JP5923956B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、電解質膜のガスクロスリークを検出する装置を備える燃料電池システムに関する。
車両の駆動源等に用いられる燃料電池では、固体高分子電解質膜の膜厚が経時変化により薄くなり、やがては孔開きに至る。電解質膜は、水素イオンを透過させる機能及び水素ガス通路と空気通路とを分離する隔壁としての機能を果たすものであるから、孔があくと水素ガスが水素通路から空気通路へ漏れ出ることになる。その結果、漏れ出た水素が空気通路内の空気中の酸素と反応して発熱する等、燃料電池に悪影響を及ぼすおそれがある。
そこで、特許文献1では、アノード及びカソードへの反応ガスの供給を停止して燃料電池の運転を停止し、そこから所定時間後のセル電圧に基づいて、電解質膜の孔あきを検知している。具体的には、電解質膜に孔あき等の異常があれば、正常な場合に比べて、運転停止後の電圧低下速度が速くなるという特性を利用して、運転停止から所定時間経過後のセル電圧が閾値以下であれば孔あき等の異常ありと判断している。
また、特許文献2には、運転中におけるアノードガスの圧力をカソードガスの圧力より高くすることで、正常なセルと孔あき等が生じているセルのクロスリーク量差を大きくして、異常検知の精度を高める方法が開示されている。
特許4434525号公報 特許4162874号公報
ところで、実際の車両等に搭載される燃料電池は、電解質膜をアノードとカソードで両側から挟み込み、さらにその外側を一対のセパレータで挟持した単セルを複数枚積層して構成されるスタックからなる。
このような燃料電池スタックでは、運転中に発生した液水が、マニホールドからセル流路への入口部分を閉塞し、外部からの反応ガスの流入を阻害するという事態が生じ得る。そして、流路が閉塞されたセルではカソードチャネル内の水素ガス雰囲気化が進み、電解質膜に孔があいた場合と同様の顕著な電圧低下が生じる。すなわち、液水によりガス流路が閉塞されると、セル間の電圧にバラツキが生じ、閉塞されたセルではあたかも電解質膜に孔があいたかのような電圧低下が生じる。このため、特許文献1の判定方法では、液水による流路閉塞によって生じた検知電圧のバラツキを、電解質膜の孔あきと誤検知するおそれがある。また、液水による流路閉塞は、アノード側の圧力を高めるだけでは解消されないので、特許文献2の方法でも上述した誤検知の問題は解消されない。
そこで、本発明では、上述した液水によるクロスリークの誤検知を防止し得る燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明の燃料電池システムは、電解質層の一方の面には酸素極を、他方の面には燃料極をそれぞれ備え、酸素極に酸化剤ガスを供給し、燃料極に燃料ガスを供給して発電する燃料電池を複数積層してなる燃料電池スタックを備える。また、各燃料電池の電圧または複数の燃料電池からなる燃料電池群の電圧を検出する電圧検出手段を備え、電解質層のクロスリークを、反応ガス供給停止後の各燃料電池または燃料電池群の電圧に基づいて診断するクロスリーク診断手段と、燃料電池内の液水の有無を判断する液水有無判断手段と、燃料電池内の液水の有無を推定する液水有無推定手段と、を備え、液水有無判断手段は、燃料電池内の液水を低減するための液水低減処理を実行する液水低減手段を含んで構成されるとともに、液水有無推定手段が液水有りと推定した場合は液水低減処理実行後に液水無しと判断し、液水有無推定手段が液水無しと推定した場合は液水無しと判断し、クロスリーク診断手段は、液水有無判断手段が液水無しと判断した場合にクロスリーク診断を実行する。
本発明によれば、燃料電池スタック内に液水が無い状態でクロスリーク診断を実行するので、液水に起因する誤検知を防止することができる。
本発明の第1実施形態を適用する燃料電池システムの構成図である。 燃料電池スタック1の概略図である。 燃料電池と負荷等の接続例を示す構成図である。 コントロールユニットが実行する電解質膜の孔開き検知の制御ルーチンを示すフローチャートである。 インピーダンスと反応ガス相対湿度との関係を示す特性図である。 反応ガスで燃料電池内を掃気する場合のタイムチャートである。 燃料電池をヒータ加熱する場合のタイムチャートである。 反応ガス供給停止前に高温運転する場合のタイムチャートである。 飽和水蒸気圧とセル温度の関係を示す特性図である。 液水量と電流値の関係を示す図である。 液水量とガス流量の関係を示す図である。 液水量とガス圧力との関係を示す図である。 第2実施形態のクロスリーク診断を実行した場合のタイムチャートである。
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態を適用する燃料電池システムの構成図である。燃料電池システムは、燃料電池スタック1に燃料ガスとしての水素ガスを供給する水素供給系統と、空気を供給する空気供給系統と、燃料電池スタック1を冷却する冷却系統と、水素循環系統と、を備える。
水素供給系統は、水素ガスを貯蔵する水素タンク5と、水素タンク5と燃料電池スタック1を連通する水素配管30と、水素配管30に介装された水素調圧弁11とを含んで構成される。
空気供給系統は、空気を圧送するコンプレッサ2と、コンプレッサ2と燃料電池スタック1を連通する空気配管31と、空気配管31に介装された外部加湿器3、ガス圧力計測器22、及びガス流量計測器23とを含んで構成される。
冷却系統は、冷却水循環配管32と、冷却水を循環させる冷却水循環ポンプ12と、冷却水循環配管32に介装されたラジエーター14を備える。なお、ラジエーター14を迂回して循環する冷却水ショートサーキット15も備える。ラジエーター14を通過するか迂回するかは、三方弁13の切り換えにより制御する。
水素供給系統は、水素循環配管10と、水素循環配管10に介装した水素循環ブロア6及び水セパレータータンク7を備える。水セパレータータンク7には、水捨て弁8及び窒素パージ弁9が備えられる。
燃料電池システムは、背圧調整の配管33及び背圧調整弁4も備える。
また、燃料電池システムは、燃料電池スタック1の温度を計測する温度計測器20、電流計測器21、高周波抵抗計測器18、及びセル電圧計測器17を備え、これらはコントロールユニット40に接続されている。ガス圧力計測器22及びガス流量計測器23もコントロールユニット40に接続されている。なお、本実施形態ではセル毎の電圧を計測するセル電圧計測器17としたが、全セルを所定枚数毎のセル群に分割し、セル群毎の電圧を計測するセル群電圧計測機としてもよい。
なお、コントロールユニット40は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントロールユニット40を複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。
図2は、燃料電池スタック1の概略図である。本実施形態では、固体高分子型燃料電池を用いる。
単位セルは、固体高分子電解質膜(以下、電解質膜101)を燃料極102および酸化剤極103により狭持した膜電極接合体(以下、MEA115)を、さらに、アノードセパレータ104、カソードセパレータ105で挟持することにより構成する。このような単位セルを積層することにより、燃料電池110の積層体である燃料電池スタック1を構成する。なお、図2では、単位セルを3枚積層した状態を示している。
アノードセパレータ104の燃料極102に対峙する面には、アノード流路106を構成する。アノード流路106には、後述するアノードガスマニホールド114により分配された燃料ガス、例えば水素含有ガスを流通させる。また、カソードセパレータ105の酸化剤極103に対峙する面には、カソード流路107を構成する。カソード流路107には、後述するカソードガスマニホールド112により分配された酸化剤ガスを流通させる。ここで、アノードガスマニホールド114と、カソードガスマニホールド112は、燃料電池スタック1を積層方向に貫通し、外部より供給された燃料ガスまたは酸化剤ガスを各セルに分配する。本実施形態では、アノードガスマニホールド114、カソードガスマニホールド112として積層面を貫通する内部マニホールドを用いる。
アノードセパレータ104とカソードセパレータ105の合わせ面には、冷却水流路108を構成する。この冷却水流路108にエチレングリコール等の溶媒を流すことにより、温度上昇した燃料電池110の熱を排出する。
また、MEA115の外周に沿って、燃料ガス及び酸化剤ガスの漏れを防ぐためのエッジシール120を配置する。
上記燃料電池110の燃料極102及び酸化剤極103には、白金担持カーボンを用いる。また、電解質膜101には、厚さ25μmと50μmの2種類のNafion(Dupont社製 登録商標)を用いる。
図3は、燃料電池スタック1とモータ等の負荷132等との接続例を示す構成図である。
燃料電池110の積層方向両端に、それぞれ集電板130a、130b、エンドプレート135を配置して構成する。積層した燃料電池110、集電板130a、130b、エンドプレート135は、燃料電池110の内部四隅に貫通した貫通孔に、タイロッド133を挿通して、タイロッド133の端部にナット134を螺合することによって締結する。締結方法は、燃料電池110の内部にタイロッド133を貫通する方法に限られず、燃料電池110外部において、エンドプレート135の四隅を4本のタイロッド133で縦貫してもよい。
集電板130a、130bを、ガス不透過な導電性部材、例えば、緻密質カーボンや銅板などにより構成する。集電板130a、130bにはそれぞれ、燃料電池110で生じた起電力の取り出し部となる出力端子210を設ける。
エンドプレート135の燃料電池側の面には、例えば、ゴムや樹脂などの絶縁性部材による絶縁層が形成されている。タイロッド133を、剛性を備えた材料、例えば、鋼などの金属材料により構成する。タイロッド133の表面は絶縁処理を行っており、燃料電池110の単位セル同士の電気的短絡を防止する。
一方のエンドプレート135には、燃料電池110内に燃料ガス(水素ガス又は水素含有ガス)を供給するための燃料ガス入口114a、及び、燃料電池110内に酸化剤ガス(酸素含有ガス又は空気)を供給するための酸化剤ガス入口112a、そしてこれらの出口である燃料ガス出口114b、酸化剤ガス出口112bを設ける。
出力端子210から取り出した電力は、モータ等の負荷132に供給する。この燃料電池110を自動車等の動力源として用いる場合には、モータは自動車を動かすための補機類へと繋がる。また、電力はパワーマネージャ136を介してバッテリ137に充電される。燃料電池スタック1の各燃料電池110の起電力を検知するためのセル電圧計測器17が配置されている。
上述したような燃料電池システムを運転していると、電解質膜101が徐々に薄くなり、やがて孔開きに至ることがある。電解質膜101に孔が開くと、アノード流路106からカソード流路107へ水素が漏れ出るクロスリークが生じ、漏れ出た水素が空気通路内の空気中の酸素と反応して発熱する等、燃料電池システムに悪影響を及ぼすおそれがある。なお、電解質膜101が正常であってもクロスリークは生じるが、孔開きが有る場合には、正常な場合に比べてはるかに多量の水素が漏れ出る。
そこで、電解質膜101の孔開きによるクロスリークを検知する必要がある。検知の手法としては、後述するように燃料電池スタック1への反応ガスの供給を停止し、その後の開回路電圧の挙動に基づいて電解質膜101に孔が開いているが否かを判定する方法が公知である。しかし、燃料電池スタック1内に液水が存在している場合には、液水がカソード流路107を封鎖することにより、正常な燃料電池110の電圧が孔開きしているかのような挙動を示すため、誤検知するおそれがある。
そこで、このような誤検知を防止すべく、後述するように孔開きによるクロスリークを検知することとする。
図4は、コントロールユニット40が実行する、電解質膜101の孔開き検知の制御ルーチンを示すフローチャートである。
ステップS100で、コントロールユニット40は液水推定手段として液水の有無を推定し、その推定結果に基づいて液水有無判定手段として液水の有無を判定する。液水が無いと判定したらステップS120の処理を実行し、液水が有ると判定したらステップS110の処理を実行する。
液水の有無は、各燃料電池110のインピーダンスに基づいて推定する。インピーダンスは、図5に示すように反応ガス相対湿度RHが高くなるほど低下するという特性がある。なお、図5は縦軸がインピーダンス、横軸が反応ガス相対湿度RHである。
また、反応ガス相対湿度RHが高くなるほど、凝縮水は生成し易い。したがって、インピーダンスと液水の有無には相関がある。
そこで、高周波抵抗計測器18により各燃料電池110のインピーダンスを計測し、予め設定した基準値を下回る燃料電池110が有る場合には液水が有ると推定できるので、液水有りと判定する。基準値を下回る燃料電池110が無ければ液水は無いと推定できるので、液水無しであると判定する。なお、基準値は、液水が存在する場合のインピーダンスを予め実験等により求めて設定する。
ステップS120で、コントロールユニット40はクロスリーク診断を許可し、ステップS130でクロスリーク診断を実行する。一方、ステップS110では、コントロールユニット40は液水低減運転を行なった後、ステップS120の処理を実行する。
ステップS110でコントロールユニット40が液水低減手段として実行する液水低減運転には、いくつかの方法がある。例えば、反応ガスで燃料電池110内を掃気する方法、ヒータによって燃料電池110を加熱する方法、反応ガス供給停止の前に高温運転する方法等がある。
図6は反応ガスで燃料電池110内を掃気する場合のタイムチャートである。上段よりセル電圧、ガス流量、負荷を示している。なお、セル電圧は代表的なもの一つだけ示しているが、実際には燃料電池110毎の挙動を測定する。
図6に示すように、タイミングt1で空気の流量を増加させて燃料電池110内を掃気することで燃料電池110内から液水を排除し、タイミングt2で反応ガスの供給を停止する。そして負荷もゼロにして、その後のセル電圧を測定する。
図7はヒータによって燃料電池110を加熱する場合のタイムチャートである。上段よりセル電圧、ガス流量、負荷、ヒータ温度を示している。図7に示すように、タイミングt1からヒータにより燃料電池110を加熱することで燃料電池110内の液水を低減した後、タイミングt2で反応ガスの供給を停止する。
図8は反応ガス供給停止前に高温運転する場合のタイムチャートである。上段よりセル電圧、ガス流量、負荷、セル温度を示している。図8に示すように、タイミングt1で空気の流量を減らし、かつ負荷を高める。これによりセル温度が上昇して燃料電池110内の液水が低減される。その後、タイミングt2で反応ガスの供給を停止する。
上記のような液水低減運転を実行した後は、液水が除去された状態となる。そこで、液水低減運転が終了したら、液水有無判断手段としてのコントロールユニット40は、液水は無いと判断する。そして、ステップS120でクロスリーク診断を許可する。
ここで、ステップS130で実行するクロスリーク診断の一例について説明する。反応ガス供給停止後の各燃料電池110の開回路電圧を検出し、供給停止から所定時間経過後の検出電圧のバラツキを求める。孔開きが生じている燃料電池110では、正常な燃料電池110に比べて早期に電圧が降下する。そこで、他の燃料電池110に比べて早期に電圧降下している燃料電池110があれば、孔開きが生じていると判断する。
上述したように、本実施形態では、液水の有無を推定する手段と、推定結果に基づいて液水の有無を判定する手段と、液水を低減する手段を備える。そして、燃料電池スタック1内に液水が無いと判断した場合にはクロスリーク診断を実行し、液水が有ると判断した場合には液水を低減した後でクロスリーク診断を実行する。このように、クロスリーク診断前には液水低減運転により液水が除去されているので、液水がカソード流路107を閉鎖することによる誤検知を防止することができる。
なお、図4には液水有無推定手段と液水低減手段の両方を備える場合について説明したが、必ずしも両方を備える必要はない。
例えば、液水有無推定手段を備えない場合は、実際の液水の有無にかかわらず常に液水低減運転を実行してからクロスリーク診断を実行する。すなわち、図4のフローチャートにおいて、ステップS100を省略し、常にステップS110から実行する。これによれば、液水の有無を判断する前に必ず液水低減運転が実行されているので、液水有無推定手段が無くても、液水有無判断手段は液水が無いと判断することができる。そして、液水を推定する為の演算負荷を軽減することができる。なお、この場合には、液水低減手段は液水有無判断手段に含まれることになる。
一方、液水低減手段を備えずに液水有無推定手段を備える場合は、液水有無推定手段により液水が有ると推定されたら、液水有無判断手段は液水有りと判断し、クロスリーク診断の実行を禁止すればよい。
すなわち、図4のステップS100で液水が有ると判断されたら、ステップS110に相当するステップでクロスリーク診断の実行を禁止して本ルーチンを終了すればよい。これにより液水が有ることによる誤検知を防止でき、かつ、コンプレッサ2の掃気用の運転、ヒータ加熱等といった液水低減のためのエネルギ消費量を削減することができる。
以上のように本実施形態によれば、液水が無い判断した場合にのみクロスリーク診断を実行するので、液水がガス流路を閉鎖することによる誤検知を防止することができる。
また、液水有無推定手段と液水低減手段を備える場合は、液水無しと推定された場合、及び液水有りと推定されて液水低減運転を実行した場合にクロスリーク診断を実行するので、誤検知を防止することができる。
液水有無推定手段を備えず、液水低減手段を備える場合は、必ず液水低減運転を実行した後でクロスリーク診断を実行するので、誤検知を防止できる。
液水有無推定手段を備え、液水低減手段を備えない場合は、液水有りと推定したときにはクロスリーク診断を禁止するので、誤検知を防止することができる。
液水の有無を燃料電池110のインピーダンスに基づいて推定するので、既存の構成で確実に推定することができる。また、反応ガスによる掃気、ヒータ加熱、高温運転等の液水低減処理を行なうので、確実に液水を除去することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、システムの構成及び誤検知防止の為の制御ルーチンは基本的に第1実施形態と同様であるが、液水の推定方法及びクロスリーク診断の内容が異なる。ここではこれらの相違点について説明する。
図4のステップS100に相当するステップで、コントロールユニット40は、セル温度、ガス流量、ガス圧力、及び電流(すなわち負荷)に基づいて、後述するように液水の有無を推定する。
図9は、飽和水蒸気圧とセル温度の関係を示す特性図である。同一の反応ガス相対湿度RHであれば、図9に示すようにセル温度が低くなるほど飽和水蒸気圧が低下すること、つまり水が凝縮し易くなることは公知である。すなわち、セル温度と液水の有無には相関がある。
図10は、液水量と電流値の関係を示す図である。生成水量Qは、次式(1)により求まる。
Q=i×S×Z×t×N/n ・・・(1)
ただし、Q:生成水量[mol]、i:電流密度、S:反応面積、Z:ファラデー定数、t:時間、N:セル枚数、n:価数
すなわち、電流が大きくなるほど生成水量も多くなるので、電流値と液水量は図10のような関係となる。つまり、電流値と液水の有無には相関がある。
図11は、液水量とガス流量の関係を示す図である。ガス流量が多いほど液水は燃料電池スタック1から排出され易くなるので、図11に示すような関係となる。つまり、ガス流量と液水の有無には相関がある。
図12は、液水量とガス圧力との関係を示す図である。ガス圧力が高いほど水が凝縮し易くなるので、ガス圧力と液水の有無には相関がある。なお、ここではカソード流路107の液水を問題としているが、アノード流路106であってもよい。
そこで、セル温度もしくはガス流量の少なくとも一方が所定の基準値を下回る場合、又は、ガス圧力もしくは電流の少なくとも一方が所定の基準値を上回る場合、の少なくとも一方が成立するときは、液水が有ると推定する。所定の基準値は、液水が存在するセル温度等を予め実験等により求めて設定する。
次に、クロスリーク診断について説明する。
本実施形態では、カソードを不活性状態にした後に外部から電圧を印加し、そのときのセル電圧に基づいてクロスリークの有無を診断する。以下、このクロスリーク診断について具体的に説明する。
図13は、本実施形態のクロスリーク診断を実行した場合のタイムチャートである。上段からセル電圧、反応ガス流量、負荷を示している。セル電圧はセル電圧計測器17で計測した各燃料電池110の電圧のうち最大値を示している。すなわち、全ての燃料電池110について電圧を計測している。なお、ここではシステム停止までの時間を短縮するために最大値を用いているが、これに限るものではなく、最小値や平均値を用いてもよい。
まず、タイミングt1でコンプレッサ2を停止して空気供給を停止する。そして、セル電圧が第1の基準値まで低下したタイミングt2でスイッチ50をオフにしてモータ等の負荷132と燃料電池スタック1を切り離す。第1の基準値は、燃料電池スタック1が負荷132に接続された状態でその値以下になるとカソード極に酸素がほぼ残存していないと考えられる値である。
そして、セル電圧が第2の基準値まで低下したタイミングt3から、パワーマネージャ136を介して燃料電池スタック1に電圧を徐々に印加する。第2の基準値は、負荷132を燃料電池スタック1から遮断した状態でその値以下になるとカソード極が窒素雰囲気になっていると考えられる値である。なお、第1の基準値は第2の基準値より高い値である。
電圧を印加しながら、すべての燃料電池110の電圧が第3の基準値以下であるか否かを判定する。第3の基準値は、負荷132を燃料電池スタック1から遮断し、外部から燃料電池スタック1に電圧を印加した状態でその値以下になると、カソード極に酸素が残存していないと考えられる値である。
第3の基準値より高電圧の燃料電池110が有る場合は、クロスリーク診断を終了する。これは、セル電圧が第3の基準値を超えるということはカソード極に酸素が残存していることを示しており、電圧を印加し続けるとカソード極の触媒層の腐食反応が進行してしまうためである。
また、電圧を印加しながら、燃料電池スタック1の電圧、つまり全燃料電池110の合計の電圧が目標電圧に達したか否かを判定し、目標電圧に達していなければ、さらに印加電圧を上昇させる。これにより、燃料電池スタック1への印加電圧に勾配がつく。
目標電圧は、燃料電池スタック1の電圧をセル数で除した平均のセル電圧であり、0.2V以上の値である。これは、カソード極で水素酸化反応が起こるためには、一般に0.2V以上なければならないためである。
燃料電池スタック1の電圧が目標電圧に達したタイミングt4で、各セル電圧のバラツキに基づいてクロスリーク量の診断を行なう。例えば、他の燃料電池110に比べてセル電圧が大幅に低い場合には、その燃料電池110でクロスリークが発生していると判断できる。また、孔が開いている場合の電圧を予め測定し、これを閾値として記憶しておき、計測したセル電圧が閾値を下回ったときに孔が開いていると判定することもできる。
なお、水素の供給圧力を空気の供給圧力より高くすることでクロスリーク量を増加させてもよい。これにより、クロスリーク診断に要する時間を短縮させることができる。
上述したクロスリーク診断によれば、触媒の活性に依存することなく、触媒が劣化している場合でも確実なクロスリーク診断が可能となる。
また、空気供給を停止した後も電流の取り出しを行なっているので、カソード極に残存する酸素を迅速かつ十分に消費させられる。そして、カソード極に酸素が残存している可能性がある場合には電流の取り出しを停止しているので、劣化を防止できる。
さらに、外部から電圧を印加する際に電圧勾配をつけるので、電圧印加後の各燃料電池110の電圧変化が遅くなる。これにより、燃料電池スタック1の電圧が所定の電圧を超えたか否かの判定が容易になる。
以上のように、液水の有無はセル温度、負荷、ガス圧力、及びガス流量に基づいて推定することもでき、第1実施形態と同様に既存の構成のままで確実に推定することができる。
また、触媒を非活性状態にした後に外部から電圧を印加してクロスリークの診断を行なうので、触媒の劣化にかかわらず、確実なクロスリーク診断を行なうことができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
1 燃料電池スタック
2 コンプレッサ
3 外部加湿器
4 背圧調整弁
5 水素タンク
6 水素循環ブロア
7 水セパレータータンク
8 水捨て弁
9 窒素パージ弁
10 水素循環ライン
11 水素調圧弁
12 冷却水循環ポンプ
13 三方弁
14 ラジエーター
15 冷却水ショートサーキット
17 セル電圧計測器
18 高周波抵抗測定器
20 温度計測器(温度検出手段)
21 電流計測器(負荷検出手段)
22 ガス圧力計測器(ガス圧力検出手段)
23 ガス流量計測器(ガス流量検出手段)
40 コントロールユニット(液水有無判断手段、液水有無推定手段、液水低減手段、クロスリーク診断手段)
132 モータ等の負荷
136 パワーマネージャ(外部電圧印加手段)
137 バッテリ

Claims (9)

  1. 電解質層の一方の面には酸素極を、他方の面には燃料極をそれぞれ備え、前記酸素極に酸化剤ガスを供給し、前記燃料極に燃料ガスを供給して発電する燃料電池を複数積層してなる燃料電池スタックを備える燃料電池システムにおいて、
    各燃料電池の電圧または複数の燃料電池からなる燃料電池群の電圧を検出する電圧検出手段を備え、
    前記電解質層のクロスリークを、反応ガス供給停止後の各燃料電池または燃料電池群の電圧に基づいて診断するクロスリーク診断手段と、
    前記燃料電池内の液水の有無を判断する液水有無判断手段と、
    前記燃料電池内の液水の有無を推定する液水有無推定手段と、
    を備え、
    前記液水有無判断手段は、
    前記燃料電池内の液水を低減するための液水低減処理を実行する液水低減手段を含んで構成されるとともに、前記液水有無推定手段が液水有りと推定した場合は前記液水低減処理実行後に液水無しと判断し、前記液水有無推定手段が液水無しと推定した場合は液水無しと判断し、
    前記クロスリーク診断手段は、前記液水有無判断手段が液水無しと判断した場合にクロスリーク診断を実行することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 記液水有無判断手段は、前記液水有無推定手段の推定結果に応じて液水の有無を判断する請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 各燃料電池または前記燃料電池群のインピーダンスを計測する高周波抵抗計測器を備え、前記液水有無推定手段は、前記インピーダンスが所定の基準値を下回る場合に液水有りと推定する請求項またはに記載の燃料電池システム。
  4. 各燃料電池の温度を検出する温度検出手段と、前記燃料電池スタックにかかる負荷を検出する負荷検出手段と、前記燃料電池スタックに供給するガス流量を検出するガス流量検出手段と、前記燃料電池スタックに供給するガス圧力を検出するガス圧力検出手段と、を備え、
    前記液水有無推定手段は、前記燃料電池温度もしくは前記ガス流量が所定の基準値を下回る場合、または、前記負荷もしくは前記ガス圧力が所定の基準値を上回る場合に、液水有りと推定する請求項またはに記載の燃料電池システム。
  5. 前記液水低減手段は、前記液水低減処理として、反応ガス供給停止前に反応ガスの流量を増加させることで前記燃料電池内を掃気する請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料電池スタックを加熱するヒータを備え、
    前記液水低減手段は、前記液水低減処理として、反応ガス供給停止前に前記ヒータによる加熱を行なう請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池システム。
  7. 前記液水低減手段は、前記液水低減処理として、反応ガス供給停止前に酸化剤流量を減少させ、かつ負荷を増大させて高温運転を行なう請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池システム。
  8. 前記クロスリーク診断手段は、反応ガス供給停止後の各燃料電池または前記燃料電池群の開回路電圧のバラツキに基づいてクロスリークの有無を判定する請求項1からのいずれかに記載の燃料電池システム。
  9. 前記燃料電池スタックに電圧を印加する外部電圧印加手段を備え、
    前記クロスリーク診断手段は、前記燃料電池の酸化剤極側を不活性状態にした後に外部電圧を印加し、そのときの前記燃料電池または前記燃料電池群の電圧のバラツキに基づいてクロスリークの有無を判定する請求項1からのいずれかに記載の燃料電池システム。
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