以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[撮像装置の構成(第一の実施の形態)]
まず、図1を参照して、本発明の第一の実施の形態である撮像装置1の構成について説明する。図1は、本発明の第一の実施の形態である撮像装置の構成を示した模式図、(a)は、撮像装置の構成を示した模式図、(b)は、他の方向を撮像するときの撮像装置の構成を示した模式図である。なお、ここでは、両端の要素画像光学系111の主点を通る平行光と、中央の要素画像光学系111の主点を通る光の光路を模式的に図示した。また、ここでは、撮像装置1によって撮影する方向D1、D2(光の進行方向とは逆方向)を矢印で図示した。
撮像装置(要素画像群撮像装置)1は、複数の方向から要素画像群を撮像するものである。撮像装置1は、要素画像光学系アレイ11と、第1方向制御レンズ12と、投影光学系13と、撮像素子14とを備える。
要素画像光学系アレイ11は、被写体(図示せず)の要素画像群を生成するものである。この要素画像光学系アレイ11は、光軸に直交する同一平面上にアレイ状に配列された複数の要素画像光学系111、111、…から構成される。
要素画像光学系111は、被写体からの光が入射して被写体の像を結像し、要素画像を生成するものである。なお、ここでは、要素画像光学系111は、凸レンズから構成されることとした。この要素画像光学系111から出射した光は、第1方向制御レンズ12に入射する。そして、要素画像光学系111は、第1方向制御レンズ12上に要素画像を生成する。
第1方向制御レンズ(第1の方向制御レンズ系)12は、後記する撮像素子14によって要素画像を撮影する方向を制御するものである。ここでは、第1方向制御レンズ12は凸レンズから構成され、第1方向制御レンズ12から、当該第1方向制御レンズ12の焦点距離だけ離れた位置に後記する投影光学系13を設置することとした。そして、第1方向制御レンズ12は、図示しない第1方向制御レンズ移動手段(方向変更手段)によって、当該第1方向制御レンズ12の光軸に直交する方向に所定の幅だけ移動する。
ここで、図1(a)に示すように、後記する投影光学系13の主点と、第1方向制御レンズ12の主点と、要素画像光学系アレイ11の中央の要素画像光学系111の主点とが一直線上に配置されているとする。この投影光学系13は、第1方向制御レンズ12から、当該第1方向制御レンズ12の焦点距離だけ離れた位置に設置される。そのため、第1方向制御レンズ12の主点と投影光学系13の主点とを通る直線の向き[方向D1の逆方向(光軸方向)]に入射した、各々の要素画像光学系111の主点を通る平行な光が、投影光学系13の主点に収束する。そのため、この方向D1を中心とする要素画像が投影光学系13によって後記する撮像素子14に投影され、要素画像光学系アレイ11の各々の要素画像光学系111によって要素画像を撮影する方向を、光軸方向(方向D1)に設定することができる。
ここで、図示しない第1方向制御レンズ移動手段によって第1方向制御レンズ12を光軸に直交する方向に移動させ、図1(b)に示すように、投影光学系13の主点と、第1方向制御レンズ12の主点と、要素画像光学系アレイ11の中央の要素画像光学系111の左隣の要素画像光学系111の主点とを一直線上に配置させる。そうすると、第1方向制御レンズ12の主点と投影光学系13の主点とを通る直線の向き(方向D2逆方向)に入射した、各々の要素画像光学系111の主点を通る光が、投影光学系13の主点に収束する。これによって、要素画像光学系アレイ11の各々の要素画像光学系111によって要素画像を撮影する方向を、第1方向制御レンズ12の主点と投影光学系13の主点とを通る直線の方向D2に設定することができる。なお、第1方向制御レンズ移動手段は、例えば、サーボモータや圧電素子のような駆動源に取り付けられた光学ステージから構成され、この光学ステージに第1方向制御レンズ12を固定することで実現することができる。ただし、光学ステージの駆動源はこの限りではない。
このように、撮像装置1が、図示しない第1方向制御レンズ移動手段によって第1方向制御レンズ12を光軸に直交する方向に移動させることで、撮像素子14によって、2つの異なる方向D1、D2の要素画像群を撮像することができる。これによって、従来のIP方式の撮像装置では、1方向のみの所定の角度範囲の要素画像群しか撮像できなかったところ、撮像装置1によれば、ある時刻ではある方向の所定の角度範囲の要素画像群を撮像することができ、別の時刻では異なる方向の所定の角度範囲の要素画像群を撮像することができる。そのため、撮像装置1は、広い範囲の要素画像を撮像することができる。
投影光学系13は、要素画像光学系アレイ11によって第1方向制御レンズ12上に結像された要素画像群を、撮像素子14に投影するものである。ここでは、投影光学系13は、凸レンズから構成されることとした。
撮像素子(撮像手段)14は、要素画像光学系アレイ11によって生成され、投影光学系13によって投影された要素画像群を撮像するものである。
[撮像装置の動作(第一の実施の形態)]
次に、図1を参照して、本発明における撮像装置1が、要素画像群を撮像する動作について説明する。まず、被写体からの光が要素画像光学系アレイ11の複数の要素画像光学系111、111、…に入射する。続いて、要素画像光学系アレイ11から出射した光は、第1方向制御レンズ12に入射し、当該第1方向制御レンズ12上に要素画像を結像する。ここで、図1(a)に示すように、投影光学系13の主点と、第1方向制御レンズ12の主点と、要素画像光学系アレイ11の中央の要素画像光学系111の主点とが一直線上に配置されていると、要素画像光学系111、111、…に入射した光軸に平行な光は、第1方向制御レンズ12によって投影光学系13の主点に集光される。そして、この光軸方向(方向D1)を中心とする要素画像が投影光学系13によって撮像素子14に投影され、撮像素子14によって、この要素画像からなる要素画像群を撮像する。
続いて、図示しない第1方向制御レンズ移動手段によって第1方向制御レンズ12を光軸に直交する方向に移動させ、図1(b)に示すように、投影光学系13の主点と、第1方向制御レンズ12の主点と、要素画像光学系アレイ11の中央の要素画像光学系111の左隣の要素画像光学系111の主点とを一直線上に配置させる。そして、被写体からの光が要素画像光学系アレイ11の複数の要素画像光学系111、111、…に入射し、第1方向制御レンズ12に入射して、当該第1方向制御レンズ12上に要素画像を結像する。ここで、第1方向制御レンズ12の主点と投影光学系13の主点とを通る直線の向きに入射した、各々の要素画像光学系111の主点を通る光が、投影光学系13の主点に収束する。そして、第1方向制御レンズ12の主点と投影光学系13の主点とを通る方向D2を中心とする要素画像が投影光学系13によって撮像素子14に投影され、撮像素子14によって、この要素画像からなる要素画像群を撮像する。
更に、再度第1方向制御レンズ移動手段によって第1方向制御レンズ12を光軸に直交する方向に移動させ、撮像素子14によって要素画像を撮像することを繰り返す。これによって、撮像装置1は、撮像素子14によって、2つの異なる方向D1、D2の要素画像群を撮像することができる。なお、この第1方向レンズ移動手段は、例えば、撮像素子によって1フレームの要素画像群を撮像するごとに、第1方向制御レンズを移動させることとしてもよい。
なお、図1では、撮像装置1が、要素画像光学系111を9つ備える場合について示したが、要素画像光学系アレイ11の有する要素画像光学系111の数はこれに限定されない。また、要素画像光学系111を、例えば、水平方向のみに配列することとしてもよいし、水平方向及び鉛直方向に二次元状に配列することとしてもよい。
なお、撮像装置1の第1方向制御レンズ12は、3つ以上の異なる位置に、図示しない第1方向制御レンズ移動手段によって移動されることとしてもよい。これによって、3方向以上の所定の角度範囲の要素画像群を撮像することができ、広い範囲の要素画像を撮像することができる。
更に、ここでは、図示しない第1方向制御レンズ移動手段が、第1方向制御レンズ12を、投影光学系13の主点と、第1方向制御レンズ12の主点と、要素画像光学系アレイ11の中央の要素画像光学系111の主点とが一直線上になる位置と、投影光学系13の主点と、第1方向制御レンズ12の主点と、要素画像光学系アレイ11の中央の要素画像光学系111の左隣の要素画像光学系111の主点とが一直線上になる位置との間を移動させることとした。しかし、第1方向制御レンズ12は、第1方向制御レンズ移動手段によって、投影光学系13の主点と、当該第1方向制御レンズ12の主点とを通る直線の向きが一致しない位置に移動されればよい。
また、図2(a)に示すように、撮像装置1’の第1方向制御レンズ(第1の方向制御レンズ系)12’が、投影光学系13から光軸方向に当該第1方向制御レンズ12’の焦点距離より離れた位置に設置されることとしてもよい。図2は、本発明の第一の実施の形態である撮像装置の変形例の構成を示した模式図、(a)は、撮像装置の構成を示した模式図、(b)は、他の点を中心として撮像するときの撮像装置の構成を示した模式図である。
このとき、撮像装置1’の第1方向制御レンズ12’上には、各々の要素画像光学系111によって生成された要素画像が結像する。そして、撮像装置1’は、撮像素子14によって、第1方向制御レンズ12’に対して、投影光学系13の主点と共役の位置にある点P1を中心とした所定の幅W1の範囲に対応する要素画像からなる要素画像群を撮像する。また、図2(b)に示すように、撮像装置1’の第1方向制御レンズ12’が、図示しない第1方向制御レンズ移動手段によって光軸に直交する方向に所定の幅だけ移動されたとする。このとき、撮像装置1’は、撮像素子14によって、第1方向制御レンズ12’に対して、投影光学系13の主点と共役の位置にある点P2を中心とした所定の幅W2の範囲に対応する要素画像からなる要素画像群を撮像する。
このように、撮像装置1’は、第1方向制御レンズ12’を光軸に直交する方向に移動させて撮像することによって、実空間上の異なる範囲にある被写体の要素画像群を撮像することができる。
[撮像装置の構成(第二の実施の形態)]
次に、図3を参照して、本発明の第二の実施の形態である撮像装置1Aの構成について説明する。図3は、本発明の第二の実施の形態である撮像装置の構成を示した模式図、(a)は、撮像装置の構成を示した模式図、(b)は、他の方向を撮像するときの撮像装置の構成を示した模式図である。なお、ここでは、要素画像光学系111の主点を通る平行光の光路を模式的に図示した。図3に示すように、撮像装置1Aは、被写体(図示せず)の要素画像群を撮像するものである。
撮像装置(要素画像群撮像装置)1Aは、撮像装置1(図1参照)の投影光学系13に代えて投影光学系13Aを、撮像素子14に代えて撮像素子14Aを備える。更に、撮像装置1Aは、図示しない投影光学系移動手段及び撮像素子移動手段を備える。撮像装置1A内の投影光学系13A及び撮像素子14A以外の構成は、図1に示したものと同一であるので、同一の符号を付し、説明を省略する。
投影光学系13Aは、要素画像光学系アレイ11によって結像された要素画像群を、撮像素子14Aに投影するものである。そして、投影光学系13Aは、図示しない投影光学系移動手段(方向変更手段)によって、第1方向制御レンズ12の位置に応じて当該投影光学系13Aの光軸に直交する方向に所定の幅だけ移動する。
撮像素子14Aは、要素画像光学系アレイ11によって生成され、投影光学系13Aによって投影された要素画像群を撮像するものである。そして、撮像素子14Aは、図示しない撮像素子移動手段によって、第1方向制御レンズ12の位置に応じて当該投影光学系13Aの光軸に直交する方向に所定の幅だけ移動する。
ここで、図3(a)に示すように、撮像素子14Aの受光面(図示せず)の中心と、投影光学系13Aの主点と、第1方向制御レンズ12の主点と、要素画像光学系アレイ11の中央の要素画像光学系111の主点とが一直線上に配置されているとする。この投影光学系13Aは、第1方向制御レンズ12から、当該第1方向制御レンズ12の焦点距離だけ離れた位置に設置される。そのため、第1方向制御レンズ12の主点と投影光学系13Aの主点とを通る直線の向き[方向D1の逆方向(光軸方向)]に入射した、各々の要素画像光学系111の主点を通る平行な光が、投影光学系13Aの主点に収束する。そのため、この方向D1を中心とする要素画像が投影光学系13Aによって撮像素子14Aに投影され、要素画像を撮影する方向を、光軸方向(方向D1)に設定することができる。
ここで、図示しない第1方向制御レンズ移動手段によって第1方向制御レンズ12を光軸に直交する方向に移動させるとともに、投影光学系移動手段によって投影光学系13Aを、撮像素子移動手段によって撮像素子14Aを光軸に直交する方向に移動させ、図3(b)に示すように、撮像素子14Aの受光面の中心と、投影光学系13Aの主点と、第1方向制御レンズ12の主点と、要素画像光学系アレイ11の中央の要素画像光学系111の主点とを一直線上に配置させる。そうすると、第1方向制御レンズ12の主点と投影光学系13Aの主点とを通る直線の向き(方向D2逆方向)に入射した、各々の要素画像光学系111の主点を通る光が、投影光学系13Aの主点に収束する。これによって、要素画像光学系アレイ11の各々の要素画像光学系111によって要素画像を撮影する方向を、第1方向制御レンズ12の主点と投影光学系13Aの主点とを通る直線の方向D2に設定することができる。なお、投影光学系移動手段及び撮像素子移動手段は、第1方向制御レンズ移動手段と同様に、例えば、サーボモータや圧電素子のような駆動源に取り付けられた光学ステージから構成され、この光学ステージに投影光学系13Aあるいは撮像素子14Aを固定することで実現することができる。ただし、光学ステージの駆動源はこの限りではない。
このように、撮像装置1Aが、図示しない第1方向制御レンズ移動手段によって第1方向制御レンズ12を、投影光学系移動手段によって投影光学系13Aを光軸に直交する方向に移動させることで、撮像素子14Aによって、2つの異なる方向D1、D2の要素画像群を撮像することができる。これによって、撮像装置1Aは、ある時刻ではある方向の所定の角度範囲の要素画像群を撮像することができ、別の時刻では異なる方向の所定の角度範囲の要素画像群を撮像することができる。そのため、撮像装置1Aは、広い範囲の要素画像を撮像することができる。
更に、図3(a)のように第1方向制御レンズ12の主点が投影光学系13Aの光軸上に配置されている場合に比べて、図3(b)では、投影光学系13Aによって要素画像が、右側にずれた位置に投影される。そして、撮像素子移動手段は、撮像素子14Aを光軸に直交する方向に移動させて、投影光学系13Aによって要素画像が投影される位置に設置することで、より小さい面積の受光部を有する撮像素子14Aによって要素画像群を撮像することが可能になる。なお、ここでは、図示しない第1方向制御レンズ移動手段による第1方向制御レンズ12及び投影光学系移動手段による投影光学系13Aの移動に応じて、当該第1方向制御レンズ12の主点と投影光学系13Aの主点とを結ぶ直線が、撮像素子14Aの受光面の中心にくる位置に、図示しない撮像素子移動手段によって撮像素子を移動させることとした。つまり、ここでは、撮像素子移動手段が、第1方向制御レンズ12及び投影光学系13Aの移動に伴って、当該第1方向制御レンズ12の主点及び投影光学系13Aの主点を結ぶ直線と、撮像素子14Aの受光面との交点が移動する距離だけ、撮像素子を光軸に直交する方向に移動させることとした。
[撮像装置の構成(第三の実施の形態)]
次に、図4を参照して、本発明の第三の実施の形態である撮像装置1Bの構成について説明する。図4は、本発明の第三の実施の形態である撮像装置の構成を示した模式図、(a)は、撮像装置の構成を示した模式図、(b)は、他の方向を撮像するときの撮像装置の構成を示した模式図である。なお、ここでは、要素画像光学系111の主点を通る平行光の光路を模式的に図示した。図4に示すように、撮像装置1Bは、被写体(図示せず)の要素画像群を撮像するものである。
撮像装置(要素画像群撮像装置)1Bは、撮像装置1(図1参照)の第1方向制御レンズ12に代えて第1方向制御レンズ12Bを、投影光学系13に代えて投影光学系13Bを備える。更に、撮像装置1Bは、図示しない第1方向制御レンズ移動手段に代えて図示しない投影光学系移動手段を備える。撮像装置1B内の第1方向制御レンズ12B及び投影光学系13B以外の構成は、図1に示したものと同一であるので、同一の符号を付し、説明を省略する。
第1方向制御レンズ(第1の方向制御レンズ系)12Bは、後記する撮像素子14によって要素画像を撮影する方向を制御するものである。ここでは、第1方向制御レンズ12Bから、当該第1方向制御レンズ12Bの焦点距離だけ光軸方向に離れた位置に後記する投影光学系13Bを設置することとした。そして、この第1方向制御レンズ12Bは、光軸に直交する方向に移動せず、要素画像光学系アレイ11及び撮像素子14に対して配置が固定されている。
投影光学系13Bは、要素画像光学系アレイ11によって結像された要素画像群を、撮像素子14に投影するものである。そして、投影光学系13Bは、図示しない投影光学系移動手段(方向変更手段)によって、当該投影光学系13Bの光軸に直交する方向に所定の幅だけ移動する。
ここで、図4(a)に示すように、投影光学系13Bの主点と、第1方向制御レンズ12Bの主点と、要素画像光学系アレイ11の中央の要素画像光学系111の主点とが一直線上に配置されているとする。この投影光学系13Bは、第1方向制御レンズ12Bから、当該第1方向制御レンズ12Bの焦点距離だけ離れた位置に設置される。そのため、第1方向制御レンズ12Bの主点と投影光学系13Bの主点とを通る直線の向き(光軸方向)に入射した、各々の要素画像光学系111の主点を通る光が、投影光学系13Bの主点に収束する。そして、この方向D1を中心とする要素画像が投影光学系13Bによって後記する撮像素子14に投影され、要素画像光学系アレイ11の各々の要素画像光学系111によって要素画像を撮影する方向を、光軸方向(方向D1)に設定することができる。
ここで、図示しない投影光学系移動手段によって投影光学系13Bを光軸に直交する方向に移動させ、図4(b)に示すように、投影光学系13Bの主点と、第1方向制御レンズ12Bの主点と、要素画像光学系アレイ11の中央の要素画像光学系111の右隣の要素画像光学系111の主点とを一直線上に配置させる。そうすると、第1方向制御レンズ12Bの主点と投影光学系13Bの主点とを通る直線の向き(方向D2の逆方向)に入射した、各々の要素画像光学系111の主点を通る光が、投影光学系13Bの主点に収束する。これによって、要素画像光学系アレイ11の各々の要素画像光学系111によって要素画像を撮影する方向を、第1方向制御レンズ12Bの主点と投影光学系13Bの主点とを通る直線の方向D2に設定することができる。
このように、撮像装置1Bが、図示しない投影光学系移動手段によって投影光学系13Bを光軸に直交する方向に移動させることで、撮像素子14によって、2つの異なる方向D1、D2の要素画像群を撮像することができる。これによって、撮像装置1Bは、ある時刻ではある方向の所定の角度範囲の要素画像群を撮像することができ、別の時刻では異なる方向の所定の角度範囲の要素画像群を撮像することができるため、広い範囲の要素画像を撮像することができる。なお、撮像装置1Bの投影光学系13Bは、3つ以上の異なる位置に、図示しない投影光学系移動手段によって移動されることとしてもよい。これによって、3方向以上の所定の角度範囲の要素画像群を撮像することができ、広い範囲の要素画像を撮像することができる。更に、投影光学系13Bは、投影光学系移動手段によって、当該投影光学系13Bの主点と、第1方向制御レンズ12Bの主点とを通る直線の向きが一致しない位置に移動されればよい。
[撮像装置の構成(第四の実施の形態)]
次に、図5を参照して、本発明の第四の実施の形態である撮像装置1Cの構成について説明する。図5は、本発明の第四の実施の形態である撮像装置の構成を示した模式図である。なお、ここでは、要素画像光学系111の主点を通る平行光の光路を模式的に図示した。図5に示すように、撮像装置1Cは、被写体(図示せず)の要素画像群を撮像するものである。
撮像装置(要素画像群撮像装置)1Cは、撮像装置1B(図4参照)の投影光学系13に代えて投影光学系13Ca及び投影光学系13Cbを、撮像素子14に代えて撮像素子14Ca及び撮像素子14Cbを備える。撮像装置1C内の投影光学系13Ca、投影光学系13Cb、撮像素子14Ca及び撮像素子14Cb以外の構成は、図1に示したものと同一であるので、同一の符号を付し、説明を省略する。
投影光学系13Caは、要素画像光学系アレイ11によって結像された要素画像群を、撮像素子14Caに投影するものである。ここでは、投影光学系13Caの主点と、第1方向制御レンズ12Bの主点と、要素画像光学系アレイ11の中央の要素画像光学系111の主点とが一直線上に配置されることとした。そして、この投影光学系13Caは、第1方向制御レンズ12Bから、当該第1方向制御レンズ12Bの焦点距離だけ離れた位置に設置されるため、第1方向制御レンズ12Bの主点と投影光学系13Caの主点とを通る直線の向き(光軸方向)に入射した、各々の要素画像光学系111の主点を通る光が、投影光学系13Caの主点に収束する。そのため、要素画像光学系アレイ11の各々の要素画像光学系111によって要素画像を撮影する方向が、光軸方向(方向D1)に設定される。
投影光学系13Cbは、要素画像光学系アレイ11によって結像された要素画像群を、撮像素子14Cbに投影するものである。ここでは、投影光学系13Cbの主点と、第1方向制御レンズ12Bの主点と、要素画像光学系アレイ11の中央の要素画像光学系111の右隣の要素画像光学系111の主点とが一直線上に配置されることとした。そして、この投影光学系13Cbは、第1方向制御レンズ12Bから、当該第1方向制御レンズ12Bの焦点距離だけ離れた位置に設置されるため、第1方向制御レンズ12Bの主点と要素画像光学系アレイ11の中央の要素画像光学系111の右隣の要素画像光学系111の主点とを通る直線の向き(方向D2の逆方向)に入射した、各々の要素画像光学系111の主点を通る光が、投影光学系13Cbの主点に収束する。そのため、要素画像光学系アレイ11の各々の要素画像光学系111によって要素画像を撮影する方向が、この直線の方向D2に設定される。
撮像素子14Caは、要素画像光学系アレイ11によって生成され、投影光学系13Caによって投影された要素画像群を撮像するものである。ここで、投影光学系13Caには、各々の要素画像光学系アレイ11によって光軸方向を中心に撮影された要素画像群の光が入射し、撮像素子14Caはこの要素画像群を撮像する。
撮像素子14Cbは、要素画像光学系アレイ11によって生成され、投影光学系13Cbによって投影された要素画像群を撮像するものである。ここで、各々の要素画像光学系アレイ11によって、第1方向制御レンズ12Bの主点と要素画像光学系アレイ11の中央の要素画像光学系111の右隣の要素画像光学系111の主点とを通る直線の方向D2に撮影された要素画像群の光が、投影光学系13Cbに入射し、撮像素子14Cbはこの要素画像群を撮像する。
このように、撮像装置1Cが、2つの投影光学系13Ca、13Cbと、2つの撮像素子14Ca、14Cbとを備えることで、2つの異なる方向D1、D2の要素画像群を撮像することができる。これによって、撮像装置1Cは、2方向の所定の角度範囲の要素画像群を撮像することができ、広い範囲の要素画像を撮像することができる。なお、撮像装置1Cは、3つ以上の投影光学系と撮像素子(図示せず)とを備えることとしてもよい。これによって、3方向以上の所定の角度範囲の要素画像群を撮像することができ、広い範囲の要素画像を撮像することができる。更に、投影光学系(図示せず)は、各々の投影光学系と、第1方向制御レンズ12Bの主点とを通る直線の向きが一致しないように配置されていればよい。
[撮像装置の構成(第五の実施の形態)]
次に、図6を参照して、本発明の第五の実施の形態である撮像装置1Dの構成について説明する。図6は、本発明の第五の実施の形態である撮像装置の構成を示した模式図である。なお、ここでは、要素画像光学系111の主点を通る平行光の光路を模式的に図示した。図6に示すように、撮像装置1Dは、被写体(図示せず)の要素画像群を撮像するものである。
撮像装置(要素画像群撮像装置)1Dは、撮像装置1C(図5参照)の第1方向制御レンズ12Bに代えて第1方向制御レンズ12Dを、投影光学系13Caに代えて投影光学系13Daを、投影光学系13Cbに代えて投影光学系13Dbを備え、更に、第2方向制御レンズ15Dと、遮光手段16Dと、フィールドレンズ17Da、17Dbとを付加して構成した。撮像装置1D内の要素画像光学系アレイ11及び撮像素子14Ca、14Cbは、図5に示したものと同一であるので、同一の符号を付し、説明を省略する。
第1方向制御レンズ(第1の方向制御レンズ系)12Dは、後記する撮像素子14Ca、14Cbによって要素画像光学系アレイ11の要素画像を撮影する方向を制御するものである。ここでは、第1方向制御レンズ12Dから、当該第1方向制御レンズ12Dの焦点距離だけ離れた位置に後記する第2方向制御レンズ15Dを設置することとした。そのため、第1方向制御レンズ12Dは、第1方向制御レンズ12Dに入射する平行光を第2方向制御レンズ15D上の1点に収束させる。また、要素画像光学系アレイ11によって、当該第1方向制御レンズ12D上に要素画像群が結像する。
第2方向制御レンズ(第2の方向制御レンズ系)15Dは、第1方向制御レンズ12Dの主点を通過した光を、当該第2方向制御レンズ15Dの光軸に平行な光にするものである。ここでは、第2方向制御レンズ15Dは、凸レンズから構成されることとした。更に、第2方向制御レンズ15Dの物側焦点と、当該第1方向制御レンズ12Dの主点とが一致することとした。これによって、第1方向制御レンズ12Dの主点を通過した光は、当該第2方向制御レンズ15Dの光軸に平行な光となって出射する。第2方向制御レンズ15Dの内部には、2つの開口16Da、16Dbを有する遮光手段16Dが設けられている。
遮光手段16Dは、開口16Da、16Dbを有し、第2方向制御レンズ15Dに入射した光のうち、当該開口16Da、16Dbを通る光以外を遮光するものである。ここでは、遮光手段16Dは第2方向制御レンズ15Dの内部に設けられ、当該第2方向制御レンズ15Dの光軸上に開口16Daを、その左に所定間隔だけ離隔した位置に開口16Dbを有する。
ここで、要素画像光学系アレイ11の中央の要素画像光学系111の主点と、第1方向制御レンズ12Dの主点と、開口16Daの中心は一直線上に配置されている。そして、要素画像光学系111、111、…の主点を通過した光軸に平行な光は、第1方向制御レンズ12Dによって集光されて開口16Daに収束する。また、要素画像光学系アレイ11の中央の要素画像光学系111の右隣の要素画像光学系111の主点と、第1方向制御レンズ12Dの主点と、開口16Dbの中心は一直線上に配置されている。そして、この直線に平行で、要素画像光学系111、111、…の主点を通過した光は、第1方向制御レンズ12Dによって集光されて開口16Dbに収束する。このように、開口16Da、16Dbを有する遮光手段16Dを設置することで、遮光手段16Dは、第1方向制御レンズ12Dの主点と、各々の開口16Da、16Dbとを結ぶ方向D1、D2を中心とする所定の角度範囲の要素画像からの光のみを、各々の開口16Da、16Dbから通過させ、それ以外の光を遮光する。
フィールドレンズ(フィールドレンズ系)17Daは、開口16Daに対応し、その対応する開口16Daからの光を投影光学系13Daに伝送するものである。このフィールドレンズ17Daは、第1方向制御レンズ12Dに平行光として入射し、第2方向制御レンズ15D上の1点に収束した光を、投影光学系13Daの主点に再度収束させる。
フィールドレンズ17Dbは、開口16Dbに対応し、その対応する開口16Dbからの光を投影光学系13Dbに伝送するものである。このフィールドレンズ17Dbは、第1方向制御レンズ12Dに平行光として入射し、第2方向制御レンズ15D上の1点に収束した光を、投影光学系13Dbの主点に再度収束させる。
投影光学系13Daは、フィールドレンズ17Daに対応し、その対応するフィールドレンズ17Daと投影光学系13Daとの間に結像された要素画像群を、撮像素子14Caに投影するものである。なお、ここでは、フィールドレンズ17Daと、投影光学系13Daと、第2方向制御レンズ15Dとの光軸が一致することとした。
投影光学系13Dbは、フィールドレンズ17Dbに対応し、その対応するフィールドレンズ17Dbと投影光学系13Dbとの間に結像された要素画像群を、撮像素子14Cbに投影するものである。なお、ここでは、フィールドレンズ17Dbと、対応する投影光学系13Dbとの光軸が一致し、かつ、第2方向制御レンズ15Dの光軸に平行になるように、投影光学系13Dbが配置されることとした。
このように構成することで、撮像装置1Dは、撮像素子14Ca、14Cbによって、各々異なる方向D1、D2の要素画像群を撮像することができ、広い範囲の要素画像を撮像することができる。また、第2方向制御レンズ15Dによって、第1方向制御レンズ12Dを通過した光の主光線の向きを光軸方向に変えることで、撮像素子14Ca、14Cbによって正対して要素画像を撮像することができる。なお、撮像装置1Dは、3つ以上の開口とフィールドレンズと投影光学系と撮像素子(図示せず)とを備えることとしてもよい。これによって、3方向以上の所定の角度範囲の要素画像群を撮像することができ、広い範囲の要素画像を撮像することができる。更に、各々の開口16Da、16Dbの中心と、第1方向制御レンズ12Dの主点とを通る直線の向きが一致しないように開口16Da、16Dbが配置されていればよく、開口16Da、16Dbの大きさは、異なる方向D1、D2からの光がお互いに漏れこまない程度に設定されていればよい。
[撮像装置の構成(第六の実施の形態)]
次に、図7を参照して、本発明の第六の実施の形態である撮像装置1Eの構成について説明する。図7は、本発明の第六の実施の形態である撮像装置の構成を示した模式図、(a)は、撮像装置の構成を示した模式図、(b)は、他の方向を撮像するときの撮像装置の構成を示した模式図である。なお、ここでは、要素画像光学系111の主点を通る平行光の光路を模式的に図示した。図7に示すように、撮像装置1Eは、被写体(図示せず)の要素画像群を撮像するものである。
撮像装置(要素画像群撮像装置)1Eは、撮像装置1D(図6参照)の第2方向制御レンズ15Dと、フィールドレンズ17Da、17Dbを備えず、投影光学系13Da、13Dbに代えて投影光学系13Eを、遮光手段16Dに代えて遮光手段16Eを、撮像素子14Ca、14Cbに代えて撮像素子14Eを備える。撮像装置1E内の要素画像光学系アレイ11及び第1方向制御レンズ12Dは、図6に示したものと同一であるので、同一の符号を付し、説明を省略する。
投影光学系13Eは、要素画像光学系アレイ11と第1方向制御レンズ12Dとの間に結像される要素画像群を撮像素子14Eに投影するものである。ここでは、第1方向制御レンズ12Dの像側焦点と、投影光学系13Eの主点とが一致することとした。投影光学系13Eの内部には、2つの開口16Ea、16Ebを有する遮光手段16Eが設けられている。
遮光手段16Eは、開口16Ea、16Ebを有し、投影光学系13Eに入射した光のうち、当該開口16Ea又は開口16Ebを通る光以外を遮光するものである。ここでは、遮光手段16Eは投影光学系13Eの内部に設けられ、当該投影光学系13Eの光軸上に開口16Eaを、その左に所定間隔だけ離隔した位置に開口16Ebを有する。この開口16Ea、16Ebは、開閉可能である。この遮光手段16Eは、例えば、液晶素子によって構成することができる。ここで、この遮光手段16Eでは、ある時刻において開口16Eaのみが開口し、また別の時刻において開口16Ebのみが開口する。これによって、遮光手段16Eは、ある時刻において、図7(a)に示すように、第1方向制御レンズ12Dと要素画像光学系アレイ11との間に結像された光軸方向(方向D1)を中心とした要素画像からの光を通過させ、別の時刻において、図7(b)に示すように、第1方向制御レンズ12Dと要素画像光学系アレイ11との間に結像された、開口16Ebと第1方向制御レンズ12Dの主点とを結ぶ方向D2を中心とした要素画像からの光を通過させることができる。
このように、撮像装置1Eが、遮光手段16Eの開口16Ea、16Ebを切り替えて開口することで、撮像素子14Eによって、2つの異なる方向D1、D2の要素画像群を撮像することができる。これによって、ある時刻ではある方向の所定の角度範囲の要素画像群を撮像することができ、別の時刻では異なる方向の所定の角度範囲の要素画像群を撮像することができる。そのため、撮像装置1Eは、広い範囲の要素画像を撮像することができる。なお、撮像装置1Eの遮光手段16Eは、3つ以上の開口(図示せず)を有することとしてもよい。これによって、3方向以上の所定の角度範囲の要素画像群を撮像することができ、広い範囲の要素画像を撮像することができる。更に、開口16Ea、16Ebは、当該開口16Ea、16Ebの中心と第1方向制御レンズ12Dの主点とを通る直線の向きが一致しない位置に設置されればよく、また、開口16Ea、16Ebの大きさは、異なる方向D1、D2からの光がお互いに漏れこまない程度に設定されていればよい。
[撮像装置の構成(第七の実施の形態)]
次に、図8を参照して、本発明の第七の実施の形態である撮像装置1Fの構成について説明する。図8は、本発明の第七の実施の形態である撮像装置の構成を示した模式図である。なお、図8では、異なる時刻に開口する2つの開口16Ea、16Ebが両方開いている場合の、各々の開口16Ea、16Ebを通る光の光路及び各々の開口に対応する撮像素子14Fの位置を、実線と1点鎖線とで示した。図8に示すように、撮像装置1Fは、被写体(図示せず)の要素画像群を撮像するものである。
撮像装置(要素画像群撮像装置)1Fは、撮像装置1E(図7参照)の撮像素子14Eに代えて撮像素子14Fを備える。撮像装置1E内の撮像素子14F以外の構成は、図7に示したものと同一であるので、同一の符号を付し、説明を省略する。
撮像素子14Fは、要素画像光学系アレイ11によって生成され、投影光学系13Eによって投影された要素画像群を撮像するものである。そして、撮像素子14Fは、図示しない撮像素子移動手段によって、開いている開口(16Ea又は16Eb)の位置に応じて当該投影光学系13Eの光軸に直交する方向に所定の幅だけ移動させられる。
ここで、例えば、図7(b)に示すように、撮像装置1Eでは、第1方向制御レンズ12Dの主点より左方向にずれた位置にある開口16Ebが開いている場合には、図7(a)のように第1方向制御レンズ12Dの主点と一致する開口16Eaが開いている場合に比べて、投影光学系13Eによって要素画像が左側にずれた位置に投影される。そのため、撮像装置1Eでは、広い面積の受光部を有する撮像素子14Eが要求された。しかし、図8に示すように、撮像装置1Fは、開いている開口(16Ea又は16Eb)の位置に応じて、撮像素子14Fを光軸に直交する方向に移動させて、投影光学系13Eによって要素画像が投影される位置に設置することで、撮像装置1Eの撮像素子14Eより小さい面積の受光部を有する撮像素子14Fによって要素画像群を撮像することが可能になる。
[撮像装置の構成(第二〜七の実施の形態の変形例)]
また、撮像装置1A、1B、1C、1E、1F(図3〜図5、図7、図8参照)の第1方向制御レンズ12、12B、12Dは、投影光学系13A、13B、13Ca、13Cb、13Eから当該第1方向制御レンズ12、12Bの焦点距離より大きく光軸方向に隔てた位置に設置されることとしてもよい。また、撮像装置1D(図6参照)の第1方向制御レンズ12Dは、第2方向制御レンズ15D、15Eから当該第1方向制御レンズ12Dの焦点距離より大きく光軸方向に隔てた位置に設置されることとしてもよい。
ここで、図9を参照して、第1方向制御レンズ12D’が投影光学系13Eから焦点距離より大きく光軸方向に隔てた位置に設置された撮像装置1F’について説明する。図9は、本発明の第七の実施の形態である撮像装置の変形例の構成を示した模式図である。なお、ここでは、撮像装置1Fを変形した場合を例に挙げて説明するが、撮像装置1A〜1Eの構成に対して同様に変形した場合においても、同様の作用が得られる。
図9に示すように、撮像装置(要素画像群撮像装置)1F’は、被写体(図示せず)の要素画像群を撮像するものである。撮像装置1F’は、撮像装置1F(図8参照)の第1方向制御レンズ12Dに代えて第1方向制御レンズ12D’を備える。撮像装置1F’内の第1方向制御レンズ12D’以外の構成は、図8に示したものと同一であるので、同一の符号を付し、説明を省略する。
第1方向制御レンズ(第1の方向制御レンズ系)12D’は、撮像素子14Fによって要素画像を撮影する方向を制御するものである。ここでは、第1方向制御レンズ12D’から、当該第1方向制御レンズ12D’の焦点距離より大きい距離だけ離れた位置に投影光学系13Eを設置することとした。そして、第1方向制御レンズ12D’に対して、開口16Eaの中心と、点P1とが共役の位置になり、開口16Ebの中心と点P2とが共役の位置になる。これによって、撮像装置1F’は、開口16Eaが開いているときには、撮像素子14Fによって点P1を中心とした要素画像からなる要素画像群を撮像し、開口16Ebが開いているときには、点P2を中心とした要素画像からなる要素画像群を撮像することができる。
[撮像装置の構成(第一〜七の実施の形態の他の変形例)]
更に、撮像装置1、1’、1A〜1F(図1〜図8参照)の要素画像光学系111は、被写体(図示せず)の像を結像して要素画像を生成する光学系であればよく、例えば、凹レンズから構成されることとしてもよい。
ここで、図10を参照して、凹レンズからなる要素画像光学系111”を有する撮像装置1F”について説明する。図10は、本発明の第七の実施の形態である撮像装置の他の変形例の構成を示した模式図である。なお、ここでは、撮像装置1F’を変形した場合を例に挙げて説明するが、撮像装置1、1’、1A〜1Eの構成に対して同様に変形した場合においても、同様の作用が得られる。
図10に示すように、撮像装置(要素画像群撮像装置)1F”は、被写体(図示せず)の要素画像群を撮像するものである。撮像装置1F”は、撮像装置1F’(図9参照)の要素画像光学系アレイ11に代えて要素画像光学系アレイ11”を備える。撮像装置1F”内の要素画像光学系アレイ11”以外の構成は、図9に示したものと同一であるので、同一の符号を付し、説明を省略する。
要素画像光学系アレイ11”は、被写体(図示せず)の要素画像群を生成するものである。この要素画像光学系アレイ11”は、光軸に直交する同一平面上にアレイ状に配列された複数の要素画像光学系111”、111”、…から構成される。
要素画像光学系111”は、被写体からの光が入射して被写体の像を結像し、要素画像を生成するものである。この要素画像光学系111”は、凹レンズから構成され、被写体の要素画像を、当該要素画像光学系111”の像側焦平面Fに生成する。
そして、像側焦平面Fに結像した要素画像群は、第1方向制御レンズ12D’及び第2方向制御レンズ15Eによって、撮像素子14F上に再度結像されて、撮像素子14Fによって撮像される。
なお、要素画像光学系111、111”は、例えば、屈折率分布レンズや回折光学素子から構成されることとしてもよいし、また、光軸方向に複数のレンズが配列されたレンズ系から構成されることとしてもよい。更に、要素画像光学系111、111、…(111”、111”、…)が水平方向のみに配列される場合には、水平方向のみに有限の曲率を有する凸状あるいは凹状のシリンドリカルレンズから構成されることとしてもよい。
[撮像装置の構成(第八の実施の形態)]
次に、図11を参照して、本発明の第八の実施の形態である撮像装置1Gの構成について説明する。図11は、本発明の第八の実施の形態である撮像装置の構成を示した模式図である。なお、ここでは、要素画像光学系アレイ11Ga、11Gbの要素画像光学系111Ga、111Gbの主点と、投影光学系13Ga、13Gbの主点とを通る光の光路を模式的に図示した。図11に示すように、撮像装置1Gは、被写体(図示せず)の要素画像群を撮像するものである。
撮像装置(要素画像群撮像装置)1Gは、ハーフミラー20Gと、第1撮像系1Gaと、第2撮像系1Gbとを備える。ハーフミラー(光分配手段)20Gは、被写体(図示せず)からの光を、第1撮像系1Ga及び第2撮像系1Gbに分配するものである。ここで、ハーフミラー20Gは、被写体からの光の一部を反射し、一部を透過する。そして、反射光の光路上には第1撮像系1Gaが設置され、反射光は第1撮像系1Gaに入射する。また、透過光の光路上には第2撮像系1Gbが設置され、透過光は第2撮像系1Gbに入射する。
第1撮像系(撮像系)1Gaは、点P1を中心とした要素画像からなる要素画像群を撮像するものである。第1撮像系1Gaは、要素画像光学系アレイ11Gaと、フィールドレンズアレイ19Gaと、第1方向制御レンズ12Gaと、投影光学系13Gaと、撮像素子14Gaとを備える。なお、第1撮像系1Gaの投影光学系13Gaと撮像素子14Gaは、撮像装置1’(図2参照)の投影光学系13と撮像素子14と同一であるので、説明を省略する。
要素画像光学系アレイ11Gaは、被写体(図示せず)の要素画像からなる要素画像群を生成するものである。この要素画像光学系アレイ11Gaは、光軸に直交する同一平面上にアレイ状に配列された複数の要素画像光学系111Ga、111Ga、…から構成される。
要素画像光学系111Gaは、ハーフミラー20Gによって反射された、被写体からの光が入射して被写体の像を結像し、要素画像を生成するものである。この要素画像光学系111Gaから出射した光は、対応するフィールドレンズ191Gaに入射する。そして、要素画像光学系111Gaは、対応するフィールドレンズ191Ga上に要素画像を生成する。
フィールドレンズアレイ19Gaは、要素画像光学系アレイ11Gaによって内部に要素画像群が結像され、要素画像光学系アレイ11Gaから入射した光を第1方向制御レンズ12Gaに伝送するものである。フィールドレンズアレイ19Gaは、光軸に直交する同一平面上にアレイ状に配列された複数のフィールドレンズ191Ga、191Ga、…から構成される。
フィールドレンズ191Gaは、要素画像光学系111Gaの各々に対応し、その対応する要素画像光学系111Gaから入射した光を第1方向制御レンズ12Gaに伝送するものである。フィールドレンズ191Gaは、凸レンズから構成されることとした。このフィールドレンズ191Gaの内部には、対応する要素画像光学系111Gaによって要素画像が結像される。なお、点P1から出射した光は、ハーフミラー20Gによって向きが曲げられた後に、要素画像光学系111Gaの主点と、この要素画像光学系111Gaに対応するフィールドレンズ191Gaの主点とを通るように、要素画像光学系111Ga及びフィールドレンズ191Gaが配置されている。これによって、フィールドレンズ191Gaの内部には、点P1を中心とした要素画像が要素画像光学系111Gaによって結像される。
第1方向制御レンズ(第1の方向制御レンズ系)12Gaは、撮像素子14Gaによって要素画像を撮影する方向を制御するものである。ここでは、第1方向制御レンズ12Gaから、当該第1方向制御レンズ12Gaの焦点距離より離れた位置に投影光学系13Gaを設置することとした。そして、この第1方向制御レンズ12Gaは、投影光学系13Gaの光軸上に主点を有する。そして、当該投影光学系13Gaの光軸がハーフミラー20Gによって曲げられ、この曲げられた光軸上の点P1と、投影光学系13Gaの主点とが、当該第1方向制御レンズ12Gaに関して共役の位置になる。そのため、各々の要素画像光学系111Gaによって生成された、点P1を中心とした所定の幅W1の範囲についての要素画像が、投影光学系13Gaによって撮像素子14Gaに投影される。そして、第1撮像系1Gaは、撮像素子14Gaによって点P1を中心とした要素画像からなる要素画像群を撮像する。
第2撮像系(撮像系)1Gbは、点P2を中心とした要素画像からなる要素画像群を撮像するものである。第2撮像系1Gbは、要素画像光学系アレイ11Gbと、フィールドレンズアレイ19Gbと、第1方向制御レンズ12Gbと、投影光学系13Gbと、撮像素子14Gbとを備える。なお、第2撮像系1Gbの投影光学系13Gbと撮像素子14Gbは、撮像装置1’(図2参照)の投影光学系13と撮像素子14と同一であるので、説明を省略する。
要素画像光学系アレイ11Gbは、被写体(図示せず)の要素画像からなる要素画像群を生成するものである。この要素画像光学系アレイ11Gbは、光軸に直交する同一平面上にアレイ状に配列された複数の要素画像光学系111Gb、111Gb、…から構成される。
要素画像光学系111Gbは、ハーフミラー20Gを透過した、被写体からの光が入射して被写体の像を結像し、要素画像を生成するものである。この要素画像光学系111Gbから出射した光は、対応するフィールドレンズ191Gbに入射する。そして、要素画像光学系111Gbは、対応するフィールドレンズ191Gb上に要素画像を生成する。
フィールドレンズアレイ19Gbは、要素画像光学系アレイ11Gbによって内部に要素画像群が結像され、要素画像光学系アレイ11Gbから入射した光を第1方向制御レンズ12Gbに伝送するものである。フィールドレンズアレイ19Gbは、光軸に直交する同一平面上にアレイ状に配列された複数のフィールドレンズ191Gb、191Gb、…から構成される。
フィールドレンズ191Gbは、要素画像光学系111Gbの各々に対応し、その対応する要素画像光学系111Gbから入射した光を第1方向制御レンズ12Gbに伝送するものである。このフィールドレンズ191Gbの内部には、対応する要素画像光学系111Gbによって要素画像が結像される。なお、点P2から出射した光は、ハーフミラー20Gを透過した後に、要素画像光学系111Gbの主点と、この要素画像光学系111Gbに対応するフィールドレンズ191Gbの主点とを通るように、要素画像光学系111Gb及びフィールドレンズ191Gbが配置されている。これによって、フィールドレンズ191Gbの内部には、点P2を中心とした要素画像が要素画像光学系111Gbによって結像される。
第1方向制御レンズ(第1の方向制御レンズ系)12Gbは、撮像素子14Gbによって要素画像を撮影する方向を制御するものである。ここでは、第1方向制御レンズ12Gbから、当該第1方向制御レンズ12Gbの焦点距離より光軸方向に離れた位置に投影光学系13Gbを設置することとした。そして、この第1方向制御レンズ12Gbは、投影光学系13Gbの主点と点P2を結んだ線上に主点を有し、当該第1方向制御レンズ12Gbに関して、投影光学系13Gbの主点と、点P2とが共役の位置になる。そのため、各々の要素画像光学系111Gbによって生成された、点P2を中心とした所定の幅W2の範囲についての要素画像が、投影光学系13Gbによって撮像素子14Gbに投影される。そして、第2撮像系1Gbは、撮像素子14Gbによって点P2を中心とした要素画像からなる要素画像群を撮像する。
これによって、撮像装置1Gは、第1撮像系1Gaによって点P1を中心とした所定の幅W1の範囲についての要素画像を、第2撮像系1Gbによって点P2を中心とした所定の幅W2の範囲についての要素画像を撮像することができる。なお、ここでは、第1撮像系1Ga及び第2撮像系1Gbによって撮像される範囲が重複しない場合について説明した。しかし、この範囲は重複していてもよく、第1撮像系1Gaと第2撮像系1Gbのそれぞれによって撮像される要素画像の中心となる点P1、P2が異なる位置にある、つまり、第1方向制御レンズ12Ga、Gbに対して、投影光学系13Ga、13Gbの主点と共役の関係にある点P1、P2が異なる位置にあるようにすればよい。
[撮像装置の構成(第九の実施の形態)]
次に、図12を参照して、本発明の第九の実施の形態である撮像装置の構成について説明する。図12は、本発明の第九の実施の形態である撮像装置の第2撮像系の構成を示した模式図である。なお、ここでは、要素画像光学系アレイ11Gbの要素画像光学系111Gbの主点と、開口161Hbの中心とを通る光の光路を模式的に図示した。第9の実施の形態である撮像装置(要素画像群撮像装置、図示せず)は、被写体(図示せず)の要素画像群を撮像するものであり、図11に示す撮像装置1Gの第2撮像系1Gbを、図12に示す第2撮像系1Hbに置き換えて構成した。
第2撮像系(撮像系)1Hbは、第2撮像系1Gb(図11参照)の第1方向制御レンズ12Gbに代えて第1方向制御レンズ12Hbを、投影光学系13Gbに代えて投影光学系13Hbを、撮像素子14Gbに代えて撮像素子14Hbを備え、更に、遮光手段16Hbを付加して構成した。第2撮像系1Hb内の第1方向制御レンズ12Hb、投影光学系13Hb、撮像素子14Hb及び遮光手段16Hb以外の構成は、図7に示したものと同一であるので、同一の符号を付し、説明を省略する。
第1方向制御レンズ(第1の方向制御レンズ系)12Hbは、後記する撮像素子14Hbによって要素画像を撮影する方向を制御するものである。ここでは、第1方向制御レンズ12Hbから、当該第1方向制御レンズ12Hbの焦点距離より光軸方向に離れた位置に後記する遮光手段16Hbを設置することとした。そして、この第1方向制御レンズ12Hbは、開口161Hbの中心と点P2を結んだ線上に主点を有し、当該第1方向制御レンズ12Hbに関して、遮光手段16Hbの開口161Hbの中心と、点P2とが共役の位置になる。そのため、各々の要素画像光学系111Gbによって生成された、点P2を中心とした所定の幅W2の範囲についての要素画像からの光が、遮光手段16Hbの開口161Hbの中心に集光する。遮光手段16Hbは、開口161Hbを有し、投影光学系13Hbに入射する光のうち、当該開口161Hbを通る光以外を遮光するものである。
投影光学系13Hbは、開口161Hbを通過した光を後記する撮像素子14Hbに投影するものである。ここで、投影光学系13Hbの焦点は、開口161Hbの中心と一致し、かつ、投影光学系13Hbの光軸は、要素画像光学系111Gb、フィールドレンズ191Gb及び第1方向制御レンズ12Hbの光軸に平行になるように、投影光学系13Hbが配置されることとした。
撮像素子(撮像手段)14Hbは、要素画像光学系アレイ11Gbによって生成され、投影光学系13Hbによって投影された要素画像群を撮像するものである。ここで、各々の要素画像光学系アレイ11Gbによって、第1方向制御レンズ12Hbの主点と開口161Hbとを通る直線の上の点P2を中心とした要素画像群の光が、投影光学系13Hbに入射し、撮像素子14Hbはこの要素画像群を撮像する。
このように構成することで、第2撮像系1Hbは、撮像素子14Hbによって、正対して要素画像を撮像することができる。ここで、第2撮像系1Hbによって撮像される要素画像の中心となる点P2、つまり、第1方向制御レンズ12Hbに対して開口161Hbの中心と共役の関係にある点P2と、第1撮像系(図示せず)によって撮像される要素画像の中心となる点(図示せず)とが異なる位置になるように設定されていればよい。
[撮像装置の構成(第八、第九の実施の形態の変形例)]
ここで、撮像装置1G(図11参照)では、第1方向制御レンズ12Ga、12Gbが、投影光学系13Ga、13Gbから光軸方向に当該第1方向制御レンズ12Ga、12Gbの焦点距離より隔てて配置し、撮影方向が点P1、P2に収斂することとした。また、第2撮像系1Hb(図12参照)では、第1方向制御レンズ12Hbが、開口161Hbから光軸方向に当該第1方向制御レンズ12Ha、12Hbの焦点距離より隔てて配置し、撮影方向が点P2に収斂することとした。しかし、本発明の撮像装置では、撮影方向が平行になる構成としてもよい。
このとき、撮像装置1G(図11参照)の第1方向制御レンズ12Ga、12Gbを、投影光学系13Ga、13Gbの主点から光軸方向に当該第1方向制御レンズ12Ga、12Gbの焦点距離だけ隔てて配置すればよい。また、第2撮像系1Hb(図12参照)の第1方向制御レンズ12Hbを、開口161Hbの中心から光軸方向に当該第1方向制御レンズ12Hbの焦点距離だけ隔てて配置すればよい。
[撮像装置の構成(第八、第九の実施の形態の他の変形例1)]
また、第1撮像系1Ga及び第2撮像系1Gb(図11参照)、1Hb(図12参照)では、要素画像光学系111Ga、111Gbが凸レンズから構成されることとしたが、要素画像光学系111Ga、111Gbは、被写体(図示せず)の像を結像して要素画像を生成する光学系であればよく、例えば、凹レンズから構成されることとしてもよい。
例えば、図13のように、第1撮像系1Iaの要素画像光学系111Iaを、凹レンズから構成することとしてもよい。図13は、本発明の第八の実施の形態の第1撮像系の変形例の構成を示した模式図である。なお、ここでは、撮像装置1Gの第1撮像系1Gaを変形して、第1撮像系1Iaとした場合を例に挙げて説明するが、第2撮像系1Gb、1Hb(図11、図12参照)の構成に対して同様に変形した場合においても、同様の作用が得られる。
図13に示すように、第1撮像系(撮像系)1Iaは、点P1を中心とした要素画像からなる要素画像群を撮像するものである。第1撮像系1Iaは、第1撮像系1Ga(図11参照)の要素画像光学系アレイ11Gaに代えて要素画像光学系アレイ11Iaを備える。第1撮像系1Ia内の要素画像光学系アレイ11Ia以外の構成は、図11に示したものと同一であるので、同一の符号を付し、説明を省略する。
要素画像光学系アレイ11Iaは、被写体(図示せず)の要素画像群を生成するものである。この要素画像光学系アレイ11Iaは、光軸に直交する同一平面上にアレイ状に配列された複数の要素画像光学系111Ia、111Ia、…から構成される。
要素画像光学系111Iaは、被写体からの光が入射して被写体の像を結像し、要素画像を生成するものである。この要素画像光学系111Iaは、凹レンズから構成され、被写体の要素画像を、当該要素画像光学系111Iaの像側焦平面Fに生成する。そして、像側焦平面Fに結像した要素画像群は、第1方向制御レンズ12Ga及び投影光学系13Gaによって撮像素子14Gaに投影されて、撮像素子14Gaによって撮像される。
[撮像装置の構成(第八、第九の実施の形態の他の変形例2)]
更に、第1撮像系1Ga(図11参照)、1Ia及び第2撮像系1Gb、1Hb(図12参照)は、それぞれ1つの投影光学系13Ga、13Gb、13Hb及び1つの撮像素子14Ga、14Gb、14Hbによって撮像することとしたが、各々の第1撮像系1Ga、1Ia及び第2撮像系1Gb、1Hbについて、複数の投影光学系及び複数の撮像素子によって撮像することとしてもよい。
例えば、図14のように、第1撮像系1Jaにおいて、複数の投影光学系13Ja、13Ja、13Ja及び複数の撮像素子14Ja、14Ja、14Jaによって撮像することとしてもよい。図14は、本発明の第八の実施の形態の第1撮像系の他の変形例の構成を示した模式図である。なお、ここでは、撮像装置1Gの第1撮像系1Gaを変形して、第1撮像系1Jaとした場合を例に挙げて説明するが、第1撮像系1Ia(図13参照)、第2撮像系1Gb、1Hb(図11、図12参照)の構成に対して同様に変形した場合においても、同様の作用が得られる。
図14に示すように、第1撮像系(撮像系)1Jaは、点P1を中心とした要素画像からなる要素画像群を撮像するものである。第1撮像系1Jaは、第1撮像系1Ga(図11参照)の第1方向制御レンズ12Gaに代えて第1方向制御レンズ12Jaを、投影光学系13Gaに代えて投影光学系13Ja、13Ja、13Jaを、撮像素子14Gaに代えて撮像素子14Ja、14Ja、14Jaを備え、更に遮光手段16Jaを付加して構成した。第1撮像系1Ja内の要素画像光学系アレイ11Ga及びフィールドレンズアレイ19Gaは、図11に示したものと同一であるので、同一の符号を付し、説明を省略する。
第1方向制御レンズ(第1の方向制御レンズ系)12Jaは、後記する撮像素子14Ja、14Ja、14Jaによって要素画像を撮影する方向を制御するものである。ここでは、第1方向制御レンズ12Jaの物側焦点と点P1とが一致することとした。
投影光学系13Jaは、要素画像光学系アレイ11Gaによってフィールドレンズアレイ19Ga上に結像された要素画像群を、対応する撮像素子14Jaに投影するものである。ここで、第1撮像系1Jaは、3つの投影光学系13Ja、13Ja、13Jaを有することとした。そして、こと投影光学系13Jaの各々は、複数の要素画像光学系111Ga、111Ga、…及び複数のフィールドレンズ191Ga、191Ga、…に対応するとともに、1つの撮像素子14Jaに対応する。そして、対応する要素画像光学系111Ga、111Ga、…によって結像された複数の要素画像を、対応する撮像素子14Gaに投影する。
ここでは、投影光学系13Jaは、2つの凸レンズ131Ja、132Jaから構成され、アフォーカル光学系を形成している。この2つの凸レンズ131Ja、132Jaは、後記する遮光手段16Jaを挟んで光軸方向に、2つの凸レンズ131Ja、132Jaの焦点距離の和だけ隔てて配列されている。なお、投影光学系13Jaは、焦点距離の等しい凸レンズ131Ja、132Jaから構成されていてもいいし、凸レンズ132Jaが、凸レンズ131Jaに比べて焦点距離の小さいこととしてもよい。このとき、各々の撮像素子14Jaには、横倍率が縮小された複数の要素画像が投影される。
遮光手段16Jaは、開口161Ja、161Ja、161Jaを有し、この開口を通過する光以外の光を遮光するものである。この遮光手段16Jaは、2つの凸レンズ131Ja、132Jaの間において、凸レンズ131Jaから当該凸レンズ131Jaの焦点距離だけ光軸方向に離れた位置に設けられ、投影光学系13Ja、13Ja、13Jaの光軸上に開口161Ja、161Ja、161Jaを有する。
この開口161Jaの中心には、凸レンズ131Jaに入射した光軸に平行な光が収束する。そのため、点P1を通り、要素画像光学系111Ga及びフィールドレンズ191Gaの主点を通って、第1方向制御レンズ12Jaによって光軸に平行な光に変換された光を中心とする複数の要素画像の光が、対応する各々の開口161Jaを通過して凸レンズ132Jaに入射して、対応する撮像素子14Jaに投影される。なお、第1撮像系1Jaは、この遮光手段16Jaを備えないこととしてもよい。
撮像素子14Jaは、投影光学系13Jaによって投影された複数の要素画像を撮像するものである。ここで、投影光学系13Jaは、要素画像光学系アレイ11Gaによって生成される要素画像群を構成する複数の要素画像のうちの一部の要素画像を、対応する撮像素子14Jaに投影する。これによって、第1撮像系1Jaは、複数の撮像素子14Ja、14Ja、14Jaによって1つの要素画像群を撮像することができる。このように複数の撮像素子14Ja、14Ja、14Jaによって撮像することで、撮像される要素画像群の解像度を向上させることができる。なお、要素画像光学系111Ga及びフィールドレンズ191Gaが同数と、投影光学系13Ja及び撮像素子14Jaが同数ずつ配列されていればよく、前記の数に限定されない。
[表示装置の構成(第一の実施の形態)]
次に、図15を参照して、本発明の第一の実施の形態である表示装置5の構成について説明する。図15は、本発明の第一の実施の形態である表示装置の構成を示した模式図、(a)は、表示装置の構成を示した模式図、(b)は、他の方向に立体像を表示するときの表示装置の構成を示した模式図である。なお、ここでは、両端の要素画像光学系111の主点を通る平行光と、中央の要素画像光学系111の主点を通る光の光路を模式的に図示した。また、ここでは、表示装置5において観察者によって観察される方向D1’、D2’(光の進行方向とは逆方向)を矢印で図示した。
表示装置(立体像表示装置)5は、要素画像群によって示される立体像(図示せず)を表示するものである。表示装置5は、撮像装置1(図1参照)の撮像素子14に代えて表示素子54を備えることとした。表示装置5内の表示素子54以外の構成は、図1に示したものと同一であるので、同一の符号を付し、説明を省略する。
表示素子(表示手段)54は、外部から入力された要素画像群を表示するものである。この表示素子54からは、当該表示素子の背面(観察者のいる側の反対側の面)に設置された図示しないバックライトからの光が出射する。ここで表示される要素画像群は、撮像装置1によって撮像されたもの、あるいは、計算機(図示せず)によって生成されたものである。なお、被写体(図示せず)の空間的な位置情報が既知であれば、撮像装置1’、1A〜1G(図2〜図11参照)や、図23(a)に示すような従来の撮像装置100における光路を被写体から逆にさかのぼることで、計算機によって被写体の要素画像群を生成することが可能である。
ここで、第1方向制御レンズ12は、図示しない第1方向制御レンズ移動手段(方向変更手段)によって光軸に直交する方向に移動され、この第1方向制御レンズ12の位置に応じて、このときの第1方向制御レンズ12と投影光学系13の主点を結ぶ方向(D1’又はD2’の逆方向)を撮影した要素画像群が表示素子54に表示される。ここで表示された要素画像群からの光は、第1方向制御レンズ12に入射する。そして、この光は、撮像装置1によって被写体からの光が要素画像光学系アレイ11を通過して撮像素子14に到達するまでの光路を逆にたどる。これによって、表示装置5は、被写体の立体像(図示せず)を再生することができる。
そして、観察者が光軸方向[図15(a)の方向D1’]を中心とした所定の角度範囲R1(視域)内の方向から表示装置5を見た際には、第1方向制御レンズ12の主点が光軸上にあるときに表示された要素画像群によって示される立体像を観察する。また、観察者が方向D2’[図15(b)参照]を中心とした所定の角度範囲R2(視域)内の方向から表示装置5を見た際には、第1方向制御レンズ12の主点が光軸より左側にあるときに表示された要素画像群によって示される立体像を観察する。このように、本発明の表示装置5によれば、複数の方向を中心とした所定の角度範囲内の方向に対して立体像を表示することができ、1つの方向を中心とした所定の角度範囲内の方向に対してのみ立体像を表示する従来のIP方式の表示装置に比べて、広い範囲の被写体の情報を広い範囲に対して表示することができる。
なお、表示装置5の第1方向制御レンズ12は、3つ以上の異なる位置に、図示しない第1方向制御レンズ移動手段によって移動されることとしてもよい。これによって、3方向以上の所定の角度範囲に立体像を表示することができる。更に、第1方向制御レンズ12は、第1方向制御レンズ移動手段によって、投影光学系13の主点と、当該第1方向制御レンズ12の主点とを通る直線の向きが一致しない位置に移動されればよい。
同様に、撮像装置1’、1A〜1D(図2〜図6参照)の撮像素子14、14A、14Ca、14Cbに代えて表示素子(図示せず)を備える表示装置(図示せず)に、撮像装置1’、1A〜1D(図2〜図6参照)によって撮像された要素画像群、あるいは、計算機(図示せず)によって生成された要素画像群を入力することでも、当該要素画像群によって示される立体像(図示せず)を、複数の方向に対して表示することができる。
[表示装置の構成(第二の実施の形態)]
次に、図16を参照して、本発明の第二の実施の形態である表示装置5Eの構成について説明する。図16は、本発明の第二の実施の形態である表示装置の構成を示した模式図、(a)は、表示装置の構成を示した模式図、(b)は、他の方向に立体像を表示するときの表示装置の構成を示した模式図である。なお、ここでは、開口16Ea、16Ebを通る光の光路を模式的に図示した。
表示装置(立体像表示装置)5Eは、撮像装置1E(図7参照)によって撮像された要素画像群、あるいは、計算機(図示せず)によって生成された要素画像群によって示される立体像(図示せず)を再生するものである。表示装置5Eは、撮像装置1Eの撮像素子14Eに代えて表示素子54Eを備えることとした。表示装置5E内の表示素子54Eは図15に示した表示装置5の表示素子54と同一であり、また、表示装置5E内の表示素子54E以外の構成は図7に示したものと同一であるので、説明を省略する。
ここで、開口16Ea、16Ebは交互に開口され、どちらの開口(16Ea又は16Eb)が開いているかに応じて、このときの第1方向制御レンズ12Dと開いている開口(16Ea又は16Eb)とを結ぶ方向(D1’又はD2’の逆方向)を撮影した要素画像群が表示素子54Eに表示される。
そして、観察者が光軸方向[図16(a)の方向D1’]を中心とした所定の角度範囲(視域)内の方向から表示装置5Eを見た際には、開口16Eaが開いているときに表示された要素画像群によって示される立体像を観察する。また、観察者が方向D2’[図16(b)]を中心とした所定の角度範囲(視域)内の方向から表示装置5Eを見た際には、開口16Ebが開いているときに表示された要素画像群によって示される立体像を観察する。このように、本発明の表示装置5Eによれば、複数の方向を中心とした所定の角度範囲内の方向に対して立体像を表示することができ、従来のIP方式の表示装置に比べて、広い範囲の被写体の情報を広い範囲に対して表示することができる。
なお、表示装置5Eの遮光手段16Eは、3つ以上の異なる位置に開口(図示せず)を有することとしてもよい。更に、遮光手段16Eの開口(図示せず)は、当該開口の中心と、第1方向制御レンズ12Dの主点とを通る直線の向きが一致しない位置に設けられればよい。
同様に、撮像装置1F、1F’、1F”(図8〜図10参照)の撮像素子14Fに代えて表示素子(図示せず)を備える表示装置(図示せず)に、撮像装置1F、1F’、1F”(図8〜図10参照)によって撮像された要素画像群、あるいは、計算機(図示せず)によって生成された要素画像群を入力することでも、当該要素画像群によって示される立体像(図示せず)を、複数の方向に対して表示することができる。
[表示装置の構成(第三の実施の形態)]
次に、図17を参照して、本発明の第三の実施の形態である表示装置5Gの構成について説明する。図17は、本発明の第三の実施の形態である表示装置の構成を示した模式図である。なお、ここでは、投影光学系13Ga、13Gbの主点と、要素画像光学系アレイ11Ga、11Gbの要素画像光学系111Ga、111Gbの主点とを通る光の光路を模式的に図示した。
表示装置(立体像表示装置)5Gは、撮像装置1G(図11参照)によって撮像された要素画像群、あるいは、計算機(図示せず)によって生成された要素画像群によって示される立体像(図示せず)を再生するものである。表示装置5Gは、ハーフミラー20Gと、第1表示系(表示系)5Gaと、第2表示系(表示系)5Gbとから構成され、撮像装置1Gの撮像素子14Ga、14Gbに代えて表示素子54Ga、54Gbを備えることとした。表示装置5G内の表示素子54Ga、54Gbは図15に示した表示装置5の表示素子54と同一であり、また、表示装置5E内の表示素子54Ga、54Gb以外の構成は図11に示したものと同一であるので、説明を省略する。ここで、ハーフミラー(光統合手段)20Gは、第1表示系5Gaからの光の一部を反射して残りを透過するとともに、第2表示系5Gbからの光の一部を反射して残りを透過する。そして、第1表示系5Gaの反射光と、第2表示系5Gbの透過光とが観察者(図示せず)の方向に出射する。
そして、観察者が点P1周辺の位置から表示装置5Gを見た際には、第1表示系5Gaによって示される立体像を観察する。また、観察者が点P2周辺の位置から表示装置5Gを見た際には、第2表示系5Gbによって示される立体像を観察する。このように、本発明の表示装置5Gによれば、複数の位置から観察できる立体像を表示することができ、従来のIP方式の表示装置に比べて、広い範囲の被写体の情報を広い範囲に対して表示することができる。
同様に、撮像装置1Gの第1撮像系1Gaを第1撮像系1Ia、1Jaとした撮像装置(図示せず)や、第2撮像系1Gbを第2撮像系1Hbとした撮像装置(図示せず)の撮像素子14Ga、14Hbに代えて表示素子(図示せず)を備える表示装置(図示せず)に、これらの撮像装置によって撮像された要素画像群、あるいは、計算機(図示せず)によって生成された要素画像群を入力することでも、当該要素画像群によって示される立体像(図示せず)を、複数の位置に対して表示することができる。
[表示装置の構成(第四の実施の形態)]
次に、図18を参照して、本発明の第四の実施の形態である表示装置5Kの構成について説明する。図18は、本発明の第四の実施の形態である表示装置の構成を示した模式図、(a)は、表示装置の構成を示した模式図、(b)は、他の方向に立体像を表示するときの表示装置の構成を示した模式図である。なお、ここでは、開口16Ea、16Ebから出射する光の光路を模式的に図示した。
表示装置(立体像表示装置)5Kは、撮像装置1E(図7参照)によって撮像された要素画像群、あるいは、計算機(図示せず)によって生成された要素画像群によって示される立体像(図示せず)を再生するものである。表示装置5Kは、表示装置5E(図16参照)の第2方向制御レンズ15Eと、第3方向制御レンズ18Eと、投影光学系13Eとを備えず、表示素子54Eに代えて表示素子54Kを備え、更に、バックライト61Kを備えることとした。表示装置5K内の要素画像光学系アレイ11、第1方向制御レンズ12D及び遮光手段16Eは図16に示したものと同一であるので、同一の符号を付して説明を省略する。
表示素子(表示手段)54Kは、外部から入力された要素画像群を表示するものである。ここで、この表示素子54Kは、第1方向制御レンズ12Dの前側(観察者側)に隣接して設けられ、当該第1方向制御レンズ12Dからの光が透過することで、表示された要素画像群の光を出射する。
バックライト61Kは、表示素子54Kの光源である。このバックライト61Kは、遮光手段16Eの背面に隣接して設けられ、開いている開口(16Ea又は16Eb)を通過する光以外のバックライト61Kからの光は、遮光手段16Eによって遮光される。そのため、このバックライト61Kと、開口16Ea、16Ebを有する遮光手段16Eとによって、開口16Ea、16Ebの位置に点光源を設置した場合と同じ状態となる。そして、第1方向制御レンズ12Dは、遮光手段16Eから光軸方向に当該第1方向制御レンズ12Dの焦点距離だけ隔てた位置に設置されているため、開口16Eaを通過した光は、第1方向制御レンズ12Dによって光軸に平行な光に変換され、開口16Ebを通過した光は方向D2’と逆向きの平行光に変換される。
ここで、開口16Ea、16Ebは交互に開口され、どちらの開口(16Ea又は16Eb)が開いているかに応じて、このときの第1方向制御レンズ12Dの主点と開いている開口(16Ea又は16Eb)とを結ぶ方向(D1’又はD2’の逆方向)を撮影した要素画像群が表示素子54Kに表示される。
そして、観察者が光軸方向[図18(a)の方向D1’]を中心とした所定の角度範囲(視域)内の方向から表示装置5Kを見た際には、開口16Eaが開いているときに表示された要素画像群によって示される立体像を観察する。また、観察者が方向D2’[図18(b)]を中心とした所定の角度範囲(視域)内の方向から表示装置5Kを見た際には、開口16Ebが開いているときに表示された要素画像群によって示される立体像を観察する。このように、本発明の表示装置5Kによれば、複数の方向を中心とした所定の角度範囲内の方向に対して立体像を表示することができ、従来のIP方式の表示装置に比べて、広い範囲の被写体の情報を広い範囲に対して表示することができる。
なお、バックライト61Kと遮光手段16Eを設置する代わりに、開口16Ea、16Ebの位置に交互に点灯する点光源(図示せず)を設置することとしてもよい。また、表示装置5Kの遮光手段16Eは、3つ以上の異なる位置に開口(図示せず)を有することとしてもよい。更に、遮光手段16Eの開口(図示せず)は、当該開口の中心と、第1方向制御レンズ12Dの主点とを通る直線の向きが一致しない位置に設けられればよい。
また、図19(a)に示すように、表示装置5K’の第1方向制御レンズ(第1の方向制御レンズ系)12D’が、遮光手段16Eから光軸方向に当該第1方向制御レンズ12D’の焦点距離より離れた位置に設置されることとしてもよい。図19は、本発明の第四の実施の形態の表示装置の変形例の構成を示した模式図、(a)は、表示装置の構成を示した模式図、(b)は、他の点を中心とした所定の範囲に立体像を表示するときの表示装置の構成を示した模式図である。
そして、図19(a)に示すように、開口16Eaが開いていて、開口16Ebが閉じている場合には、第1方向制御レンズ12D’は、開口16Eaからの光を、当該第1方向制御レンズ12D’に対して、開口16Eaの中心と共役の位置にある点P1に収束する。そして、この光は表示素子54Kに入射し、この表示素子54Kから、点P1に収束する方向に要素画像群の光が出射する。そのため、表示装置5K’は、要素画像光学系アレイ11によって、点P1の周辺の観察者に対して立体像を表示することができる。
また、図19(b)に示すように、開口16Eaが閉じていて、開口16Ebが開いている場合には、第1方向制御レンズ12D’は、開口16Ebからの光を、当該第1方向制御レンズ12D’に対して、開口16Ebの中心と共役の位置にある点P2に収束する。そして、この光は表示素子54Kに入射し、この表示素子54Kから、点P1に収束する方向に要素画像群の光が出射する。そのため、表示装置5K’は、要素画像光学系アレイ11によって、点P2の周辺の観察者に対して立体像を表示することができる。このように、表示装置5K’は、複数の点P1、P2を中心とした所定の範囲に対して立体像を表示することができる。
[表示装置の構成(第四の実施の形態の変形例)]
次に、図20を参照して、本発明の第四の実施の形態である表示装置5Lの他の変形例の構成について説明する。図20は、本発明の第四の実施の形態である表示装置の他の変形例の構成を示した模式図である。なお、ここでは、開口16Laから出射する光の光路を模式的に図示した。
表示装置(立体像表示装置)5Lは、撮像装置1(図1参照)によって撮像された要素画像群、あるいは、計算機(図示せず)によって生成された要素画像群によって示される立体像(図示せず)を再生するものである。表示装置5Lは、表示装置5Kの第1方向制御レンズ12Dに代えて第1方向制御レンズ12Lを、遮光手段16Eに代えて遮光手段16Lを備えることとした。表示装置5L内の第1方向制御レンズ12L及び遮光手段16L以外の構成は図18に示したものと同一であるので、同一の符号を付して説明を省略する。
第1方向制御レンズ(第1の方向制御レンズ系)12Lは、バックライト61Kから出射し、後記する遮光手段16Lの開口16Laを通過した光の出射方向を制御するものである。ここでは、第1方向制御レンズ12Lから、当該第1方向制御レンズ12Lの焦点距離だけ光軸方向に離れた位置に遮光手段16Lを設置し、第1方向制御レンズ12Lが、開口16Laから出射した光を平行光に変換することとした。そして、第1方向制御レンズ12Lは、図示しない第1方向制御レンズ移動手段(方向変更手段)によって、当該第1方向制御レンズ12Lの光軸に直交する方向に所定の幅だけ移動する。
遮光手段16Lは、開口16Laを有し、開口16Laを通過する光以外のバックライト61Kからの光を遮光するものである。そのため、このバックライト61Kと開口16Laを有する遮光手段16Lによって、開口16Laの位置に点光源を設置した場合と同じ状態となる。
ここで、図20(a)に示すように、開口16Laが第1方向制御レンズ12Lの光軸上にあるときには、第1方向制御レンズ12Lは、開口16Laを通過した光を光軸に平行な光に変換する。また、図示しない第1方向制御レンズ移動手段によって、第1方向制御レンズ12Lが、当該第1方向制御レンズ12Lの光軸に直交する方向に所定の幅だけ移動させられ、開口16Laが、第1方向制御レンズ12Lの主点と当該第1方向制御レンズ12Lの光軸上にある要素画像光学系111の右隣の要素画像光学系111の主点とを通る直線(方向D2’の直線)上にあるときには、第1方向制御レンズ12Lは、開口16Laを通過した光をこの直線に平行な光(方向D2’と逆向きの平行光)に変換する。
そして、第1方向制御レンズ12Lの位置に応じて、第1方向制御レンズ12Lの主点と開口16Laとを結ぶ方向(D1’又はD2’の逆方向)を撮影した要素画像群が表示素子54Kに表示される。そのため、観察者が光軸方向[図20(a)の方向D1’]を中心とした所定の角度範囲(視域)内の方向から表示装置5Lを見た際には、開口16Laが第1方向制御レンズ12Lの光軸上にあるときに表示された要素画像群によって示される立体像を観察する。また、観察者が方向D2’[図20(b)参照]を中心とした所定の角度範囲(視域)内の方向から表示装置5Lを見た際には、開口16Laが第1方向制御レンズ12Lの主点を通る方向D2’の直線上にあるときに表示された要素画像群によって示される立体像を観察する。このように、本発明の表示装置5Lによれば、複数の方向を中心とした所定の角度範囲内の方向に対して立体像を表示することができ、従来のIP方式の表示装置に比べて、広い範囲の被写体の情報を広い範囲に対して表示することができる。
なお、表示装置5Lの第1方向制御レンズ12Lは、3つ以上の異なる位置に、図示しない第1方向制御レンズ移動手段によって移動されることとしてもよい。更に、第1方向制御レンズ12Lは、第1方向制御レンズ移動手段によって、開口16Laの中心と、当該第1方向制御レンズ12Lの主点とを通る直線の向きが一致しない位置に移動されればよい。
また、バックライト61Kと開口16Laを有する遮光手段16Lの代わりに点光源(図示せず)を設置することとしてもよい。また、このとき、表示装置5Lは、第1方向制御レンズ12Lの光軸に直交する方向に所定の幅だけ移動させる第1方向制御レンズ移動手段(方向変更手段)の代わりに、当該点光源を第1方向制御レンズ12Lの光軸に直交する方向に所定の幅だけ移動させる図示しない点光源移動手段(方向変更手段)を備えることとしてもよい。
[表示装置の構成(第一〜四の実施の形態の変形例)]
更に、各々の撮像装置1、1’、1A〜1G(図1〜図11参照)の撮像素子14、14A、14Ca、14Cb、14E、14F、14Ga、14Gbを、要素画像群を表示する表示素子とした表示装置(図示せず)において、対応する撮像装置1、1’、1A〜1Gによって撮像された、あるいは、計算機(図示せず)によって生成された要素画像群に、各々の要素画像の周縁部をマスクした(情報を表示しない、あるいは、黒い領域とする)要素画像群を表示素子に表示することとしてもよい。
ここで、図21及び図22を参照して、表示装置5Mに、マスク処理を施した要素画像群を表示する場合について説明する。図21は、本発明の第五の実施の形態である撮像装置の撮像素子を表示素子とした表示装置の変形例の構成を示した模式図である。図22は、第1方向制御レンズ上の要素画像群からの光の光路とマスク処理を説明するための説明図、(a)は、マスク処理を施さない要素画像群からの光の光路を示した模式図、(b)は、マスク処理を施した要素画像群からの光の光路を示した模式図、(c)は、マスク処理を施した要素画像群の例を示した模式図、(d)は、マスク処理を施した要素画像群の他の例を示した模式図である。なお、ここでは、表示装置5Mに適用した場合を例に挙げて説明するが、本発明の他の構成の表示装置に対して同様に適用した場合においても、同様の作用が得られる。
表示装置(立体像表示装置)5Mは、要素画像群によって示される立体像(図示せず)を再生するものである。表示装置5Mは、撮像装置1D(図6参照)の撮像素子14Ca、14Cbに代えて表示素子54Ca、54Cbを、第1方向制御レンズ12Dに代えて第1方向制御レンズ12D’を備えることとした。表示装置5M内の表示素子54Ca、54Cbは図15に示した表示装置5の表示素子54と同一であり、また、表示装置5E内の第1方向制御レンズ12D’は、図9に示した撮像装置1F’の第1方向制御レンズ12D’と同一であるので、説明を省略する。なお、ここでは、表示装置5Mの要素画像光学系アレイ11が、水平方向に9つの要素画像光学系111a〜111iから構成されることとした。
ここで表示される要素画像群は、当該表示装置5Mの表示素子54Ca、54Cbを撮像素子14Ca、14Cb(図6参照)に代えた撮像装置(図示せず)によって撮像された要素画像群、あるいは、計算機(図示せず)によって生成されたものである。なお、被写体(図示せず)の空間的な位置情報が既知であれば、撮像装置1、1A〜1G(図1〜図11参照)や、図23(a)に示すような従来の撮像装置100における光路を被写体から逆にさかのぼることで、計算機によって被写体の要素画像群を生成することが可能である。
そして、表示装置5Mは、表示素子54Caに表示された要素画像群によって示される立体像を点P1の周辺の観察者に対して表示することができ、表示素子54Cbに表示された要素画像群によって示される立体像を点P2の周辺の観察者に対して表示することができる。このように、表示装置5Mは、複数の点P1、P2を中心とした所定の範囲に対して立体像を表示することができる。
ここで、例えば、表示素子54Caに表示された要素画像群は、フィールドレンズ17Daと投影光学系13Daとの間に結像した後に、第1方向制御レンズ12D’上に結像される。そして、表示素子54Ca上のある点P5からの光は、第1方向制御レンズ12D’上において1点に収束された後に角度R3の範囲で拡散して要素画像光学系アレイ11に入射する。
ここで、図22(a)を参照して、マスク処理が施されていない要素画像群を表示素子54Ca(図21参照)に表示した場合について説明する。ここで、図22(a)において斜線で示した領域は、第1方向制御レンズ12D’(図21参照)上に結像した要素画像ga〜giを模式的に示している。マスク処理が施されていない要素画像群を表示素子54Ca(図21参照)に表示すると、第1方向制御レンズ12D’にこの要素画像群g(要素画像ga〜gi)が結像し、結像した要素画像群gからの光が要素画像光学系アレイ11に入射する。例えば、要素画像ge上の、要素画像gfと隣接する画素p1からの光は、第1方向制御レンズ12D’を通過した後に角度R3で拡散するため、当該要素画像geに対応する要素画像光学系111eと、隣接する要素画像光学系111fとに入射する。このように、各々の要素画像ga〜giの境界付近(周縁部)の画素からの光は、対応する要素画像光学系111a〜111iに隣接する要素画像光学系111a〜111iにも入射し、立体像を生成する際の妨害となる。
そこで、隣接する要素画像光学系111a〜111iに光が入射する位置にある周縁部の画素を、予めマスクすることによって、隣接する要素画像光学系111a〜111iへの光の入射を防ぐことができる。例えば、図22(b)において、表示素子54Ca(図21参照)に各々の要素画像g’a〜g’i(斜線部)の境界付近の白い領域で示したマスク領域mが形成された要素画像群g’が表示されると、この要素画像群g’が第1方向制御レンズ12D’上に結像する。そして、要素画像g’e上の、マスク領域mと隣接する画素p’1からの光も、第1方向制御レンズ12D’を通過した後に角度R3で拡散するが、この拡散する幅の分だけマスク領域mが形成されているため、この光は当該要素画像g’eに対応する要素画像光学系111eのみに入射する。このように、各々の要素画像g’a〜g’iの境界付近(周縁部)をマスクすることで、各々の要素画像g’a〜g’iから、対応する要素画像光学系111a〜111iに隣接する要素画像光学系111a〜111iに光が入射することを回避することができる。
このとき、図21に示す第1方向制御レンズ12D’には、表示素子54Cbに表示された要素画像群(図示せず)も結像する。そして、この要素画像群には、表示素子54Caに表示された要素画像群g’(図22参照)とは異なる撮影方向で撮影された被写体の情報を記録できるため、この表示素子54Cbに表示された要素画像群によって、要素画像群g’のマスクされたマスク領域m(図22参照)に記録されていた情報に対応する情報を提示することが可能である。このようにすることで、表示装置5Mは、観察者が観察位置を移動しても、位置に応じて連続して被写体の立体像を表示することができる。
なお、図22(c)に示すように、要素画像g’a〜g’iの形状は矩形であってもよく、この矩形の要素画像g’a〜g’iの周縁部をマスクしたマスク領域mを形成することとしてもよい。また、図22(d)に示すように、要素画像g’a〜g’iの形状は円形であってもよく、この円形の要素画像g’a〜g’iの周縁部をマスクしたマスク領域mを形成することとしてもよい。そして、このマスク処理は、要素画像群の撮像時に行うこととしてもよいし、撮像後に要素画像群に行うこととしてもよい。例えば、撮像後に、要素画像群に画像処理を施すことによってマスク領域を形成することとしてもよい。また、撮像時に、撮像装置(図示せず)の撮像素子に近接して、撮像素子の一部をマスクするマスク手段を設けることとしてもよいし、表示する際に、表示装置5Mの表示素子54Ca、54Cbに近接して、当該表示素子54Ca、54Cbの一部をマスクするマスク手段を設けることとしてもよい。