JP2013118140A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成で、かつ、燃料電池の診断の遅れを抑制可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】酸素と水素とを電気化学反応させて電気エネルギを出力する電池セル10aを複数積層して構成した燃料電池1と、複数の電池セル10aのうち、少なくとも1つの電池セル10aに対して電池セル10aの積層方向に隣接配置され、当該隣接配置された電池セル10aにおける少なくとも二箇所を流れる電流の差に相関する物理量を検出する電流差検出装置100と、電流差検出装置100の検出値に応じて燃料電池1の状態を診断する状態診断手段と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池の状態を診断する燃料電池システムに関する。
従来、燃料電池の各種状態(内部含水量、ガス欠乏等)を診断する燃料電池システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1では、電解質膜の外側両面に配置される触媒層における乾燥の進行が速いことに着眼し、触媒層におけるインピーダンスの変化に基づいて燃料電池内部の乾燥状態を診断する構成としている。具体的には、燃料電池内部の乾燥状態を診断するために、燃料電池における高周波領域のインピーダンスと低周波領域のインピーダンスをそれぞれ算出し、各インピーダンスの差分に基づいて触媒層の含水量を算出するようにしている。なお、特許文献1では、高周波領域のインピーダンスが燃料電池の電解質膜の抵抗に対応し、低周波領域のインピーダンスが燃料電池の電解質膜の抵抗と触媒層の抵抗との合算値に対応するものとしている。
特許4640661号公報
ところで、特許文献1の燃料電池システムのように、燃料電池のインピーダンスを用いて燃料電池の状態を診断する構成では、燃料電池に対して高周波、および低周波の交流信号を印加する装置や、高速フーリエ変換処理を行うための演算装置(FFT等)が必要となり、システムの構成が複雑となってしまうという問題がある。
さらに、燃料電池のインピーダンスを用いて燃料電池の状態を診断する構成では、インピーダンスを算出する際の演算に長時間を要することから、燃料電池の診断に遅れが生じ、経時的に変化する燃料電池の状態をリアルタイムに診断することが難しいといった問題もある。
本発明は上記点に鑑みて、簡素な構成で、かつ、燃料電池の診断の遅れを抑制可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、酸化剤ガスと燃料ガスとを電気化学反応させて電気エネルギを出力する電池セル(10a)を複数積層して構成した燃料電池(1)と、複数の電池セル(10a)のうち、少なくとも1つの電池セル(10a)に対して電池セル(10a)の積層方向に隣接配置され、当該隣接配置された電池セル(10a)における少なくとも二箇所を流れる電流の差に相関する物理量を検出する物理量検出手段(100)と、物理量検出手段(100)の検出値に応じて燃料電池(1)の状態を診断する状態診断手段(50a)と、を備えることを特徴とする。
このように、燃料電池(1)のインピーダンスを算出するのでなく、電池セル(10a)における二箇所を流れる電流の差に相関する物理量に基づいて燃料電池の状態を診断する構成とすれば、燃料電池(1)に交流信号を印加する装置等が不要となると共に、複雑な演算処理が不要となる。従って、燃料電池(1)の状態を診断する燃料電池システムを簡素な構成で実現できると共に、燃料電池の診断の遅れを抑制することができる。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、物理量検出手段(100)は、電池セル(10a)の積層方向に沿って電流を流すための複数の導電部(101)と、複数の導電部(101)のうち、一対の導電部を流れる電流の差に相関する物理量を検出する単一の検出部(102)と、を有して構成されていることを特徴とする。
これによれば、一対の導電部それぞれに検出部(102)を設ける場合に比べて、検出部(102)の数を少なくすることができるので、物理量検出手段(100)を簡素な構成で実現することができ、燃料電池システムの構成の簡素化を図ることができる。
具体的には、請求項3に記載の発明のように、請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、検出部(102)を、一対の導電部に電流が流れた際に一対の導電部の周囲に形成される磁束密度を物理量として検出する磁気センサ(103)を有する構成とすることができる。
また、請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、検出部(102)は、一対の導電部それぞれを囲むように配置され、一対の導電部の周囲に形成される磁束を磁気センサ(103)に集める集磁体(104)を有して構成されていることを特徴とする。
これによれば、磁気センサ(103)における一対の導電部の周囲に形成される磁束密度の検出精度を向上させることが可能となる。
また、請求項5に記載の発明のように、請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、一対の導電部における電位差を物理量として検出する電圧センサ(105)で構成してもよい。
ここで、一対の導電部同士が遠く離れた位置に存在すると、外部からのノイズ等の影響が導電部間でばらつくことがある。この場合、物理量検出手段(100)の検出精度に悪影響を及ぼす虞がある。
このため、請求項6に記載の発明のように、請求項2ないし5のいずれか1つに記載の燃料電池システムにおいて、一対の導電部を、複数の導電部(101)のうち、互いに隣接して配置された導電部で構成することが望ましい。
また、請求項7に記載の発明のように、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の燃料電池システムにおいて、状態診断手段(50a)では、物理量検出手段(100)の検出値を所定の基準閾値と比較し、その比較結果に応じて燃料電池(1)の状態を診断する構成とすることができる。
具体的には、請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の燃料電池システムにおいて、複数の電池セル(10a)それぞれは、その内部に酸化剤ガスが流れる酸化剤ガス流路が形成されており、物理量検出手段(100)は、酸化剤ガス流路の出口部よりも入口部の近くに位置する上流側箇所(X1、X6、X7)を流れる電流を上流側箇所(X1、X6、X7)よりも酸化剤ガス流れ下流側に位置する下流側箇所(Y1、Y6、Y7)を流れる電流から引いた電流差に相関する物理量を検出するように構成され、状態診断手段(50a)は、物理量検出手段(100)の検出値が、基準閾値を構成する第1閾値以上となる場合に、燃料電池(1)の内部が乾燥した乾燥状態と診断することを特徴とする。これにより、燃料電池(1)の乾燥状態を的確に把握することができる。
また、請求項9に記載の発明では、請求項7または8に記載の燃料電池システムにおいて、複数の電池セル(10a)それぞれは、その内部に酸化剤ガスが流れる酸化剤ガス流路が形成されており、物理量検出手段(100)は、酸化剤ガス流路の入口部よりも出口部の近くに位置する下流側箇所(Y2、Y6)を流れる電流から下流側箇所(Y2、Y6)よりも酸化剤ガス流れ上流側に位置する上流側箇所(X2、X6)を流れる電流を引いた電流差に相関する物理量を検出するように構成され、状態診断手段(50a)は、物理量検出手段(100)の検出値が基準閾値を構成する第2閾値以下となる場合に、燃料電池(1)の内部が過剰に湿潤した過湿潤状態と診断することを特徴とする。これにより、燃料電池(1)の過湿潤状態を的確に把握することができる。
また、請求項10に記載の発明では、請求項7ないし9のいずれか1つに記載の燃料電池システムにおいて、複数の電池セル(10a)それぞれは、その内部に燃料ガスが流れる燃料ガス流路が形成されており、物理量検出手段(100)は、燃料ガス流路の入口部よりも出口部の近くに位置する下流側箇所(Y3)を流れる電流を、下流側箇所(Y3)よりも燃料ガス流れ上流側に位置する上流側箇所(X3)流れる電流から引いた電流差に相関する物理量を検出するように構成され、状態診断手段(50a)は、物理量検出手段(100)の検出値が、基準閾値を構成する第3閾値以上となる場合に、燃料電池(1)への燃料ガスの供給が不足した燃料ガス不足状態と診断することを特徴とする。これにより、燃料電池(1)の燃料ガス不足状態を的確に把握することができる。
また、請求項11に記載の発明では、請求項7ないし9のいずれか1つに記載の燃料電池システムにおいて、複数の電池セル(10a)それぞれは、その内部に燃料ガスが流れる燃料ガス流路が形成されており、物理量検出手段(100)は、燃料ガス流路の入口部よりも出口部の近くに位置する下流側箇所(Y3)を流れる電流を、下流側箇所(Y3)よりも燃料ガス流れ上流側に位置する上流側箇所(X3)を流れる電流から引いた電流差に相関する物理量を検出するように構成され、状態診断手段(50a)は、物理量検出手段(100)の検出値の増加度合いが、基準閾値を構成する第4閾値以上となる場合に、燃料電池(1)への燃料ガスの供給が不足した燃料ガス不足状態と診断することを特徴とする。これによっても、燃料電池(1)の燃料ガス不足状態を的確に把握することができる。
また、請求項12に記載の発明では、請求項7ないし11のいずれか1つに記載の燃料電池システムにおいて、複数の電池セル(10a)それぞれは、その内部に冷却水が流れる冷却水流路が形成されており、物理量検出手段(100)は、冷却水流路の入口部よりも出口部の近くに位置する下流側箇所(Y5)を流れる電流から下流側箇所(Y5)よりも冷却水流れ上流側に位置する上流側箇所(X5)を流れる電流を引いた電流差に相関する物理量を検出するように構成され、状態診断手段(50a)は、物理量検出手段(100)の検出値が、基準閾値を構成する第6閾値以下となる場合に、前記冷却水の流量不足によって燃料電池(1)が過剰に昇温した温度過剰状態であると診断することを特徴とする。これにより、燃料電池(1)の温度過剰状態を的確に把握することができる。なお、燃料電池(1)の温度過剰状態には、全体的な冷却水の流量不足によって燃料電池(1)全体の温度が過剰に昇温した状態に限らず、局所的な冷却水の流量不足によって燃料電池(1)の局所部位の温度が過剰に昇温した状態が含まれる。
また、請求項13に記載の発明では、請求項7ないし12のいずれか1つに記載の燃料電池システムにおいて、複数の電池セル(10a)それぞれは、その内部に冷却水が流れる冷却水流路が形成されており、物理量検出手段(100)は、冷却水流路の出口部よりも入口部の近くに位置する上流側箇所(X4)を流れる電流を、上流側箇所(X4)よりも冷却水流れ下流側に位置する下流側箇所(Y4)を流れる電流から引いた電流差に相関する物理量を検出するように構成され、状態診断手段(50a)は、物理量検出手段(100)の検出値が、基準閾値を構成する第5閾値以上となる場合に、前記冷却水の温度が低いことによって燃料電池(1)が充分に昇温していない温度不足状態であると診断することを特徴とする。これにより、燃料電池(1)の温度不足状態を的確に把握することができる。
また、請求項14に記載の発明では、請求項7ないし13のいずれか1つに記載の燃料電池システムにおいて、状態診断手段(50a)は、燃料電池(1)全体を流れる総電流の増加に応じて、基準閾値を増加させることを特徴とする。これによれば、燃料電池(1)の状態をより適切に診断することが可能となる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態に係る燃料電池システムの全体構成図である。 第1実施形態に係る燃料電池の斜視図である。 第1実施形態に係る電流差検出装置を説明するための説明図である。 燃料電池が乾燥状態となる際の膜抵抗と電流比との関係を説明するための説明図である。 第1実施形態に係る制御装置が実行する乾燥診断処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態に係る電流差検出装置を説明するための説明図である。 燃料電池が過湿潤状態となる際の電流差検出装置が出力する検出値の変化を示す特性図である。 第2実施形態に係る制御装置が実行する過湿潤診断処理の流れを示すフローチャートである。 第3実施形態に係る電流差検出装置を説明するための説明図である。 燃料電池が水素不足状態となる際の電流差検出装置が出力する検出値の変化を示す特性図である。 第3実施形態に係る制御装置が実行する水素不足診断処理の流れを示すフローチャートである。 第4実施形態に係る電流差検出装置を説明するための説明図である。 燃料電池が温度不足状態となる際の電流差検出装置が出力する検出値の変化を示す特性図である。 第4実施形態に係る制御装置が実行する温度不足診断処理の流れを示すフローチャートである。 第5実施形態に係る電流差検出装置を説明するための説明図である。 燃料電池が温度過剰状態となる際の電流差検出装置が出力する検出値の変化を示す特性図である。 第5実施形態に係る制御装置が実行する温度過剰診断処理の流れを示すフローチャートである。 電流差検出装置の検出部の変形例を説明するための説明図である。 電流差検出装置の変形例を説明するための説明図である。 燃料電池が乾燥状態となる際の膜抵抗と電位差との関係を説明するための説明図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1〜図5に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る電流差検出装置100を適用した燃料電池システムの全体構成図であり、図2は、本実施形態に係る燃料電池1の斜視図である。この燃料電池システムは、電気自動車の一種である、いわゆる燃料電池車両に適用されており、車両走行用電動モータ等の電気負荷に電力を供給するものである。
まず、燃料電池システムは、図1に示すように、水素と酸素との電気化学反応を利用して電力を発生する燃料電池1を備えている。燃料電池1は、図示しない車両走行用電動モータや2次電池といった電気負荷に供給される電気エネルギを出力するもので、本実施形態では、固体高分子電解質型燃料電池を採用している。
より具体的には、燃料電池1は、基本単位となる電池セル10a(以下、単にセル10aと記載する。)が、電気的に直列に接続されるように複数積層配置された積層体、および当該積層体の両端部に配置された集電板10b、10cで構成されている。
各セル10aは、固体高分子からなる電解質膜(図示略)の両側面に一対の電極(図示略)が配置された膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)と、この膜電極接合体を狭持する一対のセパレータ(図示略)で構成されている。
一対のセパレータは、カーボン材や導電性金属よりなる板状プレートからなり、負極(アノード電極)側と対向する面に水素が流れる水素流路(燃料ガス流路)が形成され、正極(カソード電極)側と対向する面に空気が流れる空気流路(酸化剤ガス流路)が形成されている。さらに、一対のセパレータには、燃料電池1を冷却するための冷却水が流れる冷却水流路が形成されている。
燃料電池1の内部には、各セル10aの水素流路に水素を分配する水素供給用マニホールド1a、および各セル10aの水素流路から流出した水素を集合させる水素排出用マニホールド1bが、各セル10の積層方向に延びるように配置されている。
また、燃料電池1の内部には、各セル10aの空気流路に空気を分配する空気供給用マニホールド1c、および各セル10aの空気流路から流出した空気を集合させる空気排出用マニホールド1dが、各セル10aの積層方向に延びるように配置されている。
さらに、燃料電池1の内部には、各セル10aの冷却水流路に冷却水を分配する冷却水供給用マニホールド1e、および各セル10aの冷却水流路から流出した冷却水を集合させる冷却水排出用マニホールド1fが、各セル10aの積層方向に延びるように配置されている。
水素供給用マニホールド1aおよび空気供給用マニホールド1cから水素および空気といった反応ガスが供給されると、各セル10aでは、以下に示すように、水素と酸素とを電気化学反応して、電気エネルギを出力する。
(負極側)H→2H+2e
(正極側)2H+1/2O+2e→H
燃料電池1から出力される電気エネルギは、燃料電池全体として出力される電流(総電流)を検出する電流センサ11によって計測される。電流センサ11の検出信号は、後述する制御装置50に入力されている。
また、本実施形態では、複数のセル10aのうち、隣接するセル10aの間に、セル10aにおける異なる二箇所を流れる電流の差に相関する物理量を検出する物理量検出手段として機能する電流差検出装置100が配置されている。この電流差検出装置100については後述する。
燃料電池1の空気極(正極)側には、酸素を主成分とする酸化剤ガスである空気を燃料電池1内部の空気供給用マニホールド1cに供給するための空気供給配管20a、並びに、燃料電池1にて電気化学反応を終えた余剰空気および空気極で生成された生成水を、燃料電池1内部の空気排出用マニホールド1dを介して、外部へ排出するための空気排出配管20bが接続されている。
空気供給配管20aの最上流部には、大気中から吸入した空気を燃料電池1に圧送するための空気ポンプ21が設けられ、空気排出配管20bには、燃料電池1内の空気の圧力を調整するための空気調圧弁23が設けられている。なお、本実施形態では、空気ポンプ21および空気調圧弁23によって、所定の流量および圧力の空気を燃料電池1に供給する酸化剤ガス側のガス供給手段が構成される。
さらに、空気供給配管20aおよび空気排出配管20bには、空気調圧弁23から流出した空気の有する湿度(水蒸気)を空気ポンプ21から圧送された空気へ移動させるための加湿器22が設けられている。この加湿器22は、複数本の中空糸にて構成されており、燃料電池1へ供給される空気を加湿する機能を果たす。
燃料電池1の水素極(負極)側には、水素を主成分とする燃料ガス(水素)を燃料電池1内部の水素供給用マニホールドaに供給するための水素供給配管30a、水素極側に溜まった生成水を微量な水素とともに燃料電池1内部の水素排出用マニホールド1bから外部へ排出するための水素排出配管30bが接続されている。さらに、水素供給配管30aおよび水素排出配管30bは、水素循環配管30cを介して接続されている。
水素供給配管30aの最上流部には、高圧水素が充填された高圧水素タンク31が設けられ、水素供給配管30aにおける高圧水素タンク31と燃料電池1との間には、燃料電池1に供給される水素の圧力を調整する水素調圧弁32が設けられている。なお、本実施形態では、この水素調圧弁32によって、所定の圧力の水素を燃料電池1に供給する燃料ガス側のガス供給手段が構成される。
水素排出配管30bには、生成水を微量な水素とともに外気へ排出するために所定の時間間隔で開閉する電磁弁34が設けられている。なお、上述の電気化学反応では、水素極側において生成水は発生しないものの、水素極側には、酸素極側から各セル10aの電解質膜を透過した生成水が溜まるおそれがある。このため、本実施形態では、水素排出配管30bおよび電磁弁34を設けている。
水素循環配管30cは、水素供給配管30aの水素調圧弁32下流側と水素排出配管30bの電磁弁34上流側とを接続するように設けられており、これにより、燃料電池1から流出した未反応の水素を、燃料電池1に循環させて再供給している。さらに、水素循環配管30cには、水素流路30内で水素を循環させるための水素ポンプ33が配置されている。
ところで、燃料電池1は発電効率確保のために運転中一定温度(例えば80℃程度)に維持する必要がある。このため、燃料電池1には、燃料電池1を冷却するために、燃料電池1内部の冷却水供給用マニホールド1eおよび冷却水排出用マニホールド1fに接続される冷却水回路40が設けられている。この冷却水回路40には、燃料電池1に冷却水(熱媒体)を循環させるウォータポンプ41、電動ファン42を備えたラジエータ(放熱器)43が設けられている。
さらに、冷却水回路40には、冷却水を、ラジエータ43を迂回するように流すバイパス流路44が設けられている。冷却水回路40とバイパス流路44との合流点には、バイパス流路44に流れる冷却水流量を調整するための流路切替弁45が設けられている。この流路切替弁45の弁開度が調整されることによって、冷却水回路40の冷却能力が調整される。
制御装置(ECU)50は、入力信号に基づいて、燃料電池システムを構成する各種構成機器の作動を制御する制御手段であって、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータとその周辺回路にて構成されている。
具体的には、制御装置50の入力側には、上述の電流センサ11および電流差検出装置100等が接続されており、電流センサ11および電流差検出装置100等から出力される信号が入力される。
一方、出力側には、上述の空気ポンプ21、加湿器22、空気調圧弁23、水素調圧弁32、水素ポンプ33、電磁弁34、ウォータポンプ41、流路切替弁45等の各種構成機器が接続されて、各種構成機器に対して制御信号が出力される。
ここで、燃料電池1では、その内部の状態が乾燥状態、過湿潤状態、水素不足状態(燃料ガス不足状態)、温度過剰状態、温度不足状態等になると電池の出力が低下してしまう。例えば、燃料電池1では、その内部の水分量が低下すると各セル10aにおける電解質膜が乾燥して電池の出力が低下し、一方、内部の水分量が過剰となると反応ガスの供給が阻害されて電池の出力が低下する。また、燃料電池1では、水素の供給量が不足すると各セル10aにおける電気エネルギを充分に発生させることができず、電池の出力が低下する。さらに、燃料電池1では、内部の温度が過剰に高くなると電解質膜が乾燥しやすくなり、電池の出力低下が懸念され、一方、内部の温度低くなると電気化学反応が不活性となり、電池の出力が低下する。
このため、本実施形態では、入力信号に基づいて制御装置50にて燃料電池1の状態を診断すると共に、燃料電池1の状態を正常に復帰させるために、燃料電池1の状態の診断結果に応じて各種構成機器を制御するようにしている。本実施形態の制御装置50は、入力信号に基づいて燃料電池1の乾燥状態を診断する乾燥診断処理を実行するように構成されている。
なお、本実施形態における制御装置50のうち、燃料電池1の状態を診断する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が、状態診断手段50aを構成し、燃料電池1の状態を正常に復帰させるために各種構成機器を制御する構成が、復帰制御手段50bを構成している。
次に、本実施形態の電流差検出装置100の詳細について説明する。図3は、本実施形態に係る電流差検出装置100を説明するための説明図であり、図3の(a)が図2のA部の部分拡大図を示し、(b)が電流差検出装置100の検出部102の拡大図を示している。
図2に示すように、本実施形態の電流差検出装置100は、導電性金属よりなる複数の導電部101が板状部材として一体的に構成された導電部集合板100a、複数の導電部101のうち、一対の導電部それぞれを流れる電流の差に相関する物理量を検出する単一の検出部102を有して構成されている。なお、各導電部101は、セル10aの積層方向における抵抗値が一定となるように構成されている。
ここで、本実施形態では、燃料電池1の乾燥状態を診断することから、電流差検出装置100にて、各セル10aにおける比較的乾燥し易い部位である空気流路の入口部の近くに位置する上流側箇所X1を流れる電流と、上流側箇所X1よりも空気流れ下流側に位置する下流側箇所Y1を流れる電流との差に相関する物理量を検出するようにしている。
より具体的には、電流差検出装置100は、上流側箇所X1に存在する導電部101を流れる電流を、下流側箇所Y1に存在する導電部101を流れる電流から引いた電流差に相関する物理量を検出するように構成されている。なお、本実施形態では、上流側箇所X1に存在する導電部101と下流側箇所Y1に存在する導電部101とが隣接して配置されている。
本実施形態の導電部集合板100aは、隣接するセル10a間に配置されている。そして、導電部集合板100aのうち、対向する2辺(図2では、上下両辺)付近には、水素、空気、冷却水が流通する各マニホールド1a〜1fが形成されている。
複数の導電部101は、それぞれ隣接するセル10a間をセル10aの積層方向に電流を流すためのもので、隣接するセル10aに対応する両端面がセル10aに電気的に接触するように配置されている。本実施形態の各導電部101は、導電部集合板100aの板面全体に配置されている。より具体的には、複数の導電部101は、上下両側のマニホールド1a〜1fの間に、直交する2方向にマトリックス状(格子状)に配置されている(本実施形態では、上下方向に4個、左右方向に7個配置)。
本実施形態の検出部102は、図3(a)に示すように、磁気センサ103、および集磁体104を有して構成されている。
磁気センサ103は、上流側箇所X1に存在する導電部101と、下流側箇所Y1に存在する導電部101との間に配置され、各導電部101に電流が流れた際に、その周囲に形成される磁界の磁束密度を検出するものである。この磁気センサ103としては、ホール素子、MR素子、フラックスゲート等を用いることができる。
集磁体104は、上流側箇所X1に存在する導電部101、および下流側箇所Y1に存在する導電部101を囲むように配置され、各導電部101の周囲に生ずる磁束を磁気センサ103に集めるものである。なお、集磁体としては、磁束を集めることが可能な金属材料であればよく、例えば鉄心を用いることができる。
より具体的には、本実施形態の検出部102は、集磁体104が2つのループを有する「8」の字形状とされ、各ループが合流する合流部位に所定の間隙(ギャップ)を介して磁気センサ103が配置されている。
集磁体104は、一方のループが上流側箇所X1に存在する導電部101を囲むように設けられ、他方のループが下流側箇所Y1に存在する導電部101を囲むように設けられている。
このように構成される検出部102は、例えば、上流側箇所X1に存在する導電部101および下流側箇所Y1に存在する導電部101それぞれに紙面手前側から奥側へ電流が流れると、図3(b)に示すように、各導電部101を流れる電流により集磁体104に磁束B1、B2が生ずる。
上流側箇所X1に存在する導電部101の周囲に生ずる磁束B1、および下流側箇所Y1に存在する導電部101の周囲に生ずる磁束B2は、磁気センサ103が配置された位置で互いに打ち消しあうように作用する。
この際、上流側箇所X1に存在する導電部101、および下流側箇所Y1に存在する導電部101に同様の電流が流れると、磁束B1、B2が、磁気センサ103が配置された位置で互いに打ち消され、磁気センサ103の出力が略一定となる。
一方、上流側箇所X1に存在する導電部101、および下流側箇所Y1に存在する導電部101に異なる値の電流が流れると、磁束B1、B2が、磁気センサ103が配置された位置で互いに打ち消されず、磁気センサ103では、各導電部101を流れる電流の差に応じた磁束密度が出力される。つまり、磁気センサ103で検出する磁束密度は、一対の導電部を流れる電流の差に相関する物理量となる。本実施形態の磁気センサ103は、上流側箇所X1に存在する導電部101に形成される磁界の磁束B1を「負」、下流側箇所Y1に存在する導電部101に形成される磁界の磁束B2を「正」となるように構成されている。
勿論、本実施形態の磁気センサ103は、上流側箇所X1に存在する導電部101に形成される磁界の磁束B1を「正」、下流側箇所Y1に存在する導電部101に形成される磁界の磁束B2を「負」となるように構成されていてもよい。この場合、磁気センサ103の出力値のプラスマイナスが逆転することになるが、例えば、制御装置50等にて磁気センサ103の出力値のプラスマイナスを逆転するようにすればよい。
以上のように、本実施形態に係る燃料電池システムは構成されており、以下では、本実施形態に係る燃料電池システムの作動について説明する。
まず、制御装置50は、車両走行用電動モータや2次電池といった電気負荷からの電力要求を受けると、当該電力要求を満たすべく、燃料電池1への空気の供給量、水素の供給量を制御する。例えば、制御装置50は、空気ポンプ21の回転数を制御して空気の供給量を制御すると共に、水素ポンプ33の回転数を制御して水素の供給量を制御する。そして、空気および水素の供給により、燃料電池1では、電気化学反応によって電気エネルギが生成され、生成された電気エネルギが電気負荷へ供給される。
この際、電流差検出装置100の全ての導電部101にセル10aの積層方向に電流が流れるので、磁気センサ103にて上流側箇所X1に存在する導電部101、および下流側箇所Y1に存在する導電部101を流れる電流の差に相関する磁束密度を検出することができる。
ここで、例えば、加湿器22による燃料電池1に供給される空気の加湿量が低下すると、各セル10aの電解質膜における空気流路の入口部付近が乾燥し、当該乾燥部位にて電解質膜の膜抵抗(プロトン伝導抵抗)が増加して出力される電流が低下する。
図4は、燃料電池1が乾燥状態となる際の膜抵抗と電流比との関係を説明するための説明図であり、図4の(a)が、乾燥状態となる際の上流側箇所X1におけるセル電圧と膜抵抗との関係を示す特性図であり、(b)が乾燥状態となる際のセル電圧と電流比との関係を示す特性図である。なお、電流比は、上流側箇所X1に存在する導電部101を流れる電流に対する下流側箇所Y1に存在する導電部101を流れる電流の比を示している。
図4(a)に示すように、上流側箇所X1に存在する電解質膜が乾燥すると、上流側箇所X1に存在する膜抵抗が増加する。この際、電流比は、図4(b)に示すように、上流側箇所X1に存在する膜抵抗の増加に伴って増加する傾向となっている。
このことから、電流差検出装置100にて、各セル10aにおける比較的乾燥し易い空気流路の入口部付近の上流側箇所X1を流れる電流と、上流側箇所X1よりも空気流れ下流側に位置する下流側箇所Y1を流れる電流との差に相関する磁束密度を検出することで、燃料電池1の乾燥状態を診断することが可能となる。
次に、燃料電池1の乾燥状態の診断について図5を用いて説明する。図5は、本実施形態の制御装置50が実行する乾燥診断処理を示すフローチャートである。
燃料電池1での発電が開始されると、図5に示すように、まず、電流センサ11、および電流差検出装置100から出力される信号を読み込む(S10)。
続いて、電流差検出装置100の磁気センサ103から出力される信号を基準閾値と比較する(S11)。すなわち、上流側箇所X1に位置する導電部101を流れる電流Ixを、下流側箇所Y1に位置する導電部101を流れる電流Iyから引いた電流差(=Iy−Ix)に応じて変化する磁束密度を基準閾値である第1閾値以上であるか否かを判定する。
ここで、上流側箇所X1に位置する導電部101を流れる電流と、下流側箇所Y1に位置する導電部101を流れる電流との差は、燃料電池1全体を流れる総電流の増加によって増加する傾向がある。このため、本実施形態の制御装置50では、基準閾値である第1閾値(>0)を、燃料電池1全体を流れる総電流の増加に伴って増加するように設定している。なお、燃料電池1全体を流れる総電流が変化しない場合、燃料電池1の乾燥状態となる際の磁束密度に応じて予め定めた閾値を設定する。
ステップS11の判定処理の結果(比較結果)、磁気センサ103の検出値が第1閾値以上と判定された場合(S11:YES)、下流側箇所Y1に位置する導電部101を流れる電流に対して、上流側箇所X1に位置する導電部101を流れる電流が低下したことになり、この電流低下は、燃料電池1内部の乾燥に起因すると推定できるので、燃料電池1の状態を乾燥状態と診断する(S12)。
燃料電池1の状態を乾燥状態と診断した後、乾燥状態から復帰させる乾燥復帰処理を行って(S13)、乾燥診断処理を終了する。具体的には、ステップS13の乾燥復帰処理では、加湿器22による燃料電池1へ供給する空気の加湿量を増加させる処理や、空気ポンプ21の回転数を下げて空気流路の入口部側の水分が出口側へ流され難いようにする処理を行う。
一方、ステップS11の判定処理の結果、磁気センサ103の検出値が第1閾値未満と判定された場合(S11:NO)、下流側箇所Y1に位置する導電部101を流れる電流に対して、上流側箇所X1に位置する導電部101を流れる電流が低下しておらず、燃料電池1内部が乾燥していないと推定できるので、燃料電池1の状態を乾燥なしと診断する(S14)。
以上説明した本実施形態の燃料電池システムは、燃料電池1のインピーダンスを算出するのではなく、セル10aにおける二箇所を流れる電流の差に相関する磁束密度に基づいて燃料電池1の乾燥状態を診断する構成としている。これによれば、燃料電池1に交流信号を印加する装置等が不要となると共に、複雑な演算処理が不要となる。
従って、燃料電池1の乾燥状態を診断する燃料電池システムを簡素な構成で実現できると共に、燃料電池1の診断の遅れを抑制することができる。
また、本実施形態では、一対の導電部101を流れる電流の差に相関する磁束密度を単一の検出部102で検出する構成としているので、各導電部101それぞれに検出部102を設ける構成に比べて、検出部102の数を少なくすることができる。
さらに、本実施形態では、検出部102を磁気センサ103に加えて集磁体104を有する構成としているので、磁気センサ103に各導電部101の周囲に生じた磁界の磁束密度を効率よく検出するこができ、電流差検出装置100の検出精度の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、磁気センサ103にて隣接した配置された導電部101を流れる電流の差に相関する磁束密度を検出する構成としているので、外部からのノイズ等の影響を抑制することができ、電流差検出装置100の検出精度の向上を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図6〜図8に基づいて説明する。本実施形態では、燃料電池システムにおいて燃料電池1の過湿潤状態を診断する例について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
本実施形態では、燃料電池1の過湿潤状態を診断することから、電流差検出装置100にて、各セル10aにおける比較的湿潤し易い部位である空気流路の出口部の近くに位置する下流側箇所Y2を流れる電流と、空気流路において下流側箇所Y2よりも空気流れ上流側に位置する上流側箇所X2を流れる電流との差に相関する物理量を検出するようにしている。
より具体的には、電流差検出装置100は、上流側箇所X2に存在する導電部101を流れる電流を、下流側箇所Y2に存在する導電部101を流れる電流から引いた電流差に相関する物理量を検出するように構成されている。なお、本実施形態では、上流側箇所X2に存在する導電部101と下流側箇所Y2に存在する導電部101とが隣接して配置されている。
図6は、本実施形態に係る電流差検出装置100を説明するための説明図である。本実施形態の検出部102は、集磁体104の一方のループが上流側箇所X2に存在する導電部101を囲むように設けられ、他方のループが下流側箇所Y2に存在する導電部101を囲むように設けられている。そして、集磁体104の各ループの合流部位に所定の間隙を介して磁気センサ103が配置されている。
このように構成される検出部102では、例えば、上流側箇所X2に存在する導電部101および下流側箇所Y2に存在する導電部101に電流が流れる際に生ずる磁界の磁束は、磁気センサ103が配置された位置で互いに打ち消しあうように作用する。
この際、セル10aにおける下流側箇所Y2付近が過湿潤となり、下流側箇所Y2に存在する導電部101の電流が低下すると、磁気センサ103では、各導電部101を流れる電流の差に応じた磁束密度が出力される。
なお、本実施形態の磁気センサ103は、上流側箇所X2に存在する導電部101の周囲に形成される磁界の磁束を「負」、下流側箇所Y2に存在する導電部101の周囲に形成される磁界の磁束を「正」となるように構成されている。なお、第1実施形態で説明したように、磁気センサ103は、各導電部101の周囲に形成される各磁界の磁束のどちらを「正」として検出してもよい。
ここで、セル10aにおける下流側箇所Y2付近が過湿潤となり、下流側箇所Y2に存在する導電部101の電流が低下すると、磁気センサ103の検出値が低下することとなる。例えば、図7に示すように、セル10aにおける下流側箇所Y2付近が過湿潤となると、磁気センサ103の検出値が徐々に低下する。なお、図7は、燃料電池が過湿潤状態となる際の電流差検出装置が出力する検出値の変化を示す特性図である。
このことから、電流差検出装置100にて、各セル10aにおける比較的湿潤し易い空気流路の出口部付近に位置する下流側箇所Y2を流れる電流と、下流側箇所Y2よりも空気流れ上流側に位置する上流側箇所X2を流れる電流との差に相関する磁束密度を検出することで、燃料電池1の過湿潤状態を診断することが可能となる。
次に、燃料電池1の過湿潤状態の診断について図8を用いて説明する。図8は、本実施形態の制御装置50が実行する過湿潤診断処理を示すフローチャートである。
燃料電池1での発電が開始されると、図8に示すように、まず、電流センサ11、および電流差検出装置100から出力される信号を読み込む(S20)。
続いて、電流差検出装置100の磁気センサ103から出力される信号、すなわち、上流側箇所X2に位置する導電部101を流れる電流Ixを、下流側箇所Y2に位置する導電部101を流れる電流Iyから引いた電流差(=Iy−Ix)に応じて変化する磁束密度を基準閾値である第2閾値以下であるかを判定する(S21)。なお、第2閾値は、燃料電池1全体を流れる総電流の増加に伴って増加するように設定される。
ステップS21の判定処理の結果、磁気センサ103の検出値が第2閾値以下と判定された場合(S21:YES)、上流側箇所X2に位置する導電部101を流れる電流に対して、下流側箇所Y2に位置する導電部101を流れる電流が低下したことになり、この電流低下は、燃料電池1内部の過湿潤に起因すると推定できるので、燃料電池1の状態を過湿潤状態と診断する(S22)。
燃料電池1の状態を過湿潤状態と診断した後、過湿潤状態から復帰させる過湿潤復帰処理を行って(S23)、過湿潤診断処理を終了する。具体的には、ステップS23の過湿潤復帰処理では、空気ポンプ21の回転数を上げて空気流路の出口部付近に溜まった水分を外部へ排出する処理を行う。
一方、ステップS21の判定処理の結果、磁気センサ103の検出値が第2閾値より大きいと判定された場合(S21:NO)、上流側箇所X2に位置する導電部101を流れる電流に対して、下流側箇所Y2に位置する導電部101を流れる電流が低下しておらず、燃料電池1内部が過湿潤状態でないと推定できるので、燃料電池1の状態を過湿潤なしと診断する(S24)。
以上説明した本実施形態の燃料電池システムは、燃料電池1のインピーダンスを算出するのでなく、セル10aにおける二箇所を流れる電流の差に相関する磁束密度に基づいて燃料電池1の過湿潤状態を診断する構成としている。
従って、本実施形態の燃料電池システムは、燃料電池1の過湿潤状態を診断する燃料電池システムを簡素な構成で実現できると共に、燃料電池1の診断の遅れを抑制することができるといった第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図9〜図11に基づいて説明する。本実施形態では、燃料電池システムにおいて燃料電池1の水素不足状態を診断する例について説明する。本実施形態では、第1、第2実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
本実施形態では、燃料電池1の水素不足状態を診断することから、電流差検出装置100にて、各セル10aにおける比較的水素が不足し易い部位である水素流路の出口部の近くに位置する下流側箇所Y3を流れる電流と、水素流路において下流側箇所Y3よりも水素流れ上流側に位置する上流側箇所X3を流れる電流との差に相関する物理量を検出するようにしている。
より具体的には、電流差検出装置100は、上流側箇所X3に存在する導電部101を流れる電流から、下流側箇所Y3に存在する導電部101を流れる電流を引いた電流差に相関する物理量を検出するように構成されている。なお、本実施形態では、上流側箇所X3に存在する導電部101と下流側箇所Y3に存在する導電部101とが隣接して配置されている。
図9は、本実施形態に係る電流差検出装置100を説明するための説明図である。本実施形態の検出部102は、集磁体104の一方のループが上流側箇所X3に存在する導電部101を囲むように設けられ、他方のループが下流側箇所Y3に存在する導電部101を囲むように設けられている。そして、集磁体104の各ループの合流部位に所定の間隙を介して磁気センサ103が配置されている。
このように構成される検出部102では、例えば、上流側箇所X3に存在する導電部101および下流側箇所Y3に存在する導電部101に電流が流れる際に生ずる磁界の磁束は、磁気センサ103が配置された位置で互いに打ち消しあうように作用する。
この際、セル10aにおける下流側箇所Y3付近で水素不足が生じ、下流側箇所Y3に存在する導電部101の電流が低下すると、磁気センサ103では、各導電部101を流れる電流の差に応じた磁束密度が出力される。
なお、本実施形態の磁気センサ103は、上流側箇所X3に存在する導電部101の周囲に形成される磁界の磁束を「正」、下流側箇所Y3に存在する導電部101の周囲に形成される磁界の磁束を「負」となるように構成されている。なお、第1、第2実施形態で説明したように、磁気センサ103は、各導電部101の周囲に形成される各磁界の磁束のどちらを「正」として検出してもよい。
ここで、セル10aにおける下流側箇所Y3付近で水素不足が生じ、下流側箇所Y3に存在する導電部101の電流が低下すると、磁気センサ103の検出値が急激に増加することとなる。例えば、図10に示すように、セル10aにおける下流側箇所Y3付近で水素不足が生じると、磁気センサ103の検出値が急激に増加する。なお、図10は、燃料電池が過湿潤状態となる際の電流差検出装置が出力する検出値の変化を示す特性図である。
このことから、電流差検出装置100にて、各セル10aにおける比較的水素不足となり易い水素流路の出口部付近に位置する下流側箇所Y3を流れる電流と、下流側箇所Y3よりも水素流れ上流側に位置する上流側箇所X3を流れる電流との差に相関する磁束密度を検出することで、燃料電池1の水素不足状態を診断することが可能となる。
次に、燃料電池1の水素不足状態の診断について図11を用いて説明する。図11は、本実施形態の制御装置50が実行する水素不足診断処理を示すフローチャートである。
燃料電池1での発電が開始されると、図11に示すように、まず、電流センサ11、および電流差検出装置100から出力される信号を読み込む(S30)。
続いて、電流差検出装置100の磁気センサ103から出力される信号、すなわち、上流側箇所X3に位置する導電部101を流れる電流Ixから、下流側箇所Y3に位置する導電部101を流れる電流Iyを引いた電流差(=Ix−Iy)に応じて変化する磁束密度を基準閾値である第3閾値以上であるかを判定する(S31)。なお、第3閾値は、燃料電池1全体を流れる総電流の増加に伴って増加するように設定される。
ステップS31の判定処理の結果、磁気センサ103の検出値が第3閾値以上と判定された場合(S31:YES)、上流側箇所X3に位置する導電部101を流れる電流に対して、下流側箇所Y3に位置する導電部101を流れる電流が低下したことになり、この電流低下は、燃料電池1への水素の供給不足に起因すると推定できるので、燃料電池1の状態を水素不足状態と診断する(S32)。
燃料電池1の状態を水素不足状態と診断した後、水素不足状態から復帰させる水素不足復帰処理を行って(S33)、水素不足診断処理を終了する。具体的には、ステップS33の水素不足復帰処理では、水素ポンプ33の回転数を上げて水素流路への水素の供給量を増加させる処理を行う。
一方、ステップS31の判定処理の結果、磁気センサ103の検出値が第3閾値未満と判定された場合(S31:NO)、上流側箇所X3に位置する導電部101を流れる電流に対して、下流側箇所Y3に位置する導電部101を流れる電流が低下しておらず、燃料電池1への水素の供給量不足が生じていいないと推定できるので、燃料電池1の状態を水素不足なしと診断する(S34)。
以上説明した本実施形態の燃料電池システムは、燃料電池1のインピーダンスを算出するのでなく、セル10aにおける二箇所を流れる電流の差に相関する磁束密度に基づいて燃料電池1の水素不足状態を診断する構成としている。
従って、本実施形態の燃料電池システムは、燃料電池1の水素不足状態を診断する燃料電池システムを簡素な構成で実現できると共に、燃料電池1の診断の遅れを抑制することができるといった第1、第2実施形態と同様の作用効果を奏する。
ここで、本実施形態では、ステップS31にて、燃料電池1の水素不足状態を、磁気センサ103の検出値が第3閾値以上であるか否かによって判定しているが、これに限定されない。図10に示すように、セル10aにおける下流側箇所Y3付近で水素不足が生じ、下流側箇所Y3に存在する導電部101の電流が低下すると、磁気センサ103の検出値が急激に増加することとなる。
このため、本実施形態では、ステップS31にて、燃料電池1の水素不足状態を、磁気センサ103の検出値の増加度合い(増加速度)を用いて判定するようにしてもよい。個の場合、例えば、ステップS31にて、磁気センサ103の検出値の増加度合いが、基準閾値である第4閾値以上であるか否かを判定し、その結果、磁気センサ103の検出値の増加度合いが、基準閾値である第4閾値以上となる場合に、燃料電池1の状態が水素不足状態と診断すればよい。なお、第4閾値は、燃料電池1全体を流れる総電流の増加に伴って増加するように設定される。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図12〜図14に基づいて説明する。本実施形態では、燃料電池システムにおいて冷却水の温度が低いことによって燃料電池1が充分に昇温していない温度不足状態を診断する例について説明する。本実施形態では、第1〜第3実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
本実施形態では、燃料電池1の温度不足状態を診断することから、電流差検出装置100にて、各セル10aにおける比較的温度が低温となり易い部位である冷却水流路の入口部の近くに位置する上流側箇所X4を流れる電流と、冷却水流路において上流側箇所X4よりも冷却水流れ下流側に位置する下流側箇所Y4を流れる電流との差に相関する物理量を検出するようにしている。
より具体的には、電流差検出装置100は、上流側箇所X4に存在する導電部101を流れる電流を、下流側箇所Y4に存在する導電部101を流れる電流から引いた電流差に相関する物理量を検出するように構成されている。なお、本実施形態では、上流側箇所X4に存在する導電部101と下流側箇所Y4に存在する導電部101とが隣接して配置されている。
図12は、本実施形態に係る電流差検出装置100を説明するための説明図である。本実施形態の検出部102は、集磁体104の一方のループが上流側箇所X4に存在する導電部101を囲むように設けられ、他方のループが下流側箇所Y4に存在する導電部101を囲むように設けられている。そして、集磁体104の各ループの合流部位に所定の間隙を介して磁気センサ103が配置されている。
このように構成される検出部102では、例えば、上流側箇所X4に存在する導電部101および下流側箇所Y4に存在する導電部101に電流が流れる際に生ずる磁界の磁束は、磁気センサ103が配置された位置で互いに打ち消しあうように作用する。
この際、セル10aにおける上流側箇所X4付近の温度が低温となり、上流側箇所X4に存在する導電部101の電流が低下すると、磁気センサ103では、各導電部101を流れる電流の差に応じた磁束密度が出力される。
なお、本実施形態の磁気センサ103は、上流側箇所X4に存在する導電部101の周囲に形成される磁界の磁束を「負」、下流側箇所Y4に存在する導電部101の周囲に形成される磁界の磁束を「正」となるように構成されている。なお、第1実施形態で説明したように、磁気センサ103は、各導電部101の周囲に形成される各磁界の磁束のどちらを「正」として検出してもよい。
ここで、セル10aにおける上流側箇所X4付近の温度が低温となり、上流側箇所X4に存在する導電部101の電流が低下すると、磁気センサ103の検出値が増加することとなる。例えば、図13に示すように、セル10aにおける上流側箇所X4付近の温度が低下すると、磁気センサ103の検出値が徐々に増加する。なお、図13は、燃料電池1が温度不足状態となる際の電流差検出装置が出力する検出値の変化を示す特性図である。
このことから、電流差検出装置100にて、各セル10aにおける比較的温度が低下し易い冷却水流路の入口部付近に位置する上流側箇所X4を流れる電流と、上流側箇所X4よりも冷却水流れ下流側に位置する下流側箇所Y4を流れる電流との差に相関する磁束密度を検出することで、燃料電池1の温度不足状態を診断することが可能となる。
次に、燃料電池1の温度不足状態の診断について図14を用いて説明する。図14は、本実施形態の制御装置50が実行する過湿潤診断処理を示すフローチャートである。
燃料電池1での発電が開始されると、図14に示すように、まず、電流センサ11、および電流差検出装置100から出力される信号を読み込む(S40)。
続いて、電流差検出装置100の磁気センサ103から出力される信号、すなわち、上流側箇所X4に位置する導電部101を流れる電流Ixを、下流側箇所Y4に位置する導電部101を流れる電流Iyから引いた電流差(=Iy−Ix)と同様に変化する磁束密度を基準閾値である第5閾値以上であるかを判定する(S41)。なお、第5閾値は、燃料電池1全体を流れる総電流の増加に伴って増加するように設定される。
ステップS41の判定処理の結果、磁気センサ103の検出値が第5閾値以上と判定された場合(S41:YES)、下流側箇所Y4に位置する導電部101を流れる電流に対して、上流側箇所X4に位置する導電部101を流れる電流が低下したことになり、この電流低下は、燃料電池1の温度不足に起因すると推定できるので、燃料電池1の状態を温度不足状態と診断する(S42)。
燃料電池1の状態を温度不足状態と診断した後、温度不足状態から復帰させる温度不足復帰処理を行って(S43)、温度不足診断処理を終了する。具体的には、ステップS43の温度不足復帰処理では、ウォータポンプ41の回転数を低下、またはウォータポンプ41の作動を停止して燃料電池1を昇温させる処理を行う。
一方、ステップS41の判定処理の結果、磁気センサ103の検出値が第5閾値未満と判定された場合(S41:NO)、下流側箇所Y4に位置する導電部101を流れる電流に対して、上流側箇所X4に位置する導電部101を流れる電流が低下しておらず、燃料電池1が温度不足状態でないと推定できるので、燃料電池1の状態を温度不足なしと診断する(S44)。
以上説明した本実施形態の燃料電池システムは、燃料電池1のインピーダンスを算出するのでなく、セル10aにおける二箇所を流れる電流の差に相関する磁束密度に基づいて燃料電池1の温度不足状態を診断する構成としている。
従って、本実施形態の燃料電池システムは、燃料電池1の温度不足状態を診断する燃料電池システムを簡素な構成で実現できると共に、燃料電池1の診断の遅れを抑制することができるといった第1〜第3実施形態と同様の作用効果を奏する。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図15〜図17に基づいて説明する。本実施形態では、燃料電池システムにおいて冷却水の流量不足によって燃料電池1が過剰に昇温した温度過剰状態を診断する例について説明する。本実施形態では、第1〜第4実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
本実施形態では、燃料電池1の温度過剰状態を診断することから、電流差検出装置100にて、各セル10aにおける比較的温度が高温となり易い部位である冷却水流路の出口部の近くに位置する下流側箇所Y5を流れる電流と、冷却水流路において下流側箇所Y5よりも冷却水流れ上流側に位置する上流側箇所X5を流れる電流との差に相関する物理量を検出するようにしている。
より具体的には、電流差検出装置100は、下流側箇所Y5に存在する導電部101を流れる電流から、上流側箇所X5に存在する導電部101を流れる電流を引いた電流差に相関する物理量を検出するように構成されている。なお、本実施形態では、上流側箇所X5に存在する導電部101と下流側箇所Y5に存在する導電部101とが隣接して配置されている。
図15は、本実施形態に係る電流差検出装置100を説明するための説明図である。本実施形態の検出部102は、集磁体104の一方のループが上流側箇所X5に存在する導電部101を囲むように設けられ、他方のループが下流側箇所Y5に存在する導電部101を囲むように設けられている。そして、集磁体104の各ループの合流部位に所定の間隙を介して磁気センサ103が配置されている。
このように構成される検出部102では、例えば、上流側箇所X5に存在する導電部101および下流側箇所Y5に存在する導電部101に電流が流れる際に生ずる磁界の磁束は、磁気センサ103が配置された位置で互いに打ち消しあうように作用する。
この際、セル10aにおける下流側箇所Y5付近の温度が高温となり、下流側箇所Y5に存在する導電部101の電流が低下すると、磁気センサ103では、各導電部101を流れる電流の差に応じた磁束密度が出力される。
なお、本実施形態の磁気センサ103は、上流側箇所X5に存在する導電部101の周囲に形成される磁界の磁束を「負」、下流側箇所Y5に存在する導電部101の周囲に形成される磁界の磁束を「正」となるように構成されている。なお、第1実施形態で説明したように、磁気センサ103は、各導電部101の周囲に形成される各磁界の磁束のどちらを「正」として検出してもよい。
ここで、セル10aにおける下流側箇所Y5付近の温度が高温となり、下流側箇所Y5に存在する導電部101の電流が低下すると、磁気センサ103の検出値が減少することとなる。例えば、図16に示すように、セル10aにおける下流側箇所Y5付近の温度が低下すると、磁気センサ103の検出値が徐々に低下する。なお、図16は、燃料電池1が温度過剰状態となる際の電流差検出装置100が出力する検出値の変化を示す特性図である。
このことから、電流差検出装置100にて、各セル10aにおける比較的温度が高温となり易い冷却水流路の出口部付近に位置する下流側箇所Y5を流れる電流と、下流側箇所Y5よりも冷却水流れ上流側に位置する上流側箇所X5を流れる電流との差に相関する磁束密度を検出することで、燃料電池1の温度不足状態を診断することが可能となる。
次に、燃料電池1の温度不足状態の診断について図17を用いて説明する。図17は、本実施形態の制御装置50が実行する温度過剰診断処理を示すフローチャートである。
燃料電池1での発電が開始されると、図17に示すように、まず、電流センサ11、および電流差検出装置100から出力される信号を読み込む(S50)。
続いて、電流差検出装置100の磁気センサ103から出力される信号、すなわち、上流側箇所X5に位置する導電部101を流れる電流Ixを、下流側箇所Y5に位置する導電部101を流れる電流Iyから引いた電流差(=Iy−Ix)と同様に変化する磁束密度を基準閾値である第6閾値以下であるかを判定する(S51)。なお、第6閾値は、燃料電池1全体を流れる総電流の増加に伴って増加するように設定される。
ステップS51の判定処理の結果、磁気センサ103の検出値が第6閾値以下と判定された場合(S51:YES)、上流側箇所X5に位置する導電部101を流れる電流に対して、下流側箇所Y5に位置する導電部101を流れる電流が低下したことになり、この電流低下は、燃料電池1の過剰な温度上昇(温度過剰)に起因すると推定できるので、燃料電池1の状態を温度過剰状態と診断する(S52)。
燃料電池1の状態を温度過剰状態と診断した後、温度過剰状態から復帰させる温度過剰復帰処理を行って(S53)、温度過剰診断処理を終了する。具体的には、ステップS53の温度不足復帰処理では、ウォータポンプ41の回転数を増加して、燃料電池1内部の冷却水流路に流れる冷却水の流量を増加させる処理を行う。
一方、ステップS51の判定処理の結果、磁気センサ103の検出値が第6閾値より大きいと判定された場合(S51:NO)、上流側箇所X5に位置する導電部101を流れる電流に対して、下流側箇所Y5に位置する導電部101を流れる電流が低下しておらず、燃料電池1が温度過剰状態でないと推定できるので、燃料電池1の状態を温度過剰なしと診断する(S54)。
以上説明した本実施形態の燃料電池システムは、燃料電池1のインピーダンスを算出するのでなく、セル10aにおける二箇所を流れる電流の差に相関する磁束密度に基づいて燃料電池1の温度過剰状態を診断する構成としている。
従って、本実施形態の燃料電池システムは、燃料電池1の温度過剰状態を診断する燃料電池システムを簡素な構成で実現できると共に、燃料電池1の診断の遅れを抑制することができるといった第1〜第4実施形態と同様の作用効果を奏する。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。例えば、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態のように、電流差検出装置100にて電流差を検出する一対の導電部を、複数の導電部のうち隣接して配置された導電部で構成することが望ましいが、これに限定されない。例えば、複数の導電部を挟んで離れた一対の導電部を流れる電流の差を電流差検出装置100で検出するようにしてもよい。
ここで、図18は、電流差検出装置100の検出部102の変形例を説明するための説明図である。図18に示すように、電流差検出装置100にて、各セル10aにおける比較的乾燥し易い部位である空気流路の入口部の近くに位置する上流側箇所X6を流れる電流と、比較的過湿潤となり易い部位である空気流路の出口部の近くに位置する下流側箇所Y6を流れる電流との差に相関する磁束密度を検出するようにしてもよい。
この場合、電流差検出装置100の単一の検出部102にて空気流路の入口部の近く位置する導電部101を流れる電流、および空気流路の出口部の近く位置する導電部101を流れる電流それぞれの変化を検出することができる。これにより、単一の検出部102を用いて、燃料電池1の乾燥状態、および過湿潤状態それぞれを診断することが可能となり、燃料電池1の状態を診断する燃料電池システムをより簡素な構成で実現できる。
また、電流差検出装置100にて、各セル10aにおける比較的低温となり易い冷却水流路の入口部の近くを流れる電流と、比較的高温となり易い冷却水流路の出口部の近くを流れる電流との差に相関する磁束密度を検出するようにしてもよい。これによれば、単一の検出部102を用いて、燃料電池1の温度不足状態、および温度過剰状態それぞれを診断することが可能となる。
(2)上述の各実施形態では、電流差検出装置100の検出部102に磁気センサ103を用いる例について説明したが、これに限定されない。例えば、一対の導電部を流れる電流の差は、一対の導電部における電位差に相関することから、検出部102に一対の導電部101の電位差を検出する電圧センサ105を用いてもよい。
図19は、電流差検出装置100の変形例を説明するための説明図であり、図19の(a)が、電流差検出装置100をセル10aの積層方向から見た正面図を示し、(b)が電流差検出装置100の検出部をセル10aの積層方向から見た正面図を示している。
例えば、燃料電池1の乾燥状態を診断する際には、図19に示すように、電圧センサ105によって、各セル10aにおける比較的乾燥し易い部位である空気流路の入口部の近くに位置する上流側箇所X7と、空気流路における上流側箇所X7の空気流れ下流側に位置する下流側箇所Y7との電位差を検出するようにすればよい。
ここで、図20は、燃料電池1が乾燥状態となる際の膜抵抗と電位差との関係を説明するための説明図であり、図20の(a)が、乾燥状態となる際の上流側箇所X7および下流側箇所Y7を流れる局所電流と膜抵抗との関係を示す特性図を示し、(b)が乾燥状態となる際の膜抵抗と電圧センサ105の出力との関係を示す特性図を示している。なお、電圧センサ105は、下流側箇所Y7の電位から上流側箇所X7の電位を引いた電位差を上流側箇所X7および下流側箇所Y7を流れる電流の差に相関する物理量として出力するように構成されている。
図20に示すように、上流側箇所X7に存在する電解質膜が乾燥すると、上流側箇所X7に存在する膜抵抗が増加し、上流側箇所X7および下流側箇所Y7それぞれを流れる電流が低下するが、上流側箇所X7の方が電流の低下度合いが大きくなる。この際、電圧センサ105の検出値は、膜抵抗の増加に伴って増加する傾向となっている。すなわち、上流側箇所X7および下流側箇所Y7を流れる電流の差に相関して、上流側箇所X7および下流側箇所Y7の間の電位差が拡大する。
このことから、電流差検出装置100にて、各セル10aにおける比較的乾燥し易い空気流路の入口部付近の上流側箇所X7を流れる電流と、上流側箇所X7よりも空気流れ下流側に位置する下流側箇所Y7を流れる電流との差に相関する電位差を検出することで、燃料電池1の乾燥状態を診断することが可能となる。本変形例では、燃料電池1の乾燥状態を診断する構成について説明したが、勿論、燃料電池1の乾燥状態以外の状態に関しても診断可能である。
(3)上述の各実施形態のように、磁気センサ103における磁束密度の検出精度の向上を図るために、一対の導電部の周囲を覆う集磁体104を設けることが望ましいが、これに限らず、集磁体104を省略してもよい。
(4)上述の各実施形態のように、基準閾値は、燃料電池1全体を流れる総電流の増加に伴って増加させていることが望ましいが、これに限らず、基準閾値を固定値としてもよい。
(5)上述の各実施形態それぞれでは、燃料電池1の乾燥状態、過湿潤状態、水素不足状態、温度不足状態、および温度過剰状態を個別に診断する例について説明したが、各実施形態を組み合わせることで、燃料電池1の各状態をまとめて診断するようにしてもよい。
(6)上述の各実施形態では、電流差検出装置100を隣接するセル10aの間に配置する例について説明したが、これに限らず、例えば、電流差検出装置100をセル10aと集電板10b、10cとの間に隣接配置するようにしてもよい。
(7)上述の各実施形態のように、電流差検出装置100を単一の検出部102で構成することが望ましいが、これに限らず、例えば、複数の検出部102で構成してもよい。
(8)上述の各実施形態では、電流差検出装置100において、導電部集合板100aに複数の導電部101をマトリックス状に配置する例について説明したが、マトリックス状に限らず、例えば、ランダムに配置するようにしてもよい。
(9)上述の各実施形態では、本発明の燃料電池システムを燃料電池1を搭載する車両に適用する例について説明したが、これに限らず、例えば、車両以外の移動体(ロボット、船舶、航空機等)に適用したり、建物(住宅、ビル等)の発電設備として用いられる定置用発電装置に適用したりしてもよい。
1 燃料電池
10a セル
100 電流差検出装置(物理量検出手段)
101 導電部
102 検出部
103 磁気センサ
104 集磁体
105 電圧センサ
50 制御装置
50a 状態診断手段
X1〜X7 上流側箇所
Y1〜Y7 下流側箇所

Claims (14)

  1. 酸化剤ガスと燃料ガスとを電気化学反応させて電気エネルギを出力する電池セル(10a)を複数積層して構成した燃料電池(1)と、
    前記複数の電池セル(10a)のうち、少なくとも1つの電池セル(10a)に対して前記電池セル(10a)の積層方向に隣接配置され、当該隣接配置された前記電池セル(10a)における少なくとも二箇所を流れる電流の差に相関する物理量を検出する物理量検出手段(100)と、
    前記物理量検出手段(100)の検出値に応じて前記燃料電池(1)の状態を診断する状態診断手段(50a)と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記物理量検出手段(100)は、
    前記電池セル(10a)の積層方向に沿って電流を流すための複数の導電部(101)と、
    前記複数の導電部(101)のうち、一対の導電部を流れる電流の差に相関する物理量を検出する単一の検出部(102)と、
    を有して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記検出部(102)は、前記一対の導電部に電流が流れた際に前記一対の導電部の周囲に形成される磁界の磁束密度を前記物理量として検出する磁気センサ(103)を有して構成されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記検出部(102)は、前記一対の導電部それぞれを囲むように配置され、前記一対の導電部の周囲に形成される磁束を前記磁気センサ(103)に集める集磁体(104)を有して構成されていることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記検出部(102)は、前記一対の導電部における電位差を前記物理量として検出する電圧センサ(105)で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  6. 前記一対の導電部は、前記複数の導電部(101)のうち、互いに隣接して配置された導電部であることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  7. 前記状態診断手段(50a)は、前記物理量検出手段(100)の検出値を所定の基準閾値と比較し、その比較結果に応じて前記燃料電池(1)の状態を診断することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  8. 前記複数の電池セル(10a)それぞれは、その内部に前記酸化剤ガスが流れる酸化剤ガス流路が形成されており、
    前記物理量検出手段(100)は、前記酸化剤ガス流路の出口部よりも入口部の近くに位置する上流側箇所(X1、X6、X7)を流れる電流を前記上流側箇所(X1、X6、X7)よりも前記酸化剤ガス流れ下流側に位置する下流側箇所(Y1、Y6、Y7)を流れる電流から引いた電流差に相関する物理量を検出するように構成され、
    前記状態診断手段(50a)は、前記物理量検出手段(100)の検出値が、前記基準閾値を構成する第1閾値以上となる場合に、前記燃料電池(1)の内部が乾燥した乾燥状態と診断することを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 前記複数の電池セル(10a)それぞれは、その内部に前記酸化剤ガスが流れる酸化剤ガス流路が形成されており、
    前記物理量検出手段(100)は、前記酸化剤ガス流路の入口部よりも出口部の近くに位置する下流側箇所(Y2、Y6)を流れる電流から前記下流側箇所(Y2、Y6)よりも前記酸化剤ガス流れ上流側に位置する上流側箇所(X2、X6)を流れる電流を引いた電流差に相関する物理量を検出するように構成され、
    前記状態診断手段(50a)は、前記物理量検出手段(100)の検出値が、前記基準閾値を構成する第2閾値以下となる場合に、前記燃料電池(1)の内部が過剰に湿潤した過湿潤状態と診断することを特徴とする請求項7または8に記載の燃料電池システム。
  10. 前記複数の電池セル(10a)それぞれは、その内部に前記燃料ガスが流れる燃料ガス流路が形成されており、
    前記物理量検出手段(100)は、前記燃料ガス流路の入口部よりも出口部の近くに位置する下流側箇所(Y3)を流れる電流を、前記下流側箇所(Y3)よりも前記燃料ガス流れ上流側に位置する上流側箇所(X3)を流れる電流から引いた電流差に相関する物理量を検出するように構成され、
    前記状態診断手段(50a)は、前記物理量検出手段(100)の検出値が、前記基準閾値を構成する第3閾値以上となる場合に、前記燃料電池(1)への前記燃料ガスの供給が不足した燃料ガス不足状態と診断することを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  11. 前記複数の電池セル(10a)それぞれは、その内部に前記燃料ガスが流れる燃料ガス流路が形成されており、
    前記物理量検出手段(100)は、前記燃料ガス流路の入口部よりも出口部の近くに位置する下流側箇所(Y3)を流れる電流を、前記下流側箇所(Y3)よりも前記燃料ガス流れ上流側に位置する上流側箇所(X3)を流れる電流から引いた電流差に相関する物理量を検出するように構成され、
    前記状態診断手段(50a)は、前記物理量検出手段(100)の検出値の増加度合いが、前記基準閾値を構成する第4閾値以上となる場合に、前記燃料電池(1)への前記燃料ガスの供給が不足した燃料ガス不足状態と診断することを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  12. 前記複数の電池セル(10a)それぞれは、その内部に冷却水が流れる冷却水流路が形成されており、
    前記物理量検出手段(100)は、前記冷却水流路の入口部よりも出口部の近くに位置する下流側箇所(Y5)を流れる電流から前記下流側箇所(Y5)よりも前記冷却水流れ上流側に位置する上流側箇所(X5)を流れる電流を引いた電流差に相関する物理量を検出するように構成され、
    前記状態診断手段(50a)は、前記物理量検出手段(100)の検出値が、前記基準閾値を構成する第6閾値以下となる場合に、前記冷却水の流量不足によって前記燃料電池(1)が過剰に昇温した温度過剰状態であると診断することを特徴とする請求項7ないし11のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  13. 前記複数の電池セル(10a)それぞれは、その内部に冷却水が流れる冷却水流路が形成されており、
    前記物理量検出手段(100)は、前記冷却水流路の出口部よりも入口部の近くに位置する上流側箇所(X4)を流れる電流を、前記上流側箇所(X4)よりも前記冷却水流れ下流側に位置する下流側箇所(Y4)を流れる電流から引いた電流差に相関する物理量を検出するように構成され、
    前記状態診断手段(50a)は、前記物理量検出手段(100)の検出値が、前記基準閾値を構成する第5閾値以上となる場合に、前記冷却水の温度が低いことによって前記燃料電池(1)が充分に昇温していない温度不足状態であると診断することを特徴とする請求項7ないし12のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  14. 前記状態診断手段(50a)は、前記燃料電池(1)全体を流れる総電流の増加に応じて、前記基準閾値を増加させることを特徴とする請求項7ないし13のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
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