JP2013012282A - Hdd用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度に優れ、かつ高平滑性を備えたHDD用ガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】中心孔を有するガラス基板前駆体を化学強化液と接触させて、前記ガラス基板の表面のアルカリ金属イオンを、前記化学強化液が含む前記アルカリ金属イオンより大きなイオン径のアルカリ金属イオンと置換して圧縮応力層を付与する化学強化工程を2回以上有するHDD用ガラス基板の製造方法において、1回目の化学強化工程と2回目以降の化学強化工程との間に主表面加工工程を有することを特徴とするHDD用ガラス基板の製造方法。記HDD用ガラス基板の製造方法において、前記1回目の化学強化工程前に前記ガラス基板前駆体の内径研磨を施し、前記1回目の化学強化工程と2回目の化学強化工程の間に前記ガラス基板前駆体の外径研磨を行うことが好適である。
【選択図】図3

Description

本発明は、HDD用ガラス基板の製造方法に関する。
磁気情報記録装置は、磁気、光及び光磁気等を利用することによって、情報を情報記録媒体に記録させるものである。その代表的なものとしては、例えば、ハードディスクドライブ装置等が挙げられる。ハードディスクドライブ装置は、基板上に記録層を形成した情報記録媒体としての磁気ディスクに対し、磁気ヘッドによって磁気的に情報を記録する装置である。このような情報記録媒体の基材、いわゆるサブストレートとしては、ガラス基板が好適に用いられている。
また、近年のハードディスクドライブ装置は、その記録密度が向上していることにより、そのハードディスクに使用されるガラス基板に対する強度や平滑性に優れたものが要求されてきている。
上記課題に対して、ガラス基板の強度を向上させる方法として一般にイオン交換による化学強化処理が知られており、また平滑性を向上させる方法としてガラス基板に対して研磨や研削を複数回用いる方法が知られている(特許文献1)。なお、高平滑性とはガラス基板の平坦度、うねり、粗さが良好であり、かつ端面部のだれが生じていない状態のことをいう。
前記化学強化処理は、特に低温型である場合に運用面から安全であり、かつ基板の平滑性の観点からも良い。具体的には、硝酸塩などを加熱し溶融液中にガラス基板を浸漬させ、ガラス基板の表面のアルカリ金属イオンを、該アルカリ金属イオンより大きなイオン径のアルカリ金属イオンと交換することにより強度を向上させる方法が挙げられる。該化学強化工程はガラス基板の強度を向上させることができるが、同時に付与される圧縮応力層により基板の平滑性に悪影響を及ぼすため主表面のみ応力層を除去して高強度と高平滑性の両立を行ってきた。
しかしながら、前記技術のように化学強化工程を一度施した場合には、ガラス基板の内端部及び外端部に対して十分に圧縮応力層を形成させることができず、依然として強度に劣るものであった。また、両端部に対して圧縮応力層を深く付与させると強度を上げることができる一方で、主表面の圧縮応力層も厚くなることから、平滑性が悪化してしまう傾向にあった。さらに、圧縮応力層を深く施した主面を研磨などにより取り除いたとしても、ほとんどの圧縮応力層が残存してしまい、応力バランスが崩れることによって平滑性が悪化してしまっていた。
特許第4209316号
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、その解決すべき課題は、強度に優れ、かつ高平滑性を備えたHDD用ガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明者らは、HDD用ガラス基板の製造工程における化学強化工程の施すべき時期及び回数に着目し、鋭意検討を行った。この結果、一度化学強化工程を施したガラス基板前駆体に対して主表面の加工を行い、さらに二度目の化学強化工程を施すことによって内端部に深い応力層が付与できることから優れた強度が得られ、かつ、主面に応力層が少ないために高平滑性が得られることを見出した。
本発明に係るHDD用ガラス基板の製造方法は、中心孔を有するガラス基板前駆体を化学強化液と接触させて、前記ガラス基板前駆体の表面のアルカリ金属イオンを、前記化学強化液が含む前記アルカリ金属イオンより大きなイオン径のアルカリ金属イオンと置換して圧縮応力層を付与する化学強化工程を2回以上有する記録媒体用ガラス基板の製造方法において、1回目の化学強化工程と2回目以降の化学強化工程との間に主表面加工工程を有することを特徴とする。
また、前記HDD用ガラス基板の製造方法において、前記1回目の化学強化工程前に前記ガラス基板前駆体の内径研磨を施し、前記主表面加工工程の後に前記ガラス基板前駆体の外径研磨を行うことが好適である。
また、前記HDD用ガラス基板の製造方法において、前記主表面加工工程は、固定砥粒を用いた研削工程にて主表面を研削することが好適である。
また、前記HDD用ガラス基板の製造方法において、前記主表面加工工程は、遊離砥粒を用いた研磨工程にて主表面をさらに研磨することが好適である。
また、前記HDD用ガラス基板の製造方法において、前記2回目の化学強化工程前に、前記ガラス基板前駆体表面をフッ酸による化学処理工程を施すことが好適である。
また、前記化学強化液が含むアルカリ金属イオンは、カリウムイオンからなることが好適である。
本発明によれば、強度に優れ、かつ高平滑性を備えたHDD用ガラス基板の製造方法を提供することができる。
HDD用ガラス基板の製造における工程を説明する製造工程図である。 ガラス基板前駆体の全体構成を示す図である。 HDD用ガラス基板の製造方法の各工程段階におけるHDD用ガラス基板の断面図である。 HDD用ガラス基板の表主表面の上に磁性膜を備えている磁気記録媒体の例を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
本実施形態に係るHDD用ガラス基板の製造方法は、中心孔を有するガラス基板前駆体を化学強化液と接触させて、前記ガラス基板の表面のアルカリ金属イオンを、前記化学強化液が含む前記アルカリ金属イオンより大きなイオン径のアルカリ金属イオンと置換して圧縮応力層を付与する化学強化工程を2回以上有する製造方法であって、1回目の化学強化工程と2回目以降の化学強化工程との間に主表面加工工程を有する。
なお、主表面加工工程とは、主としてラッピング工程(研削工程ともいう。)及び/又はポリッシング工程を含有する。HDD用ガラス基板の記録面となるガラス基板前駆体の主表面のみが加工される。ラッピング工程は2工程を含むことが好ましく、それぞれ第1ラッピング工程と第2ラッピング工程とを含む。また、研磨工程(ポリッシング工程ともいう。)も2工程を含むことが好ましく、それぞれ第1ポリッシング工程と第2ポリッシング工程とを含む。
本実施形態におけるHDD用ガラス基板の製造方法としては、例えば、図1に示されるように、ガラス溶融工程、プレス工程及びコアリング加工工程を含む円盤加工工程、内・外径精密加工工程、内径研磨工程、第1ラッピング工程、第1化学強化工程、化学処理(フッ酸処理)工程、第2ラッピング工程、外径研磨工程、第2化学強化工程、第1ポリッシング工程、第2ポリッシング工程、洗浄工程を備える方法等が挙げられる。そして、1回目の化学強化工程と2回目以降の化学強化工程との間に主表面加工工程を備えるものであれば、前記工程順番以外の方法で行うものであってもよい。例えば、第2ポリッシング工程と洗浄工程の順番が入れ替わったものであってもよい。さらに、これら以外の工程を備える方法であってもよい。
また、洗浄工程については、粗研磨工程の後に行っても、精密研磨工程の後に行ってもよく、さらに粗研磨工程及び精密研磨工程の後にそれぞれ一度ずつ行ってもよい。
図2は、円盤加工工程後のガラス基板前駆体1の全体構成を示している。図2に示すように、ガラス基板前駆体1は、中心孔5が形成されたドーナツ状の円板形状をしている。10tは外周端面、20tは内周端面、7aは表主表面、7bは裏主表面を示している。
図3(a)は、図2のガラス基板前駆体1をII−II線に沿った断面を示した図である。また、図3(a)は、図1の円盤加工工程(a)後のガラス基板前駆体に相当する。
次に、内・外径精密加工工程によって内径及び外径の角部が研削され、ガラス基板前駆体1にいわゆる面取りが施される(図3(b))。該面取りが施されたガラス基板前駆体1は、表面全体に化学強化工程が施される(図3(c))。このように、化学強化工程をガラス基板前駆体1の表面全体に施すと、表面に対して均一に強度を付与することができる。
しかし、化学強化工程後のガラス基板前駆体1は、平滑性に劣ることから、第2ラッピング工程によってガラス基板前駆体1の主表面が研削され、該主表面に施された圧縮応力層が削り取られる(図3(d))。このように主表面の圧縮応力層が除去することで、平坦度、うねり、粗さに関してはある程度問題のないガラス基板が得られる。しかしながら、近年500GB/P以上の高密度化されたハードディスクが多用されており、主表面の圧縮応力層が除去したのみの基板であってもなお平滑性に問題が生じてしまう。これは、ハードディスクの搭載した際にヘッドの安定性が悪化してしまうためであり、GA値(グライドアバランチ値)に悪影響を及ぼしてしまうからである。
以上のような問題を回避するため、さらに外径研磨工程によって外端部に施された圧縮応力層も削り取られる(図3(e))。
以上のように、主表面、内端面、外端面それぞれに異なる厚みの圧縮応力層を施したガラス基板前駆体1に対して、さらに2度目の化学強化工程を施す(図3(f))。第2化学強化工程を行わなければ、ガラス基板前駆体1の強度は不足してしまう。そして、主表面に圧縮応力層が残っていると平滑性が悪くなるため、研磨工程によって主表面の圧縮応力層を研磨して除去する(図3(g))。
なお、2度目の化学強化工程を施さずに、一度の化学強化工程にて圧縮応力層を深く付与させると、主表面にも圧縮応力層が深く形成されてしまう。そのため、研磨工程において応力層を除去することが難しくなり、その結果主面の平滑性が悪化する。したがって、本発明では、圧縮応力層を入れる回数を2回以上とし、その間に主表面のラッピング工程を施すことで内端部は応力層が深く形成され、かつ主表面には後の主表面研磨にて除去可能な圧縮応力層が形成されたガラス基板前駆体が得られるのである。その結果、HDD用ガラス基板に高強度と高平滑性を同時に満たすことができる。
また、内径研磨工程は1回目の化学強化工程前に施され、外径研磨工程は1回目の化学強化工程と2回目の化学強化工程の間に施されることが好ましい。内径研磨を第1化学強化工程の前に行うことで内径部の応力層が深い状態を維持できる。外周部は応力層の深さはそれほど必要ではないので、化学強化工程1の後に行う。外周部は応力層を入れ過ぎると主面の外端部付近の平滑性に影響を及ぼしてしまうからである。
以下、上述の各製造工程について順を追って詳述する。
<円盤加工工程>
前記円盤加工工程は、所定の組成のガラス素材を溶融、プレス成形し板状に成形したガラス素板から、図2に示すように、内周及び外周が同心円となるように、中心部に貫通孔5が形成された円盤状のガラス基板前駆体1に加工する工程である。
(ガラス溶融工程)
まず、ガラス溶融工程として、ガラス素材を溶融する。ガラス基板の材料としては、例えば、SiO、NaO、CaOを主成分としたソーダライムガラス;SiO、Al、RO(R=K、Na、Li)を主成分としたアルミノシリケートガラス;ボロシリケートガラス;LiO−SiO系ガラス;LiO−Al−SiO系ガラス;R’O−Al−SiO系ガラス(R’=Mg、Ca、Sr、Ba)などを使用することができる。中でも、アルミノシリケートガラスやボロシリケートガラスは、耐衝撃性や耐振動性に優れるため特に好ましい。
(プレス工程)
次に、プレス工程として、溶融ガラスを下型に流し込み、上型によってプレス成形して円板状のガラス基板前駆体を得る。なお、円板状のガラス基板前駆体は、プレス成形によらず、例えばダウンドロー法やフロート法で形成したシートガラスを研削砥石で切り出して作製してもよい。
ガラス基板の大きさに限定はない。例えば、外径が2.5インチ、1.8インチ、1インチ、0.8インチなど種々の大きさのガラス基板がある。また、ガラス基板の厚みにも限定はなく、2mm、1mm、0.63mmなど種々の厚みのガラス基板がある。
(コアリング加工工程)
プレス成形したガラス基板前駆体は、コアリング加工工程で、中心部に穴を開ける。穴開けは、カッター部にダイヤモンド砥石等を備えたコアドリル等で研削することで中心部に穴を開ける。
<内・外径精密加工工程>
次に、内・外径径精加工工程として、ガラス基板の外周端面および内周端面を、例えば鼓状のダイヤモンド等の研削砥石により研削することで内・外径加工する。
<内径研磨工程>
内・外径径精加工工程を終えたガラス基板を、複数積み重ねて、積層し、その状態で内周面の研磨加工を、端面研磨機を用いて研磨する。
<第1ラッピング工程>
次に、第1ラッピング工程として、ガラス基板の両表面を研磨加工し、ガラス基板の全体形状、すなわちガラス基板の平行度、平坦度および厚みを予備調整する。
また、第1ラッピング工程において、固定砥粒を用いることが好ましい。研削工程は取り代が多いことから、固定砥粒を用いれば生産性良く主表面の応力層を取り除くことができる。
<第1化学強化工程>
第1ラッピング工程の次に、第1化学強化工程としてガラス基板前駆体表面に圧縮応力層を形成する。具体的には、ガラス素板を化学強化処理液に浸漬させる方法等が挙げられる。該方法によって、ガラス素板の表面、例えば、ガラス素板表面から5μmの領域に圧縮応力層を形成することができる。そして、圧縮応力層を形成することで耐衝撃性、耐振動性及び耐熱性等を向上させることができる。
つまり、加熱された化学強化処理液にガラス素板を浸漬させることによって、ガラス素板に含まれるリチウムイオンやナトリウムイオン等のアルカリ金属イオンをそれよりイオン半径の大きなカリウムイオン等のアルカリ金属イオンに置換するイオン交換法によって行われる。イオン半径の違いによって生じる歪みにより、イオン交換された領域に圧縮応力が発生し、ガラス素板の表面が強化される。
化学強化工程の処理液に使用した塩は公知のものを使用することができる。塩としては硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩などがあげられる。またイオン交換されるイオンとしてはナトリウムやカリウムなどである。その中で硝酸カリウムが最も良い。硝酸カリウムは融点が低いので扱いやすく、かつカリウムイオンの交換によりばらつきなくイオン交換ができる。
化学強化工程は、加熱された化学強化処理液にガラス基板を浸漬することによってガラ
ス基板に含まれるリチウムイオン、ナトリウムイオン等のアルカリ金属イオンをそれより
イオン半径の大きなカリウムイオン等のアルカリ金属イオンによって置換するイオン交換
法によって行われる。イオン半径の違いによって生じる歪みより、イオン交換された領域
に圧縮応力が発生し、ガラス基板の表面が強化される。
化学強化処理液は、上記の成分が融解する温度よりも高温になるよう加熱される。一方
、化学強化処理液の加熱温度が高すぎると、ガラス基板の温度が上がりすぎ、ガラス基板
の変形を招く恐れがある。このため、化学強化処理液の加熱温度はガラス基板のガラス転
移点(Tg)よりも低い温度が好ましく、ガラス転移点−50℃よりも低い温度とするこ
とが更に好ましい。
<化学処理工程>
本発明のHDD用ガラス基板の製造方法は、フッ酸により化学処理工程を含むことが好ましい。
また、該化学処理工程は、後述する第2化学強化工程の前に施されることが好ましい。具体的には、上記のガラス基板前駆体をフッ化水素と水との混合液からなるエッチング液に浸漬させることにより、ガラス基板前駆体の表面および端面をエッチングする。このようにガラス基板前駆体の表面をエッチングすることにより、粗ラッピング工程でガラス基板前駆体の表面に形成された欠陥やクラックを取り除くことができ、ガラス基板前駆体の強度を向上させることができる。上記のエッチング液としては、HF、NHF、NaF等を挙げることができ、硫酸や硝酸などの酸と併用してもよい。
なお、上記のエッチング液への浸漬中あるいは浸漬後の引き上げ作業中に、ガラス基板前駆体の端面の部位ごとにエッチングされる度合いが変化する。よってエッチングされる厚みは1〜3μm程度が好ましい。1μmより小さいと表面のクラックが除去できないことがあり、3μmを超えるとエッチングが過剰に行われ、平坦度を修正しきれない。
<第2ラッピング工程>
更に、ガラス基板の両表面を再び研磨加工して、ガラス基板の平行度、平坦度および厚みを微調整する。
第1及び第2ラッピング工程にてガラス基板の表裏の表面を研磨する研磨機は、両面研磨機と呼ばれる公知の研磨機を使用できる。両面研磨機は、互いに平行になるように上下に配置された円盤状の上定盤と下定盤とを備えており、互いに逆方向に回転する。この上下の定盤の対向するそれぞれの面にガラス基板の主表面を研磨するための複数のダイヤモンドペレットが貼り付けてある。上下の定盤の間には、下定盤の外周に円環状に設けてあるインターナルギアと下定盤の回転軸の周囲に設けてあるサンギアとに結合して回転する複数のキャリアがある。このキャリアには、複数の穴が設けてあり、この穴にガラス基板をはめ込んで配置する。上下の定盤、インターナルギア及びサンギアは別駆動で動作することができる。
研磨機の研磨動作は、上下の定盤が互いに逆方向に回転し、ダイヤモンドペレットを介して定盤に挟まれているキャリアは、複数のガラス基板を保持した状態で、自転しながら定盤の回転中心に対して下定盤と同じ方向に公転する。このような動作している研磨機において、研磨液を上定盤とガラス基板及び下定盤とガラス基板との間に供給することでガラス基板の研磨を行うことができる。
この両面研磨機を使用する際、ガラス基板に加わる定盤の加重及び定盤の回転数を所望の研磨状態に応じて適宜調整する。第1及び第2ラッピング工程における加重は、60g/cm2から120g/cmとするのが好ましい。また、定盤の回転数は、10rpmから30rpm程度とし、上の定盤の回転数を下の定盤回転数より30%から40%程度遅くするのが好ましい。定盤による加重を大きくし、定盤の回転数を速くすると研磨量は多くなるが、加重を大きくしすぎると面粗さが良好とならず、また、回転数が速すぎると平坦度が良好とならない。また加重が小さく定盤の回転数が遅いと研磨量が少なく製造効率が低くなる。
第2ラッピング工程を終えた時点で、大きなうねり、欠け、ひび等の欠陥は除去され、ガラス基板の主表面の面粗さは、Rmaxが2〜4μm、Raが0.2〜0.4μm程度とするのが好ましい。このような面状態にしておくことで、次の化学強化工程を経て第1ポリッシング工程で研磨を効率よく行うことができる。
尚、第1ラッピング工程では、第2ラッピング工程を効率よく行うことができるように大まかに大きなうねり、欠け、ひびを効率よく除去する。このため、第2ラッピングで使用する粗さ#1300メッシュから#1700メッシュより粗い#800メッシュから#1200メッシュ程度のダイヤモンドペレットを使用するのが好ましい。第1ラッピング工程が完了した時点での面粗さは、Rmaxが4〜8μmで、Raが0.4〜0.8μm程度とするのが好ましい。
また、ガラス基板を研磨する方法として、上下の定盤の研磨面にパッドを貼り付け、研磨剤を含む研磨液を供給して研磨する方法を用いることもできる。研磨剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、コロイダルシリカ、ダイヤモンドなどが挙げられる。これらを水で分散化してスラリー状として使用する。パッドは硬質パッドと軟質パッドとに分けられるが、必要に応じて適宜選択して用いることができる。硬質パッドとしては、硬質ベロア、ウレタン発泡、ピッチ含有スウェード等を素材とするパッドが挙げられ、軟質パッドとしては、スウェードやベロア等を素材とするパッドが挙げられる。
パッドと研磨剤を使用する研磨方法は、研磨剤の粒度やパッドの種類を変えて、粗研磨から精密研磨まで対応することができる。よって、第1ラッピング工程と第2ラッピング工程で、効率よく大きなうねり、欠け、ひび等を除去し上記の面粗さを得ることができる様に研磨材、研磨材の粒度、パッドを適宜組み合わせて対応することができる。
また、第1及び第2ラッピング工程の後、ガラス基板の表面に残った研磨剤やガラス粉を除去するための洗浄工程を行うことが好ましい。
尚、第1ラッピング工程及び第2ラッピング工程で使用する研磨機は、同一構成ではあるがそれぞれの工程専用に用意された別の研磨機を用いて研磨加工を行うのが好ましい。これは、専用のダイヤモンドペレットを貼り付けているため交換が大掛かりな作業となり、また、研磨条件を再設定する等の煩雑な作業が必要となり、製造効率が低下するためである。
<外径研磨工程>
前記工程を終えたガラス基板を、複数積み重ねて、積層し、その状態で外周面の研磨加工を、端面研磨機を用いて研磨する。
(第2化学強化工程)
外径研磨工程の次に、第2化学強化工程として、さらにガラス基板前駆体に浸漬して圧縮応力層を形成する。
該第2化学強化工程についても、上記の第1化学強化工程と同様の方法を用いることができる。
<研磨工程>
次に、研磨工程としてのポリッシング工程を行う。
ポリッシング工程では、ガラス基板の表面を精密に仕上げると伴に主表面の外周端部の形状を所定の形状に研磨する。ポリッシング工程は1工程でも良いが、2工程の方が好ましい。
(第1ポリッシング工程)
まず、第1ポリッシング工程では、第2ポリッシング工程で最終的に必要とされる面粗さを効率よく得ることができるように、面粗さを向上させるとともに最終的に本発明の形状を効率よく得ることができる研磨を行う。
研磨の方法は、ラッピング工程で使用したダイヤモンドペレットと研削液に代えて、パッドと研磨液を使用する以外は第1及び2ラッピング工程で使用した研磨機と同一の構成の研磨機を使用する。
パッドは硬度Aで80から90程度の硬質パッドで例えば発泡ウレタンを使用するのが好ましい。パッドの硬度が研磨による発熱により柔らかくなると研磨面の形状変化が大きくなるため硬質パッドを用いるのが好ましい。研磨材は、粒径が0.6μmから2.5μmの酸化セリウムを使用し、水に分散させてスラリー状にして用いるのが好ましい。水と研磨剤との混合比率は、概ね1:9から3:7程度が好ましい。該研磨材は、遊離砥粒であることが好ましい。遊離砥粒を用いて主表面を研磨することで、ガラス基板の主表面の平滑性を向上させることができる。
定盤によるガラス基板への加重は、90g/cmから110g/cmとするのが好ましい。定盤によるガラス基板への加重は、外周端部の形状に大きく影響する。加重を大きくしていくと、外周端部の内側が下がり外側に向かって上がる傾向を示す。また、加重を小さくしていくと、外周端部は平面に近くなるとともに面ダレが大きくなる傾向を示す。こうした傾向を観察しながら加重を決めることができる。
また、面粗さを向上させるために、定盤の回転数を25rpmから50rpmとし、上の定盤の回転数を下の定盤回転数より30%から40%遅くするのが好ましい。
上記の研磨条件により研磨量を30〜40μmとするのが好ましい。30μm未満では、キズや欠陥を十分に除去ができない。また40μmを超える場合は、面粗さをRmaxが2〜60nm、Raが2〜4nmの範囲とすることができるが、必要以上に研磨を行うことになり製造効率が低下する。
(第2ポリッシング工程)
第2ポリッシング工程は、第1ポリッシング工程後のガラス基板の表面を更に精密に研磨する工程である。第2ポリッシング工程で使用するパッドは、第1ポリッシング工程で使用するパッドより柔らかい硬度65から80(Asker−C)程度の軟質パッドで、例えば発泡ウレタンやスウェードを使用するのが好ましい。研磨材としては、第1ポリッシング工程と同様の酸化セリウム等を用いることができるが、ガラス基板の表面をより滑らかにするため、粒径がより細かくバラツキが少ない研磨剤を用いるのが好ましい。粒径の平均粒子径が40nmから70nmの研磨剤を水に分散させてスラリー状にして研磨液として用い、水と研磨剤との混合比率は、1:9から3:7程度が好ましい。
定盤によるガラス基板への加重は、90g/cm2から110g/cmが好ましい。定盤によるガラス基板への加重は、第1ポリッシング工程と同様に外周端部の形状に大きく影響するが、研磨速度が遅いため第1ポリッシング工程ほど効率的に形状を変化させることはできない。加重の加減による外周端部の形状の変化は、第1ポリッシング工程と同様であり、加重を大きくしていくと、外周端部の内側が下がり外側に向かって上がる傾向を示す。また、加重を小さくしていくと、外周端部は平面に近くなるとともに面ダレが大きくなる傾向を示す。外周端部の形状を得るために、こうした傾向を観察しながら加重を決めることができる。定盤の回転数を15rpmから35rpmとし、上定盤の回転数を下定盤の回転数より30%から40%遅くするのが好ましい。
上記の様に第2ポリッシング工程での研磨条件を調整して外周端部の形状を得ると伴に、面粗さをRmaxが2nmから6nm、Raが0.2nmから0.4nmの範囲とすることができる。
研磨量は2μmから5μmとするのが好ましい。研磨量をこの範囲とすると、表面に発生した微小な荒れやうねり、これまでの工程で生じた微小な傷痕といった微小な欠陥を効率良く除去することができる。
<洗浄工程>
前記洗浄工程は、前記粗研磨工程が施されたガラス素板を洗浄する工程である。
前記粗研磨工程による粗研磨後のガラス素板は、洗浄工程によって洗浄することが好ましい。洗浄工程としては、特に限定されない。具体的には、例えば、以下のような洗浄工程が挙げられる。
まず、pH13以上のアルカリ洗剤を用いて、ガラス素板の洗浄を行い、ガラス素板にリンスを行う。次に、pH1以下の酸系洗剤を用いて、ガラス素板の洗浄を行い、ガラス素板にリンスを行う。また、各洗浄の後にリンス槽を用いることが好ましい。これらの洗剤には、場合によって界面活性剤、分散材、キレート剤、還元材などを添加しても良い。また、各洗浄槽には、超音波を印加し、それぞれの洗剤には脱気水を使用することが好ましい。そして、最後に、ガラス素板を取り出し、純水でリンスを行い、IPA乾燥させる。
また、この粗研磨後のガラス素板の洗浄は、ガラス素板表面の酸化セリウム量が0.125ng/cm以下となるように行なわれる。ガラス素板表面の酸化セリウム量が多すぎると、ガラス素板の平坦度を良好にできない傾向がある。
<検査工程>
検査工程では、目視によるキズ、割れや異物の付着等の検査を行う。
検査工程で良品と判断されたガラス基板は、異物等が表面に付着しないように、清浄な環境の中で、ガラス基板収納カセットに収納され、真空パックされた後、情報記録媒体用ガラス基板として出荷される。
次に、上記のようにして作製したガラス基板を用いた磁気記録媒体について説明する。
以下、図面に基づき磁気記録媒体について説明する。
図2は磁気記録媒体の一例である磁気ディスクの斜視図である。この磁気ディスクDは、円形の情報記録媒体用ガラス基板1の表面に磁性膜2を直接形成されている。磁性膜2の形成方法としては従来公知の方法を用いることができ、例えば磁性粒子を分散させた熱硬化性樹脂を基板上にスピンコートして形成する方法や、スパッタリング、無電解めっきにより形成する方法が挙げられる。スピンコート法での膜厚は約0.3〜1.2μm程度、スパッタリング法での膜厚は0.04〜0.08μm程度、無電解めっき法での膜厚は0.05〜0.1μm程度であり、薄膜化および高密度化の観点からはスパッタリング法および無電解めっき法による膜形成が好ましい。
磁性膜に用いる磁性材料としては、特に限定はなく従来公知のものが使用できるが、高い保持力を得るために結晶異方性の高いCoを基本とし、残留磁束密度を調整する目的でNiやCrを加えたCo系合金などが好適である。具体的には、Coを主成分とするCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、CoCrTa、CoPtCr、CoNiPtや、CoNiCrPt、CoNiCrTa、CoCrPtTa、CoCrPtB、CoCrPtSiOなどが挙げられる。磁性膜は、非磁性膜(例えば、Cr、CrMo、CrVなど)で分割しノイズの低減を図った多層構成(例えば、CoPtCr/CrMo/CoPtCr、CoCrPtTa/CrMo/CoCrPtTaなど)としてもよい。上記の磁性材料の他、フェライト系、鉄−希土類系や、SiO2、BNなどからなる非磁性膜中にFe、Co、FeCo、CoNiPt等の磁性粒子を分散された構造のグラニュラーなどであってもよい。また、磁性膜は、内面型および垂直型のいずれの記録形式であってもよい。
また、磁気ヘッドの滑りをよくするために磁性膜の表面に潤滑剤を薄くコーティングしてもよい。潤滑剤としては、例えば液体潤滑剤であるパーフロロポリエーテル(PFPE)をフレオン系などの溶媒で希釈したものが挙げられる。
さらに必要により下地層や保護層を設けてもよい。磁気ディスクにおける下地層は磁性膜に応じて選択される。下地層の材料としては、例えば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Al、Niなどの非磁性金属から選ばれる少なくとも一種以上の材料が挙げられる。Coを主成分とする磁性膜の場合には、磁気特性向上等の観点からCr単体やCr合金であることが好ましい。また、下地層は単層とは限らず、同一又は異種の層を積層した複数層構造としても構わない。例えば、Cr/Cr、Cr/CrMo、Cr/CrV、NiAl/Cr、NiAl/CrMo、NiAl/CrV等の多層下地層としてもよい。
磁性膜の摩耗や腐食を防止する保護層としては、例えば、Cr層、Cr合金層、カーボン層、水素化カーボン層、ジルコニア層、シリカ層などが挙げられる。これらの保護層は、下地層、磁性膜など共にインライン型スパッタ装置で連続して形成できる。また、これらの保護層は、単層としてもよく、あるいは、同一又は異種の層からなる多層構成としてもよい。なお、上記保護層上に、あるいは上記保護層に替えて、他の保護層を形成してもよい。例えば、上記保護層に替えて、Cr層の上にテトラアルコキシシランをアルコール系の溶媒で希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散して塗布し、さらに焼成して二酸化ケイ素(SiO)層を形成してもよい。
上記の様にして得られる本発明の情報記録媒体用ガラス基板を基体とした磁気記録媒体を用いることで、高速回転時の磁気ヘッドの動作を安定にすることができる。
本発明の情報記録媒体用ガラス基板は、磁気記録媒体に限定されるものではなく、光磁気ディスクや光ディスクなどにも用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
2.5インチのアルミノシリケートガラスを用いて、下記実施例又は比較例で記載した工程を施してガラス基板の製造を行った。なお、基板の厚みは表面研磨2後に0.8mmとなるようにガラス基板の板厚を調整した。
〈実施例1〉
上記アルミノシリケートガラスにコアリング工程を施した後に、内・外径精密加工工程、内径研磨工程、第1ラッピング工程、第1化学強化工程、化学処理工程、第2ラッピング工程、外径研磨工程、第2化学強化工程、第1研磨工程、第2研磨工程を行った。
第1化学強化工程は硝酸カリウムを400℃まで加熱して溶融した処理液に3時間基板を浸漬させた。また、化学処理工程は、常温のフッ化水素水溶液(1%)に基板を浸漬させ、1μmの表面を除去した。
第1ラッピング工程においては、圧縮応力層を全て除去した。また、外径研磨工程にて外周を鏡面化した際の研磨取り代は10μmであった。
第2化学強化工程2は、硝酸カリウムを450℃まで加熱して溶融した処理液に基板を1時間浸漬させた。化学強化工程2を経た後、中性洗剤にて基板を洗浄し、研磨工程を行った。
主表面研磨は2段階に分けて行い、第1研磨工程では酸化セリウムを用いて30μmの取り代で主表面を研磨し、主表面上の応力層を取り除いた。第2研磨工程ではコロイダルシリカ20μmの粒径にて研磨を行い、基板の粗さを仕上げた。取り代は2μmであった。
〈比較例1〉
上記実施例1における化学強化工程1を省いてガラス基板を製造したものを比較例1とした。
(落下衝撃耐性試験)
各基板を製膜後、ハードディスクドライブに組み込み、耐衝撃性試験を行った。この割れ試験は、基板をドライブに組み込んで落下させてそれぞれ荷重を変更しながらテストを行い、基板が割れなかった荷重の設定値を測定した。
(圧縮応力層の測定)
圧縮応力層の測定は、ポーラリメーター SF−IIC(神港精機社製)を用いて行った。
実施例1および比較例1の試験結果を表1に示す。
Figure 2013012282
表1の結果から明らかなように、実施例1は、一度化学強化した後に主表面の応力層を一度取り除き、その後再度化学強化を行う工程を経ることで主表面の形状を悪化させることなく、内径部の圧縮応力層をより深く入れることができた。一方で、比較例1は、ラッピング工程の後に一度きりの化学強化工程を行ったため、内径部の圧縮応力層が非常に浅く入ってしまい、実施例1に比べて耐衝撃性の劣る結果となった。
〈実施例2−1〉
上記実施例1における化学処理工程を省いてガラス基板を製造したものを実施例2−1とした。
〈実施例2−2〉
上記実施例1における化学強化工程1に用いた硝酸カリウムを、硝酸カリウムと硝酸ナトリウムを1:1に混合した塩に代えてガラス基板を製造したものを実施例2−2とした。
〈実施例2−3〉
上記実施例2−2における主表面研磨において、第1研磨工程において酸化セリウムを用いて20μmの取り代で主表面を研磨し、主表面上の応力層を一部取り除いたこと以外は、上記実施例2−2と同様の製造方法を用いた。主表面に残存した圧縮応力層は8μmであった。
〈実施例2−4〉
上記実施例1における第1化学強化工程での処理時間を6時間とし、第2化学強化工程の処理時間を3時間とした以外は同様の製造方法を用いた。
〈比較例2〉
上記比較例1の製造方法において化学強化工程を硝酸カリウムを450℃にて3時間浸漬させて圧縮応力層を形成した。主表面研磨にて主面を研磨したが主表面に圧縮応力層が28μm残った。
(平滑性評価)
平滑性は、表面粗さRa(1×1μm四方を256×256scan)を測定することによって評価した。装置はVeeco社 Dimension Iconを使用した。評価としては、前記表面粗さRaが2Å以下であれば○、2.5Å以下であれば△、それ以上は×とした。
Figure 2013012282
実施例2−1の結果から明らかなように、化学強化工程を2回以上施し、かつ1回目の化学強化工程と2回目以降の化学強化工程との間に主表面加工工程を施せば、フッ酸処理による化学処理工程を行わなくても高強度であって高平滑性を同時に備えたHDD用ガラス基板が得られることが明らかとなった。同様に、化学強化工程に用いる塩を硝酸カリウムのみでなく、硝酸カリウムと硝酸ナトリウムとの混合塩を用いたとしても、やや強度に劣るものの実施例2−1と同様の結果が得られることが明らかとなった。さらに、実施例2−3は、本発明の製造方法の工程にてHDD基板を製造したが、第1ポリッシング工程において主表面の圧縮応力層を全て除去しなかったため、製品としては問題のない度合いであるが上記実施例に比べてやや平滑性に劣る結果となった。また、第1化学強化工程において、より深くの圧縮応力層を付与した場合においては、より高い強度であって優れた平滑性を同時に備えたHDD用ガラス基板が得られることが分かった。
一方で、比較例2は、一度の化学強化にて圧縮応力層を形成したため、主表面研磨にて主表面を研磨しても圧縮応力層を除去することができず、平滑性に劣る結果となった。
1 ガラス基板前駆体
2 磁性膜
5 内孔
7a 表主表面
7b 裏主表面
10t 外周端面
20t 内周端面
D 磁気ディスク

Claims (6)

  1. 中心孔を有するガラス基板前駆体を化学強化液と接触させて、前記ガラス基板前駆体の表面のアルカリ金属イオンを、前記化学強化液が含む前記アルカリ金属イオンより大きなイオン径のアルカリ金属イオンと置換して圧縮応力層を付与する化学強化工程を2回以上有するHDD用ガラス基板の製造方法において、
    1回目の化学強化工程と2回目以降の化学強化工程との間に主表面加工工程を有することを特徴とするHDD用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記1回目の化学強化工程前に前記ガラス基板前駆体の内径研磨を施し、
    前記主表面加工工程の後に前記ガラス基板前駆体の外径研磨を行うことを特徴とする請求項1に記載のHDD用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記主表面加工工程は、固定砥粒を用いた研削工程にて主表面を研削することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のHDD用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記主表面加工工程は、遊離砥粒を用いた研磨工程にて主表面をさらに研磨することを特徴とする請求項3に記載のHDD用ガラス基板の製造方法。
  5. 前記2回目の化学強化工程前に、前記ガラス基板前駆体表面をフッ酸による化学処理工程を施すことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のHDD用ガラス基板の製造方法。
  6. 前記化学強化液が含むアルカリ金属イオンは、カリウムイオンからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のHDD用ガラス基板の製造方法。


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