JP2014082118A - リチウムイオン二次電池用負極材料、並びにそれを用いた負極及び二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極材料、並びにそれを用いた負極及び二次電池 Download PDF

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Abstract


【課題】 充放電サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極材料、並びにそれを用いた負極及び二次電池を提供する。
【解決手段】 リチウムイオン二次電池用負極材料は、珪素酸化物からなる珪素酸化物粒子と、鉄酸化物からなる棒状の鉄酸化物粒子と、Li(リチウム)、Mg(マグネシウム)、P(リン)及びO(酸素)からなる化合物よりなる化合物粒子と、の混合物を含む。
【選択図】 図9

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の負極に用いられる材料、並びにそれを用いた負極及び二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池などの二次電池は、小型で大容量であるため、携帯電話やノートパソコンといった幅広い分野で用いられている。リチウムイオン二次電池の性能は、二次電池を構成する正極、負極および電解質の材料に左右される。なかでも電極に含まれる活物質材料の研究開発が活発に行われている。現在、一般的に用いられている負極活物質として、黒鉛などの炭素系材料がある。黒鉛などを負極活物質とする炭素負極は、インターカレーション反応を有することから、サイクル特性は良いものの、高容量化が困難とされている。そこで負極活物質材料として、炭素よりも高容量な珪素や珪素酸化物などの珪素系材料が検討されている。
珪素系材料は、リチウムと合金化することで、1000mAh/g以上の高容量をもつ。しかし、珪素や酸化珪素のような珪素系材料を負極活物質として用いると、充放電サイクルにより負極活物質が膨張および収縮することで体積変化することが知られている。負極活物質が膨張したり収縮したりすることで、負極活物質を集電体に保持する役割を果たす結着剤に負荷がかかり、負極活物質と集電体との密着性が低下したり、電極内の導電パスが破壊されて容量が著しく低下したり、膨張と収縮の繰り返しにより負極活物質に歪が生じて微細化して電極から脱離したり、といった問題がある。こういった種々の問題点があるため、サイクル特性に乏しいという問題がある。
そこで、珪素系材料として、酸化珪素(SiO:xは0.5≦x≦1.5程度)の使用が検討されている。SiOは、熱処理されると、SiとSiOとに分解することが知られている。これは不均化反応といい、SiとOとの比が概ね1:1の均質な固体の一酸化珪素SiOであれば、固体の内部反応によりSi相とSiO相の二相に分離する。分離して得られるSi相は非常に微細である。また、Si相を覆うSiO相が電解液の分解を抑制する働きをもつ。したがって、体積変化の問題は依然として残るものの、Si相とSiO相とに分解したSiOからなる負極活物質を用いた二次電池は、サイクル特性に優れる。
ところで、負極活物質の形状を変えて、負極活物質層における負極活物質のかさ密度を増加させることで、電池容量を増加させることが考えられている。例えば、特許文献1、2には、球状の黒鉛と、針状やフレーク状の黒鉛とを混合した負極活物質が示されている。大きな球状黒鉛の間に、小さい針状などの黒鉛を入り込ませることで、かさ密度を上げて、電池容量を増やすことができる。
一方で、SiOとは異なる化合物を負極活物質層に含めることで、電池特性を向上させることが提案されている。たとえば、特許文献3には、SiOと酸化鉄とを混合させた負極活物質層が提案されている。特許文献4には、活物質として、FeOOHの脱水反応から生成したFeを用いることがよいと示されている。また、特許文献5〜8には、負極活物質層に、SiOとLiFePOとを混合させることが提案されている。
特開2004−158205号公報 特開2008−176981号公報 特開2010−3642号公報 特開2008−262829号公報 特開2007−305585号公報 特表2008−503059号公報 特開2010−067508号公報 特表2010―518581号公報
しかしながら、上記従来の特許文献のいずれも、充放電サイクル特性が不十分であり、更なる改良が望まれている。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、充放電サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極材料、並びにそれを用いた負極及び二次電池を提供することを課題とする。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材料は、珪素酸化物からなる珪素酸化物粒子と、鉄酸化物からなる棒状の鉄酸化物粒子と、Li(リチウム)、Mg(マグネシウム)、P(リン)及びO(酸素)からなる化合物よりなる化合物粒子と、の混合物を含むことを特徴とする。
本発明の負極は、上記のリチウムイオン二次電池用負極材料を有することを特徴とする。
本発明のリチウムイオン二次電池は、上記の負極を有することを特徴とする。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材料は、珪素酸化物粒子と、棒状の鉄酸化物粒子と、Li、Mg、P及びOを含む化合物粒子とからなる混合物よりなるため、充放電サイクル特性に優れる。
α−FeOOH粉末、及びこれを各種熱処理温度で熱処理して得た粉末のXRDパターンである。 α−FeOOH粉末、及びこれを熱処理温度360℃で熱処理して得た粉末を走査電子顕微鏡(SEM)で観察した結果及びその説明図である。 種々の温度でα−FeOOH粉末を熱処理して得た粉末の比表面積及び細孔容積を示すグラフである。 化合物粒子のX線回折パターンである。 化合物粒子のSEM像である。 珪素酸化物粒子のSEM像である。 珪素酸化物粒子の模式的な断面図である。 半電池の断面説明図である。 負極1〜5を用いた各電池の充放電サイクル試験の結果を示すグラフである。 x=100、90、80、0の場合の充放電前の負極活物質層のSEM像である。 x=90(s)、90(n)、100、80(n)の場合の100サイクル放電後の負極活物質層のSEM像である。 x=100,90(n)、90(s)の場合の充放電前及び100サイクル放電後の負極活物質層表面のSEM像である。 棒状の鉄酸化物粒子のSEM像である。 球状の鉄酸化物粒子のSEM像である。 形状の異なる鉄酸化物粒子及びSiO−C粒子を含む負極活物質を用いた電池のサイクル試験の結果を示す図である。 SiO−C粉末及び棒状Fe粉末からなる負極活物質層の断面模式図、及びSiO−C粉末及び球状Fe粉末からなる負極活物質層の断面模式図である。 SiO−C粉末及び棒状Fe粉末の成分組成を種々に変えた負極材料を用いた電池の初期充放電容量を示すグラフである。 SiO−C粉末及び棒状Fe粉末の成分組成を種々に変えた負極材料を用いた電池のサイクル試験の結果を示すグラフである。 負極6,7の負極活物質層のSEM像である。 負極6―9を用いた電池のサイクル試験の結果を示すグラフである。
本発明の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極材料、並びにそれを用いた負極及び二次電池について詳細に説明する。
(リチウムイオン二次電池用負極材料)
リチウムイオン二次電池用負極材料は、珪素酸化物からなる珪素酸化物粒子と、鉄酸化物からなる棒状の鉄酸化物粒子と、Li(リチウム)、Mg(マグネシウム)、P(リン)及びO(酸素)からなる化合物よりなる化合物粒子と、の混合物を含む。このため、充放電サイクル特性に優れる。その理由は、定かではないが、以下のように考えられる。
珪素酸化物粒子は、珪素酸化物からなる。珪素酸化物は負極活物質であり、Liイオンの吸蔵・放出により体積変化を伴う。
珪素酸化物粒子の表面に、棒状の鉄酸化物粒子と化合物粒子とが付着している。鉄酸化物粒子は、その粒子形状が棒状であるため、同じ体積の球状粒子に比べて、粒子の長さが長い。このため、珪素酸化物粒子の間に入ることで、同じ体積の球状粒子に比べて、珪素酸化物粒子間を所定間隔に保持する傾向にある。珪素酸化物粒子の体積変化を許容するスペースが確保される。ゆえに、珪素酸化物粒子が体積変化しても、珪素酸化物粒子間の間隙がさほど変化せず、負極材料全体の体積変化を抑制することができる。
また、鉄酸化物粒子は、その粒子形状が棒状である。棒状の粒子と球状の粒子とを同じ体積で比較した場合、棒状の粒子は、中央部が偏平で厚みが小さい。さらに、棒状の粒子は、集電体の表面に対して平行に配置する傾向にある。そのため、棒状の鉄酸化物粒子を採用することで、電極の厚み方向への体積変化が緩和される。また、珪素酸化物粒子は、接触する棒状の鉄酸化物粒子の表面で移動しやすいため、これらの粉末は、充放電中に生じる珪素酸化物粒子の体積変化に伴い再配置され、体積変化は緩和される。再配置後には粉末が密な状態になるため、体積変化の緩和のみならず、導電性の向上も期待できる。
また、鉄酸化物粒子は、それ自体が活物質として機能する。このため、珪素酸化物以外でも、電池反応の場が確保され、電気特性が向上する。
鉄酸化物は、電池反応の反応速度が遅いと言われていた。しかし、本発明の二次電池用負極活物質では、棒状であることで、珪素酸化物に匹敵する反応速度が得られるものと推測される。
また、電池反応により、鉄酸化物粒子は、導電性を有する。このため、珪素酸化物粒子間に介在することで、Liイオン伝導パス及び電子伝導パスとして機能する。
更に、鉄酸化物粒子ではLiイオンの吸放出を伴う電池反応が起こる。このため、鉄酸化物粒子の表面には、電解液が分解して被膜が形成される。鉄酸化物粒子は棒状を呈しているため、珪素酸化物粒子間を架橋することができる。このため、珪素酸化物粒子表面の被膜に亀裂が生じることを防止する。珪素酸化物が亀裂を通じて電解液と直接接触することを抑制し、電解液の劣化を抑えることができ、充放電サイクル特性を向上させることができる。
また、化合物粒子は、Li(リチウム)、Mg(マグネシウム)、P(リン)及びO(酸素)からなる化合物よりなる。化合物粒子は、電極反応の不活性部分であるが、Liイオン伝導性を有する。化合物粒子は、珪素酸化物粒子の隙間に分散した状態で存在する。このため、負極材料内でのLiイオン伝導性が向上する。
化合物粒子は、珪素酸化物粒子の間に介在することで、珪素酸化物粒子の体積変化を吸収することができる。
化合物粒子は、リチウムと反応することなく安定に存在するとともに、電解液の分解によって生じるフッ酸をトラップする機能をもつ。このため、フッ酸と珪素酸化物との反応を防止し、過剰な固体電解質(SEI:Solid Electrolyte Interphase)被膜の形成反応が抑えられる。珪素酸化物粒子表面に安定した被膜の形成が可能となる。
珪素酸化物粒子間に鉄酸化物粒子及び化合物粒子を介在させることにより、上記の鉄酸化物粒子と化合物粒子との効果は、互いに相殺されることなく発揮される。ゆえに、珪素酸化物粒子と鉄酸化物粒子と化合物粒子との混合物からなる負極材料は、珪素酸化物粒子単独、珪素酸化物粒子及び鉄酸化物粒子、又は珪素酸化物粒子及び化合物粒子に比べて、充放電サイクル特性が高くなると考えられる。
鉄酸化物粒子を構成する鉄酸化物は、具体的には、リチウムの吸蔵および放出が可能な酸化第二鉄(Fe)からなるのが好ましい。酸化第二鉄には、α相、β相、γ相、といった異なる結晶構造が存在するが、他の結晶構造よりも一般的で、入手しやすく安価であることから、α−Feからなる鉄酸化物粒子(α−Fe粒子)を用いるのが好ましい。なお、言うまでもなく、構造の異なる酸化第二鉄を二種以上含む鉄酸化物粉末を使用することも可能である。
鉄酸化物粒子は、棒状である。棒状を具体的に規定するのであれば、平面視した粒子の外接長方形の長さと幅の比で規定されるアスペクト比(つまり、平均長さ/平均径)で2以上、3以上さらには4以上であるのが好ましい。アスペクト比の上限に特に規定はないが、10以下、8.5以下さらには5以下が好ましい。具体的には、粒子の長い方向の平均長さが0.4〜0.7μm、粒子の短い方向の平均径が0.085〜0.17μmであるとよい。なお、本明細書において、粒子の寸法の測定は、各種顕微鏡を用いて観察して得られる顕微鏡写真からの実測値である。平均値は、複数の実測値を平均して算出する。
また、鉄酸化物粒子は、表面に複数の細孔を備えるとよい。このような細孔は、粒子の表面で開口し、粒子の表面に対して略垂直に開口していると推測される。鉄酸化物粒子が複数の細孔を備えていることは、たとえば、比表面積を測定することにより確認できる。比表面積に特に限定はないが、30m/g以上であれば、負極活物質としての使用に適切な寸法である棒状の鉄酸化物粒子に細孔が存在すると考えて差し支えない。好ましい鉄酸化物粒子の比表面積は、80m/g以上さらには100m/g以上である。比表面積の値が大きいほど、反応面積が大きくなり、電池反応の効率はさらに向上する。一方、電解液との過剰な反応を抑制するために、比表面積を1000m/g以下さらには600m/g以下とするとよい。また、細孔容積にも特に限定はないが、0.08cm/g以上さらには0.10cm/g以上が好ましい。活物質充填率(活物質層における鉄系酸化物の密度)を上げる観点から、鉄酸化物粒子の細孔容積は、1.0cm/g以下さらには0.5cm/g以下が好ましい。
なお、本明細書において上記の比表面積および細孔容積は、鉄酸化物粉末をBET法により測定した値を採用する。
次に、複数の細孔を備える鉄酸化物粒子の製造方法の一例を説明する。ただし、上記の鉄酸化物粒子が得られるのであれば、この方法に限定されるものではない。また、市販品を用いることも可能である。
たとえば、Feは、FeOOH(オキシ水酸化鉄)を熱処理することで製造可能である。α−Feを得たい場合にはα−FeOOH、γ−Feを得たい場合にはγ−FeOOH、というように前駆体を準備すればよい。このとき、FeOOHの外形は熱処理前後で変化しないため、棒状のFeOOH粉末を準備することで、棒状のFe粉末が得られる。棒状のFeOOHは市販されているが、塩化鉄などの水溶液をエージングして得られる沈殿物として合成することも容易である。熱処理は、150〜500℃さらには250〜400℃で1時間以上さらには1.5〜10時間が好ましく、2〜5時間程度であってもよい。熱処理することでFeOOHは熱分解による脱水反応が生じるが、表面からの脱水の結果として細孔が形成される。上記の温度範囲で熱処理を行うことにより、棒状のFeOOH粒子から、複数の細孔を備える棒状のFe粒子が容易に得られる。熱処理温度が高いほど、脱水反応が十分に進行して細孔が形成されやすく比表面積が大きくなる。しかし、熱処理温度が高すぎると、かえって比表面積が低下する傾向にある。これは、細孔閉塞が生じるためである。また、熱処理雰囲気に特に限定はないため、酸素含有雰囲気、たとえば大気中で行えばよい。
化合物粒子は、Li、Mg、P及びOからなる化合物よりなる。この化合物粒子は、例えば、LiMgPOで表されるオリビン型リン酸マグネシウムリチウムとすることができる。この化合物粒子の平均粒径は、珪素酸化物粒子の平均粒径より小さいことが望ましい。化合物粒子の粒径が珪素酸化物粒子の粒径より大きくなると化合物粒子の作用効果が低下するとともに、リチウムイオン二次電池の容量が低下するため実用的でない。この意味において化合物粒子の粒径は小さいほど好ましく、5μm以下とするのが好ましい。 この化合物粒子は、例えば実施例で示すように、メカニカルミリング(MM)処理によって製造することができる。すなわち、仕込み組成比がLiMgPOとなるように、出発原料としての酸化リチウム(LiO)を25モル%、酸化マグネシウム(MgO)を50モル%、酸化リン(P)を25モル%となるように秤量し、遊星型ボールミル装置を用いてメカニカルミリングすることにより製造できる。このとき、仕込み組成比によっては酸化マグネシウム(MgO)が未反応で残存する場合があるが、化合物粒子中に酸化マグネシウムが含まれていても本発明の効果が損なわれることはない。
珪素酸化物粒子は、従来から負極活物質として用いられている珪素酸化物粉末を使用すればよい。以下に、本発明のリチウムイオン二次電池用負極活物質に最適な珪素酸化物粒子(粉末)の構成を説明する。
珪素酸化物粒子は、SiO相とSi相とを含むとよい。それぞれの相の効果は、既に述べた通りである。珪素酸化物粒子は、SiO(0.3≦n≦1.6)で表される酸化珪素からなるとよい。nが0.3未満であると、Si相の占める比率が高くなるため充放電時の体積変化が大きくなりすぎてサイクル特性が低下する。またnが1.6を超えると、Si相の比率が低下してエネルギー密度が低下するようになる。さらに好ましいnの範囲は、0.5≦n≦1.5、0.7≦n≦1.2である。
一般に、酸素を断った状態であれば800℃以上で、ほぼすべてのSiOが不均化して二相に分離すると言われている。具体的には、非結晶性のSiO粉末を含む原料酸化珪素粉末に対して、真空中または不活性ガス中などの不活性雰囲気中で800〜1200℃、1〜5時間の熱処理を行うことで、非結晶性のSiO相および結晶性のSi相の二相を含むSiO粒子からなる粉末が得られる。
非結晶性のSiO粉末を含む酸化珪素粉末をミリングすることでも、SiOが不均化して二相に分離する。ミリングの機械的エネルギーの一部が、粒子の固相界面における化学的な原子拡散に寄与し、SiO相とSi相などを生成すると考えられる。酸化珪素粉末を、真空中、アルゴンガス中などの不活性ガス雰囲気下で、V型混合機、ボールミル、アトライタ、ジェットミル、振動ミル、高エネルギーボールミル等を使用してミリングするとよい。ミリング後にさらに熱処理を施すことで、珪素酸化物の不均化をさらに促進させてもよい。
珪素酸化物粉末は、略球状の粒子からなるのが好ましい。リチウムイオン二次電池の充放電特性の観点からは、珪素酸化物粉末の平均粒径が小さいほど好ましい。しかし、平均粒径が小さすぎると、負極の形成時に凝集して粗大な粒子となるため、リチウムイオン二次電池の充放電特性が低下する場合がある。そのため、珪素酸化物粉末の平均粒径は、5〜20μmの範囲にあるとよい。
また、珪素酸化物粒子は、表面に炭素材料からなる被覆層を備えるとよい。炭素材料からなる被覆層は、珪素酸化物粒子に導電性を付与するだけでなく、珪素酸化物粒子と電解液の成分が分解されて発生するフッ酸などとの反応を防止することができ、リチウムイオン二次電池の電池特性が向上する。被覆層の炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、メソフェーズ炭素、気相成長炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維などを用いることができる。また被覆層を形成するには、珪素酸化物と炭素材料前駆体とを混合して焼成するとよい。炭素材料前駆体としては、糖類、グリコール類、ポリピロール等のポリマー、アセチレンブラックなど、焼成により炭素材料に転化しうる有機化合物が使用可能である。その他、メカノフュージョンなどの機械的表面融合処理法、CVDなどの蒸着法を用いても、被覆層を形成することができる。
珪素酸化物粒子と被覆層の合計を100質量%としたときに、被覆層の質量比は1〜50質量%とすることができる。被覆層が1質量%未満では導電性向上の効果が得られず、50質量%を超えると珪素酸化物の割合が相対的に減少して負極容量が低下してしまう。被覆層の質量比は5〜30質量%の範囲が好ましく、5〜20質量%の範囲がさらに望ましい。
珪素酸化物粒子は平均粒径が1μm〜10μmの範囲にあることが望ましい。平均粒径が10μmより大きいとリチウムイオン二次電池の充放電特性が低下し、平均粒径が1μmより小さいと樹脂の被覆時に凝集して粗大な粒子となるため同様にリチウムイオン二次電池の充放電特性が低下する場合がある。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材料は、上記の珪素酸化物粒子と鉄酸化物粒子と化合物粒子との混合物を含む。この混合物全体を100質量%としたときに、鉄酸化物粒子の質量比は1質量%以上20質量%以下、化合物粒子を1質量%以上15質量%以下とすることが好ましい。この場合には、サイクル特性及び電池容量が高くなる。
鉄酸化物粒子の配合量の増加に伴い、サイクル特性の安定度は向上するが、容量は低下する傾向にある。化合物粒子の配合量の増加に伴い、サイクル特性が向上するが,過剰な配合量となると却ってサイクル特性が低下する傾向にある。そのため、珪素酸化物粒子と鉄酸化物粒子との混合比率は、リチウムイオン二次電池の要求特性により適宜決定すればよい。
たとえば、サイクル特性を向上させたいのであれば、混合物全体を100質量%としたとき、鉄酸化物粒子を5質量%以上20質量%以下、化合物粒子を5質量%以上15質量%以下含むとよい。電池容量を高くするためには、混合物全体を100質量%としたとき、鉄酸化物粒子を1質量%以上10質量%以下、化合物粒子を1質量%以上10質量%以下とすることが好ましい。
また、珪素酸化物粒子と鉄酸化物粒子と化合物粒子との混合物全体を100質量%としたときに、珪素酸化物粒子は80質量%以上90質量%以下であることがよい。この場合には、二次電池の容量が高くなる。
また、珪素酸化物粒子及び鉄酸化物粒子は、活物質としての機能をもつ。鉄酸化物粒子と珪素酸化物粒子とを合わせた活物質を100質量%としたとき、鉄酸化物粒子は3質量%以上15質量%以下であり、珪素酸化物粒子は85質量%以上97質量%以下であることが好ましい。この場合には、二次電池の容量を高くすることができる。
珪素酸化物粒子と鉄酸化物粒子と化合物粒子との混合物を100質量%としたときに、珪素酸化物及び鉄酸化物を合わせた活物質の質量比は、85質量%以上95質量%以下であることが好ましい。この場合には、二次電池の容量を高くすることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用の負極材料は、珪素酸化物粒子と鉄酸化物粒子と化合物粒子との混合物を必須として含む。負極材料は、該混合物単独で構成されていてもよいが、更に他の材料を含んでいても良い。他の材料は、例えば、他の負極活物質、導電助材、バインダー樹脂などが挙げられる。他の負極活物質は、たとえば、炭素系負極活物質が挙げられる。
導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。導電助剤として、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、気相法炭素繊維(VaporGrownCarbonFiber:VGCF)等を単独でまたは二種以上組み合わせて添加することができる。導電助剤の使用量については、特に限定的ではないが、たとえば、活物質100質量部に対して、20〜100質量部程度とすることができる。導電助剤の量が20質量部未満では効率のよい導電パスを形成できず、100質量部を超えると電極の成形性が悪化するとともにエネルギー密度が低くなる。なお、炭素材料からなる被覆層をもつ珪素酸化物粒子を用いる場合には、導電助剤の添加量を低減することができ、あるいは添加しないでもよい。
バインダー樹脂は、活物質および導電助剤を集電体に結着するための結着剤として用いられる。バインダー樹脂はなるべく少ない量で活物質等を結着させることが求められ、その量は、負極活物質、導電助材およびバインダー樹脂を合計で100質量%としたときに、0.5〜50質量%が望ましい。バインダー樹脂量が0.5質量%未満では電極の成形性が低下し、50質量%を超えると電極のエネルギー密度が低くなる。なお、バインダー樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系ポリマー、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム、ポリイミド等のイミド系ポリマー、ポリアミドイミド、アルコキシルシリル基含有樹脂、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリイタコン酸などが例示される。またアクリル酸と、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などの酸モノマーとの共重合物を用いることもできる。中でもポリアクリル酸など、カルボキシル基を含有する樹脂が特に望ましく、カルボキシル基の含有量が多い樹脂ほど好ましい。
<リチウムイオン二次電池用負極>
本発明のリチウムイオン二次電池の負極は、上記の負極材料を有する。負極は、例えば、集電体と、集電体表面に形成され上記の負極材料からなる負極活物質層とを有する。負極活物質層は、負極材料を、必要に応じ適量の有機溶剤を加えて混合しスラリーにしたものを、ロールコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの方法で集電体上に塗布し、バインダー樹脂を硬化させることによって作製することができる。
集電体は、金属製のメッシュ、箔または板などの形状を採用することができるが、目的に応じた形状であれば特に限定されない。集電体として、たとえば銅箔やアルミニウム箔を好適に用いることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池における負極には、リチウムがプリドーピングされていることが望ましい。負極にリチウムをドープするには、たとえば、対極に金属リチウムを用いて半電池を組み、電気化学的にリチウムをドープする電極化成法などを利用することができる。リチウムのドープ量に特に限定はなく、理論容量以上にプリドープされてもよい。
なお、リチウムをドープすることにより、あるいは本発明のリチウムイオン二次電池の初回充電後には、負極活物質に含まれるSiO相にLiSi(0≦x≦4、0.3≦y≦1.6、2≦z≦4)で表される酸化物系化合物が含まれているとよい。LiSiとしては、たとえばx=0,y=1,z=2のSiO、x=2,y=1,z=3のLiSiO、x=4,y=1,z=4のLiSiOなどが例示される。たとえばx=4,y=1,z=4のLiSiOは下記の反応により生成し、クーロン効率は約77%と計算される。
2SiO+8.6Li+8.6e→1.5Li4.4Si+1/2LiSiO
また上記反応が途中で停止した場合には、下記の反応のようにx=2,y=1,Z=3のLiSiOとx=4,y=1,z=4のLiSiOの両者が生成し、この場合のクーロン効率も約77%と計算される。
2SiO+7.35Li+7.35e→1.42LiSi+1/3LiSiO+1/4LiSiO
上記反応によって生成するLiSiOは、充放電時の電極反応に関与しない不活性な物質であり、充放電時の活物質の体積変化を緩和する働きをする。したがってSiO相にLiSiで表される酸化物系化合物が含まれる場合には、本発明のリチウムイオン二次電池はサイクル特性がさらに向上する。
さらに、本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、鉄酸化物粒子をコンバージョン領域まで充放電させることで、上記のクーロン効率を77%以上に向上させることができる。本発明者等は、低い電流密度で充放電を行った充放電試験において容量が増加し、クーロン効率であれば約93%となることを、鋭意研究により突き止めた。この理由は明確ではないが、コンバージョン領域において生成された0価のFeが、珪素酸化物粒子の電池反応に対して触媒の役割を果たすと推測される。したがって、本発明のリチウムイオン二次電池用負極を用いたリチウムイオン二次電池は、鉄酸化物粒子のコンバージョン領域まで、具体的に規定するのであれば、終止電圧をリチウム基準電位で0.005Vさらには0Vにして充放電を行うとよい。
<リチウムイオン二次電池>
上記した負極を用いる本発明のリチウムイオン二次電池は、特に限定されない公知の正極、電解質、セパレータを用いることができる。正極は、リチウムイオン二次電池で使用可能なものであればよい。正極は、集電体と、集電体上に結着された正極活物質層とを有する。正極活物質層は、正極材料からなる。正極材料は、正極活物質と、バインダーとを含み、さらには導電助剤を含んでもよい。正極活物質、導電助材およびバインダーは、特に限定はなく、リチウムイオン二次電池で使用可能なものであればよい。
正極活物質としては、LiCoO、LiNiCoMn(0<p<1、0+p<q<1−p、0+(p+q)<r<1−(p+q))、LiMnO、LiMnO、LiNiMn(0<s<1、0+s<t<1−s)、LiFePO、LiFeSOを基本組成とするリチウム含有金属酸化物あるいはそれぞれを1種または2種以上含む固溶体材料などが挙げられる。望ましくは、LiCoO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiMnO、Sなどが挙げられる。Sを含む正極活物質としては、硫黄単体(S)、ポリアクリロニトリルなどの有機化合物に硫黄を導入した硫黄変性化合物などを用いることもできる。ただし、これらの材料は、電解質イオンとなるリチウムを含まないため、負極活物質または正極活物質に予めリチウムをドープ(プレドープ)する必要がある。
集電体は、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼など、リチウムイオン二次電池の正極に一般的に使用されるものであればよい。導電助剤は上記の負極で記載したものと同様のものが使用できる。
電解質は、有機溶媒に電解質であるリチウム金属塩を溶解させた電解液を用いるとよい。電解液は、特に限定されない。有機溶媒として、非プロトン性有機溶媒、たとえばプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)等から選ばれる一種以上を用いることができる。また、溶解させる電解質としては、LiPF、LiBF、LiAsF、LiI、NaPF、NaBF、NaAsF、LiBOB、等の有機溶媒に可溶なリチウム金属塩を用いることができる。
たとえば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどの有機溶媒にLiClO、LiPF、LiBF、LiCFSO等のリチウム金属塩を0.5〜1.7モル/L程度の濃度で溶解させた溶液を使用することができる。
セパレータは、リチウムイオン二次電池に使用されることができるものであれば特に限定されない。セパレータは、正極と負極とを分離し電解液を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い微多孔膜を用いることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、形状に特に限定はなく、円筒型、積層型、コイン型等、種々の形状を採用することができる。いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極にセパレータを挟装させ電極体とし、正極集電体および負極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後、この電極体を電解液とともに電池ケースに密閉して電池となる。
以上説明した本発明のリチウムマンガン系複合酸化物を活物質として用いた二次電池は、携帯電話、パソコン等の通信機器、情報関連機器の分野の他、自動車の分野においても好適に利用できる。たとえば、この二次電池を車両に搭載すれば、電気自動車用の電源として使用できる。
<鉄酸化物粉末の製造>
平均長さが0.65μm、平均径が0.15μmの棒状粒子からなるα−FeOOH粉末を前駆体として用いて、α−Fe粉末を製造した。熱処理は、所定の温度で大気中10時間行った。熱処理温度は、250℃、300℃、330℃、360℃、400℃、450℃、又は500℃とした。
熱処理前後のα−FeOOH粉末について、CuKα線を用いたX線回折(XRD)測定を行った。また、走査電子顕微鏡(SEM)により、それらの形状を観察した。結果を図1および図2に示した。なお、図1に示したXRDパターンは、熱処理前のα−FeOOH粉末、熱処理温度250℃、300℃、330℃、360℃、400℃、450℃、及び500℃で熱処理した粉末のデータである。図1には、FeOOHおよびα−Feの粉末回折ファイル(PDF)の回折データを併記した。図2に示したSEM像は、熱処理前のα―FeOOH粉末と熱処理温度360℃で10時間熱処理した粉末の結果である。
図1に示すように、熱処理により、α−FeOOH粉末からα−Fe粉末が生成したことがわかった。熱処理温度が250℃以上であるとき、α−Fe粉末が生成したことがわかった。また、図2より、熱処理前後で外形には変化が見られないことがわかった。したがって、熱処理後の棒状粒子の平均長さおよび平均径を測定しても、平均長さは0.65μm、平均径は0.15μm(アスペクト比:4.3)であった。なお、平均長さおよび平均径は、SEM像より複数の棒状粒子の長さおよび径を実測し、平均した値とした。
α−FeOOH粉末に熱処理を行うと、以下の脱水反応がおこり、α−Fe粉末が生成するとともに、生成したHOの蒸発によりα−Fe粒子に細孔が形成されると考えられる。
2α−FeOOH(n) → α−Fe(n) + HO↑
<比表面積および細孔容積の測定>
低温低湿物理吸着によるBET法(吸着質:窒素)を用い、α−FeOOH粒子および種々の温度で熱処理して得られたα−Fe粒子の比表面積および細孔容積を測定した。結果を図3に示した。熱処理温度は、270℃、360℃、500℃及び750℃である。図3において、●で示す値は比表面積、□で示す値は細孔容積である。なお、図3において熱処理温度が「0℃」の位置には、未処理のα−FeOOH粒子の測定結果を参考として示した。
図3より、α−FeOOH粒子を熱処理することで、熱処理前よりも比表面積および細孔容積が高くなったことから、熱処理後のα−Fe粒子には粒子表面からの脱水によって形成された複数の細孔が存在することがわかった。特に、270〜360℃で熱処理されて得られたα−Fe粒子の比表面積および細孔容積は、80m/g以上かつ0.1cm/g以上で非常に高かった。ただし、熱処理温度が500℃以上では細孔閉塞が生じ、α−Fe粒子の比表面積および細孔容積は、熱処理前のα−FeOOH粒子の比表面積および細孔容積と同等かそれよりも低かった。適切な熱処理条件を選択することで、高比表面積かつ高細孔容積のα―Fe粉末が得られることがわかった。
<化合物粉末の製造>
出発原料としての酸化リチウム(LiO)を25モル%、酸化マグネシウム(MgO)を50モル%、酸化リン(P)を25モル%となるように秤量し、遊星型ボールミル装置を用いて、室温、回転数450rpm、の条件で20時間のメカニカルミリング処理を施した。仕込み組成比は、LiMgPOとなる比率である。得られた粉末のX線回折パターンを図4に示す。図4から、得られた粉末はLiMgPOカードデータに帰属されることから、オリビン型構造をもつLiMgPOが生成していることが明らかである。また得られた粉末のSEM像を図5に示す。図5から、LiMgPOの粒径は約3μm以下となっている。
<珪素酸化物粉末の製造>
珪素酸化物粉末として、市販のSiO粉末(シグマ・アルドリッチ・ジャパン社製、平均粒径5μm)の粒子表面を炭素被覆した粉末を使用した。炭素被覆は、SiO粉末をグルコース水溶液に添加し均一に混合した後、乾燥し、900℃で2時間熱処理して行った。なお、SiOは、この熱処理によって、固体の内部反応によりSi相とSiO相の二相に分離する。分離して得られるSi相は非常に微細である。
図6に、熱処理により得られたSiO−C粉末のSEM写真を示した。図7には、SiO−C粉末の模式図を示した。図6からわかるように、SiO−C粒子の表面は、炭素からなる被覆層で被覆されていた。SiO−C粒子の平均粒径は、8μm程度であった。SiO−C粒子の内部は、熱処理により、Si相とSiO相の二相に分離していた。Si相とSiO相の割合は、モル比で、50:50であった。Si相は、Liイオンの吸蔵・放出を伴う電池反応の場であり、体積変化が大きい。SiO相は電池反応に関与しない領域であり、体積変化は小さい。粒子内部をSi相とSiO相の海島構造にすることで、Si単独相からなる粒子に比べて、体積変化の程度を約1/2程度に抑えることができる。
<リチウムイオン二次電池用負極の作製>
鉄酸化物粉末としての上記のα−Fe粉末、及び化合物粉末としてのLiMgPO粉末を用いて、負極を作製した。負極は、鉄酸化物粉末と化合物粉末の配合比を変えて、5種類作製した。5種類の負極は、負極1〜5とした。各負極の製法について説明する。
(負極1)
珪素酸化物粉末と鉄酸化物粉末と化合物粉末とを混合して混合粉末を得た。混合粉末の組成は、混合粉末を100質量%としたとき、珪素酸化物粉末を85.5質量%、鉄酸化物粉末を9.5質量%、化合物粉末を5質量%とした。珪素酸化物粉末と鉄酸化物粉末は負極活物質であるため、負極活物質と化合物粉末との組成比は、負極活物質:化合物粉末=95:5(質量%)となる。負極活物質を100質量%としたときには、珪素酸化物粉末と鉄酸化物粉末との組成比は、珪素酸化物粉末:鉄酸化物粉末=90:10となる。
この混合粉末85質量部と、バインダー(固形分)15質量部を混合してスラリー状の負極材料を調製した。バインダーには、ポリイミドの前駆体をN−メチル−2−ポロリドン(NMP)に溶解したポリアミック酸溶液で、熱処理後の固形成分が18%となる溶液を用いた。この負極材料を、厚さ10μmの電解銅箔(集電体)の表面にドクターブレードを用いて塗布し、銅箔上に負極活物質層を形成した。その後、ロールプレス機により、集電体と負極活物質層を強固に密着接合させた。これを真空乾燥し、活物質層の厚さが30μm程度の負極を形成した。得られた負極は、負極1とした。
(負極2)
負極2では、混合粉末の組成は、混合粉末を100質量%としたとき、珪素酸化物粉末を81質量%、鉄酸化物粉末を9質量%、化合物粉末を10質量%とした。珪素酸化物粉末と鉄酸化物粉末は負極活物質であるため、負極活物質と化合物粉末との組成比は、負極活物質:化合物粉末=90:10(質量%)となる。負極活物質を100質量%としたときには、珪素酸化物粉末と鉄酸化物粉末との組成比は、珪素酸化物粉末:鉄酸化物粉末=90:10となる。その他は、負極1と同様にして、負極2を製造した。
(負極3)
負極3では、混合粉末の組成は、混合粉末を100質量%としたとき、珪素酸化物粉末を90質量%、鉄酸化物粉末を10質量%とした。化合物粉末は含まれていない。その他は、負極1と同様にして、負極3を製造した。
(負極4)
負極4では、混合粉末の組成は、混合粉末を100質量%としたとき、珪素酸化物粉末を95質量%、化合物粉末を5質量%とした。鉄酸化物粉末は含まれていない。その他は、負極1と同様にして、負極4を製造した。
(負極5)
負極5では、鉄酸化物粉末及び化合物粉末は含んでおらず、珪素酸化物粉末を用いて作製された。
<電池の作製>
上記の手順で作製した5種類の負極1〜5を評価極として用い、5種類の電池(半電池)を作製し、充放電サイクル試験に供した。
図8に示すように、評価極11をφ15.0mm、対極12をφ15.5mmに裁断し、セパレータ13(ポリエチレン製多孔質フィルム、厚さ25μm)を両者の間に挟装して電極体電池とした。対極12は、金属リチウム箔(厚さ500μm)とした。電極体電池をコイン型の電池ケース15(宝泉株式会社製CR2032コインセル)に収容した。また、電池ケース15には、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比でEC:EMC=3:7で混合した混合溶媒にLiPFを1mol/dmの濃度で溶解した非水電解質14を注入した。電池ケース15と対極12との間にはスプリング16を設けた。電池ケース15は2割体である。2割体の間にガスケット17を介設することで、電池ケース15内を密封した。これにより、評価用の半電池を作製した。
この評価用の半電池では、評価極11として各負極1〜5を正極側で用い、対極12として金属リチウム箔を負極側で用いている。実際に各負極1〜5を負極側に用いたリチウムイオン二次電池でも、同じ充放電サイクル数での各負極間での相対容量は評価用半電池と同じ傾向を示すと推定される。
<充放電サイクル試験>
作製した各半電池に対し、室温下で充放電サイクル試験を行った。1サイクル目は充放電電流密度0.2mA/cmにて、2サイクル目以降は充放電電流密度0.5mA/cmにて定電流充放電試験を行った。電位範囲は、リチウム基準電位で0〜3.0Vとした。60サイクル目までの放電容量の推移を図9に示した。各負極の第1回目放電容量、第2回目放電容量及び、60回目放電容量を表1に示した。
表1,図9より、負極1,2を用いた電池は、負極3〜5を用いた電池よりも、60サイクルでの放電容量維持率がよかった。また、初回放電容量については、負極1〜3を用いた電池が、負極4、5よりも大きかった。2回目放電容量については、負極1がよく、次に負極2,3がよく、負極4、5は小さかった。
このことから、各負極材料を負極側に用いたリチウムイオン二次電池でも、珪素酸化物粉末と棒状の鉄酸化物粉末と化合物粉末との3種類の混合物が混合された負極材料を用いることにより、珪素酸化物粉末と棒状鉄酸化物粉末からなる負極材料、珪素酸化物粉末と化合物粉末からなる負極材料、珪素酸化物粉末単独の負極材料を用いた場合に比べて、サイクル特性及び放電容量がよくなることがわかった。特に、負極1,2では、初回放電容量は同程度であったが、混合物を100質量%としたときの化合物粉末の配合比が5質量%の場合(負極1)は、10質量%であるとき(負極2)よりも、不可逆容量が小さく、2回目放電容量が大きくなった。
また、珪素酸化物粉末に、棒状の鉄酸化物粉末及び化合物粉末を混合することで、サイクル数の上昇に伴う放電容量の低下が抑制されることがわかった。混合物全体を100質量%としたとき、鉄酸化物粉末を1質量%以上20質量%以下、化合物粉末を1質量%以上15質量%以下とすることがよいとわかった。また、前記鉄酸化物粉末を5質量%以上20質量%以下、前記化合物粉末を5質量%以上15質量%以下含むことで、サイクル特性が向上することがわかった。また、電池容量を高くするためには、鉄酸化物粉末を1質量%以上10質量%以下、化合物粉末を1質量%以上10質量%以下とすることすることがよいとわかった。
<参考例1:α−Fe粉末の配合量及び形状の比較>
珪素酸化物粉末と、棒状の鉄酸化物粉末または球状の鉄酸化物粉末とを用いて、各種負極を作製した。珪素酸化物粉末は、炭素で被覆されたSiO粉末(SiO−C粉末)を用いた。SiO−C粉末は、上記の<珪素酸化物粒子の製造>に示された方法で作製されたものである。鉄酸化物粉末は、棒状のものと球状のものを用いた。棒状の鉄酸化物粉末には、上記のα−FeOOH粉末を360℃で10時間熱処理して得たα−Fe粉末(粒子の平均長さ:0.65μm、粒子の平均径:0.15μm(アスペクト比:4.3))を用いた。球状の鉄酸化物粉末には、市販のα−Fe粉末(粒子の平均粒径:0.7μm(アスペクト比は略1))を用いた。棒状の鉄酸化物粉末のBET比表面積は87.7m/gであり、球状の鉄酸化物粉末のBET比表面積は11.6m/gであった。
SiO−C粉末と棒状又は球状のα−Fe粉末との合計質量を100質量%としたとき、SiO−C粉末の質量比をx質量%、α−Fe粉末の質量比を(100−x)質量%であらわされる。棒状のα−Fe粉末を用いた場合にx=0、80、90、100のとき、及び球状のα−Fe粉末を用いた場合にx=90のとき、負極を以下の方法により作製した。
SiO−C粉末と棒状又は球状のα−Fe粉末との合計量が85質量部、アセチレンブラック(AB)5質量部およびバインダー10質量部となるようにそれぞれ混合してスラリー状の負極材料を調製した。バインダーには、ポリイミドの前駆体をN−メチル−2−ポロリドン(NMP)に溶解したポリアミック酸溶液で、熱処理後の固形成分が30%となる溶液を用いた。このスラリー状の負極材料を、厚さ10μmの電解銅箔(集電体)の表面にドクターブレードを用いて塗布し、銅箔上に負極活物質層を形成した。その後、ロールプレス機により、集電体と負極活物質層を強固に密着接合させた。これを真空乾燥し、活物質層の厚さが30μm程度の負極を形成した。各負極を評価極として、上記と同様に半電池を作製し、同条件で充放電サイクル試験を行った。充放電のサイクル数は100回とした。
充放電サイクル試験前後の負極活物質層をSEMにより観察した。その結果を、図10〜図14に示した。図10は、充放電前の負極活物質層のSEM像であり、左上段はx=100、右上段はx=90、左下段はx=80、右下段はx=0の場合の負極活物質層のSEM像である。図10で示された負極活物質層に含まれるα−Fe粒子はすべて棒状粒子である。
図10に示すように、充電前では、SiO−C粉末からなる負極活物質層(x=100)では、SiO−C粒子の表面に、炭素粒子が付着していた。SiO−C粉末及び棒状α−Fe粉末からなる負極活物質層(x=90、80)では、SiO−C粒子の粒子間に、棒状のα−Fe粒子が介在していた。棒状α−Fe粉末からなる負極活物質層(x=0)では、棒状のα−Fe粒子のみが観察された。
図11は、100サイクル放電後の負極活物質層のSEM像であり、左上段は球状のα−Fe粉末及びSiO−C粉末を含み且つx=90である負極活物質層のSEM像であり、右上段は棒状のα−Fe粉末及びSiO−C粉末を含み且つx=90である負極活物質層のSEM像であり、左下段はSiO−C粉末を含みα−Fe粉末を含まない負極活物質層のSEM像であり(x=100)、右下段は棒状のα−Fe粉末及びSiO−C粉末を含みかつx=80である負極活物質層のSEM像である。図11では、球状のα−Fe粉末を用いた場合は(s)と表記し、棒状のα−Fe粉末を用いた場合は(n)と表記した。なお、図10,図11のSEM像は、集電体の表面に対して垂直方向に負極活物質層を観察したものである。
図11に示すように、100サイクル放電後には、棒状のFe粉末とSiO−C粉末とを90:10(質量%)の配合比で含む負極活物質層(x=90)は、SiO−C粉末を含む場合(x=100)に比べて、SiO−C粒子表面が若干滑らかであった。これは、SiO−C粒子表面に、棒状のFe粒子が溶けて被膜を形成したためである。この被膜には、電解液の酸化還元反応により生成したSEI成分とFeとが含まれていると予想される。x=90のSEM像では、SiO−C粒子表面の被膜の中に、わずかに棒状のFe粒子がみられる。また、被膜は、滑らかにみえ、まるでゲル状になっているかのようにもみえる。
図11に示すように、100サイクル放電後には、棒状のFe粉末の配合量を更に増やした場合(x=80)には、SiO−C粒子表面に被膜が形成されており、しかも、SiO−C粒子表面に凸状部が形成された。この凸状部は、SiO−C粒子表面に形成された被膜の中に、棒状のFe粒子がその形状を留めて残っている部分である。
そして、Fe粒子が球状である場合(X=90(s))には、球状のFe粒子は、その形状を留めており、SiO−C粒子表面に付着していた。
図12の上段は、充放電前の負極活物質層表面のSEM像であり、下段は100サイクル放電後の負極活物質層表面のSEM像である。上段及び下段の左図は負極活物質層がSiO−C粉末は含むがα−Fe粉末を含まない場合(x=100)、中図はSiO−C粉末及び棒状α−Fe粉末を含む場合(x=90(n))、右図はSiO−C粉末及び球状α−Fe粉末を含む場合(x=90(s))を示す。図12のSEM像は、集電体の表面に対して平行方向に負極活物質層の表面を観察した。
図12の上段に示すように、充放電前では、SiO−C粉末のみのとき(x=100)、SiO−C粒子が多数見られた。SiO−C粉末及び棒状α−Fe粉末を含む場合(x=90(n))、SiO−C粒子の間に棒状のα−Fe粒子が分散していた。SiO−C粉末及び球状α−Fe粉末を含む場合(x=90(s))、比較的大きなSiO−C粒子の間に、比較的小さな球状のα−Fe粒子が認められた。
図12の下段に示すように、100サイクル放電後には、x=100及びx=90(s)では、負極活物質層表面に亀裂が発生した。これに対して、x=90(n)では、負極活物質表面に亀裂は発生していなかった。このことは、以下のように推測される。棒状のα−Fe粒子が、SiO−C粒子間に分散されることで、隣り合うSiO−C粒子間を架橋する。これにより、充放電に伴う体積変化でSiO−C粒子の表面の被膜に亀裂が発生することを防止したためであると考えられる。また、充放電サイクルにより、棒状のα−Fe粒子がSiO−C粒子表面にゲル状の被膜を形成し、SiO−C粒子の体積変化を吸収するため、負極活物質層に亀裂が発生することを抑制しているとも考えられる。
図13及び図14は、棒状又は球状のα−Fe粉末を用いかつSiO−C粉末は含まない充放電前の負極活物質層のSEM像である(x=0)。図13は、α−Fe粒子が棒状である場合、図14はα−Fe粒子が球状である場合を示す。図13に見られる粒状体(一例を矢印で示す)はアセチレンブラックであった。SEM観察は、集電体の表面に対して垂直方向に負極活物質層の表面を観察した。図13では、集電体の表面に対して平行な棒状粒子が多数観察された。
上記の手順で作製した2種類の電極を評価極として用い、前述の手順に従い2種類の半電池を作製した。作製したそれぞれの半電池に対し、室温下で充放電試験を行った。1サイクル目は充放電電流密度0.2mA/cmにて、2サイクル目以降は充放電電流密度0.5mA/cmにて定電流充放電試験を行った。電位範囲は、リチウム基準電位で0.005〜3.0Vとした。
1サイクル目から18サイクル目(球状のα−Fe粉末を使用した場合には20サイクル目)までの放電容量の推移を図15に示した。棒状のα−Fe粉末を使用した電池は、18サイクル目まで初期放電容量の85%以上を維持した。また、棒状のα−Fe粉末を使用した電池の放電容量は、2サイクル目以降であっても700mAh/gで高かった。一方、球状のα−Fe粉末を使用した電池は、初期放電容量が低く、2サイクル目で初期放電容量の半分程度まで低下し、20サイクル目にはさらに半分程度の容量に低下した。
上記の評価に用いた2種類の電池において、粒子形状以外に両者に差は無い。そのため、棒状のα−Fe粉末を使用した二次電池の高い容量および優れたサイクル特性は、粒子形状に起因することがわかった。そして、棒状のα−Fe粉末を珪素酸化物粉末とともに用いることで、図9に示したように、珪素酸化物粉末単独では不十分であったサイクル特性および/または初期容量を向上させることができることがわかった。
一方、球状のα−Fe粉末が珪素酸化物粉末とともに負極材料に含まれると、充放電時に珪素酸化物粒子間の接触が悪くなるという理由により、珪素酸化物粉末単独を負極材料に含む場合に比べて、容量およびサイクル特性が悪化することが予測される。
図16の上段は、SiO−C粉末と棒状のα−Fe粉末とからなる負極活物質層を有する負極の断面模式図であり、図16の下段は、SiO−C粉末と球状のFe粉末とからなる負極活物質層を有する負極の断面模式図である。
図16の上段に示すように、SiO−C粉末と棒状のFe粉末とからなる負極活物質層では、SiO−C粒子1の間に、比較的小さな棒状のFe粒子5が分散している。棒状のFe粒子5は、SiO−C粒子1間を架橋する役目をもつ。SiO−C粒子1は、図7で説明したように、SiOからなるコア部2と、コア部2を被覆するC(炭素)からなる被覆層3とをもつ。コア部2は、Si相21と、SiO相22とで、海島構造を形成している。
一般に、SiO−C粒子1のコア部2は、Liイオンを吸蔵放出する活物質の役目を担うSi相21を有している。このため、SiO−C粒子1が電解液に接触すると、粒子表面にSEI被膜が形成される。Li吸蔵放出に伴いSiO−C粒子1が体積変化すると、表面に形成された被膜に亀裂が発生しやすい。被膜に亀裂が発生すると、その亀裂を通じて電解液がSiO−C粒子1に直接接触し、更に新たな被膜を形成する。被膜が形成される度に電解液は劣化していくため、この現象はサイクル特性を低下させる。
しかし、図16の上段に示すように、SiO−C粒子1の間に棒状のFe粒子5を分散させると、棒状のFe粒子5がSiO−C粒子1間を架橋し、被膜の亀裂発生を抑制する。また、棒状のFe粒子5の一部がゲル状の被膜となってSiO−C粉末表面を被覆する。この被膜は、体積変化に追従し易く、被膜に亀裂が発生しにくい。このため、電解液の劣化を抑制でき、充放電が繰り返されても高い容量を維持することができると考えられる。
一方、図16の下段に示すように、球状のFe粒子9は、その形状が球状であり、棒状粒子に比べて、SiO−C粒子1間を架橋しにくい形状である。ゆえに、SiO−C粒子1表面で、被膜の亀裂、生成が繰り返され、電解液の劣化や不可逆容量の増大によりサイクル特性が低下したものと考えられる。
<参考例2:棒状のα−Fe粉末とSiO−C粉末の配合量の検討>
珪素酸化物粉末と棒状の鉄酸化物粉末とを用いて、各種負極を作製した。珪素酸化物粉末は、炭素で被覆されたSiO粉末(SiO−C粉末)を用いた。SiO−C粉末は、上記の<珪素酸化物粉末の製造>に示された方法で作製された。珪素酸化物粉末と鉄酸化物粉末との配合割合を、質量比で、珪素酸化物粉末:鉄酸化物粉末=100:0、90:10、80:20、70:30、60:40、50:50、20:80、10:90、0:100とし、負極活物質の異なる9種類の負極を作製した。負極には、化合物粉末は含まれていない。各負極のその他の構成は、上記の負極と同様である。各負極を用いて上記と同様の構成の半電池を作製した。半電池の1サイクル目の充放電容量および放電容量を図17に示した。また、70サイクル目までの放電容量の推移を図18に示した。
図17より、珪素酸化物粉末の配合割合が増加するにしたがって、初期容量は増加する傾向にあった。特に、珪素酸化物粉末の配合割合が80質量%の時に容量は最大となった。珪素酸化物粉末の配合割合を75〜90質量%(鉄酸化物粉末の添加量であれば10〜25質量%)とすることで、鉄酸化物粉末を含まない場合よりも初期容量を増大させることができることがわかった。負極材料に、珪素酸化物粉末と鉄酸化物粉末に加えて、LiMgPOからなる化合物粉末を加えた場合にも、サイクル特性に優れた二次電池を作製できると考えられる。
図18より、鉄酸化物粉末の使用により、サイクル数増加に伴い放電容量の低下が抑制されることがわかった。鉄酸化物粉末の添加量を40質量%以上とすることで、放電容量のサイクル推移が非常に安定した。一方、鉄酸化物粉末の添加量が10質量%である二次電池であれば、負極活物質が珪素酸化物粉末100質量%の二次電池と比較して、初期容量およびサイクル特性ともに優れることがわかった。すなわち、鉄酸化物粉末の添加量を5〜15質量%(珪素酸化物粉末の配合割合であれば85〜95質量%)とすることで、初期容量およびサイクル特性を高いレベルで両立するリチウムイオン二次電池が得られることがわかった。負極活物質層にLiMgPOからなる化合物粉末を添加混合した場合にも、サイクル特性に優れた二次電池が得られると予想される。
<参考例3:LiMgPOからなる化合物粉末の配合量の検討>
SiO−C粉末とLiMgPOからなるLiMgPO粉末とからなる負極材料を調製し、集電体表面に負極材料からなる負極活物質層を形成して負極を得た。負極材料には、Fe粉末は含まれていない。SiO−C粉末とLiMgPO粉末との合計質量を100質量%としたときの、SiO−C粉末の配合量をyとする。yが95である場合を負極6,y=90の場合を負極7,y=80の場合を負極8,y=100の場合を負極9とした。その他は、上記の負極と同様である。
図19は、負極6,7のSEM像である。図19に示すように、粒径5〜20μm程度のSiO−C粒子の表面に粒径1μm程度のLiMgPO粒子が付着していることがわかる。
各負極6〜9を用いて半電池を作製した。各半電池について上記と同様の充放電サイクル試験を行い、各サイクル毎の充放電容量を測定した。測定結果を図20に示した。
図20に示すように、負極8のようにLiMgPO粉末の含有量が多くなるとサイクル特性が低下した。このことから、混合粉末中のLiMgPO粉末の含有量は5〜10質量%の範囲が特に好ましいこともわかる。
本参考例では、負極材料がSiO−C粉末とLiMgPO粉末とからなる。負極材料に更にα−Fe粉末が含まれている場合にも、同様の結果を得られると予想される。
1:SiO−C粒子、2:コア部、21:Si相、22:SiO相、3:被覆層、5:棒状のFe粒子、9:球状のFe粒子。

Claims (13)

  1. 珪素酸化物からなる珪素酸化物粒子と、鉄酸化物からなる棒状の鉄酸化物粒子と、Li(リチウム)、Mg(マグネシウム)、P(リン)及びO(酸素)からなる化合物よりなる化合物粒子と、の混合物を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料。
  2. 前記混合物全体を100質量%としたとき、前記鉄酸化物粒子を1質量%以上20質量%以下、前記化合物粒子を1質量%以上15質量%以下含む請求項1記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
  3. 前記鉄酸化物粒子は、アスペクト比が2以上10以下である請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
  4. 前記鉄酸化物粒子は、平均長さが0.4μm以上0.7μm以下、平均径が0.085μm以上0.17μm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
  5. 前記鉄酸化物粒子は、表面に複数の細孔を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
  6. 前記鉄酸化物粒子は、α―Feを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
  7. 前記化合物粒子は、LiMgPOからなる請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
  8. 前記化合物粒子の粒径は、5μm以下であり、前記珪素酸化物粒子の粒径よりも小さい請求項1〜7のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
  9. 前記珪素酸化物粒子は、SiO相とSi相とを含み、該SiO相にはLiSi(0≦x≦4、0.3≦y≦1.6、2≦z≦4)で表される酸化物系化合物が含まれている請求項1〜8のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
  10. 前記珪素酸化物粒子の表面には、炭素材料からなる被覆層が形成されている請求項1〜9のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
  12. 請求項11に記載のリチウムイオン二次電池用負極と、正極と、電解質と、を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  13. 前記電解質は、電解液に含まれる請求項12記載のリチウムイオン二次電池。
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