JP2013167195A - 燃料ポンプ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】組付け部品に複数の結合部が近接しても、それらの相互干渉による組付け部品の寸法変化を抑えて、小型化要求と性能要求とを両立させ得る燃料ポンプ構造を提供する。
【解決手段】ポンプ本体に組み付けられるハウジング部材22は、互いに少なくとも一部で径方向に重なる複数の筒状部品51〜53によって構成され、これらの筒状部品51〜53は、相互の結合およびポンプ本体への結合のための複数の結合部61〜63を有し、特定の筒状部品52は、複数の結合部61〜63のうち、軸方向における結合位置が異なり内外周壁の両方側に位置する第1および第2の結合部61、62を有し、両結合部61、62が形成される特定の筒状部品51〜53の軸方向における結合領域Z1、Z2のうち少なくとも片方は、結合部61が形成される内周壁側とは反対の外周壁側で、隣接する他の筒状部品53に対し隙間嵌合している。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料ポンプ構造に関し、特に互いに結合する複数の筒状部品を用いて燃料通路を形成するとともに弁保持機構を構成している燃料ポンプ構造に関する。
車両用の内燃機関においては、気筒内に高圧燃料を直接噴射するものがあるが、このような内燃機関では、燃料を高圧に加圧して燃料噴射弁(インジェクタ)に供給する必要があることから、低圧燃料ポンプから給送される燃料を高圧燃料ポンプにより高圧に加圧する燃料供給システムが多用されている。
このような燃料供給システムにおいては、コンパクトさと信頼性が要求され、その高圧燃料ポンプには、小型化のために、少なくとも逆止弁機能を有する吸入弁および吐出弁をコンパクトに実装・保持することが要求される。
そこで、従来、例えば高圧燃料ポンプのポンプハウジング(ポンプボデー)と吐出弁を収納する吐出弁ハウジングとを別体に構成し、インジェクタ側の燃圧蓄圧器内の圧力を設定圧に制御することができる圧力リリーフ弁を、この吐出弁ハウジング内に実装して、吐出弁と共にポンプハウジングに組み付けるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、プランジャが摺動可能に支承されるシリンダとポンプハウジングとを異種金属で形成し、ポンプハウジングとシリンダとの間に形成される加圧室を互いの圧接面でシールするように、シリンダとポンプハウジングとを相対的に押圧する押圧機構を設けたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−218547号公報 特開2007−146862号公報
しかしながら、上述のような従来の燃料供給システムにあっては、高圧燃料ポンプの小型化のために、弁や摺動部品を高密度に配置するとともにそれらを収納するハウジング部材等の組付け部品をポンプボデー本体部にねじ結合や圧入嵌合等により結合し固定する燃料ポンプ構造が採用されていた。そのため、特に燃料が高圧となる吐出側のハウジング部材の固定部分において、そのハウジング部材の歪によって弁のシール性や摺動部品の摺動性能が低下することがあり、その場合、高圧燃料ポンプの燃料加圧性能や耐久性の低下を招いていた。
また、複数の筒状部品を圧入嵌合させたりねじ結合させたりして吐出弁ハウジングを構成すると、吐出弁ハウジング内にリリーフ弁を実装しても吐出弁ハウジングをコンパクトに構成できると考えられるが、そのような場合、ねじ結合部や圧入嵌合部あるいは溶接部等の複数の結合部が近接することになる。そのため、これら複数の結合部の相互干渉によってハウジング部材等の組付け部品の径方向の寸法変化が大きくなり、弁のシール性や摺動部品の摺動性能が低下することが懸念される。
すなわち、従来の燃料ポンプ構造にあっては、複数の結合部の相互干渉を抑えてポンプ性能を高めることと、複数の結合部が近接する実装形態としてポンプサイズの小型化の要求に応えることとが背反し、これらの要求を両立させることが困難であった。
そこで、本発明は、ハウジング部材等の組付け部品の固定部分に複数の結合部が近接しても、それらの相互干渉による組付け部品の寸法変化を抑えることができ、小型化要求と性能要求とを両立させることができる燃料ポンプ構造を提供するものである。
本発明は、上記課題の解決のため、(1)燃料通路と該燃料通路に接続する燃料加圧室とが形成されるとともに該燃料加圧室内の燃料を加圧する燃料加圧機構が装着されたポンプ本体と、可動部品を収納するとともに前記ポンプ本体に組み付けられたハウジング部材と、を備える燃料ポンプ構造であって、前記ハウジング部材は、互いに少なくとも一部で径方向に重なる複数の筒状部品によって構成され、前記複数の筒状部品は、相互の結合および前記ポンプ本体への結合のための複数の結合部を有するとともに、前記複数の筒状部品のうち特定の筒状部品は、前記複数の結合部のうち、該特定の筒状部品の軸方向における結合位置が異なり該特定の筒状部品の内外周壁の両方側に位置する第1および第2の結合部を有し、前記第1および第2の結合部が形成される前記特定の筒状部品の前記軸方向における第1および第2の結合領域のうち少なくとも片方は、前記第1および第2の結合部のうちいずれか片方が形成される前記内外周壁の片方側とは反対側で、隣接する他の筒状部品に対し隙間嵌合していることを特徴とする。
この構成により、特定の筒状部品は、その内外周壁の両方側で軸方向位置が異なる第1および第2の結合部によって内外の他の筒状部品に結合することになるが、第1および第2の結合領域のうち少なくとも1つの結合領域においては、内外周壁の片方側に第1および第2の結合部のうちいずれか片方が形成され、内外周壁の他の片方側(反対側)は、隣接する他の筒状部品に対し隙間嵌合する。したがって、第1および第2の結合部の間の径方向の重なりによる相互干渉が無くなることに加えて、第1および第2の結合部のうちいずれか片方の結合部における歪が隙間嵌合部分で緩和されることになり、複数の筒状部品からなるハウジング部材の径方向の寸法変化が抑制される。その結果、ハウジング部材等の組付け部品の固定部分に複数の結合部が近接しても、それらの相互干渉による組付け部品の寸法変化とそれによるシール性能の低下や摺動性の低下が抑えられ、燃料ポンプの小型化要求と性能要求とを両立させることができる燃料ポンプ構造となる。なお、ここにいういずれか片方の結合部は、第1および第2の結合部のうち歪の緩和が特に要求される方であるのが望ましい。また、第1および第2の結合部の双方の歪を緩和するようにこれらと軸方向および半径方向の位置が逆となる隙間嵌合部を設けてもよい。
本発明の燃料ポンプ構造は、好ましくは、(2)前記結合部の数が3つ以上であり、該3つ以上の結合部のうち前記径方向で隣り合う任意の一対の結合部は、前記軸方向位置が互いに異なっているものである。
したがって、径方向に隣り合う各一対の結合部の軸方向位置が同一となることがなく、
各結合部における歪が相互に干渉することが防止される。
上記(2)の構成を有する燃料ポンプ構造においては、(3)前記結合部が、前記径方向に隣り合う前記第1の結合部および前記第2の結合部と、前記第2の結合部に対し前記径方向で前記第1の結合部とは反対側に配置された第3の結合部とを含み、前記第3の結合部が、前記軸方向で前記第2の結合部より前記第1の結合部の近くに配置されていることが望ましい。
この場合、3つ以上の結合部は交互に軸方向位置を相違させるように配置されることになり、径方向に重なる結合部の数が多くなっても、ハウジング部材をコンパクトに構成することができる。しかも、隙間嵌合部分が形成される結合領域内で径方向に重なる複数の結合部の結合歪みが隙間嵌合部分で緩和されることになり、各筒状部品の肉厚の薄肉化も可能となるので、多重の結合となる場合に体格の最小化に有効となる。
上記(3)の構成を有する燃料ポンプ構造においては、(4)前記第3の結合部が、前記軸方向で前記第1の結合領域内に配置されているのがより好ましい。
この場合、3つ以上の結合部は交互に軸方向の2つの位置に配置されることになり、ハウジング部材をよりコンパクトに構成することができる。
本発明の燃料ポンプ構造においては、(5)前記第1の結合部および前記第2の結合部のうち少なくとも片方が、圧入嵌合部であることが好ましい。
この場合、少なくとも特定の筒状部品における内外周の片方側の圧入嵌合による歪を、特定の筒状部品の内外周の反対側で緩和することができ、特定の筒状部品の径寸法が他の筒状部品との結合歪の影響で変化するのを防止できる。
本発明の燃料ポンプ構造においては、(6)前記第1の結合部および前記第2の結合部のうち少なくとも片方が、ねじ結合部であることが好ましい。
この場合、少なくとも特定の筒状部品における内外周の片方側のねじ結合による歪を、特定の筒状部品の内外周の反対側で緩和することができ、特定の筒状部品の径寸法が他の筒状部品との結合歪の影響で変化するのを防止できる。
本発明の燃料ポンプ構造においては、(7)前記可動部品が、前記燃料加圧室からの燃料の吐出を許容する一方で前記燃料加圧室側への前記燃料の逆流を阻止する吐出弁体を含み、前記複数の筒状部品のうち前記特定の筒状部品に、前記吐出弁体が着座可能な吐出弁座が形成されていることが好ましい。
この場合、吐出弁を収納するハウジング部材をコンパクトに構成できる。
上記(7)に記載の構成を有する燃料ポンプ構造においては、(8)前記可動部品が、前記吐出弁体より下流側の燃料の圧力に応じて変位するリリーフ弁体を含み、前記複数の筒状部品のうち前記特定の筒状部品に、前記リリーフ弁体が着座可能なリリーフ弁座が形成されているのがより好ましい。
この場合、吐出弁およびリリーフ弁を収納するハウジング部材をコンパクトに構成できる。
上記(7)または(8)に記載の構成を有する燃料ポンプ構造においては、(9)前記吐出弁座の弁座面が前記軸方向と直交しているのが好ましい。
この場合、圧入嵌合やねじ結合等の結合による歪みが吐出弁の弁座面に影響し難く、非吐出期間における吐出弁のシール性を向上させることができる。
本発明によれば、第1および第2の結合部の径方向の重なりを回避しつつ片方の結合部における歪を軸方向同一領域内の隙間嵌合部分で緩和するようにしているので、複数の筒状部品からなるハウジング部材の径方向の寸法変化を抑制して、ハウジング部材等の組付け部品の固定部分に複数の結合部が近接しても、それらの相互干渉による組付け部品の寸法変化を抑えることができ、小型化要求と性能要求とを両立させることができる燃料ポンプ構造を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る燃料ポンプ構造を示すその燃料ポンプの断面図である。 本発明の一実施形態に係る燃料ポンプ構造の特徴部を拡大して示す要部拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る燃料ポンプ構造の特徴部における複数の結合部の配置状態の説明図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(一実施形態)
図1〜図3は、本発明の一実施形態に係る燃料ポンプ構造を有する内燃機関用の高圧燃料ポンプを示している。なお、本実施形態の高圧燃料ポンプ10は、車両に搭載される内燃機関、例えば筒内噴射式あるいはデュアル噴射式の多気筒のガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)に装備され、そのエンジンの燃料を高圧に加圧して吐出するプランジャポンプ型のものである。
図1に示す本実施形態の高圧燃料ポンプ10は、その吸入側で、図示しない低圧燃料ポンプ(フィードポンプ)に配管接続されており、低圧燃料ポンプによって燃料タンク内から汲み上げられた燃料を吸入するようになっている。低圧燃料ポンプは、例えばポンプインペラを駆動モータで回転駆動する電動式のウェスコポンプ等で構成されており、その単位時間当りの吐出量や吐出圧を変化させることができるようになっている。
また、高圧燃料ポンプ10は、その吐出側でデリバリーパイプを介して複数の筒内噴射用のインジェクタに配管接続されており、デリバリーパイプに対して高圧の燃料を圧送するようになっている。デリバリーパイプは、高圧燃料ポンプ10から吐出される高圧の燃料を貯留し蓄圧するもので、各気筒の筒内噴射用のインジェクタの開弁時に、そのインジェクタに高圧の燃料を分配・供給するようになっている。
図1に示すように、高圧燃料ポンプ10は、ポンプボデー11と、ポンプボデー11に対し軸方向に往復変位可能に設けられた略円柱状のプランジャ12(加圧部材)と、を有している。
ポンプボデー11には、低圧燃料ポンプからの燃料を吸入する吸入通路11a(低圧側燃料通路)と、内部で加圧された燃料をデリバリーパイプ側に吐出する吐出通路11b(高圧側燃料通路)とが形成されている。
プランジャ12は、その内端部12a(図1中の上側端部)でポンプボデー11の内部に摺動可能に挿入されている。また、プランジャ12が挿入されたポンプボデー11の内部には、吸入通路11aおよび吐出通路11bに接続する燃料加圧室13が画成されている。この燃料加圧室13は、プランジャ12の軸方向変位に応じてその容積を変化(増減、減少)させることで、燃料を吸入および吐出可能である。
ポンプボデー11の吸入通路11a上には、燃料加圧室13内への燃料の吸入を許容する一方で、燃料加圧室13から上流側への燃料の逆流を阻止する逆止弁機能を有する吸入弁14が設けられている。また、ポンプボデー11の吐出通路11b上には、燃料加圧室13からの燃料の吐出を許容する一方で、燃料加圧室13への下流側からの燃料の逆流を阻止する逆止弁機能を有する吐出弁15と、吐出弁15より下流側からの燃料の圧力が許容圧力範囲の上限に達すると吐出弁15をバイパスする燃料加圧室13側への逆流を許容して下流側の燃料圧力の異常な上昇を回避するリリーフ弁16と、が設けられている。
ポンプボデー11の吸入通路11aの一部は、低圧燃料ポンプからの燃料を貯留可能な所定容積の吸入ギャラリ室11g(燃料貯留室)となっており、吸入通路11aに導入される燃料は、この吸入ギャラリ室11gの内部にまず貯留されてから燃料加圧室13内に吸入されるようになっている。
プランジャ12は、図1中の下端部12b側で、図示しないローラ付きのロッカーアームを介して図外の駆動カムに係合している。この駆動カムは、少なくとも周方向の一箇所でその半径(リフト量)が他の箇所の半径より大きくなるカムプロフィール(例えば、楕円形または角が丸められた多角形のカムプロフィール)を有している公知のものである。この駆動カムは、例えばエンジンの排気カムシャフト(詳細図示せず)に一体に装着されており、エンジンの動力により駆動される。
ポンプボデー11の基端側には、それぞれボルト穴11cが形成された複数のフランジ部11f(図1中に1つだけ示す)と、図示しないヘッドカバー等のポンプ取付穴部に嵌入される嵌入部11hとが設けられており、ポンプボデー11は、複数のボルト穴11cに挿入された図示しない複数のボルトによってポンプ取付ケースに締結されている。
また、プランジャ12の他端部12bの近傍にはばね受け部12cが装着されており、このばね受け部12cとポンプボデー11の間には、圧縮コイルばね19(弾性部材)が圧縮状態で組み込まれている。この圧縮コイルばね19は、プランジャ12を駆動カム21に接近する側に付勢する弾性部材となっており、プランジャ12は、圧縮コイルばね19によって加圧室13の容積を増加させる方向(図1中で下向きの方向)に常時付勢されている。したがって、前記駆動カムが回転駆動されるとき、プランジャ12は、駆動カムの回転に応じて軸方向に往復変位する。
ポンプボデー11に挿入されたプランジャ12は、前述の駆動カムや圧縮コイルばね18、オイルシールホルダ19等と共に、燃料加圧室13内の燃料を加圧する燃料加圧機構17を構成している。そして、高圧燃料ポンプ10は、この燃料加圧機構17がポンプボデー11に装着されたポンプ本体20を有している。
また、ポンプ本体20には、その外方に突き出るように、筒状の吸入側ハウジング部材21と筒状の吐出側ハウジング部材22とが組み付けられている。
ポンプボデー11は、具体的には、主筒状部材31と、プランジャ12を軸方向に摺動可能に保持するとともに主筒状部材31の中心部に圧入された円筒状のシリンダ部材32と、フランジ部11fおよび嵌入部11hが一体に装着されるとともに主筒状部材31およびシリンダ部材32を支持する取付け部材33と、を含んで構成されている。
主筒状部材31およびシリンダ部材32は、吸入側ハウジング部材21と共に吸入通路11aを形成する一方で、吐出側ハウジング部材22と共に吐出通路11bを形成している。そして、主筒状部材31の図1中の左端側部分に吸入側ハウジング部材21がねじ結合した状態で、主筒状部材31の中心部に吸入弁14が保持されている。また、主筒状部材31の図1中の右端側部分にねじ結合した吐出側ハウジング部材22の内部に、吐出弁15およびリリーフ弁16が保持されている。
吸入弁14は、吸入通路11aへの燃料の導入を許容する一方で吸入通路11aに導入された燃料の逆流を規制する吸入弁体14aと、その吸入弁体14aを常時閉弁方向に付勢することで吸入弁14の開弁圧を規定する吸入弁ばね14bと、吸入弁ばね14bからの付勢力を受けた吸入弁体14aが着座・係合する吸入弁座14cと、によって構成されている。この吸入弁14は、その前後に所定の開弁差圧が生じるときに開弁し得る。
また、吸入側ハウジング部材21には、吸入弁14の吸入弁体14aを閉弁操作することができる電磁操作ユニット40が装着されている。
この電磁操作ユニット40は、吸入弁体14aに連結された操作部材41と、操作部材41を吸入弁ばね14bの閉弁方向の付勢力より大きな開弁方向の付勢力で吸入弁14の吸入弁体14aの開弁方向に付勢する圧縮コイルばね42と、操作部材41の図1中の上端部に固定された可動コア43と、可動コア43に対向する固定コア44と、固定コア44の外周を取り囲むように設けられ、通電により励磁されるときに固定コア44により可動コア43を吸引させる電磁力を発生させ、操作部材41を介して吸入弁14の吸入弁体14aを閉弁させる電磁コイル45と、によって構成されている。
したがって、電磁操作ユニット40は、吸入弁14を強制的に閉弁させる期間を制御することにより、プランジャ12による燃料加圧室13内の燃料の加圧期間を可変制御することができる。なお、吸入弁14は、燃料加圧室13内の燃料の圧力が吸入ギャラリ室11g内の燃料の圧力に対して所定の吸入弁開弁差圧、例えば数十kPaの差圧分だけ小さくなったときに開弁し得る。
図2および図3に示すように、吐出弁15は、吐出通路11bを開閉する吐出弁体15aおよび環状の吐出弁座15bと、所定の吐出圧(デリバリーパイプ内の燃料の圧力より所定の吐出弁開弁差圧分だけ高い圧力)に達するまで吐出弁体15aを吐出弁座15bに当接させる閉弁状態を保持する吐出弁ばね15c(弾性部材)とによって構成されている。ここで、吐出弁体15aが接触する吐出弁座15bの弁座面15sは、中間の筒状部品52の軸方向(中心軸線方向)に対し直交する円環状をなしている。
この吐出弁15は、燃料加圧室13内の燃料の圧力が吐出弁体15aより下流側の燃料の圧力(デリバリー圧)に対して予め設定された吐出弁開弁差圧(例えば数十kPaの差圧)だけ高圧となったときに開弁し得る。すなわち、プランジャ12が燃料加圧室13の容積を減少させるよう図1中の上方側に変位するとき、燃料加圧室13内の燃料が加圧されてその圧力が上昇し、吐出弁15の前後に吐出弁開弁差圧以上の差圧が生じることにより、吸入弁14の閉弁状態下で吐出弁15が開弁し得るようになっている。
リリーフ弁16は、吐出側ハウジング部材22内に吐出弁15をバイパスするように形成されたバイパス通路22w(詳細は後述する)上に設けられた球状のリリーフ弁体16aと、このリリーフ弁体16aによって閉止可能な環状のリリーフ弁座16bと、リリーフ弁体16aをリリーフ弁座16b側に付勢するリリーフ弁ばね16cと、によって構成されている。
このリリーフ弁16は、ポンプボデー11の内部であって燃料加圧室13の吐出側で吐出弁15をバイパスするバイパス通路22w上で、燃料加圧室13から下流側への吐出方向には常時閉弁し、下流側から燃料加圧室13側への逆流方向には開弁し得るようになっている。すなわち、リリーフ弁16は、吐出弁15より下流側の吐出通路11b中の燃料の圧力が燃料加圧室13内の燃料の圧力に対し所定の吐出弁開弁差圧より十分に大きい所定のリリーフ弁開弁差圧(例えば、最大吐出圧より数MPa大きい差圧)分だけ上回ったときに、開弁するようになっている。なお、ここにいう吐出弁開弁差圧より十分に大きいとは、デリバリーパイプ内の燃料圧力の脈動程度ではリリーフ弁16が開弁しない程度に大きいことを意味しており、所定のリリーフ弁開弁差圧は、デリバリーパイプ以降の各部品の配管限界圧力を保障し得る範囲内で設定されている。
図1に戻り、前述の電磁操作ユニット40は、エンジンの動力により前記駆動カムが駆動されてプランジャ12のリフト量が周期的に変化するとき、図外の電子制御ユニット(ECU)によりその通電を制御されるようになっている。そして、インジェクタからの燃料噴射によってデリバリーパイプ内の実燃料圧力が予め設定されたデリバリー圧より低下すると、ECUがその実燃料圧力を検出する燃圧センサの検出情報に基づいて、プランジャ12のリフト量が増加する期間(燃料の加圧が可能な所定のクランク角度期間)中に電磁操作ユニット40の電磁コイル45に通電し、吸入弁14を閉弁させて、燃料加圧室13からデリバリーパイプ内に高圧燃料を圧送させるようになっている。
なお、吸入弁14が開弁している期間中は、駆動カムの回転に伴ってプランジャ12のリフト量が増加し、燃料加圧室13の容積が縮小するときには燃料加圧室13内の燃料が吸入通路11a側に漏出するため、燃料加圧室13内の燃料が高圧の燃料圧力レベルにまで加圧されない状態(非加圧状態)となる。
上述のように、本実施形態の高圧燃料ポンプ10は、燃料通路である吸入通路11aおよび吐出通路11bとこれらに接続する燃料加圧室13とが形成されたポンプボデー11に燃料加圧機構17が装着されたポンプ本体20と、可動部品である吸入弁14、吐出弁15およびリリーフ弁16を収納するとともにポンプ本体20に組み付けられた吸入側ハウジング部材21および吐出側ハウジング部材22(組付け部品)とを備える燃料ポンプ構造を有している。
ここで、吐出側ハウジング部材22は、図2に示すように、互いに少なくとも一部で径方向に重なる複数の筒状部品51、52、53によって、吐出弁15およびリリーフ弁16を収納・保持する弁保持機構を構成している。
主筒状部材31内に位置する内側の筒状部品51は、吐出通路11bの上流端部分を形成する内周壁51aと、径方向に隣り合う中間の筒状部品52の基端側内周壁52aに圧入嵌合する外周壁51bと、内周壁51aの上流端側でリリーフ弁16の弁ばね16cの一端を支持するばね受け部51cと、吐出通路11bの一部を構成する複数の放射方向連通孔51dと、有している。
径方向で内外の筒状部品51、53の間に位置する中間の筒状部品52は、圧入結合された2つの有底のセグメント54、55からなる。
図2および図3に示すように、基端側セグメント54は、基端側内周壁52aを有する基端側凹部54aと、その基端側凹部54aの内奥部に形成されたリリーフ弁16のリリーフ弁座16bと、このリリーフ弁座16bの周りで基端側凹部54a内に連通するとともに吐出弁15の環状の吐出弁座15bの内方に開口するようセグメント54の軸方向に延在する吐出側内通路54bと、を有している。また、基端側セグメント54は、外側の筒状部品53の基端側内周壁53aに所定の環状隙間を隔てて対抗する中間外周面54cと、リリーフ弁座16b内に開口するとともに中間外周面54c上に開口するリリーフ側内通路54dと、外側の筒状部品53の基端側内周壁53aに対し軸方向の一部の範囲(図3中の結合領域Z2)内で圧入嵌合され、軸方向の残部の範囲内で隙間嵌合している基端側外周壁54eと、を有している。
先端側セグメント55は、吐出弁15の吐出弁体15aおよび吐出弁ばね15cを収納する吐出通路11bの中間部分を形成する内周壁55aと、外側の筒状部品53の中間内周面53bに対し所定の環状隙間を隔てて対向する中間外周面55bと、内周壁55aの下流端側で吐出弁15の吐出弁ばね15cの一端を支持する環状内突形状のばね受け部55cとを有している。また、先端側セグメント55には、基端側セグメント54の中間外周面54cと外側の筒状部品53の基端側内周壁53aとの間の環状の隙間56aを、吐出弁15の吐出弁体15aより下流側の吐出通路11bに連通させる複数の切欠き55eが形成されている。ここにいう吐出弁15の吐出弁体15aより下流側の吐出通路11bは、内周壁55aにより形成される吐出通路11bの中間部分と、先端側セグメント55の中間外周面55bと外側の筒状部品53の中間内周面53bとの間の環状の隙間56bとの双方からなる。また、切欠き55eは、先端側セグメント55を基端側拡径部分55fの近傍で内外に貫通する複数の長穴状のものである。
外側の筒状部品53は、基端側内周壁53aと中間内周面53bとを異なる内径にした段付形状を有しており、その基端側外周部に主筒状部材31にねじ結合可能な基端側ねじ部53cを有している。また、外側の筒状部品53の外周部には、ねじ結合時の回転操作用の例えば六角形の拡径部53hxが一体に設けられている。なお、外側の筒状部品53は、その先端側(図2中の右端側)の外周部にもデリバリーパイプへの配管接続のための接続用ねじ部を有していてもよい。
一方、図2および図3に示すように、複数の筒状部品51〜53は、相互の結合のための複数の結合部61、62と、ポンプ本体20への結合のための外側の結合部63とを有している。なお、本実施形態においては、複数の結合部61〜63の数は、3つであるが、勿論3つ以上であってもよい。
複数の筒状部品51〜53のうち特定の筒状部品、例えば半径方向で内外の筒状部品51、53の間に位置する中間の筒状部品52は、複数の結合部61〜63のうち第1および第2の結合部となる内側の結合部61および中間の結合部62を有している。これら内側および中間の結合部61、62は、特定の筒状部品52の軸方向における結合位置が互いに異なるとともに、特定の筒状部品52の図2中左端側の内外周壁の両方側に位置している。そして、これら特定の筒状部品52は、内側および中間の結合部61、62が形成される2つの結合領域Z1、Z2を軸方向の異なる位置に有している。
これら2つの結合領域Z1、Z2のうち少なくとも片方、例えば内側の結合部61(内側および中間の結合部61、62のうちいずれか片方)が形成される結合領域Z1(第1の結合領域)は、内側の結合部61が形成されるその内周壁(内外周壁の片方)側とは反対側であって、基端側セグメント54の基端側外周壁54eの軸方向の残部の範囲(図3中の結合領域Z1)内で、隣接する他の筒状部品である外側の筒状部品53に対し隙間嵌合している。以下、この基端側セグメント54の基端側外周壁54eが外側の筒状部品53の基端側内周壁53aに対し隙間嵌合している部分を、隙間嵌合部分Fcという。
また、複数の結合部61〜63は、特定の筒状部品52の径方向に隣り合う内側の結合部61および中間の結合部62と、中間の結合部62に対し特定の筒状部品52の径方向で内側の結合部61とは反対側の外側に配置された外側の結合部63(第3の結合部)と、を含んでいる。
複数の結合部61〜63のうち径方向で隣り合う任意の一対の結合部、例えば内側の結合部61および中間の結合部62は、それらの結合位置が特定の筒状部品52の軸方向にずらして配置されており、各結合部61、62の長さ領域の半分(好ましくは、2/3)以上がそれぞれ径方向に隣り合う結合部62、63と重なることがないように配置されている。また、外側の結合部63は、特定の筒状部品52の軸方向で中間の結合部62より内側の結合部61の近くに配置されている。例えば、外側の結合部63による外側の筒状部品53のポンプ本体20への結合領域Z3(図3参照)は、軸方向において、特定の筒状部品52の外側の結合領域Z2からは外れ、特定の筒状部品52の内側の結合領域Z1とは部分的に重複するように配置されている。
すなわち、複数の結合部61〜63のうち径方向で隣り合う任意の一対の結合部、例えば中間の結合部62および外側の結合部63も、それらの軸方向位置が互いに異なっており、各結合部62、63の長さ領域の半分以上がそれぞれの径方向に隣り合う結合部62、61と重なることがないようになっている。したがって、径方向に重なる複数の結合部61〜63は、軸方向に交互に前後する配置形態となっている。
ここで、軸方向位置が異なり径方向に隣り合う任意の一対の結合部のうち少なくとも片方、例えば内側の結合部61および中間の結合部62の両方は、それぞれ圧入嵌合部となっている。
また、軸方向における結合位置が異なり径方向に隣り合う任意の一対の結合部、例えば軸方向位置が異なる中間の結合部62および外側の結合部63のうち片方の外側の結合部63は、ねじ結合部となっている。これら各一対の結合部61、62あるいは62、63は、本発明にいう第1および第2の結合部に相当するものであり、複数の結合部61〜63のうち残りの結合部63または61が、本発明にいう第3の結合部に相当する。なお、外側の筒状部品53の基端側ねじ部53cのうち大半は外側の結合部63を構成するが、外側の筒状部品53は、中間の結合部62の形成領域Z2と重複する軸方向範囲外に他のねじ部分を有していてもよい。
上述のように、ポンプ本体20に組み付けられた吐出側ハウジング部材22には、可動部品である吐出弁15の吐出弁体15aやリリーフ弁16のリリーフ弁体16aが収納されている。そして、複数の筒状部品51〜53のうち中間の特定の筒状部品52に、吐出弁体15aが着座可能な吐出弁座15bが形成されるとともに、リリーフ弁体16aが着座可能なリリーフ弁座16bが形成されている。
また、リリーフ弁体16aをリリーフ弁座16bに付勢するリリーフ弁ばね16cが、特定の筒状部品52の基端側に圧入嵌合する内側の筒状部品51によって保持されるとともに、吐出弁体15aを吐出弁座15b側に付勢する吐出弁ばね15cが特定の筒状部品52の先端側セグメント55によって保持されている。したがって、吐出弁15を中間の筒状部品52に予め組み付けた状態で、中間の筒状部品52を外側の筒状部品53に圧入することもできるし、吐出弁15およびリリーフ弁16を共に中間の筒状部品52に予め組み付けた状態で、中間の筒状部品52を外側の筒状部品53に圧入することもできる。
なお、図2中の点線L1は、吐出側ハウジング部材22内の吐出通路11bに沿った加圧燃料の流れの経路を示している。この場合、内側の筒状部品51の放射方向連通孔51dから内側の筒状部品51の内部を通って基端側セグメント54の基端側凹部54a内に入った燃料は、その基端側凹部54aの内奥側の吐出側内通路54bを通って吐出弁15の環状の吐出弁座15bの内方に入り、吐出弁15の開弁時に、先端側セグメント55の切欠き55eおよび環状の隙間56bを通ってデリバリーパイプ側に吐出される。また、図2中の二点鎖線L2は、デリバリーパイプ側が異常に高まりリリーフ弁16が開弁されるときの燃料圧力の解放経路を示しており、この解放経路中にバイパス通路22wが含まれている。ここで、バイパス通路22wは、先端側セグメント55の周りの環状の隙間56bと、先端側セグメント55の周りの環状の隙間56aと、この隙間56aからリリーフ弁座16bの内方に連通するリリーフ側内通路54dとによって構成され、吐出弁15の閉弁状態でリリーフ弁16が開弁するときにバイパス通路として機能するようになっている。
次に、作用について説明する。
上述のように構成される本実施形態の燃料ポンプ構造では、中間の筒状部品52が、その内外周壁の両方側で軸方向位置が異なる内側および中間の結合部61、62によって内外の他の筒状部品51、53に結合している。
この状態において、中間の筒状部品52の2つの結合領域Z1、Z2のうち少なくとも1つの結合領域、例えば一方の結合領域Z1は、内周壁側に第1の結合部61が形成されており、反対側である外周壁側では、隣接する外側の筒状部品53に対し隙間嵌合している。
したがって、内側および中間の結合部61、62の径方向の重なりによる悪影響がないことに加えて、内側の結合部61における圧入嵌合による結合歪が、中間の筒状部品52の基端側セグメント54の基端側外周壁54eと外側の筒状部品53の基端側内周壁53aとの間の隙間嵌合部分Fcで緩和される。また、内側の結合部61と軸方向の同一結合領域Z1内で径方向に重なる外側の結合部63における結合歪も結合領域Z1内の隙間嵌合部分Fcで緩和される。これにより、隙間嵌合部分Fcを緩衝域として多重の結合部61〜63の相互の悪影響を確実に回避でき、複数の筒状部品51〜53からなる吐出側ハウジング部材22における結合部61〜63の径方向の寸法変化を抑制できることになる。しかも、各筒状部品51〜53の基端側における肉厚の薄肉化も可能となるので、多重の結合構造となる場合に吐出側ハウジング部材22の体格の最小化に有効となる。
その結果、吐出側ハウジング部材22の固定部分に複数の結合部61〜63が近接しても、それらの相互干渉による寸法変化を抑えることができ、吐出弁15やリリーフ弁16のシール性の低下あるいはその弁体15a、16aその他の摺動部品の摺動性能の低下を防止することができる。よって、高圧燃料ポンプ10の燃料加圧性能や耐久性の低下を招くことがなく、高圧燃料ポンプ10の小型化要求と性能要求とを両立させることができる燃料ポンプ構造となる。
また、本実施形態では、3つ以上の結合部のうち径方向で隣り合う任意の一対の結合部61、62あるいは62、63が、それらの軸方向位置を互いに異ならせたものとなっていることから、径方向に隣り合う各一対の結合部61、62あるいは62、63の軸方向位置が同一となることがなく、各結合部61〜63における歪が相互に干渉することが防止される。
さらに、本実施形態では、複数の結合部61〜63が、径方向に隣り合う内側の結合部61および中間の結合部62と、中間の結合部62に対し径方向で内側の結合部61とは反対側に配置された外側の結合部63とを含み、その外側の結合部63が、軸方向で中間の結合部62よりも内側の結合部61の近くに配置されている。したがって、3つ以上の結合部61〜63は交互に軸方向位置を相違させるように配置されることになり、径方向に重なる結合部61〜63等の数が多くなっても、吐出側ハウジング部材22等の組み付け部品をコンパクトに構成できることになる。
特に、本実施形態では、外側の結合部63が、軸方向で内側の結合部61が形成される結合領域Z1内に配置されているので、3つ以上の結合部61〜63は交互に軸方向の2つの位置に配置されることになり、吐出側ハウジング部材22をよりコンパクトに構成することができる。
加えて、内側および中間の結合部61、62の両方が圧入嵌合部であり、外側の結合部63がねじ結合部であるので、少なくとも中間の筒状部品52における内周側の圧入嵌合による歪を、中間の筒状部品52の外周側で緩和することができ、特定の筒状部品52の内側の筒状部品51(または外側の筒状部品53)との圧入嵌合部の径寸法が外側の他の筒状部品53(または内側の他の筒状部品51)との結合歪の影響で変化するのを防止できることになる。
このことは、外側の筒状部品53についてもいうことができる。すなわち、中間および外側の結合部62、63が圧入嵌合部およびねじ結合部であり、中間の結合部62に対応する中間の筒状部品52の結合領域Z2内においては、外側の結合部63のねじ結合領域から外れており、外側の筒状部品53の外周側における結合強度が小さい領域となるから、外側の筒状部品53における内周側の圧入嵌合および外周側のねじ結合による歪を、外側の筒状部品53の内周側で緩和することができ、外側の筒状部品53のポンプ本体20とのねじ結合部63の径寸法が内側の他の筒状部品52との圧入嵌合による結合歪の影響で変化するのを防止できることになる。
また、本実施形態では、複数の筒状部品51〜53のうち特定の筒状部品52に、吐出弁体15aが着座可能な吐出弁座15bと、リリーフ弁体16aが着座可能なリリーフ弁座16bとが、それぞれ形成されているので、吐出弁15およびリリーフ弁16を収納する吐出側ハウジング部材22をコンパクトに構成できる。
さらに、本実施形態では、吐出弁座15bの弁座面15sが中間の筒状部品52の軸方向に対し直交しているので、中間の筒状部品52の内外周両側の圧入嵌合や外側の筒状部品53のねじ結合による歪みが、吐出弁15の弁座面15sに影響し難く、非吐出期間における吐出弁15のシール性を十分に向上させることができる。
このように、本実施形態においては、軸方向の同一結合領域Z1内で径方向に重なる内側および外側の結合部61、63における結合歪が隙間嵌合部分Fcで緩和され得るようにしているので、複数の筒状部品51〜53の多重結合部を有する吐出側ハウジング部材22の径方向の寸法変化を抑制して、吐出側ハウジング部材22の固定部分に複数の結合部61〜63が近接しても、それらの相互干渉による組付け部品の寸法変化を抑えてシールや摺動部品の性能低下を防止することができ、小型化要求と性能要求とを両立させることができる燃料ポンプ構造を提供することができる。
このような本発明の作用効果は、軸方向における同一の結合領域内で径方向に重なる結合部の数が多くなる場合に有効であり、コンパクトなポンプ構造を得ることができる。
なお、上述の一実施形態では、複数の筒状部品51〜53は環状の結合部61から63を有するものとしたが、径方向の結合部が2重になるものや、4重以上になる場合であっても、本発明を適用できる。
また、結合部は、上述の一実施形態では圧入嵌合部およびねじ結合部としたが、溶接による結合部やバンド等による締付け結合部のように、結合による歪みを生じ得る結合部であれば、異なる結合方式による結合部を有するものであってよい。したがって、隙間嵌合部は、隙間嵌めのように一様な隙間を有するものである必要は無く、近接する結合部の結合による歪の緩和に有効な形態であれば、外側の結合部63以外のねじ部53cのようなねじ結合部におけるねじ溝等に形成される隙間でもよい。セレーション嵌合等の場合、隙間嵌合部は、圧入セレーション嵌合により強固に結合する第1および第2の結合部に対し、嵌合代が十分(例えば数分の一程度以下)に小さくなっていればよい。すなわち、結合強度が高まると結合のための寸法変化(変形量)も大きくなるような結合部を有する場合、第1および第2の結合部は、その結合強度が相対的に十分に大きく、隙間嵌合部は、その結合強度が相対的に十分に小さいものとなる。ここにいう結合強度は、例えば抜去力であるが、ねじ結合であれば例えば脱出トルクである。
また、中間の筒状部品52の先端側セグメント55を外側の筒状部品53と一体の一体部品として構成し、隙間56bに代わるバイパス通路22wの一部をその一体部品に穿設してもよい。
以上説明したように、本発明に係る燃料ポンプ構造は、複数の筒状部品の径方向に隣り合う複数の結合部における歪が軸方向の同一領域内で径方向に重なる隙間嵌合部分で緩和されるようにしている。したがって、複数の筒状部品からなるハウジング部材の径方向の寸法変化を抑制して、組付け部品の固定部分に複数の結合部が近接してもそれらの相互干渉による組付け部品の寸法変化を抑えることができ、小型化要求と性能要求とを両立させることができる燃料ポンプ構造を提供することができる。このような本発明は、互いに結合する複数の筒状部品を用いて燃料通路を形成するとともに弁保持機構を構成している燃料ポンプ構造全般に有用である。
10 高圧燃料ポンプ(燃料ポンプ)
11 ポンプボデー
11a 吸入通路
11b 吐出通路
11g 吸入ギャラリ室
12 プランジャ
13 燃料加圧室
14 吸入弁
15 吐出弁
15b 吐出弁座
15s 弁座面
16 リリーフ弁
16b リリーフ弁座
17 燃料加圧機構
20 ポンプ本体
21 吸入側ハウジング部材
22 吐出側ハウジング部材
31 主筒状部材
32 シリンダ部材
33 取付け部材
40 電磁操作ユニット
51 筒状部品(第1の筒状部品、第3の筒状部品)
51a 内周壁
51b 外周壁
52 筒状部品(特定の筒状部品、第2の筒状部品)
52a、53a 基端側内周壁
52b 外周壁
53 筒状部品(第3の筒状部品、第1の筒状部品、他の筒状部品)
53b 中間内周面
61 内側の結合部(第1の結合部)
62 中間の結合部(第2の結合部)
63 外側の結合部(第3の結合部)
Z1、Z2 結合領域(第1、第2の結合領域)

Claims (9)

  1. 燃料通路と該燃料通路に接続する燃料加圧室とが形成されるとともに該燃料加圧室内の燃料を加圧する燃料加圧機構が装着されたポンプ本体と、可動部品を収納するとともに前記ポンプ本体に組み付けられたハウジング部材と、を備える燃料ポンプ構造であって、
    前記ハウジング部材は、互いに少なくとも一部で径方向に重なる複数の筒状部品によって構成され、
    前記複数の筒状部品は、相互の結合および前記ポンプ本体への結合のための複数の結合部を有するとともに、
    前記複数の筒状部品のうち特定の筒状部品は、前記複数の結合部のうち、該特定の筒状部品の軸方向における結合位置が異なり該特定の筒状部品の内外周壁の両方側に位置する第1および第2の結合部を有し、
    前記第1および第2の結合部が形成される前記特定の筒状部品の前記軸方向における第1および第2の結合領域のうち少なくとも片方は、前記第1および第2の結合部のうちいずれか片方が形成される前記内外周壁の片方側とは反対側で、隣接する他の筒状部品に対し隙間嵌合していることを特徴とする燃料ポンプ構造。
  2. 前記結合部の数が3つ以上であり、
    該3つ以上の結合部のうち前記径方向で隣り合う任意の一対の結合部は、前記軸方向位置が互いに異なっていることを特徴とする請求項1に記載の燃料ポンプ構造。
  3. 前記結合部が、前記径方向に隣り合う前記第1の結合部および前記第2の結合部と、前記第2の結合部に対し前記径方向で前記第1の結合部とは反対側に配置された第3の結合部とを含み、
    前記第3の結合部が、前記軸方向で前記第2の結合部より前記第1の結合部の近くに配置されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料ポンプ構造。
  4. 前記第3の結合部が、前記軸方向で前記第1の結合領域内に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の燃料ポンプ構造。
  5. 前記第1の結合部および前記第2の結合部のうち少なくとも片方が、圧入嵌合部であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれか1の請求項に記載の燃料ポンプ構造。
  6. 前記第1の結合部および前記第2の結合部のうち少なくとも片方が、ねじ結合部であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちいずれか1の請求項に記載の燃料ポンプ構造。
  7. 前記可動部品が、前記燃料加圧室からの燃料の吐出を許容する一方で前記燃料加圧室側への前記燃料の逆流を阻止する吐出弁体を含み、前記複数の筒状部品のうち前記特定の筒状部品に、前記吐出弁体が着座可能な吐出弁座が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のうちいずれか1の請求項に記載の燃料ポンプ構造。
  8. 前記可動部品が、前記吐出弁体より下流側の燃料の圧力に応じて変位するリリーフ弁体を含み、前記複数の筒状部品のうち前記特定の筒状部品に、前記リリーフ弁体が着座可能なリリーフ弁座が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の燃料ポンプ構造。
  9. 前記吐出弁座の弁座面が前記軸方向と直交している請求項7または請求項8に記載の燃料ポンプ構造。
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