JP2013505276A - 組換えヒトエリスロポエチン(epo)を精製するためのプロセス、このようにして精製されたepoおよびこれを含む医薬組成物 - Google Patents

組換えヒトエリスロポエチン(epo)を精製するためのプロセス、このようにして精製されたepoおよびこれを含む医薬組成物 Download PDF

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Abstract

エリスロポエチン(EPO)、特に高純度形態の所定の組成のグリコフォームを有する、すなわち、多量のO−グリコシル化EPOアイソフォームを有する、組換えヒトEPO(rhEPO)の製造法を提供する。

Description

本発明は、エリスロポエチン(EPO)、特に、高純度形態のグリコフォームの所定の組成、すなわち多量のO−グリコシル化EPOアイソフォームを有する組換えヒトEPO(rhEPO)を製造するための手順に関する。これは、クロマトグラフィーステップの特定の組み合わせを用いることによって達成される。
エリスロポエチンは、赤血球前駆細胞の増殖および分化ならびに循環する赤血球の生理学的レベルの維持を調節する主なホルモンである。胎児では、EPOは主に肝臓で産生され、その産生の約90%は出生後に腎臓に切り替わる。EPOレベルが慢性または急性腎不全のために低下する場合は、EPOを外部から投与して増大する貧血を防止しなければならない。治療活性なヒトエリスロポエチンは、EPO遺伝子およびその齧歯類細胞における発現が発見されて以来、利用可能である。天然のヒトエリスロポエチンは、7番染色体上の遺伝子7q11−q22によりコード化される(Lawら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83(1986),6920−6924)。組換えヒトEPOは、米国食品医薬品局(FDA)が慢性腎不全に関連する貧血の治療でのその使用について認可した1989年に市場に参入した。これは、薬剤として使用される他の組換え糖タンパク質についても当てはまることだが、EPOのグリコシル化パターンは、糖タンパク質のバイオアベイラビリティー、生理活性、および免疫原性に対して顕著な影響を及ぼす。rhEPOの産生に関しては、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)およびベビーハムスター腎臓(BHK−21)宿主細胞が発現系として重要な役割を果たし、したがって十分に研究されている(Sasakiら、J.Biol.Chem.262(1987),12059−12076;Takeuchiら、J.Biol.Chem.263(1988),3657−36633;Nimtzら、Eur.J.Biochem.213(1993),39−56;Tsudaら、Biochemistry 27(1988),5646−5654)。これらの細胞系がヒトグリコフォームともっともよく似ているグリコフォームを産生することは十分に立証されている。糖質が糖タンパク質ターゲティングおよびクリアランスで重要な役割を果たすことも周知である(Drickamerら、Annu.Rev.Cell.Biol.9(1003),237−264;Heleniusら、Science 291(2001),2364−2369)。最近、ダーベポエチンアルファ(ARANESP(登録商標))と呼ばれる2つの特別なN−グリコシル化部位を有する新規形態のエリスロポエチンが欧州医薬品審査庁(EMEA)およびFDAにより承認された。
ヒトEPO遺伝子は、27のアミノ酸シグナルペプチドおよび18396ダルトンの算出分子量を有する166のアミノ酸タンパク質をコード化する。成熟タンパク質は、通常、1つのアミノ酸N末端欠失を有し、165アミノ酸の長さである。シグナル配列はペプチドを適切なグリコシル化に関与する細胞内コンパートメントに向かわせ、3つのN−グリカンおよび1つのO−グリカンを有する成熟タンパク質をもたらす。全分子量の約40%を構成する糖部分は、インビボのEPOの完全な生物活性に必須である。いくつかの研究は、末端シアル酸残基の数がインビボ半減期に対してプラスの効果を及ぼすが、インビトロ活性、すなわち受容体に対する結合は、非グリコシル化形態または部分グリコシル化形態で最高であることを示した(Takeuchi and Kobata,Glycobiology 1(1991),337−346)。シアリル化の程度は半減期と正比例し、この場合、シアル酸がほとんどないアイソフォームは、生物からはるかに速く除去され、したがって低活性を示す。これに関連して、Rushら(Anal.Chem.67(1995),1442−1452)は、エリスロポエチンのシアル酸残基のO−アセチル化および循環時間の増加に対するそれらの効果を記載し、このことは、シアル酸残基の高度のO−アセチル化は、肝クリアランスを減少させることにより、循環時間を増加させることを示す。
典型的には、哺乳動物細胞、特にCHO細胞における組換え発現によって得られるEPO調製物は、O−グリカンがなく、したがって1分子あたり2以上のシアル酸残基の可能性をゆるめるEPOアイソフォームを50%まで含む。したがって、そのような欠陥、非O−グリコシル化アイソフォームが実質的にないEPO調製物、およびそれを提供する方法を提供することが望ましい。
科学文献および特許文献から公知のEPOの単離/精製法は、種々のクロマトグラフィーステップを含む。最も一般的に使用されるのは、アニオン交換クロマトグラフィー(AEX)および逆相HPLC(RP−HPLC)である。他のクロマトグラフィー法、たとえばハイドロキシアパタイト、疎水性相互作用(HIC)、カチオン交換(CEX)、アフィニティー(すなわち免疫親和性または色素リガンド)およびサイズ排除(ゲルろ過)(SEC)クロマトグラフィーも用いられる。いくつかの中間ステップ、たとえば濃縮、ダイアフィルトレーション、限外ろ過、透析、エタノール、塩などでの沈殿も一般的である。
EP205564は、カチオン交換クロマトグラフィーステップを用い、続いてその後にRP−HPLCを行うEPOの精製を記載している。
EP228452およびUS4,667,016は、アニオン交換体、続いてRPクロマトグラフィーおよびゲルクロマトグラフィーを行うEPO精製を記載した。
EP428267は、RPクロマトグラフィー後にさらにアニオン交換体による(特に酸性)アイソフォームの単離を取り扱うEP228452による方法の改善を記載している。
EP1394179は、色素アフィニティークロマトグラフィー、HIC、ハイドロキシアパタイト、RP−HPLCおよびアニオン交換体を含む精製プロセスを記載している。
EP1428878は、捕捉ステップとしての第1アニオン交換クロマトグラフィーステップおよび任意の酸性洗浄ステップ、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、および第2のアニオン交換クロマトグラフィーステップと酸性洗浄ステップを用いることによる、高シアリル化EPOアイソフォームの精製法を記載している。
WO99/28346は、炭水化物構造中のN−アセチル−ラクトサミン単位および/または四分岐型(tetra−antennary)分枝に関する高度のEPO精製を記載している。精製プロセスは、細胞培養上清で始め、アフィニティークロマトグラフィーによる捕捉、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ハイドロキシアパタイトおよび逆相クロマトグラフィーによる精製を行う。
WO03/045996、細胞培地からrhEPOを回収し、精製する方法であって、とりわけ、アニオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーのステップを含む方法を記載している。
WO03/080852は、EPOを産生するためのプロセスであって、少なくとも色素アフィニティークロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィーおよびアニオン交換クロマトグラフィーを含み、場合によってゲルろ過クロマトグラフィーをさらに含むプロセスを記載した。
Miyakeら、J.Biol.Chem 252(1977),5558−5564は、イオン交換クロマトグラフィー、エタノール沈殿、ゲルろ過および吸着クロマトグラフィーを含む7ステップ手順による尿EPOの精製を記載している。
Broudyら、Arch.Biochem.Biophys.265(1988),329−336は、Affi−Gel Blueクロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィーおよび逆相クロマトグラフィーによりEPOを精製するために、トランスフェクトされたBHK細胞系を使用した。
Gokanaら、J.Chromatography 791(1997),109−118は、免疫親和性によるEPOの以前の精製の後のDEAEクロマトグラフィーによる組換えヒトEPOアイソフォームの分離を記載している。EPOアイソフォームの分離は、それらの異なるpIに基づく。
Gotoら、Bio/Technology 6(1988),67−71 は、免疫親和性、ゲルクロマトグラフィーおよびハイドロキシアパタイトによるEPOの精製を記載している。
Hokkeら、Eur.J.Biochem.228(1995),981−1008は、N−グリカンおよびO−グリカンの個別分析のためのPNGase処理を含むEPOのグリカン分析を記載している。
Kishino and Miyazaki,J.Chromatography 699(1997),371−381は、末端RPクロマトグラフィーを用いて尿からEPOを精製することを含む糖タンパク質分析の方法を概説している。
Nimtzら、Eur.J.Biochem.213(1993),39−56は、PNGase F消化を含むEPOグリコシル化の分析を記載し、これは、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞で発現され、BHK細胞から得られる組換えヒトEPOが60%しかO−グリコシル化されていないことを示している。
Quelleら、Blood 74(1989),652−657は、昆虫細胞からのEPOの精製を記載し、この場合、精製プロセスは、アニオン交換クロマトグラフィーおよびRP−HPLCおよびその後のレクチンアフィニティークロマトグラフィーを含む。
Sasakiら、J.Biol.Chem.262(1987),12059−12076およびSasakiら、Biochemistry 27(1988)8618−8626は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で発現され、CHO細胞から得られる組換えヒトEPOの炭水化物構造の分析を記載している。EPOは、他の方法のなかでもRP−HPLCにより精製された。
Skibellら、Blood 98(2001),3626−3634は、組換えEPOと比較して、ヒト血清由来のEPOのグリカン構造の調査を記載し、O−グリコシル化が血液中を循環するEPOでも起こることを示す。
Sytkowski and Donahue J.Biol.Chem.262(1987),1161−1166は、モノクローナル抗体(mAb)の助けを借りて(中和により間接的に)決定されるEPO受容体結合部位を決定した。表IIから、EPOアミノ酸配列111〜129に対するmAbは、最強の中和効果を示すことがわかり、このことは、Ser126に位置するO−グリカンが受容体結合に関与し得ることを意味する。
したがって、EPOのグリコシル化の重要性は公知であるが、前記文書はいずれも、(i)非O−グリコシル化アイソフォームが実質的になく、(ii)医薬品等級まで精製され、(iii)ウイルスの混在がなく、そして(iv)大規模製造できる、EPO調製物を提供する方法を開示していない。この技術的問題は、特許請求の範囲で特徴付けられ、以下でさらに詳細に記載される実施形態により解決される。
本発明は、組換え細胞由来の細胞培地からヒトエリスロポエチン(rhEPO)を回収し、精製するための方法であって、逆相(RP)クロマトグラフィーステップ、好ましくはRP−HPLCおよびその後のカチオン交換(CEX)クロマトグラフィーステップを含む方法を提供し、この場合、RP−HPLCステップは、好ましくはアニオン交換(AEX)クロマトグラフィーステップの後に行う。
本発明の方法にしたがって精製された組換えヒトエリスロポエチン(rhEPO)は、EPOのN−およびO−グリコシル化状態を特徴付けるために、いくつかの分析手順に付されてきた。背景の部分で記載するように、EPOは、S126に1つのO−グリコシル化部位、およびN24、N38、およびN83に3つのN−グリコシル化部位を有する。本発明のEPO調製物の全体的なグリコシル化パターンは、国際BRP標準、および参考商品で見出されるものとかなり類似していることが判明した。しかし、O結合オリゴ糖に関して、BRP標準との比較において、EPOの非グリコシル化形の相対量は、もしあったとしても著しく低いことが観察された。このことは、他の商品と比較して、本発明のEPO調製物が改善されていることを意味し得る。
理論により拘束されることを意図しないが、全O−糖鎖がかけているという事実により、HPLCにおいてO−脱グリコシル化(Des−O)EPOの実質的に選択的な分離が機能すると考えられる。N−グリカンの場合、差異は、あるとしてもそれほど顕著ではない。ここで、偶発的アンテナのみが欠損しているが、全グリカンはほとんど欠損してない。N−グリカンが欠失したアイソフォーム(グリカンあたり4つのシアル酸がない)はアニオン交換クロマトグラフィー(AEX)ステップですでに強力に排除さられている。O鎖がない場合、通常は糖鎖により保護されている疎水性パッチ(約aa121−130)が露出する。実際、O−グリコシル化部位を更に詳しく調べてみると、セリン126のまわりに疎水性アミノ酸の濃密な蓄積が見られる。4つのアラニンがセリン126を直接取り囲み、そして3つのプロリン(121、122、129)は顕著な疎水性領域を規定する。加えて、ロイシン130も疎水性であり、この効果に貢献する。EPOにおける前記のさらなる疎水性部位は、HPLCカラムのC4マトリックスに対する全体的な結合力を増強する。したがって、Des−O形態は、後の時点で溶出する。
本発明の特に好ましい実施形態では、原薬として好適な純粋な形態でEPOを精製するための5カラムクロマトグラフィープロセスを提供し、このプロセスは:
(a)EPO含有溶液を捕捉し、濃縮し、そして潜在的な夾雑物の大幅な減少をもたらすための色素アフィニティークロマトグラフィー;
(b)EPOの酸性アイソフォームの濃縮、夾雑物(例えば、DNA、HCP)のさらなる除去、および第1カラムから浸出した可能性のある任意の色素リガンドの除去のためのアニオン交換クロマトグラフィー;
(c)Ser126残基でグリコシル化されないEPO分子を除去するため、および夾雑物を除去するための条件下でのRP−HPLC;
(d)RP−HPLC溶媒および凝集種を除去するため、緩衝液を交換するため、およびEPOフラクションを濃縮するためのカチオン交換クロマトグラフィー;ならびに
(e)残存する可能性のある凝集物および他の夾雑物を除去するために用いられる最終クロマトグラフィーステップとしてのサイズ排除クロマトグラフィー
を含む。
さらに、2つの特定のウイルス除去/不活性化ステップがEPO製造プロセスに含まれる。まず、RP−HPLCステップ後に、溶出液を酸性アセトニトリル:水+0.1%(v/v)TFA混合物中、60〜18分間22±3℃で保持する。第2に、ナノろ過ステップを最終クロマトフィーステップ後に行うこととし、原薬のウイルス安全性を増大させる。加えて、アニオン交換クロマトグラフィーも、ウイルスの除去のための有効なステップであることが証明されている。結果として得られるEPO原薬は、例えば蠕動ポンプを用いて250mlまたは30ml体積のバルク原薬貯蔵容器中に分注することができ、−70℃以下で貯蔵することができる。
したがって、本発明の方法は、EPOのプロフィール依存性製造および高品質の非常に均一な製品を提供する。さらに、本発明は、高純度で所望のO−グリコシル化EPOアイソフォームプロフィールを有する、生物活性なEPOの大規模調製を可能にする。
EPO純度は、HPLCおよびゲル電気泳動により測定して、全タンパク質の少なくとも99%を越え、有利には全タンパク質の99.9%を越える純度に達することによって高い。さらに、感染の危険性を減少させることにより、ウイルスなどによる汚染の危険性、したがって生成物の臨床的安全性を改善する。これに関連して、精製プロセスにおける次のステップに移る間にEPO試料を溶出させ、貯蔵するためにRP−HPLCおよび有機溶媒を使用する有利な副次的効果は、例えば疎水性相互作用またはイオン交換クロマトグラフィーなどの他の方法で使用される他の溶媒中で生き残ったままであり得るウイルスの不活性化にある。
これに関連して、当業者は、本発明の1つの本質的な特徴がRP−HPLCの性能およびその後のCEXクロマトグラフィーステップから構成され、一方、他のクロマトグラフィーステップのいずれも変更することができるか、完全に省略することができることを理解するであろう。これは、AEXステップにも当てはまり、このステップは、好ましくは本発明の方法に組み入れられるが、異なる精製ステップにより置換することもでき、更には、適用されるEPO試料に応じて、および/またはO−グリコシル化される一方で例えば異種もしくは低シアリル化されたEPO調製物を提供することが望ましい場合、省略することもできる。
本発明の方法にしたがって単離されるEPOのO−グリコシル化はBRP標準よりも完全であったという事実は、EPO調製物の半減期が大幅に改善され得ることを示す。したがって、本発明のEPO調製物のインビボ半減期は、従来の商業的に入手可能であった組換えEPO生成物に比較して、改善されていないとしも、少なくとも類似していると予想することが賢明である。これはまた、薬物動態学的特性および薬力学的特性がさもなければ市場製品と類似しているであろうことも意味する。本発明の方法にしたがって得られるEPOは、したがって、ヒト医薬への使用に特に好適である。
特許または出願書類は、カラーおよび/または1以上の写真で作製された1以上の図面を含み得る。カラー図面および/または写真を含むこの特許または特許出願公開の写しは、欧州特許庁または米国特許商標局により、請求と必要な料金の支払いに応じて提供され得る。
高シアリル化およびO−グリコシル化EPOアイソフォームの特定の混合物の単離のための精製手順のスキーム。個々の精製ステップの重要性および意図される目的は明細書で更に説明される。 PNGaseで消化した後のHPLCフラクションのクーマシー染色された12.5%SDS−PAGEゲルの写真。スロットごとに5μgのタンパク質をロードした。MW:分子量マーカー;BRP:BRP標準バッチ1(=生物学的参考調製物=エポエチンアルファおよびベータの混合物);1=アニオン交換クロマトグラフィー後(AEXプール)およびRP−HPLCステップに付す前のEPO試料;2〜10=AEXプールをRP−HPLCに付し、実施例に記載する様な溶媒の直線勾配の適用後に得られるEPO溶出液フラクションの試料;表6も参照。各EPOバッチは、全てのN−グリカンを除去するが、もし存在するならば、結合したO−グリカンを残すポリペプチドN−グリコシダーゼ(PNGase)で消化した後に示す。下側の細いバンドは非O−グリコシル化(Des−O)形態である。酵素自体は、ゲルの中央でトレースバンドとしてゲル中で検出される可能性もある。左のレーンは、BRP標準を示し、その次のレーンはカラム適用(BRP標準のようなDes−O形態を含む)を示し、続いて勾配溶出の9のフラクションがある。最初の5つのフラクションは明らかにDes−O形態がなく、Des−O形態は最後の3〜4フラクションに主に存在することがわかり、このことから、Des−Oアイソフォームはクロマトグラフィー材料に結合したままであり、後の時点でカラムから溶出されることが確認される。プール基準はDes−Oアイソフォームの残存率を調節する。 クーマシー染色された12.5%SDS−PAGEゲルの写真。MW:分子量マーカー;1〜4=実施例で説明する方法によって得られるEPO調製物;5+6=BRP標準バッチ1(=生物学的参考調製物=エポエチンアルファおよびベータの混合物);7=ブランク。各EPOバッチを、PNGaseでの消化前(1、3、5)および消化後(2、4、6)に示す。酵素自体はまた、ゲル中でトレースバンドとして検出され得る。BRP標準は消化後に二重バンドを示す。下側の細い方のバンドは非O−グリコシル化(Des−O)形である。本発明の方法にしたがって得られるEPO調製物は、明らかに下側のバンドがないことがわかり、このことからDes−O形態はHPLCステップ中に除去されたことが確認される。
本発明は、あったとしてもごくわずかな非O−グリコシル化アイソフォームしか含まず、実質的に凝集物のない改善されたEPO調製物の単離および精製法を提供する。この目的は、適切な条件下での逆相(RP)−高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)およびその後にカチオン交換クロマトグラフィー(CEX)ステップを適用することによって、非O−グリコシル化EPOアイソフォームの含量を減少させることにより達成される。さらに詳細には、本発明は、グリコシル化エリスロポエチン(EPO)アイソフォームを複雑なタンパク質混合物から精製する方法に関し、この方法は、アニオン交換(AEX)クロマトグラフィーステップおよびカチオン交換(CEX)クロマトグラフィーステップを含み、これらは逆相(RP)クロマトグラフィーステップによって隔てられている。
「アイソフォーム」という用語は、本明細書中で用いられる場合、同じアミノ酸配列を有するが、例えば分画電気泳動(IEF)ゲルにより明らかになるように異なる等電点または例えばキャピラリーゾーン電気泳動(CZE)により明らかになるように異なる電荷数を有する糖タンパク質を含む糖タンパク質調製物/フラクションを指す。これらの差異は、グリコシル化パターンにおける不均一性を反映する。個々のEPO分子は、結合したグリコシル基、シアリル基、およびアセチル基の程度、複雑さ、性質、分岐性および順序に関して異なり得る。リン酸塩および硫酸塩などの荷電した無機基でさえも、特定のアイソフォームの性質に貢献し得る。したがって、本発明による糖タンパク質アイソフォームは、それらの異なる等電点およびそれらの同じアミノ酸配列によって定義され、したがって、各アイソフォームは実際に、厳密な化学的意味で複数の異なるEPO分子を含む。
本発明の方法によれば、アニオン交換クロマトグラフィーを好ましくは使用して、EPOアイソフォーム、特に高シアリル化酸性EPOアイソフォームを選択する;図1も参照。本発明によれば、EPOの「酸性アイソフォーム」は、高度または高含有量のグリコシル基、好ましくはシアリル基を有し、したがって、低(酸)pIで現れるアイソフォームを含む。組換えヒトEPOは、IEFにより細胞培養上清から分析する場合、pI3〜9の範囲にわたって最大14までの異なるアイソフォームの幅広い等電点(pI)アイソフォームプロフィールを示す(Gokanaら、J.Chromatogr.791(1997),109−118)。EPOアイソフォームは、主に、様々な数の負に荷電した末端シアル酸残基を有する様々なグリコシル含量のために生じる。より多くのシアル酸残基を有し、したがってより酸性のpIを有するEPO形態はより高い生物活性および治療的価値のものであることが知られている。なぜなら、グリコ構造上の末端シアル酸残基はEPOがアシアロ受容体経路によりインビボで迅速なクリアランスをされないよう防止するからである。
アニオン交換クロマトグラフィーステップは、ジエチルアミノエチル基(DEAE)、第4級アミノエチル基(QAE)、第4級アンモニウム基(Q)、ジメチルアミノエチル基(DMAE)および/またはトリメチルアミノエチル基(TMAE)を官能基として含むアニオン交換樹脂または膜を用いて実施することができる。アニオン交換材料の例は、Dow chemical companyから入手可能なDowex(登録商標)1、AG(登録商標)(例えば、タイプ1、2、4)、Bio−Rex(登録商標)5、DEAE Bio−Gel1、Macro−Prep(登録商標)DEAE(全てBioRad Laboratoriesから入手可能)、Eichrom Technologies Inc.から入手可能なアニオン交換樹脂タイプ1、Source Q、ANX Sepharose 4、DEAE Sepharose(例えば、タイプCL−6B、FF)、Q Sepharose、Capto Q、Capto S(全て GE Healthcareから入手可能)、AX−300(PerkinElmerから入手可能)、Asahipak ES−502C、AXpak WA(例えば、タイプ624、G)、IEC DEAE(全てShoko America Inc.から入手可能)、Amberlite(登録商標)IRA−96、Toyopearl(登録商標)DEAE、TSKgel DEAE(全てTosoh Bioscience GmbHから入手可能)、Mustang Q(Pall Corporationから入手可能)である。本発明の方法の好ましい実施形態では、Q−Sepharoseを用いてアニオン交換クロマトグラフィーステップを実施する;実施例も参照。記載する様に、低シアリル化塩基性EPOアイソフォームの枯渇および高シアリル化酸性EPOアイソフォームの選択は、それぞれ、好ましくは、20mMのトリス−HClを含む緩衝液(pH約7.0)中、0〜200mMのNaClの線形塩勾配で実施する。
さらに、本発明の方法によれば、逆相クロマトグラフィーステップを用いてO−グリコシル化EPOアイソフォームを選択する。実施例で示すように、そのようなEPOアイソフォームを、有機溶媒の直線勾配(好ましくは0〜70%の水中アセトニトリル(約0.1%のTFAを含む))で溶出することができる。加えて、またはその代わりに、アセトニトリルおよび約0.1%の水中TFAを含む溶媒でのEPOのアイソクラティック溶出を使用する。逆相(RP)クロマトグラフィーを実施するための手段および方法は、当業者に周知である;前出の背景の部分で記載した従来技術も参照。好ましくは、RPクロマトグラフィーステップは逆相高性能液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を含む。典型的には、RP−HPLCは、メチル基、ブチル基、フェニル基、プロピル基および/またはオクチル基を官能基として含む樹脂を用いて実施する。本発明の方法の好ましい実施形態では、RP−HPLCは、市販のC4逆相クロマトグラフィー材料を用いて実施する。逆相材料の例は:Vydac 214TPB1015、C4(Grace Davisonから入手可能);Daisopak SP−300−15−C4−BIO(DAISO Fine Chem.GmbHから入手可能);YMC Gel Butyl Spharisch C4、15μ、300A(YMC Europe GmbHから入手可能); Jupiter 15μ、C4、300A(Phenomenexから入手可能)である。
最も好ましくは、その表面がC4−アルキル鎖を有するシリカゲル粒子から構成されるVydac C4(Vydac)を使用する。EPOのタンパク質性不純物からの分離は、疎水性相互作用の強度の差に基づく。溶出は、希トリフルオロ酢酸の存在下で水中アセトニトリル勾配で実施する。通常、「EPOピーク」の一部は、分別によりカットオフされなければならない。例えば、多くの約9または10のEPOを含む溶出液フラクションにおいて、典型的には全EPOピークの40%を構成し得る最後の1〜4試料を捨てなければならず、一方、残りの溶出液プールを次のステップでさらに精製する;図2も参照。
本発明によれば、分取RP−HPLCは、通常、>10barの高圧(30〜40barまでの分取スケールで)および小ビーズ(5〜10μm)、通常はシリカゲルで実施し、これによってより良好な分解能に至る。好ましくは、TFAで酸性化された溶媒のpHは約2である。低アセトニトリル濃度(例えば、10%または純水)および増大するアセトニトリル濃度勾配でAEX溶出液を適用すると、EPOアイソフォームが溶出されるであろう。
これに関連して、RP−HPLCは、本発明の方法にしたがって用いられる場合、低圧(中圧法とも呼ばれ、<10bar、通常は3〜5bar)で実施される通常のRPクロマトグラフィー(RPC)と実質的に異なる。例えば、RPCは、典型的には、国際出願第WO03/045996号(RP−Source 30)で記載されるように15μビーズまたは30μビーズで実施される。さらに、HPLCにおいてと同様に有機溶媒を用いることができるが、WO03/045996におけるRPCステップは、試料中、0.24Mの硫酸アンモニウムを用いた硫酸アンモニウム沈殿に続いて開始し、これは、HPLCには好ましくないが、典型的には溶出のために減少する塩勾配が適用されるHIC(疎水性相互作用クロマトグラフィー)には非常に好適である。したがって、国際出願第WO03/045996号に記載されるようなRPCは、十分な水性溶媒系、すなわち、トリス/HCl緩衝液(pH7)中で実施される。なぜなら、今まで有機溶媒の迅速な分離およびEPO調製物内の凝集物の形成/ドラッギングを回避するために適切な方法は記載されていないからである。しかし、有機溶媒を使用するHPLCステップの施行は、例えば、RPCで用いられるより大きなビーズ粒子やあまり厳しくない分離条件のためにEPOアイソフォームの効率の低い分離を代償にしてなされる。いずれにしても、RP−HPLCの分離性能は、RPCよりも優れている。
精製スキームの有効性のさらに重要な点は、カチオン交換クロマトグラフィー(CEX)を第3ステップで、HPLCの直後に実施することである。このステップは適用方式に関して新規である。RPクロマトグラフィー後、EPOを直ちに緩衝液交換に付さなければならない。というのも、これは酸性アセトニトリル中で安定でない、すなわち、時間および温度の増加に伴い凝集物が徐々に形成されるからである。さらに、最終ポリッシングステップとして用いられるその後のゲルクロマトグラフィーに関して、試料体積は非常に小さくなければならない。すなわちRPプール中のEPO濃度を強力に増加させなければならない。一方、RP−HPLCプールは、Des−O形態の分離に必要とされる比較的平坦な勾配のためにかなり大きな体積を有する。一般的であるがかなり時間のかかる方法である、標準的限外ろ過/ダイアフィルトレーションステップを用いる代わりに、本発明にしたがって選択された材料(Macroprep S)でのCEXクロマトグラフィーステップが開発された。このCEXクロマトグラフィーは、特に高い流速を可能にし、高濃度での酸性アセトニトリルに対して耐容性である。酸性環境中では正に荷電しているという事実のために、EPOは強力なバインダーであり、非常に急な勾配で、小体積で、所望の緩衝液中高濃度にて溶出される。驚くべきことに、CEXクロマトグラフィーはまた、アセトニトリル中で必然的に形成されるEPO凝集物の分離につながる。なぜなら、EPO凝集物は溶出されず、カラム上に残留し、その後CIP溶液で再生物中に溶出されることがわかったからである。したがって、本発明によれば、カチオン交換クロマトグラフィーステップをRPクロマトグラフィー、特に緩衝液交換、EPOの濃縮およびEPO凝集物の除去のためのRP−HPLCの後に用いる;図1も参照。
異なる種類のカチオン交換材料も異なる名称で、多数の企業から入手可能である。例えば、Bio−Rex(登録商標)(例えば、タイプ70)、Chelex(登録商標)(例えば、タイプ100)、Macro−Prep(登録商標)(例えば、タイプCM、High S、25S)、AG(登録商標)(例えば、タイプ50W、MP)(すべてBioRad Laboratoriesから入手可能);WCX2(Ciphergenから入手可能)、Dowex(登録商標)MAC−3(Dow chemical社から入手可能)、Mustang CおよびMustang S(Pall Corporationから入手可能)、Cellulose CM(例えば、タイプ23、52)、hyper−D、PartiSphere(Whatman plc.から入手可能)、Amberlite(登録商標)IRC(例えば、タイプ76、747、748)、Amberlite(登録商標)GT73、Toyopearl(登録商標)(例えば、タイプSP、CM、650M)(全てTosoh Bioscience GmbHから入手可能)、CM1500およびCM3000(BioChrom Labsから入手可能)、SP−Sepharose(商標)、CM−Sepharose(商標)(GE Healthcareから入手可能)、Porous樹脂(PerSeptive Biosystemsから入手可能)、Asahipak ES(例えば、タイプ502C)、CXpak P、IEC CM(例えば、タイプ825、2825、5025、LG)、IEC SP(例えば、タイプ420N、825)、IEC QA(例えば、タイプLG、825)(Shoko America Inc.から入手可能)、50Wカチオン交換樹脂(Eichrom Technologies Inc.から入手可能)。好ましくは、カチオン交換材料は、Macro−Prep(登録商標)High Sまたは25S、MacroCap SP、Toyopearl(登録商標)SP650M、Source S、SP Sepharose、またはPOLYCAT Aなどの強力なカチオン交換材料である。一実施形態では、カチオン交換材料はスルホプロピルカチオン交換材料である。本発明の方法の好ましい実施形態では、カチオン交換クロマトグラフィーステップはMacro−Prep High Sで実施する;実施例も参照。
本発明の方法の好ましい実施形態では、前記クロマトグラフィーステップの前にアフィニティークロマトグラフィーステップを捕捉ステップとして行う。通常、アフィニティークロマトグラフィーステップは、色素クロマトグラフィー樹脂、例えば市販のBlue−Sepharoseで実施する;実施例も参照。好ましくは、本発明の方法におけるクロマトグラフィーステップは以下の順序で実施する:
(a)捕捉ステップとしてのアフィニティークロマトグラフィーステップ;
(b)アニオン交換クロマトグラフィーステップ;
(c)逆相(RP)クロマトグラフィーステップ;および
(d)カチオン交換クロマトグラフィーステップ;図1および実施例も参照。
第1ステップにおいて、色素クロマトグラフィーは主にプロテアーゼによる汚染を除去する。青色トリアジン色素、例えばCibachron(登録商標)ブルーが色素として好ましく用いられる。他のトリアジン色素も好適である。色素クロマトグラフィーの支持材料は重要ではないが、多糖ベースの支持材料、例えば、Sepharose、好ましくはSepharose 6 Fast Flowを好ましく使用する。本発明による高シアリル化およびO−グリコシル化EPOアイソフォームの濃縮は、その後のクロマトグラフィーステップで実施される;図1も参照。
本発明の方法の好ましい実施形態では、1以上のクロマトグラフィーステップでのEPOの溶出は、段階または勾配溶出により実施する。「段階溶出」および「段階溶出法」という用語は、本出願では交換可能に使用され、溶出、すなわち結合した化合物の材料からの溶解を引き起こす物質の濃度を、一度に、すなわち1つの値/レベルから次の値/レベルへ上昇または降下させる方法を意味する。この「段階溶出」において、1以上の条件、例えばpH、イオン強度、塩の濃度、有機化合物の濃度、および/またはクロマトグラフィーの流れを、同時に、第1の値、例えば出発値から、第2の値、例えば最終値まで変化させる。これは、確実に線形若しくは非線形である変化に対して、条件を徐々に、すなわち段階的に変化させることを意味する。「段階溶出法」において、新しいフラクションを、イオン強度または有機溶媒含有量のそれぞれの増加後に集める。このフラクションは、それぞれイオン強度および疎水性が対応して増加した、イオン交換材料から回収された化合物を含む。それぞれの増加の後、溶出方法における次のステップを実施するまで、その条件を維持する。典型的には、大規模製造では、可能な場合はいつでも、勾配溶出を段階またはアイソクラティック溶出に変更する。
これに関連して、本発明の方法にしたがって実施されるクロマトグラフィーステップのいずれも、勾配またはアイソクラティック方式のいずれかで実施することができる;概説に関しては、例えば、Schellinger and Carr,J.Chromatography.1109(2006),253−266を参照。特に、RP−HPLCおよびアニオンクロマトグラフィー(AEX)ステップに関して直線勾配をアイソクラティック溶出に変更することが想定される。したがって、本発明の方法の一実施形態では、RPおよび/またはAEXステップをアイソクラティック溶出により実施する。
本発明の方法のさらなるクロマトグラフィーステップにおいて、潜在的な二量体、高凝集物および望ましくない小分子、例えばプロセスに関連する不純物を除去し、適切な場合、最終処方の緩衝液交換も実施するサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって、カチオン交換クロマトグラフィー(CEX)から得られるEPO調製物をポリッシュする。典型的には、サイズ排除クロマトグラフィーステップは、Superdex、Sephacryl、Sephadex、Sepharose、Fractogel、ToyopearlおよびBio−Gelの群から選択されるゲルろ過媒体を用いて実施する。好ましくは、サイズ排除クロマトグラフィーステップは、市販のSuperdex−S200で実施する;実施例も参照。
CEXクロマトグラフィー後に得られるEPO調製物の高い生成物濃度を達成するために、溶出液を好ましくはゲルろ過(SEC)の前にさらに濃縮する。これは、通常、5〜10kDaのUF膜を用いた限外ろ過ステップにより実施し、1mlあたり約5〜20mgのEPOを含む約10倍に濃縮されたUF残余分をもたらし、SECプールを得る;実施例も参照。
潜在的なウイルス混在を除去するために、さらなるデッドエンドウイルス−ろ過ステップを本発明の方法で実施する。このろ過は、15nmもの小さな粒子を除去するために設計された特別な膜、例えばPlanova 15N(Asahi)で実施する。別のデッドエンドナノろ過ユニットは、PALL Ultipor VF Grade DV20またはMillipore Viresolve NFPカートリッジまたはカプセルである。特に、小さな無エンベロープ型ウイルス(例えば、パルボウイルス)に関して、ウイルス除去または不活性化の他の手段はほとんどない。除菌されたSECプールを好適な膜を有するデッドエンドフィルターに通し、濾液は最終バルク原薬に相当する。あるいは、ナノろ過をUF濃縮とサイズ排除クロマトグラフィーとの間に挿入することができる。したがって、本発明の方法は、1以上のクロマトグラフィーステップの前に、限外ろ過ステップ、および場合によってナノろ過ステップを含んでもよい(後者は、好ましくは最終ステップとして);図1も参照。
特に好ましい実施形態では、本発明の方法は以下のステップ
(a)捕捉ステップとしてのアフィニティークロマトグラフィーステップ;
(b)アニオン交換クロマトグラフィーステップ;
(c)逆相(RP)クロマトグラフィーステップ;
(d)カチオン交換クロマトグラフィーステップ;
(e)サイズ排除クロマトグラフィーステップ;
(f)ナノろ過ステップ;および
(g)ステップ(a)、(b)および/または(e)の前の限外ろ過ステップ
を含む。
異なるフラクションの含有量は、インプロセス管理としてSDS−PAGEにより測定することができ、選択されたフラクションを必要に応じて合するかまたは廃棄する;例えば、RP−HPLCステップからのEPO溶出の制御については図2を参照。
好ましい実施形態では、本発明の方法にしたがって精製されるEPOはヒト組換えEPOである。したがって、EPO分子は、好ましくは、EPOコード化遺伝子の発現を宿主細胞において誘導することにより提供される。「宿主細胞」は、そのゲノムが活性なEPO遺伝子を含む動物またはヒト細胞と理解され、このEPO遺伝子は無血清培地における細胞の培養中に転写され、翻訳される。EPO遺伝子は、この宿主細胞中に、外来遺伝子として、好ましくは調節エレメントとともに導入することができるか(例えば、欧州特許出願第EP−B0148605号および第EP−B0209号参照)、宿主細胞中に活性な内在性遺伝子としてすでに存在している可能性があるか、または内因性非活性遺伝子として活性化されるようになり得る。そのような内因性遺伝子の活性化は、例えば、相同的組換えによりゲノム中に調節エレメントを特異的に導入することによって達成することができる。国際出願第WO91/09955号および第WO93/09222号はそのような方法の例を記載する。
哺乳動物細胞を通常、宿主細胞として使用する。外因性ヒトEPO遺伝子を導入する場合、例えば、CHOまたはBHK細胞を宿主細胞として用いることができる。内因性EPO遺伝子を発現に用いる場合、腎臓、肝臓またはリンパ細胞などのヒト細胞を使用することが好都合である。好ましくは、EPOは、CHO細胞において産生されるヒト組換えEPOである。CHOにおけるEPOの組換え産生は、通常、ウシ胎仔血清および場合によってウシインシュリンを培地に添加して実施する。その結果として、この方法で産生されるEPO調製物には、ウイルスまたはTSE誘発剤に感染する潜在的な危険性がある。というのも、少なくとも微量のそのような動物由来の作用物質を精製後でさえも含み得るからである。EPO遺伝子を含む組換えCHO細胞の無血清培養は、最先端技術の方法を使用して実施することができることが知られている;例えば、欧州特許出願第EP1394179号、第EP0513738号および第EP0267678号、ならびに一般的な形態では、Kawamotoら、Analytical Biochem.130(1983)445−453、Kowar and Franek,,Methods in Enzymology 421(1986),277−292、Bavister,Expcology 271(1981),45−51、欧州特許出願第EP0248656号、第EP0481791号、第EP0307247号、第EP0343635号および国際出願第WO88/00967号(その開示内容は参照することにより本明細書中に組み込まれる)を参照。類似活性を有し、EPO産生宿主細胞を培養した後に産生されるEPOの誘導体およびフラグメントも、本発明によるプロセスに従って純粋な形態で産生することができる。ヒトEPOのDNAおよびタンパク質配列は、例えば欧州特許出願第EP0205564号および第EP0209539号に記載されている。
EPOを産生するために、EPO遺伝子を含む宿主細胞を、低体積の培養中で継代させることにより、天然原由来のタンパク質がない培地に適応させることができる。適応させた細胞を、場合によって低温保存し、必要に応じて確立された細胞バンクから取得し、例えば欧州特許出願第EP1394179号に記載されているようにして無血清培地中で増殖させる。精製のために、宿主細胞の無細胞培養上清を好ましくは単離し、ろ過後に本発明による精製プロセスに付す。精製プロセスを実施する前に、必要ならばさらなるろ過を実施して、混濁または細片の分離および/または限外ろ過による濃縮を実施することが可能である。
さらなる態様では、本発明は、前述のような、好ましくは実施例で記載する様にして実施される本発明の方法により精製されるグリコシル化EPOアイソフォームの調製物に関する。典型的には、EPOはヒト組換えEPOである。有利には、本発明のEPO調製物は非O−グリコシル化EPOアイソフォームを実質的に含まない。「実質的に非O−グリコシル化EPOアイソフォームを含まない」という用語は、本発明のEPO調製物が、典型的には10%未満の非O−グリコシル化EPOアイソフォーム、好ましくは5%未満、そして有利には1%未満の非O−グリコシル化EPOアイソフォームを含むことを意味する。言い換えれば、本発明のEPO調製物は、典型的には少なくとも90%のO−グリコシル化EPOアイソフォーム、好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%のO−グリコシル化EPOアイソフォームを含み、これにより本発明のEPO調製物を、例えば、図2および図3で示されるようなSDS pageによるなど、当該技術分野で公知の方法にしたがって精製されたEPO調製物から区別することができる。グリコシル化状態を特徴付けるための主な分析技術は、MALDI/TOF−MSおよびHPAEC−PADである。試料を特徴付けるための他の技術は、SDS−PAGE、IEF、UV、CD、蛍光分光法およびNMRを含んでいた。例えば、EPOのO−グリコシル化調製物の定量は、Eur.Pharm.の研究論文にしたがってRP−HPLC C−相を通してペプチド混合物を分離した後にEPO分子のトリプシンペプチドのMALDI/TOF−MS分析により実施することができる。Ser−126部分を含む非グリコシル化トリプシンペプチドは1466.6の質量を有し、一方、GalNAc部分(Hex−NAc)を有する対応するペプチドは、203(m/z=1669)の質量増加を有するべきであり、Gal−GalNAc(Hex−NAc−Hex)誘導体はm/z=1830の質量に相当する365の増加質量を有するべきである。MALDI/TOF−MS分析を用いて本発明の範囲内で実施される対応する実験により、標準的EPO調製物中に存在する約15%の非Oグリコシル化アイソフォームと比較して、実質的にEPOタンパク質のO−グリコシル化形態だけを検出できる点で、ポリペプチド−Nグリコシダーゼ(PNGase)によるN−グリカンの放出後のEPO調製物のSDS−PAGEパターンを確認した。
これに関連して、EPO比活性の最小値は、典型的には100,000IU/mg(糖タンパク質)である。一実施形態では、本発明のEPO調製物は>110,000IU/mgの活性を有し、これは高シアリル化EPOアイソフォームの濃縮により達成することができる。
したがって、本発明のEPO調製物は、治療用途に特に適している。したがって、本発明はまた、前記定義の本発明のEPO調製物を含む医薬組成物にも関する。この文脈で、本発明はまた、医薬組成物を製造するためのプロセスにも関し、このプロセスは、前記定義のグリコアイソフォーム混合物の形態でEPOを調製し、単離し、そしてこのように調製され、単離されたEPOの薬学的に許容される担体との混合物を提供することを含む。一実施形態では、本発明は、安定剤としてトリス−(ヒドロキシメチル)−アミノメタンを含み(しかも処方はアミノ酸またはヒト血清アルブミンを含まない)、最も好ましくはpH緩衝剤としてリン酸ナトリウム緩衝液、安定剤としてトリス−(ヒドロキシメチル)−アミノメタンを10〜200mMの量で、および/またはNaClを20〜150mMの量で、ならびに薬学的な量の精製されたEPOを含む、安定な製剤処方に関する。本発明のEPO処方のさらなる実施形態については、欧州特許出願第EP1537876号(その開示内容は、参照することにより本明細書中に組み込まれる)を参照。本発明の医薬組成物は、少なくとも無菌であり、そして無発熱物質であるとして特徴付けられる。本明細書中で用いられる場合、「医薬組成物」は、ヒトおよび獣医学用途の処方を含む。本発明の医薬組成物の調製法は、当業者の技術範囲内であり、例えばRemington’s Pharmaceutical Science,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.(1985)および最新版Remington: The Science and Practice of Pharmacy(2000)by the University of Sciences in Philadelphia,ISBN 0−683−306472(両文書の全開示は、参照することにより本明細書中に組み込まれる)に記載されているとおりである。
これらおよび他の実施形態は、本発明の記載および実施例により開示され、含まれる。本発明にしたがって用いられる材料、方法、使用および化合物のいずれか1つに関するさらなる文献は、公立図書館およびデータベースから検索することができる。例えば、公開データベース「Medline」を利用することができ、これは全米バイオテクノロジー情報センターおよび/または国立衛生研究所の国立医学図書館により主催されている。さらなるデータベースおよびウェブアドレス、例えば欧州バイオインフォマティクス研究所(EBI)(欧州分子生物学研究所(EMBL)の一部)のものなどは当業者に公知であり、インターネット検索エンジンを用いて入手することもできる。バイオテクノロジーにおける特許情報ならびに遡及検索およびカレントアウェアネスに有用な関連する特許情報源の調査の概要は、Berks,TIBTECH 12(1994),352−364に記載されている。
前記開示は、本発明を一般に記載する。特に明記しない限り、本明細書中で用いられる用語は、Oxford Dictionary of Biochemistry and Molecular Biology(オックスフォード大学出版部、1997年、2000年改訂、2003年再版、ISBN0198506732)で記載されているような定義のものである。いくつかの文書が本明細書本文全体にわたって引用される。全ての引用文献(本出願全体にわたって引用される文献参照、交付済特許、公開特許出願、および製造業者の仕様書、使用説明書などを含む)の内容は、参照することにより明らかに本明細書中に組み込まれるが;引用される文書が実際に本発明の先行技術であるということを意味するものではない。
本明細書中で説明の目的のみで提供され、本発明の範囲を制限することを意図しない以下の具体的な実施例を参照することにより、さらに完全な理解を得ることができる。特に、実施例は、本発明の好ましい実施形態に関する。
特に別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、当該技術分野(例えば、細胞培養、分子遺伝学、核酸化学、ハイブリダイゼーション技術、タンパク質化学および生化学)において通常の技術を有する者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。分子、遺伝子および生化学的方法(一般的には、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual,2nd ed.(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.およびAusubelら、Short Protocols in Molecular Biology(1999)4th Ed,John Wiley & Sons,Inc.および標題Current Protocols in Molecular Biologyの完全版(参照することにより本明細書中に組み込まれる)を参照)ならびに化学的方法の標準的技術が用いられる。
出発材料
EPOタンパク質を含む培地を、当該技術分野で記載されるように、増幅されたヒトEPO遺伝子を含む形質転換されたチャイニーズハムスター卵巣細胞系(CHO dhfr)の大規模な灌流培養により産生する;例えば、前述の文献を参照。培地中のEPOタンパク質濃度は、細胞の成長に関連する。実際には、生成物発現レベル(mg/体積)は達成される最大細胞数により制限される。したがって、長期の培養期間にわたって高密度細胞培養を可能にする連続灌流培養系を用いて産生を最大にする。灌流を所定の細胞密度で開始し、灌流速度は、細胞数に対して速度を手動で調節して、所定の範囲内に維持される。細胞保持は、音響沈殿槽、ろ過または遠心分離などの標準的手順により達成される。灌流液収穫物を冷却された温度で数回にわけて集める。全体的な方法は、典型的には数週間の灌流培養からなり、5〜10の収穫物を得る。灌流液中の残存細胞および細片を灌流液収穫物から深層ろ過により除去し、そしてタンパク質を好ましくは30kDaの分子量カットオフの接線流限外ろ過により濃縮する。濃縮物をアリコートに分け、そして全収穫物が集められるまで−70℃以下の温度で貯蔵する。濃縮された収穫物をフリーザーから取り出し、そして凍結−解凍ユニット中に入れる。プールされ、解凍された収穫物を、0.45μmの深層フィルターに通してろ過することにより清澄化する。解凍後の全ての下流精製ステップは、周囲温度(17〜25℃)で実施する。
緩衝液および溶液の組成
各精製ステップ用の緩衝液溶液を下記表1に記載する。
Figure 2013505276
緩衝液組成
Figure 2013505276
表1(続き):緩衝液組成
5つのその後のカラムクロマトグラフィープロセスを用いて、それぞれのプールされた濃縮物を精製して、治療等級の高シアリル化およびO−グリコシル化EPOのバッチを得る;図1も参照。
Blue Sepharose 6FFを用いたアフィニティークロマトグラフィーによるEPOの捕捉および潜在的な夾雑物の低減
Blue Sepharose 6FFは、色素Cibacron Blueと共有結合したアガロース樹脂であり、培養収穫物に含まれる夾雑物の存在下でEPOと優先的を結合するために用いられる。生成物ストリームを、表2で規定するように、アフィニティークロマトグラフィーによりまず精製する。
Figure 2013505276
Blue Sepharoseクロマトグラフィーの性能に関するパラメータ
カラムにBlue Sepharose 6FF樹脂を充填する。充填後、カラムは理論段および非対称因子について検定する。カラムを0.5MのNaOHで1時間殺菌し、次いで注射用水(WFI)ですすぐ。ローディングの前に、カラムを20mMのトリス.HCl、1.5MのNaCl、pH7.5で平衡化し、続いて20mMのトリス.HCl、pH7.5で平衡化する。試料をカラム上にロードし、カラムを20mMのトリス.HCl、pH7.5で洗浄する。20mMのトリス.HCl、1.5MのNaCl、pH7.5を用いて試料を溶出させる。プレピークと主ピークとの間の最小ODが0.15以上となった後に、試料収集を開始する。ODが0.15以下となったら収集を停止する。溶出液を滅菌使い捨てバッグ中に集める。
溶出後、カラムをWFIですすぎ、次いで5Mの尿素で洗浄することによりストリップする。WFIでさらに洗浄した後、カラムを0.5MのNaOHで殺菌する。カラムをWFIですすぎ、0.01MのNaOH中で貯蔵する。
クロマトグラフィー樹脂に関するさらなる情報は、製造業者のレギュラトリーサポートファイル(Representative GE Healthcare Blue Sepharose Regulatory Support File)で提供されている。
ダイアフィルトレーションによるEPOの濃縮
溶出液を限外ろ過により濃縮し、接線流ろ過ユニットで10kDaカットオフ膜を使用してダイアフィルトレーションする;表3を参照。
Figure 2013505276
ダイアフィルトレーションの性能のパラメータ
規格化水透過性試験(NWP)を実施した後、フィルターユニットを使用する。フィルターユニットを1MのNaOHで少なくとも1時間殺菌し、次いでWFIで洗浄する。洗浄後、20mMのトリス−HCl、pH7.0を用いてフィルターユニットを平衡化する。試料を次いでロードし、1bar以下の膜貫通圧力でろ過する。ダイアフィルトレーションは、透過物の伝導率が2.5mS/cm未満になったら停止する。
EPOの酸性アイソフォームの濃縮およびQ−Sepharose HPでのアニオン交換クロマトグラフィーによる夾雑物のさらなる除去
Q−Sepharose HP樹脂でのアニオン交換クロマトグラフィーを、EPOの酸性アイソフォームの濃縮、夾雑物(例えば、DNA、HCP)のさらなる除去および第1カラムから浸出し得る任意の色素リガンドの除去のために使用する。加えて、アニオン交換クロマトグラフィーは、外来性ウイルス除去のための有効なステップである。したがって、ダイアフィルトレーション液を表4に明記するようにしてアニオン交換クロマトグラフィーにより処理し、続いてQ溶出液フラクションおよびフラクションプールの0.2μmろ過を行う。
Figure 2013505276
性能アニオン交換クロマトグラフィーのパラメータ
カラムにQ−Sepharose HP樹脂を充填する。充填後、カラムを理論段および非対称因子について検定する。カラムをWFIですすぎ、そして次に1MのNaOHで1時間殺菌する。殺菌後、カラムをWFIですすぐ。ローディング前に、カラムを20mMのトリス.HCl、1.0MのNaCl、pH7.0で平衡化し、続いて20mMのトリス.HCl、pH7.0.で平衡化する。試料をカラム上にロードし、カラムを20mMのトリス.HCl、pH7.0で洗浄する。20mMのトリス.HCl、0.5MのNaCl、pH7.0を用いて直線勾配で、試料を溶出させる。EPOを直線勾配によりフラクションとして集める。コアフラクションは負の勾配(UV)の最大ピークの約85%〜95%から始まり、UV値が最大ピークの約25%まで減少したら停止する。
各アニオン交換クロマトグラフィー溶出液フラクションを、0.2μmのフィルターユニットを用いてろ過する。フラクションを22±3℃で保持した後、インプロセス試験を実施しつつ、20時間まで滅菌使い捨てバッグ中でプールする(保持ステップI)。所望のアイソフォーム分布規格を達成するために、選択されたフラクションを合する必要がある。どのフラクションをプールするかを決定するために、フラクションの小規模試料を調製し、そしてキャピラリーゾーン電気泳動(CZE)により分析する。所望のアイソフォーム分布プロフィールに最も接近するフラクションの組み合わせを好ましくは選択し、これらのフラクションをさらなる精製のためにプールする。
使用の間、20mMのトリス.HCl、1MのNaCl、pH7.0ですすぎ、続いてWFIで洗浄することにより樹脂を再生する。カラムを次いで1MのNaOHで1時間殺菌し、そしてWFIで洗浄する。カラムを0.01MのNaOH中で貯蔵する。
クロマトグラフィー樹脂に関するさらなる情報は、製造業者のレギュラトリーサポートファイル(Representative GE Healthcare Q−Sepharose Regulatory Support File)で提供されている。
Ser126残基でグリコシル化されないEPO分子の排除およびC4樹脂を用いるRP−HPLCによる夾雑物の除去
C4樹脂を用いるRP−HPLCは、疎水性に基づいてEPOを潜在的な夾雑物から分離し、そして所望により、Ser126残基でグリコシル化されないEPO分子の量を減少させることもできる。加えて、このステップは第1カラムから浸出した可能性のある残存色素リガンドを除去する。ろ過されたアニオン交換クロマトグラフィーフラクションプールを、表5に明記するようにして、逆相クロマトグラフィーにより精製する。
Figure 2013505276
RP−HPLCの性能についてのパラメータ
カラムにC4樹脂を充填する。カラムをWFI中0.1%(v/v)のTFAで平衡化する。使用前に、段数および非対称因子を決定することにより、カラム性能を規定する。試料をカラム上にロードし、次いで表1および6に記載する直線勾配を用いて溶出させる。280nmでの吸収が0.01AUに達したら溶出液を集め、そして吸収が負の勾配上の最大ピークの40%〜45%まで減少したら停止する。溶出液をガラスビン中に集める。
記載するように、勾配は水/TFA0.1%(溶媒A)および水30%/アセトニトリル70%(v/v)/TFA0.1%(溶媒B)により形成される。特に、Q Sepharose HP溶出液の解凍されたフラクションのプールを試料として使用し、0.2μmのフィルターを通してろ過する。カラムを2カラム体積(CV)のMilli−Q水ですすぎ、4CVの溶媒Aで平衡化した後、試料をカラム上にロードし、勾配を表6にしたがって適用する。
Figure 2013505276
RP−HPLCの性能についての勾配
溶出液を50mlのフラクション中に集め、これを−20℃で貯蔵する。
使用の間、樹脂を再生し、理論段および非対称因子を測定することにより、カラムを
検定する。最初に、70%(v/v)のアセトニトリルから100%(v/v)のアセトニトリル勾配を使用してカラムを洗浄する。カラムを次いで100%(v/v)のアセトニトリルで洗浄する。100%(v/v)のアセトニトリルから60%(v/v)のアセトニトリルの勾配で洗浄することにより、アセトニトリル濃度を減少させ、カラムを次いで60%(v/v)のアセトニトリル中で貯蔵する。
クロマトグラフィー樹脂に関するさらなる情報は、製造業者のレギュラトリーサポートファイル(Representative Vydac C4 Resin Regulatory Support File)で提供されている。
アセトニトリル/TFA中EPOのインキュベーションによるウイルス不活性化
RP−HPLCステップ後に、溶出液を60〜180分間、22±3℃で保持する。溶出液中のアセトニトリル濃度は約41%(v/v)であり、TFA濃度は約0.1%(v/v)である。プロセスのこの段階中、保持温度および保持時間を制御する。
MacroPrep High Sを用いたカチオン交換クロマトグラフィーによるRP−HPLC溶媒および凝集したEPO種の除去
MacroPrep High S樹脂を使用したカチオン交換クロマトグラフィーを用いて、RP−HPLC溶媒および凝集した種を除去し、緩衝液をかなり短時間で交換する。表7で明記するように、RP−HPLC溶出液をカチオン交換クロマトグラフィーによって処理し、続いてMacroPrep溶出液の0.2μmろ過を行う。
Figure 2013505276
カチオン交換クロマトグラフィーを実施するためのパラメータ
カラムにMacroPrep High S樹脂を充填する。充填後、カラムを理論段および非対称因子について検定する。カラムをWFIですすぎ、次いで1MのNaOHで少なくとも1時間殺菌する。殺菌後、カラムをWFIですすぐ。ローディングの前に、カラムを100mMのグリシン.HCl、pH2.0でプレ平衡化し、次いで20mMのグリシン−HCl、pH2.0で平衡化する。試料をカラム上にロードし、カラムを20mMのグリシン−HCl、pH2.0で洗浄する。表1に記載する急勾配を用いて試料を溶出させる。280nmでの吸収が0.03AUに達したら溶出液を集め、吸収が0.03AUに達したら停止する。溶出液を滅菌使い捨てバッグ中で貯蔵する。カチオン交換クロマトグラフィー溶出液を、さらなる精製前および/または22±3℃で滅菌使い捨てバッグ中20時間までの保持時間を開始する前に、0.2μmのフィルターユニットを用いてろ過する。
使用の間、樹脂を再生する。カラムを10mMのNaPO、1.0MのNaCl、pH7.2で洗浄し、次いでWFIですすぐ。EPO凝集物は再生物中に溶出する。カラムを1MのNaOHで少なくとも1時間殺菌し、WFIですすぐ。カラムを0.01MのNaOH中で貯蔵する。
樹脂に関する更なる情報は、製造業者のレギュラトリーサポートファイル(Representative BioRad MacroPrep High S Regulatory Support File)で提供されている。
限外ろ過
場合によって、ろ過されたカチオン交換クロマトグラフィー溶出液を、10kDaカットオフの接線流ろ過ユニットを用いる限外ろ過によりさらに濃縮して、所望の体積減少を達成する。ろ過ステップに関する情報を表8に記載する。
Figure 2013505276
限外ろ過を実施するためのパラメータ
フィルターユニットを1MのNaOHで殺菌し、次いでWFIで洗浄する。洗浄後、10mMのNaPO、0.15MのNaCl、pH7.2の緩衝液を用いてフィルターユニットを平衡化させる。試料を次いでロードし、次いで22±3℃、0.7〜1.1barのフィード圧でろ過する。残余分を滅菌使い捨てバッグ中に集める。
Superdex S200 Prep Gradeを用いたサイズ排除クロマトグラフィーによる任意の残存EPO凝集物および他の夾雑物の除去
Superdex S200 prep gradeサイズ排除クロマトグラフィーは最終(ポリッシング)クロマトグラフィーステップであり、これを用い、残っている可能性のあるいかなる凝集物も除去し、原薬バルク溶液を処方する。限外ろ過(実施例7)後の濃縮物またはCEXクロマトグラフィー(実施例6)後の溶出液を、表9に明記するようにしてサイズ排除クロマトグラフィーにより処理し、続いて実施例9に記載するようにSE−HPLC溶出液の0.2μmろ過を行う。
Figure 2013505276
サイズ排除クロマトグラフィーを実施するためのパラメータ
カラムにSuperdex S200 prep grade樹脂を充填する。充填後、カラムを理論段および非対称因子について検定する。カラムを0.5MのNaOHで1時間殺菌し、次いでWFIですすぐ。ローディングの前に、カラムを100mMのNaPO、pH7.2でプレ平衡化し、次いで10mMのNaPO、0.15MのNaCl、pH7.2で平衡化する。試料をカラム上にロードし、280nmでの吸収が0.01AUを越えて増加したら溶出液を集め、そして吸収が0.01AUに達したら停止する。溶出液を滅菌使い捨てバッグ中に集める。サイズ排除クロマトグラフィー溶出液を、0.2μmのフィルターを用いてさらなる処理の前に滅菌使い捨てバッグ中にろ過する。
使用後、カラムをWFIで洗浄する。次いで0.5〜1MのNaOH(0.6CV)を用いて1時間カラムを殺菌し、0.01MのNaOH中で保存する。
樹脂に関するさらなる情報は、製造業者のレギュラトリーサポートファイル(Representative GE Healthcare Superdex Regulatory Support File)で提供されている。
ナノろ過によるEPO調製物からのウイルス除去
最後に、15nmナノろ過ステップを精製プロセスに含めて、原薬のウイルス安全性を増大させる。溶出液からウイルス外来性因子を除去する働きをするPlanova 15Nフィルターを用いて、サイズ排除クロマトグラフィー溶出濾液をナノろ過する。150mlの10mM NaPO、0.15M NaCl、pH7.2でフラッシュすることにより、ナノフィルターユニットを調製する。0.2μmろ過されたサイズ排除クロマトグラフィー溶出液をナノフィルターにポンプで通し、そして濾液を滅菌使い捨てバッグ中にプールする。
充填、貯蔵および輸送
充填プロセスは、EPO原薬製造プロセスの最終ステップである。最終容器を滅菌し、そして発熱物質を除去した後に充填する。ナノろ過されたフラクションを、蠕動ポンプを用いて30ml容積のサイズのバルク原薬貯蔵容器中に分注する。この操作を周囲温度の充填室中のラミナーフローフード(局所的保護)中で実施する。最終生成物の貯蔵は、70℃にて、例えばテフロンコーティングされたPPチューブ中で行うことができる。原薬を薬剤製品製造場所に移すことができ、バルク原薬の温度を輸送の間、ドライアイスを用いて−70℃未満に維持する。

Claims (29)

  1. グリコシル化エリスロポエチン(EPO)アイソフォームを複雑なタンパク質混合物から精製する方法であって、逆相(RP)クロマトグラフィーステップにより隔てられたアニオン交換クロマトグラフィーステップおよびカチオン交換クロマトグラフィーステップを含む、方法。
  2. 以下のステップ:
    (a)捕捉ステップとしてのアフィニティークロマトグラフィーステップ;
    (b)アニオン交換クロマトグラフィーステップ;
    (c)逆相(RP)クロマトグラフィーステップ;
    (d)カチオン交換クロマトグラフィーステップ
    を含む、請求項1記載の方法。
  3. 以下のステップ:
    (e)サイズ排除クロマトグラフィーステップ
    をさらに含む、請求項1または2記載の方法。
  4. 1以上のクロマトグラフィーステップにおけるEPOの溶出を段階または勾配溶出により実施する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. アニオン交換クロマトグラフィーステップを、ジエチルアミノエチル基(DEAE)、第4級アミノエチル基(QAE)、第4級アンモニウム基(Q)、ジメチルアミノエチル基(DMAE)および/またはトリメチルアミノエチル基(TMAE)を官能基として含むアニオン交換樹脂または膜を用いて実施する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. アニオン交換クロマトグラフィーステップを、市販のQ−Sepharoseを用いて実施する、請求項5記載の方法。
  7. 逆相(RP)クロマトグラフィーステップが逆相高性能液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. RP−HPLCを、メチル基、ブチル基、フェニル基、プロピル基および/またはオクチル基を官能基として含む樹脂を用いて実施する、請求項7記載の方法。
  9. RP−HPLCを、市販のC4逆相クロマトグラフィー材料を用いて実施する、請求項8記載の方法。
  10. カチオン交換クロマトグラフィーステップを、スルホプロピルカチオン交換材料を含む樹脂を用いて実施する、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. カチオン交換クロマトグラフィーステップを、市販のMacro−Prep High Sを用いて実施する、請求項10記載の方法。
  12. アフィニティークロマトグラフィーステップを、色素クロマトグラフィー樹脂を用いて実施する請求項2から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. アフィニティークロマトグラフィーステップを、市販のBlue−Sepharoseを用いて実施する、請求項12記載の方法。
  14. サイズ排除クロマトグラフィーステップを、Superdex、Sephacryl、Sephadex、Sepharose、Fractogel、Toyopearl、およびBio−Gelの群から選択されるゲルろ過媒体を用いて実施する、請求項3から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. サイズ排除クロマトグラフィーステップを、市販のSuperdex−S200を用いて実施する、請求項14記載の方法。
  16. アニオン交換クロマトグラフィーを使用して、EPOアイソフォームを選択する、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 約7.0のpHの20mMのトリス−HClを含む緩衝液中、0〜200mMのNaClの線形塩勾配を使用する、請求項16記載の方法。
  18. 逆相クロマトグラフィーステップを使用して、O−グリコシル化EPOを選択する、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. EPOを有機溶媒の直線勾配で溶出する、請求項18記載の方法。
  20. 0〜70%の水中アセトニトリルの直線勾配を使用し、溶媒が約0.1%のTFAを含む、請求項19記載の方法。
  21. アセトニトリルおよび約0.1%の水中TFAを含む溶媒でのEPOのアイソクラティック溶出を使用する、請求項20記載の方法。
  22. 1以上のクロマトグラフィーステップの前に、限外ろ過ステップ、および場合によって最終ステップとしてナノろ過ステップを含む、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 以下のステップ
    (a)捕捉ステップとしてのアフィニティークロマトグラフィーステップ;
    (b)アニオン交換クロマトグラフィーステップ;
    (c)逆相(RP)クロマトグラフィーステップ;
    (d)カチオン交換クロマトグラフィーステップ;
    (e)サイズ排除クロマトグラフィーステップ;
    (f)ナノろ過ステップ;ならびに
    (g)ステップ(a)、(b)および/または(e)の前の限外ろ過ステップ
    を含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
  24. EPOがヒト組換えEPOである、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. EPOが、CHO細胞で産生されるヒト組換えEPOである、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 請求項1から25のいずれかの方法により精製されるグリコシル化EPOアイソフォームの調製物。
  27. EPOがヒト組換えEPOである、請求項26記載の調製物。
  28. 非O−グリコシル化EPOアイソフォームを実質的に含まない、請求項26または27記載の調製物。
  29. 請求項27から29のいずれか一項に記載のEPO調製物を含む、医薬組成物。
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