JP2014215477A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 下引き層と電荷発生層との界面での密着性が向上し、ゴースト現象が低減された電子写真感光体を提供する。
【解決手段】 電子写真感光体の下引き層が、式(1)で示される化合物と、架橋剤とを含む組成物の硬化物を含有する。
【選択図】 なし
【解決手段】 電子写真感光体の下引き層が、式(1)で示される化合物と、架橋剤とを含む組成物の硬化物を含有する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
現在、プロセスカートリッジや電子写真装置に用いられる電子写真感光体としては、有機光導電性物質(電荷発生物質)を含有する電子写真感光体が主流である。電子写真感光体は、一般的に、支持体および支持体上に形成された感光層(電荷発生層、電荷輸送層)を有する。そして、支持体側から電荷発生層側への電荷注入を抑制し、黒ポチなどの画像欠陥の発生を抑えることを目的として、支持体と電荷発生層との間に下引き層が設けられていることが多い。
近年、電荷発生物質は、より高い感度を有するものが用いられている。しかしながら、電荷発生物質が高感度化するのに伴い、電荷の発生量が多くなることにより電荷が電荷発生層中に残留しやすいという課題があった。
このような電荷発生層中の電荷の残留を抑制する技術として、下引き層に電子輸送物質を含有させて、電荷発生層側から支持体側へ電子の移動をスムーズにする技術が知られている。また、下引き層上に形成する電荷発生層の形成時に電子輸送物質が溶出してしまわないようにするため、下引き層に電子輸送物質を含有させる場合は、下引き層が電荷発生層用塗布液の溶剤に対して難溶である硬化性材料を用いる技術が知られている。特許文献1には、下引き層に非加水分解性重合性官能基を有する電子輸送物質の硬化物を含有させることが開示されている。
しかしながら、本発明者らの検討の結果、特許文献1に開示された技術は、下引き層が硬化物を含有することで、下引き層と電荷発生層との界面において密着性が低下して、ゴースト現象が生じやすくなる場合があり、密着性に改善の余地があることが分かった。ゴースト現象とは、具体的には、出力画像中、前回転時に光が照射された部分のみ濃度が濃くなる、いわゆるポジゴーストという現象である。
本発明の目的は、下引き層と電荷発生層との界面の密着性が向上し、ゴースト現象が低減された電子写真感光体、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
支持体、該支持体上に形成された下引き層、および該下引き層上に形成された電荷発生層、該電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有する電子写真感光体にであって、
該下引き層が下記式(1)で示される化合物と、架橋剤とを含む組成物の硬化物を含有することを特徴とする電子写真感光体に関する。
該下引き層が下記式(1)で示される化合物と、架橋剤とを含む組成物の硬化物を含有することを特徴とする電子写真感光体に関する。
(式(1)中、
R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルケニル基を示す。アルキル基の炭素原子の1つは、チオエーテル基で置き換わってもよい。アルケニル基の炭素原子は、チオエーテル基で置き換わってもよい。R5は、メチン基、ベンゼンから水素原子3つを除いて導かれる3価の基、またはシクロヘキシレンから水素原子3つを除いて導かれる3価の基を示す。該置換アルキル基の置換基、該置換のアルケニル基の置換基は、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、または、フェ二ル基である。
R1〜R4の少なくとも1つは、ヒドロキシ基、ヒドロキシ基置換アルキル基、またはヒドロキシ基置換アルケニル基であり、
R1〜R4の少なくとも1つは、炭素原子が該チオエーテル基に置き換わった置換もしくは無置換のアルキル基、炭素原子がチオエーテル基に置き換わった置換もしくは無置換のアルケニル基である。)
R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルケニル基を示す。アルキル基の炭素原子の1つは、チオエーテル基で置き換わってもよい。アルケニル基の炭素原子は、チオエーテル基で置き換わってもよい。R5は、メチン基、ベンゼンから水素原子3つを除いて導かれる3価の基、またはシクロヘキシレンから水素原子3つを除いて導かれる3価の基を示す。該置換アルキル基の置換基、該置換のアルケニル基の置換基は、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、または、フェ二ル基である。
R1〜R4の少なくとも1つは、ヒドロキシ基、ヒドロキシ基置換アルキル基、またはヒドロキシ基置換アルケニル基であり、
R1〜R4の少なくとも1つは、炭素原子が該チオエーテル基に置き換わった置換もしくは無置換のアルキル基、炭素原子がチオエーテル基に置き換わった置換もしくは無置換のアルケニル基である。)
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジに関する。
また、本発明は、上記電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置に関する。
本発明によれば、下引き層と電荷発生層との界面の密着性が向上し、ゴースト現象が低減された電子写真感光体、ならびに、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
本発明は、電子写真感光体の下引き層が下記式(1)で示される化合物と、架橋剤とを含む組成物の硬化物を含有することを特徴とする。
式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルケニル基を示す。アルキル基の炭素原子の1つは、チオエーテル基で置き換わってもよい。アルケニル基の炭素原子は、チオエーテル基で置き換わってもよい。R5は、メチン基、ベンゼンから水素原子3つを除いて導かれる3価の基、またはシクロヘキシレンから水素原子3つを除いて導かれる3価の基を示す。該置換アルキル基の置換基、該置換のアルケニル基の置換基は、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、または、フェ二ル基である。なお、チオエーテル基に置き換わるアルケニル基の炭素原子は、炭素−炭素二重結合を構成する炭素原子以外の炭素原子である。
R1〜R4の少なくとも1つは、ヒドロキシ基、ヒドロキシ基置換アルキル基、またはヒドロキシ基置換アルケニル基であり、
R1〜R4の少なくとも1つは、炭素原子が該チオエーテル基に置き換わった置換もしくは無置換のアルキル基、炭素原子がチオエーテル基に置き換わった置換もしくは無置換のアルケニル基である。
R1〜R4の少なくとも1つは、炭素原子が該チオエーテル基に置き換わった置換もしくは無置換のアルキル基、炭素原子がチオエーテル基に置き換わった置換もしくは無置換のアルケニル基である。
本発明の下引き層を有する電子写真感光体が、下引き層と電荷発生層との界面の密着性が向上し、ゴースト現象が低減される理由について、本発明者らは、以下のように推測している。
上記式(1)で示される化合物は、R1〜R4の少なくとも1つにチオエーテル基を有することにより、硬化物中の弾性が向上すると推測している。弾性が向上することで下引き層が変形しやすくなり、クリーニングなどの電子写真感光体に接触する部材による外的衝撃を下引き層の変形によって充分に吸収していると考えられる。一方、下引き層の弾性が小さいと、下引き層が変形しにくくなって、外的衝撃を吸収することが十分でなくなると考えられる。これによって、外的衝撃のエネルギーが電荷発生層の剥離という形でエネルギーが散逸してしまうものと考えている。
具体的には、チオエーテル基を有する基の伸縮運動が弾性を高めていると考えている。さらに硬化物中において、チオエーテル基は、アルキル基あるいはアルケニル基の炭素原子の1つがチオエーテル基(−S−)に置き換わっていることにより、高い弾性が得られることができると推測している。
また、下引き層以外の層(具体的には、電荷発生層)の材料を変更しても、本発明の下引き層の弾性が向上しているため、下引き層と電荷発生層との界面における密着性は高まるものと考えられる。
上記式(1)において、アルキル基、およびアルケニル基は、炭素数が1〜5のアルキル基、および炭素数が1〜5のアルケニル基であることが、密着性の向上という観点でより好ましい。アルキル基、アルケニル基の炭素原子の1つがチオエーテル基で置き換わる場合は、炭素数が2〜4のアルキル基、炭素数が2〜4のアルケニル基が好ましい。
前記置換アルキル基の置換基、該置換のアルケニル基の置換基は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、またはフェ二ル基である。より好ましくはヒドロキシ基である。これらの置換基は、アルキル基、アルケニル基に複数存在しても良い。
上記式(1)において、R1〜R4の少なくとも1つは、ヒドロキシ基、ヒドロキシ基置換アルキル基、またはヒドロキシ基置換アルケニル基である。密着性の向上という観点から、より好ましくは、R1〜R4の2個から4個は、ヒドロキシ基、ヒドロキシ基置換アルキル基、またはヒドロキシ基置換アルケニル基である。
また、R1及びR3が、ヒドロキシ基、ヒドロキシ基置換アルキル基、またはヒドロキシ基置換アルケニル基であることが好ましい。
式(1)において、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基は、ヒドロキシ基置換アルキル基、ヒドロキシ基置換アルケニル基であることが好ましい。該ヒドロキシ基置換アルキル基、および該ヒドロキシ基置換アルケニル基の炭素原子の1つが前記チオエーテル基で置き換わっていることが好ましい。
さらに、炭素原子の1つがチオエーテル基で置き換わっているアルケニル基よりも、炭素原子の1つがチオエーテル基で置き換わっているアルキル基が好ましい。その中でも下記式(S−1)〜(S−4)のいずれかで示される1価の基が、密着性の向上という観点から好ましい。
以下に、具体的な前記式(1)で示される化合物を示す。
上記の具体例の中でも、好ましくは(1−13)〜(1−32)、(1−34)〜(1−37)、(1−39)、(1−42)〜(1−50)が、挙げられる。より好ましくは、以下に示す化合物である。
上記式(1−27)は、R1はヒドロキシ基で置換されたメチル基を示す。R2は、メチル基で置換されたn−プロピル基を示す。R5はメチン基を示す例である。R3は、水素原子を示す。R4はヒドロキシ基置換nブチル基の炭素原子の1つがチオエーテル基で置き換わった基を示す。
〔架橋剤〕
次に架橋剤について説明する。架橋剤としては、ヒドロキシ基を有する上記式(1)で示される化合物と重合または架橋する化合物を用いることができる。具体的には、山下晋三,金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)等に記載されている化合物等を用いることができる。下引き層に用いる架橋剤は、好ましくは、イソシアネート化合物、メラミン化合物が挙げられる。
次に架橋剤について説明する。架橋剤としては、ヒドロキシ基を有する上記式(1)で示される化合物と重合または架橋する化合物を用いることができる。具体的には、山下晋三,金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)等に記載されている化合物等を用いることができる。下引き層に用いる架橋剤は、好ましくは、イソシアネート化合物、メラミン化合物が挙げられる。
メラミン化合物は、メチロール基を3〜6個有しているメラミン化合物が好ましい。メラミン化合物の具体例としては、スーパーメラミNo.90(日本油脂(株)製)、スーパーベッカミン(R)TD−139−60、L−105−60、L127−60、L110−60、J−820−60、G−821−60(DIC(株)製)、ユーバン2020(三井化学(株)製)、スミテックスレジンM−3(住友化学工業(株)製)、ニカラックMW−30、MW−390、MX−750LM(日本カーバイド(株)製)、スーパーベッカミン(R)L−148−55、13−535、L−145−60、TD−126(DIC(株)製)、ニカラックBL−60、BX−4000(日本カーバイド(株)製)などが挙げられる。
イソシアネート化合物は、イソシアネート基またはブロックイソシアネート基を3〜6個有しているイソシアネート化合物が好ましい。
例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。具体的にはHDIのイソシアヌネート体、IPDIのイソシアヌネート体、水添MDIのプレポリマー、TDIのプレポリマー、自己架橋型PUR(MDI系)、などが挙げられる。
なお、上述のイソシアネートと反応させるブロック剤としては、アルコール類、フェノールやクレゾール等のフェノール類、カプロラクタム等のラクタム類、メチルエチルケトオキシムやアセトオキシム等のオキシム類、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル等のβ−ジケトン類、などが挙げられる。
具体的にはスミジュールBL3175、スミジュールBL3475(住友バイエルウレタン(株)製)、コロネート2507(日本ポリウレタン(株)製)、SBN−70D、TPA−B80E、MFK−60B(旭化成ケミカルズ(株)製)などが挙げられる。
好ましくは、イソシアネート化合物である。
以下に、ブロックイソシアネート基を有するイソシアネート化合物の具体例を挙げる。
本発明は、式(1)で示される化合物と、架橋剤とを含む組成物に、さらに樹脂を含有してもよい。本発明で用いられる樹脂の分子量としては、重量平均分子量(Mw)=5000〜1500000の範囲が好ましく、さらには5000〜400000の範囲であることがより好ましい。
下引き層で用いられる樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリアクリルポリオール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、カルボキシル基含有樹脂、ポリアミン樹脂、ポリチオール樹脂、などが挙げられる。
フェノール樹脂は、フェノライトJ−325(DIC(株)製)、レヂトップP−Nov(群栄化学工業(株)製)などが挙げられる。
エポキシ樹脂は、YX4000(ジャパン エポキシレジン(株)製)、YL−6121H(ジャパン エポキシレジン(株)製)などが挙げられる。
上記樹脂は、重合性官能基を有する樹脂が好ましい。重合性官能基としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基が好ましい。2つ以上の重合性官能基を有する樹脂が好ましい。重合性官能基を有する樹脂としては、下記式(B)で示される構造単位をする樹脂が好ましい。
式(B)中、R61は、水素原子またはアルキル基を示す。Y1は、単結合、アルキレン基またはフェニレン基を示す。W1は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基を示す。
式(B)で示される構造単位を有する樹脂(以下樹脂Bとも称する)は、例えばシグマアルドリッチジャパン(株)や東京化成工業(株)から購入可能な、重合性官能基を有するモノマーを重合させることで得られる。
また、樹脂として、一般的に購入することも可能である。購入可能な樹脂としては、サンニックスGP−400、GP−700(三洋化成工業(株)製)、フタルキッドW2343(日立化成工業(株)製)、ウォーターゾールS−118、CD−520、ベッコライトM−6402−50、M−6201−40IM(DIC(株)製)、ハリディップWH−1188(ハリマ化成(株)製)、ES3604、ES6538(日本ユピカ(株)製)、バーノックWE−300、WE−304(DIC(株)製)、クラレポバールPVA−203((株)クラレ製)、BX−1、BM−1、KS−1、KS−5(積水化学工業(株)製)、トレジンFS−350(ナガセケムテックス(株)製)、アクアリック(日本触媒(株)製)、ファインレックスSG2000(鉛市(株)製)、ラッカマイド(DIC(株)製)、QE−340M(東レ(株)製)などが挙げられる。これらの中でもポリビニルアセタール樹脂がより好ましい。
以下に、樹脂の具体例を挙げる。
架橋剤の官能基数(イソシアネート基、メチロール基)(モル数=Iとする)は、上記樹脂の重合性官能基および上記式(1)中のヒドロキシ基の和(モル数=Hとする)に対して、0.5以上2.5以下のモル比(I/H)の割合で、存在するのが好ましい。このモル比(I/H)が0.5以上2.5以下であると、反応効率が良く、下引き層中の硬化物の均一性が高まるため好ましい。
さらに、下引き層には、Fe、Co、Ni、CuおよびZnからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を有する有機酸金属を含有してもよい。
本発明の下引き層の膜厚は、密着性向上の観点から、0.3〜5.0μmであることが好ましく、特には0.5〜1.0μmであることがより好ましい。
本発明の電子写真感光体は、支持体、該支持体上に形成された下引き層、該下引き層上に形成された電荷発生層、該電荷発生層上に電荷輸送層を有する電子写真感光体である。
〔支持体〕
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)であることが好ましい。例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属製(合金製)の支持体を用いることができる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって被膜形成した層を有する上記金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子の導電性粒子を適当な結着樹脂とともにプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体を用いることもできる。また、支持体の形状としては、円筒状やベルト状が挙げられるが、円筒状が好ましい。
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)であることが好ましい。例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属製(合金製)の支持体を用いることができる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって被膜形成した層を有する上記金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子の導電性粒子を適当な結着樹脂とともにプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体を用いることもできる。また、支持体の形状としては、円筒状やベルト状が挙げられるが、円筒状が好ましい。
支持体の表面は、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制を目的として、切削処理、粗面化処理、またはアルマイト処理を施してもよい。
支持体と下引き層との間には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制を目的として導電層を設けてもよい。導電層は、カーボンブラック、導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。導電性粒子としては、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラックや、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀のような金属粉や、導電性酸化スズ、ITOのような金属酸化物粉体が挙げられる。
導電層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂およびアルキッド樹脂が挙げられる。
導電層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることがより好ましい。導電層には、有機樹脂微粒子、レべリング剤を含有させてもよい。
〔下引き層〕
支持体または導電層と電荷発生層との間には、下引き層が設けられる。
支持体または導電層と電荷発生層との間には、下引き層が設けられる。
下引き層は、上記式(1)で示される化合物、架橋剤を含む組成物、および溶剤を含有する下引き層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を加熱乾燥させることによって、硬化させ下引き層を形成する。組成物には、さらに、上記樹脂、上記有機酸金属を含有させてもよい。上記式(1)で示される化合物を2種以上混合して使用してもよい。
下引き層用塗布液に用いられる溶剤は、例えば、アルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物が挙げられる。より具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン、o−キシレン等が挙げられる。これらの溶剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
〔電荷発生層〕
下引き層上には、電荷発生層が設けられる。
下引き層上には、電荷発生層が設けられる。
電荷発生層中の電荷発生物質としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素、キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、シアニン染料、アントアントロン顔料、ピラントロン顔料、キサンテン色素、キノンイミン色素が挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
また、これら電荷発生物質の中でも、感度の観点から、フタロシアニン顔料やアゾ顔料が好ましく、特にはフタロシアニン顔料がより好ましい。
また、フタロシアニン顔料の中でも、特にオキシチタニウムフタロシアニンあるいはクロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが優れた電荷発生効率を示す。
さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの中でも、電位特性の観点から、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θが7.4°±0.3°および28.2°±0.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶がより好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体および共重合体や、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂が好ましく、ポリビニルアセタール樹脂がさらに好ましい。これらは、単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散処理して得られる電荷発生層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
電荷発生物質と結着樹脂との割合は、質量比で0.3:1〜10:1の範囲が好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、例えば、アルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物が挙げられる。電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を必要に応じて添加することもできる。
〔電荷輸送層〕
電荷発生層上には電荷輸送層が形成される。
電荷発生層上には電荷輸送層が形成される。
電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ブタジエン化合物などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物が好ましい。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリアリルエーテル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリプロピレン、メタクリル樹脂などが挙げられる。特には、ポリアリレート、ポリカーボネートが好ましい。これらは、単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解させて得られる電荷輸送層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることによって形成することができる。電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、質量比で0.3:1〜10:1の範囲が好ましい。また、クラックを抑制する観点から、乾燥温度は60℃以上150℃以下が好ましく、特には80℃以上120℃以下がより好ましい。また、乾燥時間は10分以上60分以下が好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
また、電荷輸送層上に保護層(第二電荷輸送層)を形成してもよい。保護層は、導電性粒子または電荷輸送物質と結着樹脂とを含有する。また、保護層は、潤滑剤などの添加剤をさらに含有してもよい。また、保護層の結着樹脂自体に導電性や電荷輸送性を有させてもよく、その場合、保護層には、当該樹脂以外の導電性粒子や電荷輸送物質を含有させなくてもよい。また、保護層の結着樹脂は、熱可塑性樹脂でもよいし、熱、光、放射線(電子線など)などにより重合させてなる硬化性樹脂であってもよい。
保護層を設けない場合、電荷輸送層の膜厚は5μm以上40μm以下であることが好ましく、特には8μm以上30μm以下であることがより好ましい。保護層を設ける場合、電荷輸送層の膜厚は、5μm以上30μm以下であることが好ましく、保護層については、1μm以上10μm以下であることが好ましい。
また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
〔プロセスカートリッジおよび電子写真装置〕
図1に、本発明の電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
図1に、本発明の電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
図1において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。回転駆動される電子写真感光体1の表面(周面)は、帯電手段3(一次帯電手段:帯電ローラーなど)により、正または負の所定電位に均一に帯電される。
次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、次いで現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに順次転写されていく。なお、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送される。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化される。次いで、前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、およびクリーニング手段7などのうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、プロセスカートリッジを電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(合成例1:式(1−34)で示される化合物)
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.4部および2−(2−アミノエチルチオ)エタノール6.0部を加え、室温で1時間撹拌後、7時間還流を行った。得られた黒褐色溶液からジメチルアセトアミドを減圧蒸留で除いた後、酢酸エチル/トルエン混合溶液に溶解した。得られた溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒酢酸エチル/トルエン)で分離後、目的物を含有するフラクションを濃縮し、得られた結晶をトルエン/ヘキサン混合溶液で再結晶を行い、上記式(1−34)で示される化合物を3.2部得た。
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.4部および2−(2−アミノエチルチオ)エタノール6.0部を加え、室温で1時間撹拌後、7時間還流を行った。得られた黒褐色溶液からジメチルアセトアミドを減圧蒸留で除いた後、酢酸エチル/トルエン混合溶液に溶解した。得られた溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒酢酸エチル/トルエン)で分離後、目的物を含有するフラクションを濃縮し、得られた結晶をトルエン/ヘキサン混合溶液で再結晶を行い、上記式(1−34)で示される化合物を3.2部得た。
(合成例2:式(1−27)で示される化合物)
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.4部およびロイシノール2.6部、2−(2−アミノエチルチオ)エタノール2.7部を加え、室温で1時間撹拌後、7時間還流を行った。得られた黒褐色溶液からジメチルアセトアミドを減圧蒸留で除いた後、酢酸エチル/トルエン混合溶液に溶解した。得られた溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒酢酸エチル/トルエン)で分離後、目的物を含有するフラクションを濃縮し、得られた結晶をトルエン/ヘキサン混合溶液で再結晶を行い、下記化合物を2.5部得た。
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.4部およびロイシノール2.6部、2−(2−アミノエチルチオ)エタノール2.7部を加え、室温で1時間撹拌後、7時間還流を行った。得られた黒褐色溶液からジメチルアセトアミドを減圧蒸留で除いた後、酢酸エチル/トルエン混合溶液に溶解した。得られた溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒酢酸エチル/トルエン)で分離後、目的物を含有するフラクションを濃縮し、得られた結晶をトルエン/ヘキサン混合溶液で再結晶を行い、下記化合物を2.5部得た。
(実施例1)
長さ260.5mmおよび直径24mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
長さ260.5mmおよび直径24mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
次に、酸素欠損型酸化スズ(SnO2)が被覆されている酸化チタン(TiO2)粒子214部、結着樹脂としてフェノール樹脂(商品名:J−325、DIC(株)製、樹脂固形分:60質量%)132部、および、1−メトキシ−2−プロパノール98部を、直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。
ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着樹脂の合計質量に対して10質量%になるように、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製、平均粒径2μm)を分散液に添加した。また、分散液中の金属酸化物粒子と結着樹脂の合計質量に対して0.01質量%になるように、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)を分散液に添加して撹拌することにより、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間150℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が30μmの導電層を形成した。
次に、上記式(1−1)で示される化合物4部、架橋剤としてSBN−70D(旭化成ケミカルズ(株)製)7.8部を、ジメチルアセトアミド60部とメチルエチルケトン60部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を1分以内に160度設定の乾燥機に投入し、40分間加熱した。これにより、式(1)で示される化合物と架橋剤とを含む組成物の硬化物を含有する下引き層を形成した。下引き層の膜厚は0.53μmであった。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.1°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)4部、および、下記構造式(A)で示される化合物0.04部を、シクロヘキサノン100部にポリビニルアセタール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)2部を溶解させた液に加えた。その後、直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミルにて23±3℃の雰囲気下で50分散処理し、分散処理後、酢酸エチル100部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間90℃で乾燥させることによって、膜厚が0.21μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(E−1)で示される電荷輸送物質9部、下記式(E−2)で示される構造を有する電荷輸送物質1部、下記式(F−2)で示される繰り返し構造単位、下記式(G−2)で示される繰り返し構造単位と式(G−1)で示される繰り返し構造単位を7:3の比で有するポリエステル樹脂F(重量平均分子量90,000)3部、および、式(H−1)で示される繰り返し構造単位と式(H−2)で示される繰り返し構造単位を5:5の比で含有するポリエステル樹脂H(重量平均分子量120,000)7部を、ジメトキシメタン30部およびオルトキシレン50部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。なお、ポリエステル樹脂Fのおける、式(F−2)で示される繰り返し構造単位の含有量が10質量%であり、式(G−1)および式(G−2)で示される繰り返し構造単位の含有量が90質量%であった。
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を1時間120℃で乾燥させることによって、膜厚が16μmの電荷輸送層を形成した。形成された電荷輸送層には電荷輸送物質とポリエステル樹脂Hを含むマトリックス中にポリエステル樹脂Fを含むドメイン構造が含有されていることが確認された。
このようにして、支持体、導電層、下引き層、電荷発生層、および電荷輸送層をこの順に有する電子写真感光体を製造した。
(密着性の評価)
密着性の評価機として、図2に示す連続加重式引っ掻き強度試験機HEIDONを用いた。具体的には、アーム1の左側に400g分銅7を置き、反対側のアームに移動台2とともに移動する400g分銅3を装着した。更に、引っ掻き針4として、サファイア製0.05mmR60°を用い、移動台の移動速度60mm/min、移動距離を50mmとした。次に、HEIDONのアーム1に対して、垂直にドラムを回転させる回転装置5を装着した。回転装置の設定は、移動台の移動方向に対して、電子写真感光体6と引っ掻き針が接しているところが、順方向になるよう設定した。また回転速度は1rpmに設定し、直径24mmの電子写真感光体が1回転する間に、HEIDONの400g分銅3を有する移動台2の移動が終了し、電子写真感光体にかかる荷重が0gから400gへと変化する設定とした。
密着性の評価機として、図2に示す連続加重式引っ掻き強度試験機HEIDONを用いた。具体的には、アーム1の左側に400g分銅7を置き、反対側のアームに移動台2とともに移動する400g分銅3を装着した。更に、引っ掻き針4として、サファイア製0.05mmR60°を用い、移動台の移動速度60mm/min、移動距離を50mmとした。次に、HEIDONのアーム1に対して、垂直にドラムを回転させる回転装置5を装着した。回転装置の設定は、移動台の移動方向に対して、電子写真感光体6と引っ掻き針が接しているところが、順方向になるよう設定した。また回転速度は1rpmに設定し、直径24mmの電子写真感光体が1回転する間に、HEIDONの400g分銅3を有する移動台2の移動が終了し、電子写真感光体にかかる荷重が0gから400gへと変化する設定とした。
次に、この回転装置5に電子写真感光体を装着し、HEIDONのアーム1の水平バランスをアーム1の高さ及び分銅3および分銅7の位置で調整した。
評価方法は、アーム1の水平バランスをとった後、一度、引っ掻き針を電子写真感光体から離す(電子写真感光体にかかる荷重が0gのとき)。その状態で電子写真感光体を回転させた後、引っ掻き針を電子写真感光体に当接させ、HEIDONの移動台2の移動を開始した。移動終了後、引っ掻き針を電子写真感光体から離して、電子写真感光体を取り外し、光学顕微鏡あるいはレーザー顕微鏡などで、移動開始点と電荷発生層の剥離開始点を特定する。移動開始点と剥離開始点との間の長さ(密着している長さ)を測定した。さらに密着している長さを以下の式で算出し密着力とした。結果を表2に示す。電子写真感光体の1回転(75mmとする)で、電子写真感光体にかかる荷重が0gから400gへと変化する。密着力が400gに近くなるほど密着性が高いことを意味する。
密着力(g)=400g×(密着している長さmm/75mm)
密着力(g)=400g×(密着している長さmm/75mm)
(実施例2〜10)
式(1)で示される化合物を表2に記載した例示化合物に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、密着性の評価を行った。結果を表5に示す。
式(1)で示される化合物を表2に記載した例示化合物に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、密着性の評価を行った。結果を表5に示す。
(実施例11)
実施例1の導電層用塗布液を下記に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を形成した。
実施例1の導電層用塗布液を下記に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を形成した。
リン(P)がドープされている酸化スズ(SnO2)で被覆されている酸化チタン(TiO2)粒子207部、フェノール樹脂(商品名:J−325)144部、および、溶剤としての1−メトキシ−2−プロパノール98部を、直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。
ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子とフェノール樹脂の合計質量に対して15質量%になるように、シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120)を分散液に添加した。また、分散液中の金属酸化物粒子とフェノール樹脂の合計質量に対して0.01質量%になるように、シリコーンオイル(商品名:SH28PA)を分散液に添加して撹拌することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間150℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が30μmの導電層を形成した。結果を表6に示す。
(実施例12〜20)
式(1)で示される化合物を表6に記載した例示化合物に変更した以外は実施例11と同様に電子写真感光体を製造し、密着性の評価を行った。結果を表6に示す。
式(1)で示される化合物を表6に記載した例示化合物に変更した以外は実施例11と同様に電子写真感光体を製造し、密着性の評価を行った。結果を表6に示す。
(実施例21)
下引き層を以下に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を形成した。
下引き層を以下に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を形成した。
実施例1の下引き層用塗布液に、さらに、ポリビニルアセタール樹脂(エスレックKS−5、積水化学工業(株)製)0.54部、ヘキサン酸亜鉛(II)0.08部を加えて下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を用いて実施例1と同様に下引き層を形成した。結果を表7に示す。
(実施例22〜74)
式(1)で示される化合物を表7に記載した例示化合物に変更した以外は実施例21と同様に電子写真感光体を製造し、密着性の評価を行った。結果を表7に示す。
式(1)で示される化合物を表7に記載した例示化合物に変更した以外は実施例21と同様に電子写真感光体を製造し、密着性の評価を行った。結果を表7に示す。
(比較例1、2)
実施例21の例示化合物(1−1)を下記式(J)、または(K)で示される化合物に変更した以外は、実施例21と同様に下引き層を形成した。密着性の評価の結果を表7に示す。
実施例21の例示化合物(1−1)を下記式(J)、または(K)で示される化合物に変更した以外は、実施例21と同様に下引き層を形成した。密着性の評価の結果を表7に示す。
(実施例75)
電荷輸送層を以下のように変更した以外は、実施例47と同様に電子写真感光体を製造し密着性の評価を行った。結果を表8に示す。
電荷輸送層を以下のように変更した以外は、実施例47と同様に電子写真感光体を製造し密着性の評価を行った。結果を表8に示す。
上記式(E−1)で示される構造を有する電荷輸送物質9部、上記式(E−2)で示される構造を有する電荷輸送物質1部、下記式(D−1)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂D(重量平均分子量70,000)10部、および、下記式(D−1)で示される繰り返し構造単位、下記式(A−3)で示される繰り返し構造単位および、末端の少なくともいずれか一方に下記式(A−1)で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂F(重量平均分子量40,000)0.3部を、ジメトキシメタン30部およびオルトキシレン50部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。なお、ポリカーボネート樹脂Fにおける、下記式(A−3)と(A−1)で示される繰り返し構造単位の合計質量が30質量%であった。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を1時間120℃で乾燥させることによって、膜厚が16μmの電荷輸送層を形成した。
(実施例76〜80)
式(1)で示される化合物を表8に記載した例示化合物に変更した以外は実施例75と同様に電子写真感光体を製造し密着性の評価を行った。結果を表8に示す。
式(1)で示される化合物を表8に記載した例示化合物に変更した以外は実施例75と同様に電子写真感光体を製造し密着性の評価を行った。結果を表8に示す。
(実施例81)
電荷輸送層を以下のように変更した以外は実施例75と同様に電子写真感光体を製造し密着性の評価を行った。結果を表8に示す。
電荷輸送層を以下のように変更した以外は実施例75と同様に電子写真感光体を製造し密着性の評価を行った。結果を表8に示す。
上記式(E−1)で示される構造を有する電荷輸送物質9部、上記式(E−2)で示される構造を有する電荷輸送物質1部、ポリエステル樹脂C(重量平均分子量120,000)10部、および、ポリカーボネート樹脂F(重量平均分子量40,000)0.3部を、ジメトキシメタン30部およびオルトキシレン50部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を1時間120℃で乾燥させることによって、膜厚が16μmの電荷輸送層を形成した。
(実施例82〜86)
式(1)で示される化合物を表8に記載の例示化合物に変更した以外は実施例81と同様に電子写真感光体を製造し密着性の評価を行った。結果を表8に示す。
式(1)で示される化合物を表8に記載の例示化合物に変更した以外は実施例81と同様に電子写真感光体を製造し密着性の評価を行った。結果を表8に示す。
(実施例87)
電荷発生層において、ポリビニルアセタール樹脂(商品名:エスレックBX−1)をポリビニルアセタール樹脂(商品名:エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)に変更した以外は実施例75と同様に電子写真感光体を製造し密着性の評価を行った。結果を表8に示す。
電荷発生層において、ポリビニルアセタール樹脂(商品名:エスレックBX−1)をポリビニルアセタール樹脂(商品名:エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)に変更した以外は実施例75と同様に電子写真感光体を製造し密着性の評価を行った。結果を表8に示す。
(実施例88〜92)
式(1)で示される化合物を表8に記載の例示化合物に変更した以外は実施例87と同様に電子写真感光体を製造し密着性の評価を行った。結果を表8に示す。
式(1)で示される化合物を表8に記載の例示化合物に変更した以外は実施例87と同様に電子写真感光体を製造し密着性の評価を行った。結果を表8に示す。
(実施例93〜98)及び(比較例3、4)
実施例47、53、54、56、63、69及び比較例1、2で得られた電子写真感光体を以下の評価法を行い、電子写真感光体の繰り返し使用後の密着性の評価を行った。また同時に、ポジゴーストの評価も行った。結果を表9に示す。
実施例47、53、54、56、63、69及び比較例1、2で得られた電子写真感光体を以下の評価法を行い、電子写真感光体の繰り返し使用後の密着性の評価を行った。また同時に、ポジゴーストの評価も行った。結果を表9に示す。
(評価)
電子写真感光体を、15℃、10%RHの環境下にて、キヤノン(株)製のレーザービームプリンター(商品名:LBP−2510)の改造機(前露光OFF、一次帯電:ローラー接触DC帯電、プロセススピード120mm/秒、レーザー露光)に装着した。その後、表面電位の測定および出力画像の評価を行った。詳しくは以下のとおりである。
電子写真感光体を、15℃、10%RHの環境下にて、キヤノン(株)製のレーザービームプリンター(商品名:LBP−2510)の改造機(前露光OFF、一次帯電:ローラー接触DC帯電、プロセススピード120mm/秒、レーザー露光)に装着した。その後、表面電位の測定および出力画像の評価を行った。詳しくは以下のとおりである。
(表面電位の測定)
表面電位の測定は、上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B−8:トレック・ジャパン(株)製)を装着した。さらに、電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(model344:トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。電子写真感光体の表面電位は、暗部電位(Vd)が−500V、明部電位(Vl)が−100Vになるよう、画像露光の光量を設定した。
表面電位の測定は、上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B−8:トレック・ジャパン(株)製)を装着した。さらに、電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(model344:トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。電子写真感光体の表面電位は、暗部電位(Vd)が−500V、明部電位(Vl)が−100Vになるよう、画像露光の光量を設定した。
(ポジゴーストの評価)
続いて、上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジに、製造した電子写真感光体を装着して、そのプロセスカートリッジをシアンのプロセスカートリッジのステーションに装着し、画像を出力した。まず、ベタ白画像1枚、ゴースト評価用画像5枚、ベタ黒画像1枚、ゴースト評価用画像5枚の順に連続して画像出力を行った。
続いて、上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジに、製造した電子写真感光体を装着して、そのプロセスカートリッジをシアンのプロセスカートリッジのステーションに装着し、画像を出力した。まず、ベタ白画像1枚、ゴースト評価用画像5枚、ベタ黒画像1枚、ゴースト評価用画像5枚の順に連続して画像出力を行った。
次に、A4サイズの普通紙で、3,000枚のフルカラー画像(各色印字率1%の文字画像)の出力を行い、その後、ベタ白画像1枚、ゴースト評価用画像5枚、ベタ黒画像1枚、ゴースト評価用画像5枚の順に連続して画像出力を行った。
ゴースト評価用画像は、図3に示すように、画像の先頭部に「白画像」中に四角の「ベタ画像」を出した後、図4に示す「1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像」を作成したものである。なお、図3中、「ゴースト」部は、「ベタ画像」に起因するゴーストが出現し得る部分である。
ポジゴーストの評価は、1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像の画像濃度と、ゴースト部の画像濃度との濃度差を測定することで行った。分光濃度計(商品名:X−Rite504/508、X−Rite(株)製)で、1枚のゴースト評価用画像中で濃度差を10点測定した。この操作をゴースト評価用画像10枚すべてで行い、合計100点の平均を算出し、初期画像出力時のマクベス濃度差(初期)を評価した。次に、3,000枚の出力後のマクベス濃度差と初期画像出力時のマクベス濃度差の差(変化分)を算出して、マクベス濃度差の変動分を求めた。マクベス濃度差が小さいほど、ポジゴーストが抑制されたことを意味する。そして3,000枚の出力後のマクベス濃度差と初期画像出力時のマクベス濃度差との差が小さい程、ポジゴーストの変動変化が小さいことを意味する。また電子写真感光体の繰り返し使用後の密着性の評価及び電子写真感光体の外観も確認した。結果を表9に示す。
(実施例99)
下引き層を以下のように変更した以外は実施例47と同様に電子写真感光体を製造した。また、評価は、実施例93で示した電子写真感光体の繰り返し使用後の密着性とポジゴーストの評価を行った。結果を表9に示す。
下引き層を以下のように変更した以外は実施例47と同様に電子写真感光体を製造した。また、評価は、実施例93で示した電子写真感光体の繰り返し使用後の密着性とポジゴーストの評価を行った。結果を表9に示す。
例示化合物(1−27)5部、メラミン化合物(商品名:スーパーベッカミン13−548、DIC(株)製)3.5部、アルキッド樹脂(商品名:M−6405−50、DIC(株)製)6.4部、触媒としてドデシルベンゼンスルホン酸0.1部をジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶剤に溶解し、下引き層用塗布液を調整した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を1分以内に160度設定の乾燥機に投入し、40分間加熱した。これにより、式(1)で示される化合物と架橋剤とを含む組成物の硬化物を含有する下引き層を形成した。
(実施例100〜104)及び(比較例5、6)
式(1)で示される化合物を表9に記載の例示化合物、上記式(J)、または(K)で示される化合物に変更した以外は実施例99と同様に電子写真感光体を製造し、評価を行った。結果を表9に示す。
式(1)で示される化合物を表9に記載の例示化合物、上記式(J)、または(K)で示される化合物に変更した以外は実施例99と同様に電子写真感光体を製造し、評価を行った。結果を表9に示す。
比較例1〜6の密着強度「10以下」とは、引っ掻き針を回転している電子写真感光体に当接させ、HEIDONの移動台2の移動を開始した直後に電荷発生層の剥離が開始したことを意味する。
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材
Claims (10)
- 支持体、該支持体上に形成された下引き層、および該下引き層上に形成された電荷発生層、該電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有する電子写真感光体にであって、
該下引き層が下記式(1)で示される化合物と、架橋剤とを含む組成物の硬化物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
(式(1)中、
R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルケニル基を示す。アルキル基の炭素原子の1つは、チオエーテル基で置き換わってもよい。アルケニル基の炭素原子は、チオエーテル基で置き換わってもよい。R5は、メチン基、ベンゼンから水素原子3つを除いて導かれる3価の基、またはシクロヘキシレンから水素原子3つを除いて導かれる3価の基を示す。該置換アルキル基の置換基、該置換アルケニル基の置換基は、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、または、フェ二ル基である。
R1〜R4の少なくとも1つは、ヒドロキシ基、ヒドロキシ基置換アルキル基、またはヒドロキシ基置換アルケニル基であり、
R1〜R4の少なくとも1つは、炭素原子が該チオエーテル基に置き換わった置換もしくは無置換のアルキル基、炭素原子がチオエーテル基に置き換わった置換もしくは無置換のアルケニル基である。)
二ニ - R1〜R4の2個から4個が、ヒドロキシ基、ヒドロキシ基置換アルキル基、またはヒドロキシ基置換アルケニル基である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記式(1)において、前記置換もしくは無置換のアルキル基、前記置換もしくは無置換のアルケニル基が、
ヒドロキシ基置換アルキル基、ヒドロキシ基置換アルケニル基であり、該ヒドロキシ基置換アルキル基、および該ヒドロキシ基置換アルケニル基の炭素原子の1つが前記チオエーテル基で置き換わっている請求項1または2に記載の電子写真感光体。 - 前記式(1)において、R1及びR3が、ヒドロキシ基、ヒドロキシ基置換アルキル基、またはヒドロキシ基置換アルケニル基である請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記組成物が、さらに重合性官能基を有する樹脂を含有する請求項1から5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記重合性官能基を有する樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂、またはアルキッド樹脂である請求項6に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷発生層が、結着樹脂として、ポリビニルアセタール樹脂を含有する請求項1から7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
- 請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
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