JP2012238855A - 発光素子用基板および発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】放熱性に優れ、光取り出し効率が高く、また耐候性、耐光性に優れた発光素子用基板の提供を目的とする。
【解決手段】金属粒子または金属粒子の焼結体を含有し、発光素子11の搭載される搭載領域22を有する基板本体1と、基板本体1上に搭載領域22を覆うように形成された絶縁層3と、絶縁層3上に形成された導電層4と、を有しており、絶縁層3は、ガラス粉末とセラミックスフィラーとを含有するガラスセラミックス組成物の焼結体からなる素子基板1。
【選択図】図2

Description

本発明は、発光素子用基板およびこれを用いた発光装置に係り、特に放熱性の高い発光素子用基板および発光装置に関する。
近年、発光ダイオード素子の高輝度、白色化に伴い、照明、各種ディスプレイ、大型液晶TVのバックライト等として発光ダイオード素子を用いた発光装置が使用されている。
しかしながら、発光ダイオード素子の高輝度化に伴って発熱量が増加し、その温度が過度に上昇するために、必ずしも十分な発光輝度を得られない。
このため発光ダイオード素子等の発光素子を搭載するための発光素子用基板として、発光素子から発生する熱を速やかに放散し、十分な発光輝度を得られるものが求められている。なお、以下、発光素子用基板は素子基板ともいう。
従来より、発光装置としては、例えばリードフレームを有するパッケージに発光素子を実装するパッケージ型のものが用いられている。また、パッケージ型の発光装置では、発光素子を実装する基板の熱伝導率が必ずしも十分でなく、放熱性が必ずしも十分でないことから、配線等が形成された基板にチップ形状の発光素子を直接実装するチップオンボード(COB:Chip On Board)型のものも用いられている。チップオンボード型の発光装置では、アルミニウムや銅等の金属板からなる回路基板上に発光素子を直接搭載できるため、パッケージ型と比較して、より高い放熱性を得ることができる。
例えば特許文献1には、金属性のベース板2aの上に、無機フィラー入りエポキシ樹脂からなる電気絶縁層2bを介して回路パターン層2cを形成した発光装置1が提案されている。
しかしながら、特許文献1の発光装置では、電気絶縁層2bとして樹脂層を有するため、熱伝導性に劣り、必ずしも十分な放熱性を得られない。また、樹脂は耐候性、耐光性に劣るため、高温高湿下で放置したり、LED光に長期間曝したりすると、絶縁層の劣化が生じやすく、十分な接続信頼性を得られない。
また、素子基板には、一般に、素子から発せられる光を効率よく反射する高反射性が求められるが、樹脂は反射率が低いため、特許文献1のように、樹脂層を露出面とした場合、十分な光取り出し効率を得られない。
このような問題を解決するために、素子基板として、例えば図7で示すように、基板上に光反射層5を形成して光取り出し効率を向上させたものが用いられている。
例えば特許文献2には、金属性の放熱基板2の素子取り付け部3を除く領域に、ガラスエポキシ基板からなる絶縁層5、導体8、及び銀薄膜からなる光反射層10を順に積層した照明装置1が提案されている。
しかしながら、銀は腐食されやすいため、基板周辺に存在する気体や液体等により、光反射層5表面で酸化や硫化が発生して光反射率が低下し、十分な光取り出し効率を得られないおそれがある。
また、図7で示すように、基板2上に、配線導体4とともに銀薄膜等の光反射層5を設けると、その分、発光素子11を実装可能な領域が小さくなり、発光装置10として得られる光束量を十分に高められないおそれがある。
一方、光反射層を基板上に効率的に形成する方法として、樹脂成分と銀粉末とを混合したペースト体を用いることも行われているが、この場合、基板全体の厚みが増大し、またペースト体に含まれる樹脂成分により、熱伝導性が損なわれるおそれがある。また、高温高湿下で放置したり、LED光に長期間曝したりすると、樹脂成分の劣化に伴い光反射層が劣化し、十分な光取り出し効率を得られないおそれもある。
特開2009−267292号公報 特開2009−231397号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、放熱性に優れ、光取り出し効率が高く、また耐候性、耐光性に優れた発光素子用基板の提供を目的とする。また、本発明は、上記発光素子用基板を用いた発光装置の提供を目的とする。
本発明の発光素子用基板は、金属粒子または金属粒子の焼結体を含有し、発光素子の搭載される搭載領域を有する基板本体と、前記基板本体上に前記搭載領域を覆うように形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された導電層と、を有しており、前記絶縁層は、ガラス粉末とセラミックスフィラーとを含有するガラスセラミックス組成物の焼結体からなることを特徴とする。
前記基板本体は、金属粉末を含有する金属シートからなる層の焼結体からなり、前記金属シートが、熱機械分析装置による収縮開始温度が、前記ガラスセラミックス組成物の収縮開始温度に対して−20℃乃至+20℃の範囲にあり、かつ熱機械分析装置による最終収縮量が、前記ガラスセラミックス組成物の最終収縮量の−5%乃至+5%の範囲にある、ことが好ましい。また、前記金属シートは、銀からなる金属粉末、銀と白金からなる金属粉末、または銀とパラジウムからなる金属粉末を含有することが好ましい。また、前記金属粉末の粒径は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。また、前記ガラスセラミックス組成物は、ジルコニアフィラーを含有することが好ましい。
また、本発明の発光装置は、上記した本発明の発光素子用基板と、前記発光素子用基板の搭載領域に搭載される発光素子とを有することを特徴とする。
本発明によれば、金属粉末の焼結体からなる基板本体の搭載領域を覆うように、ガラスセラミックス組成物の焼結体からなる絶縁層を設けることで、放熱性に優れ、基板全体の厚みが低減されるとともに、光取り出し効率が高く、耐候性、耐光性に優れた発光素子用基板とできる。
また、本発明によれば、このような発光素子用基板に発光素子を搭載することで、十分な発光輝度を得ることができ、また、導体層と基板本体との短絡による不具合の発生が抑制された発光装置とできる。
本発明の発光素子用基板を上面側から見た平面図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の発光装置を上面側から見た平面図である。 図3のA−A線断面図である。 本発明の発光装置の一例を示す断面図である。 実施例において、金属シート層(A)乃至(I)およびグリーンシートについてのTMA曲線を示すグラフである。 従来の実施形態に係る発光素子搭載用基板の断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の発光素子用基板は、金属粒子または金属粒子の焼結体を含有し、発光素子の搭載される搭載領域を有する基板本体と、前記基板本体上に前記搭載領域を覆うように形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された導電層と、を有しており、前記絶縁層は、ガラス粉末とセラミックスフィラーとを含有するガラスセラミックス組成物の焼結体からなることを特徴とする。
本発明によれば、金属粒子または金属粒子の焼結体を含有する基板本体の搭載領域を覆うように、ガラスセラミックス組成物の焼結体からなる絶縁層を形成することで、樹脂層を形成することなく、金属性の基板に導体層を形成できるため、熱伝導性が高く、放熱性に優れた素子基板とできる。
また、ガラスセラミックス組成物の焼結体により、発光素子からの光を前方に反射できるため、絶縁層の上に光反射層を設けることなく、高い反射率を得ることができる。このため、例えば図7で示すように、絶縁層3の上に、銀等を含む光反射層5を形成した従来の素子基板と比較して、基板全体の厚みを薄くでき、また発光素子の実装面積を増大できる。
さらに、ガラスセラミックス組成物の焼結体は、耐候性、耐光性に優れるため、高温高湿環境下で長期間使用した場合でも、導体層と基板本体との短絡等の不具合の発生が抑制された素子基板とできる。
図1は、本発明の発光素子用基板を上面側から見た平面図であり、図2は、図1のA−A線断面図である。
図1で示すように、素子基板1は、平面形状が略正方形で、略平板状の基板本体2を有している。基板本体2は、一方の主面(図2中、上側)が、発光ダイオード素子のような発光素子の搭載される搭載面21となっている。
基板本体2は、金属粒子または金属粒子の焼結体を含有し、素子基板として要求される強度を有するものであれば、特に限定することなく用いることができる。基板本体2は、後に詳述する、ガラスセラミックス組成物からなるグリーンシートと同時焼成可能とし、絶縁層3と基板本体2との一括形成を可能とする観点から、金属粉末を含む金属シートからなる層の焼結体で形成することが好ましい。なお、以下、金属粉末を含む金属シートからなる層を金属シート層と示す。
搭載面21の中央部には、図1で示すように、2ワイヤタイプの発光素子の搭載される搭載領域22が、横12行、縦14列に計168個配置されており、図2で示すように、搭載領域22を含む搭載面21全面を覆うように、絶縁層3が設けられている。
絶縁層3は、ガラス粉末とセラミックスフィラーとを含有するガラスセラミックス組成物の焼結体で構成されており、この絶縁層3上に、発光素子と電気的に接続される、配線導体4が設けられている。本実施形態では、ガラスセラミックス組成物をシート状に成形してグリーシートとし、これを焼成してなる焼結体で絶縁層3を形成している。
2本の配線導体4は、一方がアノード側電極、他方がカソード側電極を構成しており、図1で示すように、168個の搭載領域22の群を挟んで対向して設けられている。
なお、ガラスセラミックス組成物の焼結体は低温同時焼成セラミックスあるいはLTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)ともいう。以下、本明細書では、ガラスセラミックス組成物をグリーンシートと示すことがある。
アノード側電極またはカソード側電極となる配線導体4は、搭載領域22に配置される発光素子の有する一方の電極とそれぞれ電気的に接続される素子接続端子41と、外部回路と電気的に接続される外部接続端子42とを有している。外部接続端子42は配線導体4内でその位置が明確に分かるように、略正方形に形成され、図1では配線導体4の一端に形成した。なお、略正方形状とは目視あるいは顕微鏡観察において正方形と見えることを言いう。以下、略とは目視あるいは顕微鏡観察においてそのように見えることを言う。
基板本体形成用の金属シートは、銅、銀、金等を主成分とする金属粉末に、バインダー、必要に応じてその他の添加剤、可塑剤、分散剤、溶剤等を添加したものを使用できる。例えば、「銀を主成分とする金属粉末」とは、金属粉末中の銀の含有量が50質量%を超えるものをいい、具体的には銀からなる金属粉末、または銀を95質量%以上の割合で含むものである。
このような金属材料の中でも、銀からなる金属粉末、銀と白金からなる金属粉末、または銀とパラジウムからなる金属粉末を含む金属シート層は、下記に述べるLTCCとの同時焼成が可能となり、素子基板1の生産効率を向上できるため好ましい。
金属シートの添加剤としては、パラジウムや三酸化二ロジウムが挙げられる。パラジウム、三酸化二ロジウムは、いずれも銀の焼結阻害剤として作用する。三酸化二ロジウムは少量で大きく焼成収縮を遅延させる効果があるが、添加量が多くなると基板との密着強度を低下させたり、印刷性を阻害したりするので、添加量を抑える必要がある。
金属粉末の50%粒径は、0.5μm以上10μm以下が好ましい。
なお、本明細書において、粒径は、レーザ回折・散乱法による粒子径測定装置により得られる値をいう。なお、一般に50%粒径はD50とも表せる。
さらに、金属シート中の金属粉末の含有量は、80質量乃至90質量%の範囲に調整するのが好ましい。なお、金属シート中の金属粉末の含有量は、溶剤を除いた固形分全体に対する金属粉末の含有割合をいう。
基板本体2を形成するための金属シートのTMAにより測定された収縮開始温度は、絶縁層3を形成するためのグリーンシートの収縮開始温度の−20℃乃至+20℃の範囲であることが好ましい。−10℃乃至+10℃の範囲がさらに好ましい。
また、前記金属シートのTMAにより測定された最終収縮量が、絶縁層3を形成するためのグリーンシートの最終収縮量に対して−5%乃至+5%の範囲であることが好ましい。すなわち、金属シートの最終収縮量が前記グリーンシートの最終収縮量を基準(100%)として、95%乃至105%の範囲であることが好ましい。98%乃至102%の範囲がさらに好ましい。
なお、TMA(Thermo-Mechanical Analysis;熱機械分析)は、試料の温度を一定のプログラムによって変化させながら、圧縮、引張り、曲げ等の非振動的荷重を加えて、物質の変形を温度または時間の関数として測定する方法である。温度変化に対応して試料の熱膨張や軟化等試料の変形が起こると、変形に伴う変位量が、プローブの位置変化量として、変位検出部で計測される。本発明の実施形態において、TMA測定は、例えば島津製作所製の商品名TMA−50を使用し、試料に10mgの荷重を負荷しながら温度を10℃/分の速度で上昇させて、そのときの収縮量を測定することにより行う。
収縮開始温度は、TMA測定により得られる熱収縮曲線(以下、「TMA曲線」という。)において、収縮量が3%乃至10%の間の一定の値、例えば5%、に達する温度とする。
最終収縮量は、TMA測定において、試料の収縮挙動が定常状態となる時点、例えば、90分経過時点での、初期状態からの収縮量とする。
金属シートのTMA曲線における収縮開始温度および最終収縮量は、金属シート中の金属粉末の粒径、金属粉末の含有量により調整できる。また、パラジウム、三酸化二ロジウムのような添加剤を添加することで、前記収縮開始温度および最終収縮量を調整できる。
基板本体2を形成するための金属シートの収縮開始温度および最終収縮量を前記範囲とすることで、素子基板1の反り量を低減できる。
すなわち、絶縁層3を形成するためのグリーンシートと比べて、収縮開始温度の差が小さく、かつ、最終収縮量が前記グリーンシートのそれと略同等である金属シートを使用して、基板本体2を形成することで、素子基板1の反りを低減し、具体的には、基板本体2の端縁が搭載面21側または搭載面21とは反対側の非搭載面23側に反る反りの程度を低減できる。
より具体的には、例えば基板本体2の平面サイズが20mm×20mmの素子基板1で、基板本体2の端縁の反り上がり量を100μm以下に低減できる。これにより、搭載面21が平坦化され、発光素子を搭載する際の発光素子の位置ずれや傾きを抑制できる。このため、発光装置としたときに、光の指向性が設計と異なるという問題や、ボンディングワイヤの位置ずれによる断線の発生を抑制できる。
なお、ここで最終収縮率が略同等とは、最終収縮量の差が−5%から+5%の範囲にあることをいう。
基板本体2を形成するための金属シートの収縮開始温度が、グリーンシートの収縮開始温度を基準として−20℃未満の場合には、後述するように、この金属シートからなる層(未焼成基板本体)を、前記グリーンシートと積層して、同時焼成して素子基板1を製造する際に、金属シートが収縮を開始するタイミングが、グリーンシートのそれに比べて早すぎるため、グリーンシートが殆ど収縮を開始していない段階で、金属シート層の収縮が進行する。
このため、素子基板1の基板本体2の端縁が、非搭載面23側に向けて反り上がるという反りが生じやすくなる。また、金属シート層とグリーンシートとの間に隙間が生じ、基板本体2と絶縁層3との密着性が低下しやすくなる。
金属シートの収縮開始温度が、グリーンシートの収縮開始温度に対して+20℃を超えて高い場合には、金属シートが収縮を開始していない段階で、グリーンシートの収縮が進行するため、素子基板1の基板本体2の端縁が、搭載面21側に向けて反り上がるという反りが生じやすくなる。また、金属シート層とグリーンシートとの間に隙間が生じ、基板本体2と絶縁層3との密着性が低下しやすくなる。
金属シートの最終収縮量がグリーンシートの最終収縮量に対して5%を超えて小さい場合、すなわち金属シートの最終収縮量がグリーンシートの最終収縮量の95%未満である場合には、焼成後の基板本体2と絶縁層3とで、端部の位置ずれが生じたり、両者の密着性が低下したりするおそれがある。
金属シートの最終収縮量がグリーンシートの最終収縮量に対して5%を超えて大きい場合、すなわち金属シートの最終収縮量がグリーンシートの最終収縮量の105%超である場合には、金属シートの収縮量が大きすぎるため、基板本体2の端縁が、非搭載面23側に向けて反り上がるという反りが生じやすくなる。また、焼成後の基板本体2と絶縁層3とで、端部の位置ずれが生じたり、両者の密着性が低下したりするおそれがある。
基板本体2の厚みは、100μm以上500μm以下が好ましい。基板本体2の厚みが100μm未満であると、素子基板1として、十分な強度を得られないおそれがある。一方、基板本体2の厚みが500μmを超えると、素子基板1を焼成する時にバインダー成分を除去しきれず、焼結不足となったり、全体の厚みが増大し、基板全体の放熱性が低下するおそれがある。基板本体2の厚みは、より好ましくは200μm以上400μm以下である。
基板本体2の熱伝導率は、300W/m・K以上であることが好ましい。基板本体2の熱伝導率が300W/m・K未満であると、発光素子の熱が十分に放散されず、十分な発光輝度を得られなくなる。
絶縁層3の厚みは70μm以上200μm以下が好ましい。絶縁層3の厚みが70μm未満であると、反射率が低下し、発光素子から発せられた光を効率よく前方に反射させることができなくなる可能性がある。また配線導体4の絶縁層3との接触面から、基板本体2までの距離が短すぎて、両者の絶縁性を十分に確保できないおそれがある。一方、絶縁層3の厚みが200μmを超えると、発光素子と絶縁層3との接触面から基板本体2までの距離が長くなり、基板全体の放熱性が低下するおそれがある。絶縁層3の厚みは、より好ましくは100μm以上150μm以下である。
絶縁層3の熱伝導率は、1W/m・K以上であることが好ましい。絶縁層3の熱伝導率が1W/m・K未満であると、発光素子の熱が十分に基板本体2に伝わらず、発光素子の温度が上昇してしまい、電圧降下を招き十分な発光輝度を得られなくなる。
配線導体4の構成材料は、通常、素子基板に用いられるものと同様の構成材料であれば特に制限なく使用できる。
配線導体4は、例えば銀、銀パラジウム合金又は銀白金合金等の金属粉末に、エチルセルロース等のビヒクル、必要に応じて溶剤等を添加してペースト状としたものを、スクリーン印刷等の方法により絶縁層3上に塗布または印刷し、焼成して形成できる。
配線導体4の膜厚は、十分な導電性を確保しつつ、放熱性を確保する観点から、5μm以上20μm以下であることが好ましい。
なお、配線導体4上には、銀等の金属材料からなるこれらの層を酸化や硫化から保護しかつ導電性を付与するために、導電性保護層(図示せず)を形成できる。導電性保護層としては、前記金属材料からなる層を保護する機能を有する導電性材料であれば特に制限されない。具体的には、ニッケルメッキ層、ニッケル/金メッキ層、銀メッキ層、ニッケル/銀メッキ層、クロムメッキ層等が挙げられ、後述する発光素子の電極との接続に用いるボンディングワイヤやその他接続材料との良好な接合が得られる等の点から、ニッケル/金メッキ層が好ましい。導電性保護層の膜厚としては、ニッケルメッキ層が2〜20μm、金メッキ層が0.1〜1.0μmが好ましい。
以上、本発明の素子基板について一例を挙げて説明したが、本発明の趣旨に反しない限度において、また必要に応じて、その構成を適宜変更できる。
また、搭載面21には、例えば発光素子の光を反射する枠体(リフレクタ)等を設けてもよい。
本発明の発光装置10は、例えば図3及び図4で示すように、素子基板1の搭載面21の略中央部に、12行14列に配置されて設けられた168個の搭載領域22に、シリコーンダイボンド剤等のダイボンド剤(図示せず)により発光ダイオード素子等の発光素子11が搭載されている。
こうして12行14列に配置された168個の発光素子11が、以下に示すように、ボンディングワイヤ12によって、配線導体4の素子接続端子41に接続されている。
すなわち、発光素子11のうちで1列目の搭載領域群22aおよび14列目の搭載領域群22nに搭載された各12個の発光素子11a、11nは、それぞれ図示しない電極の一方をボンディングワイヤ12によって素子接続端子41に接続され、他方がボンディングワイヤ12によって、対向する搭載領域群22b、22mに搭載された発光素子11b、11mに接続されている(図1、3参照)。
また、2〜13列目の搭載領域群22b〜22mに搭載された発光素子11b〜11mは、一対の電極がボンディングワイヤ12によって、それぞれ対向する搭載領域22に搭載された発光素子11の電極に接続されている。
こうして、12行14列に配置された168個の発光素子11に対して、各行を構成する14個の発光素子が互いに直列に接続され、かつ直列に接続された12行の発光素子群が互いに並列に接続されるようにワイヤボンディングがなされている。
このようにして、ボンディングワイヤ12により各発光素子11及び素子接続端子41が接続された発光装置10には、図示しないが、外部回路からの電源が外部接続端子42に接続されて、通電される。
なお、図3及び図4で示した発光装置10では、発光素子11を搭載した素子基板1の上に封止層を設けない構成としたが、本発明の発光装置10は、例えば図5で示すように、素子基板1の搭載面21に上記のように配設された発光素子11やボンディングワイヤ12を覆うように、封止層13を設けた構成としてもよい。
なお、封止層13を構成する材料、封止材には、必要に応じて、発光装置の封止層に通常用いられる蛍光体が含有されていてもよい。
本発明の発光装置によれば、熱伝導性に優れ、また反射率の高い素子基板1を用いることで、発光素子11の過度な温度上昇を抑制し、また発光素子からの光を効率的に取り出して、高輝度に発光させることができる。また、耐光性、耐候性の高い素子基板1を用いることで、高温高湿環境下で放置したり、発光状態を長期間継続しても、配線導体4と基板本体2との短絡による不具合の発生が抑制できる。
このような本発明の発光装置10は、例えば携帯電話やパソコンや平面テレビの液晶ディスプレイ等のバックライト、自動車用あるいは装飾用の照明、一般照明、その他の光源として好適に使用できる。
以上、本発明の素子基板1およびこれを用いた発光装置10の実施形態について例を挙げて説明したが、本発明の素子基板1および発光装置10はこれらに限定されるものではない。本発明の趣旨に反しない限度において、また必要に応じて、その構成を適宜変更できる。
次に、本発明の素子基板の製造方法について、図1、2に示される素子基板1の製造方法を例にして以下に説明する。なお、以下の説明では、製造に用いる部材について、完成品の部材と同一の符号を付して説明する。
(A)グリーンシート製造工程
まず、絶縁層用の略平板状のグリーンシートを製造する。これらのグリーンシートは、ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物にバインダー、必要に応じて可塑剤、溶剤等を添加してスラリーを調製し、これをドクターブレード法等によりシート状に成形し、乾燥させることで製造できる。
ガラス粉末は、必ずしも限定されないものの、Tgで表記されるガラス転移点が550℃以上700℃以下のものが好ましい。ガラス転移点が550℃未満の場合、後述する脱脂が困難となるおそれがある。一方、ガラス転移点が700℃を超える場合、収縮開始温度が高くなり過ぎて、寸法精度が低下するおそれがある。
また、800℃以上930℃以下で焼成したときに結晶が析出することが好ましい。結晶が析出しない場合、十分な機械的強度を得ることができないおそれがある。さらに、DTA(Differential Thermal Analysis、示差熱分析)により測定され、Tcで表記される結晶化ピーク温度が880℃以下のものが好ましい。結晶化ピーク温度が880℃を超える場合、寸法精度が低下するおそれがある。
このようなガラス粉末としては、例えばSiOを57mol%以上65mol%以下、Bを13mol%以上18mol%以下、CaOを9mol%以上23mol%以下、Alを3mol%以上8mol%以下、KOとNaOから選ばれる少なくとも一方を合計で0.5mol%以上6mol%以下含有するものが好ましい。このような組成のものを用いることで、基板本体の上下面の平坦度を向上させることが容易となる。
ここで、SiOは、ガラスのネットワークフォーマとなる。SiOの含有量が57mol%未満の場合、安定なガラスを得ることが難しく、また化学的耐久性も低下するおそれがある。一方、SiOの含有量が65mol%を超える場合、ガラス溶融温度やガラス転移点が過度に高くなるおそれある。SiOの含有量は、好ましくは58mol%以上、より好ましくは59mol%以上、特に好ましくは60mol%以上である。また、SiOの含有量は、好ましくは64mol%以下、より好ましくは63mol%以下である。
は、ガラスのネットワークフォーマとなる。Bの含有量が13mol%未満の場合、ガラス溶融温度やガラス転移点が過度に高くなるおそれがある。一方、Bの含有量が18mol%を超える場合、安定なガラスを得ることが難しく、また化学的耐久性も低下するおそれがある。Bの含有量は、好ましくは14mol%以上、より好ましくは15mol%以上である。また、Bの含有量は、好ましくは17mol%以下、より好ましくは16mol%以下である。
Alは、ガラスの安定性、化学的耐久性、および強度を高めるために添加される。Alの含有量が3mol%未満の場合、ガラスが不安定となるおそれがある。一方、Alの含有量が8mol%を超える場合、ガラス溶融温度やガラス転移点が過度に高くなるおそれがある。Alの含有量は、好ましくは4mol%以上、より好ましくは5mol%以上である。また、Alの含有量は、好ましくは7mol%以下、より好ましくは6mol%以下である。
CaOは、ガラスの安定性や結晶の析出性を高めるとともに、ガラス溶融温度やガラス転移点を低下させるために添加される。CaOの含有量が9mol%未満の場合、ガラス溶融温度が過度に高くなるおそれがある。一方、CaOの含有量が23mol%を超える場合、ガラスが不安定となるおそれがある。CaOの含有量は、好ましくは12mol%以上、より好ましくは13mol%以上、特に好ましくは14mol%以上である。また、CaOの含有量は、好ましくは22mol%以下、より好ましくは21mol%以下、特に好ましくは20mol%以下である。
O、NaOは、ガラス転移点を低下させるために添加される。KOおよびNaOの合計した含有量が0.5mol%未満の場合、ガラス溶融温度やガラス転移点が過度に高くなるおそれがある。一方、KOおよびNaOの合計した含有量が6mol%を超える場合、化学的耐久性、特に耐酸性が低下するおそれがあり、電気的絶縁性も低下するおそれがある。KOおよびNaOの合計した含有量は、0.8mol%以上5mol%以下が好ましい。
ガラス粉末は、必ずしも上記成分のみからなるものに限定されず、ガラス転移点等の諸特性を満たす範囲で他の成分を含有できる。他の成分を含有する場合、その合計した含有量は10mol%以下が好ましい。
ガラス粉末は、上記したようなガラス組成を有するガラスを溶融法によって製造し、乾式粉砕法や湿式粉砕法によって粉砕することにより得ることができる。湿式粉砕法の場合、溶媒として水を用いることが好ましい。粉砕は、例えばロールミル、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を用いて行う。
ガラス粉末の50%粒径は、0.5μm以上2μm以下が好ましい。ガラス粉末の50%粒径が0.5μm未満の場合、ガラス粉末が凝集しやすく、取り扱いが困難になるばかりでなく、均一に分散させることが困難になる。一方、ガラス粉末の50%粒径が2μmを超える場合、ガラス軟化温度の上昇や焼結不足が発生するおそれがある。粒径の調整は、例えば粉砕後に必要に応じて分級することにより行う。
セラミックス粉末としては、従来からLTCC基板の製造に用いられるものを特に制限なく使用でき、例えば、アルミナ粉末、ジルコニア粉末、またはアルミナ粉末とジルコニア粉末との混合物を好適に用いる。特に、アルミナ粉末とともに、アルミナ粉末よりも高い屈折率を有するセラミックスの粉末(以下、高屈折率セラミックス粉末と示す。)を使用することが好ましい。
高屈折率セラミックス粉末は、焼結体の反射率を向上させるための成分であり、例えばチタニア粉末、ジルコニア粉末、安定化ジルコニア粉末等が挙げられる。アルミナの屈折率が1.8程度であるのに対して、チタニアの屈折率は2.7程度、ジルコニアの屈折率は2.2程度であり、アルミナに比べて高い屈折率を有している。これらのセラミックス粉末の50%粒径は、0.5μm以上4μm以下であることが好ましい。
このようなセラミックス粉末と前記ガラス粉末とを、例えばガラス粉末が30質量%以上50質量%以下、セラミックス粉末が50質量%以上70質量%以下となるように配合、混合することによりガラスセラミックス組成物を得る。また、このガラスセラミックス組成物に、バインダー、必要に応じて可塑剤、分散剤、溶剤等を添加することによりスラリーを得る。
バインダーとしては、例えばポリビニルブチラール、アクリル樹脂等が好適に使用できる。可塑剤としては、例えばフタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル等が使用できる。また、溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族系の有機溶剤、ブタノール等のアルコール系の有機溶剤が使用できる。さらに、分散剤やレベリング剤も使用できる。
このスラリーをドクターブレード法等によりシート状に成形し、乾燥させることで、絶縁層用のグリーンシートを製造できる。
(B)金属シート層製造工程
次に、基板本体形成用の、金属シートからなる略平板状の金属シート層である未焼成基板本体を製造する。
基板本体用の金属シート層は、銅、銀、金等を主成分とする金属粉末にバインダー、必要に応じて可塑剤、溶剤等を添加してスラリーを調製し、これをドクターブレード法等によりシート状に成形し、乾燥させることで製造できる。
上記金属粉末としては、銀からなる金属粉末、銀と白金からなる金属粉末または銀とパラジウムからなる金属粉末が好ましい。
金属粉末の50%粒径は、0.5μm以上10μm以下が好ましい。金属粉末の50%粒径が0.5μm未満であると、金属粉末が凝集しやすく、また金属粉末を均一に分散させることが困難となる。一方、金属粉末の50%粒径が10μmを超えると、金属シート層の焼結不足が発生するおそれがある。
バインダーとしては、例えばポリビニルブチラール、アクリル樹脂等が好適に使用できる。可塑剤としては、例えばフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル等が使用できる。また、溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族系の有機溶剤、ブタノール等のアルコール系の有機溶剤が使用できる。さらに、分散剤やレベリング剤も使用できる。
金属シート層中の金属粉末の含有量は、80質量乃至90質量%の範囲に調整するのが好ましい。なお、金属粉末の含有量は、溶剤を除いた固形分全体に対する金属粉末の含有割合をいう。
この金属シート層は、TMAにより測定された収縮開始温度が、前記(A)工程で得られた絶縁層形成用のグリーンシートの収縮開始温度に対して−20℃乃至+20℃の範囲にあり、かつ最終収縮量が、前記グリーンシートの最終収縮量に対して−5%乃至+5%の範囲のものが好ましい。
(C)積層工程
上記(B)で得られた金属シート層の一方の面に、上記(A)工程で得られた絶縁層形成用のグリーンシートを位置合わせしつつ積層し、加熱および加圧して一体化する。
(D)導体ペースト層形成工程
上記(C)工程後、金属シート層上に積層されたグリーンシートの所定の位置に、配線導体形成用の導体ペーストを塗布し、未焼成配線導体4を形成して、未焼成素子基板1を得る。
未焼成配線導体4の形成方法としては、配線導体形成用の導体ペーストをスクリーン印刷法により塗布、充填する方法が挙げられる。未焼成配線導体4の膜厚は、最終的に得られる配線導体4の膜厚が所定の膜厚となるように調整される。
導体ペーストとしては、銅、銀、金等を主成分とする金属粉末に、エチルセルロース等のビヒクル、必要に応じて溶剤、添加剤等を添加してペースト状としたものを用いる。上記金属粉末としては、銀からなる金属粉末、銀と白金からなる金属粉末または銀とパラジウムからなる金属粉末が好ましい。また、球状の銀粒子の表面に、リン酸化物とイットリウム酸化物とを被着させた複合銀粉末も使用できる。
(E)焼成工程
上記(D)工程後、得られた未焼成素子基板1について、必要に応じて絶縁層用のグリーンシート及び基板本体用の金属シートに含まれる樹脂等のバインダー等を分解・除去するための脱脂を行った後、ガラスセラミックス組成物、金属ペースト等を焼結させるために、800乃至930℃の温度で焼成する。
脱脂は、例えば、500℃以上600℃以下の温度で1時間以上10時間以下保持する条件が好ましい。脱脂温度が500℃未満もしくは脱脂時間が1時間未満の場合、バインダー等を十分に除去できないおそれがある。脱脂温度を600℃程度、脱脂時間を10時間程度とすれば、十分にバインダー等を除去でき、これを超えると生産性が低下する。
焼成は、絶縁層3を含む基板本体2の緻密な構造の獲得と生産性を考慮して、800℃乃至930℃の温度範囲で適宜時間を調整する。具体的には、850℃以上900℃以下の温度で20分以上60分以下保持することが好ましく、特に860℃以上880℃以下の温度で20分以上60分以下保持することが好ましい。
焼成温度が800℃未満では、絶縁層3や基板本体2において、緻密な構造が得られないおそれがある。一方、焼成温度が930℃を超えると基板本体2が変形するなど生産性等が低下するおそれがある。
また、銀を主成分とする金属粉末を含有する金属シートや導体ペーストを用いた場合、焼成温度が880℃を超えると、金属ペースト等が過度に軟化して所定の形状を維持できなくなるおそれがある。
このようにして、未焼結素子基板1が焼成されて素子基板1が得られるが、焼成後、必要に応じて配線導体4の全体を被覆するように、金メッキ、ニッケル/金メッキ等の通常、素子基板において導体保護用に用いられる導電性保護層を形成できる。
なお、本発明の素子基板1は、そのサイズにより、通常、発光素子用の配線基板を作製する際に用いられる、多数個取りの連結基板を作製し、これを分割する工程を得て個々の配線基板を作製する方法により作製されてもよい。
なお、上述した実施形態では、基板本体2を、銀または銀合金(銀−白金合金や銀−パラジウム合金)を主成分とする金属粉末を含む金属シート層の焼結体で形成することとしたが、本発明は必ずしもこのような態様に限定されず、例えば銅、モリブデン、タングステン等からなる金属板で基板本体2を構成し、この基板本体2と絶縁層3とを加圧、接着した後、これを焼成して素子基板1を製造することも可能である。
以上、本発明の発光素子用基板の実施形態の一例について、その製造方法を説明したが、絶縁層形成用のグリーンシートは必ずしも単一のグリーンシートからなる必要はなく、複数枚のグリーンシートを積層したものであってもよい。また、基板本体形成用の金属シート層も、単一の金属シート層からなる必要はなく、複数の金属シート層を積層したものであってもよい。
また、各部の形成順序等についても、素子基板の製造が可能な限度において適宜変更できる。
以下、本発明の具体的実施例について記載する。
以下に示すようにして、基板本体形成用の金属シート(A)乃至(I)を作製した。また、絶縁層形成用のグリーンシートを作製した。なお、以下において、ガラスセラミックス組成物をグリーンシートともいう。
(金属シート層用銀導体組成物の調製)
まず、以下に示す銀粉末(a)乃至(e)をそれぞれ用意した。
銀粉末(a):大研化学工業社製S400−2
(D502.0μm、粒子の形状 球状)
銀粉末(b):DOWAエレクトロニクス社製AG−2−1C
(D500.8μm、粒子の形状 球状)
銀粉末(c):大研化学工業社製F−1
(D503.0μm、粒子の形状 球状)
銀粉末(d):DOWAエレクトロニクス社製FA−D−2
(D505.5μm、粒子の形状 扁平状)
銀粉末(e):大研化学工業社製S550
(D505.0μm、粒子の形状 扁平状)
これらの銀粉末(a)乃至(e)を、表1に示す組成となるように配合して、金属粉末(A−1)乃至(I−1)を調整した。
この金属粉末(A−1)乃至(I−1)300gに、有機溶剤(トルエン、キシレン、2−プロパノール、2−ブタノールを質量比4:2:2:1で混合したもの)40g、可塑剤(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル)4.5g、バインダーとしてのポリビニルブチラール(デンカ社製、商品名:PVK#3000K)20g、さらに分散剤(ビックケミー社製、商品名:BYK180)3gを配合し、混合して、金属シート層用スラリー(A−2)乃至(I−2)を調製した。
金属シート層用スラリー(A−2)乃至(I−2)をPETフィルム上にドクターブレード法により塗布し、乾燥させた後切断し、厚さが0.1mmの銀導体組成物からなる金属シート(A)乃至(I)を製造した。
表1に、金属粉末の(A−1)乃至(I−1)における銀粉末(a)〜(e)配合量と併せて、各金属シート(A)乃至(I)の固形分全体に対する金属粉末の含有量(固形分比)を示す。
Figure 2012238855
(グリーンシートの作製)
SiOを60.4mol%、Bを15.6mol%、Alを6mol%、CaOを15mol%、KOを1mol%、NaOを2mol%となるように原料を配合、混合し、この原料混合物を白金ルツボに入れて1600℃で60分溶融させた後、この溶融状態のガラスを流し出し冷却した。このガラスをアルミナ製ボールミルにより40時間粉砕して基板用ガラス粉末を製造した。なお、粉砕の溶媒にはエチルアルコールを用いた。
このガラス粉末が35質量%、アルミナフィラー(昭和電工社製、商品名:AL−45H)が40質量%、ジルコニアフィラー(第一稀元素化学工業社製、商品名:HSY−3F−J)が25質量%となるように配合し、混合することにより基板用ガラスセラミックス組成物を調製した。
この基板用ガラスセラミックス組成物50gに、有機溶剤(トルエン、キシレン、2−プロパノール、2−ブタノールを質量比4:2:2:1で混合したもの)15g、可塑剤(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル)2.5g、バインダーとしてのポリビニルブチラール(デンカ社製、商品名:PVK#3000K)5g、さらに分散剤(ビックケミー社製、商品名:BYK180)0.5gを配合し、混合してスラリーを調製した。
このスラリーをPETフィルム上にドクターブレード法により塗布し、乾燥させた後切断し、厚さが0.1mmの絶縁層形成用のグリーンシートを製造した。
次に、こうして得られたグリーンシートと基板本体用の前記金属シート(A)乃至(I)について、TMA測定を行った。測定は、島津製作所製のTMA−50を用いて行った。
金属シート(A)乃至(I)およびグリーンシートから作製された試料に、10mgの荷重を負荷しながら温度を10℃/分の速度で上昇させ、そのときの収縮曲線をそれぞれ測定した。
グリーンシート及び金属シートの試料は、それぞれ前記した厚さが0.1mmのグリーンシート及び金属シートを直径5mmの円盤状に刳り貫いて作製した。
こうして測定された金属シート(A)乃至(I)およびグリーンシートのTMA曲線を、図6に示す。
次に、図6に示すTMA曲線から、金属シート(A)乃至(I)の収縮開始温度(収縮量が5%に達する温度)をそれぞれ求め、それらの値が基準値であるグリーンシートの収縮開始温度(℃)に対して、どれだけ高いか(+t℃;tは正数。以下同じ。)あるいは低いか(−t℃)を求めた。また、TMA曲線から金属シート(A)乃至(K)の最終収縮量(μm)を求めた。最終収縮量は、TMA測定を開始してから90分経過時点での、初期状態からの収縮量とした。そして、それらの値の、グリーンシートの最終収縮量(μm)を基準(100%)とする割合(%)を求めた。なお、TMA曲線における左側の縦軸は、初期状態を0として収縮をマイナス量として表わしているので、最終収縮量(μm)は縦軸の値の絶対値として求めた。これらの結果を表2に示す。
Figure 2012238855
表2の結果から、金属シート(E)、(F)は、いずれもTMAによる収縮開始温度が、絶縁層形成用のグリーンシートの収縮開始温度に対して−20℃乃至+20℃の範囲にあり、かつ最終収縮量が前記グリーンシートの最終収縮量に対して−5%乃至+5%の範囲、つまり、グリーンシートの最終収縮量の95%乃至+105%の範囲にあり、本発明の素子基板における基板本体を形成するための金属シートとして好適するものであることがわかった。
これに対して、金属シート(A)乃至(D)および(G)乃至(I)は、いずれもTMAによる収縮開始温度が絶縁層形成用グリーンシートの収縮開始温度に対して−20℃乃至+20℃の範囲にはなく、また最終収縮量も前記グリーンシートの最終収縮量から−5%乃至+5%の範囲にはないので、本発明の素子基板における基板本体を形成するための金属シートとして適さないことがわかった。
次に、縦20mm×横20mmで厚みが0.3mmの基板本体用金属シート(A)乃至(I)の上に、縦20mm×横20mmで厚みが0.1mmの絶縁層形成用のグリーンシートを位置合わせしつつ重ね合わせ、銀ペースト層をスクリーン印刷にて形成し、加熱および加圧し一体化して、未焼成素子基板を得た。次いで、550℃で5時間保持して脱脂を行い、さらに870℃で30分間保持して焼成を行って図1及び図2に示す構造の素子基板を製造した。
得られた素子基板について、図1のA−A断面をダイシングマシンを用いて分割し、その破断面を観察し、測長顕微鏡によって素子基板の反り量を測定した。
金属シート(E)、(F)を使用して基板本体を形成した素子基板は、反り量が100μm以下と小さくなっており、素子基板の端縁が搭載面側または非搭載面側に反り上がる反り量が小さくなっていた。
これに対して、金属シート(A)乃至(D)および(G)乃至(I)を使用して基板本体を形成した素子基板は、反り量が100μm超と大きくなっていた。
本発明によれば、金属粒子または金属粒子の焼結体を含有する基板本体の搭載領域を覆うように、ガラスセラミックス組成物の焼結体からなる絶縁層を設けることで、放熱性に優れ、基板全体の厚みが低減されるとともに、光取り出し効率が高く、耐候性、耐光性に優れた素子基板とできる。本発明の発光装置は、このような放熱性に優れた素子基板に発光素子を搭載することで、十分な発光輝度を得ることができる。
また、このような耐候性、耐光性に優れた素子基板を用いることで、導体層と基板本体との短絡による不具合の発生が抑制された発光装置とできる。
このような本発明の発光装置は、例えば携帯電話やパソコンや平面テレビの液晶ディスプレイ等のバックライト、自動車用あるいは装飾用の照明、一般照明、その他の光源として好適に使用できる。
1…素子基板、2…基板本体、21…搭載面、22…搭載領域、23…非搭載面、3…絶縁層、4…配線導体、5…光反射層、41…素子接続端子、42…外部接続端子、10…発光装置、11…発光素子、12…ボンディングワイヤ、13…封止層

Claims (6)

  1. 金属粒子または金属粒子の焼結体を含有し、発光素子の搭載される搭載領域を有する基板本体と、
    前記基板本体上に前記搭載領域を覆うように形成された絶縁層と、
    前記絶縁層上に形成された導電層と、を有しており、
    前記絶縁層は、ガラス粉末とセラミックスフィラーとを含有するガラスセラミックス組成物の焼結体からなることを特徴とする発光素子用基板。
  2. 前記基板本体が、金属粉末を含有する金属シートからなる層の焼結体からなり、前記金属シートが、熱機械分析装置による収縮開始温度が、前記ガラスセラミックス組成物の収縮開始温度に対して−20℃乃至+20℃の範囲にあり、かつ熱機械分析装置による最終収縮量が、前記ガラスセラミックス組成物の最終収縮量の−5%乃至+5%の範囲にある、請求項1記載の発光素子用基板。
  3. 前記金属シートは、銀からなる金属粉末、銀と白金からなる金属粉末、または銀とパラジウムからなる金属粉末を含有する請求項1又は2記載の発光素子用基板。
  4. 前記金属粉末の50%粒径は、0.5μm以上10μm以下である請求項1乃至3記載の発光素子用基板。
  5. 前記ガラスセラミックス組成物は、ジルコニアフィラーを含有する請求項1乃至4記載の発光素子用基板。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項記載の発光素子用基板と、前記発光素子用基板の搭載領域に搭載される発光素子とを有することを特徴とする発光装置。
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