようにして調製した90gの熱帯適合化剤は、ジャケット型撹拌器内で105rpmでの連続混合により、1.41kgのテンパリングされたチョコレートコンパウンドに45℃で60秒かけて加えた。撹拌は15分間45℃及び105rpmで継続した。
以下のチョコレートコンパウンドを使用した。
糖 45.7%w/w
植物性油脂 29%w/w
脱脂粉乳 20%w/w
カカオ粉末 5%w/w
レシチン 0.3%w/w
合計 100%w/w
チョコレートコンパウンドにグリセロール又はプロピレングリコールのいずれかを含む熱帯適合化剤を添加した場合、添加後、最高1時間又はそれ以上の時間撹拌しながら長時間保存した場合であっても、コンパウンドの粘度上昇は最小限であることがわかった。その結果、このコンパウンドは従来の充填及び成型により使用及び成形するための適性を維持していた。
次いで、グリセロール又はプロピレングリコールを含む熱帯適合化剤を添加したチョコレートコンパウンドは、後続の熱安定性に関する試験のために、試料ポットで成型された。試料ポットを密閉し、5分間5℃で冷却した。次いで、試料は20時間、オーブン内で45℃にて密閉ポット中で保管された。次いで、試料を室温まで冷却し、その後2時間、45℃に供してから熱安定性試験に用いた。
異なる熱帯適合化剤を含むコンパウンド試料の熱安定性は、テクスチャー分析器で分析した。試験は、40mmの後部押し出しディスクが取り付けられたステーブルマイクロシステムズ(Stable Microsystems)TA.XTテクスチャー分析器で実施した。0.1Nのトリガー力で1.00mm/sの速度にて、2.5mmまでの貫入深度を測定した。テクスチャー分析器によって測定される最大力が高くなるほど(最大力=試料中深さ2.5mmまで40mmディスクを貫入させるために必要な力)、コンパウンド試料は堅くなり、したがって、コンパウンド試料の熱安定性がより高くなる。
グリセロール及びプロピレングリコールで調製したコンパウンド試料に関する結果を下記の表2に示す。
Figure 2014526267
結果から、湿潤剤としてのプロピレングリコールの使用により、湿潤剤としてのグリセロールと同様な良好な熱安定性の特性が得られることがわかった。
実施例9:本発明の他の実施形態による熱帯適合化剤の製造
熱帯適合化剤は、以下の組成で製造した。
ヘルバセルAQプラスシトラスファイバー 100g
グリセロール 200g
1)100gのシトラスファイバーを200gのグリセロールに加え、手動で混合することにより確実に均一分散させた。
2)混合物を5時間45℃で保存し、砕けやすい固体状マスを取得し、次いで、このマスを300ミクロンの篩に通した。
3)次いで、篩にかけた43gの固体を1.44kgのチョコレートコンパウンドに分散させ、5分間手動で混合した。
チョコレートコンパウンドに実施例9の熱帯適合化剤を添加した場合、コンパウンドの粘度は、実施例8により製造したグリセロールを含む対応する熱帯適合化コンパウンドの粘度とほぼ同じであることがわかった。その結果、このコンパウンドは従来の充填及び成型により使用及び成形するための適性を維持していた。
このようにして得られた熱帯適合化コンパウンドマスの熱安定性は、実施例8に記載のようにして試験し、グリセロールを含む実施例8の試料と比較したところ、対応する熱安定性が得られたことが示された。
Figure 2014526267
実施例10:本発明の実施形態による異なる熱帯適合化剤を含む、熱帯適合化チョコレート製品の熱安定性
異なる担体原材料を含む熱帯適合化剤の試料は、下記のように製造した。
カカオバター 300g
担体原材料 100g
グリセロール 200g
レシチン 2.5g
1)300gのカカオバター(溶融したもの)を、20秒間、ケンウッドフードプロセッサー内で2.5gのヒマワリレシチンと混合させた。
2)100gのシトラスファイバーを混合物に加え、60秒間混合した。
3)200gのグリセロールを、均一分散を確実にするため連続的に混合しながら、蠕動ポンプを介して30分間滴下して加えた。
ミックスを、液体チョコレートに添加する前、12時間、温保存(45℃)にて静置した。
コンパウンドの試料は実施例8で記載したプロトコルに従って製造し、熱安定性を試験した。結果を下記の表4に示す。
Figure 2014526267
上記から、不溶性の柑橘類繊維、ジャガイモ繊維、微結晶性セルロース、オートムギ繊維、リンゴ繊維、コムギ繊維及びサトウダイコンを含む熱帯適合化剤を用いて製造されたコンパウンド試料は、すべて同様の良好な熱安定性特性を示したことがわかるであろう。

Claims (16)

  1. チョコレート製品に水及び/又は湿潤剤を加えるための、水及び/又は湿潤剤用の担体としての、不溶性の吸水性食品原材料粒子の使用。
  2. 水及び/又は湿潤剤液体が充填された不溶性の食品原材料物質の分離粒子を含む、熱帯適合化剤。
  3. 液体油脂成分と、前記液体油脂成分中に分散させた、水及び/又は湿潤剤液体を充填した不溶性の吸水性食品原材料物質の複数の分離粒子とを含む、請求項2に記載の熱帯適合化剤。
  4. 前記不溶性の吸水性食品原材料粒子が食物繊維を含む、請求項2又は3に記載の熱帯適合化剤。
  5. 前記食物繊維が柑橘類繊維、リンゴ繊維、オートムギ繊維、ジャガイモ繊維、エンドウ繊維又はそれらの任意の混合物からなる群から選択される、請求項4に記載の熱帯適合化剤。
  6. 前記吸水性食品原材料粒子が柑橘類繊維粒子を含む、請求項2〜5のいずれか一項に記載の熱帯適合化剤。
  7. 水及び/又は湿潤剤液体と、前記不溶性の吸水性食品粒子とを、1:10〜8:1w/w、好ましくは1:10〜5:1w/wの割合で含む、請求項2〜6のいずれか一項に記載の熱帯適合化剤。
  8. 前記湿潤剤液体がポリオールである、請求項2〜7のいずれか一項に記載の熱帯適合化剤。
  9. 前記湿潤剤液体がグリセロールである、請求項8に記載の熱帯適合化剤。
  10. 30〜95重量パーセントの液体油脂成分を含む、請求項2〜9のいずれか一項に記載の熱帯適合化剤。
  11. 前記食品原材料粒子が50ミクロン未満の平均粒径を有する、請求項2〜10のいずれか一項に記載の熱帯適合化剤。
  12. 前記液体油脂成分がカカオバター、カカオバター類似品、カカオバター代用品、植物油及びバターオイル又はそれらの任意の混合物からなる群から選択される、請求項2〜11のいずれか一項に記載の熱帯適合化剤。
  13. 前記液体油脂成分がカカオバターである、請求項2〜12のいずれか一項に記載の熱帯適合化剤。
  14. チョコレート製品の全重量に対して0.5〜10%w/wの請求項2〜13のいずれか一項に記載の熱帯適合化剤を含む、熱帯適合化チョコレート製品。
  15. (a)液体油脂に不溶性の吸水性食品原材料粒子を混合するステップと、(b)水及び/又は湿潤剤液体が前記粒子に吸収されるような、水及び/又は湿潤剤液体と吸水性食品原材料粒子との比をもたらす量で、ステップ(a)の混合物に水及び/又は湿潤剤液体を添加するステップとを含む、請求項2〜14のいずれか一項に記載の熱帯適合化剤の製造方法。
  16. チョコレート又はチョコレート類似品の液体マスに請求項2〜11のいずれか一項に記載の熱帯適合化剤を加えるステップを含む、チョコレート製品の熱形状安定性の改善方法。
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