JP2013183129A - 発光素子搭載用基板および発光装置 - Google Patents

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【課題】熱放散性に優れるとともに、基板表面での反射光が少なく、得られる光の指向性を高めることが可能な発光素子搭載用基板を提供する。
【解決手段】ガラス粉末とセラミックスフィラーとを含むガラスセラミックス組成物の焼結体からなり、発光素子の搭載部22を有する基板本体2と、搭載部22を囲む領域に形成され、前記発光素子から発せられる光を吸収する光吸収層8と、を有し、光吸収層8が、光吸収材料を含有するガラス粉末焼結体からなる発光素子搭載用基板1。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光素子搭載用基板および発光装置に関する。
近年、発光ダイオード素子(以下、LEDという)の高輝度、白色化に伴い、携帯電話や大型液晶TVのバックライト等として発光ダイオード素子を用いた発光装置が使用されている。また、近年、より高い輝度が求められる自動車のヘッドライト、プロジェクター、投光照明等の光源に、LEDを用いた発光装置の使用も検討されている。しかしながら、LEDの高輝度化に伴って発熱量が増加し、その温度が過度に上昇するために、必ずしも十分な発光輝度を得られない。このためLED等の発光素子を搭載するための発光素子搭載用基板として、発光素子から発生する熱を速やかに放散し、十分な発光輝度を得られるものが求められている。以下、「発光素子搭載用基板」は、「LED用基板」ともいう。
従来、LED用基板として、例えばアルミナ基板が用いられている。また、アルミナ基板の熱伝導率が約15〜20W/m・Kと必ずしも高くないことから、より高い熱伝導率を有する窒化アルミニウム基板の使用も検討されている。
上述した発光装置のうち、例えば自動車のヘッドライトでは、光源を正面から見たときに非常に眩しく感じ(グレア)、目に不快感を催すことがある。このため、例えば、ロービーム用のヘッドライトでは、光源の正面に向けて出射される光の光量はある程度確保しつつ、光源の正面以外の方向に向けて出射される反射光を抑制し、光線方向のばらつきが少なく、指向性の高い光を得ることが求められている。このような特性は、自動車のヘッドライトの他、例えばプロジェクターにも求められている。
しかしながら、窒化アルミニウム基板は、可視光に対し、概ね60%程度の反射率を有することから、発光素子から基板側に出射された光の一部が、この窒化アルミニウム基板表面で反射されることで、図12で示すように、発光素子の正面以外の方向に向けて放射される光Lの光量が増し、正面方向への指向性の高い所望の配光特性を有する光を得られないという問題がある。
LED用基板としては、近年、低温同時焼成セラミック基板(以下、LTCC基板という)の使用が検討されている。LTCC基板は、窒化アルミニウム基板と比較して、原料が低コストであり、また、基板内部に貫通導体を形成することで、窒化アルミニウムと同等の熱放散性を得られることから、より高い輝度で発光させることが可能となる。
しかしながら、LTCC基板は、ガラスとセラミックフィラーとからなり、基板側に向けて出射された光が、ガラスとセラミックフィラーとの屈折率差により種々の方向に反射されることから、光線方向のばらつきが大きく、得られる光が全体的に散乱した状態となり指向性の高い光を得られないという問題がある。
上方側のグレア光を抑制するようにした光半導体装置として、LEDを搭載する窒化アルミニウムからなるサブマウント基板の周囲を取り囲むように、リング状の側壁を設けるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1の光半導体装置では、サブマウント基板2表面で反射した光の一部が側壁10を超えて斜め方向に放射されるため、正面方向への光の指向性が十分に高められなかった。
一方、基板側への散乱光の入射を抑制するものとして、LEDの上面から基板の上面側にかけて形成された透明樹脂の上面に、油性インクからなる光吸収層を設けるようにした発光素子アレイ装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、発光素子から出射された光の輝度を高めつつ、戻り光などの迷光成分を抑制するものとして、光透過部材側面および発光素子を包囲するように、光反射性の第一の被覆部材、および光吸収性の第二の被覆部材を設けるようにした発光装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、特許文献2、3でも、基板表面への入射光を完全に遮断するのは困難であり、当該基板表面での反射光により光線方向のばらつきが残存し、得られる光の指向性を十分に高められなかった。
また、外部に出射される散乱光を低減するものとして、発光素子の周辺を除くリードフレームの表面を、反射防止材で包含するようにした発光装置が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、特許文献4に記載の発光装置では、反射防止材16を黒色樹脂で形成しているため、上記のような、高輝度での発光が求められる光源に適用した場合に、十分な耐久性を得られず、実用化が困難であった。
特開2011−77263号公報 特開平7−251525号公報 特開2010−157638号公報 実用新案登録2556821号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、熱放散性に優れるとともに、基板表面での反射光が少なく、得られる光の指向性を高めることが可能な発光素子搭載用基板の提供を目的とする。また、本発明は、上記発光素子搭載用基板を用いた発光装置を得ることを目的とする。
本発明の発光素子搭載用基板は、ガラス粉末とセラミックスフィラーとを含むガラスセラミックス組成物の焼結体からなり、発光素子の搭載部を有する基板本体と、前記基板本体の発光素子の搭載部を囲む領域に形成され、前記発光素子から発せられる光を吸収する光吸収層と、を有し、前記光吸収層が、光吸収材料を含有するガラス粉末焼結体からなることを特徴とする。
また、本発明の発光装置は、上記した本発明の発光素子搭載用基板と、前記発光素子搭載用基板の搭載部に搭載される発光素子と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、基板表面での反射光を低減でき、正面方向への指向性が高く、かつ高輝度の光を得ることが可能な発光素子搭載用基板とすることができる。また、本発明によれば、このような発光素子搭載用基板に発光素子を搭載することで、正面方向への指向性が高く、かつ高輝度の光を得られる発光装置とすることができる。
本発明のLED用基板の一実施形態を上から見た平面図である。 図1に示すLED用基板のX−X線断面図である。 図1に示すLED用基板のA−A線断面図である。 図1に示すLED用基板のY−Y線断面図である。 図1に示すLED用基板を下から見た平面図である。 本発明の発光装置の一実施形態の断面図である。 LED用基板の製造方法の一例を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る発光装置の配光曲線を示す図である。 実施例において比較のために用いた従来構成のLED用基板を有する発光装置の配光曲線を示す図である。 実施例において比較のために用いた従来構成のLED用基板を有する発光装置の配光曲線を示す図である。 発光装置から得られる光の配光特性を測定する方法を模式的に示す図である。 従来構成のLED用基板を有する発光装置の断面を示す図である。
図1は、本発明の発光素子搭載用基板であるLED用基板の一実施形態を上から見た平面図であり、図2は、図1に示すLED用基板のX−X線断面図であり、図3は、図1に示すLED用基板のA−A線断面図であり、図4は、図1に示すLED用基板のY−Y線断面図であり、図5は、図1に示すLED用基板を下から見た平面図である。
LED用基板1は、平面形状が矩形状で略平板状の基板本体2を有している。なお、本明細書において、「略平板状」とは、目視レベルで平板状との意味である。以下、「略」は目視レベルを示す。
また、本明細書において、素子基板が有する「配線導体」とは、搭載される発光素子の有する電極からこれを介して回路基板の配線回路へと電気的に接続されるように設けられた電気配線に係る全ての導体、例えば、発光素子の電極と接続される素子接続端子、基板内部に設けられる内層配線(基板を貫通する貫通導体を含む)、および回路基板の配線回路に接続される外部接続端子等を総称する用語として用いる。
基板本体2は、ガラス粉末とセラミックスフィラーとを含むガラスセラミックス組成物の焼結体からなり、基板本体2の一方の面の周縁部に枠体3を有している。
基板本体2の形状、厚さ、大きさ等は特に制限されず、搭載される発光素子の個数や配置の方法等、発光装置の設計に合わせて変更できる。また、基板本体2を構成するガラス粉末とセラミックスフィラーとを含むガラスセラミックス組成物の焼結体の原料組成、焼結条件等については、後述するLED用基板1の製造方法において説明する。基板本体2は、発光素子の搭載時やその後の使用時における損傷等を抑制する観点から、抗折強度が例えば250MPa以上が好ましい。
基板本体2は、枠体3により平面形状が略矩形のキャビティが形成されており、キャビティの底面は、発光素子の搭載される搭載面21となっている。この搭載面21の略中央部には、実際に発光素子の搭載される搭載部22が横方向に3つ連設されている。また、搭載面21の他方の面は、発光素子の搭載されない非搭載面23とされている。なお、枠体3を構成する材料は、特に限定されないが、基板本体2を構成する材料と同じものが好ましい。
搭載面21には、搭載される発光素子が有する一対の電極とそれぞれ電気的に接続される一対の素子接続端子4が、各搭載部22を挟んで両側に対向するように配置されており、非搭載面23には、発光装置としたときに、外部回路と電気的に接続される一対の外部電極5が、基板本体2の長手方向に対向するように設けられている。これら外部電極5は、それぞれ基板本体2の内部等に形成された接続ビア6、内層配線層13を介して、基板本体2の搭載面21に形成された素子接続端子4と電気的に接続されている。
内層配線層13は、搭載面21の長手方向に連設された各3個の素子接続端子4の下方に例えば矩形状に、基板本体2の内部に埋設されている。
図3,4を用いて説明する。接続ビア6は、搭載面21から、内層配線層13の上面にかけて形成された上部接続ビア6aと、内層配線層13の下面から非搭載面23にかけて形成された下部接続ビア6bとで構成されており、上部接続ビア6aが、内層配線層13と電気的に接続されるとともに、この内層配線層13が、下部接続ビア6bと電気的に接続されるように形成されている。
なお、素子接続端子4、外部電極5および接続ビア6の配設位置や形状は、素子接続端子4→接続ビア6→外部電極5の一方と電気的に接続される限りは図1に示されるものに限定されず、適宜調整できる。
また、配線導体である素子接続端子4、外部電極5、接続ビア6および内層配線層13の構成材料は、通常、素子基板に用いられる配線導体と同様の構成材料であれば、特に制限なく使用できる。これら配線導体の構成材料は、具体的には、銅、銀、金等の少なくとも一つを主成分とする金属材料である。このような金属材料のなかでも、銀、銀と白金、または銀とパラジウムからなる金属材料が好ましい。
また、外部電極5においては、前記金属材料からなる金属導体層の上に、この層を酸化や硫化から保護しかつ導電性を有する導電性保護層(図示せず)を形成できる。導電性保護層としては、前記金属導体層を保護する機能を有する導電性材料であれば、材料は特に限定されないが、ニッケルメッキ層、ニッケル/金メッキ層、銀メッキ層、ニッケル/銀メッキ層、クロムメッキ層等が好ましく、特に好ましいのはニッケル/金メッキ層である。
さらに、後述するボンディングワイヤとの良好な接合が得られる点から、素子接続端子4上には、金メッキ層、あるいはニッケルメッキの上に金メッキを施したニッケル/金メッキ層等の導電性保護層(図示せず)の形成が好ましい。
基板本体2の内部には、基板本体2の熱抵抗を低減するためのサーマルビア7が埋設されている(図2参照)。サーマルビア7は、例えば搭載部22の面積と略同一の断面積を有する柱状のものであり、搭載部22の直下の位置に、非搭載面23に達しないように、搭載面21から非搭載面23の近傍にかけて複数設けられている。
本発明のLED用基板1において、サーマルビア7の配設される位置や形状、大きさ、個数等は、図2に示されるものに限定されず、適宜調整できる。
基板本体2の搭載部22を囲む領域には、素子接続端子4の形成位置を除いて、光吸収層8が設けられている。
光吸収層8は、光吸収材料を含有するガラス粉末焼結体で構成されており、搭載部22および素子接続端子4の形成領域を除く搭載面21の略全域を被覆するように形成されている。
光吸収層8は、ガラス粉末焼結体を主体とし、光吸収材料を含有するものであれば、特に限定されないが、可視光域の光に対して良好な光吸収特性を得る観点から、黒色体が好ましい。
このような光吸収層8を、基板本体2の搭載部22を囲む領域に設けることで、図6で示すように、発光素子9から基板本体2側に向けて出射され光吸収層8に入射した光L1が、光吸収材料を含む当該光吸収層8により吸収されるため、基板本体2の主面、すなわち搭載面21に到達する光を大幅に低減できる。これにより、基板本体2において、搭載部22を囲む領域での反射光を大幅に低減でき、発光素子の直上以外の方向、すなわち正面以外の方向に向けて出射される光の量が少なく、光源の正面方向に向けて出射される光L2の割合が高められた、指向性の高い光を得ることができる。
光吸収層8は、基板本体2の搭載部22を囲む領域に形成されていればよいが、図1に示すように、搭載部22を囲むように、搭載部22および素子接続端子4の形成領域を除く搭載面21の全域に光吸収層8を形成することで、図6で示すように、発光素子から基板本体2側に出射された光L1の大半を、光吸収層8で吸収できる。このため、基板本体2の主面(搭載面21)上での反射光を、その全域にわたって低減でき、光線方向のばらつきが少なく、指向性の高い光を得ることができる。
光吸収層8は、例えば、下記の組成を有するガラス粉末と、光吸収材料とを含有する光吸収層用組成物を焼成して得ることができる。
光吸収層8の反射率は可視光域で5%以下であることが好ましい。光吸収層8の反射率が5%を超えると、発光素子の直上以外の方向に出射される反射光を抑制する効果が小さく、得られる光の指向性を十分に高められないおそれがある。光吸収層8の反射率は、より好ましくは3%以下である。
光吸収層8用のガラス粉末としては、例えば、酸化物基準のモル%表示で、SiOを58〜84%、Bを10〜25%、Alを0〜6%、NaOおよびKOから選ばれる少なくとも1種を合計で1〜5%含有し、SiOとAlの含有量の合計が65〜84%、MgOを0〜10%、CaO、SrOのうちの少なくとも1種を合計で0〜15%含有するホウケイ酸ガラスを用いることが好ましい。
前記ホウケイ酸ガラスのガラス転移点(Tg)は、550〜630℃が好ましい。ガラス転移点(Tg)が550℃未満のガラスを使用した場合には、脱脂が困難となったり、ガラスが流動しすぎて光吸収層8としての所定の面積を保つことができず、素子接続端子4または搭載部22上にガラスが流動・付着し、素子接続端子4の電気接続性を低下させたり、搭載部22のハンダ付け性を低下させるおそれがある。
また、ガラス転移点(Tg)が630℃を超えるガラスを使用した場合には、収縮開始温度が高くなり、光吸収層8の寸法精度が低下するおそれがある。
また、ホウケイ酸ガラスの軟化点(Ts)は900℃以下が好ましい。ガラス軟化点(Ts)が900℃を超える場合には、このガラス粉末を焼成して緻密な焼結体を得るためには900℃を超える焼成温度が必要となるので、例えば銀ペーストを用いて形成された配線導体が変形するおそれがある。光吸収層8を形成するためのガラス粉末として、軟化点(Ts)が900℃以下のものを用いることで、銀を主体とする配線導体の変形がなく、これらを同時に焼成できる。
次に、光吸収層用組成物のホウケイ酸ガラスの各成分について説明する。なお、以下では特に断らない限り、組成は酸化物基準のモル%表示であり、単に%と表記する。
SiOはガラスのネットワークフォーマであり、化学的耐久性、とくに耐酸性を高くする成分であり必須成分である。58%未満では耐酸性が不十分となるおそれがある。84%超ではガラス軟化点(Ts)が高くなる、またはガラス転移点(Tg)が高くなりすぎるおそれがある。
はガラスのネットワークフォーマであり、必須成分である。10%未満ではガラス溶融温度が高くなり、またガラスが不安定になるおそれがある。好ましくは12%以上である。25%超では、安定なガラスを得にくくなるばかりでなく、化学的耐久性が低下するおそれがある。
Alは必須成分ではないが、ガラスの安定性または化学的耐久性を高めるために6%以下の範囲で含有してもよい。6%超ではガラスの透明性が低下するおそれがある。
SiOとAlの含有量の合計は65〜84%である。65%未満であると化学的耐久性が不十分になるおそれがある。84%超であるとガラス溶融温度が高くなる、またはガラス転移点(Tg)が高くなりすぎる。
NaOおよびKOはガラス転移点(Tg)を低下させる成分であり、少なくとも一方は必須成分である。合計で5%まで含有できる。5%超では化学的耐久性、特に耐酸性が悪化するおそれがある。また、焼結体の電気絶縁性が低下するおそれがある。NaO、KOのいずれか一つ以上を含有し、NaO、KOの含有量の合計は1%以上が好ましい。
MgOは必須成分ではないが、ガラス転移点(Tg)を低下させる、またはガラスを安定化させるために、10%まで含有してもよい。好ましくは8%以下である。
CaO、SrOはいずれも必須成分ではないが、ガラス軟化点(Ts)を低下させる、またはガラスを安定化させるために、合計で15%まで含有してもよい。15%超であると耐酸性が低下するおそれがある。
光吸収層8の主成分であるガラスは、本質的に前記成分からなることが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を含有してもよい。その他の成分を含有する場合、それらの成分の含有量の合計は10%以下が好ましい。ただし、鉛酸化物は含有しない。
光吸収層8に用いるガラス粉末は、上記したようなガラス組成を有するガラスを溶融法によって製造し、乾式粉砕法や湿式粉砕法によって粉砕により得ることができる。湿式粉砕法の場合、溶媒として水を用いることが好ましい。粉砕は、例えばロールミル、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機が使用できる。
光吸収層8に用いるガラス粉末の50%粒径(D50)は0.5μm以上4μm以下が好ましい。ガラス粉末の50%粒径が0.5μm未満の場合、ガラス粉末が凝集しやすく、取り扱いが困難となると共に、粉末化に要する時間が長くなりすぎるおそれもある。一方、ガラス粉末の50%粒径が4μmを超える場合、ガラス軟化温度の上昇や焼結不足が発生するおそれがある。粒径の調整は、例えば粉砕後に必要に応じて分級により行うことができる。なお、本明細書において、50%粒径(D50)は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定したものをいう。
また、ガラス粉末の最大粒径は20μm以下が好ましい。最大粒径が20μmを超えると、ガラス粉末の焼結性が低下し、焼結体中に未溶解成分が残留して、光吸収層8の光吸収特性にムラが生じるおそれがある。ガラス粉末の最大粒径は、より好ましくは10μm以下である。
光吸収材料としては、ガラス粉末焼結体を黒色に着色可能な黒色顔料が使用できる。黒色顔料としては、例えば、Cr、Co、Ni、Fe、Mn、Cuから選ばれる金属の少なくとも一種を含む金属酸化物顔料もしくは複合金属酸化物顔料、カーボンブラック、グラファイト等のカーボン顔料、各種の有機顔料を混合して黒色とした混合有機顔料、TiOもしくはTiOで表されるチタン系黒色顔料等が挙げられる。複合金属酸化物顔料としては、具体的には、例えば、Co−Fe−Cr系黒色顔料、Cu−Cr−Mn系黒色顔料、Mn−Bi系黒色顔料、Mn−Y系黒色顔料、Fe−Cr系黒色顔料、Cr−Cu系顔料、Mn−Fe系顔料が使用でき、これらを単独または2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中でも、Cu−Cr−Mn系黒色顔料、Cr−Cu系顔料、Mn−Fe系顔料は、黒色度が高く、光吸収層8において、可視光域の光に対し優れた光吸収特性を得られるため好ましい。ここで、黒色度とは「黒み」のことであり、黒の度合いを示す。
光吸収材料の50%粒径(D50)は2μm以上10μm以下が好ましい。
光吸収材料の50%粒径(D50)が2μm未満であると、光吸収材料が膜内で均一に分散し難いため、光吸収層8への入射光に対して十分な光吸収特性を得られず、基板本体2表面に達する入射光の割合が高まり、基板本体2表面での反射光を十分に低減できないおそれがある。また、ペースト体としたときに、チクソトロピー性が上昇し易く、取り扱い性が低下するおそれがある。加えて、スクリーン印刷における塗布性を阻害する。一方、光吸収材料の50%粒径(D50)が10μmを超えると、ペースト体を薄膜化したときに、光吸収材料を光吸収層8に緻密に含有させるのが困難となり、光吸収層8において、均一な光吸収特性を得難くなる。光吸収材料の50%粒径(D50)を2μm以上4μm以下とすることで、光吸収層8において、入射光に対し優れた光吸収特性が得られ、基板本体2表面での反射光を十分に低減できる。
このような光吸収層用ガラス粉末と光吸収材料とを、例えば光吸収層8に対する光吸収材料の含有量が、1質量%以上15質量%以下となるように配合、混合して、光吸収層用組成物を得ることができる。
光吸収材料の含有量が1質量%未満であると、光吸収層8において、発光素子からの入射光に対する光吸収特性を十分に得られず、基板本体2の表面に達する光の量が高まり、基板本体2表面での反射光を十分に低減できないおそれがある。一方、光吸収材料の含有量が15質量%を超えると、光吸収層8の強度が低下し、外圧による破損等が生じ易くなり、また焼き付け性が低下するおそれがある。光吸収層8に対する光吸収材料の含有量を、3質量%以上10質量%以下とすることで、光吸収層8の強度を維持しつつ、基板本体2表面での反射光を十分に低減でき、光線方向のばらつきが少なく、指向性の高い光を得ることができる。光吸収材料の含有量は、好ましくは4質量%以上である。
光吸収層8は、上述した光吸収層用組成物に、例えばバインダーを加えてペースト化し、これを基板本体2にスクリーン印刷して焼成により形成できる。
光吸収層8の厚さは、特に限定されないが、10〜50μmが好ましい。
光吸収層8の厚さが10μm未満の場合、光吸収層8の上面から基板本体2表面までの距離が短すぎて、光吸収層8に含まれる光吸収材料の量が、その厚さ方向において少なく、光吸収層8に入射した光を、効率的に吸収できないおそれがある。一方、光吸収層8の厚さが50μmを超えると、光吸収層8自体の体積が過度に大きくなり、焼成収縮のバランスが崩れて基板の反りが増大したり、焼成時の軟化流動によって搭載部22に光吸収層8の構成材料が侵入したりするおそれがある。光吸収層8の厚さは、より好ましくは15μm以上30μm以下である。
光吸収層8の可視光に対する反射率は、5%以下が好ましい。
以上、本発明の発光素子搭載用基板であるLED用基板の実施形態について一例を挙げて説明したが、本発明の発光素子搭載用基板はこれに限定されるものではない。本発明の趣旨に反しない限度において、また必要に応じて、その構成を適宜変更できる。
本発明のLED用基板1を用いて、その搭載部22に発光素子9を搭載することで、例えば、図6に示す発光装置を作製できる。
図6に示す発光装置10は、LED用基板1の搭載部22にLED等の発光素子9が搭載されたものである。発光素子9は、搭載部22に接着剤を用いて固定され、その図示しない電極がボンディングワイヤ11によって素子接続端子4に電気的に接続されている。そして、発光素子9やボンディングワイヤ11を覆うようにモールド材による封止層12が設けられて発光装置10が構成されている。
本発明のLED用基板1を用いた発光装置10によれば、基板本体2の搭載部22を囲む領域に、光吸収層8を設けているため、発光素子9から出射された光のうち、基板本体2側に向けて出射された光L1を光吸収層8で吸収することで、基板本体2の主面上での光反射を抑制できる。このため、発光素子9の正面方向以外の余分な方向に放射される光を低減でき、光線方向のばらつきが少なく、絞りの効いた、指向性の高い光を得ることができる。このような発光装置10は、例えば自動車のロービーム用ヘッドライト、プロジェクターその他の光源として好適に使用できる。
以上、本発明のLED用基板1およびこれを用いた発光装置10の実施形態を、図1〜6に示される一例を挙げて説明したが、本発明のLED用基板および発光装置はこれらに限定されるものではない。本発明の趣旨に反しない限度において、また必要に応じて、その構成を適宜変更できる。
本発明のLED用基板1は、例えば以下のようにして製造できる。なお、以下の説明では、その製造に用いる部材について、完成品の部材と同一の符号を付して説明する。
LED用基板1は、基板本体2を形成するための平板状の複数枚(例えば上層用グリーンシート2aと下層用グリーンシート2bの2枚)の本体用グリーンシート2を作製し、また、枠体3を形成するための平板状の枠体用グリーンシート3を作製した後、これらを重ね合わせて未焼成LED用基板1とし、脱脂、焼成を行うことにより得ることができる。
未焼成LED用基板1は、具体的には、例えば図7に示すように、上層用グリーンシート2aにその両主面を貫通するように未焼成接続ビア6(図7において図示せず)、未焼成サーマルビア7を形成すると共に、搭載面21に未焼成素子接続端子4(図7において図示せず)を形成し、また、下層用グリーンシート2bにその両主面を貫通するように未焼成接続ビア6(図7において図示せず)を形成すると共に、非搭載面23に未焼成外部電極5を形成した後、下層用グリーンシート2b上に上層用グリーンシート2aを積層し、さらに上層用グリーンシート2aの上面に枠体用グリーンシート3(図7において図示せず)を積層して得ることができる。
(1)グリーンシートの作製
本体用グリーンシート2は、ガラス粉末(基板本体用ガラス粉末)とセラミックスフィラーとを含むガラスセラミックス組成物にバインダー、必要に応じて可塑剤、溶剤等を添加してスラリーを調製し、これをドクターブレード法等によりシート状に成形し、乾燥させることで製造できる。枠体用グリーンシート3は、前記本体用グリーンシート2と同じサイズの複数枚のグリーンシートから、それぞれキャビティとなる部分を矩形にくり抜くことで作製される。
本体用グリーンシートを作製するための本体用ガラス粉末としては、ガラス転移点(Tg)が550℃以上700℃以下が好ましい。ガラス転移点(Tg)が550℃未満の場合には脱脂が困難となるおそれがあり、700℃を超える場合には、収縮開始温度が高くなり、寸法精度が低下するおそれがある。
また、この本体用ガラス粉末は、800℃以上930℃以下で焼成したときに結晶が析出するものが好ましい。結晶が析出しないものの場合、十分な機械的強度を得られないおそれがある。さらに、DTA(示差熱分析)により測定される結晶化ピーク温度(Tc)が880℃以下が好ましい。Tcが880℃を超える場合、寸法精度が低下するおそれがある。
このような本体用ガラス粉末としては、酸化物基準のモル%表示で、SiOを57〜65%、Bを13〜18%、CaOを9〜23%、Alを3〜8%、KOおよびNaOから選ばれる少なくとも一方を合計で0.5〜6%含有するものが好ましい。このような組成を用いることで、基板本体2の表面平坦度の向上が容易となる。
ここで、SiOは、ガラスのネットワークフォーマとなる。SiOの含有量が57%未満の場合、安定なガラスを得ることが難しく、また化学的耐久性も低下するおそれがある。一方、SiOの含有量が65%を超える場合には、ガラス溶融温度やガラス転移点(Tg)が過度に高くなるおそれがある。SiOの含有量は、好ましくは58%以上、より好ましくは59%以上、特に好ましくは60%以上である。また、SiOの含有量は、好ましくは64%以下、より好ましくは63%以下である。
は、ガラスのネットワークフォーマとなる。Bの含有量が13%未満の場合、ガラス溶融温度やガラス転移点(Tg)が過度に高くなるおそれがある。一方、Bの含有量が18%を超える場合、安定なガラスを得ることが難しく、また化学的耐久性も低下するおそれがある。Bの含有量は、好ましくは14%以上、より好ましくは15%以上である。また、Bの含有量は、好ましくは17%以下、より好ましくは16%以下である。
Alは、ガラスの安定性、化学的耐久性、および強度を高めるために添加される。Alの含有量が3%未満の場合、ガラスが不安定となるおそれがある。一方、Alの含有量が8%を超える場合、ガラス溶融温度やガラス転移点(Tg)が過度に高くなるおそれがある。Alの含有量は、好ましくは4%以上、より好ましくは5%以上である。また、Alの含有量は、好ましくは7%以下、より好ましくは6%以下である。
CaOは、ガラスの安定性や結晶の析出性を高めるとともに、ガラス溶融温度やガラス転移点(Tg)を低下させるために添加される。CaOの含有量が9%未満の場合、ガラス溶融温度が過度に高くなるおそれがある。一方、CaOの含有量が23%を超える場合、ガラスが不安定になるおそれがある。CaOの含有量は、好ましくは12%以上、より好ましくは13%以上、特に好ましくは14%以上である。また、CaOの含有量は、好ましくは22%以下、より好ましくは21%以下、特に好ましくは20%以下である。
O、NaOは、ガラス転移点(Tg)を低下させるために添加される。KOおよびNaOの合計した含有量が0.5%未満の場合、ガラス溶融温度やガラス転移点(Tg)が過度に高くなるおそれがある。一方、KOおよびNaOの合計した含有量が6%を超える場合、化学的耐久性、特に耐酸性が低下するおそれがあり、電気的絶縁性も低下するおそれがある。KOおよびNaOの合計した含有量は、0.8%以上5%以下が好ましい。
なお、本体用ガラス粉末は、必ずしも前記成分のみからなるものに限定されず、ガラス転移点(Tg)等の諸特性を満たす範囲で他の成分を含有できる。他の成分を含有する場合、その合計した含有量は10%以下が好ましい。
本体用ガラス粉末は、前記したような組成を有するガラスを溶融法によって製造し、乾式粉砕法や湿式粉砕法によって粉砕して得られる。湿式粉砕法の場合、溶媒として水またはエチルアルコールを用いることが好ましい。粉砕機としては、例えばロールミル、ボールミル、ジェットミル等が挙げられる。
本体用ガラス粉末の50%粒径(D50)は0.5μm以上2μm以下が好ましい。ガラス粉末のD50が0.5μm未満の場合、ガラス粉末が凝集しやすく取り扱いが困難になるばかりでなく、均一分散が困難になる。一方、ガラス粉末のD50が2μmを超える場合には、ガラス軟化温度(Ts)の上昇や焼結不足が発生するおそれがある。粒径は、例えば粉砕後に必要に応じて分級して調整してもよい。
本体用グリーンシートを作製するための本体用セラミックス粉末としては、従来からLTCC基板の製造に用いられるものが使用でき、例えばアルミナ粉末、ジルコニア粉末等を好適に使用できる。また、アルミナ粉末と、アルミナよりも高い屈折率を有するセラミックスの粉末の混合物も使用できる。
アルミナよりも高い屈折率を有するセラミックスの粉末は、例えばチタニア粉末、ジルコニア粉末、安定化ジルコニア粉末等が挙げられる。アルミナの屈折率が1.8程度であるのに対して、チタニアの屈折率は2.7程度、ジルコニアの屈折率は2.2程度であり、アルミナに比べて高い屈折率を有している。これらのセラミックスの粉末のD50は、0.5μm以上4μm以下が好ましい。
前記本体用ガラス粉末と本体用セラミックス粉末とを、例えば本体用ガラス粉末が30質量%以上50質量%以下、本体用セラミックス粉末が50質量%以上70質量%以下に配合し、混合して、本体用ガラスセラミックス組成物が得られる。また、この本体用ガラスセラミックス組成物に、バインダー、必要に応じて可塑剤、分散剤、溶剤等を添加してスラリーが得られる。
バインダー樹脂としては、例えばポリビニルブチラール、アクリル樹脂等を好適に使用できる。可塑剤としては、例えばフタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル等を使用できる。溶剤としては、トルエン、キシレン、2−プロパノール、2−ブタノール等の有機溶剤を好適に使用できる。
このスラリーをドクターブレード法等によりシート状に成形し、乾燥させることで、上層用グリーンシート2a、下層用グリーンシート2bおよび枠体用グリーンシート3を製造できる。
(2)配線導体ペースト層および放熱用金属ペースト層の形成
上層用グリーンシート2a、下層用グリーンシート2bの所定の位置に、接続ビア形成用の貫通孔を、所定の断面形状および大きさで通常の方法により形成する。また、上層用グリーンシート2aの搭載部21に対応する位置には、サーマルビア形成用の貫通孔を、所定の断面形状および大きさで通常の方法により形成する。
次いで、上層用グリーンシート2aおよび下層用グリーンシート2bの接続ビア形成用の貫通孔に、それぞれ接続ビア用導体ペースト層6を形成するとともに、上層用グリーンシート2aの搭載面21となる一方の面に、三対の素子接続端子用導体ペースト層4を、それぞれ接続ビア用導体ペースト層6と接続するように所定の大きさおよび形状で形成する。さらに、上層用グリーンシート2aの、素子接続端子用導体ペースト層4形成面と対向する主面の所定の位置に、内層配線層用導体ペースト層13(図7において図示せず)を形成する。
また、下層用グリーンシート2bの非搭載面23となる一方の面に、一対の外部電極用導体ペースト層5を、各接続ビア用導体ペースト層6がこの外部電極用導体ペースト層5と接続するように、所定の大きさおよび形状で形成する。
なお、素子接続端子用導体ペースト層4、接続ビア用導体ペースト層6、外部電極用導体ペースト層5および内層配線層用導体ペースト層13を併せて、配線導体ペースト層という。
これらの配線導体ペースト層を構成する配線導体ペーストとしては、例えば銅、銀、金等の少なくとも一つを主成分とする導電性金属粉末に、エチルセルロース等のビヒクル、必要に応じて溶剤等を添加してペースト状としたものを用いる。なお、前記導電性金属粉末としては、銀からなる金属粉末、銀と白金またはパラジウムからなる金属粉末が好ましい。
配線導体ペースト層を形成するには、例えば、前記導体ペーストをスクリーン印刷により塗布、充填する。形成される配線導体ペースト層の厚さは、最終的に得られる素子接続端子4および外部電極5の膜厚が所定の膜厚となるように調整される。
また、上層用グリーンシート2aのサーマルビア形成用の貫通孔に、サーマルビア用ペースト層7を形成する。
サーマルビア用ペースト層7を形成するために放熱用金属ペーストは、放熱性材料として金属粉末を使用し、前記配線導体ペーストと同様に調製できる。放熱性材料である金属粉末としては、銀、銀パラジウム混合物、銀白金混合物等が挙げられる。
このように、放熱性の金属粉末として、配線導体ペーストに好ましい銀、銀パラジウム混合物、銀白金混合物等を用いる場合には、1種類のペーストで、素子接続端子用導体ペースト層4、外部電極用導体ペースト層5、接続ビア用導体ペースト層6、サーマルビア用ペースト層7の全てを形成できる。サーマルビア用ペースト層7を形成するには、例えば、スクリーン印刷により放熱用金属ペーストを塗布、充填する。
(3)光吸収層の形成
配線導体ペースト層を形成した上層用グリーンシート2aにおいて、搭載面21となる一方の主面の搭載部22、および前記(2)の工程で形成された三対の素子接続端子用導体ペースト層4を除く領域に、枠体用グリーンシート3を積層する位置と重ならないように、光吸収層用ガラスペースト層8を形成する。
光吸収層用ガラスペーストは、前記した光吸収層8用のガラス粉末と、光吸収材料とを混合してなる光吸収層用組成物に、エチルセルロース等のビヒクル、必要に応じて溶剤等を添加してペースト状としたものを用いる。
光吸収層用ガラスペースト層8を形成するには、例えば、スクリーン印刷により塗布する。
(4)グリーンシートの積層
前記(2)工程で得られた、配線導体ペースト層付きの下層用グリーンシート2bの上に、前記(2)および(3)の工程で得られた、配線導体ペースト層とサーマルビア用ペースト層および光吸収層用ガラスペースト層付きの上層用グリーンシート2aを積層し、さらに上層用グリーンシート2aの搭載面21上に前記(1)の工程で得られた枠体用グリーンシート3を積層する。これにより、搭載面21上にキャビティを有し、かつキャビティの底面が搭載部22を有する形状のグリーンシート積層体が、未焼成LED用基板1として得られる。
(5)焼成
前記(4)の工程で得られた未焼成LED用基板1について、必要に応じてバインダー等を除去するための脱脂を行った後、ガラスセラミックス組成物等を焼結させるための焼成を行う。
脱脂は、例えば500℃以上600℃以下の温度で1時間以上10時間以下保持する条件で行う。脱脂温度が500℃未満もしくは脱脂時間が1時間未満の場合、バインダー等を十分に除去できないおそれがある。一方、脱脂温度は600℃程度、脱脂時間は10時間程度とすれば、十分にバインダー等を除去でき、これを超えるとかえって生産性等が低下するおそれがある。
また、焼成は、基板本体2および枠体3の緻密な構造の獲得と生産性を考慮して、800℃〜930℃の温度範囲で適宜時間を調整することで行える。具体的には、850℃以上900℃以下の温度で20分以上60分以下保持することが好ましく、特に860℃以上880℃以下の温度で行うことが好ましい。焼成温度が800℃未満では、基板本体が緻密な構造として得られないおそれがある。一方、焼成温度は930℃を超えると基板本体2が変形するなど生産性等が低下するおそれがある。また、前記配線導体ペーストや放熱用金属ペーストとして、銀を主成分とする金属粉末を含有する金属ペーストを用いた場合、焼成温度が880℃を超えると、過度に軟化するために所定の形状を維持できなくなるおそれがある。
このようにして、未焼成LED用基板1が焼成されてLED用基板1が得られる。焼成後、素子接続端子4、外部電極5の表面を被覆するように、素子接続端子4には金メッキ層、外部電極5にはニッケルメッキ層のような、通常の素子基板において導体保護用に用いられる導電性保護層を形成できる。
以上、LED用基板1の製造方法について説明したが、上層用グリーンシート2a、下層用グリーンシート2bおよび枠体用グリーンシート3は必ずしも単一のグリーンシートからなる必要はなく、複数枚のグリーンシートを積層したものであってもよい。また、各部の形成順序等についても、LED用基板1の製造が可能な限度において適宜変更できる。
以下に、本発明の実施例を説明する。なお本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
以下に示す方法で、図1に示すLED用基板1を製造した。まず、LED用基板1の基板本体2を作製するための本体用グリーンシート(上層用グリーンシートおよび下層用グリーンシート)を作製した。本体用グリーンシートの作製においては、酸化物基準のモル%表示で、SiOが60.4%、Bが15.6%、Alが6%、CaOが15%、KOが1%、NaOが2%の原料を配合、混合し、この原料混合物を白金ルツボに入れて1600℃で60分間溶融させた後、溶融状態のガラスを流し出し冷却した。このガラスをアルミナ製ボールミルにより40時間粉砕して本体用ガラス粉末を製造した。なお、粉砕時の溶媒にはエチルアルコールを用いた。
次いで、このガラス粉末が38質量%、アルミナ粉末(昭和電工社製、商品名:AL−45H)が38質量%、ジルコニアフィラー(第一稀元素化学工業社製、商品名:HSY−3F−J)が24質量%にて配合し、混合して、本体用のガラスセラミックス組成物を製造した。このガラスセラミックス組成物50gに、有機溶剤(トルエン、キシレン、2−プロパノール、2−ブタノールを質量比4:2:2:1で混合したもの)15g、可塑剤(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル)2.5g、バインダーとしてのポリビニルブチラール(デンカ社製、商品名:PVK#3000K)5g、さらに分散剤(ビックケミー社製、商品名:BYK180)を配合し、混合してスラリーを調製した。
このスラリーをPETフィルム上にドクターブレード法により塗布し、乾燥させたグリーンシートを焼成後の厚さが0.5mmになるように積層し、本体用グリーンシート(上層用グリーンシートおよび下層用グリーンシート)を製造した。また、これらの本体用グリーンシートと同様にして製造されたグリーンシートを、所定の形状に加工して枠体用グリーンシートを作製した。
一方、導電性金属粉末(大研化学工業社製、商品名:S550)、ビヒクルとしてのエチルセルロースを質量比85:15の割合で配合し、固形分は85質量%で溶剤のαテレピネオールに分散後、磁器乳鉢中で1時間混練し、さらに三本ロールにて3回分散して導体ペーストを製造した。
上層用グリーンシートの上面に、前記導体ペーストをスクリーン印刷して、素子接続端子用導体ペースト層を形成するとともに、接続ビア並びにサーマルビアに相当する部分に孔空け機を用いて直径0.15mmおよび直径1mmの貫通孔を形成し、スクリーン印刷法により前記導体ペーストを充填して、接続ビア用導体ペースト層およびサーマルビア用導体ペースト層を形成した。
さらに、下層用グリーンシートの上面に、前記導体ペーストをスクリーン印刷して、内層配線層用導体ペースト層を形成するとともに、接続ビアに相当する部分に孔空け機を用いて直径0.15mmの貫通孔をそれぞれ形成し、スクリーン印刷法により前記導体ペーストを充填して、接続ビア用導体ペースト層をそれぞれ形成した。また、下層の本体用グリーンシートの下面に、前記導体ペーストをスクリーン印刷して、外部電極用導体ペースト層を形成した。
次に、以下のようにして、光吸収層用ガラスペーストを調製した。
すなわち、まず酸化物基準のモル%表示で、SiOが81.6%、Bが16.6%、KOが1.8%の原料を配合、混合し、この原料混合物を白金ルツボに入れて1600℃で60分間溶融させた後、溶融状態のガラスを流し出し冷却した。このガラスをアルミナ製ボールミルにより20時間粉砕して光吸収層用ガラス粉末を製造した。なお、粉砕時の溶媒にはエチルアルコールを用いた。
得られた光吸収層用ガラス粉末の50%粒径(D50)を、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(島津製作所社製、商品名:SALD2100)を用いて測定したところ、2.5μmであった。
次いで、この光吸収層用ガラス粉末と黒色顔料(旭産業社製、商品名:BLACK3702)とを、光吸収層用ガラス粉末を95質量%、黒色顔料を5質量%の割合にて配合し、混合して、光吸収層用組成物を製造した。
上記の光吸収層用組成物と樹脂成分とを、光吸収層用組成物を80質量%、樹脂成分を20質量%の割合で配合し、磁器乳鉢中で1時間混練を行い、さらに三本ロールにて3回分散を行って、光吸収層用ガラスペーストを調整した。なお、樹脂成分は、エチルセルロースとαテレピネオールとを質量比85:15の割合で調合し分散したものを使用した。
そして、上層用グリーンシート2aの上面の、搭載部22および素子接続端子用導体ペースト層を除く領域に、かつ枠体用グリーンシートの積層位置と重ならないように、前記したように調製された光吸収層用ガラスペーストを、焼成後の厚さが20μmとなるようにスクリーン印刷し、光吸収層用ガラスペースト層を形成した。
次に、こうして作製された導体ペースト層付きの下層用グリーンシートと、光吸収層用ガラスペースト層および導体ペースト層付きの上層用グリーンシートとを重ね合わせ、さらに上層用グリーンシートの上に枠体用グリーンシートを重ねた後、熱圧着により一体化した。こうして、未焼成のLED用基板が得られた。
得られた未焼成のLED用基板を、550℃で5時間保持して脱脂し、さらに870℃で30分間保持して焼成した後、電解メッキにより搭載部22、素子接続端子4、外部電極5のそれぞれの表面に10μmのニッケル皮膜と0.3μmの金皮膜を形成し、LED用基板1を製造した。
次に、前記で作製したLED用基板1の搭載部22に、2ワイヤタイプのLED(エピスター社製、商品名:ES−CEBLV45)を金−スズ共晶ハンダ(三菱マテリアル社製、商品名:Au−20%Snペースト)により接合・固定し、LEDが有する一対の電極を、ボンディングワイヤ11によってそれぞれ素子接続端子4に電気的に接続した。さらに、モールド材としてシリコーン封止材(信越化学工業社製、商品名:SCR−1016A)と波長変換用蛍光体(三菱化学製、商品名P46−Y3)を用いて封止層12を形成し、発光装置を得た。
[比較例1]
基板本体2として窒化アルミニウム基板を用い、この窒化アルミニウム基板の一方の主面に、いわゆるDBC(ダイレクトボンドカッパー)工法を用いて、図1に示すのと同様の位置に、厚さ35μmの銅箔を形成して素子接続端子とするとともに、他方の主面にも、素子接続端子と同様にして、図1に示すのと同様の位置に外部電極を形成して、LED用基板1を製造した。そして、このLED用基板1を用い、実施例1と同様にして発光素子を搭載して発光装置を作成した。
[比較例2]
上層用グリーンシートの上面に、光吸収層用ガラスペースト層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、LED用基板1を製造した。そして、このLED用基板1を用い、実施例1と同様にして発光素子を搭載して発光装置を作成した。
[配光評価]
実施例1および比較例1〜2の発光装置の配光曲線を図8〜10に示す。図8は、実施例1の発光装置の配光曲線を示す図であり、図9は、比較例1の発光装置の配光曲線を示す図であり、図10は、比較例2の発光装置の配光曲線を示す図である。
なお、図8〜10に示す配光曲線は、図11に示すように、光中心Cから正面方向(直上)Tを180°とし、光中心Cを中心とする半径0.1[m]の位置での照度[cd]を、両側90°にわたって測定し、直上T(180°)の光度を100としたときの相対値をグラフにしたものである。ここで、光中心Cは発光装置における発光部分の中心とみなせる点をいい、本実施例では、搭載部22に搭載された3個の発光素子のうち中央に配設された発光素子の中心部をいう。
図8から明らかなように、光吸収層を設けたLED用基板を用いた実施例1の発光装置では、発光素子の直上Tを180°としたとき、90〜140°、220〜270°の範囲では、照度が抑制されている一方、発光素子の直上Tを含む140〜220°の範囲では、高い照度が得られており、光線方向のばらつきが少なく、指向性の高い光が得られることが認められた。
一方、LED用基板として、光吸収層を有しない窒化アルミニウム基板を用いた比較例1の発光装置では、図9で示すように、発光素子の直上Tを180°としたとき、125〜140°、220〜235°の範囲において、照度が高くなっており、また、LED用基板として、光吸収層を有しないガラスセラミック基板(LTCC基板)を用いた比較例2の発光装置では、図10で示すように発光素子の直上Tを180度としたとき、100〜140°、220〜260°の広い範囲において、照度が高くなっており、いずれの発光装置においても、光線方向のばらつきが大きく、得られる光の指向性が低いことが認められた。
本発明のLED用基板を用いた発光装置によれば、基板本体において、発光素子の搭載部を囲む領域に光吸収層を設けていることから、基板本体の主面上での反射光を抑制でき、光線方向のばらつきが少なく、光源の直上、すなわち正面方向への指向性が高く、かつ高輝度の光を得ることができる。このような発光装置は、例えば自動車のロービーム用ヘッドライト、プロジェクター、投光照明その他の光源として好適に使用できる。
1…LED用基板(発光素子搭載用基板)、2…基板本体、2a…上層用グリーンシート、2b…下層用グリーンシート、21…搭載面、22…搭載部、23…非搭載面、3…枠体、4…素子接続端子、5…外部電極、6…接続ビア、6a…上部接続ビア、6b…下部接続ビア、7…サーマルビア、8…光吸収層、9…発光素子、10…発光装置、11…ボンディングワイヤ、12…封止層、13…内層配線層

Claims (7)

  1. ガラス粉末とセラミックスフィラーとを含むガラスセラミックス組成物の焼結体からなり、発光素子の搭載部を有する基板本体と、前記基板本体の発光素子の搭載部を囲む領域に形成され、前記発光素子から発せられる光を吸収する光吸収層と、を有し、前記光吸収層が、光吸収材料を含有するガラス粉末焼結体からなることを特徴とする発光素子搭載用基板。
  2. 前記光吸収層が黒色体である請求項1記載の発光素子搭載用基板。
  3. 前記光吸収材が、Cu−Cr−Mn系酸化物、Cr−Cu系酸化物、Mn−Fe系酸化物からなる群から選ばれる少なくとも一つを含有する請求項1または2記載の発光素子搭載用基板。
  4. 前記発光素子搭載用基板が、前記光吸収層と基板本体とを同時焼成してなる請求項1乃至3のいずれか1項記載の発光素子搭載用基板。
  5. 前記発光素子搭載用基板が、前記基板本体に埋設されたサーマルビアを有する請求項1乃至4のいずれか1項記載の発光素子搭載用基板。
  6. 前記光吸収層の反射率が5%以下である請求項1乃至5のいずれか1項記載の発光素子搭載用基板。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項記載の発光素子搭載用基板と、前記発光素子搭載用基板の搭載部に搭載される発光素子と、を有することを特徴とする発光装置。
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