JP2012107226A - ガラスハードディスク基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス基板を酸性研磨液で研磨した後にアルカリ洗浄する工程を有するガラスハードディスク基板の製造方法であって、研磨工程において研磨速度を維持したまま、アルカリ洗浄工程におけるガラス基板の表面粗さの悪化を抑制し、さらに清浄性を向上できるガラスハードディスク基板の製造方法の提供。
【解決手段】以下の工程(1)及び(2)を含むガラスハードディスク基板の製造方法。
(1)分子内に窒素原子を2〜10個有する多価アミン化合物を含有するpH1.0〜4.2の研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨する工程。
(2)工程(1)で得られた基板を、pH8.0〜13.0の洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラスハードディスク基板の製造方法に関する。
ハードディスクドライブに搭載されるハードディスクは高速で回転するため消費電力が高く、近年では環境への配慮から、低消費電力化が求められている。消費電力を低減するためには、ハードディスク1枚あたりの記録容量を増大させ、ドライブに搭載されるハードディスクの枚数を減らし、軽量化する方法がある。基板1枚の重量を軽量化するためには、基板の厚さを薄くする必要があり、この観点から、アルミ基板に比べて機械的強度が高いガラス基板の需要が高まり、近年の伸張は著しい。また、基板1枚あたりの記録容量を向上させるためには、単位記録面積を縮小する必要がある。しかし、単位記録面積を縮小すると磁気信号が弱くなる問題が発生する。そこで磁気信号の検出感度を向上するため、磁気ヘッドの浮上高さをより低くするための技術開発が進められている。ガラスハードディスク基板の研磨においては、この磁気ヘッドの低浮上化に対応するため、表面粗さや残留物の低減に対する要求が厳しくなっている。このような要求に対し、酸性の研磨液組成物でガラス基板を研磨する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
酸性の研磨液組成物でガラス基板を研磨する方法は、研磨中にガラス基板に含有されるアルカリイオンが溶出するリーチング作用が起こり、基板表面の硬度が低下して研磨速度が向上するという利点がある。しかしながら、酸性の研磨液組成物でガラス基板を研磨する方法は、pHが低いとリーチング作用が大きく働くため、脆いリーチング層が深くまで生成し、研磨工程後のアルカリ洗浄工程におけるアルカリエッチングにより表面粗さが著しく悪化するという問題があった。このような問題に対し、リーチング層の生成を抑制しながら、研磨速度を向上させるために、研磨液の電解質濃度を上げる添加剤を含有する弱酸性(pH4〜6)の研磨液でガラス基板を研磨する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献3には、算術平均粗さ(Ra)が0.1nm近傍の欠陥数が非常に小さい磁気ディスク用ガラス基板が提案されている。その製造に用いる研磨液の添加剤としてカルボン酸、多価アミン、アミノ酸、アミノポリカルボン酸、ホスホン酸類等が開示されている。これらの添加剤は、研磨材が二次凝集の形態を保ったままガラス基板表面と相互作用することを維持でき、それによりガラス基板から異物を除去できることが開示されている。
特開2005−138197号公報 特開2009−087439号公報 WO2010/038741
しかし、前記特許文献2記載の方法では、弱酸性の研磨液組成物でガラス基板を研磨するため、研磨速度が遅く、生産性が低く、特許文献3記載の方法においても、満足する研磨速度を得ることはできないという問題がある。
そこで、本発明は、ガラス基板を酸性研磨液で研磨した後に、アルカリ洗浄する工程を有するガラスハードディスク基板の製造方法において、研磨工程において研磨速度を維持したまま、アルカリ洗浄工程におけるガラス基板の表面粗さの悪化を抑制し、さらに清浄性を向上できるガラスハードディスク基板の製造方法を提供する。
本発明は、以下の工程(1)及び(2)を含むガラスハードディスク基板の製造方法に関する。
(1)分子内に窒素原子を2〜10個有する多価アミン化合物を含有するpH1.0〜4.2の研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨する工程。
(2)工程(1)で得られた基板を、pH8.0〜13.0の洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程。
本発明によれば、研磨工程において研磨速度を維持しつつ、アルカリ洗浄工程においてガラス基板の表面粗さの悪化を効果的に抑制し、さらに清浄性を向上することができる。
本発明は、ガラス基板を酸性研磨液で研磨した後にアルカリ洗浄をした場合であっても、前記研磨液に多価アミン化合物が含まれていると、酸性研磨液による研磨速度を維持しつつ、アルカリ洗浄によるガラス基板の表面粗さの悪化を抑制し、さらに清浄性を向上できるという知見に基づく。
すなわち、本発明は一態様において、以下の工程(1)及び(2)を含むガラスハードディスク基板の製造方法(以下、「本発明の基板製造方法」ともいう。)に関する。
(1)分子内に窒素原子を2〜10個有する多価アミン化合物を含有するpH1.0〜4.2の研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨する工程。
(2)工程(1)で得られた基板を、pH8.0〜13.0の洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程。
本発明の基板製造方法により、研磨工程で研磨速度が維持される理由は明らかではないが、多価アミン化合物の窒素原子数が所定範囲のとき基板への吸着力が適度に調整されて、多価アミン化合物がガラス基板表面に吸着して、リーチング作用を抑制し、研磨速度が維持されると推定される。
また、アルカリ洗浄工程における表面粗さの悪化が効果的に抑制される理由は明らかではないが、研磨工程において、多価アミン化合物がガラス基板表面に吸着して、ガラス基板中のアルカリイオンの溶出を抑制することによって、脆いリーチング層の形成が抑制されるため、アルカリ洗浄工程での表面粗さの悪化が抑制されると推定される。
一般に、ガラスハードディスク基板は、溶融ガラスの型枠プレス又はシートガラスから切り出す方法によってガラス基材を得る工程から、形状加工工程、端面研磨工程、粗研削工程、精研削工程、粗研磨工程、仕上げ研磨工程、化学強化工程を経て製造される。化学強化工程は仕上げ研磨工程の前に施しても良い。また各工程の間には洗浄工程が含まれることがある。ガラスハードディスク基板は、記録部形成工程を経ることで磁気ハードディスクとなる。
[ガラス基板]
本発明の基板製造方法における研磨対象である被研磨基板、及び洗浄対象となる研磨後の基板は、ガラス基板である。前記ガラス基板としては、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガラス、化学強化工程でナトリウムがカリウムに置換されたアルミノ珪酸ガラス等のSi以外の金属原子を含有するガラスが挙げられるが、研磨速度向上の観点から、アルミノ珪酸ガラス基板、及び化学強化工程でナトリウムがカリウムに置換されたアルミノ珪酸ガラスが好ましく、アルミノ珪酸ガラス基板がより好ましい。アルミノ珪酸ガラス基板は、その構成元素としてO(酸素)以外ではSi(ケイ素)を最も多く含み、次いでAl(アルミニウム)及びNa(ナトリウム)を多く含む。通常、Siの含有量は20〜40重量%であり、Alの含有量は3〜25重量%、Naの含有量は3〜25重量%で、他にもK、Ti、Zn、S、Ca、P、B、Zr、Fe、Sr、Nb、Ba、Niなどを含むことがある。ハードディスク用として用いられる場合には、アルミノ珪酸ガラス基板は、研磨速度の向上及び基板の透明性維持の観点から、Alの含有量は、5〜20重量%が好ましく、7〜15重量%がより好ましく、Naの含有量は3〜20重量%が好ましく、5〜15重量%がより好ましい。なお、アルミノ珪酸ガラス基板中に含まれるAl及びNaの含有量は実施例に示す方法により求めることができる。
[研磨液組成物]
本発明の基板製造方法は、研磨液組成物を用いてガラス基板を研磨する工程を含み、前記研磨液組成物は、少なくとも、分子内に窒素原子を2〜10個有する多価アミン化合物(以下、「多価アミン化合物」ともいう。)を含有する。前記研磨液組成物は、好ましくは研磨砥粒、酸、及び水をさらに含有する。
[多価アミン化合物]
前記研磨液組成物に配合される多価アミン化合物中に含まれる窒素原子の数が増えるほど吸着する点が増えるため、ガラス基板に強固に吸着して、酸性研磨時のリーチング作用を抑制できると考えられる。一方、多価アミン化合物の窒素原子の個数が多すぎると、多価アミン化合物がガラス基板に強固に吸着するために研磨速度が低下すると考えられる。つまり酸性研磨時のリーチング作用の抑制と研磨速度の向上を両立するためには、多価アミン化合物は、最適な個数の窒素原子を含有する必要がある。ただし、これらの推測は本発明を限定するものではない。
本発明の研磨液組成物に使用される多価アミン化合物中に含まれる窒素原子の数は、研磨速度を維持する観点から、10個以下であり、8個以下が好ましく、6個以下がより好ましく、5個以下がさらに好ましく、4個以下がさらにより好ましく、洗浄工程における表面粗さの悪化を抑制する観点から、2個以上である。したがって、研磨速度を維持し、洗浄工程における表面粗さの悪化を抑制する観点から、多価アミン化合物中に含まれる窒素原子の数は、分子内に2〜10個、好ましくは2〜8個、より好ましくは2〜6個、さらに好ましくは2〜5個、さらにより好ましくは2〜4個である。
また、本発明の基板製造方法は、ガラス基板の清浄性を向上しうる。その理由は明らかではないが、多価アミン化合物がガラス基板表面に吸着して、基板表面が正電荷を帯び、一方、研磨後に基板上に残留する物質(シリカ粒子、研磨クズ等)にも多価アミン化合物が吸着し、正電荷を帯びる。その結果、ガラス基板と残留物との間に反発力が発生し、残留物の吸着が抑制される効果が発現すると推定される。
本発明の研磨液組成物に使用される多価アミン化合物中に含まれる窒素原子の数は、清浄性を向上する観点から、2個以上であり、3個以上が好ましい。したがって、清浄性と研磨速度の両立の観点から、多価アミン化合物に含まれる窒素原子の数は、好ましくは2〜8個、より好ましくは2〜6個、さらに好ましくは2〜5個、さらにより好ましくは3〜5個、さらにより好ましくは3〜4個である。
また、前記多価アミン化合物の分子量は、研磨速度を維持する観点から、500以下が好ましく、400以下がより好ましく、300以下がさらに好ましく、200以下がさらにより好ましく、洗浄工程における表面粗さの悪化を抑制し、さらに清浄性を向上させる観点から、40以上が好ましく、50以上がより好ましく、60以上がさらに好ましく、100以上がさらにより好ましく、150以上がさらにより好ましい。したがって、研磨速度を維持し、洗浄工程における表面粗さの悪化を抑制し、さらに清浄性を向上させる観点から、500以下が好ましく、より好ましくは40〜500、さらに好ましくは50〜500、さらにより好ましくは50〜400、さらにより好ましくは60〜300、さらにより好ましくは100〜300、さらにより好ましくは150〜200である。研磨液組成物に含有される多価アミン化合物は、一種類でもよく、二種類以上でもよい。また、前記多価アミン化合物は、塩の形態であってもよく、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、有機酸等との塩、アニオン性界面活性剤との塩が挙げられる。
前記多価アミン化合物の具体例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ペンタエチレンヘキサアミン、2‐[(2‐アミノエチル)アミノ]エタノール、2‐[メチル[2‐(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]エタノール、2,2′‐(エチレンビスイミノ)ビスエタノール、N‐(2‐ヒドロキシエチル)‐N′‐(2‐アミノエチル)エチレンジアミン、2,2′‐(2‐アミノエチルイミノ)ジエタノール、N1,N4‐ビス(ヒドロキシエチル)ジエチレントリアミン、N1,N7‐ビス(ヒドロキシエチル)ジエチレントリアミン、1,3‐ジアミノ‐2‐プロパノール、ピペラジン、1‐メチルピペラジン、3‐(1‐ピペラジニル)‐1‐プロパンアミン、1‐(2‐アミノエチル)ピペラジン、4‐メチルピペラジン‐1‐アミン、1‐ピペラジンメタンアミン、4‐エチル‐1‐ピペラジンアミン、1‐メチル‐4‐(2‐アミノエチル)ピペラジン、1‐(2‐ヒドロキシエチル)ピペラジンが挙げられるが、研磨速度を維持し、洗浄工程での表面粗さの悪化を抑制し、清浄性を向上させる観点から、2‐[(2‐アミノエチル)アミノ]エタノール、1‐(2‐アミノエチル)ピペラジン、1‐(2‐ヒドロキシエチル)ピペラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミンが好ましく、2‐[(2‐アミノエチル)アミノ]エタノール、1‐(2‐アミノエチル)ピペラジン、1‐(2‐ヒドロキシエチル)ピペラジン、ジエチレントリアミンがより好ましく、2‐[(2‐アミノエチル)アミノ]エタノール、1‐(2‐アミノエチル)ピペラジン、ジエチレントリアミンがさらに好ましく、ジエチレントリアミンがさらにより好ましい。又、特に、研磨速度を維持する観点からは、1‐(2‐ヒドロキシエチル)ピペラジンが好ましい。
また、前記多価アミン化合物は、アミンの揮発等による異臭発生防止及び作業者の安全性向上の観点から、25℃における蒸気圧が0.3mmHg以下であることが好ましく、0.25mmHg以下であることがより好ましい。このような多価アミン化合物としては、2‐[(2‐アミノエチル)アミノ]エタノール、1‐(2‐ヒドロキシエチル)ピペラジン、1‐(2‐アミノエチル)ピペラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ペンタエチレンヘキサアミンが挙げられるが、同様の観点から、2‐[(2‐アミノエチル)アミノ]エタノール、1‐(2‐ヒドロキシエチル)ピペラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ペンタエチレンヘキサアミンが好ましく、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ペンタエチレンヘキサアミンがより好ましい。ここで、25℃における蒸気圧とは一定の温度において液相又は固相と平衡にある蒸気相の圧力のことを指し、具体的には、Handbook of Chemical Compound Data for Process Safty(著:Carl L.Yaws、出版:Gulf Publishing Company)、もしくは CRC Handbook of Chemistry and Physics 88th Edition (著:Lide, D.R,(ed))に記載されている。
研磨液組成物における、多価アミン化合物の含有量は、研磨速度の維持及び基板の清浄性向上の観点から、5重量%以下が好ましく、4重量%以下がより好ましく、3重量%以下がさらに好ましく、1重量%以下がさらにより好ましく、0.5重量%以下がさらにより好ましく、0.1重量%以下がさらにより好ましく、洗浄工程における表面粗さの悪化を抑制する観点、基板の清浄性向上の観点及び循環研磨における研磨液の耐久性向上の観点から、研磨液組成物における、多価アミン化合物の含有量は、0.001重量%以上が好ましく、0.005重量%以上がより好ましく、0.01重量%以上がさらに好ましい。したがって、研磨速度を維持し、洗浄工程における表面粗さの悪化を抑制する観点、基板の清浄性向上の観点及び循環研磨における研磨液の耐久性向上の観点から、0.001〜5重量%が好ましく、0.005〜4重量%がより好ましく、0.01〜3重量%がさらに好ましく、0.01〜1重量%がさらにより好ましく、0.01〜0.5重量%がさらにより好ましく、0.01〜0.1重量%がさらにより好ましい。なお、前記含有量は、研磨液組成物中の多価アミン化合物が複数種類の場合、全多価アミン化合物の合計含有量を示す。
[研磨砥粒]
前記研磨液組成物は、研磨速度向上の観点から、研磨砥粒を含有することが好ましい。本発明に使用される研磨砥粒としては、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、表面修飾したシリカ等のシリカ、又は、アルミナ、酸化セリウム等が挙げられるが、基板の表面粗さ低減と基板の清浄性向上の観点から、コロイダルシリカが好ましい。また、研磨砥粒の使用形態としては、スラリー状であることが好ましい。
前記コロイダルシリカは、珪酸ナトリウム等の珪酸アルカリ金属塩を原料とし、水溶液中で縮合反応させて粒子を成長させる水ガラス法で得られうる。あるいは、前記コロイダルシリカは、テトラエトキシシラン等のアルコキシシランを原料とし、アルコール等の水溶性有機溶媒を含有する水中で縮合反応させて成長させるアルコキシシラン法で得られうる。また、前記ヒュームドシリカは、四塩化珪素等の揮発性珪素化合物を原料とし、酸素水素バーナーによる1000℃以上の高温下で加水分解させて成長させる気相法で得られうる。
前記研磨砥粒の一次粒子の平均粒子径は、研磨速度、清浄性向上、及び表面粗さ低減の観点から、5〜200nmが好ましく、より好ましくは7〜100nm、さらに好ましくは9〜80nm、さらにより好ましくは10〜50nmである。ここで、研磨砥粒の一次粒子の平均粒子径は、実施例に記載の方法により測定される。
研磨液組成物中における前記研磨砥粒の含有量は、研磨速度向上及び表面粗さ低減の観点から、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは2〜19重量%、さらに好ましくは3〜18重量%、さらにより好ましくは5〜16重量%である。
[酸]
前記研磨液組成物は、研磨速度向上の観点から、酸を含有することが好ましい。使用される酸としては、硝酸、硫酸、亜硫酸、過硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、アミド硫酸等の無機酸、メタンジスルホン酸、エタンジスルホン酸、フェノールジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸等の含硫黄有機酸、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1,−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等の含リン有機酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、ニトロトリ酢酸、ニトロ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、オキサロ酢酸等のカルボン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、イソクエン酸、グリコール酸等の分子内に水酸基を有する有機カルボン酸、グルタミン酸、ピコリン酸、アスパラギン酸等のアミノカルボン酸等が挙げられる。一方、基板製造における排水による水質汚染の基準であるCOD値低減の観点から、無機酸の使用が好ましく、リン酸、硫酸がより好ましい。また循環研磨における研磨液の耐久性向上の観点から、多価カルボン酸、分子内に水酸基を有する有機カルボン酸、含リン無機酸及び含リン有機酸から選ばれる一種以上が好ましく、多価カルボン酸、分子内に水酸基を有する有機カルボン酸、及び含リン有機酸から選ばれる一種以上がより好ましく、さらに好ましくは多価カルボン酸、分子内に水酸基を有する有機カルボン酸である。具体的には、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、グリコール酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、及びクエン酸から選ばれる一種以上が好ましく、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、グリコール酸、リンゴ酸、及びクエン酸から選ばれる一種以上がより好ましく、入手容易性も考慮すると、グリコール酸、リンゴ酸、及びクエン酸から選ばれる一種以上がさらに好ましい。これらの化合物は単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
前記酸は塩の形態であってもよい。これらの酸の塩を用いる場合、特に限定はなく、具体的には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム等との塩が挙げられる。これらの中でも、研磨速度向上、粗さ低減の観点からアルカリ金属又はアンモニウムとの塩が好ましい。
研磨液組成物における酸の含有量は、研磨速度向上の観点及び循環研磨における耐久性向上の観点から、0.05重量%以上が好ましく、より好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.15重量%以上である。また、前記酸の含有量は、研磨装置の腐食をさらに抑制できるため、10重量%以下が好ましく、より好ましくは7.5重量%以下、さらに好ましくは5.5重量%以下、さらにより好ましくは2重量%以下である。したがって、前記酸の含有量は、0.05〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜7.5重量%、さらに好ましくは0.15〜5.5重量%、さらにより好ましくは0.15〜2重量%である。なお、上述の酸の含有量は、研磨液組成物中の酸が複数種類の場合、全ての酸の合計含有量を示す。
研磨液組成物における多価アミン化合物と酸の重量比(多価アミン化合物の重量/酸の重量)は、研磨速度を維持し、洗浄工程における表面粗さの悪化を抑制する観点、清浄性の向上の観点、並びに循環研磨における耐久性向上の観点から、0.001〜1.0が好ましく、より好ましくは0.005〜0.5、さらに好ましくは0.01〜0.3である。
[水]
前記研磨液組成物は、媒体として水を含有することが好ましく、蒸留水、イオン交換水、純水及び超純水等が使用され得る。本発明の基板製造方法における研磨液組成物中の水の含有量は、研磨液組成物の取扱いがさらに容易になるため、55重量%以上が好ましく、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、特に好ましくは85重量%以上である。また、前記水の含有量は、研磨速度向上の観点から、99重量%以下が好ましく、より好ましくは98重量%以下、さらに好ましくは97重量%以下である。したがって、前記媒体の含有量は、55〜99重量%が好ましく、より好ましくは70〜98重量%、さらに好ましくは80〜97重量%、さらにより好ましくは85〜97重量%である。
[研磨液組成物のpH]
前記研磨液組成物のpHは、研磨速度向上及びアルカリ洗浄工程での表面粗さ低減の観点、循環研磨における耐久性向上の観点、研磨機の腐食防止及び作業者の安全性向上の観点から、1.0〜4.2であり、好ましくは1以上4.2未満、より好ましくは1.5〜4.0、さらに好ましくは1.5〜3.5、さらにより好ましくは2.0〜3.5、さらにより好ましくは2.5〜3.5である。なお、上記のpHは、25℃における研磨液組成物のpHであり、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM−30G)を用いて測定でき、電極の研磨液組成物への浸漬後3分後の数値である。
[その他の成分]
前記研磨液組成物は、さらに、殺菌剤、抗菌剤、増粘剤、分散剤、防錆剤等を含んでもよい。これらの成分の研磨液組成物中の含有量は、研磨特性の観点から、5重量%以下が好ましく、より好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは1重量%以下である。
[研磨液組成物の調製方法]
研磨液組成物は、各成分を公知の方法で混合することにより、調製することができる。研磨液組成物は、経済性の観点から、通常、濃縮液として製造され、これを使用時に希釈する場合が多い。研磨液組成物は、そのまま使用してもよいし、濃縮液であれば希釈して使用すればよい。濃縮液を希釈する場合、その希釈倍率は、特に制限されず、前記濃縮液における各成分の濃度(研磨材の含有量等)や研磨条件等に応じて適宜決定できる。
研磨液組成物のpHは、前記成分の混合後、所定のpHに調整してもよいし、混合前にそれぞれ調整していてもよい。pHの調整は、前記多価アミン化合物、前記酸、及びそれら以外のpH調整剤により行うことができる。
[洗浄剤組成物]
本発明の基板製造方法は、前記研磨液組成物を用いた研磨が施されたガラス基板を、pH8.0〜13.0の洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程を含む。洗浄剤組成物は、アルカリ剤、水、及び必要に応じて各種添加剤を含有するものが使用できる。また、洗浄剤組成物は、前記pH範囲を満たすものであれば、ガラス基板の製造工程において通常使用されるアルカリ洗浄用組成物を使用できる。
[アルカリ剤]
前記洗浄剤組成物で使用されるアルカリ剤は、無機アルカリ剤及び有機アルカリ剤のうちのいずれであってもよい。無機アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、及び水酸化ナトリウム等が挙げられる。有機アルカリ剤としては、例えば、ヒドロキシアルキルアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、及びコリンからなる群より選ばれる一種以上が挙げられる。これらのアルカリ剤は、単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
ヒドロキシアルキルアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、メチルプロパノールアミン、メチルジプロパノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等が挙げられる。なかでも、製品安定性及び環境保全性を向上させる観点から、モノエタノールアミン及びメチルジエタノールアミンが好ましく、モノエタノールアミンがより好ましい。これらのヒドロキシアルキルアミンは単独で用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。
前記アルカリ剤のうち、洗浄剤組成物の基板上の残留物の分散性の向上、保存安定性の向上、及び特にガラスに対するエッチング制御の容易化の観点から、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、及びアミノエチルエタノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
洗浄剤組成物中におけるアルカリ剤の含有量は、洗浄剤組成物の基板上の残留物に対する洗浄性を発現させ、かつ、取扱時の安全性を高める観点から、0.1〜10重量%であると好ましく、0.3〜3重量%であるとより好ましい。
洗浄剤組成物のpHは、基板上の残留物の分散性を向上させる観点から、8.0〜13.0であり、好ましくは9.0〜13.0、より好ましくは10.0〜13.0、さらに好ましくは11.0〜13.0である。なお、上記のpHは、25℃における洗浄剤組成物のpHであり、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM−30G)を用いて測定でき、電極の洗浄剤組成物への浸漬後40分後の数値である。
[各種添加剤]
前記洗浄剤組成物には、アルカリ剤以外に、非イオン界面活性剤、キレート剤、エーテルカルボキシレート、脂肪酸、アニオン性界面活性剤、水溶性高分子、消泡剤(成分に該当する界面活性剤は除く。)、アルコール類、防腐剤、酸化防止剤等が含まれていていても良い。
前記洗浄剤組成物に含まれる水以外の成分の含有量は、コスト低減や各種添加剤の充分な効果が発現される濃縮度である事と保存安定性向上との両立の観点から、水の含有量と水以外の成分の含有量の合計を100重量%とすると、好ましくは10〜60重量%であり、より好ましくは15〜50重量%であり、さらに好ましくは15〜40重量%である。
前記洗浄剤組成物は、希釈して用いられる。希釈倍率は、洗浄効率を考慮すると、好ましくは10〜500倍、より好ましくは20〜200倍、更に好ましくは50〜100倍である。希釈用の水は、下記と同様のものでよい。
[水]
前記洗浄剤組成物に含まれる水は、溶媒としての役割を果たすことができるものであれば特に制限はなく、例えば、超純水、純水、イオン交換水、又は蒸留水等を挙げることができるが、超純水、純水、又はイオン交換水が好ましく、超純水がより好ましい。尚、純水及び超純水は、例えば、水道水を活性炭に通し、イオン交換処理し、さらに蒸留したものを、必要に応じて所定の紫外線殺菌灯を照射、又はフィルターに通すことにより得ることができる。尚、洗浄剤組成物は、溶媒として上記水に加えて水系溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)をさらに含んでいてもよいが、洗浄剤組成物に含まれる溶媒は水のみからなると好ましい。
[ガラス基板の研磨工程]
本発明の基板製造方法は、上述した研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨する工程(以下「工程(1)」ということがある)を含む。工程(1)における被研磨基板は、一般に前記精研削工程を経た後のガラス基板であり、粗研磨工程後のガラス基板であることが好ましい。ガラス基板については、上述のとおりである。工程(1)は、ガラス基板の研磨対象面に研磨液組成物を供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、所定の圧力(荷重)をかけながら、研磨パッドや被研磨基板を動かすこと等によって行うことができる。この工程(1)は、最終の基板の品質を向上させる観点から、仕上げ研磨工程であることが好ましい。また、仕上げ研磨工程においては、研磨液組成物を用いて循環研磨することが好ましい。
[循環研磨]
本明細書において、循環研磨とは、ガラス基板の研磨工程において、使用した研磨液を再度研磨機に投入し、研磨液を研磨機内で循環させて再利用する手法をいう。研磨後の廃液を一度全量回収してから研磨機に再投入しても良いし、廃液を回収タンクに戻しながら連続的に研磨機に再投入しても良い。ガラス基板を酸性の研磨液組成物を用いて研磨する際には、ガラス基板に含有されているアルカリ金属イオンが溶出することがある。アルカリイオンが溶出すると研磨液のpHが上昇してしまうため、長時間研磨をしていると研磨速度が低下することを本発明者らは見出した。その際、前述の酸と多価アミン化合物を併用すると、緩衝能が増大して、研磨速度の低下を抑制し、より長時間の循環研磨が可能になると考えられる。
研磨液組成物を研磨機内で循環させて再利用する際、その再利用回数は特に制限されないが、前記研磨液組成物を用いて、ガラスハードディスク基板を好ましくは10〜30回、より好ましくは15〜30回研磨する場合の使用に適している。また、本明細書において、循環研磨は、一実施形態として、研磨液組成物を研磨機内で循環させて再利用する際、研磨機内の研磨液組成物に新しい研磨液組成物を段階的若しくは連続的に追加することを含んでもよい。本実施形態において、新しい研磨液組成物は、研磨機内の研磨液組成物のpHを1.0〜4.2の範囲、好ましくは上述のpHの範囲に調整するように添加することが好ましい。具体的には、新しく添加する研磨液組成物の添加量は、pHを1.0〜4.2の範囲に調整する量であればよいが、生産性、継続性を考慮して、循環して添加される研磨液組成物に対して、(新しく添加する研磨液組成物/循環して添加される研磨液組成物)として、0.005〜1が好ましく、0.01〜0.8がより好ましい。
[研磨装置]
ガラス基板の研磨に用いられる研磨装置としては、特に制限はなく、被研磨基板を保持する冶具(キャリア:アラミド製等)と研磨布(研磨パッド)とを備える研磨装置を用いることができる。中でも、両面研磨装置が好適に用いられる。
研磨パッドの材質としては、有機高分子等が挙げられ、前記有機高分子としては、ポリウレタン等が挙げられる。前記研磨パッドの形状は、不織布状が好ましい。例えば、粗研磨工程ではスウェード調のウレタン製硬質パッド、仕上げ研磨工程ではスウェード調のウレタン製軟質パッドが好適に用いられる。
該研磨装置を用いる研磨の具体例としては、被研磨基板をキャリアで保持し研磨パッドを貼り付けた1対の研磨定盤で挟み込み、研磨液組成物を研磨パッドと被研磨基板との間に供給し、所定の圧力の下で研磨定盤及び/又は被研磨基板を動かすことにより、研磨液組成物を被研磨基板に接触させながら被研磨基板を研磨する方法が挙げられる。
工程(1)における研磨荷重は、研磨速度を向上させる観点から、好ましくは3kPa以上、4kPa以上がより好ましく、5kPa以上がさらに好ましく、6kPa以上がさらにより好ましい。研磨中に研磨機に振動が発生しないように安定に研磨できるという観点から、好ましくは40kPa以下、30kPa以下がより好ましく、20kPa以下がさらに好ましく、15kPa以下がさらにより好ましい。従って、研磨速度を維持し、安定に研磨できるという観点から、好ましくは3〜40kPa、より好ましくは4〜30kPa、さらに好ましくは5〜20kPa、さらにより好ましくは6〜15kPaである。ここで、「研磨荷重」とは、研磨時に被研磨基板を挟み込む定盤から被研磨基板の研磨対象面に加えられる圧力をいう。
工程(1)における研磨液組成物の供給方法は、予め研磨液組成物の構成成分が十分に混合された状態で研磨パッドとガラス基板の間にポンプ等で供給する方法、研磨の直前の供給ライン内等で構成成分を混合して供給する方法、研磨砥粒スラリーと多価アミン化合物を含有する水溶液とを別々に研磨装置に供給する方法等を用いることができる。
工程(1)における研磨液組成物の供給速度は、コスト低減の観点から、被研磨基板1cm2あたり1.0mL/分以下が好ましく、より好ましくは0.6mL/分以下、さらに好ましくは0.4mL/分以下である。また、前記供給速度は、研磨速度をさらに向上できることから、被研磨基板1cm2あたり0.01mL/分以上が好ましく、より好ましくは0.025mL/分以上、さらに好ましくは0.05mL/分以上、さらにより好ましくは0.1mL/分以上である。したがって、前記供給速度は、被研磨基板1cm2あたり0.01〜1.0mL/分が好ましく、より好ましくは0.025〜0.6mL/分、さらに好ましくは0.05〜0.4mL/分、さらにより好ましくは0.1〜0.4mL/分である。また循環研磨をする場合であれば研磨液組成物を再利用できるので供給流量は上記記載の流量よりも多くなってもよい。循環研磨における研磨液組成物の供給速度は、研磨速度をさらに向上できることから、被研磨基板1cm2あたり0.1mL/分以上が好ましく、より好ましくは0.2mL/分以上、さらに好ましくは0.3mL/分以上である。また、前記供給速度の上限は、コスト低減の観点から、被研磨基板1cm2あたり3.0mL/分以下が好ましく、より好ましくは2.5mL/分以下、さらに好ましくは2.2mL/分以下である。したがって、循環研磨における供給速度は、被研磨基板1cm2あたり0.1〜3.0mL/分が好ましく、より好ましくは0.2〜2.5mL/分、さらに好ましくは0.3〜2.2mL/分である。
[ガラス基板の洗浄工程]
本発明の基板製造方法は、上述の研磨液組成物を用いた研磨が施されたガラス基板(被洗浄基板)を、上述の洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程(以下、工程(2)ということがある。)を含む。工程(2)における洗浄対象基板には、工程(1)で研磨した直後のガラス基板や、工程(1)の後に乾燥を防ぐための水等への浸漬工程、予備洗浄として水洗浄工程や酸洗浄工程等を経たガラス基板が含まれる。この工程(2)では、例えば、(a)被洗浄基板を洗浄剤組成物に浸漬するか、及び/又は、(b)洗浄剤組成物を射出して、被洗浄基板の表面上に洗浄剤組成物が供給される。
前記方法(a)において、被洗浄基板の洗浄剤組成物への浸漬条件としては、特に制限はないが、例えば、洗浄剤組成物の温度は、安全性及び操業性の観点から20〜100℃であると好ましく、浸漬時間は、洗浄剤組成物による洗浄性と生産効率の観点から10秒〜30分間であると好ましい。また、残留物の除去性及び残留物の分散性を高める観点から、洗浄剤組成物には超音波振動が付与されていると好ましい。超音波の周波数としては、好ましくは20〜2000kHzであり、より好ましくは40〜2000kHzであり、さらに好ましくは40〜1500kHzである。
前記方法(b)では、残留物の洗浄性や油分の溶解性を促進させる観点から、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出して、被洗浄基板の表面に洗浄剤組成物を接触させて当該表面を洗浄するか、又は、洗浄剤組成物を被洗浄基板の表面上に射出により供給し、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。さらには、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出により洗浄対象の表面に供給し、かつ、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。
洗浄剤組成物を被洗浄基板の表面上に供給する手段としては、スプレーノズル等の公知の手段を用いることができる。また、洗浄用ブラシとしては、特に制限はなく、例えばナイロンブラシやPVA(ポリビニルアルコール)スポンジブラシ等の公知のものを使用することができる。超音波の周波数としては、前記方法(a)で好ましく採用される値と同様であればよい。
工程(2)では、前記方法(a)及び/又は前記方法(b)に加えて、揺動洗浄、スピンナー等の回転を利用した洗浄、パドル洗浄等の公知の洗浄を用いる工程を1つ以上含んでもよい。
[実施例1〜18及び比較例1〜16]
1.被研磨ガラス基板の調製
セリア砥粒を含有する研磨液組成物であらかじめ粗研磨したアルミノ珪酸ガラス基板を被研磨ガラス基板として用意した。基板中に含まれる構成元素は、Siの含有量は27重量%、Alの含有量は9重量%、Naの含有量は6重量%であった。構成元素は、ESCA法を用い以下の測定条件で測定した。
〔ESCA測定条件〕
・試料作製
アルミノ珪酸ガラス基板を1cm×1cmに切断し、カーボン製両面テープ上に乗せ固定した。表面のゴミ等を除くためにArスパッタを加速電圧2kVで6分間かけ、ESCA測定を実施した。
・測定
機器:アルバックファイ製 PHI Quantera SXM
X線源:単色化AlKα線、1486.6eV、25W、15kV
ビーム径:100μm
X線入射角:45°
測定範囲:500×500(μm2
Pass energy:280.0(survey)、140.0eV(narrow)
Step size:1.00(survey)、0.250eV(narrow)
測定元素:C,N,O,Na,Mg,Al,Si,S,K,Ti,Zr,Nb
帯電補正:Neutralizer及びAr+照射
2.研磨液組成物の調製
イオン交換水に所定の酸を添加した後、下記の添加剤(多価アミン化合物)を実施例1〜9、11〜13、17,18、比較例2〜8、13〜16については研磨液組成物中0.1重量%になるように、実施例10については研磨液組成物中0.5重量%になるように、実施例14については研磨液組成物中0.005重量%になるように、実施例15については研磨液組成物中0.01重量%になるように、実施例16については研磨液組成物中1重量%になるようにそれぞれ添加した。さらにコロイダルシリカ(平均粒子径:25nm)を研磨液組成物中8重量%になるよう添加し、pHを所定の値に調整して実施例1〜18及び比較例1〜16の研磨液組成物を得た。使用した酸、及び、設定したpHは下記のとおりである。
〔酸〕
実施例1〜9、14〜18:クエン酸
実施例10:クエン酸+硫酸
実施例11:リンゴ酸
実施例12:グリコール酸
実施例13:1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)
比較例1〜16:クエン酸
〔pH〕
実施例1〜8、11〜18:pH3.0
実施例9:pH4.2
実施例10:pH1.5
比較例1〜7、9〜16:pH3.0
比較例8:pH4.5
〔添加剤〕
実施例1、比較例13:エチレンジアミン(和光純薬工業社製)
実施例2、比較例8、14:2‐[(2‐アミノエチル)アミノ]エタノール(日本乳化剤社製)
実施例3:ジエチレントリアミン(東ソー社製)
実施例4:トリエチレンテトラアミン(東ソー社製)
実施例5:ピペラジン(和光純薬工業社製)
実施例6、9〜18、比較例15:1‐(2‐ヒドロキシエチル)ピペラジン(日本乳化剤社製)
実施例7:1‐(2‐アミノエチル)ピペラジン(東ソー社製)
実施例8、比較例16:テトラエチレンペンタアミン(東ソー社製)
比較例1、9〜12:なし
比較例2:エチルアミン(和光純薬工業社製)
比較例3:モノエタノールアミン(シグマアルドリッチ社製)
比較例4:トリエタノールアミン(シグマアルドリッチ社製)
比較例5:ポリエチレンイミン(SP−006(分子量600)、日本触媒社製)
比較例6:ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(マーコート100)(ナルコ社製)
比較例7:アクリル酸/アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体ナトリウム塩(共重合モル比89/11、重量平均分子量2,000、東亞合成社製)
前記酸は、配合後のpHを目的のpHに調整することに使用した。使用した酸(酸の添加量)は、実施例1〜8、17、18及び比較例2〜6、13〜16の場合、研磨液組成物中にクエン酸1.1〜1.8重量%、実施例9の場合クエン酸0.41重量%、実施例10の場合硫酸0.6重量%、クエン酸1.0重量%、実施例11の場合リンゴ酸1.24重量%、実施例12の場合グリコール酸1.25重量%、実施例13の場合HEDP0.38重量%、実施例14の場合クエン酸0.70重量%、実施例15の場合クエン酸0.74重量%、実施例16の場合クエン酸5.1重量%、比較例1,9の場合クエン酸0.65重量%、比較例7の場合クエン酸0.88重量%、比較例8の場合クエン酸0.40重量%、比較例10の場合クエン酸0.65重量%、比較例11の場合クエン酸0.65重量%、比較例12の場合クエン酸0.65重量%、であった。
〔シリカ粒子の一次粒子平均粒子径の測定方法〕
コロイダルシリカを含む試料を、透過型電子顕微鏡「JEM−2000FX」(80kV、1〜5万倍、日本電子社製)により当該製造業者が添付した説明書に従って試料を観察し、TEM(Transmission Electron Microscope)像を写真撮影した。この写真をスキャナで画像データとしてパソコンに取り込み、解析ソフト「WinROOF ver.3.6」(販売元:三谷商事)を用いて、個々のシリカ粒子の円相当径を計測し、粒子径を求めた。このようにして、1000個のシリカ粒子の粒子径を求めた後、これらの平均値を算出し、この平均値を一次粒子の平均粒子径とした。
3.研磨方法
実施例1〜16、比較例1〜8、10〜16の研磨液組成物を用いた研磨は、下記の標準研磨試験の条件で行った。
〔研磨条件〕
研磨試験機:スピードファム社製「両面9B研磨機」
研磨パッド:スウェードタイプ(厚さ0.9mm、平均開孔径30μm)
研磨液組成物供給量:100mL/分(被研磨基板1cm2あたりの供給速度:約0.3mL/分)
下定盤回転数:32.5rpm
研磨荷重:8.4kPa
キャリア:アラミド製、厚さ0.45mm
研磨時間:20分
被研磨基板:アルミノ珪酸ガラス基板(外径65mm、内径20mm、厚さ0.635mm)
投入基板枚数:10枚
リンス条件:荷重=2.0kPa、時間=2分、イオン交換水供給量=約2L/分
研磨後の基板を下記洗浄条件で洗浄し評価を実施した。
実施例17、18及び比較例9の研磨液組成物を用いた循環研磨は下記の研磨試験条件で行った。
〔研磨条件〕
研磨試験機:スピードファム社製「両面9B研磨機」
研磨パッド:スウェードタイプ(厚さ0.9mm、平均開孔径30μm)
研磨液組成物供給量:100mL/分(被研磨基板1cm2あたりの供給速度:約0.3mL/分)
下定盤回転数:32.5rpm
研磨荷重:8.4kPa
キャリア:アラミド製、厚さ0.45mm
研磨時間:20分
被研磨基板:アルミノ珪酸ガラス基板(外径65mm、内径20mm、厚さ0.635mm)
投入基板枚数:10枚
リンス条件:荷重=2.0kPa、時間=2分、イオン交換水供給量=約2L/分
循環バッチ数:15バッチ
研磨液量:2L
循環研磨方法:研磨液の容器から100mL/分の流量で研磨液を供給し、ドレーンから排出される研磨済みの研磨液を、再度研磨液の容器へ戻しながら研磨を実施した。
循環研磨15バッチ目の基板を下記洗浄条件で洗浄し評価を実施した。
実施例18は研磨中に5分毎に100mlの新しい研磨液を研磨液の容器に追加した。尚、pHは研磨中3.0〜3.5の間であった。
4.洗浄方法
研磨したガラスハードディスク基板を、洗浄装置にて以下の条件で洗浄した。
(1)洗浄−1:下記の洗浄液1〜5のいずれかを入れた樹脂槽(40℃)に被洗浄基板を浸漬し、超音波を照射しながら120秒間洗浄する。
洗浄剤1:(実施例1〜18、比較例1〜9)KOH水溶液からなるpH12のアルカリ性洗浄剤組成物
洗浄剤2:(比較例10)洗浄剤1に2‐[(2‐アミノエチル)アミノ]エタノール(日本乳化剤社製)を0.1%添加して、KOH水溶液を用いてpH12に調整したアルカリ性洗浄剤組成物
洗浄剤3:(比較例11)洗浄剤1に1‐(2‐ヒドロキシエチル)ピペラジン(日本乳化剤社製)を0.1%添加して、KOH水溶液を用いてpH12に調整したアルカリ性洗浄剤組成物
洗浄剤4:(比較例12)洗浄剤1にテトラエチレンペンタアミン(東ソー社製)を0.1%添加して、KOH水溶液を用いてpH12に調整したアルカリ性洗浄剤組成物
洗浄剤5:(比較例13〜16)1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)を用いて調製したpH2.5の酸性洗浄剤組成物
(2)すすぎ−1:被洗浄基板を、超純水を入れた樹脂槽(40℃)に移し、超音波を照射しながら120秒間すすぎを行う。
(3)再度(1)と(2)を繰り返す。
(4)洗浄−2:樹脂槽内から被洗浄基板を、洗浄ブラシがセットされたスクラブ洗浄ユニットに移し、洗浄ブラシに常温の洗浄剤組成物を射出し、該洗浄剤組成物の存在下で洗浄ブラシを該基板の両面に400rpmで回転させながら押し当てることにより、洗浄を5秒間行う。洗浄剤組成物には、「(1)洗浄−1」で用いた洗浄剤組成物と同組成のものを用いる。
(5)すすぎ−2:次のスクラブ洗浄ユニットに被洗浄基板を移し、常温の超純水を射出し、洗浄ブラシを該基板の両面に400rpmで回転させながら押し当てることにより、すすぎを5秒間行う。
(6)再度(4)と(5)を繰り返す。
(7)すすぎ−3:超純水を入れた樹脂槽に移し、10分間すすぎを行う。
(8)乾燥:温純水(60℃)を入れた樹脂槽に移し、60秒間浸漬した後、250mm/分の速度で被洗浄基板を引き上げ、420秒間放置し、完全に基板表面を乾燥させる。
5.評価方法
研磨速度、表面粗さ、基板清浄性、及びアミン臭の評価は、以下のように行った。
〔研磨速度の測定方法〕
研磨前後の基板の重量差(g)を該基板の密度(2.46g/cm3)、基板の表面積(30.04cm2)、及び研磨時間(分)で除した単位時間当たりの研磨量を計算し、研磨速度(μm/分)を算出した。その結果を、下記表1及び2に、比較例1を100とした相対値として示す。
〔表面粗さの測定方法〕
前述の研磨方法により得られた同じ研磨処理を施した基板10枚のうち、無作為に4枚ずつ2組を選択し、それぞれ洗浄剤組成物を用いない水洗浄、及び洗浄剤組成物を用いたアルカリ洗浄を行い、それぞれの表面粗さを測定した。表面粗さは、各々の基板の両面を、以下に示す条件にて、AFM(Digital Instrument NanoScope IIIa Multi Mode AFM)を用いて測定し、平均値を算出した。またアルカリ洗浄後の基板の表面粗さを水洗浄後の基板の表面粗さで除して、アルカリ洗浄による表面粗さの悪化率を算出した。これらの結果を下記表1〜3に示す。
(AFMの測定条件)
Mode: Tapping mode
Area: 1×1μm
Scan rate: 1.0Hz
Cantilever: NCH−10V
Line: 512×512
〔基板清浄性の評価:残留パーティクルの測定方法〕
ガラスハードディスク基板を研磨・洗浄・乾燥した後、下記に示す方法で基板上に残留したパーティクル数を測定した。
測定機器:KLA Tencor社製、OSA7100
評価:前述の研磨方法により研磨した基板10枚のうち、無作為に4枚を選択し、各々の基板を10000rpmにてレーザーを照射して突起欠陥を測定した。その4枚の基板の各々両面にある突起欠陥数(個)の合計を8で除して、基板面当たりのパーティクル数として算出した。その結果を、下記表1〜3に、比較例1を100とした相対値として示す。
〔アミン臭の評価〕
表1に示す各研磨液組成物について、室温条件において、3名のパネラーによる官能評価により以下の評価基準に従ってアミン臭を評価した。
〔評価基準〕
N:アミン臭ほとんど無し
D:アミン臭有り
下記表1は、実施例1〜18と比較例1〜9の結果をまとめた表である。なお、実施例17及び18並びに比較例9は、循環研磨の結果である。なお、実施例18は、上述のとおり、循環研磨中に5分毎に100mlの新しい研磨液を研磨液の容器に追加した例である。
Figure 2012107226
上記表1に示すとおり、実施例1〜16は、比較例1〜8に比べて優れた研磨速度、表面粗さ及び清浄性を示した。また、循環研磨の実施例17及び18も、比較例9に比べて優れた研磨速度、表面粗さ及び清浄性を示し、循環研磨においてもその効果が持続することが示された。
下記表2は、比較例10〜12の結果を、表1の実施例2、実施例6、実施例8及び比較例1の結果と併せてまとめた表である。また、下記表3は、比較例13〜16の結果を、表1の実施例1,2,6及び8の結果と併せてまとめた表である。
Figure 2012107226
Figure 2012107226
上記表2に示すとおり、実施例2、実施例6、実施例8は、比較例1及び実施例2,6,8における研磨剤の添加剤が、それぞれ、研磨剤ではなく洗浄剤に添加された比較例10〜12に比べて優れた表面粗さ及び清浄性を示した。また、上記表3に示す通り、実施例1は比較例13に比べ優れた清浄性を示し、実施例2は比較例14に比べ優れた清浄性を示し、実施例6は比較例15に比べ優れた清浄性を示し、実施例8は比較例16に比べ優れた清浄性を示した。
上記表2及び3から、多価アミン化合物を含有した酸性の研磨液組成物で研磨し、アルカリ性の洗浄剤組成物で洗浄することで得られる本発明の優れた効果(優れた研磨速度、表面粗さ及び清浄性)と同等の効果は、洗浄剤がアルカリ洗浄剤ではなく酸性洗浄剤であったり、研磨液組成物にではなくアルカリ洗浄剤に多価アミン化合物が含有されていたりする場合には得られないことが示された。
本発明の基板製造方法によれば、研磨工程において研磨速度を得ることができ、アルカリ洗浄工程でのガラス基板の表面粗さの悪化を効果的に抑制することが可能なガラスハードディスク基板の製造方法を提供できる。したがって、本発明の基板製造方法は、ガラスハードディスク基板の製造において有用である。

Claims (7)

  1. 以下の工程(1)及び(2)を含む、ガラスハードディスク基板の製造方法。
    (1)分子内に窒素原子を2〜10個有する多価アミン化合物を含有するpH1.0〜4.2の研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨する工程。
    (2)工程(1)で得られた基板を、pH8.0〜13.0の洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程。
  2. 前記多価アミン化合物の分子量が500以下である、請求項1に記載のガラスハードディスク基板の製造方法。
  3. 前記被研磨ガラス基板がアルミノ珪酸ガラス基板である、請求項1又は2に記載のガラスハードディスク基板の製造方法。
  4. 前記研磨液組成物が、さらに、多価カルボン酸、含リン無機酸、及び含リン有機酸から選ばれる一種以上の酸を含有する、請求項1から3のいずれかに記載のガラスハードディスク基板の製造方法。
  5. 前記研磨液組成物がシリカを含有する、請求項1から4いずれかに記載のガラスハードディスク基板の製造方法。
  6. 工程(1)が循環研磨工程を含む、請求項1から5いずれかに記載のガラスハードディスク基板の製造方法。
  7. 前記循環研磨工程が、循環研磨に使用する研磨液組成物のpHを、新しい研磨液組成物を補充することにより、pH1.0〜4.2に調整することを含む、請求項6記載のガラスハードディスク基板の製造方法。
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