JP4894678B2 - 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法に関する。
従来、コンピュータ等に用いられる情報記録媒体として磁気ディスクがある。磁気ディスク用基板としては、アルミニウム基板が一般的に用いられてきた。しかし、近年、記録密度向上のための磁気ヘッド浮上量の低減の要請に伴い、アルミニウム基板よりも表面の平滑性に優れ、しかも表面欠陥が少ないことから磁気ヘッド浮上量の低減を図ることができるガラス基板を磁気ディスク用基板として用いる割合が増えてきている。
このような磁気ディスク等の情報記録媒体用ガラス基板は、ブランク材と呼ばれるガラス基板に研磨加工等を施すことによって製造される。ガラス基板(ブランク材)は、プレス成形によって製造する方法や、フロート法等によって作製された板ガラスを切断して製造する方法等が知られている。一定の形状に切り出されたガラス基板のままでは表裏の表面及び内周端面、外周端面の凹凸が大きく、表面研磨を行う必要があり、また、高密度化の要請からより高精度に研磨する技術が求められている。
このような課題に対して、特許文献1では、ガラス基板の内外周端面の表面を効率よく高精度に研磨する方法として、複数枚のガラス基板を円盤状の薄い、樹脂製のスペーサを介在させて主表面同士を離間させ、積層した状態で、研磨ブラシ又は研磨パッドを回転接触させて研磨する方法が提案されている。
特開2001−162510号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法において、複数枚のガラス基板をスペーサを介して集積し、内周又は外周の端面加工をした後、つぎの工程の加工、例えば化学強化などを行う場合、スペーサを取り除く必要がある。用いられるスペーサは、通常樹脂製で、百ミクロンから数百ミクロンの厚さであり、端面加工時に圧接させているので、容易にガラス基板から取り除くことができない。そのため人手によって分離除去するのが一般的であり、時間とコストがかかるとともに表面に傷を付ける場合があるという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みて成されたものであって、複数枚のガラス基板をスペーサを介して積層し、ガラス基板端面の研磨を行った後、容易にスペーサを分離することができ、表面に傷を付けることなく次の工程に移ることができる生産性の優れた情報記録媒体用ガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題は、以下の構成により解決される。
1.
ガラス基板をスペーサを介在させて複数重ね合わせて積層体とし、該積層体となった前記ガラス基板の端面を研磨する工程を有する情報記録媒体用ガラス基板の製造方法において、
前記ガラス基板の端面を研磨した後、前記積層体を水槽に浸漬し、前記積層体の最上部にあるガラス基板を分離手段で前記積層体から分離し、
前記分離手段で分離したガラス基板の少なくとも一部を前記水槽で揺動することにより、
前記分離手段で分離したガラス基板の表面からスペーサを除去することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
2.
前記分離手段で分離したガラス基板を前記水槽の水面から外に出した後、再度前記水槽に浸漬することを特徴とする1に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
3.
前記水槽は、水を流入させるための流入口と、該流入口から流入する水により前記水槽の水をオーバーフローさせる流出口、とを備え、
該流出口からオーバーフローする水を受ける別の水槽を有し、
前記分離手段で分離したガラス基板から除去したスペーサを、
前記流出口からオーバーフローする水とともに前記別の水槽に流下させることを特徴とする1又は2に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
4.
前記水槽は、超音波振動子を備え、
該超音波振動子により前記水槽の水を振動させることを特徴とする1乃至3の何れか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
5.
前記超音波振動子の振動する周波数が変調されていることを特徴とする4に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
6.
前記超音波振動子の振動する振幅が変調されていることを特徴とする4又は5に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
本発明によれば、ガラス基板をスペーサを介して複数重ね合わせた積層体のガラス基板の端面を研磨した後、該積層体を水槽に浸漬し、該積層体の最上部のガラス基板を積層体から分離し、分離したガラス基板の少なくとも一部を水槽で揺動することにより、積層体から分離したガラス基板に密着しているスペーサを除去するものである。このような情報記録媒体用ガラス基板の製造方法により、スペーサを容易にガラス基板から除去することができるので、従来の人手による方法に比べて、生産性の高い製造方法を提供できる。
本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限らない。
図1は、本発明に係わる情報記録媒体用ガラス基板(以降、ガラス基板とも称する。)1の全体構成を示している。図1に示す様に、ガラス基板1は、中心に孔5が形成されたドーナツ状の円板形状をしている。10tは外周端面、20tは内周端面、7aは表主表面、7bは裏主表面を示している。また、図2は、図1で示したガラス基板1の表主表面7aの上に磁性膜2を備えている磁気記録媒体(以降、磁気ディスクとも称する。)Dの一例を示す図である。磁性膜2は裏主表面7bの上にも設けることができる。
図3に本発明に係る情報記録媒体用ガラス基板の製造方法の一実施例の製造工程図を示す。
本実施形態においては、まず、ガラス基板の外周端面を研磨加工するために、ガラス基板をスペーサを介在させて複数重ね合わせて積層体とする。次にこの積層体となったガラス基板の外周端面を研磨加工した後に、この積層体を水槽に浸漬する。浸漬した積層体の最上部のガラス基板を分離手段で保持して、上方に引き上げることで積層体から分離する。次に、分離したガラス基板の少なくとも一部を水槽で揺動することにより、積層体から分離したガラス基板の表面に密着しているスペーサを除去する。この動作を繰り返すことで、積層体から1枚1枚、ガラス基板を分離するとともに、スペーサを確実に除去することができる。
情報記録媒体用ガラス基板の製造工程に関して図3の製造工程図を用いて詳しく説明する。
(ガラス溶融工程)
まず、ガラス溶融工程として、ガラス素材を溶融する。ガラス基板の材料としては、例えば、SiO2、Na2O、CaOを主成分としたソーダライムガラス;SiO2、Al23、R2O(R=K、Na、Li)を主成分としたアルミノシリケートガラス;ボロシリケートガラス;Li2O−SiO2系ガラス;Li2O−Al23−SiO2系ガラス;R’O−Al23−SiO2系ガラス(R’=Mg、Ca、Sr、Ba)などを使用することができる。中でも、アルミノシリケートガラスやボロシリケートガラスは、耐衝撃性や耐振動性に優れるため特に好ましい。
(プレス工程)
次に、プレス成形工程として、溶融ガラスを下型に流し込み、上型によってプレス成形して円板状のガラス基板前駆体を得る。なお、円板状のガラス基板前駆体は、プレス成形によらず、例えばダウンドロー法やフロート法で形成したシートガラスを研削砥石で切り出して作製してもよい。
ガラス基板の大きさに限定はない。例えば、外径が2.5インチ、1.8インチ、1インチ、0.8インチなど種々の大きさのガラス基板がある。また、ガラス基板の厚みにも限定はなく、2mm、1mm、0.63mmなど種々の厚みのガラス基板がある。
(コアリング加工工程)
プレス成形したガラス基板前駆体は、コアリング加工工程で、中心部に穴を開ける。穴開けは、カッター部にダイヤモンド砥石等を備えたコアドリル等で研削することで中心部に孔を開ける。
(第1ラッピング工程)
次に、第1ラッピング工程として、ガラス基板の両表面を研磨加工し、ガラス基板の全体形状、すなわちガラス基板の平行度、平坦度および厚みを予備調整する。
(内・外径加工工程)
次に、内・外径加工工程として、ガラス基板の外周端面および内周端面を、例えば鼓状のダイヤモンド等の研削砥石により研削することで内・外径加工する。
(内周端面加工工程)
内・外径加工工程を終えたガラス基板を、複数積み重ねて、積層し、その状態で内周面の研磨加工を、内周端面研磨機を用いて研磨する。
(第2ラッピング工程)
更に、ガラス基板の両表面を再び研磨加工して、ガラス基板の平行度、平坦度および厚みを微調整する。
第1及び第2ラッピング工程にてガラス基板の表裏の表面を研磨する研磨機は、両面研磨機と呼ばれる公知の研磨機を使用できる。両面研磨機は、互いに平行になるように上下に配置された円盤状の上定盤と下定盤とを備えており、互いに逆方向に回転する。この上下の定盤の対向するそれぞれの面にガラス基板の主表面を研磨するための複数のダイヤモンドペレットが貼り付けてある。上下の定盤の間には、下定盤の外周に円環状に設けてあるインターナルギアと下定盤の回転軸の周囲に設けてある太陽ギアとに結合して回転する複数のキャリアがある。このキャリアには、複数の穴が設けてあり、この穴にガラス基板をはめ込んで配置する。上下の定盤、インターナルギア及び太陽ギアは別駆動で動作することができる。
研磨機の研磨動作は、上下の定盤が互いに逆方向に回転し、ダイヤモンドペレットを介して定盤に挟まれているキャリアは、複数のガラス基板を保持した状態で、自転しながら定盤の回転中心に対して下定盤と同じ方向に公転する。このような動作している研磨機において、研削液を上定盤とガラス基板及び下定盤とガラス基板との間に供給することでガラス基板の研磨を行うことができる。
この両面研磨機を使用する際、ガラス基板に加わる定盤の加重及び定盤の回転数を所望の研磨状態に応じて適宜調整する。第1及び第2ラッピング工程における加重は、60g/cm2から120g/cm2とするのが好ましい。また、定盤の回転数は、10rpmから30rpm程度とし、上の定盤の回転数を下の定盤回転数より30%から40%程度遅くするのが好ましい。定盤による加重を大きくし、定盤の回転数を速くすると研磨量は多くなるが、加重を大きくしすぎると面粗さが良好とならず、また、回転数が速すぎると平坦度が良好とならない。また加重が小さく定盤の回転数が遅いと研磨量が少なく製造効率が低くなる。
第2ラッピング工程を終えた時点で、大きなうねり、欠け、ひび等の欠陥は除去され、ガラス基板の主表面の面粗さは、Rmaxが2μmから4μm、Raが0.2μmから0.4μm程度とするのが好ましい。このような面状態にしておくことで、次の化学強化工程を経て第1ポリッシング工程で研磨を効率よく行うことができる。
尚、第1ラッピング工程では、第2ラッピング工程を効率よく行うことができるように大まかに大きなうねり、欠け、ひびを効率よく除去する。このため、第2ラッピングで使用する粗さ#1300メッシュから#1700メッシュより粗い#800メッシュから#1200メッシュ程度のダイヤモンドペレットを使用するのが好ましい。第1ラッピング工程が完了した時点での面粗さは、Rmaxが4μmから8μmで、Raが0.4μmから0.8μm程度とするのが好ましい。
また、ガラス基板を研磨する方法として、上下の定盤の研磨面にパッドを貼り付け、研磨剤を含む研磨液を供給して研磨する方法を用いることもできる。研磨剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、コロイダルシリカ、ダイヤモンドなどが挙げられる。これらを水で分散化してスラリー状として使用する。パッドは硬質パッドと軟質パッドとに分けられるが、必要に応じて適宜選択して用いることができる。硬質パッドとしては、硬質ベロア、ウレタン発泡、ピッチ含有スウェード等を素材とするパッドが挙げられ、軟質パッドとしては、スウェードやベロア等を素材とするパッドが挙げられる。
パッドと研磨剤を使用する研磨方法は、研磨剤の粒度やパッドの種類を変えて、粗研磨から精密研磨まで対応することができる。よって、第1ラッピング工程と第2ラッピング工程で、効率よく大きなうねり、欠け、ひび等を除去し上記の面粗さを得ることができる様に研磨材、研磨材の粒度、パッドを適宜組み合わせて対応することができる。
また、第1及び第2ラッピング工程の後、ガラス基板の表面に残った研磨剤やガラス粉を除去するための洗浄工程を行うことが好ましい。
尚、第1ラッピング工程及び第2ラッピング工程で使用する研磨機は、同一構成ではあるがそれぞれの工程専用に用意された別の研磨機を用いて研磨加工を行うのが好ましい。これは、専用のダイヤモンドペレットを貼り付けているため交換が大掛かりな作業となり、また、研磨条件を再設定する等の煩雑な作業が必要となり、製造効率が低下するためである。
(外周端面加工工程)
次に、外周端面加工工程として、ガラス基板の外周端面を、研磨液を使用したブラシ研磨により面取り部の角部を曲面とし、また微細なキズ等を除去する。
図4に積層体4の構成図を示す。図4(a)は積層体4の側面から見た図を示し、図4(b)はスペーサ3とガラス基板1の重なり状態を上面から見た図である。
図3の工程でガラス基板1の両表面の研磨加工を行う第2ラッピング工程を行った後、スペーサ3とガラス基板1とを1枚ずつ交互に積み重ね、図4のように積層体4を形成し、この積層体4を外周端面加工工程に移す。スペーサ3は、ガラス基板の外径よりもわずかに小さい外径を有し、ガラス基板の穴径よりもわずかに大きい穴径となっている。
スペーサ3の材質としては、比重1以下の樹脂が好ましく、厚さは特に限定しないが、研磨に用いるブラシの径よりわずかに大きい値が好ましい。例えばブラシ径が0.2mmであれば0.3mm程度の厚さが好ましい。
外周端面加工工程では、図5に示すような外周端面研磨機50を用いてガラス基板1の外周を研磨加工する。積層体4は、ワークシャフト41により積層した状態で保持、回転させられ、回転ブラシ51により外周を研磨する。この時研磨液61が研磨ノズル60から供給される。
外周端面研磨工程を終えた積層体4は、図6に示すスペーサ3を分離するスペーサ分離装置70に移される。
本発明に係るスペーサ3の分離除去方法について、説明する。
スペーサ分離装置70は、ガラス基板1とスペーサ3との積層体4を浸漬するための水槽71と、水の流入口81と、流出口82と、この流出口82からオーバーフローする水を受ける別の水槽72と、別の水槽72の水を水槽71に戻し、循環させるためのパイプ74と、ポンプ73と、積層体4の最上部のガラス基板1を分離する分離手段としてのアーム75を有するアームヘッド76と、アームヘッド76を回転する回転部78と、アームヘッド76を移動させる移動軸77とを備えている。
まず、外周端面加工を終えた積層体4は、水槽71に浸漬される。その後、積層体4の最上部のガラス基板1をアーム75でチャッキングし、アームヘッド76を移動軸77により引き上げることで、積層体4からガラス基板1を分離する。この分離時にガラス基板1の表面に密着しているスペーサ3が分離することもあるが、ほとんどはガラス基板1の上面又は下面又はその両方の面に密着している。この状態で、移動軸77を図6のように左右に揺動する。揺動することで、ガラス基板1の表面に密着しているスペーサ3は、容易に剥がされる。図6では、水中で左右に揺動しているが、図7に示すように、回転部78を中心に円弧状に揺動させても良く、更には、図8に示すように、回転部78の回転によりアームヘッド76を90°回転させ、ガラス基板1を水面に対して垂直にしたのちに、移動軸77により、上下に揺動させても良い。ガラス基板は、その一部を水中で揺動するようにしてやれば良い。また、ガラス基板は、一旦、水槽の水面から外に出した後、再度水槽に浸漬するのが好ましい。このように一旦、水槽の水面から外に出し、再度水槽に戻す動作を行うと、密着しているスペーサ3が、より分離除去しやすくなる。
このようにすることで、スペーサ3が確実にガラス基板1の表面から分離し、水より比重が軽い樹脂でできているため、水槽71の表面に浮遊する。
水槽71は、流入口81から常に水が流入し、オーバーフローするように水の供給とオーバーフロー用の流出口82を有しているため、水槽71の表面に浮遊するスペーサ3は、オーバーフローする水と一緒に別の水槽72に落下する。別の水槽72に落下したスペーサ3は、集められ、再度、外周端面研磨工程のための積層体4を作るのに使用される。また、別の水槽72に落下した水は、ポンプ73により水槽71に戻され、循環される。
また、水槽71に超音波振動子を取り付け、水槽71の水が振動するようにすると、よりスペーサ3がガラス基板1の表面から分離、除去されやすくなる。さらに、超音波振動子の振幅又は振動数を変化させながら水槽71の水を振動させるようにするとよりスペーサ3が分離しやすくなる。
図9に超音波振動子90を水槽71に取り付けた状態の模式図を示す。超音波振動子90は、PZT素子等からなり、超音波発振器91により所定の周波数の電圧が印加されて超音波振動を発生する。図9に示す超音波発振器91には、周波数変調回路92及び振幅変調回路93が内蔵されており、周波数変調及び振幅変調を行うことができる。周波数変調を行う場合は、超音波発振器91の内部で数百KHz〜数MHzの周波数の電気信号を発振し、この電気信号を周波数変調回路92により、図10の(a)のように周波数変調した電気信号に変え、電力増幅して、超音波振動子90に送る。振幅変調を行う場合は、超音波発振器91の内部で数百KHz〜数MHzの周波数の電気信号を発振し、この電気信号を振幅変調回路93により、図10の(b)のように振幅変調した電気信号に変え、電力増幅して、超音波振動子90に送る。また、周波数と振幅を同時に変調する場合は、超音波発振器91の内部で数百KHz〜数MHzの周波数の電気信号を発振し、この電気信号を周波数変調回路92により、図10の(a)のように周波数変調した電気信号に変え、次にこの電気信号を振幅変調回路93により振幅変調し、図10の(c)の様に周波数と振幅を同時に変調した電気信号を作成して、電力増幅したのち、超音波振動子90に送る。
このようにして超音波振動子90の振動状態を変調し、水槽の水を振動させることで、更に、分離したガラス基板1の表面からスペーサ3を分離除去しやすくすることができる。
積層体4の上部からガラス基板1を分離する分離手段としては、アーム75の他に、真空パッドで最上部のガラス基板1表面を吸着するようにして分離しても良い。この場合、上部にスペーサ3が密着している場合は、真空パッドでスペーサ3のみを吸着して、移動除去する。その後、最上部のガラス基板1の表面を再度、真空パッドで吸着し、上記に示した揺動を行うことで、ガラス基板1の下面側に密着しているスペーサ3を取り除くことができる。
積層体4から分離され、スペーサ3を分離、除去したガラス基板は、移動軸77により、プロセスカセットに1枚ずつ載置される。
次に、プロセスカセットに載置されたガラス基板1は、次の工程の化学強化工程に移される。
このようなスペーサ分離装置70を用いることにより、従来手作業で分離していたところを迅速に行うことができ、人手による傷等の発生も少なくなり、生産性が向上する。
スペーサ分離装置70によるスペーサ3の分離は、外周端面加工工程の後に限らず、内周端面加工工程の後に用いても良く、更には、端面加工工程以外であっても、ガラス基板1とスペーサ3との積層体4を作成した後、スペーサ3を分離する必要のある作業で用いても良い。
コアリング加工以降の第1ラッピング工程から外周端面加工工程までの順序は、図5に示したものに限定されず、状況に応じて適宜変更することができる。例えば、ラッピング工程を一つにして最初に行ない、その後、内・外径加工工程、内周、外周端面加工工程を行っても良い。また、第1ラッピング工程、内・外径加工工程の後、第2ラッピング工程、内周、外周端面加工工程を行っても良い。
ガラス基板の内周、外周の端面は、内周及び外周端面加工工程で端面研磨機を用いて行い、ブラシ研磨によるポリッシング加工を行う。ブラシは、φ0.2からφ0.3mm程度のナイロン、ポリプロピレン等を使用するのが好ましい。また、研磨液は、粒径が数μm程度の酸化セリウムが好ましい。内周端面の加工工程では、ガラス基板1はスペーサを介さずに積み重ねた状態で研磨したが、スペーサを介した積層体として内周端面加工を行っても良い。この場合、次の第2ラッピング工程に移る前に、スペーサ分離装置70によって、ガラス基板とスペーサを分離する必要がある。外周端面加工工程で、スペーサ3を用いたのは、外周加工において、エッジの面取りを行った場合に、面取り部とガラス基板の表裏の表面との境とのエッジをなだらかにするためである。
ブラシ研磨の結果、内周、外周の端面の面粗さは、Rmaxが0.2μmから0.4μmで、Raが0.02μmから0.04μm程度とするのが好ましい。内・外径加工工程及び内周及び外周端面加工工程を経たガラス基板の端面の形状は、主表面と端面とが成す角部が取り除かれ、特に外周端面から0.2mmから0.5mm程度の位置から主表面よりダレた状態となる。
ここで、Ra(中心線平均粗さ)、Rmax(最大高さ)は、JIS B0601:2001で規定されている。これらは、原子間力顕微鏡(AFM)等により測定することができる。これら規定及び測定方法は、以降で記述されるRa、Rmaxについても同じく適用する。
(化学強化工程)
外周端面加工工程の次に、化学強化工程として、化学強化液にガラス基板を浸漬してガラス基板に化学強化層を形成する。化学強化層を形成することで耐衝撃性、耐振動性及び耐熱性等を向上させることができる。
化学強化工程は、加熱された化学強化処理液にガラス基板を浸漬することによってガラス基板に含まれるリチウムイオン、ナトリウムイオン等のアルカリ金属イオンをそれよりイオン半径の大きなカリウムイオン等のアルカリ金属イオンによって置換するイオン交換法によって行われる。イオン半径の違いによって生じる歪みより、イオン交換された領域に圧縮応力が発生し、ガラス基板の表面が強化される。
化学強化処理液に特に制限はなく、公知の化学強化処理液を用いることができる。通常、カリウムイオンを含む溶融塩又はカリウムイオンとナトリウムイオンをふくむ溶融塩を用いることが一般的である。カリウムイオンやナトリウムイオンを含む溶融塩としては、カリウムやナトリウムの硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩やこれらの混合溶融塩が挙げられる。中でも、融点が低く、ガラス基板の変形を防止できるという観点からは、硝酸塩を用いることが好ましい。
化学強化処理液は、上記の成分が融解する温度よりも高温になるよう加熱される。一方、化学強化処理液の加熱温度が高すぎると、ガラス基板の温度が上がりすぎ、ガラス基板の変形を招く恐れがある。このため、化学強化処理液の加熱温度はガラス基板のガラス転移点(Tg)よりも低い温度が好ましく、ガラス転移点−50℃よりも低い温度とすることが更に好ましい。
なお、加熱された化学強化処理液に浸漬される際の熱衝撃によるガラス基板の割れや微細なクラックの発生を防止するため、化学強化処理液への浸漬に先立って、予熱槽でガラス基板を所定温度に加熱する予熱工程を有していても良い。
化学強化層の厚みとしては、ガラス基板の強度向上とポリッシング工程の時間の短縮との兼ね合いから、5μm〜15μm程度の範囲が好ましい。強化層の厚みがこの範囲の場合、平坦度、機械的強度である耐衝撃性が良好なガラス基板とすることができる。
化学強化工程後の表主表面7a及び裏主表面7bの外周端部の形状は、化学強化工程前とほとんど変わらず、上記の5μm〜15μm程度の化学強化層がガラス基板の表面全体にほぼ一様に載った状態となる。
(ポリッシング工程)
次に、研磨工程としてのポリッシング工程を行う。
ポリッシング工程では、ガラス基板の表面を精密に仕上げると伴に主表面の外周端部の形状を所定の形状に研磨する。ポリッシング工程は1工程でも良いが、2工程の方が好ましい。
まず、第1ポリシング工程では、第2ポリッシング工程で最終的に必要とされる面粗さを効率よく得ることができるように、面粗さを向上させるとともに最終的に本発明の形状を効率よく得ることができる研磨を行う。
研磨の方法は、ラッピング工程で使用したダイヤモンドペレットと研削液に代えて、パッドと研磨液を使用する以外は第1及び2ラッピング工程で使用した研磨機と同一の構成の研磨機を使用する。
パッドは硬度Aで80から90程度の硬質パッドで例えば発泡ウレタンを使用するのが好ましい。パッドの硬度が研磨による発熱により柔らかくなると研磨面の形状変化が大きくなるため硬質パッドを用いるのが好ましい。研磨材は、粒径が0.6μmから2.5μmの酸化セリウム等を水に分散させてスラリー状にして用いるのが好ましい。水と研磨剤との混合比率は、概ね1:9から3:7程度が好ましい。
定盤によるガラス基板への加重は、90g/cm2から110g/cm2とするのが好ましい。定盤によるガラス基板への加重は、外周端部の形状に大きく影響する。加重を大きくしていくと、外周端部の内側が下がり外側に向かって上がる傾向を示す。また、加重を小さくしていくと、外周端部は平面に近くなるとともに面ダレが大きくなる傾向を示す。こうした傾向を観察しながら加重を決めることができる。
また、面粗さを向上させるために、定盤の回転数を25rpmから50rpmとし、上の定盤の回転数を下の定盤回転数より30%から40%遅くするのが好ましい。
上記の研磨条件により研磨量を30μmから40μmとするのが好ましい。30μm未満では、キズや欠陥を十分に除去ができない。また40μmを超える場合は、面粗さをRmaxが2nmから60nm、Raが2nmから4nmの範囲とすることができるが、必要以上に研磨を行うことになり製造効率が低下する。
第2ポリッシング工程は、第1ポリッシング工程後のガラス基板の表面を更に精密に研磨する工程である。第2ポリッシング工程で使用するパッドは、第1ポリッシング工程で使用するパッドより柔らかい硬度65から80(Asker−C)程度の軟質パッドで、例えば発泡ウレタンやスウェードを使用するのが好ましい。研磨材としては、第1ポリッシング工程と同様の酸化セリウム等を用いることができるが、ガラス基板の表面をより滑らかにするため、粒径がより細かくバラツキが少ない研磨剤を用いるのが好ましい。粒径の平均粒子径が40nmから70nmの研磨剤を水に分散させてスラリー状にして研磨液として用い、水と研磨剤との混合比率は、1:9から3:7程度が好ましい。
定盤によるガラス基板への加重は、90g/cm2から110g/cm2が好ましい。定盤によるガラス基板への加重は、第1ポリッシング工程と同様に外周端部の形状に大きく影響するが、研磨速度が遅いため第1ポリッシング工程ほど効率的に形状を変化させることはできない。加重の加減による外周端部の形状の変化は、第1ポリッシング工程と同様であり、加重を大きくしていくと、外周端部の内側が下がり外側に向かって上がる傾向を示す。また、加重を小さくしていくと、外周端部は平面に近くなるとともに面ダレが大きくなる傾向を示す。外周端部の形状を得るために、こうした傾向を観察しながら加重を決めることができる。定盤の回転数を15rpmから35rpmとし、上定盤の回転数を下定盤の回転数より30%から40%遅くするのが好ましい。
上記の様に第2ポリッシング工程での研磨条件を調整して外周端部の形状を得ると伴に、面粗さをRmaxが2nmから6nm、Raが0.2nmから0.4nmの範囲とすることができる。
研磨量は2μmから5μmとするのが好ましい。研磨量をこの範囲とすると、表面に発生した微小な荒れやうねり、これまでの工程で生じた微小な傷痕といった微小な欠陥を効率良く除去することができる。
(洗浄、検査工程)
第2ポリッシング工程の終了後、ガラス基板の洗浄及び検査を行ない、情報記録媒体用ガラス基板が完成する。
尚、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法においては、上記以外の種々の工程を有していても良い。例えば、ガラス基板の強度の信頼性確認のためのヒートショック工程、ガラス基板の表面に残った研磨剤や化学強化処理液等の異物を除去する洗浄工程、種々の検査・評価工程等を有していても良い。
また、第2ポリッシング工程では、第1ポリッシング工程で使用した研磨機をそのまま用いるのではなく、同一構成ではあるがそれぞれの工程専用に用意された別の研磨機を用いて研磨を行うのが好ましい。これは、第1ポリッシング工程で使用した研磨機をそのまま用いると第1ポリッシング工程で残留した研磨剤等により第2ポリッシング工程での研磨精度が低下したり、研磨条件を再設定する等の煩雑な作業が必要となり、製造効率が低下するためである。
次に、上記のようにして作製したガラス基板を用いた磁気記録媒体について説明する。
以下、図面に基づき磁気記録媒体について説明する。
図2は磁気記録媒体の一例である磁気ディスクの斜視図である。この磁気ディスクDは、円形の情報記録媒体用ガラス基板1の表面に磁性膜2を直接形成されている。磁性膜2の形成方法としては従来公知の方法を用いることができ、例えば磁性粒子を分散させた熱硬化性樹脂を基板上にスピンコートして形成する方法や、スパッタリング、無電解めっきにより形成する方法が挙げられる。スピンコート法での膜厚は約0.3μm〜1.2μm程度、スパッタリング法での膜厚は0.04μm〜0.08μm程度、無電解めっき法での膜厚は0.05μm〜0.1μm程度であり、薄膜化および高密度化の観点からはスパッタリング法および無電解めっき法による膜形成が好ましい。
磁性膜に用いる磁性材料としては、特に限定はなく従来公知のものが使用できるが、高い保持力を得るために結晶異方性の高いCoを基本とし、残留磁束密度を調整する目的でNiやCrを加えたCo系合金などが好適である。具体的には、Coを主成分とするCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、CoCrTa、CoPtCr、CoNiPtや、CoNiCrPt、CoNiCrTa、CoCrPtTa、CoCrPtB、CoCrPtSiOなどが挙げられる。磁性膜は、非磁性膜(例えば、Cr、CrMo、CrVなど)で分割しノイズの低減を図った多層構成(例えば、CoPtCr/CrMo/CoPtCr、CoCrPtTa/CrMo/CoCrPtTaなど)としてもよい。上記の磁性材料の他、フェライト系、鉄−希土類系や、SiO2、BNなどからなる非磁性膜中にFe、Co、FeCo、CoNiPt等の磁性粒子を分散された構造のグラニュラーなどであってもよい。また、磁性膜は、内面型および垂直型のいずれの記録形式であってもよい。
また、磁気ヘッドの滑りをよくするために磁性膜の表面に潤滑剤を薄くコーティングしてもよい。潤滑剤としては、例えば液体潤滑剤であるパーフロロポリエーテル(PFPE)をフレオン系などの溶媒で希釈したものが挙げられる。
さらに必要により下地層や保護層を設けてもよい。磁気ディスクにおける下地層は磁性膜に応じて選択される。下地層の材料としては、例えば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Al、Niなどの非磁性金属から選ばれる少なくとも一種以上の材料が挙げられる。Coを主成分とする磁性膜の場合には、磁気特性向上等の観点からCr単体やCr合金であることが好ましい。また、下地層は単層とは限らず、同一又は異種の層を積層した複数層構造としても構わない。例えば、Cr/Cr、Cr/CrMo、Cr/CrV、NiAl/Cr、NiAl/CrMo、NiAl/CrV等の多層下地層としてもよい。
磁性膜の摩耗や腐食を防止する保護層としては、例えば、Cr層、Cr合金層、カーボン層、水素化カーボン層、ジルコニア層、シリカ層などが挙げられる。これらの保護層は、下地層、磁性膜など共にインライン型スパッタ装置で連続して形成できる。また、これらの保護層は、単層としてもよく、あるいは、同一又は異種の層からなる多層構成としてもよい。なお、上記保護層上に、あるいは上記保護層に替えて、他の保護層を形成してもよい。例えば、上記保護層に替えて、Cr層の上にテトラアルコキシシランをアルコール系の溶媒で希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散して塗布し、さらに焼成して二酸化ケイ素(SiO2)層を形成してもよい。
上記の様にして得られる本発明の情報記録媒体用ガラス基板を基体とした磁気記録媒体を用いることで、高速回転時の磁気ヘッドの動作を安定にすることができる。
本発明の情報記録媒体用ガラス基板は、磁気記録媒体に限定されるものではなく、光磁気ディスクや光ディスクなどにも用いることができる。
(実施例1)
(1)溶融、プレス工程
ガラス材料としてTgが480℃のアルミノシリケートガラスを用い、溶融ガラスをプレス成形してブランク材(外径68mm、厚さ1.3mm)を作製した。
(2)コアリング工程
次に円筒状のダイヤモンド砥石を用いてガラス基板の中心部に円孔(直径18mm)を開けた。
(3)第1ラッピング工程
ガラス基板の両表面を研磨機(HAMAI社製)を用いて研磨した。
研磨条件としては、ダイヤモンドペレットとしては、#1200メッシュを用い、荷重100g/cm2とし、上定盤の回転数30rpm、下定盤の回転数10rpmとした。
得られたガラス基板の厚さは、0.9mm、表面粗さはRmaxが1.5μm、Raが1.0μmであった。
(4)内・外加工工程
鼓状のダイヤモンド砥石により内・外径加工をい、内径20mm、外径65mmとした。
(5)内周端面加工工程
内・外加工工程を終えて得られたガラス基板を100枚重ね、内周端面研磨機を用いて、内周端面を研磨した。
研磨機のブラシ毛は、直径0.2mmのナイロン繊維を用いた。研磨液は、粒径3μmの酸化セリウムを用いた。得られたガラス基板の内周の端面の面粗さは、Rまxが0.3μm、Raが0.03μmであった。
(6)第2ラッピング工程
ガラス基板の両表面を研磨機(HAMAI社製)を用いて研磨した。
研磨条件としては、ダイヤモンドペレットとしては、#1200メッシュを用い、荷重100g/cm2とし、上定盤の回転数30rpm、下定盤の回転数10rpmとした。
得られたガラス基板の表面粗さはRmaxが3μm、Raが0.3μmであった。
(7)外周端面加工工程
第2ラッピング工程を終えて得られたガラス基板とスペーサを1枚ずつ交互に重ね、ガラス基板100枚とスペーサ100枚からなる積層体を作成した。この積層体を図5に示す外周端面研磨機50を用いて、外周端面を研磨した。この時のスペーサは、ポリプロピレン製で厚さ0.3mm、内径21mm、外径64mmのものを用いた。研磨機のブラシ毛は、直径0.2mmのナイロン繊維を用いた。研磨液は、粒径3μmの酸化セリウムを用いた。
外周端面研磨機50で研磨した後、図6に示すスペーサ分離装置70を用いてスペーサの分離を行い、プロセスカセットに1枚ずつガラス基板を載置した。水中でのガラス基板1の揺動は、水平方向に10cmの距離を1秒間で移動させ、1秒停止後、逆方向に10cmの距離を1秒間で移動させる動作を5サイクル行った。
このようにすることで、ガラス基板1の上面及び下面に密着したスペーサを容易に分離することができ、分離できたガラス基板1を水槽71から引き上げ、プロセスカセットに載置した。この動作を積層体4を構成するガラス基板1がなくなるまで繰り返し、ガラス基板100枚をプロセスカセットに載置することができた。
得られたガラス基板の外周の端面の面粗さは、Rmaxが0.3μm、Raが0.03μmであった。
(8)化学強化工程
次に、ガラス基板を化学強化処理液に浸漬して化学強化工程を行った。化学強化処理液には、硝酸カリウム(KNO3)と硝酸ナトリウム(NaNO3)の混合溶融塩を用いた。混合比は質量比で1:1とした。また、化学強化処理液の温度は400℃、浸漬時間は40分とした。
(9)ポリッシング工程
次に第1ポリッシング工程として、研磨機(HAMAI社製)を用い、パッドに硬度Aで80度の発泡ウレタンを用いた。研磨材は、平均粒径1.5μmの酸化セリウムを水に分散させてスラリー状にして用いた。水と研磨剤との混合比率は、2:8とした。荷重100g/cm2とし、上定盤の回転数30rpm、下定盤の回転数10rpmとした。研磨量を30μmとした。
得られたガラス基板の表面粗さはRmaxが30nm、Raが3nmであった。
次に第2ポリッシング工程として、研磨機(HAMAI社製)を用い、パッドに硬度Aで70度の発泡ウレタンを用いた。研磨材は、平均粒径60nmの酸化セリウムを水に分散させてスラリー状にして用いた。水と研磨剤との混合比率は、2:8とした。荷重90g/cm2とし、上定盤の回転数30rpm、下定盤の回転数10rpmとした。研磨量を3μmとした。
得られたガラス基板の表面粗さはRmaxが5nm、Raが0.3nmであった。
第2ポリッシング工程の終了後、ガラス基板の洗浄及び検査を行なった。
作製したガラス基板の検査は、走査型レーザーディスク表面検査装置を用い、基盤面の微小キズ、微小物付着に関して評価した。ガラス基板100枚ともに微小傷、微小物付着は認められなかった。
(実施例2)
実施例2においては、実施例1の外周端面加工工程におけるスペーサ分離装置70を図8のものを用いて行った他は、実施例1と同様に行った。ガラス基板1の揺動は、垂直方向に20cmの距離を2秒間で移動させ、1秒停止後、逆方向に20cmの距離を1秒間で移動させる動作を5サイクル行った。ガラス基板1は、水槽1の水面から一旦全部空中に出るようにした。スペーサの分離のためのガラス基板の揺動の方法を図8の様にした他は、同一条件とした。
作成したガラス基板100枚を実施例1と同様に評価したが、微小キズ、微小付着物ともに認められなかった。
このようにガラス基板の端面を研磨した後、積層体を水槽に浸漬し、積層体の最上部のガラス基板の表面を分離手段で積層体から分離すると同時に、ガラス基板1の少なくとも一部を水槽で揺動することにより、ガラス基板に密着しているスペーサを容易に分離、除去することができ、ガラス基板の表面に傷を付けることなく、生産性の優れた情報記録媒体用ガラス基板の製造方法を提供することができた。
情報記録媒体用ガラス基板の全体構成を示す図である。 情報記録媒体用ガラス基板の表主表面の上に磁性膜を備えている磁気記録媒体の例を示す図である。 情報記録媒体用ガラス基板の製造における工程を説明する製造工程図である。 積層体の構成図を示す模式図である。 外周端面研磨機を用いて研磨している状態を示す模式図である。 本発明に係るスペーサ分離装置によりガラス基板を水平に揺動している状態を示す模式図である。 本発明に係るスペーサ分離装置によりガラス基板を円弧状に揺動している状態を示す模式図である。 本発明に係るスペーサ分離装置によりガラス基板を上下に揺動している状態を示す模式図である。 超音波振動子を水槽に取り付けた状態の模式図を示す。 超音波発振器で発振される電気信号を示す模式図である。
符号の説明
1 情報記録媒体用ガラス基板(ガラス基板)
2 磁性膜
3 スペーサ
4 積層体
5 孔
7a 表主表面
7b 裏主表面
10t 外周端面
20t 内周端面
41 ワークシャフト
50 外周端面研磨機
51 回転ブラシ
60 研磨ノズル
61 研磨液
70 スペーサ分離装置
71 水槽
72 別の水槽
73 ポンプ
74 パイプ
75 アーム
76 アームヘッド
77 移動軸
78 回転部
81 流入口
82 流出口
90 超音波振動子
91 超音波発振器
92 周波数変調回路
93 振幅変調回路
D 磁気ディスク

Claims (6)

  1. ガラス基板をスペーサを介在させて複数重ね合わせて積層体とし、該積層体となった前記ガラス基板の端面を研磨する工程を有する情報記録媒体用ガラス基板の製造方法において、
    前記ガラス基板の端面を研磨した後、前記積層体を水槽に浸漬し、前記積層体の最上部にあるガラス基板を分離手段で前記積層体から分離し、
    前記分離手段で分離したガラス基板の少なくとも一部を前記水槽で揺動することにより、
    前記分離手段で分離したガラス基板の表面からスペーサを除去することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記分離手段で分離したガラス基板を前記水槽の水面から外に出した後、再度前記水槽に浸漬することを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記水槽は、水を流入させるための流入口と、該流入口から流入する水により前記水槽の水をオーバーフローさせる流出口、とを備え、
    該流出口からオーバーフローする水を受ける別の水槽を有し、
    前記分離手段で分離したガラス基板から除去したスペーサを、
    前記流出口からオーバーフローする水とともに前記別の水槽に流下させることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記水槽は、超音波振動子を備え、
    該超音波振動子により前記水槽の水を振動させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  5. 前記超音波振動子の振動する周波数が変調されていることを特徴とする請求項4に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  6. 前記超音波振動子の振動する振幅が変調されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
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