JP2008047368A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池車両に適用した場合のように燃料電池の出力が過渡的に変化する運転状態において、電解質膜の乾燥湿潤状態を迅速且つ正確に判定して、それに応じた適切な動作制御を実施できるようにする。
【解決手段】燃料電池スタック1の少なくとも1つの単位セル上のガスの流れ方向に沿った少なくとも2つの部位に局所電流センサ26a,26bを接続する。そして、燃料電池積層体22からの出力を過渡的に増加させた際に、これら局所電流センサ26a,26bを用いて燃料電池積層体22の局所的な電流密度を計測し、その局所的な電流密度の変化挙動から電解質膜の乾燥湿潤状態を判定して、判定結果に応じた動作制御を実施する。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の単位セルを積層してなる燃料電池積層体によって発電を行う燃料電池システムに関する。
複数の単位セルを積層してなる燃料電池積層体(燃料電池スタック)を自動車用動力源として利用する場合、燃料電池システムの容積を低減させる目的で、固体高分子電解質膜の加湿系を簡略化することが一般的に行なわれる。燃料電池システムの加湿能力は、設計運転点においては固体高分子電解質膜が加湿不足にならないように設計されているが、設計運転点を超える運転条件、例えば、設計運転温度よりも高い温度に達する場合などには、固体高分子電解質膜の加湿不足が起こりうる。そして、加湿不足が起こると、固体高分子電解質膜が乾燥し、乾燥が過度に進行する場合は膜の穴あきに繋がるという問題がある。
一方、自動車を運転し始めた直後など、燃料電池スタックの運転温度が低い場合、単位セル面内のカソードガス流路またはアノードガス流路から持ち出せる水分量が少ないため、カソードガス流路やアノードガス流路では水つまりの発生確率が高くなる。また、十分に運転温度が高い場合であっても、燃料電池スタックから取り出す負荷(出力)が高ければ、その分、燃料電池スタックで生成される水量が増加するため、固体高分子電解質膜が湿潤過剰の状態となり、カソードガス流路やアノードガス流路に水つまりが起こりやすくなる。そして、カソードガス流路やアノードガス流路に水つまりが発生すると、燃料電池スタックの発電効率が低下するという問題がある。
そこで、このような過度の乾燥による電解質膜の穴あきや、水つまりによる発電性能の低下を防止するため、従来より、例えば、燃料電池スタックの運転温度があらかじめ定められた温度に達すると、燃料電池スタックから取り出す出力に制限を設けたり、燃料電池スタック内部の乾燥湿潤度合いを判定して、常に適正湿潤状態が保たれるような制御を行うといった対策がとられている。
また、燃料電池スタック内部の電解質膜の乾燥湿潤状態を判定する方法はこれまで多数開示されており、例えば以下に示す文献がある。特許文献1には、単位セルの電圧の経時変化を見てセル電圧がある閾値未満であり、振動が所定の範囲未満であれば電解質膜が乾燥していると判定する方法が開示されている。また、特許文献2には、特定部位の局所的な電流値で電解質膜の乾燥を判定する方法が開示されている。
特開2004−127915号公報 特開2005−190997号公報
特許文献1の発明では、セル電圧の振動現象を利用して乾燥を判定しているが、この方法で電解質膜の乾燥湿潤状態を精度良く判定するには、燃料電池スタックの出力が所定値以上であって且つ一定出力状態が継続していることが求められる。ところが、燃料電池車両における燃料電池の使い方を考えると、ある出力以上で一定出力でいるような条件は、例えば連続する上り坂をある速度で上り続けるときや、最高速度で連続的に走行するような条件などの、限定された走行条件でしか現れない。このため、車両での使い方を考慮した場合、この方法では精度のよい乾燥湿潤状態の判定は困難であり、実際にはセル電圧がある閾値未満であったら乾燥と判定することになり、本来は湿潤過剰と判断して水つまり回避の制御を行うべき場合にも乾燥と誤って判断して乾燥回避の制御を行ってしまう可能性がある。
また、特許文献2の発明では、局所的な電流密度の大小で乾燥を判定しているが、この判定方法が有効なのは、電流密度の高い状態すなわち高出力を取り出している状態となっている場合である。このため、先の特許文献1の発明と同様に、燃料電池車両での使い方を考えると、この方法が有効な走行条件は限定されてしまうことになる。
また、これら特許文献1,2で開示される従来例を燃料電池車両に適用した場合、過度な乾燥を避けるためにはそれぞれの閾値にある安全率を加えて運用することが必要となる。その結果、運転可能な温度範囲などを本来の実力よりも狭い範囲とせざるを得なくなり、過度の出力制限により燃料電池システムの利用効率が低下してしまうという問題も生じる。
また、燃料電池の出力を過渡的に増加、減少させるような運用の頻度が高い車両においては、過渡的に出力が変化している際に乾燥湿潤を判定でき、特に乾燥と判断した場合には過渡運用の中で乾燥状態を回避できるような方法が取れることが望ましい。
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みて創案されたものであって、燃料電池車両に適用した場合のように燃料電池の出力が過渡的に変化する運転状態において、電解質膜の乾燥湿潤状態を迅速且つ正確に判定して、それに応じた適切な動作制御を実施することが可能な燃料電池システムを提供することを目的としている。
本発明は、燃料電池積層体を構成する単位セルのガスの流れ方向に沿った少なくとも2つの部位に局所電流計測手段を接続し、燃料電池積層体からの出力を増加させた際にこれらの局所電流計測手段で計測される各部位ごとの局所的な電流密度の変化に応じて電解質膜の乾燥湿潤状態を判定し、その判定結果に応じてシステム動作を制御することにより、上述した課題を解決する。
本発明に係る燃料電池システムによれば、燃料電池の出力が過渡的に変化する運転状態において、電解質膜の乾燥湿潤状態を迅速且つ正確に判定して、それに応じた適切な動作制御を実施することができる。
以下、本発明を適用した燃料電池システムの具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、燃料電池システム全体の概略構成について、図1を用いて簡単に説明する。燃料電池システムは、発電を行う燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1に燃料ガスとしての水素ガスを供給する水素供給系と、燃料電池スタック1に酸化剤ガスとしての空気を供給する空気供給系とを主要な構成要素として備える。
燃料電池スタック1としては、例えば、電解質に固体高分子膜を用いた固体高分子型燃料電池が用いられる。固体高分子電解質膜は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等、イオン(プロトン)伝導性の高分子膜からなるものであり、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能する性質を持つ。固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質膜の両面に電極触媒層を形成した膜電極構造体を一対のセパレータで挟持してなる発電セルを1単位とし、この単位セルが多段に積層されたスタック構造を有する。そして、各単位セルのアノード電極側に水素供給系からの水素ガス、カソード電極側に空気供給系からの空気がそれぞれ供給されることで、各単位セルのアノード、カソード間での電極反応により電力が発電される。なお、各単位セルの電極触媒層には、例えば、白金微粒子などの触媒をカーボンブラックなどの触媒担体で担持したものが用いられる。
水素供給系は、例えば、高圧の水素ガスを貯蔵する高圧水素タンク2を備え、この高圧水素タンク2から取り出した水素ガスを減圧弁や水素調圧弁で所望の圧力に調整した上で、燃料電池スタック1のアノード電極側に供給する構成となっている。なお、水素供給系の構成は以上の例に限定されるものではなく、この種の燃料電池システムにおいて従来公知の構成が何れも採用可能である。
また、空気供給系は、例えば、外気を吸入し、圧縮して吐出するエアコンプレッサ3を備え、このエアコンプレッサ3で圧縮した空気を、加湿装置4などにより十分に加湿した上で、燃料電池スタック1のカソード電極側に供給する構成となっている。なお、この空気供給系の構成についても以上の例に限定されるものではなく、この種の燃料電池システムにおいて従来公知の構成が何れも採用可能である。また、燃料電池車両に電源として搭載される燃料電池システムにおいては、以上の水素供給系や空気供給系のほか、燃料電池スタック1を適正な動作温度に保つための冷却系なども適宜設けられるが、これら冷却系などの構成も、この種の燃料電池システムにおいて従来公知の構成が何れも採用可能である。
以上の構成を有する燃料電池システムにおいて、システム内の各部の動作はコントロールユニット10によって統括的に制御される。すなわち、コントロールユニット10は、システム内に設けられた各種センサ(圧力センサや流量センサ、温度センサ、電圧センサ、電流センサなど)の検出値をモニタリングしてシステムの動作状況を把握するとともに、車両の運転状況などに応じて燃料電池システムに要求される発電量を把握し、燃料電池スタック1から要求発電量に見合う出力が得られるように、水素供給系の動作や空気供給系の動作などを統括的に制御する。また、特に本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の出力が過渡的に変化する運転状態において燃料電池スタック1の固体高分子電解質膜の乾燥湿潤状態を判定し、その判定結果に応じて、固体高分子電解質膜の過乾燥を防止したり水つまりを防止したりするための各種制御を実行するが、この乾燥湿潤状態の判定や判定結果に応じた動作制御もコントロールユニット10によって実施される。
次に、本実施形態の燃料電池システムで用いられる燃料電池スタック1の具体的な構成例について、図2を用いて説明する。本実施形態の燃料電池システムで用いられる燃料電池スタック1は、図2(a)に示すように、電解質膜、カソード電極及びアノード電極を有する単位セル21a,21b,・・・が複数積層された燃料電池積層体22の両端面に集電板23a,23bを接続し、これらを締付構造体24a,24bで締め付け保持する構造となっている。
集電板23a,23bは、燃料電池積層体22により発電される電流を集電する機能を有する。本実施形態の燃料電池システムで用いられる燃料電池スタック1では、燃料電池積層体22の局所的な電流密度を計測できるようにするために、この集電板23a,23bのうちの一方を、絶縁物25a,25bを用いて複数の部位に分割している。具体的には、例えば図2(a)及び図2(b)に示すように、一方の集電板23aの単位セル上の酸化剤ガスの流れ方向に沿った両端部、すなわち、酸化剤ガスである空気がカソード電極へ流入する位置であるカソード電極入口の近傍の部位と、酸化剤ガスである空気がカソード電極から流出する位置であるカソード電極出口の近傍の部位とを、絶縁物25a,25bにより電気的に分割している。これら集電板23aの各部位にはそれぞれバスバー27が接続されており、これら各部位に接続されたバスバー27を1つにまとめることで、集電板23a全体で集電された電流が取り出される。そして、1つにまとめられたバスバー27にはスタック電流センサ28が接続されて、このスタック電流センサ28により燃料電池積層体22が発電する電流全体が測定される。また、絶縁物25a,25bにより電気的に分割された集電板23aのカソード電極入口近傍の部位とカソード電極出口近傍の部位には局所電流センサ26a,26bがそれぞれ接続され、これら局所電流センサ26a,26bによって、分割された各部位から取り出される局所電流が測定される。そして、予め把握されている各部位の面積から、分割された各部位の電流密度、すなわち燃料電池積層体22の局所的な電流密度が計測される。
このように、本実施形態の燃料電池システムで用いられる燃料電池スタック1では、燃料電池積層体22により発電される電流を集電する集電板23aのカソード電極入口の近傍の部位とカソード電極出口近傍の部位とを絶縁物25a,25bにより電気的に分割し、これら分割された2つの部位の局所電流を局所電流センサ26a,26bで測定することで、比較的簡単な構成で燃料電池積層体22の局所的な電流密度を計測できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つ以上の単位セル上のガスの流れ方向に沿ったかたちで、電流が流れる部分を単位セル面内で複数の部位に分けて、単位セル面内の特定の部位を流れる局所的な電流密度を局所電流センサ26a,26bを用いて計測すればよい。また、集電板23aの代わりに燃料電池積層体22の逆側の端面に接続されたもう一方の集電板23bを用いて、同様な構成で局所的な電流を備えるようにしても構わない。勿論、3つ以上の部位で局所的な電流密度を求めるようにしてもよい。
また、図2(a)及び図2(b)では、いわゆる直線もしくはそれに準じたセル内の流路形状をとる場合などの構成例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図3(a)及び図3(b)に示すように、いわゆるサーペンタイン形状もしくはそれに準じたセル内の流路形状をとる場合にも適用できる。この場合も、集電板23aのカソード電極入口近傍の部位及びカソード電極出口近傍の部位を絶縁物25a,25bなどを用いて電気的に分割する。そして、これら分割された各部位から取り出される局所電流を局所電流センサ26a,26bで測定し、各部位の面積から局所的な電流密度を求める。これにより、比較的簡単な構成で燃料電池積層体22の局所的な電流密度を計測することが可能となる。
本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池積層体22からの出力を過渡的に増加させた際に、燃料電池積層体22を構成する各単セルの電解質膜の乾燥湿潤状態に応じて、燃料電池積層体22の局所的な電流密度の変化に特徴が現われることに着目し、燃料電池積層体22からの出力を過渡的に増加させた際の局所的な電流密度の変化から、電解質膜の乾燥湿潤状態を判定するようにしている。ここで、燃料電池積層体22の出力を過渡的に増加させた場合における、局所的な電流密度の変化の様子を図4及び図5を参照して説明する。なお、図4及び図5において、[1],[2],[3]及び[4]は、燃料電池積層体22の出力が変化し始めてからの経過時間の順番を示す。
まず、図4(a)及び図4(b)を参照して、電解質膜が乾燥状態にある時の過渡時の局所電流の典型的挙動を説明する。電解質膜が乾燥状態にある時、燃料電池スタック1のガス流れ方向に沿って異なる部位ごとに局所電流密度の増加率に違いが出る。具体的には、電解質膜が乾燥状態にある時、燃料電池積層体22の出力が過渡的に増加すると、[1]〜[4]にかけてスタック電流が増加し、カソード電極出口近傍の局所電流及びカソード電極入口近傍の局所電流も、スタック電流の増加に対応して増加する。しかし、カソード電極出口近傍の局所電流及びカソード電極入口近傍の局所電流の増加率を比較すると、カソード電極出口に比べて、カソード電極入口の方が、電流の増加率が低くなる、つまり、電流が増加しにくくなる。
次に、図5(a)及び図5(b)を参照して、電解質膜が湿潤過剰状態にある時(フラッディング時)における過渡時の局所電流の典型的挙動を説明する。電解質膜が湿潤過剰状態にある時も、燃料電池スタック2のガス流れ方向に沿って異なる部位ごとに局所電流密度の増加率に違いが出る。具体的には、湿潤過剰状態にある時、燃料電池積層体22の出力が過渡的に増加すると、[1]〜[4]にかけてスタック電流が増加し、カソード電極出口近傍の局所電流及びカソード電極入口近傍の局所電流も、スタック電流の増加に対応して増加する。しかし、カソード電極出口近傍の局所電流及びカソード電極入口近傍の局所電流の増加率を比較すると、カソード電極入口に比べて、カソード電極出口の方が、電流の増加率が低くなる、つまり、電流が増加しにくくなる。
このように、乾燥時にはカソード出口側の局所電流密度が比較的早く増加し、カソード入口側の局所電流密度増加が遅い。その逆にフラッディング時にはカソード入口側の局所電流密度が比較的早く増加し、カソード出口側の局所電流密度増加が遅い。このような特徴を利用すると、燃料電池スタック2の出力を低負荷状態から高負荷状態まで過渡的に増加させた場合に、スタック電流が増加をはじめてから所定時間までの、カソード入口近傍部とカソード出口近傍部の少なくとも2箇所の局所電流密度の増加速度を比較することにより、従来の方法に比べてより早い段階で正確に電解質膜の乾燥湿潤状態を判定することが可能となる。また、過渡的に電流を増加させたときの比較的初期の段階(例えば、[2]の段階)で判定可能であるため、その後の過渡動作継続中、つまり、[2]〜[4]の段階の間に、過渡電流の増加速度に制限を加えることで電圧低下を回避するなどの回避手段を取ることも可能である。更に、電流増加速度に制限を加え、負荷変化速度を遅くすることで、電解質膜内部の水移動を利用して含水率の高い部位から低い部位へと水移動させるために必要な時間を確保でき、乾燥による電圧低下の程度を緩和させることができる。
次に、図6を参照して、電解質膜が乾燥状態にある場合に、燃料電池スタック1から取り出す電流を過渡的に増加させた時の電解質膜31中の含水率変化のメカニズムを説明する。先に述べた図4(a)及び図4(b)のような現象は、電解質膜31中の含水率の経時変化によって説明が可能である。以下に、電解質膜31中のそれぞれの部位での過渡時の含水率変化の特徴を説明する。
まず、図6の部位[A]の含水率の変化について説明する。部位[A]は、カソード電極入口近傍部である。電解質膜31が乾燥状態である場合、部位[A]の含水率は低い。出力電流を増加させると、部位[A]の含水率が低いため、部位[A]の電流は増加しにくい。なぜなら、外部からの持込水分が含水率を上昇させるために必要だからである。所定時間が経過して、部位[A]の含水率が上昇してくると、Drug水がアノード電極から移動してきて含水率が増加する。
次に、図6の部位[B]の含水率の変化について説明する。部位[B]は、カソード電極出口近傍部である。電解質膜31が乾燥状態である場合、部位[B]の含水率は低い。出力電流を増加させると、空気上流側(部位[A]側)で生成した水が運ばれてくるため、空気により加湿される分が部位[A]に比べて多い。よって、早い段階で含水率が上昇し、その結果、部位[B]の電流も増加しやすい。
次に、図6の部位[C]の含水率の変化について説明する。部位[C]は、アノード電極出口近傍部である。電解質膜31が乾燥状態である場合、部位[C]の含水率は低い。出力電流を増加させると、部位[A]の含水率が低いため、電流が増加しにくい。それでも流れた電流分だけはDrug水として部位[A]から部位[C]へ水が移動するので、含水率がさらに下がる。水の逆拡散は水分濃度差がドライビングフォースであるため、逆拡散による含水率上昇が起こるまでに時間遅れがある。このため、電流が増加しにくい状態となる。
次に、図6の部位[D]の含水率の変化について説明する。部位[D]は、アノード電極入口近傍部である。電解質膜31が乾燥状態では部位[D]の含水率は低い。出力電流を増加させると、部位[B]側の含水率が上がりやすいので、水の逆拡散による含水率の上昇も起こりやすい。このため、早い段階で含水率が上昇し、その結果電流も増加しやすくなる。
このように、カソード電極入口近傍部及びカソード電極出口近傍部は、過渡時の電流密度変化に乾燥及び湿潤の特徴が最も出やすい箇所である。なお、ここでは、メカニズム解説のための一例として、いわゆるアノードガスとカソードガスとが対向する流れ方向となるカウンターフローの場合を示したが、他の流れ方向を選択した場合にも、流し方に応じて特徴的に乾燥しやすい箇所と湿潤しやすい箇所とが生じる場合、同様のメカニズムおよびそのときの電流密度変化挙動を利用することが可能である。
ここで、本実施形態の燃料電池システムにおいて、コントロールユニット10が過渡応答時の局所電流変化を利用して電解質膜の乾燥湿潤状態を判定し、その判定結果に応じた動作制御を行う一連の処理の流れを、図7のフローチャートを参照して説明する。
図7のフローがスタートすると、コントロールユニット10は、まずステップS1において、スタック電流センサ28により測定されるスタック電流の電流密度の増加率が、所定値A0以上であるか否かを判定する。そして、スタック電流密度の増加率が所定値A0以上の場合にステップS2に進み、本発明に特徴的な電解質膜の乾燥湿潤状態の判定を実施する。ここで所定値A0は、ある一定値に予め設定しておくようにしてもよいし、スタック温度や圧力などのスタック運転パラメータを考慮した関数形態をとるようにしてもよい。
次に、コントロールユニット10は、ステップS2において、局所電流センサ26bにより測定されるカソード電極出口近傍部における局所電流の電流密度の増加率が、閾値A1以上であるか否かを判定する。そして、カソード電極出口近傍部における局所的な電流密度の増加率が閾値A1以上であればステップS3に進み、閾値A1未満であればステップS5に進む。ここで、閾値A1は、ある一定値に予め設定しておくようにしてもよいし、スタック電流密度増加率の関数であってもよい。また、スタック電流密度の増加率だけでなくスタック温度や圧力などのスタック運転パラメータも考慮した関数形態をとるようにしてもよい。また、閾値A1として2つの値(閾値A1−1、閾値A1−2)を用意して、カソード電極出口近傍部における局所的な電流密度の増加率が閾値A1−1以上の場合はステップS3へ進み、閾値A1−2未満の場合はステップS5へ進み、閾値A1−2以上A1−1未満の場合はステップS1に戻るようにしても構わない。このとき、閾値A1−1と閾値A1−2との関係はA1−1>A1−2となる。このように閾値A1として2つの値を用意する場合も、それぞれの閾値は、一定値、スタック電流密度増加率の関数、電流密度増加率だけでなくスタック温度や圧力などのスタック運転パラメータも考慮した関数のいずれの形態であってもよい。
ステップS2でYESの判定となりステップS3に進んだ場合、コントロールユニット10は、ステップS3において、局所電流センサ26aにより測定されるカソード電極入口近傍部における局所電流の電流密度の増加率が、閾値A2以下であるか否かを判定する。そして、このステップS3の判定がYESの場合、つまりカソード電極出口近傍部における局所的な電流密度の増加率が閾値A1以上であり、且つ、カソード電極入口近傍部における局所電流の電流密度の増加率が閾値A2以下の場合にはステップS4に進み、ステップS4において、電解質膜31が乾燥状態にあると判断する。一方、ステップS3の判定がNOの場合、つまりカソード電極入口近傍部における局所電流の電流密度の増加率が閾値A2以上である場合には、ステップS1に戻る。ここで、閾値A2は、先の閾値A1と同様に、ある一定値に予め設定しておくようにしてもよいし、スタック電流密度増加率の関数であってもよい。また、スタック電流密度の増加率だけでなくスタック温度や圧力などのスタック運転パラメータも考慮した関数形態をとるようにしてもよい。
ステップS4において電解質膜31が乾燥状態にあると判断した場合、コントロールユニット10は、その後、電解質膜31の乾燥状態が進行して過乾燥状態となることを回避するための各種動作制御を実施する。この過乾燥回避のための動作制御の一例としては、例えば、スタック電流の増加率の上限を閾値A4以下に設定することが挙げられる。そのほかにも、燃料電池スタック1の制御温度(温度制御目標値)を下げる、ガス流量制御目標値を低下させて目標SR(ストイキ比)を下げる、燃料電池積層体22の出力自体に制限を加えるなど、過乾燥状態を回避するために一般的に知られている動作制御を行うことも可能である。なお、スタック電流の増加率を制限するための閾値A4は、ある一定値に予め設定しておくようにしてもよいし、スタック温度や圧力などのスタック運転パラメータを考慮した関数形態をとるようにしてもよい。
ステップS2でNOの判定となりステップS5に進んだ場合、コントロールユニット10は、ステップS5において、局所電流センサ26aにより測定されるカソード電極入口近傍部における局所電流の電流密度の増加率が、閾値A3以上であるか否かを判定する。そして、このステップS5の判定がYESの場合、つまりカソード電極出口近傍部における局所的な電流密度の増加率が閾値A1未満であり、且つ、カソード電極入口近傍部における局所電流の電流密度の増加率が閾値A3以上の場合にはステップS6に進み、ステップS6において、電解質膜31が湿潤過剰(フラッディング)状態にあると判断する。一方、ステップS5の判定がNOの場合、つまりカソード電極入口近傍部における局所電流の電流密度の増加率が閾値A3未満である場合には、ステップS1に戻る。ここで、閾値A3は、先の閾値A1と同様に、ある一定値に予め設定しておくようにしてもよいし、スタック電流密度増加率の関数であってもよい。また、スタック電流密度の増加率だけでなくスタック温度や圧力などのスタック運転パラメータも考慮した関数形態をとるようにしてもよい。また、先に述べた閾値A2と閾値A3との関係は、A3>A2となる。
ステップS6において電解質膜31がフラッディング状態にあると判断した場合、コントロールユニット10は、その後、フラッディングを解消してガス流路の水つまりを回避するための各種動作制御を実施する。このフラッディング解消のための動作制御としては、例えば、燃料電池スタック1の制御温度(温度制御目標値)を上げる、或いは、ガス流量制御目標値を上昇させて目標SR(ストイキ比)を増やすなど、フラッディングを解消するために一般的に知られている動作制御を行うことが可能である。
なお、局部電流の電流密度増加率の判定順序としては、以上の例以外にも、カソード電極入口近傍部における電流密度の増加率をカソード電極出口近傍部における電流密度の増加率よりも先に判定する場合、或いはカソード電極入口近傍部とカソード電極出口近傍部とで電流密度の増加率を同時に判定する場合など、種々の組み合わせが考えられる。図7のフローでは、そのうちの一例としてカソード電極出口近傍部における電流密度の増加率を先に判定する場合を示しているが、判定順序の組み合わせについては図7の例に限定されるものではなく、実施可能な順序すべてが採用可能である。
以上、本実施形態の燃料電池システムについて具体的な例を挙げながら説明したが、この燃料電池システムでは、本発明に特徴的な構成及びコントロールユニット10による処理により、以下のような作用効果が得られる。
すなわち、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の少なくとも1つの単位セル上の酸化剤ガスの流れ方向に沿った少なくとも2つの部位に局所電流センサ26a,26bを接続して、コントロールユニット10が、燃料電池スタック1の燃料電池積層体22からの出力を過渡的に増加させた際にこれらの局所電流センサ26a,26bを用いて計測された各部位ごとの局所的な電流密度の挙動から、電解質膜31の乾燥湿潤状態を判定するようにしている。これにより、燃料電池システムを車両の駆動源として使用するなど、高い頻度で出力を過渡的に増減するような条件で使用する場合であっても、電解質膜31の乾燥湿潤状態を迅速且つ正確に判定して、それに応じた適切な動作制御を実施することができる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、局所電流センサ26a,26bを、過渡時の電流変化が特徴的に出やすい部位の代表箇所であるカソード電極入口近傍の部位とカソード電極出口近傍の部位にそれぞれ接続し、これら各部位での電流変化挙動を測定するようにしているので、電解質膜31の乾燥湿潤状態を極めて正確に判定することができる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池積層体22により発電される電流を集電する機能を持つ集電板23aを絶縁物25a,25bにより複数の部位に電気的に分割し、これら集電板23aの電気的に分割された部位に局所電流センサ26a,26bを各々接続して、各部位に集電される電流を計測するようにしているので、比較的簡易な方法で、燃料電池積層体22の局所的な電流密度を正確に測定することが可能である。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池積層体22が発電する電流が所定値以上の増加率で増加し、カソード電極出口近傍部位に接続された局所電流センサ26bを用いて計測される電流密度が増加し、且つ、カソード電極入口近傍部位に接続された局所電流センサ26aを用いて計測される電流密度の増加率が、燃料電池積層体22が発電する電流の増加率に対して所定割合以下である場合に、コントロールユニット10が電解質膜31が乾燥状態にあると判断するようにしているので、電解質膜31が乾燥状態にあることを迅速且つ正確に判断することができる。すなわち、燃料電池スタック1の各単位セルの膜電極構造体(MEA)には、電流を取り出す際に、抵抗が最も小さい部位から電流が増加するという性質がある。この抵抗は電解質膜31内の乾燥湿潤状態により大きく変わり、湿潤な場所ほど小さく、乾燥している場所ほど大きくなる。このMEAの性質により、最も乾燥しやすい部位で過渡時に局所電流密度の増加が遅くなり、最も乾燥しにくい部位では電流密度の増加が早くなる。本実施形態の燃料電池システムでは、コントロールユニット10がこのようなMEAの特性を利用して、過渡時の局所電流変化をもとに乾燥判断を行なうようにしているので、従来の判定より正確で、しかも早いタイミングで乾燥を判断することが可能となり、結果として乾燥状態でいる時間帯を短縮でき、実際の運転状態での性能向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、コントロールユニット10が、電解質膜31が乾燥状態にあると判断した場合に、燃料電池積層体22が発電する電流の増加率に所定の制限を設けることにより、電解質膜31の乾燥状態が進行して過乾燥状態となり電解質膜31にダメージを与える不都合を防止することができる。電解質膜31の乾燥部位を湿潤させるためには、電解質膜31内の逆拡散を増やす必要があるが、逆拡散の駆動源は水分濃度差であり、濃度差がついてから実際に濃度差を緩和するまでには時間遅れが生じる。ここで、本実施形態の燃料電池システムでは、上記のMEAの性質を利用して過渡時の最初の段階で乾燥判定を行なうことができるので、その後の負荷の変化速度を遅くし、逆拡散を利用した湿潤を促すことができ、乾燥状態から電解質膜31を回復させることが可能となる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、コントロールユニット10が、電解質膜31が乾燥状態にあると判断した場合に、燃料電池積層体22の温度制御目標値を低下させることにより、ガスが燃料電池スタック1から水分を外部へ持ち出す量を減らすことができ、発電による生成水を燃料電池スタック1外部へ持ち出す量を減らすことができる。その結果、電解質膜31の含水量を増やすことができ、電解質膜31が過乾燥状態となることを回避できる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、コントロールユニット10が、電解質膜31が乾燥状態にあると判断した場合に、ガス流量制御目標値を低下させて目標ストイキ比を下げることにより、ガスが燃料電池スタック1から水分を外部へ持ち出す量を減らすことができ、発電による生成水を燃料電池スタック1外部へ持ち出す量を減らすことができる。その結果、電解質膜31の含水量を増やすことができ、電解質膜31が過乾燥状態となることを回避できる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、コントロールユニット10が、電解質膜31が乾燥状態にあると判断した場合に、燃料電池積層体22が発電する最大出力値の制限値を低下させることにより、電解質膜31内でのプロトン移動にともなう水移動量を減らし、最も乾燥しやすいアノード電極出口近傍の電解質膜31の含水量の減少を抑えることができる。その後、電解質膜31全体の含水量が上昇すると逆拡散等によりアノード電極出口近傍の含水量も増加することで過乾燥状態を回避できる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池積層体22が発電する電流が所定値以上の増加率で増加し、カソード電極入口近傍部位に接続された局所電流センサ26aを用いて計測される電流密度が増加し、且つ、カソード電極出口近傍部位に接続された局所電流センサ26bを用いて計測される電流密度の増加率が、燃料電池積層体22が発電する電流の増加率に対して所定割合以下である場合に、コントロールユニット10が電解質膜31が湿潤過剰(フラッディング)状態にあると判断するようにしているので、電解質膜31がフラッディング状態にあることを迅速且つ正確に判断することができる。すなわち、電解質膜31が十分に湿潤している場合、電流を取り出して生成水量が増えたとき、カソード電極出口側でフラッディングが生じやすい。フラッディングが生じると、電池反応に必要なガスが触媒部まで届きにくくなり、局所的な電流密度が増加しにくくなる。その跳ね返りとしてカソード電極入口側で局所電流密度が増加しやすくなる。本実施形態の燃料電池システムでは、コントロールユニット10がこのような性質を利用して、過渡時の局所電流変化をもとに電解質膜31の湿潤判断を行なうようにしているので、フラッディングの発生を精度良く判定することができる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、コントロールユニット10が、電解質膜31がフラッディング状態にあると判断した場合に、ガス流量制御目標値を上昇させて目標ストイキ比を上げることにより、ガスが燃料電池スタック1から水分を外部へ持ち出す量を増やすことができ、余剰な水分を外部へ持ち出すことが可能となり、電解質膜31の余剰水分を排除できるので、フラッディングを解消することができる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、コントロールユニット10が、電解質膜31がフラッディング状態にあると判断した場合に、燃料電池積層体22の温度制御目標値を上昇させることにより、ガスが燃料電池スタック1から水分を外部へ持ち出す量を増やすことができ、余剰水を燃料電池スタック1外部へ持ち出す量自体を増やすことができる。その結果、電解質膜31の余剰水分を排除できるので、フラッディングを解消することができる。
なお、以上の実施形態は本発明の一適用例を例示したものであり、本発明の技術的範囲は、以上の実施形態の説明で開示した内容に限定されるものではなく、これらの開示から容易に導き得る様々な代替技術も含まれることは勿論である。
燃料電池システム全体の概略構成を示す図である。 本発明を適用した燃料電池システムで用いられる燃料電池スタックの具体的な構成例を示す図であり、(a)は燃料電池スタックの全体を示す模式図、(b)は集電板の構造を示す模式図である。 本発明を適用した燃料電池システムで用いられる燃料電池スタックの他の構成例を示す図であり、(a)は燃料電池スタックの全体を示す模式図、(b)は集電板の構造を示す模式図である。 電解質膜が乾燥状態にある時の過渡時の局所電流の典型的挙動を説明する図であり、過渡的にスタック電流を増加させた場合のカソード入口側の電流密度の挙動とカソード出口側の電流密度の挙動を示すグラフである。 電解質膜が湿潤過剰状態にある時の過渡時の局所電流の典型的挙動を説明する図であり、過渡的にスタック電流を増加させた場合のカソード入口側の電流密度の挙動とカソード出口側の電流密度の挙動を示すグラフである。 電解質膜が乾燥している時の過渡的挙動のメカニズムを説明するための模式図である。 コントロールユニットが過渡応答時の局所電流変化を利用して電解質膜の乾燥湿潤状態を判定し、その判定結果に応じた動作制御を行う一連の処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 燃料電池スタック
10 コントロールユニット
21a,21b,・・・ 単位セル
22 燃料電池積層体
23a,23b 集電板
25a,25b 絶縁部
26a,26b 局所電流センサ
28 スタック電流センサ

Claims (12)

  1. 電解質膜、カソード電極及びアノード電極を有する単位セルを複数積層してなる燃料電池積層体によって発電を行う燃料電池システムであって、
    少なくとも1つの単位セル上のガスの流れ方向に沿った少なくとも2つの部位に各々接続され、前記燃料電池積層体の局所的な電流密度を計測する局所電流計測手段と、
    前記燃料電池積層体からの出力を増加させた際に前記局所電流計測手段で計測される各部位ごとの局所的な電流密度の変化に応じて前記電解質膜の乾燥湿潤状態を判定し、前記電解質膜の乾燥湿潤状態の判定結果に応じてシステム動作を制御する制御手段とを備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記局所電流計測手段の1つは、前記出力を増加させた際に電流密度が他の部位に比べて上昇しにくい部位に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記局所電流計測手段の1つが接続される部位は、前記カソード電極に対して前記ガスが流入する位置であるカソード電極入口の近傍であり、前記局所電流計測手段の他の1つが接続される部位は、前記カソード電極から前記ガスが流出する位置であるカソード電極出口の近傍であることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池積層体の両端面には、前記燃料電池積層体により発電される電流を集電する集電板が接続され、前記集電板は絶縁物により複数の部位に分割され、前記局所電流計測手段は、前記絶縁物により分割された部位に接続されて当該部位に集電される電流密度を計測することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池積層体が発電する電流が所定値以上の増加率で増加したときに、前記カソード電極出口の近傍に接続された局所電流計測手段が計測する電流密度が増加し、且つ、前記カソード電極入口の近傍に接続された局所電流計測手段が計測する電流密度の増加率が、前記燃料電池積層体が発電する電流の増加率に対して所定割合以下である場合、前記制御手段は、前記電解質膜が乾燥状態にあると判定することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  6. 前記制御手段は、前記電解質膜が乾燥状態にあると判定した場合に、前記燃料電池積層体が発電する電流の増加率に所定の制限を設けることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記制御手段は、前記電解質膜が乾燥状態にあると判定した場合に、前記燃料電池積層体の温度制御目標値を低下させることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  8. 前記制御手段は、前記電解質膜が乾燥状態にあると判定した場合に、前記ガスの流量制御目標値を低下させることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  9. 前記制御手段は、前記電解質膜が乾燥状態にあると判定した場合に、前記燃料電池積層体が発電する最大出力値の制限値を低下させることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  10. 前記燃料電池積層体が発電する電流が所定値以上の増加率で増加したときに、前記カソード電極入口の近傍に接続された局所電流計測手段が計測する電流密度が増加し、且つ、前記カソード電極出口の近傍に接続された局所電流計測手段が計測する電流密度の増加率が、前記燃料電池積層体が発電する電流の増加率に対して所定割合以下である場合、前記制御手段は、前記電解質膜が湿潤過剰状態にあると判定することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  11. 前記制御手段は、前記電解質膜が湿潤過剰状態にあると判断した場合に、前記ガスの流量制御目標値を上昇させることを特徴とする請求項10に記載の燃料電池システム。
  12. 前記制御手段は、前記電解質膜が湿潤過剰状態にあると判断した場合に、前記燃料電池積層体の温度制御目標値を上昇させることを特徴とする請求項10に記載の燃料電池システム。
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