JP2013164090A - 捩り振動減衰装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】捩り振動減衰装置の回転時にトルク伝達部材の一端部を常時、カム部材のカム面に接触させることができ、捩れ特性が悪化するのを防止することができる捩り振動減衰装置を提供すること。
【解決手段】捩り振動減衰装置1は、プレート32の延在方向一端部が、ディスクプレート8、9の円周方向において回動軸10よりもアーム部材17の一端部17a側に位置してアーム部材17の半径方向外周部に取付けられるとともに、プレート32の延在方向他端部にマス部材33が設けられ、支持軸34がディスクプレート8、9の円周方向において回動軸10に対してアーム部材17の一端部17a側に位置される。
【選択図】図3

Description

本発明は、捩り振動減衰装置に関し、特に、車両の内燃機関と駆動伝達系の変速機との間に介装され、第1の回転部材と第2の回転部材との間でトルクが伝達されるように第1の回転部材と第2の回転部材とをトルク伝達部材および弾性部材を介して相対回転自在に連結した捩り振動減衰装置に関する。
従来から内燃機関や電動モータ等の駆動源と車輪等とを変速機等を有する駆動伝達系を介して連結し、駆動源から駆動伝達系を介して車輪に動力を伝達している。ところが、駆動源に連結される駆動伝達系は、例えば、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動によってジャラ音やこもり音が発生する。
ジャラ音とは、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動によって、駆動伝達系に設けられた変速機を構成する変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラジャラという異音のことである。また、こもり音は、内燃機関のトルク変動を起振力とする駆動伝達系の捩り共振による振動によって車室内に発生する異音のことであり、駆動伝達系の捩れ共振は、例えば、定常域に存在する。
従来から内燃機関や電動モータ等の駆動源と車輪等とを連結して駆動源からのトルクを伝達するとともに、駆動源と変速歯車組を有する駆動伝達系との間の捩り振動を吸収する捩り振動減衰装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この捩り振動減衰装置は、外周部にカム面を有し、カム面の曲率が円周方向に沿って変化するように構成されたカム部材と、カム部材と同一軸線上に設けられ、カム部材に対して相対回転自在な一対のディスクプレートと、カム部材と一対のディスクプレートとの間に設けられ、カム部材と一対のディスクプレートとが相対回転したときに弾性変形する弾性部材とを備えている。
また、この捩り振動減衰装置は、一端部がカム部材のカム面に接触するとともに他端部が弾性部材に付勢され、カム部材と一対のディスクプレートとが相対回転したときに、前記一対のディスクプレートに設けられた回動支点部を中心に回動して弾性部材を弾性変形させることにより、カム部材と一対のディスクプレートとの間でトルクを伝達する屈曲形状のアーム部材を備えている。
この捩り振動減衰装置にあっては、カム部材の回転に伴ってアーム部材が回動して弾性部材を弾性変形させることにより、カム部材と一対のディスクプレートとの捩れ角の範囲を広角化することができる。
このため、カム部材と一対のディスクプレートとの捩れ剛性を全体的に低くすることができ、ジャラ音やこもり音を充分に減衰して振動の減衰性能を向上させることができる。
WO2011/067815号公報
しかしながら、このような従来の捩り振動減衰装置にあっては、アーム部材の一端部がカム部材のカム面に接触する構成となっているため、内燃機関から捩り振動減衰装置に入力される振動によって、アーム部材の一端部がカム部材のカム面から離れてしまい、アーム部材の一端部がカム部材のカム面に常時、接触しないおそれがある。
このため、アーム部材の一端部がカム部材のカム面に接触した状態では、一対のディスクプレートから弾性部材およびアーム部材を介してカム部材にトルクを伝達することができるが、アーム部材の一端部がカム部材のカム面から離隔した状態では、アーム部材からカム部材にトルクを伝達することができない。
特に、内燃機関から捩り振動減衰装置に入力される振動は、内燃機関の回転数が増大するのに伴って大きくなるため、内燃機関の高回転時にアーム部材の一端部がカム部材のカム面から離隔し易くなる。
このため、内燃機関から入力される振動によってアーム部材の一端部がカム部材のカム面に接触した状態と、カム部材のカム面から離隔した状態とを繰り返すことにより、一対のディスクプレートとカム部材とが捩れたときにトルクの追従性が悪化してしまう。
したがって、図13に実線で示す正常な捩れ特性に対して、破線で示すように捩れ特性の乱れが発生して捩り振動減衰装置の捩れ特性が悪化してしまう。この結果、車両のドライバビリティが悪化してしまうおそれがある。
なお、図13に示す捩れ特性は、一対のディスクプレートとカム部材のカム面との捩れ角に対してカム部材から出力されるトルクを示している。
また、アーム部材の一端部がカム部材のカム面から離隔した状態からカム部材のカム面に接触した状態に変位すると、アーム部材がカム部材のカム面に衝突することになるため、打音が発生してしまうおそれがある。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、捩り振動減衰装置の回転時にトルク伝達部材の一端部を常時、カム部材のカム面に接触させることができ、捩れ特性が悪化するのを防止することができる捩り振動減衰装置を提供することを目的とする。
本発明に係る捩り振動減衰装置は、上記目的を達成するため、(1)第1の回転部材と、前記第1の回転部材と同一軸線上に設けられ、前記第1の回転部材に対して相対回転自在な第2の回転部材と、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間に設けられ、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とが相対回転したときに弾性変形することにより、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間でトルクを伝達する弾性部材と、前記第1の回転部材と一体回転するように前記第1の回転部材に設けられ、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の捩れ角の変化に伴って曲率の変化するカム面を有するカム部材と、一端部が前記カム部材の前記カム面に接触するとともに他端部が前記弾性部材の延在方向一端部に接触し、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とが相対回転したときに、前記第2の回転部材に設けられた回動軸を中心に回動して前記弾性部材を弾性変形させることにより、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間でトルクを伝達するトルク伝達部材とを備えた捩り振動減衰装置であって、前記第2の回転部材に設けられた支持軸に回動自在に取付けられた押圧部材を備え、前記押圧部材の延在方向一端部が、前記第2の回転部材の円周方向において前記回動軸よりも前記トルク伝達部材の一端部側に位置して前記トルク伝達部材の半径方向外周部に延在し、前記押圧部材の延在方向他端部に質量体が設けられ、前記支持軸が、前記第2の回転部材の円周方向において前記回動軸に対して前記トルク伝達部材の一端部側に位置するものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、カム部材の回転に伴ってカム部材がアーム部材を介して弾性部材を押圧して弾性部材からアーム部材への反力を変化させることにより、第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ角の範囲を広角化して第1の回転部材と第2の回転部材とのの間でトルクを伝達することができる。このため、第1の回転部材と第2の回転部材の捩れ剛性を全体的に低くすることができ、振動の減衰性能を向上させることができる。
また、この捩り振動減衰装置は、押圧部材の延在方向一端部が、第2の回転部材の円周方向において回動軸よりもトルク伝達部材の一端部側に位置してトルク伝達部材の半径方向外周部に延在するとともに、押圧部材の延在方向他端部に質量体が設けられ、支持軸が回動軸に対してトルク伝達部材の一端部側に位置するように構成される。このため、捩り振動減衰装置の回転数が増大するのに伴って遠心力が発生すると、質量体が第2の回転部材の半径方向外方に移動する。
質量体が第2の回転部材の半径方向外方に移動すると、押圧部材の延在方向一端部が支持軸を支点にしてテコの原理によってトルク伝達部材を半径方向内方に押圧する。支持軸は、第2の回転部材の円周方向において回動軸に対してトルク伝達部材の一端部側に位置するので、押圧部材の一端部がトルク伝達部材を半径方向内方に押圧すると、トルク伝達部材の延在方向一端部がカム部材のカム面に押し付けられる。
このため、トルク伝達部材の一端部がカム部材のカム面に常時、押し付けられ、第2の回転部材から弾性部材およびトルク伝達部材を介してカム部材にトルクを伝達することができる。この結果、捩り振動減衰装置の捩れ特性が悪化するのを防止することができる。
また、トルク伝達部材の一端部をカム部材のカム面に常時、接触させることができるため、トルク伝達部材がカム部材に衝突して打音が発生するのを防止することができる。また、トルク伝達部材からカム部材にトルクを常時伝達させることができるため、第2の回転部材とカム部材とが捩れたときにトルクの追従性が悪化するのを防止することができ、捩り振動減衰装置を車両に搭載した場合に、車両のドライバビリティが悪化するのを防止することができる。
上記(1)の捩り振動減衰装置において、(2)前記押圧部材が、前記回動軸が挿通される挿通穴を有し、延在方向一端部が前記トルク伝達部材に固定され、延在方向他端部に質量体が取付けられたプレートを有するものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、押圧部材がプレートを有するので、押圧部材の一部を薄肉にすることができ、押圧部材の設置スペースを小さくして、捩り振動減衰装置が大型化するのを防止することができる。
上記(1)、(2)の捩り振動減衰装置において、(3)前記トルク伝達部材の一端部に転動体が回転自在に設けられ、前記トルク伝達部材の一端部が前記転動体を介して前記カム部材のカム面に接触するものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、トルク伝達部材の一端部が転動体を介してカム部材のカム面に接触するので、トルク伝達部材の一端部とカム部材との接触圧が高くなるのを防止することができ、アーム部の一端部とカム部材との磨耗を抑制することができる。
上記(1)〜(3)の捩り振動減衰装置において、(4)前記第1の回転部材が、外周部に前記カム部材を有し、内周部に駆動伝達系の変速機の入力軸が連結されるボスを備え、前記第2の回転部材が、前記カム部材の軸線方向両側に配置され、軸線方向に所定間隔を隔てて互いに固定されるとともに、前記回動軸を介して前記トルク伝達部材を回動自在に支持する一対のディスクププレートと、前記一対のディスクプレートに設けられ、前記弾性部材の延在方向他端部を支持する支持部とを備え、前記一対のディスクプレートに内燃機関から動力が伝達されるものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、一対のディスクプレートに弾性部材の延在方向他端部を支持する支持部が設けられるとともに、弾性部材の延在方向一端部がトルク伝達部材の他端部に接触し、トルク伝達部材の他端部がカム部材のカム面に接触するので、一対のディスクプレートとカム部材との捩れ角の範囲を広角化して弾性部材の低剛性化を図ることができる。
このため、シフトポジションがニュートラルに変更されて内燃機関がアイドル状態にあるとき等のように、一対のディスクプレートとカム部材との捩れ角が小さい領域にあっては、低剛性の弾性部材によって微小振動を減衰して変速機を構成する変速歯車組からガラ音が発生するのを抑制することができる。
また、一対のディスクプレートとカム部材との捩れ角が大きい領域では、一対のディスクプレートとカム部材との捩れ角を大きくしてトルクの上昇率が大きくなる高剛性の捩れ特性を得ることができる。
したがって、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした大きな捩り振動や、駆動伝達系の捩り共振を減衰して、変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラ音や駆動伝達系の捩り共振によるこもり音の発生を抑制することができる。
本発明によれば、捩り振動減衰装置の回転時にトルク伝達部材の一端部を常時、カム部材のカム面に接触させることができ、捩れ特性が悪化するのを防止することができる捩り振動減衰装置を提供することができる。
本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、捩り振動減衰装置の斜視図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、ディスクプレートの一方を除いた状態の捩り振動減衰装置の斜視図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、捩り振動減衰装置の正面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、図3のA−A方向矢視断面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、アーム部材の上面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、押圧部材を除いた図5のB−B方向矢視断面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、プレートの構成図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、図3のC方向矢視図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、ディスクプレートとカム部材との捩れ角が+30°のときの捩り振動減衰装置の正面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、ディスクプレートとカム部材との捩れ角が+60°のときの捩り振動減衰装置の正面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、ディスクプレートとカム部材との捩れ角が+90°のときの捩り振動減衰装置の正面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、ディスクプレートとカム部材との捩れ角が−45°のときの捩り振動減衰装置の正面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、捩り振動減衰装置の捩れ角とトルクの関係を示す図である。
以下、本発明に係る捩り振動減衰装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図13は、本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。
図1〜図4において、捩り振動減衰装置1は、第1の回転部材2と第1の回転部材2と同一軸線上に設けられた第2の回転部材3とを備えている。
第2の回転部材3には駆動源である図示しない内燃機関からのトルクが入力されるようになっており、第1の回転部材2は、第2の回転部材3のトルクを図示しない駆動伝達系の変速機に伝達するようになっている。
第1の回転部材2と第2の回転部材3との間には弾性部材としての一対のコイルスプリング4が設けられており、コイルスプリング4は、第1の回転部材2と第2の回転部材3とが相対回転したときに第1の回転部材2の円周方向に弾性変形される。
第1の回転部材2は、駆動伝達系の変速機の入力軸5(図4参照)の外周部にスプライン嵌合されるボス6と、ボス6の外周部に設けられたカム部材7とを含んで構成される。
なお、ボス6とカム部材7とは一体的に成形されてもよい。また、ボス6とカム部材7とを別体に形成し、ボス6の外周部およびカム部材7の内周部にスプライン部をそれぞれ形成し、ボス6とカム部材7とをスプライン嵌合してもよい。
また、第2の回転部材3は、一対のディスクプレート8、9およびクラッチディスク11を備えている。ディスクプレート8、9は、カム部材7の軸線方向両側に配置されており、軸線方向に所定間隔を隔てて回動軸10によって連接されている。
回動軸10は、ディスクプレート8、9に橋架されており、軸線方向両端部が大径に形成されることにより、ディスクプレート8、9に抜け止め係止されている。このため、ディスクプレート8、9は、回動軸10によって一体化されることで一体回転するようになっている。
また、ディスクプレート8、9の円状の中心孔8a、9aにはボス6が収納されており、ボス6は、ディスクプレート8、9と同一軸線上に設けられている。
また、クラッチディスク11は、ディスクプレート8の半径方向外方に設けられており、クッショニングプレート12および摩擦材13a、13bを備えている。クッショニングプレート12は、厚み方向に波打つリング状の部材から構成されており、リベット14aによってディスクプレート8に固定されている。
摩擦材13a、13bは、クッショニングプレート12の両面にリベット14bによって固定されており、この摩擦材13a、13bは、内燃機関のクランクシャフトに固定された図示しないフライホイールとフライホイールにボルト固定されたクラッチカバーのプレッシャプレートとの間に位置している。
そして、摩擦材13a、13bがプレッシャプレートに押圧されてフライホイールとプレッシャプレートに摩擦係合することで、内燃機関のトルクがディスクプレート8、9に入力される。
また、図示しないクラッチペダルが踏み込まれると、プレッシャプレートが摩擦材13a、13bを押圧するのを解除し、摩擦材13a、13bがフライホイールから離隔することで、内燃機関のトルクがディスクプレート8、9に入力されない。
また、ディスクプレート8には支持部としての台座15が設けられており、この台座15は、ディスクプレート8から軸線方向に突出してディスクプレート9に取付けられている。
この台座15には弾性部材としてのコイルスプリング4の延在方向他端部が取付けられており、コイルスプリング4の延在方向一端部にはスプリングシート16が取付けられ、コイルスプリング4の他端部は、自由端となっている。
また、コイルスプリング4とカム部材7との間にはトルク伝達部材としてのアーム部材17が設けられており、このアーム部材17は、ディスクプレート8、9の間に位置し、回動軸10に回動自在に支持されている。
図5、図6に示すように、回動軸10とアーム部材17の間にはニードルベアリング18が介装されている。ニードルベアリング18は、アーム部材17に取付けられたアウターレース18aと、アウターレース18aと回動軸10の間に介装された針状ニードル18bとから構成されており、アウターレース18aが針状ニードル18bを介して回動軸10に対して回転自在となっている。
このため、アーム部材17は、ニードルベアリング18を介して回動軸10に回転自在に取付けられている。
図5、図6に示すように、アーム部材17の一端部17aは、二股形状の板状部としての突出片17A、17Bが形成されており、この突出片17A、17Bは、ピン19によって連結されている。
このピン19には転動体としてのコロ部材20が回転自在に取付けられている。コロ部材20は、ピン19の外周部に設けられたアウターレース20aおよびアウターレース20aとピン19の間に介装された針状ニードル20bからなるニードルベアリングと、アウターレース20aの外周部でアウターレース20aに取付けられたコロ20cとから構成されており、コロ20cがニードルベアリングを介してピン19に対して回転自在となっている。
このコロ20cは、カム部材7のカム面7aに接触して回転するようになっており、アーム部材17の一端部17aは、コロ20cを介してカム部材7のカム面7aに接触する。
アーム部材17の他端部17bは、板状部としての二股形状の突出片17C、17Dが形成されており、この突出片17C、17Dは、ピン21によって連結されている。
このピン21には転動部材としてのコロ部材22が回転自在に取付けられている。コロ部材22は、ピン21の外周部に設けられたアウターレース22aおよびアウターレース22aとピン21の間に介装された針状ニードル22bからなるニードルベアリングと、アウターレース22aの外周部でアウターレース22aに取付けられたコロ22cとから構成されており、コロ22cがニードルベアリングを介してピン21に対して回転自在となっている。
コロ22cは、スプリングシート16の外周面に接触するようになっており、アーム部材17の他端部17bは、コロ22cを介してスプリングシート16の外周面に接触する。
また、カム部材7は、ディスクプレート8、9とカム部材7との捩れ角の変化に伴って曲率の変化するカム面7aを有している。
本実施の形態では、カム部材7が楕円形状のカム面を有しており、カム面7aの曲率は、ディスクプレート8、9とカム部材7との捩れ角が最小(捩れ角が略0°)のときのカム部材7の初期位置からディスクプレート8、9とカム部材7との捩れ角が大きくなるに従って大きくなっている。
したがって、本実施の形態のカム部材7は、ディスクプレート8、9とカム部材7との捩れ角が最小のときに曲率の小さいカム面7aにアーム部材17のコロ20cが接触するようにカム部材7の初期位置が設定されている。
このため、カム部材7が回転してアーム部材17のコロ20cが接触するカム面7aの位置が可変されることにより、スプリングシート16がアーム部材17によって付勢されてコイルスプリング4の圧縮量が可変される。このとき、スプリングシート16が台座15に近接・離隔するように移動することになる。
また、アーム部材17は、ディスクプレート8、9の中心軸に対して点対称に配置されており、アーム部材17は、ディスクプレート8、9の中心軸を挟んで同一の曲率を有するカム面7aに一端部17aを接触させることができるようになっている。
一方、図4に示すように、ディスクプレート8、9とカム部材7との間にはヒステリシス機構23が介装されており、このヒステリシス機構23は、環状の摩擦材24、25、26、27および皿ばね28から構成されている。
摩擦材24、25は、表面が所定の摩擦係数を有する環状部材から構成されており、カム部材7の幅方向両面に取付けられている。
摩擦材26、27は、表面が所定の摩擦係数を有する環状部材から構成されており、それぞれ摩擦材24、25に軸線方向に対向するようにしてディスクプレート8、9に取付けられている。
皿ばね28は、円錐形状に形成されており、摩擦材27とディスクプレート9との間に介装されている。この皿ばね28は、カム部材7の軸線方向に弾性力を発生させることにより、摩擦材24と摩擦材26とを摩擦接触させるとともに、摩擦材25と摩擦材27とを摩擦接触させることにより、カム部材7とディスクプレート8、9との間にヒステリシストルクを発生させるようになっている。
一方、捩り振動減衰装置1は、押圧部材31を備えている。図7、図8に示すように、押圧部材31は、プレート32およびマス部材33を備えており、プレート32の延在方向中央部に挿通穴32aが形成されている。
また、プレート32の延在方向一端部にはピン穴32bが形成されており、プレート32の延在方向他端部には金属からなる質量体としてのマス部材33が取付けられている。また、ディスクプレート8、9には支持軸34の両端部がかしめ固定されており、この支持軸34に挿通穴32aが挿通されることにより、プレート32は、支持軸34に回動自在に支持されている。
図3に示すように、プレート32の延在方向一端部は、ディスクプレート8、9の円周方向において回動軸10よりもアーム部材17の一端部17a側に延在しており、プレート32の延在方向一端部は、ピン穴32bに挿通されたかしめピン35によってアーム部材17の半径方向外周部に取付けられている。
このかしめピン35は、アーム部材17の半径方向外周部から突出して設けられており、プレート32のピン穴32bにかしめピン35を挿通してかしめピン35の頭部を潰すことによって、プレート32をアーム部材17の半径方向外周部に固定するように構成されている。なお、かしめピン35ではなく、ボルト等によってプレート32の延在方向一端部をアーム部材17に取付けてもよい。
また、支持軸34は、ディスクプレート8、9の円周方向において回動軸10に対してアーム部材17の一端部17a側に位置しており、プレート32の延在方向他端部に取付けられたマス部材33は、ディスクプレート8、9の円周方向において支持軸34に対してコイルスプリング4側に位置している。
次に、作用を説明する。
図9〜図12は、ディスクプレート8、9が内燃機関のトルクを受けて図3の状態から反時計回転方向(R2方向)に回転している状態を示し、説明の便宜上、カム部材7がディスクプレート8、9に対して正側の時計回転方向(R1方向)に捩れるものとして説明を行う。
なお、図9〜図12ではディスクプレート9を除いた状態を示している。また、ディスクプレート8、9に対してカム部材7が正側に捩れるのは、車両の加速時であり、負側に捩れるのは、減速時である。
摩擦材13a、13bがプレッシャプレートに押圧されてフライホイールとプレッシャプレートに摩擦係合することで、内燃機関のトルクがディスクプレート8、9に入力される。
車両の加速時に、内燃機関のトルク変動による回転変動が小さい場合には、ディスクプレート8、9とカム部材7との間の変動トルクが小さく、カム部材7がディスクプレート8、9に対して時計回転方向(R1方向)に相対回転する。
このとき、図3に示す状態から図9に示す状態のように、ディスクプレート8、9とカム部材7との捩れ角が大きくなるにつれてカム部材7がR1方向に回転すると、アーム部材17のコロ20cがカム面7aに沿って転動する。このため、アーム部材17の一端部17aがコロ20cを介してカム面7a上を摺動する。なお、図9は、捩れ角が30°の状態を示す。
カム面7aの曲率は、カム部材7の初期位置にあるときからディスクプレート8、9とカム部材7との捩れ角が大きくなるに従って大きくなっているため、アーム部材17の一端部17aがコロ20cを介して徐々に曲率が大きくなるカム部材7のカム面7aに押圧されると、アーム部材17の他端部17bがディスクプレート8、9の半径方向内方および円周方向に移動する。
そして、カム部材7がR1方向に回転するのに伴って、アーム部材17の他端部17bがディスクプレート8、9の半径方向内方および円周方向に移動することにより、コイルスプリング4が圧縮されてスプリングシート16が台座15に近接する。
また、内燃機関のトルク変動による回転変動がさらに大きくなる場合には、ディスクプレート8、9からカム部材2に伝達される変動トルクが大きく、カム部材2がディスクプレート8、9に対して時計回転方向(R1方向)にさらに相対回転する。
図9に示す状態からディスクプレート8、9とカム部材2との捩れ角がさらに大きくなると、図10に示すように、アーム部材17のコロ20cがカム面2aに沿って転動し、アーム部材17の一端部16aがコロ20cを介してカム面2a上を摺動する。なお、図10は、捩れ角が60°の状態を示す。
このとき、アーム部材17の一端部17aがコロ20cを介して徐々に曲率が大きくなるカム部材7のカム面7aに押圧されると、アーム部材17の他端部17bがディスクプレート8、9の半径方向内方および円周方向にさらに移動する。
そして、カム部材7がR1方向に回転するのに伴って、アーム部材17の他端部17bがディスクプレート8、9の半径方向内方および円周方向にさらに移動することにより、コイルスプリング4がさらに圧縮されてスプリングシート16が台座15にさらに近接する。
このようにアーム部材17がコイルスプリング4を付勢することにより、圧縮されるコイルスプリング4の反力によってアーム部材17が回動軸10を支点にして、テコの原理によってカム部材7を強い押圧力で押圧する。
したがって、ディスクプレート8、9からカム部材7に内燃機関の動力を伝達しつつ、ディスクプレート8、9とカム部材7との捩り振動を吸収して減衰する。
また、内燃機関のトルク変動による回転変動がさらに大きくなる場合には、ディスクプレート8、9からカム部材7に伝達される変動トルクが大きくなり、図10に示す状態から図11に示す状態のように、カム部材7がディスクプレート8、9に対して時計回転方向(R1方向)にさらに相対回転する。
図11に示す状態のように、ディスクプレート8、9とカム部材7との捩れ角が、例えば、最大の+90°になると、カム面7aの曲率が最大の頂部7bにアーム部材17のコロ20cが位置して、カム部材7がアーム部材17を介してコイルスプリング4をより大きな付勢力で付勢する。
このため、コイルスプリング4の反力がより一層大きくなり、ディスクプレート8、9からカム部材7に内燃機関の動力を伝達しつつ、ディスクプレート8、9とカム部材7との捩り振動を吸収して減衰する。
この場合には、カム面7aの曲率は、カム部材7の初期位置にあるときからディスクプレート8、9とカム部材7との捩れ角が大きくなるに従ってさらに大きくなっているため、アーム部材17の一端部17aがコロ20cを介して徐々に曲率が大きくなるカム部材7のカム面7aに押圧されると、アーム部材17の他端部17bがディスクプレート8、9の半径方向内方および円周方向に移動する。
この場合にも、アーム部材17の他端部17bがコロ22cを介してスプリングシート16の円周方向外周面に沿って移動することにより、スプリングシート16とアーム部材17の他端部17bとが磨耗するのを防止することができる。
さらに、ディスクプレート8、9に内燃機関から過大なトルクが入力した場合には、アーム部材17のコロ20cがカム面7aの曲率が最も大きい頂部7bを乗り越えてディスクプレート8、9をカム部材7に対して空転させることができるため、車両の加速時にカム部材7をトルクリミッタとして機能させることができる。
この結果、ディスクプレート8、9からカム部材7に過大なトルクが伝達されてしまうのを防止して、変速機の変速歯車組を保護することができる。
また、ディスクプレート8、9とカム部材7との間にはヒステリシス機構23が介装されているため、ディスクプレート8、9とカム部材7とが相対回転するときには一定のヒステリシストルクを発生させることができる。
一方、内燃機関の回転数が増大するにつれて、内燃機関から捩り振動減衰装置1に振動が入力され、アーム部材17の一端部17aがカム部材7のカム面7aから離間する方向に変位する力が作用する。
このとき、捩り振動減衰装置1に作用する遠心力によってマス部材33がディスクプレート8、9の半径方向外方に移動してプレート32の延在方向一端部が支持軸34を支点にしてテコの原理によってアーム部材17を半径方向内方に押圧する。
支持軸34は、ディスクプレート8、9の円周方向において回動軸10に対してアーム部材17の一端部17a側に位置するので、プレート32の延在方向一端部がアーム部材17を半径方向内方に押圧すると、アーム部材17の一端部17aがカム部材7のカム面7aに押し付けられ、アーム部材17の一端部17aをカム部材7のカム面7aに常時、押し付けることができる。
また、内燃機関の回転数が増大するにつれて捩り振動減衰装置1に入力される振動が大きくなり、アーム部材17が回動軸10を中心に回動してアーム部材17の一端部17aがカム部材7のカム面7aから離隔する方向にさらに大きな力が作用する。
ところが、内燃機関の回転数が増大するにつれて捩り振動減衰装置1の回転数も増大するため、捩り振動減衰装置1に作用する遠心力が増大し、マス部材33に加わる遠心力もさらに大きくなる。
このため、マス部材33がディスクプレート8、9の半径方向外方に移動してプレート32の延在方向一端部が支持軸34を支点にしてテコの原理によってアーム部材17を半径方向内方により大きな力で押圧する。
したがって、アーム部材17の一端部17aがカム部材7のカム面7aにより大きな力で押し付けられ、アーム部材17の一端部17aがカム部材7のカム面7aから離隔しない。
すなわち、本実施の形態の捩り振動減衰装置1は、遠心力が大きくなるにつれてマス部材33に作用する遠心力も大きくなり、アーム部材17をカム部材7のカム面7aに押し付ける押圧力を大きくすることができる。この結果、アーム部材17の一端部17aをカム部材7のカム面7aに常時、押し付けることができる。
また、車両の減速時には、内燃機関の駆動トルクが小さくなり、エンジンブレーキが発生するため、変速機の入力軸5からカム部材7にトルクが入力されることになる。減速時に内燃機関のトルク変動による回転変動が小さい場合には、カム部材7とディスクプレート8、9との間の変動トルクが小さいため、カム部材7がディスクプレート8、9に対して相対的に負側(R2方向)に捩れることになる。
このとき、図3に示す状態から図12に示す状態のように、ディスクプレート8、9とカム部材7とが相対回転したときに、ディスクプレート8、9とカム部材7との捩れ角が大きくなるにつれてカム部材7が回転することにより、アーム部材17のコロ20cがカム面7aに沿って転動する。このため、アーム部材17の一端部17aがコロ20cを介してカム面7a上を摺動する。
カム面7aの曲率は、カム部材7の初期位置にあるときからディスクプレート8、9とカム部材7との捩れ角が大きくなるに従って大きくなっているため、アーム部材17の一端部17aがコロ20cを介して徐々に曲率が大きくなるカム部材7のカム面7aに押圧されると、アーム部材17の他端部17bがディスクプレート8、9の半径方向内方および円周方向に移動する。
そして、カム部材7が反時計回転方向(R2方向)に回転するのに伴って、アーム部材17の他端部17bがディスクプレート8、9の半径方向内方に移動することにより、コイルスプリング4が圧縮されてスプリングシート16が台座15に近接する。
また、アーム部材17の他端部17bがコロ22cを介してスプリングシート16の円周方向外周面に沿って移動することにより、スプリングシート16とアーム部材17の他端部17bとが磨耗するのを防止することができる。なお、図12は、ディスクプレート8、9とカム部材7との捩れ角が−45°の状態を示す。
このようにアーム部材17がコイルスプリング4を付勢することにより、圧縮されるコイルスプリング4の反力によってアーム部材17が回動軸10を支点にして、テコの原理によってカム部材7を強い押圧力で押圧する。
したがって、カム部材7からディスクプレート8、9に駆動伝達系の動力を伝達しつつ、ディスクプレート8、9とカム部材7との捩り振動を吸収して減衰する。
このときにも、捩り振動減衰装置1に遠心力が作用してアーム部材17が回動軸10を中心に回動してアーム部材17の一端部17aがカム部材7のカム面7aから離隔する方向に力が作用する。
このとき、マス部材33がディスクプレート8、9の半径方向外方に移動してプレート32の延在方向一端部が支持軸34を支点にしてテコの原理によってアーム部材17を半径方向内方に押圧し、アーム部材17の一端部17aがカム部材7のカム面7aに押し付けられる。
また、車両の減速時にあっても、ヒステリシス機構23によってディスクプレート8、9とカム部材7とが相対回転するときには一定のヒステリシストルクを発生させることができる。
このように本実施の形態の捩り振動減衰装置1は、カム部材7と、カム部材7の外周部に設けられてカム部材7と一体回転する楕円形状のカム面7aを有するカム部材7と、カム部材7とコイルスプリング4との間に設けられ、一端部17aがカム面7aに接触するとともに他端部17bがコイルスプリング4のスプリングシート16に接触し、ディスクプレート8、9に橋架された回動軸10を中心に回動するアーム部材17と、カム部材7とアーム部材17の一端部17aのカム部材7のカム面7aとの間に設けられたコロ部材20とを含んで構成される。
このため、ディスクプレート8、9とカム部材7との捩れ角の範囲を広角化して捩り振動減衰装置1の捩れ剛性を全体的に低くすることができるとともに、捩れ特性を非線形にすることができ、振動の減衰性能を向上させることができる。
図13の実線は、ディスクプレート8、9とカム部材7の捩れ特性を示す図であり、本実施の形態におけるディスクプレート8、9とカム部材7との捩れ角と、カム部材7から出力される出力トルクとの関係を説明するグラフである。
横軸は、ディスクプレート8、9に対するカム部材7の相対的な捩れ角であり、縦軸がカム部材7から出力される出力トルクである。縦軸の出力トルクは、ディスクプレート8、9に対するカム部材7の反力に対応する。
本実施の形態では、ディスクプレート8、9に対するカム部材7の捩れ角が大きくなるに従ってコイルスプリング4が縮むことにより、アーム部材17によるカム部材7への押圧力が大きくなる。
そして、アーム部材17によるカム部材7への押圧力が大きくなることにより、出力トルクが大きくなる。このときの出力トルクの変化は、図13に示すように、段差部を有さずに連続的に変化する曲線状の捩れ特性となる。
本実施の形態では、アーム部材17の一端部17aがコロ部材20を介して楕円状のカム面7aに接触されるので、カム部材7の回転に伴ってディスクプレート8、9とカム部材7との捩れ角を正側および負側の合計で180°にまで広角化することができる。
なお、ディスクプレート8、9とカム部材7とが相対回転するときの捩れ特性および捩れ角の大きさは、カム部材7のカム面7aの形状、コイルスプリング4のばね定数、アーム部材17の形状等を調整することにより、任意の捩れ特性および捩れ角に設定することができる。
また、本実施の形態の捩り振動減衰装置1は、図13に示すように、ディスクプレート8、9とカム部材7の捩れ角が小さいときには、ディスクプレート8、9とカム部材7の捩れ剛性が低いフラットな捩れ特性にすることができる。
このため、シフトポジションがニュートラルに変更されて内燃機関がアイドル状態にあるとき等のようにディスクプレート8、9からカム部材7に伝達されるトルク(カム部材7の出力トルク)が小さい領域では、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動を減衰して、無負荷状態にある変速機の変速歯車組からガラ音が発生するのを抑制することができる。
なお、ガラ音とは、ニュートラルに変速したアイドル時に、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動によって、無負荷状態にある歯車対が衝突して生じるガラガラという異音である。
また、本実施の形態の捩り振動減衰装置1は、ディスクプレート8、9とカム部材7との捩れ角の範囲を広角化して捩れ剛性を全体的に低くすることができるため、ディスクプレート8、9からカム部材7に伝達されるトルクが大きい運転状態においては、駆動源のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動を減衰して、変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラ音を抑制することができる。
また、ディスクプレート8、9とカム部材7との捩れ角が大きいときに、捩り振動減衰装置1の捩り剛性を従来の捩れ剛性よりも低くすることができるため、駆動伝達系の捩り共振による捩り振動を従来よりも大きく減衰して車室内にこもり音が発生するのを抑制することができる。
これに加えて、本実施の形態では、ディスクプレート8、9とカム部材7との間にヒステリシス機構23を介装したので、ディスクプレート8、9とカム部材7とが相対回転するときには一定のヒステリシストルクを発生させることができる。
このため、ディスクプレート8、9からカム部材7に伝達されるトルクが大きい加減速中には、駆動源のトルク変動による回転変動を起振源とした大きい捩り振動に対してヒステリシストルクを発生させることができる。
したがって、駆動伝達系の捩り共振による捩り振動をより一層減衰して車室内にこもり音が発生するのをより一層抑制することができるとともに、ジャラ音の発生をより一層抑制することができる。
また、本実施の形態では、カム部材7とディスクプレート8、9の捩れ角が大きくなるに従ってカム面7aの曲率が大きくなり、コイルスプリング4の弾性変形量が大きくなる。このため、アーム部材17の一端部17aにコロ部材20が存在しないと、アーム部材17の一端部17aとカム部材7との接触圧が大きくなり、アーム部材17とカム部材7との接触面が磨耗するおそれがある。
本実施の形態では、アーム部材17の一端部17aがコロ20cを介してカム部材7のカム面7aを摺動するため、アーム部材17の一端部17aとカム部材7との接触圧が高くなるのを防止して、アーム部材17の一端部17aとカム部材7との磨耗を抑制することができる。
また、本実施の形態の捩り振動減衰装置1は、プレート32の延在方向一端部を、ディスクプレート8、9の円周方向において回動軸10よりもアーム部材17の一端部17a側に位置させてアーム部材17の半径方向外周部に取付けるとともに、プレート32の延在方向他端部にマス部材33を設け、支持軸34を、ディスクプレート8、9の円周方向において回動軸10に対してアーム部材17の一端部17a側に位置させるように構成した。
このため、捩り振動減衰装置1に遠心力が作用したときにマス部材33に遠心力を作用させてアーム部材17の一端部17aをカム部材7のカム面7aに常時、押し付けることができ、ディスクプレート8、9からコイルスプリング4およびアーム部材17を介してカム部材7にトルクを伝達することができる。
この結果、図13に実線で示すように、捩り振動減衰装置1の捩れ特性が乱れる(従来の乱れを破線で示す)のを防止することができ、捩り振動減衰装置1の捩れ特性が悪化するのを防止することができる。
また、アーム部材17の一端部17aをカム部材7のカム面7aに常時、接触させることができるため、アーム部材17がカム部材7に衝突して打音が発生するのを防止することができる。
また、アーム部材17からカム部材7にトルクを常時伝達させることができるため、ディスクプレート8、9とカム部材7とが捩れたときにトルクの追従性が悪化するのを防止することができ、車両のドライバビリティが悪化するのを防止することができる。
また、本実施の形態の捩り振動減衰装置1は、押圧部材31が薄肉のプレート32を有するので、押圧部材31の設置スペースを小さくすることができ、捩り振動減衰装置1が大型化するのを防止することができる。
なお、本実施の形態では、アーム部材17の一端部17aに二股形状の突出片17A、17Bを形成し、この突出片17A、17Bの間にコロ部材20を回転自在に設けているとともに、アーム部材17の一端部17aに二股形状の突出片17C、17Dを形成し、この突出片17C、17Dの間にコロ部材22を回転自在に設けている構成となっている。
これに代えて、アーム部材17を一対の板から構成し、一対の板の一端部17aをピン19によって連結し、板の一端部17aの間にピン19を介してコロ部材20を回転自在に設けるとともに、一対の板の他端部17bをピン21によって連結し、板の他端部17bの間にピン21を介してコロ部材22を回転自在に設けるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、捩り振動減衰装置1を車両の内燃機関と変速機を有する駆動伝達系との間に介装するようにしているが、これに限らず、車両等の駆動伝達系に設けられる捩り振動減衰装置であれば何でもよい。
例えば、ハイブリッド車両にあっては、内燃機関の出力軸と、電動機と車輪側出力軸とに動力を分割する動力分割機構との間に介装されるハイブリッドダンパ等の捩り振動減衰装置に適用してもよい。
また、トルクコンバータのロックアップクラッチ装置と変速歯車組の間に介装されるロックアップダンパ等の捩り振動減衰装置に適用してもよい。また、ディファレンシャルケースとディファレンシャルケースの外周部に設けられたリングギヤとの間に捩り振動減衰装置を設けてもよい。
また、本実施の形態では、カム部材7のカム面7aが楕円形状を有しているが、ディスクプレート8、9とカム部材7との捩れ角の変化に伴って曲率の変化するカム面であれば、楕円形状に限定されるものではない。
以上のように、本発明に係る捩り振動減衰装置は、捩り振動減衰装置の回転時にトルク伝達部材の一端部を常時、カム部材のカム面に接触させることができ、捩れ特性が悪化するのを防止することができるという効果を有し、車両の内燃機関と駆動伝達系の変速機との間に介装され、第1の回転部材と第2の回転部材との間でトルクが伝達されるように第1の回転部材と第2の回転部材とをトルク伝達部材および弾性部材を介して相対回転自在に連結した捩り振動減衰装置等として有用である。
1 捩り振動減衰装置
2 第1の回転部材
3 第2の回転部材
4 コイルスプリング(弾性部材)
6 ボス
7 カム部材
7a カム面
8、9 ディスクプレート
10 回動軸
15 台座(支持部)
17 アーム部材(トルク伝達部材)
17a アーム部材の一端部
17b アーム部材の他端部
31 押圧部材
32 プレート
32a 挿通穴
33 マス部材(質量体)
34 支持軸

Claims (4)

  1. 第1の回転部材と、
    前記第1の回転部材と同一軸線上に設けられ、前記第1の回転部材に対して相対回転自在な第2の回転部材と、
    前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間に設けられ、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とが相対回転したときに弾性変形することにより、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間でトルクを伝達する弾性部材と、
    前記第1の回転部材と一体回転するように前記第1の回転部材に設けられ、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材の捩れ角の変化に伴って曲率の変化するカム面を有するカム部材と、
    一端部が前記カム部材の前記カム面に接触するとともに他端部が前記弾性部材の延在方向一端部に接触し、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とが相対回転したときに、前記第2の回転部材に設けられた回動軸を中心に回動して前記弾性部材を弾性変形させることにより、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間でトルクを伝達するトルク伝達部材とを備えた捩り振動減衰装置であって、
    前記第2の回転部材に設けられた支持軸に回動自在に取付けられた押圧部材を備え、
    前記押圧部材の延在方向一端部が、前記第2の回転部材の円周方向において前記回動軸よりも前記トルク伝達部材の一端部側に位置して前記トルク伝達部材の半径方向外周部に延在し、前記押圧部材の延在方向他端部に質量体が設けられ、
    前記支持軸が、前記第2の回転部材の円周方向において前記回動軸に対して前記トルク伝達部材の一端部側に位置することを特徴とする捩り振動減衰装置。
  2. 前記押圧部材が、前記回動軸が挿通される挿通穴を有し、延在方向一端部が前記トルク伝達部材に固定され、延在方向他端部に質量体が取付けられたプレートを有することを特徴とする請求項1に記載の捩り振動減衰装置。
  3. 前記トルク伝達部材の一端部に転動体が回転自在に設けられ、前記トルク伝達部材の一端部が前記転動体を介して前記カム部材のカム面に接触することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の捩り振動減衰装置。
  4. 前記第1の回転部材が、外周部に前記カム部材を有し、内周部に駆動伝達系の変速機の入力軸が連結されるボスを備え、
    前記第2の回転部材が、前記カム部材の軸線方向両側に配置され、軸線方向に所定間隔を隔てて互いに固定されるとともに、前記回動軸を介して前記トルク伝達部材を回動自在に支持する一対のディスクププレートと、前記一対のディスクプレートに設けられ、前記弾性部材の延在方向他端部を支持する支持部とを備え、
    前記一対のディスクプレートに内燃機関から動力が伝達されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項に記載の捩り振動減衰装置。
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