JP6720053B2 - 窒化ケイ素焼結体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化ケイ素焼結体の製造方法に関する。
近年、電子機器や半導体デバイスの高密度化、高出力化に伴い、パワーモジュールの発熱密度が増加している。パワーモジュールの温度上昇は、素子の動作不良を引き起こしたり、絶縁回路基板の割れを引き起こしたりする要因となる。そのため、絶縁回路基板には、比較的に熱伝導率が高い材料であるアルミナや窒化アルミニウムなどのセラミック基板が用いられてきた。しかしながら、アルミナや窒化アルミニウムには、機械的強度が低いという欠点が存在する。それ故、熱応力が強くかかる厚銅をセラミック基板へ直接接合することが出来ず、パワーモジュールの構造に制約を与えてきた。具体的には、銅やアルミニウムなどの放熱板を絶縁回路基板に対して、はんだ接合する必要が生じることから、パワーモジュールが大型化することが問題として挙げられる。そこで、絶縁回路基板として注目されているのが窒化ケイ素(Si)材料である。窒化ケイ素焼結体は、アルミナや窒化アルミニウム焼結体と比較して強度や破壊靭性が2倍程高いことから、絶縁回路基板へ直接厚銅を接合することが可能となり、モジュールの小型化に貢献する。他方、窒化ケイ素の熱伝導率は窒化アルミニウムの半分程度であり、熱伝導率を向上させることが必須である。
例えば、特許文献1は、機械的特性に優れているとともに、高い熱伝導性を持つ窒化ケイ素質焼結体の製造方法を開示する。該製造方法では、Al含有量が0.1重量%以下の窒化ケイ素粉末に、Mg,Ca,Sr,Ba,Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy,Ho,Er,Ybのうちから選ばれる1種または2種以上の元素の酸化物焼結助剤を1重量%以上15重量%以下の範囲内で添加して成形した後、1気圧以上500気圧以下の窒素ガス圧下で、1700℃以上2300℃以下の温度で焼成する。該製造方法によって得られた窒化ケイ素質焼結体は、85重量%以上99重量%以下のβ型窒化ケイ素粒と残部が酸化物または酸窒化物の粒界相とから構成される。また、粒界相中にMg,Ca,Sr,Ba,Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy,Ho,Er,Ybのうちから選ばれる1種または2種以上の金属元素を0.5重量%以上10重量%以下含有する。そして、粒界相中のAl原子含有量が1重量%以下であり、気孔率が5%以下でかつ焼結体の微構造についてβ型窒化ケイ素粒のうち短軸径5μm以上を持つものの割合が10体積%以上60体積%以下である。すなわち、特許文献1には、焼結助剤を添加することにより、該窒化ケイ素質焼結体が優れた機械的特性と高い熱伝導率を合わせ持つことが記載されている。
特開平9−30866号公報
すなわち、高熱伝導性の窒化ケイ素焼結体を得るためには焼結助剤として希土類化合物や酸化マグネシウムを加え、それらの混合比や添加量によって熱伝導率や機械的強度を向上できることが知られている。しかしながら、混合比や添加量の変更による熱伝導率や強度の改善では不十分であり、且つ、限度がある。そして、窒化ケイ素焼結体の機械的特性及び熱伝導率のより一層の向上が求められている。
本発明は、上記課題を解決するために、その製造工程に着目してなされたものであり、その目的は、機械的強度及び熱伝導率の改善を可能とする窒化ケイ素焼結体の製造方法を提供することにある。
本発明の一実施形態の窒化ケイ素焼結体の製造方法は、
所定の組成比の窒化ケイ素粉末及び焼結助剤粉末に対して、所定量の炭素粉末を混合して混合粉末を得る混合工程と、
前記混合粉末を焼成させないように、非酸化性雰囲気中で前記混合粉末を1200℃以上の第1仮焼温度で加熱して第1仮焼粉末を得る第1仮焼工程と、
前記第1仮焼粉末から炭素を除去するように、酸化性雰囲気中で900℃以下の第2仮焼温度で前記第1仮焼粉末を加熱して第2仮焼粉末を得る第2仮焼工程と、
前記第2仮焼粉末を所定の形状に成形して成形体を得る成形工程と、
非酸化性雰囲気中で前記成形体を焼成して、窒化ケイ素焼結体を得る焼成工程と、を含むことを特徴とする。
すなわち、所定の配合比の窒化ケイ素粉末及び焼結助剤粉末とともに炭素粉末を含有する混合粉末を仮焼することによって、炭素が窒化ケイ素や助剤酸化物に含まれる酸素と反応し、結果として、酸素含有量が少ない窒化ケイ素及び助剤酸化物の第2仮焼粉末を得ることができる。このような、酸素含有量が少ない第2仮焼粉末を成形して焼成することにより、焼結体内部で物理的な欠陥(クラック、歪み、空隙等)が生じにくくなることが考えられる。その結果、当該製造方法を経ることによって、相対的に高い機械的強度及び熱伝導率を有する窒化ケイ素焼結体を製造することができる。
本発明のさらなる実施形態によれば、前記第2仮焼工程と前記成形工程との間に、追加の焼結助剤粉末を前記第2仮焼粉末に添加する添加工程をさらに含んでもよい。
本発明のさらなる実施形態によれば、前記添加工程の前に、前記追加の焼結助剤粉末の添加量を決定すべく、前記第1仮焼工程及び前記第2仮焼工程における熱処理によって揮発した焼結助剤の量を算定する算定工程を含んでもよい。すなわち、追加の焼結助剤粉末の添加量は、第1仮焼工程及び第2仮焼工程における加熱によって揮発した焼結助剤の量に基づいて定められる。そして、算定結果に基づいて、適量の焼結助剤を添加することによって、窒化ケイ素及び焼結助剤間の組成ずれを抑えることができる。
本発明のさらなる実施形態によれば、前記混合工程は、前記第1仮焼工程及び前記第2仮焼工程における加熱によって揮発する焼結助剤の量を算定し、所定の組成比の窒化ケイ素粉末及び焼結助剤粉末に対して、揮発する焼結助剤と略同量の焼結助剤粉末を付加してもよい。すなわち、予め適量の焼結助剤を付加することによって、所望の組成の窒化ケイ素焼結体を得ることができる。
本発明のさらなる実施形態によれば、前記焼結助剤粉末は、MgO、希土類酸化物、又はこれらの組み合わせからなってもよい。より好ましくは、焼結助剤粉末は、少なくともMgOを含み、前記第1仮焼粉末から、MgSiNが析出されてもよい。さらに好ましくは、焼結助剤粉末は、MgO及びYを含んでいる。また、前記炭素粉末は、前記窒化ケイ素粉末及び前記焼結助剤粉末の合計100重量部に対して、(炭素換算で)2.5重量部以上であってもよい。さらに、前記第2仮焼粉末の酸素量が0.7重量%以下であってもよい。
本発明の別実施形態の窒化ケイ素焼結体の製造方法は、
窒化ケイ素粉末に対して所定量の炭素粉末を混合して混合粉末を得る混合工程と、
前記混合粉末を焼成させないように、非酸化性雰囲気中で前記混合粉末を1200℃以上の第1仮焼温度で加熱して第1仮焼粉末を得る第1仮焼工程と、
前記第1仮焼粉末から炭素を除去するように、酸化性雰囲気中で900℃以下の第2仮焼温度で前記第1仮焼粉末を加熱して第2仮焼粉末を得る第2仮焼工程と、
前記第2仮焼粉末を所定の形状に成形して成形体を得る成形工程と、
非酸化性雰囲気中で前記成形体を焼成して、窒化ケイ素焼結体を得る焼成工程と、を含むことを特徴とする。
すなわち、所定の配合比の窒化ケイ素粉末及び焼結助剤粉末とともに炭素粉末を含有する混合粉末を仮焼することによって、炭素が窒化ケイ素や助剤酸化物に含まれる酸素と反応し、結果として、酸素含有量が少ない窒化ケイ素及び助剤酸化物の第2仮焼粉末を得ることができる。このような、酸素含有量が少ない第2仮焼粉末を成形して焼成することにより、焼結体内部で物理的な欠陥(クラック、歪み、空隙等)が生じにくくなることが考えられる。その結果、当該製造方法を経ることによって、相対的に高い機械的強度及び熱伝導率を有する窒化ケイ素焼結体を製造することができる。
本発明のさらなる実施形態によれば、前記第2仮焼工程と前記成形工程との間で、前記第2仮焼粉末に対して所定量の焼結助剤粉末を添加する添加工程をさらに含んでもよい。
本発明のさらなる実施形態によれば、前記炭素粉末は、前記窒化ケイ素粉末100重量部に対して、(炭素換算で)2.5重量部以上であってもよい。また、前記第2仮焼粉末の酸素量が0.7重量%以下であってもよい。さらに、第1仮焼温度は、1300℃〜1450℃であることが好ましい。
本発明の窒化ケイ素焼結体の製造方法によって、窒化ケイ素焼結体の機械的強度及び熱伝導率を向上させることができる。
本発明の第1実施形態の窒化ケイ素焼結体の製造方法を示すフローチャート。 本発明の第2実施形態の窒化ケイ素焼結体の製造方法を示すフローチャート。 本発明の製造方法の仮焼工程において得られた仮焼粉末のX線回折パターン。
本発明の窒化ケイ素焼結体の製造方法について、以下の実施形態に基づいて具体的に説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る窒化ケイ素焼結体の製造方法は、図1に示すように、所定の配合比の窒化ケイ素(Si)粉末及び焼結助剤粉末(又は窒化ケイ素粉末単体)に対して、所定量の炭素粉末を混合して混合粉末を得る混合工程と、混合粉末を焼成又は溶解させないように、非酸化性雰囲気中で混合粉末を1200℃以上の第1仮焼温度で加熱して第1仮焼粉末を得る第1仮焼工程と、第1仮焼粉末から炭素を除去するとともに第1仮焼粉末を焼成又は溶解させないように、酸化性雰囲気中で900℃以下の第2仮焼温度で第1仮焼粉末を加熱して第2仮焼粉末を得る第2仮焼工程と、第2仮焼粉末を所定の形状に成形して成形体を得る成形工程と、非酸化性雰囲気中で成形体を(高圧下で)焼成して、窒化ケイ素焼結体を得る焼成工程と、を含む。以下、各工程について詳細に説明する。
(1)混合工程
混合工程では、窒化ケイ素(Si)粉末、焼結助剤粉末及び炭素粉末を混合して、混合粉末を得る。なお、焼結助剤粉末を省略して、窒化ケイ素粉末及び炭素粉末のみを混合して混合粉末を得てもよい。混合工程において、原料粉末である窒化ケイ素粉末及び炭素粉末を容器に適量混ぜ入れて、羽根のついた撹拌機で均一に撹拌させる。次いで、撹拌した原料粉末を振動ミルに移して、焼結助剤を加えて混合することにより、混合粉末を得られる。この段階では、溶剤等を入れることのない乾式混合が選択される。
窒化ケイ素粉末は、直接窒化法やイミド熱分解法等によって製造された高純度であり、且つ、酸素含有量が少ない窒化ケイ素粉末であることが好ましい。
焼結助剤粉末は、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、酸化マグネシウム(MgO)、希土類元素(Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy,Ho,Er,Yb)の酸化物又はこれらの組み合わせ等から選択され得る。好ましくは、焼結助剤粉末は、酸化マグネシウムMgO、酸化イットリウム(Y)又はこれらの組み合わせから選択される。
炭素粉末として、ファーネスブラックやアセチレンブラックのような炭素が主体となる微粒子を使用することができる。特に、混合物への不純物混入が少ないことから、アセチレンブラックを使用することが好ましい。炭素粉末の配合量は、窒化ケイ素粉末及び焼結助剤粉末の合計を100重量部とすると、炭素換算で2.5重量部以上であることが好ましい。炭素粉末の配合量が2.5重量部未満であると、後述する第1仮焼工程において、酸素量の低減が効果的に行われないからである。また、炭素粉末の配合量は、20重量部以下であることが好ましい。特に、炭素粉末の配合量が20重量部を超えると、第2仮焼工程(脱炭処理)において、炭素粉末を除去することが困難となり(又は、長時間の熱処理を要するため工程上望ましくない)、且つ、特性に影響する量の炭素粉末が残留する可能性が高くなるからである。
なお、混合工程において、次の仮焼工程で揮発する焼結助剤の量を予め算定(予測)し、所定の配合比の窒化ケイ素粉末及び焼結助剤粉末に対して、揮発する焼結助剤と略同量の焼結助剤粉末を付加してもよい。つまり、図1に示すように、本製造方法は、混合工程の前に、揮発量を見越した算定工程を任意に含んでもよい。このような算定(予測)は、過去の実験データに基づいて可能である。換言すると、過去の分析結果等を用いて、所望の組成比に対して、焼結助剤の量を増加させて配合することにより、揮発による組成ずれを抑えることができる。
(2)第1仮焼工程
第1仮焼工程では、混合工程で得られた混合粉末を仮焼して、第1仮焼粉末を得る。まず、工程(1)で準備した混合粉末をカーボン製のさや(容器)に対してさや詰めを行う。使用するさやは熱処理時の温度で変形することなく、また、炭素粉末によって還元されないような材質を使用することができる。熱伝導率、熱膨張率、混合物へのコンタミネーションなどを考慮すると、使用するさやの材質はカーボン製が望ましい。
混合物をさや詰めした後、発熱体としてカーボンを使用した電気炉内で、例えば窒素ガスを含む非酸化性(不活性)雰囲気下において第1仮焼温度で加熱処理を行う。熱処理時間(第1仮焼時間)は、12時間程度が好ましいが、第1仮焼温度等に応じて適宜定められる。第1仮焼温度は、1200℃以上であり、粉末の酸素量や結晶相によって適宜変更することができる。該第1仮焼温度が1200℃よりも低いと、炭素粉末と原料粉末内の酸素との反応が効果的に進行せず、混合粉末の酸素量の低下が小さくなる。また、第1仮焼温度の上限は、混合粉末が焼成、溶解又は変質されないように定められる。つまり、粉末の形態が維持されるように加熱処理がなされる。特に、第1仮焼温度は、限定されないが、1300〜1450℃であることが好ましい。すなわち、後述するとおり、第1仮焼温度が1300℃以上であると、仮焼粉末の酸素含有量の低減が明確に確認できる。他方、第1仮焼温度が1450℃よりも高くなると(例えば、1490℃)、針状の形状をしているβ‐Siの割合が上昇して成形性が悪くなり、且つ、粉体中に粗大粒子が生成され、成形体の密度が低くなることが知見として得られている(X線回折測定による)。
(3)第2仮焼工程
第2仮焼工程では、第1仮焼工程で生成された炭素元素を含む第1仮焼粉末を、例えば酸素ガスや空気等を含む酸化性雰囲気下で第2仮焼温度で加熱することによって残留炭素を除去して、第2仮焼粉末を得る。換言すれば、この第2仮焼工程の目的は、第1仮焼工程で消費しなかった残留炭素を脱炭処理することにある。第2仮焼温度は、第1仮焼粉末が焼成されず、且つ、仮焼後の窒化ケイ素粉末が再酸化されないように900℃以下に定められる。そして、粉末の形態が維持されるように加熱処理がなされる。第2仮焼温度の下限は、残留炭素の除去を可能とすべく、500℃以上であることが好ましい。また、第2仮焼温度の下限は、炭素の酸化反応を促進し、熱処理時間を短縮すべく、600℃以上であることがより好ましい。
第2仮焼工程は、第1仮焼粉末から炭素が有意に脱炭されるまで行われる。すなわち、熱処理時間(第2仮焼時間)や酸素ガス濃度の条件は、脱炭後粉末の炭素量を測定することで適宜変更され得る。なお、脱炭後の炭素量は、炭素粉末混合前と同等(すなわち、略0)であれば最もよいが、第2仮焼粉末全体の0.15重量%以下であれば焼結体の特性に影響を及ぼさないことが分かっている。それ故、脱炭後の炭素量が0.15重量%以下となる条件で、第2仮焼工程が行われることが好ましい。
後述する実施例(表1参照)に示したとおり、第2仮焼工程を経ることで得られた第2仮焼粉末は、仮焼前の混合粉末と比べて、酸素含有量の低下傾向がみられる。すなわち、第1仮焼工程において、炭素が混合粉末内の酸素と酸化反応して、炭酸ガス等を生成することによって、窒化ケイ素粉末及び/又は焼結助剤粉末に含まれる酸素が消費されることが考察される。そして、第2仮焼工程において、脱炭処理がなされて残留炭素が除去されることで、結果として、酸素量が低減された窒化ケイ素焼結体前駆物質として焼成前の原料粉末を得ることができる。なお、第2仮焼粉末は、例示的に図3に示されるX線回折パターンを有する。
(4)成形工程
第2仮焼工程で得られた第2仮焼粉末を使用して、通常のセラミックスの成形方法である金型プレス法やシート成形法により成形体を得る。まず、第2仮焼粉末をバインダー、溶剤等とともにボールミルに投入し、スラリー化する。成形に用いるスラリーの調整方法としては、生産性や混合時の酸素量増加を抑制するために、有機溶媒を用いた湿式混合が望ましい。具体的な一例として、第2仮焼粉末に分散剤、トルエン、エタノールを混合した有機溶媒とを添加し、通常行われる混合粉砕方法によって調整される。そして、ボールミル、ビーズミル、振動ミルなどの方法によって、仮焼粉末の均一混合や粒度調整を行う。混合粉砕方法に用いるミルやメディアの材質としては、ウレタンやナイロンなどの樹脂製や、窒化ケイ素や酸化ジルコニウムなどのセラミック製を使用することができるが、スラリーへの不純物混入を防ぐため、材質としては樹脂や窒化ケイ素を使用することが好ましい。なお、分散剤や有機溶媒の添加量は、その種類や原料の比表面積によって調整する必要がある。窒化ケイ素を原料とする場合は、分散剤としてアミン系やリン系の界面活性剤が好適に用いられる。分散剤の添加量は粉体の比表面積によって適宜変更する必要があるが、0.2〜3重量%の範囲であれば良好な分散性が得られる。
調整後のスラリーは、真空中で脱泡及び粘度調整され、ドクターブレード法によって所定の厚さのグリーンシートが得られる。グリーンシートの厚さは、必要な焼結体の厚さにより適宜変更することが可能であるが、通常0.1〜1.3mm程度の範囲である。成形後のグリーンシートが金型プレスや切断機により所望の形状に加工されて、成形体が得られる。
(5)焼成工程
成形工程で得られた成形体を高温で所定時間、焼成することにより、本製造方法の最終目的物である窒化ケイ素焼結体を得る。焼成処理は、焼成炉において、非酸化性(窒素)雰囲気中で、約1750〜2000℃の温度範囲で行われる。また、Siや焼結助剤(例えば、MgO)の揮発を防ぐため、5気圧以上の圧力下で加圧焼成を行うことが好ましい。そして、本製造方法において、成形工程の前に脱酸素を目的とした仮焼工程を行っているため、焼成時に酸素が抜けることによる構造的欠陥(格子欠陥、歪み等)が生じにくい。
上記説明した混合工程から焼成工程を経ることによって、本製造方法(特に第1及び第2仮焼工程)を経ないで製造されたものと比べて、高い機械的強度及び熱伝導率を有する窒化ケイ素焼結体を得ることができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る窒化ケイ素焼結体の製造方法は、図2に示すように、所定の配合比の窒化ケイ素粉末及び焼結助剤粉末(又は窒化ケイ素粉末単体)に対して、所定量の炭素粉末を混合して混合粉末を得る混合工程と、混合粉末を焼成又は溶解させないように、非酸化性雰囲気中で混合粉末を1200℃以上の第1仮焼温度で加熱して第1仮焼粉末を得る第1仮焼工程と、第1仮焼粉末から炭素を除去するとともに第1仮焼粉末を焼成又は溶解させないように、酸化性雰囲気中で900℃以下の第2仮焼温度で第1仮焼粉末を加熱して第2仮焼粉末を得る第2仮焼工程と、第2仮焼粉末に対して追加の焼結助剤粉末を添加する添加工程と、第2仮焼粉末を所定の形状に成形して成形体を得る成形工程と、非酸化性雰囲気中で成形体を加圧焼成して、窒化ケイ素焼結体を得る焼成工程と、を含む。また、該製造方法は、好ましくは、添加工程の前に、追加の焼結助剤粉末の添加量を決定すべく、第1仮焼工程及び第2仮焼工程における熱処理によって揮発した焼結助剤の量を算定する算定工程を含む。
すなわち、第2実施形態の製造方法は、第1実施形態と比べて、第2仮焼工程と成形工程との間に、第2仮焼粉末に対して追加の焼結助剤粉末を添加する添加工程、及び、選択的に該添加量を算定する算定工程を追加したものであり、他の工程は共通している。以下、添加工程及び算定工程について説明する。
(6)添加工程
添加工程では、主に窒化ケイ素及び焼結助剤(又は窒化ケイ素単体)を主成分とする第2仮焼粉末に対して、適量の焼結助剤を添加して、焼成後の窒化ケイ素焼結体の組成を調整することができる。例えば、混合工程では、窒化ケイ素粉末及び炭素粉末のみを混合して混合粉末を作製し、焼成前の段階で所望の窒化ケイ素焼結体の組成に合わせるように、適量の焼結助剤粉末が添加されてもよい。また、加熱で窒化ケイ素や焼結助剤の成分が揮発することによる組成ずれを抑えるべく、以下の算定工程に基づいて、焼結助剤を添加してもよい。
(7)算定工程
第1及び第2仮焼工程において、窒化ケイ素粉末、焼結助剤粉末及び炭素粉末の混合粉末に第1及び第2仮焼工程を施すことで、窒化ケイ素や焼結助剤成分の成分が揮発し、組成ずれを起こすことが考えられる。算定工程では、仮焼前後の粉末を分析(例えば、蛍光X線分析)し、原料の低減量(揮発量)を測定及び算定する。そして、算定工程で得られた結果に基づいて、添加工程において、揮発した焼結助剤成分を補充するように、適量の追加の焼結助剤粉末を第2仮焼粉末に添加することにより、組成ずれを抑えることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて、さらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例によって限定解釈されるものではない。
[実施例1〜5]
実施例1〜5に係る窒化ケイ素焼結体は以下の条件及び手順によって生成された。実施例1〜5は、窒化ケイ素粉末、焼結助剤粉末及び炭素粉末の配合組成、仮焼温度及び/又は脱炭温度が互いに相違する。また、実施例1〜5において、図2に示すように、混合工程で、窒化ケイ素粉末と炭素粉末の混合粉末が作製され、添加工程で焼結助剤粉末が添加される。具体的には以下のとおりである。
(1)窒化ケイ素粉末に対して炭素粉末(アセチレンブラック)を所定量添加し、振動ミルで窒化ケイ素粉末と炭素粉末の混合粉末を得た。窒化ケイ素粉末は、直接窒化法によって製造された高純度の窒化ケイ素粉末が用いられた。窒化ケイ素粉末は、平均粒子径(D50)が約1.0μmであり、酸素含有量が約0.8重量%である。
(2)混合粉末をカーボン製のさやに詰め、混合粉末を1気圧の窒素雰囲気の下、第1仮焼温度で12時間、第1仮焼処理を行って第1仮焼粉末を得た。なお、第1仮焼温度を1600℃以上とした場合、第1仮焼粉末において、SiCのX線回折ピークが発見されたため、所望の窒化ケイ素焼結体が得られなかった。
(3)第1仮焼粉末をドライエアー中、第2仮焼温度で12時間、第2仮焼処理を行って、第2仮焼粉末を得た。この仮焼粉末の炭素量が0.9重量%以下になるまで熱処理を行った。これら仮焼処理は、連続炉にて行われた。
(4)次に、各粉末の配合組成比に合わせて、第2仮焼粉末に対して焼結助剤粉末であるMgO及びYを適量添加し、これらを混合した。
(5)次いで、以下の条件で、成形工程が行われた。100重量部の第2仮焼粉末及び焼結助剤粉末の混合体に対して、界面活性型分散剤を0.3重量部と、トルエンとエタノールの混合溶媒を50重量部添加して、窒化ケイ素玉石を用いて粉砕混合を行った。その後、バインダーとしてポリビニルブチラールを10重量部と、可塑剤としてアジピン酸ジオクチルを5重量部と、トルエンとエタノールの混合溶媒を20重量部を加え、バインダーが完全に溶解・混合されるまで、ボールミルによって攪拌混合した後、スラリーを作製した。スラリーを真空中で脱泡、粘度調整を行い、ドクターブレード法によってグリーンシートを得た。得られたグリーンシートを金型プレス加工により所定の形状に型抜きし、500℃でバインダーなどの有機成分を除去した。
(6)そして、焼成工程の条件を、9気圧の窒素雰囲気中、1860℃で4時間として、成形体の焼成を行って、板厚0.35mmの窒化ケイ素焼結基板を得た。
比較例1,2に係る窒化ケイ素焼結体は以下の条件及び手順によって生成された。なお、比較例1,2は、焼結助剤の配合組成が互いに異なる。
(1)窒化ケイ素粉末に対して適量の焼結助剤粉末(MgO及びY)を添加し、これらを混合させた。
(2)次いで、以下の条件で、成形工程が行われた。100重量部の窒化ケイ素粉末及び焼結助剤粉末の混合体に対して、界面活性型分散剤を0.3重量部と、トルエンとエタノールの混合溶媒を50重量部添加して、窒化ケイ素玉石を用いて粉砕混合を行った。その後、バインダーとしてポリビニルブチラールを10重量%と、可塑剤としてアジピン酸ジオクチルを5重量部と、トルエンとエタノールの混合溶媒を20重量部を加え、バインダーが完全に溶解・混合されるまで、ボールミルによって攪拌混合した後、スラリーを作製した。スラリーを真空中で脱泡、粘度調整を行い、ドクターブレード法によってグリーンシートを得た。得られたグリーンシートを金型プレス加工により所定の形状に型抜きし、500℃でバインダーなどの有機成分を除去した。
(3)そして、焼成工程の条件を、9気圧の窒素雰囲気中、1860℃で4時間として、成形体の焼成を行って、板厚0.35mmの窒化ケイ素焼結基板を得た。
実施例1〜5に係る第2仮焼粉末の特性として、仮焼粉末の酸素含有量(重量%)、平均粒径D50(μm)、比表面積(m/g)が測定された。また、実施例1〜5及び比較例1,2に係る窒化ケイ素焼結体の特性として、相対密度(%)、熱伝導率(W/mK)、機械的強度(MPa)が測定された。各種測定は、以下の条件の下で行われた。
・平均粒径D50
株式会社島津製作所のレーザ回折式粒度分布測定装置SALD‐2000を使用して測定を行った。分散剤として、ヘキサメタリン酸ナトリウムを使用し、屈折率は2.4とした。
・酸素含有量
株式会社堀場製作所のEMGA−920を使用して、不活性ガス融解−非分散型赤外線吸収法により測定を行った。
・相対密度
窒化ケイ素の密度を3.18g/cm、Yの密度を5.0g/cm、MgOの密度を3.6g/cmとして、原料配合比から求めた理論密度に対する焼結体の密度から計算した。焼結体の密度は純水を使用したアルキメデス法により測定した。
・熱伝導率
アドバンス理工株式会社のTC−7000を使用して、レーザーフラッシュ法により熱拡散率αの測定を行った。窒化ケイ素の比熱Cを0.68J/(g・K)、アルキメデス法によって求めた密度ρを使用して、熱伝導率λは下式に従って計算した。
λ=α×C×ρ
・機械的強度
機械的強度(曲げ強度)の測定方法には、3点曲げ試験が採用された。評価用の窒化ケイ素焼結体は、63mm×20mm×0.32mmtの試験片を用いた。測定装置は、株式会社島津製作所製の型式AG−ISであり、その測定条件を測定数20pcs、クロスヘッドスピード0.5mm/分、支点間距離30mmとし、その平均値を求めた。
実施例1〜5及び参考例1,2の条件及び各種測定結果を表1に示した。なお、各粉末の配合組成として、Si粉末、MgO粉末及びY粉末の合計100重量部に対して炭素粉末の重量部が示されている。
Figure 0006720053
表1によれば、実施例1乃至4のいずれにおいても、仮焼工程によって生成された第2仮焼粉末の酸素含有量が0.7重量%以下であり、元の原料粉末の酸素含有量0.8%から有意に低減していることが分かる。他方、実施例1の第1仮焼温度を1200度とした実施例5では、第2仮焼粉末の酸素含有量が0.8重量%であり、酸素含有量の低減を明確に確認できなかった。そして、焼結体特性に関して、配合組成比が同じである実施例1と比較例1とを比較すると、実施例1の窒化ケイ素焼結体の熱伝導率及び機械的強度は、比較例1よりも大きい。次に、焼結体特性に関して、配合組成比が同じである実施例2,3,4と比較例2とを比較する。実施例2,3,4の窒化ケイ素焼結体の熱伝導率は、比較例2以上であり、機械的強度は、比較例2よりも有意に大きい。そして、実施例2,3を比較すると、仮焼温度を1400℃から1450℃に変更されることで、機械的強度の上昇が見られた。また、実施例3,4を比較すると、炭素の配合量を増加させることにより、機械的強度のさらなる上昇が見られた。さらに、実施例5と比較例1とを比較すると、酸素含有量の低減を確認できなかったものの、実施例5の窒化ケイ素焼結体の熱伝導率及び機械的強度が比較例1から改善したことが見て取れる。つまり、測定誤差等の要因により、酸素量の低減が数値上現れなかったが、1200℃の第1仮焼温度でも、同様に焼結体特性の改善が見られた。すなわち、表1によれば、本発明の製造工程において、炭素粉末を少なくとも2.5重量部以上添加した上で、炭素混合粉末の仮焼工程を経ることで、窒化ケイ素焼結体の特性が改善されることが分かった。
[実施例6〜11]
実施例6〜11に係る窒化ケイ素焼結体は、実施例1〜5と基本的に同様の手順及び条件で生成された。ただし、実施例6〜8では、混合工程においてSi粉末、MgO粉末、Y粉末及びC粉末の混合粉末が作製された。そして、MgOが仮焼工程で揮発し易いことから、全体の組成ずれを抑えるべく、図2に示すように、第2仮焼粉末に対するMgOの添加工程が行われた。特には、仮焼前後の粉末に対して蛍光X線分析を行って、それらの解析結果を比較することにより、仮焼で揮発したMgOの量を算出した。そして、揮発した分だけMgOを第2仮焼粉末に補充及び添加することで、原料間の配合比のずれを抑えた。
他方、実施例9〜11では、図2に示すように、混合工程において、Si粉末、MgO粉末及びC粉末の混合粉末が作製され、添加工程において、第2仮焼粉末にY粉末とともに揮発したMgOが添加される。特には、仮焼前後の粉末に対して蛍光X線分析を行って、それらの解析結果を比較することにより、仮焼で揮発したMgOの量を算出した。そして、揮発した分だけMgOを第2仮焼粉末に補充及び添加することで、原料間の配合比のずれを抑えた。
実施例6〜11に係る第2仮焼粉末の特性として、MgSiNの析出量が測定された。また、実施例6〜11及び比較例2に係る窒化ケイ素焼結体の特性として、実施例1〜5と同様の条件の下、相対密度(%)、熱伝導率(W/mK)及び機械的強度(MPa)が測定された。MgSiNの析出量測定は、以下の条件の下で行われた。
・MgSiNの析出量測定
株式会社リガクのUltima IVを使用して、粉末X線回折法による結晶相の同定を行った。MgSiNの結晶相の構成比はRIR(Reference Intensity Ratio)法による定量分析を行って算出した。図3は、X線回折パターンの具体例であり、実施例9で得られた仮焼粉末のX線回折パターンである。
実施例6〜11及び参考例2の条件及び各種測定結果を表2に示した。なお、各粉末の配合組成として、Si粉末、MgO粉末及びY粉末の合計100重量部に対して炭素粉末の重量部が示されている。なお、配合組成比は、揮発した原料が添加工程で調整された後の値である。
Figure 0006720053
表2によれば、焼結体特性に関して、配合組成比が同じである実施例6乃至11と比較例2とを比較すると、実施例6乃至11の窒化ケイ素焼結体の熱伝導率及び機械的強度は、比較例2よりも大きい。特に、実施例6乃至11の窒化ケイ素焼結体は、熱伝導性において大幅に改善されていることが分かる。すなわち、実施例6乃至11では、実施例1乃至5と比べて、少なくともMgO粉末を含む混合粉末が仮焼処理されることによって、焼結助剤中の酸素量が仮焼によって有意に低減されたことが考えられる。
すなわち、本実施形態(実施例1〜11)の窒化ケイ素焼結体の製造方法は、混合工程において炭素粉末を含有した混合粉末に対して第1及び第2仮焼工程を施すことを特徴とする。したがって、本発明によって、上記製造工程を導入しない同組成の窒化ケイ素焼結体と比べて、相対的な機械的強度及び熱伝導率の改善が実現された。
なお、上記実施例の製造方法は、一例にすぎず、本発明の技術的思想が他種類の焼結助剤や異なる配合組成による原料粉末からなる窒化ケイ素焼結体の製造についても適用可能であることはいうまでもない。すなわち、上記実施例以外の組成の窒化ケイ素焼結体の製造方法に関しても、本発明による恩恵を受けることが可能であり、本発明の技術範囲内であれば、任意に置換、省略及び/又は追加可能である。
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。

Claims (12)

  1. 所定の配合比の窒化ケイ素粉末及び焼結助剤粉末に対して、所定量の炭素粉末を混合して混合粉末を得る混合工程と、
    前記混合粉末を焼成させないように、非酸化性雰囲気中で前記混合粉末を1200℃以上の第1仮焼温度で加熱して第1仮焼粉末を得る第1仮焼工程と、
    前記第1仮焼粉末から炭素を除去するように、酸化性雰囲気中で900℃以下の第2仮焼温度で前記第1仮焼粉末を加熱して第2仮焼粉末を得る第2仮焼工程と、
    前記第2仮焼粉末を所定の形状に成形して成形体を得る成形工程と、
    非酸化性雰囲気中で前記成形体を焼成して、窒化ケイ素焼結体を得る焼成工程と、
    を含むことを特徴とする窒化ケイ素焼結体の製造方法。
  2. 前記第2仮焼工程と前記成形工程との間に、追加の焼結助剤粉末を前記第2仮焼粉末に添加する添加工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の窒化ケイ素焼結体の製造方法。
  3. 前記添加工程の前に、前記追加の焼結助剤粉末の添加量を決定すべく、前記第1仮焼工程及び前記第2仮焼工程における熱処理によって揮発した焼結助剤の量を算定する算定工程をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の窒化ケイ素焼結体の製造方法。
  4. 前記混合工程は、前記第1仮焼工程及び前記第2仮焼工程における加熱によって揮発する焼結助剤の量を算定し、所定の組成比の窒化ケイ素粉末及び焼結助剤粉末に対して、揮発する焼結助剤と略同量の焼結助剤粉末を付加することを特徴とする請求項1に記載の窒化ケイ素焼結体の製造方法。
  5. 前記焼結助剤粉末は、MgO、希土類酸化物、又はこれらの組み合わせからなることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の窒化ケイ素焼結体の製造方法。
  6. 前記焼結助剤粉末は、少なくともMgOを含み、
    前記第1又は第2仮焼粉末から、MgSiNが析出されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の窒化ケイ素焼結体の製造方法。
  7. 前記炭素粉末は、前記窒化ケイ素粉末及び前記焼結助剤粉末の合計100重量部に対して、2.5重量部以上であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の窒化ケイ素焼結体の製造方法。
  8. 窒化ケイ素粉末に対して所定量の炭素粉末を混合して混合粉末を得る混合工程と、
    前記混合粉末を焼成させないように、非酸化性雰囲気中で前記混合粉末を1200℃以上の第1仮焼温度で加熱して第1仮焼粉末を得る第1仮焼工程と、
    前記第1仮焼粉末から炭素を除去するように、酸化性雰囲気中で900℃以下の第2仮焼温度で前記第1仮焼粉末を加熱して第2仮焼粉末を得る第2仮焼工程と、
    前記第2仮焼粉末を所定の形状に成形して成形体を得る成形工程と、
    非酸化性雰囲気中で前記成形体を焼成して、窒化ケイ素焼結体を得る焼成工程と、
    を含むことを特徴とする窒化ケイ素焼結体の製造方法。
  9. 前記第2仮焼工程と前記成形工程との間で、前記第2仮焼粉末に対して所定量の焼結助剤粉末を添加する添加工程をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の窒化ケイ素焼結体の製造方法。
  10. 前記炭素粉末は、前記窒化ケイ素粉末100重量部に対して、2.5重量部以上であることを特徴とする請求項8又は9に記載の窒化ケイ素焼結体の製造方法。
  11. 前記第2仮焼粉末の酸素量が0.7重量%以下であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の窒化ケイ素焼結体の製造方法。
  12. 前記第1仮焼温度は、1300℃〜1450℃であることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の窒化ケイ素焼結体の製造方法。
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