JP2014067965A - 発光装置 - Google Patents
発光装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014067965A JP2014067965A JP2012214028A JP2012214028A JP2014067965A JP 2014067965 A JP2014067965 A JP 2014067965A JP 2012214028 A JP2012214028 A JP 2012214028A JP 2012214028 A JP2012214028 A JP 2012214028A JP 2014067965 A JP2014067965 A JP 2014067965A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- glass
- powder
- emitting device
- light emitting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L24/00—Arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies; Methods or apparatus related thereto
- H01L24/01—Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
- H01L24/42—Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
- H01L24/47—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
- H01L24/49—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of a plurality of wire connectors
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2224/00—Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
- H01L2224/01—Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/42—Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/47—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
- H01L2224/48—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
- H01L2224/481—Disposition
- H01L2224/48151—Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive
- H01L2224/48221—Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked
- H01L2224/48225—Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being non-metallic, e.g. insulating substrate with or without metallisation
- H01L2224/48227—Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being non-metallic, e.g. insulating substrate with or without metallisation connecting the wire to a bond pad of the item
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2224/00—Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
- H01L2224/01—Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/42—Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/47—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
- H01L2224/49—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of a plurality of wire connectors
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2224/00—Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
- H01L2224/01—Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/42—Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/47—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
- H01L2224/49—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of a plurality of wire connectors
- H01L2224/491—Disposition
- H01L2224/4911—Disposition the connectors being bonded to at least one common bonding area, e.g. daisy chain
- H01L2224/49113—Disposition the connectors being bonded to at least one common bonding area, e.g. daisy chain the connectors connecting different bonding areas on the semiconductor or solid-state body to a common bonding area outside the body, e.g. converging wires
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Computer Hardware Design (AREA)
- Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Glass Compositions (AREA)
- Led Device Packages (AREA)
Abstract
【課題】配光が均一で輝度ムラ等の少ない高輝度の発光が得られる発光装置を提供する。
【解決手段】無機絶縁材料からなり発光素子の搭載面を有する基体と、前記搭載面上に形成された素子接続端子と、前記搭載面に搭載され、前記素子接続端子と電気的に接続された発光素子と、前記発光素子の外側を覆うように前記搭載面上に設けられた樹脂封止層と、発光の取り出し部を覆うように前記樹脂封止層に接して設けられた、ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物の焼結体からなる光拡散板とを備える発光装置である。前記ガラスセラミックス組成物において、セラミックス粉末の含有量は、このセラミックス粉末とガラス粉末の含有量の合計に対して10〜20質量%の割合が好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】無機絶縁材料からなり発光素子の搭載面を有する基体と、前記搭載面上に形成された素子接続端子と、前記搭載面に搭載され、前記素子接続端子と電気的に接続された発光素子と、前記発光素子の外側を覆うように前記搭載面上に設けられた樹脂封止層と、発光の取り出し部を覆うように前記樹脂封止層に接して設けられた、ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物の焼結体からなる光拡散板とを備える発光装置である。前記ガラスセラミックス組成物において、セラミックス粉末の含有量は、このセラミックス粉末とガラス粉末の含有量の合計に対して10〜20質量%の割合が好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、発光装置に係り、特に、広がりが均一でムラの少ない高輝度の光を発する発光装置に関する。
近年、発光ダイオード(LED)素子の高輝度化、白色化の進行に応じて、LED素子を搭載した発光装置を、一般照明用としてのみならず、中小型液晶バックライトや車載用ヘッドライトとして用いることが提案されている。
発光装置の価格の上昇を抑えて光束量を上げるために、一つのパッケージ内に小型で安価なLED素子(チップ)を複数個並べて搭載したマルチチップタイプの発光装置が提案されているが、このような発光装置においては、以下に示す問題がある。すなわち、LED素子は点光源に近く、光の指向性がメリットとなっているが、前記マルチチップタイプの発光装置では、発光の広がり(配光)が不均一で、輝度や色調等のムラが生じやすいという問題があった。そのため、車載用ヘッドライトやプロジェクターのような、配光の均一性が高い光を必要とする用途には、マルチチップタイプの発光装置を使用することが難しかった。
LED素子を搭載した発光装置における配光の均一性を高め、輝度や色調等のムラ(以下、輝度ムラ等ということがある。)を解消するために、セラミックス粉末を分散させた樹脂製の光拡散板を、外付けカバーとして設置した構造が知られている。しかし、LED素子からの放射光や熱により光拡散板を構成する樹脂が劣化して、光拡散板の透過率が大きく減少するため、使用寿命が短く、長期に亘って高輝度の光を得ることができなかった。
また、透光性アルミナ、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウムのような、緻密質多結晶セラミックスからなる光拡散板を備えた発光装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、特許文献1に記載された発光装置では、光拡散板の透過率が高すぎて拡散性が不十分であるため、配向の不均一や輝度ムラ等を改善できなかった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、配光が均一で輝度ムラ等の少ない高輝度の発光が得られる発光装置の提供を目的とする。
本発明の発光装置は、無機絶縁材料からなり、発光素子が搭載される搭載部を含む搭載面を有する基体と、前記基体の搭載面上に形成された素子接続端子と、前記基体の搭載部に搭載され、前記素子接続端子と電気的に接続された発光素子と、前記発光素子の外側を覆うように前記基体の搭載面上に設けられた樹脂封止層と、前記発光素子からの発光の取り出し部を覆うように前記樹脂封止層に接して設けられた、ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物の焼結体からなる光拡散板を備えることを特徴とする。
本発明の発光装置において、前記ガラスセラミックス組成物における前記セラミックス粉末の含有量は、該セラミックス粉末と前記ガラス粉末の含有量の合計に対して10〜20質量%の割合が好ましい。また、前記光拡散板は、200〜300μmの厚さが好ましい。さらに、前記光拡散板の可視光透過率は、75〜90%が好ましい。そして、前記セラミックス粉末は、アルミナ粉末が好ましく、前記ガラス粉末は、酸化物基準のモル%表示で、SiO2を57〜65%、B2O3を13〜18%、Al2O3を3〜8%、CaOを9〜23%、Na2OおよびK2Oから選ばれる少なくとも1種を合計で0.5〜6%含有するガラス組成を有するのが好ましい。
本発明の発光装置によれば、発光の広がりである配光が均一で、輝度ムラ等が少なく、輝度(光度)の高い光を得ることができる。特に、小型で比較的安価な発光素子を複数個搭載したマルチチップタイプの発光装置においても、配光特性が良好で輝度ムラ等の少ない高輝度の光を得ることができるので、発光装置の価格の低減と用途の拡大に資するところが大きい。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の実施形態の発光装置は、無機絶縁材料からなり、発光素子の搭載面を有する基体と、この基体の搭載面上に形成された素子接続端子と、基体の搭載部に搭載され、素子接続端子と接続された発光素子と、発光素子の外側を覆うように前記基板の搭載面上に設けられた樹脂封止層と、前記発光素子からの発光の取り出し部を覆うように配設された光拡散板とを備える。光拡散板は、ガラスセラミックス組成物の焼結体から構成されるものであり、樹脂封止層に接して配設されている。
光拡散板は、ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物の焼結体から構成される。
ガラスセラミックス組成物に含有されるガラス粉末としては、酸化物基準のモル%表示で、SiO2を57〜65%、B2O3を13〜18%、Al2O3を3〜8%、CaOを9〜23%、Na2OおよびK2Oから選ばれる少なくとも1種を合計で0.5〜6%含有するガラス組成を有するものが好ましい。このような組成のガラス粉末を用いることで、十分に高い光透過率を有し、かつ光の拡散性も良好な光拡散板が得られる。
ガラスセラミックス組成物に含有されるガラス粉末としては、酸化物基準のモル%表示で、SiO2を57〜65%、B2O3を13〜18%、Al2O3を3〜8%、CaOを9〜23%、Na2OおよびK2Oから選ばれる少なくとも1種を合計で0.5〜6%含有するガラス組成を有するものが好ましい。このような組成のガラス粉末を用いることで、十分に高い光透過率を有し、かつ光の拡散性も良好な光拡散板が得られる。
前記ガラス粉末の成分について、以下に説明する。ガラス成分の記載において「%」は、特に断りのない限り、酸化物換算のモル%表示を表す。
SiO2は、ガラスのネットワークフォーマとなるものである。SiO2の含有量が57%未満の場合には、安定なガラスを得ることが難しく、また化学的耐久性も低下するおそれがある。一方、SiO2の含有量が65%を超える場合には、ガラス溶融温度(Ts)やガラス転移温度(Tg)が過度に高くなるおそれがある。SiO2の含有量は、好ましくは58%以上、より好ましくは59%以上、特に好ましくは60%以上である。また、SiO2の含有量は、好ましくは64%以下、より好ましくは63%以下である。
B2O3は、ガラスのネットワークフォーマとなるものである。B2O3の含有量が13%未満の場合には、TsやTgが過度に高くなるおそれがある。一方、B2O3の含有量が18%を超える場合には、安定なガラスを得ることが難しく、また化学的耐久性も低下するおそれがある。B2O3の含有量は、好ましくは14%以上、より好ましくは15%以上である。また、B2O3の含有量は、好ましくは17%以下、より好ましくは16%以下である。
Al2O3は、ガラスの安定性、化学的耐久性および強度を高めるために添加される。Al2O3の含有量が3%未満の場合には、ガラスが不安定となるおそれがある。一方、Al2O3の含有量が8%を超える場合には、TsやTgが過度に高くなるおそれがある。Al2O3の含有量は、好ましくは4%以上、より好ましくは5%以上である。また、Al2O3の含有量は、好ましくは7%以下、より好ましくは6%以下である。
CaOは、ガラスの安定性や結晶の析出性を高めるとともに、TsやTgを低下させるために添加される。CaOの含有量が9%未満の場合には、Tsが過度に高くなるおそれがある。一方、CaOの含有量が23%を超える場合には、ガラスが不安定になるおそれがある。CaOの含有量は、好ましくは12%以上、より好ましくは13%以上、特に好ましくは14%以上である。また、CaOの含有量は、好ましくは22%以下、より好ましくは21%以下、特に好ましくは20%以下である。
Na2OおよびK2Oは、Tgを低下させるために添加される。Na2OおよびK2Oの合計した含有量が0.5%未満の場合には、TsやTgが過度に高くなるおそれがある。一方、Na2OおよびK2Oの合計した含有量が6%を超える場合には、化学的耐久性、特に耐酸性が低下するおそれがあり、電気的絶縁性も低下するおそれがある。Na2OおよびK2Oの合計した含有量は、0.8%以上5%以下が好ましい。
なお、光拡散板用のガラス粉末の組成は、必ずしも上記成分のみからなるものに限定されず、Tg等の諸特性を満たす範囲で他の成分を含有できる。この実施形態では鉛酸化物は含有していない。他の成分を含有する場合、その合計した含有量は10%以下が好ましい。
このような光拡散板用のガラス粉末は、上記したような組成を有するガラスを溶融法によって製造し、乾式粉砕法や湿式粉砕法によって粉砕して得られる。湿式粉砕法の場合、溶媒として水またはエチルアルコールを用いることが好ましい。粉砕機としては、例えば、ロールミル、ボールミル、ジェットミル等が挙げられる。
光拡散板用のガラス粉末の50%粒径(D50)は0.5μm以上4μm以下が好ましい。なお、本明細書において、D50は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した値をいう。このガラス粉末のD50が0.5μm未満の場合には、ガラス粉末が凝集しやすく取り扱いが困難になるばかりでなく、粉末化に要する時間が長くなりすぎるおそれもある。一方、ガラス粉末のD50が4μmを超えると、Tsの上昇や焼結不足が発生するおそれがある。粒径の調整は、例えば粉砕後に必要に応じて分級することで行う。光拡散板用ガラス粉末の最大粒径は20μm以下が好ましい。最大粒径が20μmを超えると、ガラス粉末の焼結性が低下し、焼結体中に未溶解成分が残留するおそれがある。光拡散板用ガラス粉末の最大粒径は、より好ましくは10μm以下である。
このようなガラス粉末とともに光拡散板用のガラスセラミックス組成物に配合されるセラミックス粉末としては、例えば、アルミナ粉末、ジルコニア粉末、シリカ粉末、チタニア粉末、およびこれらの複合粉末等が挙げられる。粉末の入手性および経済的な観点から、アルミナ粉末の使用が好ましい。光拡散板用のセラミックス粉末のD50は、0.3〜5.0μmが好ましい。
光拡散板用のガラスセラミックス組成物における前記セラミックス粉末の含有量は、このセラミックス粉末と前記ガラス粉末の含有量の合計に対して10〜20質量%の割合が好ましい。セラミックス粉末の含有量の割合が10質量%未満の場合には、光拡散板の拡散性(光の広がり)および光拡散の均一性が不十分となり、発光装置の輝度や色調のムラを解消することが難しい。また、セラミックス粉末の含有割合が20質量%を超えると、光拡散板の光透過性が不十分となり、高輝度の発光装置が得られない。
光拡散板は、光拡散板用グリーンシートを焼成することにより製造できる。光拡散板用グリーンシートは、前記ガラス粉末とセラミックス粉末とを前記した割合で混合した混合物に、バインダー、可塑剤、分散剤、溶剤等を添加して調製されたスラリーを、ドクターブレード法等によりシート状に成形し、乾燥させた後、所定の形状(例えば、枠体の開口部の形状である円形状)に切断・加工して得られる。
バインダーとしては、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂等を好適に使用できる。可塑剤としては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル等を使用できる。溶剤としては、トルエン、キシレン、2−プロパノール、2−ブタノール等の有機溶剤を好適に使用できる。
こうして得られた光拡散板用グリーンシートは、必要に応じてバインダー等を脱脂後、ガラスセラミックス組成物を焼結させるための焼成を行って光拡散板を得る。
脱脂は、例えば500℃以上600℃以下の温度で1時間以上10時間以下保持する条件で行う。脱脂温度が500℃未満もしくは脱脂時間が1時間未満の場合、バインダー等を十分に除去できないおそれがある。一方、脱脂温度は600℃程度、脱脂時間は10時間程度とすれば、バインダー等を十分に除去でき、これを超えるとかえって生産性等が低下するおそれがある。
また、焼成は、光拡散板の緻密な構造の獲得と生産性を考慮して、800℃〜930℃の温度範囲で適宜時間を調整できる。具体的には、850℃以上900℃以下の温度で20分以上60分以下保持することが好ましく、特に860℃以上880℃以下の温度が好ましい。焼成温度が800℃未満では、光拡散板が緻密な構造のものとして得られないおそれがある。一方、焼成温度は930℃を超えると、光拡散板が変形するなど生産性等が低下するおそれがある。
こうして作製される光拡散板の厚さは200〜300μmの範囲が好ましい。光拡散板の厚さが200μm未満の場合には、光拡散性(光の広がり)および光拡散の均一性が不十分となり、発光装置の輝度や色調のムラを解消することが難しい。光拡散板の厚さが300μmを超えると、光透過性が不十分となり、高輝度の発光装置が得られない。光拡散板の光透過率は、可視光の波長領域の光全体の平均で75〜90%が好ましい。
さらに、このような光拡散板には蛍光体を含有できる。蛍光体を含む光拡散板を得るには、光拡散板用グリーンシートの作製において、ガラス粉末とセラミックス粉末とともに所定量の蛍光体粉末を配合し、蛍光体入りのグリーンシートを作製する。そして、このグリーンシートを焼成することで、蛍光体を含有する光拡散板を得ることができる。光拡散板に含有させる蛍光体としては、樹脂封止層に含有させる蛍光体と発光色が同じか、または異なる蛍光体を使用できる。例えば、樹脂封止層と光拡散板にいずれも黄色蛍光体を含有させ、白色光の発光効率を高めることができる。また、樹脂封止層に黄色蛍光体を含有させ、光拡散板には赤色または橙色の蛍光体を含有させることで、白色光の色調(色温度)を変えることもできる。
本発明の実施形態の発光装置においては、ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物の焼結体からなる光拡散板が、発光素子からの発光の取り出し部を覆うように配設されているので、光の広がり(配光)が均一で輝度ムラや色ムラの少ない光が得られる。特に、発光素子として比較的安価な小サイズのLEDチップを複数個使用する、マルチチップタイプの発光装置においても、発光の広がりが均一で輝度ムラ等の少ない良好な発光が得られる。
また、本発明に使用される光拡散板は、ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物の焼結体から構成されるので、LED素子からの放射光や放射熱による劣化が生じないうえに、セラミックス粉末の含有割合を調整することで、光拡散板について、光透過性と光拡散性(配向均一性)とのバランスの調整が容易である。
さらに、光拡散板が樹脂封止層に接して配置されており、樹脂封止層と光拡散板との間に隙間(空気層)を介在させない構造となっているので、高い光取り出し効率を得ることができる。
すなわち、例えば、屈折率1.55の樹脂からなる封止層の上に、ポリカーボネート(屈折率1.6)等の樹脂カバーを設けた従来からの構造では、樹脂封止層と樹脂カバーとの間に屈折率1.0の空気層が存在するので、発光素子から放射されて樹脂封止層を透過した光は、外部に出るまでに、樹脂封止層と空気層との界面、空気層と樹脂カバーとの界面、樹脂カバーと外部空気層との界面というように、屈折率の異なる層界面を3回通る。そのため、これらの界面における光の屈折によって直進する光量が低下し、光取り出し効率が大きく低下する。
すなわち、例えば、屈折率1.55の樹脂からなる封止層の上に、ポリカーボネート(屈折率1.6)等の樹脂カバーを設けた従来からの構造では、樹脂封止層と樹脂カバーとの間に屈折率1.0の空気層が存在するので、発光素子から放射されて樹脂封止層を透過した光は、外部に出るまでに、樹脂封止層と空気層との界面、空気層と樹脂カバーとの界面、樹脂カバーと外部空気層との界面というように、屈折率の異なる層界面を3回通る。そのため、これらの界面における光の屈折によって直進する光量が低下し、光取り出し効率が大きく低下する。
これに対して、本発明の発光装置では、例えば、屈折率1.55の樹脂からなる封止層の上に、前記した光拡散板(例えば屈折率1.55)が直接配置されているので、発光素子から放射されて樹脂封止層を透過した光は、外部に出るまでに、樹脂封止層と光拡散板との界面、光拡散板と外部空気層との界面と、2箇所の界面を通るだけであり、しかも樹脂封止層と光拡散板とは屈折率が略同じであるので、樹脂封止層と光拡散板との界面における光反射は極めて小さい。したがって、本発明の発光装置では、光拡散板の配置に起因する光取り出し効率の低下が抑制され、高い光取り出し効率を得ることができる。
以下、本発明の発光装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態は、2ワイヤタイプの発光素子6個を電気的に並列に接続して搭載した発光装置の例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1(a)は、本発明の発光装置の一実施形態を上面(搭載面)側から見た平面図であり、図1(b)は、図1(a)の発光装置をX−X’線で切断した断面図である。なお、図1(a)は、樹脂封止層および光拡散板を取り除いた状態を示している。
本発明の発光装置10は、発光素子搭載用基板1と、発光素子搭載用基板1に搭載され、一対の電極がそれぞれ所定の配線導体層にワイヤボンディングされて並列に接続された、2ワイヤタイプの6個の発光素子(例えば、LED素子)11を備えている。
発光素子搭載用基板1は、平面形状が略正方形で略平板状の基板本体2を有している。なお、本明細書において、「略」とは目視レベルを示す。基板本体2は無機絶縁材料からなり、上面(搭載面)21に枠体3が形成されている。そして、この枠体3により平面形状が円形のキャビティが形成されており、キャビティの底面は、発光素子11の搭載される搭載領域となっている。
基板本体2を構成する無機絶縁材料としては、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)や窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物の焼結体(低温同時焼成セラミックス、以下、LTCCという。)等が挙げられる。高反射性、製造の容易性、易加工性、経済性等の観点から、本発明においてはLTCCが好ましい。
本発明の実施形態において、基板本体2の形状は、平面形状が略正方形で略平板状となっているが、基板本体2の形状、厚さ、大きさ等は特に制限されず、搭載する発光素子11の個数や配置パターン等、発光装置10の設計に合わせて変更できる。また、基板本体2を構成するLTCCの原料組成、焼結条件等については、後述する発光装置10の製造方法において説明する。基板本体2は、発光素子11の搭載時やその後の使用時における損傷等を抑制する観点から、抗折強度が例えば250MPa以上が好ましい。
基板本体2の搭載領域には、発光素子11と電気的に接続される配線導体層4が設けられている。配線導体層4は、搭載領域の中央に配設された、アノード側またはカソード側の1個の電極(第1の電極)41と、搭載領域の周辺部に配設された、第1の電極と反対極側の複数の電極(第2の電極)42を有する。第2の電極42として3個の電極が、それぞれ第1の電極41を囲む円周上に略等間隔で配設されている。
実施形態において、第2の電極42の個数は、搭載される発光素子11の個数の1/2の3個であるが、これは必要最小限の個数であり、それ以外に必要とする電極等があれば必要に応じて形成できる。すなわち、配線導体層4を構成する第1の電極41の平面形状と配設位置、および第2の電極42の平面形状、個数等は、図示のものに限定されない。また、配線導体層4の構成材料は、通常の発光素子搭載用基板1に用いられる配線導体層4と同様のものであれば特に制限されない。配線導体層4の厚さは、5〜15μmが好ましい。
基板本体2の搭載領域には、反射や放熱のための導体層4aが形成されており、その上に、前記導体層4aを保護するためのガラス材料からなるオーバーコート層5が形成されている。導体層4aを構成する材料としては、前記配線導体層4と同様な材料を使用できる。反射や放熱のための導体層4aは、配線導体層4の端部から若干の距離をおいて、搭載領域のほぼ全域を覆うように形成するのが好ましい。また、オーバーコート層5は、反射や放熱のための導体層4aを覆うように設けられるが、層形成の容易性と、オーバーコート層5端部の盛り上がりが表面の平坦性に悪影響を与える点を考慮し、配線導体層4の端部から若干の距離をおいて形成するのが好ましい。6個の発光素子11が搭載される6個の搭載部Tは、第1の電極41と第2の電極42グループとの間の円環状の領域に、略等間隔でそれぞれ配設されている。
オーバーコート層5を構成するガラス材料は、少なくともSiO2、B2O3、およびNa2OとK2Oから選ばれる少なくとも1種を構成成分とするホウケイ酸ガラスを含有するものが好ましい。またこのガラス材料は、セラミックス粉末を10質量%以下の割合で含有できる。セラミックス粉末の含有量は好ましくは3質量%以上である。セラミックス粉末を含有することにより、オーバーコート層5の強度を高くできる場合がある。また、オーバーコート層5の放熱性を高くできる場合がある。さらに、耐酸性のような耐薬品性の観点からは、前記ガラス材料はセラミックス粉末としてシリカ粉末またはアルミナ粉末を含有することが好ましい。
オーバーコート層5は、前記ホウケイ酸ガラスのようなガラスの粉末と、必要に応じて前記セラミックス粉末とを混合してなる組成物を焼成してなるものであり、例えば、ガラス粉末とセラミックス粉末との混合粉末をペースト化してスクリーン印刷し、焼成して形成される。オーバーコート層5の厚さは、5〜20μmの範囲が好ましい。なお、反射や放熱のための導体層4aおよびオーバーコート層5の形成は必須ではなく、基板本体2の構成材料等によっては省略できる。
基板本体2の他方の面は、発光素子11の搭載されない非搭載面22とされており、この非搭載面には、一対(アノード側およびカソード側)の外部電極端子6が設けられている。これらの外部電極端子6は、それぞれ基板本体2の内部等に形成された接続ビア7および内部配線層43を介して、基板本体2の搭載面に設けられた第1の電極41および第2の電極42と電気的に接続されている。
外部電極端子6、接続ビア7および内部配線層43の形状や構成材料としては、通常発光素子搭載用基板1に用いられるものと同様のものであれば特に制限なく使用できる。また、外部電極端子6、接続ビア7および内部配線層43の配置については、これらと配線導体層4(第1の電極41および第2の電極42)を介して、搭載される6個の発光素子11が電気的に並列接続されるように配置されていればよい。
また、基板本体2の熱抵抗を低減するために、基板本体2の内部にサーマルビアおよび放熱層(図示を省略する。)を埋設できる。
本発明の発光装置10において、6個の発光素子11は全て下面が同サイズの発光素子であり、発光素子搭載用基板1の6個の搭載部Tにそれぞれ配置され、接着剤であるシリコーンダイボンド材(図示を省略する。)を用いて搭載部Tに固定されている。
そして、各発光素子11の電極の一方が、発光素子搭載用基板1の搭載領域の中央に位置する第1の電極41に、ボンディングワイヤ12によって接続されており、他方の電極が3個の第2の電極42グループのうちで最も近い電極に、ボンディングワイヤ12によって接続されている。こうして、6個の発光素子11の6対12個の電極を接続する12本のボンディングワイヤ12は、互いに交差しないように配置されている。なお、発光素子11の配置は、図1に示す配置に限定されない。
そして、本発明の発光装置10では、これらの発光素子11やボンディングワイヤ12を覆うように、モールド樹脂からなる樹脂封止層13が設けられ、その上に、前記したようにガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物の焼結体から構成された略平板状の光拡散板14が配置されている。光拡散板14は、例えば、枠体3の上部に設けられた凹部3aに嵌め込まれ、下面が樹脂封止層13の上面に隙間なく接するように配置されている。
本発明の実施形態の発光装置10においては、樹脂封止層13の上に、ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物の焼結体からなる光拡散板14が配置されているので、6個の発光素子11から発光され、樹脂封止層13を通って外部に放射される光の広がり(配光)が均一となる。したがって、輝度ムラや色ムラが少なく、輝度(光度)の高い光を得ることができる。また、光拡散板14が樹脂封止層13に接して配置されており、樹脂封止層13と光拡散板14との間に空気層を介在させない構造となっているので、光取り出し効率が高い。実施形態の発光装置10は、車載用ヘッドライトやプロジェクターのような、配光の均一性が高い光を必要とする用途に使用できる。
以上、本発明の発光装置10の実施形態について一例を挙げて説明したが、本発明の発光装置はこれに限定されるものではない。本発明の趣旨に反しない限度において、また必要に応じてその構成を適宜変更できる。
本発明の発光装置10を製造するには、LTCC基板に通常用いられる材料および製造方法を適用して発光素子搭載用基板1を製造した後、その発光素子搭載用基板1を用いて発光装置を製造できる。
以下に、図1に示す発光装置10を製造する方法を例にして、本発明の発光装置の製造方法を説明する。
図1に示す発光装置10は、以下の(A)〜(H)の各工程を含む製造方法により製造できる。なお、以下の説明では、その製造に用いる部材について、完成品の部材と同一の符号を付して説明する。
(A)本体用グリーンシート作製工程
ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物を用いて、発光素子搭載用基板1の基板本体2を形成するためのグリーンシート(本体用グリーンシート)等を作製する。なお、本体用グリーンシートは、上層を形成するための上層用グリーンシート、内層を形成するための内層用グリーンシート、下層を形成するための下層用グリーンシートを含む。この工程では、枠体3を形成するためのグリーンシート(枠体用グリーンシート)の作製も行う。
ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物を用いて、発光素子搭載用基板1の基板本体2を形成するためのグリーンシート(本体用グリーンシート)等を作製する。なお、本体用グリーンシートは、上層を形成するための上層用グリーンシート、内層を形成するための内層用グリーンシート、下層を形成するための下層用グリーンシートを含む。この工程では、枠体3を形成するためのグリーンシート(枠体用グリーンシート)の作製も行う。
本体用グリーンシートは、ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物に、バインダー、必要に応じて可塑剤、分散剤、溶剤等を添加してスラリーを調製し、これをドクターブレード法等によりシート状に成形し、乾燥させることで製造できる。また、こうして作製されたグリーンシートを、所定の形状に加工することにより、枠体用グリーンシートが得られる。
本体用グリーンシートを作製するための本体用ガラス粉末としては、Tgが550℃以上700℃以下のものが好ましい。Tgが550℃未満の場合には、脱脂が困難となるおそれがあり、700℃を超える場合には、収縮開始温度が高くなり、寸法精度が低下するおそれがある。
また、このガラス粉末は、800℃以上930℃以下で焼成したときに結晶が析出するものが好ましい。結晶が析出しないものの場合、十分な機械的強度を得ることができないおそれがある。さらに、DTA(示差熱分析)により測定される結晶化ピーク温度(Tc)が880℃以下のものが好ましい。Tcが880℃を超える場合、寸法精度が低下するおそれがある。
このような本体用ガラス粉末としては、酸化物基準のモル%表示で、SiO2を57〜65%、B2O3を13〜18%、CaOを9〜23%、Al2O3を3〜8%、K2OおよびNa2Oから選ばれる少なくとも一方を合計で0.5〜6%含有するものが好ましい。このような組成のガラス粉末を用いることで、基板本体2の表面平坦度を向上させることが容易となる。
ここで、SiO2は、ガラスのネットワークフォーマとなるものである。SiO2の含有量が57%未満の場合、安定なガラスを得ることが難しく、また化学的耐久性も低下するおそれがある。一方、SiO2の含有量が65%を超える場合には、TsやTgが過度に高くなるおそれがある。SiO2の含有量は、好ましくは58%以上、より好ましくは59%以上、特に好ましくは60%以上である。また、SiO2の含有量は、好ましくは64%以下、より好ましくは63%以下である。
B2O3は、ガラスのネットワークフォーマとなるものである。B2O3の含有量が13%未満の場合、TsやTgが過度に高くなるおそれがある。一方、B2O3の含有量が18%を超える場合、安定なガラスを得ることが難しく、また化学的耐久性も低下するおそれがある。B2O3の含有量は、好ましくは14%以上、より好ましくは15%以上である。また、B2O3の含有量は、好ましくは17%以下、より好ましくは16%以下である。
Al2O3は、ガラスの安定性、化学的耐久性、および強度を高めるために添加される。Al2O3の含有量が3%未満の場合、ガラスが不安定となるおそれがある。一方、Al2O3の含有量が8%を超える場合、TsやTgが過度に高くなるおそれがある。Al2O3の含有量は、好ましくは4%以上、より好ましくは5%以上である。また、Al2O3の含有量は、好ましくは7%以下、より好ましくは6%以下である。
CaOは、ガラスの安定性や結晶の析出性を高めるとともに、TsやTgを低下させるために添加される。CaOの含有量が9%未満の場合、Tsが過度に高くなるおそれがある。一方、CaOの含有量が23%を超える場合、ガラスが不安定になるおそれがある。CaOの含有量は、好ましくは12%以上、より好ましくは13%以上、特に好ましくは14%以上である。また、CaOの含有量は、好ましくは22%以下、より好ましくは21%以下、特に好ましくは20%以下である。
K2O、Na2Oは、Tgを低下させるために添加される。K2OおよびNa2Oの合計した含有量が0.5%未満の場合、TsやTgが過度に高くなるおそれがある。一方、K2OおよびNa2Oの合計した含有量が6%を超える場合、化学的耐久性、特に耐酸性が低下するおそれがあり、電気的絶縁性も低下するおそれがある。K2OおよびNa2Oの合計した含有量は、0.8%以上5%以下であることが好ましい。
なお、本体用ガラス粉末は、必ずしも上記成分のみからなるものに限定されず、Tg等の諸特性を満たす範囲で他の成分を含有できる。他の成分を含有する場合、その合計した含有量は10%以下が好ましい。
本体用ガラス粉末は、上記したような組成を有するガラスを溶融法によって製造し、乾式粉砕法や湿式粉砕法によって粉砕して得られる。湿式粉砕法の場合、溶媒として水またはエチルアルコールを用いることが好ましい。粉砕機としては、例えば、ロールミル、ボールミル、ジェットミル等が挙げられる。
本体用ガラス粉末のD50は0.5μm以上2μm以下が好ましい。ガラス粉末のD50が0.5μm未満の場合、ガラス粉末が凝集しやすく取り扱いが困難になるばかりでなく、均一分散が困難になる。一方、ガラス粉末のD50が2μmを超える場合には、ガラス軟化温度の上昇や焼結不足が発生するおそれがある。粒径は、例えば、粉砕後に必要に応じて分級して調整してもよい。
セラミックス粉末としては、従来からLTCC基板の製造に用いられるものが使用でき、例えば、アルミナ粉末、ジルコニア粉末、またはアルミナ粉末とジルコニア粉末との混合物等を好適に使用できる。特に、アルミナ粉末とともに、アルミナよりも高い屈折率を有するセラミックスの粉末(以下、高屈折率セラミックス粉末と示す。)を使用できる。
高屈折率セラミックス粉末は、焼結体(基板)の反射率を向上させるための成分であり、例えばチタニア粉末、ジルコニア粉末、安定化ジルコニア粉末等が挙げられる。アルミナの屈折率が1.8程度であるのに対して、チタニアの屈折率は2.7程度、ジルコニアの屈折率は2.2程度であり、アルミナに比べて高い屈折率を有している。これらの高屈折率セラミックス粉末を含めた前記セラミックス粉末のD50は、0.5μm以上4μm以下が好ましい。
このようなガラス粉末とセラミックス粉末とを、例えば、ガラス粉末が30質量%以上50質量%以下、セラミックス粉末が50質量%以上70質量%以下となるように配合し、混合したものに、バインダー、必要に応じて可塑剤、分散剤、溶剤等を添加することによりスラリーが得られる。
バインダーとしては、例えば、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂等を好適に使用できる。可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル等を使用できる。溶剤としては、トルエン、キシレン、2−プロパノール、2−ブタノール等の有機溶剤を好適に使用できる。
こうして得られたスラリーをドクターブレード法等によりシート状に成形し乾燥させて、例えば3枚の本体用グリーンシート(上層用グリーンシート、内層用グリーンシートおよび下層用グリーンシート)を作製する。また、同様にして作製されたグリーンシートを、所定の形状に加工することにより、枠体用グリーンシートを作製する。
(B)導体ペースト層形成工程
各本体用グリーンシート(上層用グリーンシート、内層用グリーンシートおよび下層用グリーンシート)の所定の位置に、接続ビア用の貫通孔等を形成する。また、上層用グリーンシート、内層用グリーンシートおよび下層用グリーンシートの所定の位置に、配線導体用導体ペースト層4、内部配線層用導体ペースト層43および外部電極端子用導体ペースト層6をそれぞれ形成する。さらに、各本体用グリーンシートに形成された前記貫通孔に導体ペーストを充填することにより、接続ビア用導体ペースト層7を形成する。さらに、上層用グリーンシートの所定の領域に、反射および放熱用導体ペースト層4aを形成する。
各本体用グリーンシート(上層用グリーンシート、内層用グリーンシートおよび下層用グリーンシート)の所定の位置に、接続ビア用の貫通孔等を形成する。また、上層用グリーンシート、内層用グリーンシートおよび下層用グリーンシートの所定の位置に、配線導体用導体ペースト層4、内部配線層用導体ペースト層43および外部電極端子用導体ペースト層6をそれぞれ形成する。さらに、各本体用グリーンシートに形成された前記貫通孔に導体ペーストを充填することにより、接続ビア用導体ペースト層7を形成する。さらに、上層用グリーンシートの所定の領域に、反射および放熱用導体ペースト層4aを形成する。
配線導体用導体ペースト層4、内部配線層用導体ペースト層43、接続ビア用導体ペースト層7、外部電極端子用導体ペースト層6、および反射および放熱用導体ペースト層4aの形成方法としては、導体ペーストをスクリーン印刷により塗布または充填する方法が挙げられる。形成されるこれらの導体ペースト層の膜厚は、最終的に得られる第1および第2の電極41,42、内部配線層43、接続ビア7、外部電極端子6、反射および放熱用導体層4aの膜厚が所定の膜厚となるように調整される。
導体ペーストとしては、例えば、銅、銀、金等を主成分とする金属の粉末に、エチルセルロース等のビヒクル、必要に応じて溶剤等を添加してペースト状としたものを使用できる。なお、上記金属粉末としては、銀粉末、銀と白金またはパラジウムからなる金属粉末が好ましく用いられる。
(C)オーバーコートガラスペースト層形成工程
上層用グリーンシートにおいて、(B)工程で形成された反射および放熱用導体ペースト層4aの上に、配線導体用導体ペースト層4の周囲近傍を除き搭載領域のほぼ全域を覆うように、オーバーコートガラスペースト層5をスクリーン印刷により形成する。
上層用グリーンシートにおいて、(B)工程で形成された反射および放熱用導体ペースト層4aの上に、配線導体用導体ペースト層4の周囲近傍を除き搭載領域のほぼ全域を覆うように、オーバーコートガラスペースト層5をスクリーン印刷により形成する。
オーバーコートガラスペーストは、前記したオーバーコート層用のガラス粉末と、必要に応じて前記セラミックス粉末とを混合してなる組成物に、エチルセルロース等のビヒクル、必要に応じて溶剤等を添加してペースト状としたものを使用できる。形成されるオーバーコートガラスペースト層5の膜厚は、最終的に得られるオーバーコート層5の厚さが5〜20μmとなるように調整される。
(D)積層工程
本体用グリーンシートに導体ペースト層(上層用グリーンシートにおいてはさらにオーバーコートガラスペースト層)が形成されて得られた導体ペースト層付きグリーンシートと、導体ペースト層およびオーバーコートガラスペースト層付きグリーンシートと、枠体用グリーンシートとを所定の順に重ね合わせ、熱圧着により一体化して未焼成基板を得る。
本体用グリーンシートに導体ペースト層(上層用グリーンシートにおいてはさらにオーバーコートガラスペースト層)が形成されて得られた導体ペースト層付きグリーンシートと、導体ペースト層およびオーバーコートガラスペースト層付きグリーンシートと、枠体用グリーンシートとを所定の順に重ね合わせ、熱圧着により一体化して未焼成基板を得る。
(E)焼成工程
上記(D)工程で得られた未焼成基板について、必要に応じてバインダー等を脱脂後、ガラスセラミックス組成物等を焼結させるための焼成を行って発光素子搭載用基板1とする。
上記(D)工程で得られた未焼成基板について、必要に応じてバインダー等を脱脂後、ガラスセラミックス組成物等を焼結させるための焼成を行って発光素子搭載用基板1とする。
脱脂は、例えば、500℃以上600℃以下の温度で1時間以上10時間以下保持する条件で行う。脱脂温度が500℃未満もしくは脱脂時間が1時間未満の場合、バインダー等を十分に除去できないおそれがある。一方、脱脂温度は600℃程度、脱脂時間は10時間程度とすれば、バインダー等を十分に除去でき、これを超えるとかえって生産性等が低下するおそれがある。
また、焼成は、基体本体2の緻密な構造の獲得と生産性を考慮して、800℃〜930℃の温度範囲で適宜時間を調整できる。具体的には、850℃以上900℃以下の温度で20分以上60分以下保持することが好ましく、特に860℃以上880℃以下の温度が好ましい。焼成温度が800℃未満では、基体本体2が緻密な構造のものとして得られないおそれがある。一方、焼成温度は930℃を超えると、基体本体2が変形するなど生産性等が低下するおそれがある。また、上記導体ペーストとして、銀を主成分とする金属粉末を含有する金属ペーストを用いた場合、焼成温度が880℃を超えると、過度に軟化するために所定の形状を維持できなくなるおそれがある。
このようにして発光素子搭載用基板1が得られるが、焼成後、必要に応じて搭載面に露出した配線導体層4(第1および第2の電極41、42)の表面を被覆するように、Ni/金メッキ等の、通常発光素子搭載用基板1において導体保護用に用いられる導電性保護膜を配設することもできる。
(F)発光素子搭載工程
前記(E)工程で得られた発光素子用基板1の6個の搭載部に、上面に1対の電極を有するLEDチップ等の6個の発光素子11をそれぞれ配置し、接着剤であるシリコーンダイボンド材を用いて固定した後、各発光素子11の電極の一方を、発光素子搭載用基板1の搭載領域の中央に位置する第1の電極41に、他方の電極を最も近い第2の電極42に、それぞれボンディングワイヤ12によって接続する。
前記(E)工程で得られた発光素子用基板1の6個の搭載部に、上面に1対の電極を有するLEDチップ等の6個の発光素子11をそれぞれ配置し、接着剤であるシリコーンダイボンド材を用いて固定した後、各発光素子11の電極の一方を、発光素子搭載用基板1の搭載領域の中央に位置する第1の電極41に、他方の電極を最も近い第2の電極42に、それぞれボンディングワイヤ12によって接続する。
(G)封止樹脂の注入・充填工程
前記(F)工程で発光素子11が搭載された発光素子搭載用基板1のキャビティ内に、シリコーン樹脂のような封止用透明樹脂を注入・充填する。この封止用透明樹脂には、発光素子11からの発光との混色により白色光が得られるように、蛍光体を含有できる。
前記(F)工程で発光素子11が搭載された発光素子搭載用基板1のキャビティ内に、シリコーン樹脂のような封止用透明樹脂を注入・充填する。この封止用透明樹脂には、発光素子11からの発光との混色により白色光が得られるように、蛍光体を含有できる。
(H)光拡散板の設置工程
前記(G)工程で形成された封止用樹脂の注入・充填層の上に、前記した方法等により製造された光拡散板14を配置する。そして、加熱して封止用樹脂を硬化させると同時に、光拡散板14を硬化した樹脂層(樹脂封止層13)の上面に接着・固定する。
前記(G)工程で形成された封止用樹脂の注入・充填層の上に、前記した方法等により製造された光拡散板14を配置する。そして、加熱して封止用樹脂を硬化させると同時に、光拡散板14を硬化した樹脂層(樹脂封止層13)の上面に接着・固定する。
以上、発光装置10の製造方法について説明したが、枠体用グリーンシートは単一のグリーンシートからなる必要はなく、複数枚のグリーンシートを積層したものであってもよい。また、枠体用グリーンシートを除いた本体用グリーンシートの枚数も、必ずしも3枚である必要はなく、2枚あるいは4枚以上であってもよい。さらに、発光素子搭載用基板1の製造における各部の形成順序等については、適宜変更できる。
次に、本発明の具体的な実施例を記載する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
例1〜9
以下に示す方法で、図1に示す発光装置を製造した。なお、例1〜8は本発明の実施例であり、例9は比較例である。
以下に示す方法で、図1に示す発光装置を製造した。なお、例1〜8は本発明の実施例であり、例9は比較例である。
<発光素子搭載用基板の製造>
まず、発光素子搭載用基板1の基板本体2を作製するための本体用グリーンシート(上層用グリーンシート、内層用グリーンシートおよび下層用グリーンシート、)を作製した。本体用グリーンシートの作製においては、酸化物基準のモル%表示で、SiO2が60.4%、B2O3が15.6%、Al2O3が6%、CaOが15%、K2Oが1%、Na2Oが2%となるように原料を配合、混合し、この原料混合物を白金ルツボに入れて1600℃で60分間溶融させた後、溶融状態のガラスを流し出し冷却した。このガラスをアルミナ製ボールミルにより40時間粉砕して基板本体用ガラス粉末を製造した。なお、粉砕時の溶媒にはエチルアルコールを用いた。
まず、発光素子搭載用基板1の基板本体2を作製するための本体用グリーンシート(上層用グリーンシート、内層用グリーンシートおよび下層用グリーンシート、)を作製した。本体用グリーンシートの作製においては、酸化物基準のモル%表示で、SiO2が60.4%、B2O3が15.6%、Al2O3が6%、CaOが15%、K2Oが1%、Na2Oが2%となるように原料を配合、混合し、この原料混合物を白金ルツボに入れて1600℃で60分間溶融させた後、溶融状態のガラスを流し出し冷却した。このガラスをアルミナ製ボールミルにより40時間粉砕して基板本体用ガラス粉末を製造した。なお、粉砕時の溶媒にはエチルアルコールを用いた。
次いで、このガラス粉末が38質量%、アルミナ粉末(昭和電工社製、商品名;AL−45H)が38質量%、ジルコニア粉末(第一稀元素化学工業社製、商品名;HSY−3F−J)が24質量%となるように配合し、混合した後、この混合物50gに、有機溶剤(トルエン、キシレン、2−プロパノール、2−ブタノールを質量比4;2;2;1で混合したもの)15g、可塑剤(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル)2.5g、バインダーとしてのポリビニルブチラール(デンカ社製、商品名;PVK#3000K)5g、さらに分散剤(ビックケミー社製、商品名;BYK180)0.5gを配合し、混合してスラリーを調製した。
このスラリーをPETフィルム上にドクターブレード法により塗布し、乾燥させたグリーンシートを焼成後の厚さが、上層用、下層用それぞれに0.25mmになるように積層し、基板本体2用の各グリーンシートを製造した。また、これらの本体用グリーンシートと同様にして製造されたグリーンシートを、所定の形状に加工することにより枠体用グリーンシートを作製した。
一方、導電性金属粉末(大研化学工業社製、商品名;S550)、ビヒクルとしてのエチルセルロースを質量比85;15の割合で配合し、固形分が85質量%となるように溶剤としてのαテレピネオールに分散後、磁器乳鉢中で1時間混練し、さらに三本ロールにて3回分散して導体ペーストを製造した。
そして、基板本体用グリーンシートのうちの1枚(上層用グリーンシート)の接続ビアに相当する部分に、孔空け機を用いて直径0.15mmの貫通孔を形成し、スクリーン印刷法により前記導体ペーストを充填して、接続ビア用導体ペースト層7を形成した。その後、このグリーンシートの上面に、前記導体ペーストをスクリーン印刷することにより、第1の電極用、第2の電極用の各導体ペースト層41,42を形成した。また、上層用グリーンシートの上面の所定の領域に、前記導体ペーストをスクリーン印刷することにより、反射および放熱用導体ペースト層4aを形成した。
また、下層用グリーンシートの接続ビアに相当する部分に、孔空け機を用いてそれぞれ直径0.15mmの貫通孔を形成し、スクリーン印刷法により前記導体ペーストを充填して接続ビア用導体ペースト層7を形成した。また、下層用グリーンシートの上面に、スクリーン印刷法により内部配線層用導体ペースト層43を形成した。
さらに、下層用グリーンシートの下面に、前記導体ペーストを印刷することにより、外部電極端子用導体ペースト層6を形成した。
次いで、オーバーコート層用のホウケイ酸ガラスの粉末と、セラミックス粉末とを混合してなる組成物に、エチルセルロース等のビヒクル、溶剤等を添加してペースト状とすることでオーバーコート層用ガラスペーストを調製した。そして、上層用グリーンシートにおいて、配線導体用導体ペースト層4の周囲近傍を除き搭載領域のほぼ全域を覆うように、反射および放熱用導体ペースト層4aの上に、スクリーン印刷によりオーバーコートガラスペースト層5を形成した。
次に、こうして作製された導体ペースト層およびオーバーコートガラスペースト層付きの上層用グリーンシートと、導体ペースト層付きの下層用グリーンシートを順に重ね合わせ、さらに上層用グリーンシートの上に枠体用グリーンシートを重ねた後、熱圧着により一体化した。こうして、未焼成基板が得られた。得られた未焼成基板を、550℃で5時間保持して脱脂し、さらに870℃で30分間保持して焼成して、発光素子搭載用基板1を製造した。
<光拡散板の製造>
例1〜8においては、まず、光拡散板を製造するための光拡散板用グリーンシートを作製した。光拡散板用グリーンシートの作製においては、酸化物基準のモル%表示で、SiO2が60.4%、B2O3が16.6%、Al2O3が6%、CaOが13%、K2Oが2%、Na2Oが2%となるように原料を配合、混合し、この原料混合物を白金ルツボに入れて1500〜1600℃で60分間溶融させた後、溶融状態のガラスを流し出し冷却した。このガラスをアルミナ製ボールミルにより40時間粉砕して光拡散板用ガラス粉末を得た。なお、粉砕時の溶媒にはエチルアルコールを用いた。
例1〜8においては、まず、光拡散板を製造するための光拡散板用グリーンシートを作製した。光拡散板用グリーンシートの作製においては、酸化物基準のモル%表示で、SiO2が60.4%、B2O3が16.6%、Al2O3が6%、CaOが13%、K2Oが2%、Na2Oが2%となるように原料を配合、混合し、この原料混合物を白金ルツボに入れて1500〜1600℃で60分間溶融させた後、溶融状態のガラスを流し出し冷却した。このガラスをアルミナ製ボールミルにより40時間粉砕して光拡散板用ガラス粉末を得た。なお、粉砕時の溶媒にはエチルアルコールを用いた。
得られたガラス粉末BのD50(μm)を、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(島津製作所社製、商品名;SALD2100)を用いて測定したところ、2.5μmであった。
次いで、このガラス粉末とアルミナ粉末(昭和電工社製、商品名;AL−45H)とを、表1に示す質量比で配合し、混合し、この混合物50gに、有機溶剤(トルエン、キシレン、2−プロパノール、2−ブタノールを質量比4;2;2;1で混合したもの)15g、可塑剤(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル)2.5g、バインダーとしてのポリビニルブチラール(デンカ社製、商品名;PVK#3000K)5g、さらに分散剤(ビックケミー社製、商品名;BYK180)0.5gを配合し、混合してスラリーを調製した。
このスラリーをPETフィルム上にドクターブレード法により塗布し、乾燥させたグリーンシートを焼成後の厚さが表1に示す厚さ(μm)になるように積層した後、円形に切断・加工して光拡散板用グリーンシートを作製した。
次に、こうして作製された光拡散板用グリーンシートを、550℃で5時間保持して脱脂し、さらに870℃で30分間保持して焼成して、例1〜8で使用する光拡散板14を製造した。
例9においては、透光性アルミナからなる厚さ500μmの光拡散板(日本ガイシ社製、商品名;ハイセラム)を使用した。
次いで、前記方法で得られた例1〜9の光拡散板の透過率を、以下に示すようにして測定した。
<光拡散板の透過率>
光源(朝日分光社製、装置名;LAX−C100)を用い、例1〜9で使用する光拡散板を通過した光を、オーシャンオプトニクス社製の積分球FOIS−1で集光した。そして、朝日分光社製の分光器(朝日分光社製、装置名;HSU−100S)によって可視光透過率の平均値を算出した。
光源(朝日分光社製、装置名;LAX−C100)を用い、例1〜9で使用する光拡散板を通過した光を、オーシャンオプトニクス社製の積分球FOIS−1で集光した。そして、朝日分光社製の分光器(朝日分光社製、装置名;HSU−100S)によって可視光透過率の平均値を算出した。
次に、上記で製造した発光素子搭載用基板1の6箇所の搭載部Tに、2ワイヤタイプのLED素子(エピスター社製、商品名;ES−CEBLV24)6個をダイボンド材(信越化学工業社製、商品名;KER−3000−M2)により固定した後、各LED素子が有する一対の電極をボンディングワイヤ12によってそれぞれ所定の配線導体層4(第1の電極41と第2の電極42)に電気的に接続した。さらに、封止用透明樹脂(信越化学工業社製、商品名;CSR−1016A)に蛍光体を白色光が得られるように含有させた蛍光体含有樹脂を、発光素子搭載用基板1のキャビティ内に注入・充填した後、注入・充填層の上に前記光拡散板14を配置した。そして、加熱して注入・充填層を硬化させるとともに、光拡散板14を硬化層である樹脂封止層13に接着した。
こうして得られた発光装置10に、電圧/電流発生器(アドバンテスト社製、商品名;R6243)を用いて210mAを印加して発光させた。そして、発光装置10によって得られる光の配光特性を、分光装置(スペクトラコープ社製、装置名;SOLIDLAMBDA・CCD・LED・MONITOR・PLUS)に、LED光度測定ステージ(スペクトラコープ社製、装置名;MAS−L0702)を装着したものを用いて測定した。
配光特性の測定は、発光装置10の発光面である光拡散板14の外表面の中心部を起点とし、発光面に対して垂直方向を0°として、左右45°の角度まで0.1°毎に光度を測定することによって行った。そして、得られた配光曲線において、0°の光度、および最も高い光度と最も低い光度との差(以下、配光光度差と示す。)を算出した。
0°の光度と配光光度差の測定結果を表1に示す。なお、0°の光度および配光光度差は、光拡散板を用いない時の0°の光度(cd)を基準(100%)とした時の相対光度(%)とした。例1〜9において、0°の光度はマイナスとなるが、絶対値が小さいほど光拡散板14の設置による光度および発光効率の低下が少ないことを意味する。この値は、絶対値が10%以下が好ましい。また、配光光度差(%)は、発光の広がりの均一性および輝度ムラの低減の観点から、20%以下が好ましい。
表1から、ガラス粉末とアルミナ粉末とを含むガラスセラミックス組成物の焼結体からなる光拡散板14が樹脂封止層13に接して設けられた例1〜8の発光装置10では、0°の光度の絶対値が十分に小さく、かつ配光光度差(%)が十分に小さいことがわかる。特に、アルミナ粉末の含有割合が10〜20質量%で、200〜300μmの厚さを有する光拡散板14を備えた例1〜3および例6,7の発光装置10では、0°の光度の絶対値が10%以下で配光光度差(%)が20%以下となっており、広がりが均一で輝度ムラ等が少なく、光度および効率の高い発光が得られている。
これに対して、透光性アルミナからなる光拡散板が設けられた例9の発光装置では、0°の光度の絶対値は小さいが、配光光度差(%)が30%以上と大きく、発光の広がりの均一性が低く、輝度ムラ等の低減が十分になされていないことがわかる。
本発明の発光装置によれば、光の広がり(配光)が均一で、輝度ムラ等が少なく、輝度の高い光を得ることができる。また、高い光取り出し効率を得ることができる。したがって、本発明の発光装置は、車載用ヘッドライトやプロジェクターのような、配光の均一性が高い光を必要とする用途に使用できる。
1…発光素子搭載用基板、2…基板本体、3…枠体、4…配線導体層、4a…反射および放熱用導体層、5…オーバーコート層、6…外部電極端子、7…接続ビア、10…発光装置、11…発光素子、12…ボンディングワイヤ、13…樹脂封止層、41…第1の電極、42…第2の電極、43…内部配線層。
Claims (6)
- 無機絶縁材料からなり、発光素子が搭載される搭載部を含む搭載面を有する基体と、
前記基体の搭載面上に形成された素子接続端子と、
前記基体の搭載部に搭載され、前記素子接続端子と電気的に接続された発光素子と、
前記発光素子の外側を覆うように前記基体の搭載面上に設けられた樹脂封止層と、
前記発光素子からの発光の取り出し部を覆うように前記樹脂封止層に接して設けられた、ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物の焼結体からなる光拡散板
を備えることを特徴とする発光装置。 - 前記ガラスセラミックス組成物において、前記セラミックス粉末の含有量は、該セラミックス粉末と前記ガラス粉末の含有量の合計に対して10〜20質量%の割合である請求項1に記載の発光装置。
- 前記光拡散板は、200〜300μmの厚さを有する請求項1または2に記載の発光装置。
- 前記光拡散板は、可視光透過率が75〜90%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記セラミックス粉末は、アルミナ粉末である請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光装置。
- 前記ガラス粉末は、酸化物基準のモル%表示で、SiO2を57〜65%、B2O3を13〜18%、Al2O3を3〜8%、CaOを9〜23%、Na2OおよびK2Oから選ばれる少なくとも1種を合計で0.5〜6%含有するガラス組成を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012214028A JP2014067965A (ja) | 2012-09-27 | 2012-09-27 | 発光装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012214028A JP2014067965A (ja) | 2012-09-27 | 2012-09-27 | 発光装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014067965A true JP2014067965A (ja) | 2014-04-17 |
Family
ID=50744042
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012214028A Pending JP2014067965A (ja) | 2012-09-27 | 2012-09-27 | 発光装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014067965A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015166022A1 (de) * | 2014-04-30 | 2015-11-05 | Osram Opto Semiconductors Gmbh | Leuchtvorrichtung und verfahren zum herstellen einer leuchtvorrichtung |
WO2015190241A1 (ja) * | 2014-06-09 | 2015-12-17 | 日本電気硝子株式会社 | 発光デバイス |
KR20180111200A (ko) * | 2017-03-31 | 2018-10-11 | 엘지이노텍 주식회사 | 반도체 소자 패키지 및 이를 포함하는 광 어셈블리 |
-
2012
- 2012-09-27 JP JP2012214028A patent/JP2014067965A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015166022A1 (de) * | 2014-04-30 | 2015-11-05 | Osram Opto Semiconductors Gmbh | Leuchtvorrichtung und verfahren zum herstellen einer leuchtvorrichtung |
CN106233477A (zh) * | 2014-04-30 | 2016-12-14 | 奥斯兰姆奥普托半导体有限责任公司 | 照明装置和用于制造照明装置的方法 |
JP2017515310A (ja) * | 2014-04-30 | 2017-06-08 | オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングOsram Opto Semiconductors GmbH | 照明装置および照明装置を製造する方法 |
TWI597870B (zh) * | 2014-04-30 | 2017-09-01 | Osram Opto Semiconductors Gmbh | Lighting device and method of manufacturing lighting device |
US10374196B2 (en) | 2014-04-30 | 2019-08-06 | Osram Opto Semiconductors Gmbh | Lighting device with color scattering layer and method for producing a lighting device |
WO2015190241A1 (ja) * | 2014-06-09 | 2015-12-17 | 日本電気硝子株式会社 | 発光デバイス |
JP2015233057A (ja) * | 2014-06-09 | 2015-12-24 | 日本電気硝子株式会社 | 発光デバイス |
CN106104823A (zh) * | 2014-06-09 | 2016-11-09 | 日本电气硝子株式会社 | 发光器件 |
US9859479B2 (en) | 2014-06-09 | 2018-01-02 | Nippon Electric Glass Co., Ltd | Light-emitting device including quantum dots |
KR20180111200A (ko) * | 2017-03-31 | 2018-10-11 | 엘지이노텍 주식회사 | 반도체 소자 패키지 및 이를 포함하는 광 어셈블리 |
KR102385937B1 (ko) | 2017-03-31 | 2022-04-13 | 쑤저우 레킨 세미컨덕터 컴퍼니 리미티드 | 반도체 소자 패키지 및 이를 포함하는 광 어셈블리 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5640632B2 (ja) | 発光装置 | |
JP5742353B2 (ja) | 発光素子用基板および発光装置 | |
JP5729375B2 (ja) | 発光装置 | |
US9054287B2 (en) | Substrate for mounting light-emitting element, production process thereof and light-emitting device | |
JP2011228653A (ja) | 発光素子用基板および発光装置 | |
JP5499960B2 (ja) | 素子用基板、発光装置 | |
WO2012014853A1 (ja) | 発光素子用基板、発光装置及び発光素子用基板の製造方法 | |
JP5720454B2 (ja) | 発光素子搭載用基板とその製造方法および発光装置 | |
JP5644771B2 (ja) | 発光素子用基板および発光装置 | |
US20120275166A1 (en) | Substrate for mounting light-emitting element, its production process and light-emitting device | |
JP5862574B2 (ja) | 発光素子用基板および発光装置 | |
JP2013197236A (ja) | 発光装置および発光装置の製造方法 | |
JP2014067965A (ja) | 発光装置 | |
JP5725029B2 (ja) | 発光素子搭載用基板および発光装置 | |
JP5850053B2 (ja) | 発光素子用基板および発光装置 | |
JP2014017375A (ja) | 発光素子用基板および発光装置 | |
JP2013239546A (ja) | 発光素子搭載用基板および発光装置 | |
JP2013183129A (ja) | 発光素子搭載用基板および発光装置 | |
JP2011176083A (ja) | 発光装置 | |
JP2011176303A (ja) | 発光素子搭載用基板およびその製造方法 | |
JP2012238855A (ja) | 発光素子用基板および発光装置 | |
JP2011176302A (ja) | 発光素子搭載用基板およびその製造方法 | |
JP2011228652A (ja) | 発光素子用基板および発光装置 | |
JP2012033781A (ja) | 発光素子搭載用基板および発光装置 |