JP2012017626A - 作業機械の作業範囲制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業機械の作業範囲制御装置に関し、フロント装置での作業時において安定性を向上させつつ作業性を向上させる。
【解決手段】下部走行体に対する上部旋回体の旋回姿勢を検出する旋回姿勢検出手段11L,11Rを設ける。また、フロント装置の作業範囲としての側方作業範囲を記憶する第一記憶手段32と、フロント装置の作業範囲として作業機械の機体中心から外端までの水平距離が該側方作業範囲よりも大きく設定された前方作業範囲を記憶する第二記憶手段33とを設ける。
さらに、フロント装置の作業範囲を制限する制御手段37を設け、該旋回姿勢が側方姿勢である場合に作業範囲を該側方作業範囲の内側に制限する。一方、該旋回姿勢が前方姿勢である場合に作業範囲を該前方作業範囲の内側まで拡大する。
【選択図】図5

Description

本発明は、フロント装置を備えた作業機械の作業範囲を制御する作業範囲制御装置に関する。
従来、ブーム,ジブ,アーム及び破砕機の四部位からなるロング解体仕様のフロント装置を備えた解体作業機が開発されている。このような作業機械では、フロント装置の全長が長く、姿勢が不安定になりやすい。そこで、機体の重心位置を随時演算して、転倒に対する安定性を向上させる技術が提案されている。
例えば、機体の重心位置に応じて警報を発する技術が知られている。この場合、フロント装置を構成する各部位の関節部に角度センサを設け、フロント装置の姿勢から機体の重心位置を演算する。また、下部走行体の接地面における安定支点の支持力を演算し、機体後方側の安定支点での支持力が所定値以下になったときに警報を発する(特許文献1参照)。このような技術を用いることで、安定支点での支持力や重心位置をモニタに表示して、機体の安定度を搭乗者に報知することが可能となる。
また、フロント装置の旋回状態を検出することで機体の安定性を検証する技術も提案されている。例えば、下部走行体に対する上部旋回体の旋回角を検出し、この旋回角が作業に適さないアタッチメント禁止角度範囲θであるときに、フロント装置の先端に設けられたアタッチメント装置の駆動を停止させる技術が知られている(特許文献2参照)。このような技術を用いれば、機体が不安定となる旋回角での作業を禁止することが可能となる。
特開平7−247578号公報 特開2007−113246号公報
ところで、作業機械の下部走行体に設けられる走行装置はその走行方向である前後方向の寸法が幅方向の寸法よりも大きく形成されており、下部走行体の接地面は下部走行体の車幅方向よりも前後方向に長い。そのため、機体の安定性を確保するための制御は、最も条件が厳しい横向き姿勢(上部旋回体の正面が下部走行体の車幅方向に向いた姿勢)を前提とすることが望ましい。上述の特許文献1のような技術においても、旋回角に関わらず、少なくとも横向き姿勢の状態になったとしても転倒が生じないように制御が実施される。
一方、機体の転倒に対する安定性は、下部走行体に対する上部旋回体の旋回角に依存する。例えば、上部旋回体の正面が下部走行体の前後方向に向いた前向き姿勢では、横向き姿勢のときよりも安定性が高まり、より遠くまでフロント装置を伸ばすことが可能である。
しかしながら、上述のような従来の技術では、このような特性が考慮された制御が実施されていないため、たとえ前向き姿勢であったとしても、横向き姿勢のときと同じ条件でフロント装置の動作が制限されてしまう。したがって、実際には安定性が高い作業姿勢であったとしても、常に過剰に安定側の制御が実施されることになり、作業範囲が狭くなるとともに作業性が低下するという課題がある。
本件の目的の一つは、このような課題に鑑み創案されたもので、フロント装置での作業時において、安定性を向上させつつ作業性を向上させることができるようにした作業機械の作業範囲制御装置を提供することである。
なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)開示の作業機械の作業範囲制御装置は、フロント装置が軸支された上部旋回体を旋回可能に支持する下部走行体を具備する作業機械の作業範囲制御装置である。すなわち、該下部走行体に対する該上部旋回体の旋回姿勢を検出する旋回姿勢検出手段を備える。また、該フロント装置の作業範囲としての側方作業範囲を記憶する第一記憶手段と、該フロント装置の作業範囲として、該作業機械の機体中心から外端までの水平距離が該側方作業範囲よりも大きく設定された前方作業範囲を記憶する第二記憶手段とを備える。さらに、該旋回姿勢が該下部走行体の側方を向いた側方姿勢である場合に、該フロント装置の作業範囲を該側方作業範囲の内側に制限するとともに、該旋回姿勢が該下部走行体の前方又は後方を向いた前方姿勢である場合に、該フロント装置の作業範囲を該前方作業範囲の内側まで拡大する制御手段を備える。
例えば、上部旋回体の姿勢が前向き姿勢のときには、横向き姿勢のときよりも遠くまでフロント装置が届くように制御する。
(2)該フロント装置の節点角度を検出する角度検出手段と、該角度検出手段で検出された該節点角度に基づき、該フロントの先端部の位置を演算する位置演算手段とを備える。この場合、該制御手段は、該旋回姿勢が該側方姿勢である場合に、該位置演算手段で演算された該位置が該側方作業範囲の外端を超える該フロント装置の操作を禁止し、該旋回姿勢が該前方姿勢である場合に、該位置演算手段で演算された該位置が該前方作業範囲の外端を超えないまでの該フロント装置の操作を許容する。
(3)該制御手段が、該旋回姿勢が該前方姿勢である場合に、該旋回姿勢が該前方姿勢以外の姿勢になることを禁止する。
(4)該下部走行体及び該上部旋回体の何れか一方に設けられた板部材と、該下部走行体及び該上部旋回体の何れか他方に該板部材と対向して設けられ、該板部材の近接状態を検出する近接スイッチと、該作業機械の搭乗者によってオン/オフの二位置に操作される前方作業スイッチとを備える。この場合、該制御手段が、該近接スイッチで該近接状態が検出されかつ該前方作業スイッチがオン操作されている場合に、該位置演算手段で演算された該位置が該前方作業範囲の外端を超えないまでの該フロント装置の操作を許容する。さらに、該制御手段が、該近接スイッチで該近接状態が検出されかつ該前方作業スイッチがオフ操作されている場合に、該旋回姿勢が該側方姿勢である場合と同一の制御を実施する。
(5)該フロント装置が、先端側に連結されるアーム及び基端側に連結されるブームを有し、該角度検出手段が、該アーム及び該ブームのそれぞれの基端部の節点角度を検出する。さらに、該作業機械の搭乗者によってオン/オフの二位置に操作される垂直移動スイッチを備える。加えて、該垂直移動スイッチがオンに操作された状態でのアーム操作時に、該アームの基端部の節点角度及び該ブームの基端部の節点角度に基づき、該ブームを該アームと同時に作動させて該アームの先端を垂直方向に移動させる軌跡制御手段を備える。
(6)該軌跡制御手段が、該ブームの角速度の目標値を演算する目標ブーム角速度演算手段と、該角速度の目標値に基づき、該ブームを駆動するブームシリンダの伸縮速度の目標値を演算する目標ブームシリンダ速度演算手段と、を有する。
(7)該制御手段が、該旋回姿勢が該側方姿勢である場合に、該フロント装置の基端部仰角の最小値を第一所定値以上に制限するとともに、該旋回姿勢が該前方姿勢である場合に、該最小値を該第一所定値よりも小さい第二所定値以上に制限する。
(8)該フロント装置の基端部及び該上部旋回体の何れか一方に固定された基端プレートと、該フロント装置の基端部及び該上部旋回体の何れか他方に固定され、該基端プレートの近接状態を検出するブーム近接スイッチとを備える。この場合、該制御手段が、該ブーム近接スイッチで検出された該近接状態に基づき、該フロント装置の仰角を制御する。
開示の作業機械の作業範囲制御装置によれば、上部旋回体の旋回姿勢が側方姿勢である場合には、フロント装置の作業範囲を狭めて安定性を向上させることができる。一方、旋回姿勢が前方姿勢である場合には、フロント装置の作業範囲を側方姿勢のときよりも遠方まで拡大することができ、安定性を確保しつつ作業性を向上させることができる。
作業範囲制御装置を備えた油圧ショベルの側面図である。 油圧ショベルの下部走行体を基準としたフロント装置の作業域を示す模式図である。 油圧システムの作業半径を示す模式図である。 油圧ショベルの油圧回路図である。 油圧ショベルのコントローラを説明するためのブロック構成図である。 油圧ショベルのフロント装置の姿勢に関するパラメータを説明するための側面図である。 油圧ショベルの作業範囲制御に係るリレー回路を示すラダー図である。 油圧ショベルの側方作業域での作業範囲を説明するための側面図である。 油圧ショベルの前方作業域での作業範囲を説明するための側面図である。 油圧ショベルの油圧回路図である。 油圧ショベルのコントローラを説明するためのブロック構成図である。 油圧ショベルのジブ自動制御部を説明するためのブロック構成図である。 油圧ショベルのブーム自動制御部を説明するためのブロック構成図である。 油圧ショベルのフロント装置の姿勢に関するパラメータを説明するための側面図である。 フロント装置のジブ及びアームを拡大して示す部分側面図である。 フロント装置のジブシリンダを拡大して示す部分側面図である。 フロント装置の姿勢に関するパラメータを説明するための側面図である。 コントローラで実行される制御手順を例示するフローチャートである。 コントローラで実行される制御手順を例示するフローチャートである。 油圧ショベルのブーム基端部を示す図であり、(a)は側面図、(b)は上面図である。 油圧ショベルのブームの傾斜角を示す模式図である。 油圧ショベルの油圧回路図である。 油圧ショベルの作業範囲制御に係るリレー回路を示す回路図である。
以下、図面を参照して作業機械の作業範囲制御装置の実施形態を説明する。ただし、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下に示す実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。すなわち、その趣旨を逸脱しない範囲で本実施形態を種々変形して実施してもよい。
[第一実施形態]
[1.機体構成]
第一実施形態として開示する作業範囲制御装置は、図1に示す油圧ショベル30(作業機械)に適用される。この油圧ショベル30は、クローラ式の走行装置を装備した下部走行体1と、下部走行体1に搭載された上部旋回体2とを備える。上部旋回体2は、旋回装置を介して下部走行体1の上に旋回自在に設けられる。旋回装置の駆動源は油圧式の旋回モータ25である。
上部旋回体2の車両前方側には、車両前方へ延出するロング解体仕様のフロント装置29が設けられ、その左側方に操作者が搭乗するキャブが設けられる。
フロント装置29は、上部旋回体2に基端部を軸支されたブーム3と、ブーム3の先端に軸支されたジブ4と、ジブ4の先端に軸支されたアーム5と、さらにアーム5の先端に軸支された破砕機6とを有する。ブーム3及び上部旋回体2の間には左右一対のブームシリンダ3aが介装され、伸縮動作によりブーム3を上下方向に駆動する。同様に、ブーム3及びジブ4間にはジブシリンダ4aが介装され、ジブ4及びアーム5間にはアームシリンダ5aが介装され、アーム5及び破砕機6間にはバケットシリンダ6a(アタッチメントシリンダ)が介装される。これらのジブシリンダ4a,アームシリンダ5a及びバケットシリンダ6aは、伸縮動作によりジブ4,アーム5及び破砕機6をそれぞれ揺動駆動する。
上部旋回体2とブーム3との連結部には、ブーム角αを検出するブーム角センサ7が設けられる。ブーム角αは、地面(上部旋回体2の底面)を基準としたブーム3の仰角である。同様に、ブーム3とジブ4との連結部にはジブ角センサ8が設けられ、ジブ4とアーム5との連結部にはアーム角センサ9が設けられる。ジブ角センサ8はブーム3に対するジブ4の角度をジブ角βとして検出し、アーム角センサ9はジブ4に対するアーム5の角度をアーム角γとして検出する。これらの角度は、後述するコントローラ18に伝達される。これらのブーム角センサ7,ジブ角センサ8,アーム角センサ9は、フロント装置29の節点角度を検出する角度検出手段である。
ブーム角α,ジブ角β及びアーム角γの符号は、図6に示すように、油圧ショベル30を左側面から見て、ブーム3の基端部を原点として右回りの旋回方向を正とする。また、ブーム3の基端部が上部旋回体2に軸支される位置を軸心oと呼ぶ。下部走行体1の接地面が水平であることを前提とすると、この接地面から軸心oまでの鉛直距離はZ0である。さらに、ブーム3がジブ4を軸支する位置を軸心aと呼び、ジブ4がアーム5を軸支する位置を軸心bと呼び、アーム5が破砕機6を軸支する位置を軸心cと呼ぶ。以下の説明は、下部走行体1の接地面が水平である場合を想定したものとする。
油圧ショベル30には、図1,図2に示すように、下部走行体1に対する上部旋回体2の旋回角を検出するための装置として、一対のプレート10a,10b(板部材)と一対の近接スイッチ11L,11R(旋回姿勢検出手段)とが設けられる。一対のプレート10a,10bは、旋回中心を挟んで互いに向かい合うように前後方向に間隔を空けて、下部走行体1に固定される。また、一対の近接スイッチ11L,11Rは一対のプレート10a,10bに対向する位置で車幅方向に間隔を空けて、上部旋回体2に固定される。一対の近接スイッチ11L,11Rは、検知範囲内に一対のプレート10a,10bが位置しているときにその存在を検知し、信号をコントローラ18及び後述するリレー回路C6に伝達する。
ここでは、図2に示すように、油圧ショベル30の下部走行体1を基準として、前方作業域及び側方作業域の二種類の作業域を想定している。前方作業域とは、上部旋回体2の正面(旋回中心から見てフロント装置29位置する側)が下部走行体1の前後方向に向いた前向き姿勢でのフロント装置29の作業域である。一方、側方作業域とは、上部旋回体2の正面が下部走行体1の車幅方向に向いた横向き姿勢でのフロント装置29の作業域である。本油圧ショベル30は、フロント装置29の作業域が前方作業域であるか側方作業域であるかを判別し、これらの作業域の種類に応じた制御を実施する。
例えば、図2に示す状態では、一対の近接スイッチ11L,11Rがともにプレート10aを検知しており、フロント装置29の作業域は前方作業域である。上部旋回体2が時計回りに旋回すると、一対の近接スイッチ11L,11Rも旋回中心の周りを時計回りに回転移動する。フロント装置29の作業域が前方作業域から側方作業域へと移動する直前には、一方の近接スイッチ11Rがプレート10aを検知しなくなる。さらにフロント装置29の作業域が側方作業域となるまで上部旋回体2が旋回すると、両方の近接スイッチ11L,11Rがプレート10aを検知しなくなる。
一対の近接スイッチ11L,11Rの検知状態は、上部旋回体2の下部走行体1に対する旋回角度に対応する。また、二つの近接スイッチ11L,11Rの検知状態を参照することで、上部旋回体2の下部走行体1に対する旋回方向が把握される。
なお、これらのプレート10a,10b及び近接スイッチ11L,11Rの固定位置は適宜変更可能である。例えば、これらを旋回ベアリングの内側に設けてもよいし、あるいはプレート10a,10bを上部旋回体2側に固定するとともに近接スイッチ11L,11Rを下部走行体1側に固定してもよい。
油圧ショベル30では、上記の作業域に応じた二種類の作業半径が予め設定されている。図3に示すように、前方作業域での作業半径R1は、側方作業域での作業半径R2よりも大きく設定される。作業半径R2は通常作業時の作業半径であり、作業半径R1は前方作業域でのみ許容される延長された作業半径である。
油圧ショベル30のキャブ内には作業半径を拡大するための前方作業スイッチ12が設けられ、この前方作業スイッチ12がオン操作されている場合に限り、前方作業域でのフロント装置29の作業範囲が拡大される。なお、前方作業スイッチ12がオフの場合には、フロント装置29が前方作業域に位置していたとしても、作業範囲が図3中に破線で示す作業半径R2の内側に制限される。
[2.油圧回路]
[2−1.メイン回路]
図4に、油圧ショベル30の油圧回路を示す。この油圧回路には、油圧アクチュエータ(各種油圧駆動装置)に供給される作動油が流通するメイン回路C1と、複数のパイロット回路とが設けられる。
メイン回路C1には、エンジンによって駆動される油圧ポンプ41が設けられる。ここでは、メイン回路C1上の油圧アクチュエータとして、前述のブームシリンダ3a,ジブシリンダ4a,アームシリンダ5a及び旋回モータ25が表示されており、その他の油圧アクチュエータを省略している。
油圧ポンプ41は、図示しないエンジンによって駆動される容量可変型の作動油ポンプであり、作動油タンク24から作動油を吸引し、各油圧アクチュエータに作動油を供給する。油圧ポンプ41には、傾転斜板の傾斜角を調整することにより吐出流量及び吐出圧を制御するレギュレータが併設される。
油圧ポンプ41と各油圧アクチュエータとの間には、複数の制御弁を内蔵したコントロールバルブユニット40が介装される。コントロールバルブユニット40は、旋回制御弁22,ブーム制御弁26,ジブ制御弁27及びアーム制御弁28を備える。これらの制御弁22,26〜28は、操作レバーへの入力に応じて流量制御スプールの位置を複数の位置に切り替え、作動油の流通方向及び流量を可変制御する。これらの制御弁22,26〜28のスプール位置は、スプールの両端に導入されるパイロット圧に応じて制御される。
各制御弁22,26〜28は、前述の各油圧アクチュエータに対応して設けられる。例えば、旋回モータ25に供給される作動油の流通方向及び流量は、旋回制御弁22で制御される。同様に、ブーム制御弁26,ジブ制御弁27及びアーム制御弁28はそれぞれ、ブームシリンダ3a,ジブシリンダ4a及びアームシリンダ5aに供給される作動油の流通方向及び流量を制御する。
パイロット回路は各制御弁22,26〜28のスプールの両端に接続される回路であり、ここでは旋回パイロット回路C2,ブームパイロット回路C3,ジブパイロット回路C4,アームパイロット回路C5を例示する。旋回パイロット回路C2は旋回制御弁22のパイロット回路であり、ブームパイロット回路C3はブーム制御弁26のパイロット回路である。同様に、ジブパイロット回路C4,アームパイロット回路C5はそれぞれ、ジブ制御弁27,アーム制御弁28のパイロット回路である。
[2−2.旋回パイロット回路]
旋回パイロット回路C2には、旋回操作レバー21の下端部に固定された旋回リモコン弁21L,21Rが設けられる。旋回リモコン弁21L,21Rはそれぞれ、旋回操作レバー21に入力される操作量及び操作方向に応じた大きさのパイロット圧を生成する制御弁である。これらの旋回リモコン弁21L,21Rには、パイロットポンプ20及び作動油タンク24が接続される。なお、一方の旋回リモコン弁21Lは上部旋回体2の左回転方向(反時計回り)への旋回操作に係るパイロット圧を生成し、他方の旋回リモコン弁21Rは右回転方向(時計回り)への旋回操作に係るパイロット圧を生成する。
旋回リモコン弁21Lと旋回制御弁22との間のパイロット通路上には、旋回制限電磁弁23Lが介装される。同様に、旋回リモコン弁21Rと旋回制御弁22との間のパイロット通路上には、旋回制限電磁弁23Rが介装される。これらの旋回制限電磁弁23L,23Rは、後述するリレー回路C6によってスプール位置が二位置に切り換えられる電磁弁であり、非通電時にスプール位置をa位置とし、通電時にスプール位置をb位置に変更する。
旋回制限電磁弁23L,23Rは、図4に示すように、スプール位置がa位置の時に旋回リモコン弁21L,21Rと旋回制御弁22との間のパイロット通路を遮断し、旋回制御弁22のパイロット圧を作動油タンク24側に開放(連通)する。また、スプール位置がb位置の時に旋回リモコン弁21L,21Rと旋回制御弁22との間のパイロット通路を接続する。つまり、旋回制限電磁弁23L,23Rは、旋回操作レバー21による旋回操作を許可又は禁止するように機能する。
[2−3.ブームパイロット回路]
ブームパイロット回路C3には、ブーム操作レバー42の下端部に固定されたブームリモコン弁42L,42Rが設けられる。
ブームリモコン弁42L,42Rはそれぞれ、ブーム操作レバー42に入力される操作量及び操作方向に応じた大きさのパイロット圧を生成する制御弁である。これらのブームリモコン弁42L,42Rには、パイロットポンプ20及び作動油タンク24が接続される。なお、一方のブームリモコン弁42Lはブーム上げ操作に係るパイロット圧を生成し、他方のブームリモコン弁42Rはブーム下げ操作に係るパイロット圧を生成する。これらのブームリモコン弁42L,42Rのうち、ブーム操作レバー42の傾動方向に対応する一方がその傾動角度に応じて開放され、開度に応じたパイロット圧を発生させる。
ブームリモコン弁42Rとブーム制御弁26との間のパイロット通路上には、ブーム制限電磁弁15が介装される。ブーム制限電磁弁15は、コントローラ18によってスプール位置が二位置に切り換えられる電磁弁である。
ブーム制限電磁弁15は、スプール位置がa位置の時にブームリモコン弁42Rとブーム制御弁26との間のパイロット通路を遮断し、ブーム制御弁26のパイロット圧を作動油タンク24側に開放(連通)する。また、スプール位置がb位置の時にブームリモコン弁42Rとブーム制御弁26との間のパイロット通路を接続する。つまり、ブーム制限電磁弁15は、ブーム操作レバー42によるブーム3の下げ操作(ブームシリンダ3aの縮小動作)を許可又は禁止するように機能する。
[2−4.ジブパイロット回路]
ジブパイロット回路C4には、ジブ操作レバー43の下端部に固定されたジブリモコン弁43L,43Rが設けられる。
ジブリモコン弁43L,43Rはそれぞれ、ジブ操作レバー43に入力される操作量及び操作方向に応じた大きさのパイロット圧を生成する制御弁である。これらのジブリモコン弁43L,43Rには、パイロットポンプ20及び作動油タンク24が接続される。これらのジブリモコン弁43L,43Rのうち、ジブ操作レバー43の傾動方向に対応する一方がその傾動角度に応じて開放され、開度に応じたパイロット圧を発生させる。なお、一方のジブリモコン弁43Lはジブ上げ操作に係るパイロット圧を生成し、他方のジブリモコン弁43Rはジブ下げ操作に係るパイロット圧を生成する。
ジブリモコン弁43Lとジブ制御弁27との間のパイロット通路上には、ジブ制限電磁弁16Lが介装される。同様に、ジブリモコン弁43Rとジブ制御弁27との間のパイロット通路上には、ジブ制限電磁弁16Rが介装される。ジブ制限電磁弁16L,16Rは、コントローラ18によってスプール位置が二位置に切り換えられる電磁弁である。
ジブ制限電磁弁16L,16Rは、スプール位置がa位置の時にジブリモコン弁43L,43Rとジブ制御弁27との間のパイロット通路を遮断し、ジブ制御弁27のパイロット圧を作動油タンク24側に開放(連通)する。また、スプール位置がb位置の時にジブリモコン弁43L,43Rとジブ制御弁27との間のパイロット通路を接続する。つまり、ジブ制限電磁弁16L,16Rは、ジブ操作レバー43によるジブシリンダ4aの操作を許可又は禁止するように機能する。
[2−5.アームパイロット回路]
アームパイロット回路C5の回路構成は、ジブパイロット回路C4と同様である。アームパイロット回路C5には、アーム操作レバー44の下端部に固定されたアームリモコン弁44L,44Rが設けられる。
アームリモコン弁44L,44Rはそれぞれ、アーム操作レバー44に入力される操作量及び操作方向に応じた大きさのパイロット圧を生成する制御弁である。これらのアームリモコン弁44L,44Rには、パイロットポンプ20及び作動油タンク24が接続される。これらのアームリモコン弁44L,44Rのうち、アーム操作レバー44の傾動方向に対応する一方がその傾動角度に応じて開放され、開度に応じたパイロット圧を発生させる。なお、一方のアームリモコン弁44Lはアームイン操作に係るパイロット圧を生成し、他方のアームリモコン弁44Rはアームアウト操作に係るパイロット圧を生成する。
アームリモコン弁44Lとアーム制御弁28との間のパイロット通路上には、アーム制限電磁弁17Lが介装される。同様に、アームリモコン弁44Rとアーム制御弁28との間のパイロット通路上には、アーム制限電磁弁17Rが介装される。これらのアーム制限電磁弁17L,17Rは、コントローラ18によってスプール位置が二位置に切り換えられる電磁弁である。
アーム制限電磁弁17L,17Rは、スプール位置がa位置の時にアームリモコン弁44L,44Rとアーム制御弁28との間のパイロット通路を遮断し、アーム制御弁28のパイロット圧を作動油タンク24側に開放(連通)する。また、スプール位置がb位置の時にアームリモコン弁44L,44Rとアーム制御弁28との間のパイロット通路を接続する。つまり、アーム制限電磁弁17L,17Rは、アーム操作レバー44によるアームシリンダ5aの操作を許可又は禁止するように機能する。
[3.コントローラ]
図5に示すコントローラ18(制御手段)は、周知のマイクロプロセッサやCPU,ROM,RAM等を集積したLSIデバイスとして提供された電子制御装置である。コントローラ18の入力側には、ブーム角センサ7,ジブ角センサ8,アーム角センサ9,一対の近接スイッチ11L,11R及び前方作業スイッチ12が接続される。コントローラ18は、これらから伝達される情報に基づき、フロント装置29の動作を制御する。
コントローラ18の内部でソフトウェア又はハードウェア回路としてプログラミングされている機能を図5中に模式的に示す。コントローラ18は、位置演算部31,側方作業範囲データ記憶部32,前方作業範囲データ記憶部33,旋回角度判定部34,フロント部材データ記憶部35,データ切換器36及び作業範囲制限判定部37を備える。
フロント部材データ記憶部35は、フロント装置29の各部材の寸法に関する情報を記憶する。例えば、図6に示すように、軸心oから軸心aまでの距離L1(ブーム長),軸心aから軸心bまでの距離L2(ジブ長),軸心bから軸心cまでの距離L3(アーム長),下部走行体1の接地面から軸心oまでの鉛直距離Z0等がフロント部材データ記憶部35に記憶され、位置演算部31での演算に随時使用される。
位置演算部31(位置演算手段)は、ブーム角センサ7,ジブ角センサ8及びアーム角センサ9で検出されたブーム角α,ジブ角β及びアーム角γに基づき、アーム5の先端の座標を演算する。位置演算部31は、軸心oから接地面まで下ろした垂線の足を原点とした座標系で、軸心cの位置を演算する。軸心cの座標(XC,YC)はそれぞれ以下の式1,2で与えられる。ここで演算されたアーム先端位置としての軸心cの座標は、作業範囲制限判定部37に伝達される。
Figure 2012017626
側方作業範囲データ記憶部32(第一記憶手段)は、側方作業域で許容されるフロント装置29の作業範囲を記憶し、前方作業範囲データ記憶部33(第二記憶手段)は、前方作業域で許容されるフロント装置29の作業範囲を記憶する。例えば、側方作業域の作業半径R2が側方作業範囲データ記憶部32に記憶され、前方作業域の作業半径R1が前方作業範囲データ記憶部33に記憶される。
旋回角度判定部34は、一対の近接スイッチ11L,11R及び前方作業スイッチ12で検出された情報に基づき、フロント装置29の作業域及び作業状態を判定するものであり、オア演算器34a及びアンド演算器34bを備える。
オア演算器34aは、一対の近接スイッチ11L,11Rから伝達される信号の論理和を出力するものである。フロント装置29が前方作業域に位置するときには、オア演算器34aからの出力信号がオンとなり、側方作業域に位置するときに、オア演算器34aからの出力信号がオフ信号となる。
アンド演算器34bは、オア演算器34aから出力された信号と前方作業スイッチ12から伝達される信号との論理積を出力するものである。ここでは、前方作業スイッチ12がオンに操作され、かつ、フロント装置29が前方作業域に位置するときにのみオン信号が出力される。
データ切換器36は、旋回角度判定部34から伝達される信号に基づき、側方作業範囲データ記憶部32,前方作業範囲データ記憶部33に記憶された作業範囲の情報のうちの何れか一方を選択し、これを作業範囲制限判定部37に伝達するものである。ここでは、アンド演算器34bの出力信号がオフ信号である場合に前者が選択され、オン信号である場合に後者が選択される。
つまり、前方作業スイッチ12がオンに操作され、かつ、フロント装置29が前方作業域に位置するときにのみ、前方作業域の作業半径R1が作業範囲制限判定部37に伝達される。また、前方作業スイッチ12がオフに操作され、あるいは、フロント装置29が側方作業域に位置するときには、側方作業域の作業半径R2が作業範囲制限判定部37に伝達される。
作業範囲制限判定部37は、位置演算部31で演算された軸心cの座標(XC,YC)が、データ切換器36で選択された作業範囲内であるか否かを判定し、フロント装置29を制御するものである。例えば、データ切換器36からの入力が作業半径R1であった場合には、軸心cのx座標XCが作業半径R1未満であるか否かを判定する。ここで、XC≧R1である場合には、ブーム制限電磁弁15,ジブ制限電磁弁16L,16R及びアーム制限電磁弁17L,17Rを制御して、それぞれのスプール位置をa位置に制御する。この場合、ブーム3の上げ操作のみが許容され、ジブ4やアーム5の操作が禁止される。
またこのとき、作業範囲制限判定部37は、フロント装置29の先端が予め設定された作業範囲を超えていることをキャブ内のモニタコンソール13に表示し、スピーカ14から警告音を出力させる。なお、ブーム3の上げ操作によってXC<R1になると、作業範囲制限判定部37はブーム制限電磁弁15,ジブ制限電磁弁16L,16R及びアーム制限電磁弁17L,17Rのスプール位置をb位置に制御する。これにより、ブーム3,ジブ4及びアーム5の全ての操作が許容された通常の操作状態となる。
[4.リレー回路]
図7のリレー回路C6は、旋回制限電磁弁23L,23Rを制御するための電気回路である。図7中に示す記号+Bは直流の電源ラインを示し、記号GNDはグラウンドラインを示す。このリレー回路C6は、第一回路C6,第二回路C6及び第三回路C6の三つの回路に大別される。
第一回路C6は、前方作業スイッチ12のオン/オフの状態に応じてリレーの励磁/非励磁の状態を切り換えるための回路である。第一回路C6上には、第一リレーコイル38及び第二リレーコイル39が並列に介装される。第一リレーコイル38及び第二リレーコイル39はともに、前方作業スイッチ12がオンに操作されている場合にのみ励磁される。
第二回路C6は、右旋回操作に係る旋回制限電磁弁23Rを第一リレーコイル38で制御するための回路である。旋回制限電磁弁23Rよりも電源ライン側は回路が並列に分岐し、それぞれの回路上に第一リレーコイル38の接点38a,38bが介装される。一方の接点38aは第一リレーコイル38の励磁時にオンになる接点であり、他方の接点38bは第一リレーコイルの励磁時にオフになる接点である。また、接点38aが設けられた側の回路上には、近接スイッチ11Rが介装される。
この第二回路C6では、第一リレーコイル38の非励磁時に他方の接点38b側がオンになり、旋回制限電磁弁23Rが通電される。また、第一リレーコイル38の励磁時には、近接スイッチ11Rがオンである(プレート10a,10bを検知している)場合にのみ旋回制限電磁弁23Rが通電される。
第三回路C6は、左旋回操作に係る旋回制限電磁弁23Lを第二リレーコイル39で制御するための回路である。旋回制限電磁弁23Lよりも電源ライン側は回路が並列に分岐し、それぞれの回路上に第二リレーコイル39の接点39a,39bが介装される。一方の接点39aは第二リレーコイル39の励磁時にオンになる接点であり、他方の接点39bは第二リレーコイルの励磁時にオフになる接点である。また、接点39aが設けられた側の回路上には、近接スイッチ11Lが介装される。
この第三回路C6では、第二リレーコイル39の非励磁時に他方の接点39bがオンになり、旋回制限電磁弁23Lが通電される。また、第二リレーコイル39の励磁時には、近接スイッチ11Lがオンである(プレート10a,10bを検知している)場合にのみ旋回制限電磁弁23Lが通電される。
[5.作用]
[5−1.フロント操作・前方作業スイッチがオフの場合]
前方作業スイッチ12がオフに操作された状態では、近接スイッチ11L,11Rの検知状態に関わらず、図5中のコントローラ18のアンド演算器34bからオフ信号が出力される。そのため、データ切換器36では側方作業範囲データ記憶部32に記憶された作業範囲の情報が選択される。これにより、作業範囲制限判定部37には側方作業域の作業半径R2が伝達される。また、コントローラ10の位置演算部31では、ブーム角α,ジブ角β及びアーム角γに基づき、アーム5の先端位置である軸心cの座標(XC,YC)が演算され、作業範囲制限判定部37に入力される。
作業範囲制限判定部37では、軸心cのx座標XCが作業半径R2未満であるか否かが判定される。ここでx座標XCが作業半径R2未満である場合には、ブーム制限電磁弁15,ジブ制限電磁弁16L,16R及びアーム制限電磁弁17L,17Rのスプール位置がb位置に制御され、ブーム3,ジブ4及びアーム5の全ての操作が許容される。
一方、図8に示すように、フロント装置29の姿勢が前方に伸びて軸心cのx座標XCが作業半径R2以上の位置になると、ブーム制限電磁弁15,ジブ制限電磁弁16L,16R及びアーム制限電磁弁17L,17Rのスプール位置がa位置に制御される。つまり、ジブ4及びアーム5の操作が禁止されるとともに、ブーム3の下げ操作が禁止され、フロント装置29の作業範囲が制限される。
また、モニタコンソール13にはフロント装置29の先端が予め設定された作業範囲を超えた旨が表示され、スピーカ14から警告音が出力される。これにより、軸心cのx座標XCを作業半径R2未満にするためのブーム上げ操作が促される。
なお、フロント装置29の先端が図8中の警告域に位置する姿勢では、油圧ショベル30が転倒しないものとする。例えば、軸心cと破砕機6の先端までの距離や重量を加味して、油圧ショベル30の機体から見て危険域よりも手前に作業半径R2を設定すれば、作業半径R2よりも外側の危険域までの領域が警告域となる。
[5−2.旋回操作・前方作業スイッチがオフの場合]
前方作業スイッチ12がオフ操作されている場合、図7に示すリレー回路C6では、第一リレーコイル38及び第二リレーコイル39が非励磁の状態となる。これにより、第二回路C6の一方の接点38aがオフになり、他方の接点38bがオンになる。同様に、第三回路C6においても一方の接点39aがオフになり、他方の接点39bがオンになる。これにより、近接スイッチ11L,11Rの検知状態に関わらず(旋回角に関わらず)旋回制限電磁弁23L,23Rが通電され、スプール位置がb位置に切り換えられる。
したがって、旋回リモコン弁21L,21Rと旋回制御弁22との間のパイロット通路が連通し、旋回操作レバー21による左右旋回操作が許容された通常の操作状態となる。
[5−3.フロント操作・前方作業スイッチがオンの場合]
油圧ショベル30のフロント装置29が前方作業域に位置している状態で前方作業スイッチ12がオンに操作されると、一対の近接スイッチ11L,11Rの少なくとも何れか一方がプレート10a,10bを検知し、図5中のコントローラ18のオア演算器34aからオン信号が出力される。このとき、前方作業スイッチ12がオンであるから、アンド演算器34bからもオン信号が出力され、データ切換器36では前方作業範囲データ記憶部33に記憶された作業範囲の情報が選択される。これにより、作業範囲制限判定部37には前方作業域の作業半径R1が伝達される。また、コントローラ10の位置演算部31では、ブーム角α,ジブ角β及びアーム角γに基づき、アーム5の先端位置である軸心cの座標(XC,YC)が演算され、作業範囲制限判定部37に入力される。
作業範囲制限判定部37では、軸心cのx座標XCが作業半径R1未満であるか否かが判定される。x座標XCが作業半径R1未満である場合には、ブーム制限電磁弁15,ジブ制限電磁弁16L,16R及びアーム制限電磁弁17L,17Rのスプール位置がb位置に制御され、ブーム3,ジブ4及びアーム5の全ての操作が許容される。前方作業域での作業半径R1は側方作業域での作業半径R2よりも大きいため、図9に示すように、フロント装置29を移動させることのできる範囲が大幅に拡大する。
一方、フロント装置29の姿勢が前方に伸びて軸心cのx座標XCが作業半径R1以上になると、ブーム制限電磁弁15,ジブ制限電磁弁16L,16R及びアーム制限電磁弁17L,17Rのスプール位置がa位置に制御される。つまり、ジブ4及びアーム5の操作が禁止されるとともに、ブーム3の下げ操作が禁止され、フロント装置29の作業範囲が制限される。
また、モニタコンソール13にはフロント装置29の先端が予め設定された作業範囲を超えた旨が表示され、スピーカ14から警告音が出力される。これにより、軸心cのx座標XCを作業半径R1未満にするためのブーム上げ操作が促される。
[5−4.旋回操作・前方作業スイッチがオンの場合]
図7に示すリレー回路C6では、前方作業スイッチ12がオン操作されると第一リレーコイル38及び第二リレーコイル39が励磁される。これにより、第二回路C6の一方の接点38aがオンになり、他方の接点38bがオフになる。また、第三回路C6においても一方の接点39aがオンになり、他方の接点39bがオフになる。
このとき、近接スイッチ11L,11Rがともにプレート10a,10bの何れかを検知していれば、旋回制限電磁弁23L,23Rが通電され、スプール位置がb位置に切り換えられる。したがって、旋回リモコン弁21L,21Rと旋回制御弁22との間のパイロット通路が連通し、旋回操作レバー21による左右旋回操作が許容された通常の操作状態となる。
また、例えば右旋回方向への操作によりフロント装置29が側方作業域に入ろうとすると、一方の近接スイッチ11Rがプレート10a,10bを検知しなくなり、第二回路C6上の近接スイッチ11Rがオフになる。これにより、右旋回操作に係る旋回制限電磁弁23Rが非通電となり、旋回制限電磁弁23Rのスプール位置がa位置に切り換えられる。したがって、旋回制御弁22のスプール位置が中立に戻り、上部旋回体2の右旋回が停止し、それ以上の旋回が禁止される。
このとき、他方の近接スイッチ11Lがまだプレート10a,10bを検知していれば、第三回路C6上の近接スイッチ11Lはオンである。したがって、左旋回操作に係る旋回制限電磁弁23Lの通電状態が保持され、上部旋回体2の左旋回操作(すなわち、前方作業域側へと旋回角度を戻すための操作)は許容される。
なお、例えば左旋回方向への操作によりフロント装置29が側方作業域に入ろうとした場合も同様であり、上部旋回体2の左旋回が停止し、これ以上の旋回が禁止されるとともに、右旋回操作が許容される。
[6.効果]
このように、開示の作業機械の作業範囲制御装置によれば、前方作業域及び側方作業域のそれぞれに対して異なる作業域が設定され、特に機体安定性の面で有利な前方作業域での作業範囲が大幅に拡大される。つまり、旋回姿勢が前方姿勢である場合には、フロント装置29の作業範囲を側方姿勢のときよりも遠方まで拡大することができ、安定性を確保しつつ作業性を向上させることができる。また、上部旋回体2の旋回姿勢が側方姿勢である場合には、フロント装置29の作業範囲を狭めて安定性を向上させることができる。
また、開示の作業範囲制御装置によれば、コントローラ18でフロント装置29の先端部の位置を演算することにより、作業機械の転倒を確実に防止することができ、機体安定度を向上させることができる。さらに、旋回姿勢が前方姿勢である場合には、フロント装置29の先端部を側方姿勢の場合よりも遠方まで伸ばすことができ、破砕機6を用いた解体作業の能率を高めることができる。
また、開示の作業範囲制御装置では、前方作業スイッチ12が操作されると、フロント装置29の作業域が前方作業域内のみに制限され、側方作業域への旋回動作(前方作業域から外へ出ようとする操作)が禁止される。したがって、フロント装置29の先端部が側方作業域の外側に飛び出すことを確実に防止することができ、作業の安定性を確保することができる。
また、開示の作業範囲制御装置では、作業範囲を拡大するための制御条件の一つとして前方作業スイッチ12への操作入力が含まれる。つまり、作業範囲を拡大するか否かを搭乗者が選択することができ、利便性を向上させることができる。
さらに、開示の作業範囲制御装置では、作業範囲を拡大するための条件が、近接スイッチ11L,11Rでの近接状態の検知と前方作業スイッチ12のオン操作とのアンド条件となっている。したがって、万が一何れかのセンサ又はスイッチが故障した場合や断線が生じたような場合には、必ず側方作業範囲が選択されることになる。
また、開示の作業範囲制御装置では、コントローラ18内の簡単なロジックで作業域を切り換える制御構成を備えている。したがって、例えば従来の油圧ショベルの作業範囲制御システムに対して簡単な改造を加えるだけでその機能を向上させることができ、費用対効果が高いというメリットがある。
また、開示の作業範囲制御装置では、一対の近接スイッチ11L,11Rを用いて旋回位置を検出しているため、例えば従来の油圧ショベルに搭載されているスイベルジョイントに改造を加えることなく適用することができるというメリットもある。
[第二実施形態]
[1.機体構成]
第二実施形態として開示する作業範囲制御装置は、第一実施形態の作業範囲制御装置にフロント装置29の自動姿勢制御を付加したものであり、図1に示す油圧ショベル30に適用される。前述の要素に対応するものについては同一の符号を用いて説明を省略する。油圧ショベル30のキャブ内には、フロント装置29の自動姿勢制御のオン/オフを切り換えるための自動制御スイッチ50(垂直移動スイッチ)が設けられる。自動姿勢制御は、少なくとも自動制御スイッチ50がオン操作されている場合に実施される。
自動姿勢制御とは、例えばフロント装置29の先端部を図9中の警告域に近づけるようなアーム5の単動操作が入力されたときに、先端部が警告域内に入らないようにフロント装置29の先端部を自動的に垂直方向に移動させる制御である。例えば、図9に示す状態からアーム操作レバー44にアームアウト操作が入力されると、破砕機6及びアーム5がその基端部の軸心bを中心として回動し、機体前方かつ上方へ移動する。このような状況下でアーム5の先端部が警告域内に入ろうとしたときに、アーム5の移動と連動するようにブーム3やジブ4を自動的に上げ方向に駆動して、破砕機6が警告域内に入らないようにする。なお、自動姿勢制御でブーム3やジブ4が駆動される方向は、アーム5の姿勢や移動方向に依存する。
[2.油圧回路]
図10に、油圧ショベル30の油圧回路を示す。この油圧回路は、第一実施形態の油圧回路と比較して、ブームパイロット回路C3,ジブパイロット回路C4及びアームパイロット回路C5の具体的な構造が相違する。ブームパイロット回路C3,ジブパイロット回路C4及びアームパイロット回路C5は、リモコン弁で生成されたパイロット圧を遮断する機能を持つ。また特に、ブームパイロット回路C3及びジブパイロット回路C4は、レバー操作による手動のパイロット圧供給と、レバー操作によらない自動のパイロット圧供給とを切り換える機能を持つ。
[2−1.ブームパイロット回路]
ブームパイロット回路C3には、ブーム操作レバー42に入力される操作量及び操作方向に応じた大きさのパイロット圧を生成するブームリモコン弁42L,42Rが設けられる。これらのブームリモコン弁42L,42Rのうち、ブーム操作レバー42の傾動方向に対応する一方がその傾動角度に応じて開放され、開度に応じたパイロット圧を発生させる。なお、一方のブームリモコン弁42Lはブーム上げ操作に係るパイロット圧を生成し、他方のブームリモコン弁42Rはブーム下げ操作に係るパイロット圧を生成する。
一方のブームリモコン弁42Lの下流側と他方のブームリモコン弁42Rの下流側とを接続する通路上には、シャトル弁53及びブームリモコン圧センサ54が介装される。シャトル弁53は、ブームリモコン弁42L,42Rのそれぞれの下流側の圧力のうち、高圧の一方を選択する高圧選択弁である。また、ブームリモコン圧センサ54は、シャトル弁53で選択された圧力の大きさを検出するセンサである。ここで検出された圧力(ブームリモコン圧)は、コントローラ18に伝達される。
一方のブームリモコン弁42Lとブーム制御弁26との間のパイロット回路上には、ブーム電磁切換弁51L及びブーム電磁比例減圧弁52Lが設けられる。同様に、他方のブームリモコン弁42Rとブーム制御弁26との間のパイロット通路上には、ブーム電磁切換弁51R及びブーム電磁比例減圧弁52Rが介装される。
ブーム電磁切換弁51L,51Rは、コントローラ18によってスプール位置が二位置に切り換えられる切換弁であり、手動によるパイロット圧の供給を行うか、それとも自動的にパイロット圧を制御するかを切り換える。これらのブーム電磁切換弁51L,51Rは、スプール位置がa位置のときにブームリモコン弁42L,42Rとブーム制御弁26との間のパイロット通路を接続し、ブームリモコン弁42L,42Rで生成されるリモコン圧を下流側に伝達する。
また、スプール位置がb位置のときにブームリモコン弁42L,42Rとブーム制御弁26との間のパイロット通路を遮断するとともに、パイロットポンプ20で生成されるリモコン圧を下流側に伝達する。つまり、a位置は手動でのパイロット圧制御時のスプール位置であり、b位置は自動姿勢制御時のスプール位置である。
ブーム電磁比例減圧弁52L,52Rは、ブーム電磁切換弁51L,51R側から導入されるパイロット圧の大きさを可変制御してブーム制御弁26に伝達する電磁比例弁である。ブーム電磁比例減圧弁52L,52Rを介してブーム制御弁26に伝達されるパイロット圧の大きさは、コントローラ18によって調整される。
自動姿勢制御時には、ブーム3を適切に移動させるのに必要な大きさのパイロット圧が随時コントローラ18で演算され、ブーム電磁比例減圧弁52L,52Rの開度が制御される。また、手動によるパイロット圧の供給時には、ブームリモコン弁42L,42Rからのパイロット圧を変更することなくそのままブーム制御弁26に伝達する。あるいは、開度を絞ってそのパイロット圧の伝達を遮断し、ブーム3の動作を停止させる。このように、ブーム電磁比例減圧弁52L,52Rはブーム制御弁26に伝達されるパイロット圧の大きさを制御(変更しないことや完全に遮断することを含む)する機能を持つ。
[2−2.ジブパイロット回路]
ジブパイロット回路C4の回路構成は、ブームパイロット回路C3と同様である。ジブパイロット回路C4には、ジブ操作レバー43に入力される操作量及び操作方向に応じた大きさのパイロット圧を生成するジブリモコン弁43L,43Rが設けられる。これらのジブリモコン弁43L,43Rには、パイロットポンプ20及び作動油タンク24が接続される。これらのジブリモコン弁43L,43Rのうち、ジブ操作レバー43の傾動方向に対応する一方がその傾動角度に応じて開放され、開度に応じたパイロット圧を発生させる。なお、一方のジブリモコン弁43Lはジブ上げ操作に係るパイロット圧を生成し、他方のジブリモコン弁43Rはジブ下げ操作に係るパイロット圧を生成する。
一方のジブリモコン弁43Lの下流側と他方のジブリモコン弁43Rの下流側とを接続する通路上には、シャトル弁57及びジブリモコン圧センサ58が介装される。シャトル弁57は、ジブリモコン弁43L,43Rのそれぞれの下流側の圧力のうち、高圧の一方を選択する高圧選択弁である。また、ジブリモコン圧センサ58は、シャトル弁57で選択された圧力の大きさを検出するセンサである。ここで検出された圧力(ジブリモコン圧)は、コントローラ18に伝達される。
一方のジブリモコン弁43Lとジブ制御弁27との間のパイロット回路上には、ジブ電磁切換弁55L及びジブ電磁比例減圧弁56Lが設けられる。同様に、他方のジブリモコン弁43Rとジブ制御弁27との間のパイロット通路上には、ジブ電磁切換弁55R及びジブ電磁比例減圧弁56Rが介装される。
ジブ電磁切換弁55L,55Rは、コントローラ18によってスプール位置が二位置に切り換えられる切換弁であり、手動によるパイロット圧の供給を行うか、それとも自動的にパイロット圧を制御するかを切り換える。これらのジブ電磁切換弁55L,55Rは、スプール位置がa位置のときにジブリモコン弁43L,43Rとジブ制御弁27との間のパイロット通路を接続し、ジブリモコン弁43L,43Rで生成されるリモコン圧を下流側に伝達する。
また、スプール位置がb位置のときにジブリモコン弁43L,43Rとジブ制御弁27との間のパイロット通路を遮断するとともに、パイロットポンプ20で生成されるリモコン圧を下流側に伝達する。つまり、a位置は手動でのパイロット圧制御時のスプール位置であり、b位置は自動姿勢制御時のスプール位置である。
ジブ電磁比例減圧弁56L,56Rは、ジブ電磁切換弁55L,55R側から導入されるパイロット圧の大きさを可変制御してジブ制御弁27に伝達する電磁比例弁である。ジブ電磁比例減圧弁57L,57Rを介してジブ制御弁27に伝達されるパイロット圧の大きさは、コントローラ18によって調整される。
自動姿勢制御時には、ジブ4を適切に移動させるのに必要な大きさのパイロット圧が随時コントローラ18で演算され、ジブ電磁比例減圧弁56L,56Rの開度が制御される。また、手動によるパイロット圧の供給時には、ジブリモコン弁43L,43Rからのパイロット圧を変更することなくそのままジブ制御弁27に伝達する。あるいは、開度を絞ってそのパイロット圧の伝達を遮断し、ジブ4の動作を停止させる。このように、ジブ電磁比例減圧弁56L,56Rはブーム制御弁27に伝達されるパイロット圧の大きさを制御(変更しないことや完全に遮断することを含む)する機能を持つ。
[2−3.アームパイロット回路]
アームパイロット回路C5には、アーム操作レバー44に入力される操作量及び操作方向に応じた大きさのパイロット圧を生成するアームリモコン弁44L,44Rが設けられる。これらのアームリモコン弁44L,44Rには、パイロットポンプ20及び作動油タンク24が接続される。これらのアームリモコン弁44L,44Rのうち、アーム操作レバー44の傾動方向に対応する一方がその傾動角度に応じて開放され、開度に応じたパイロット圧を発生させる。なお、一方のアームリモコン弁44Lはアームイン操作に係るパイロット圧を生成し、他方のアームリモコン弁44Rはアームアウト操作に係るパイロット圧を生成する。
アームリモコン弁44Lとアーム制御弁28との間のパイロット通路上には、アーム電磁比例減圧弁59Lが介装される。同様に、アームリモコン弁44Rとアーム制御弁28との間のパイロット通路上には、アーム電磁比例減圧弁59Rが介装される。これらのアーム電磁比例減圧弁59L,59Rは、アームリモコン弁44L,44R側から導入されるパイロット圧の大きさを可変制御してアーム制御弁28に伝達する電磁比例弁である。アーム電磁比例減圧弁59L,59Rを介してアーム制御弁28に伝達されるパイロット圧の大きさは、コントローラ18によって調整される。
なお、アーム電磁比例減圧弁59L,59Rは、アーム制御弁28に伝達されるパイロット圧の大きさを制御(変更しないことや完全に遮断することを含む)する機能を持ち、例えば、開度を絞ってそのパイロット圧の伝達を遮断することで、アーム5の動作を停止させる機能を併せ持つ。
[3.コントローラ]
[3−1.概要]
図11に示すように、コントローラ18の入力側には第一実施形態の場合と同様にブーム角センサ7,ジブ角センサ8,アーム角センサ9,一対の近接スイッチ11L,11R,前方作業スイッチ12が接続される。さらに、第二実施形態のコントローラ18には、自動制御スイッチ50,ブームリモコン圧センサ54及びジブリモコン圧センサ58が接続される。コントローラ18は、これらから伝達される情報に基づき、フロント装置29の動作を制御する。ブームリモコン圧,ジブリモコン圧はそれぞれ、操作者によるブーム3,ジブ4の操作の有無を把握するために用いられる。
コントローラ18は、自動制御スイッチ50がオフに操作されている状態では、第一実施形態と同様の制御を実施する。すなわち、前方作業スイッチ12の操作状態に応じてフロント装置29の作業範囲を設定し、フロント装置29の先端部が作業域の外側に飛び出すことを防止する。
なおここでは、第一実施形態のブーム制限電磁弁15の代わりにブーム電磁比例減圧弁52L,52Rを制御することでブーム3の移動を防止している。同様に、ジブ制限電磁弁16L,16Rの代わりにジブ電磁比例減圧弁56L,56Rを制御し、アーム制限電磁弁17L,17Rの代わりにアーム電磁比例減圧弁59L,59Rを制御する。
一方、自動制御スイッチ50がオンに操作されている状態では、レバー操作状態に応じて自動姿勢制御を実施する。コントローラ18の内部でソフトウェア又はハードウェア回路としてプログラミングされている自動姿勢制御に関する機能を、図11に模式的に示す。
[3−2.自動制御部]
コントローラ18には自動制御部45(軌跡制御手段)が設けられる。自動制御部45は、ジブ自動制御部46とブーム自動制御部47を有する。自動制御部45は、自動姿勢制御の開始条件(例えば、アーム5の先端が作業範囲を超えようとしていること)を判定し、ジブ電磁切換弁55L,55R及びブーム電磁切換弁51L,51Rを制御する。また、自動制御部45は、ブーム電磁比例減圧弁52L,52R,ジブ電磁比例減圧弁56L,56Rを制御して、自動姿勢制御を実施する。
ジブ自動制御部46は、自動姿勢制御時におけるジブ4の動作を演算して、ジブ電磁比例減圧弁56L,56Rを制御するものである。ここでは、アーム5の操作時にフロント装置29の先端部が垂直方向に移動するようにジブ4を駆動するための制御量が演算される。
ブーム自動制御部47は、自動姿勢制御時でのブーム3の動作を演算して、ブーム電磁比例減圧弁52L,52Rを制御するものである。ここでも、アーム5の操作時にフロント装置29の先端部が垂直方向に移動するようにブーム3を駆動するための制御量が演算される。ただし、実制御ではブーム3の駆動よりもジブ4の駆動が優先される。
ブーム自動制御部47は、ジブ自動制御部46で演算された目標ジブ角βdmがジブ4の可動角範囲内に入らない場合に、ブーム3を駆動する。つまり、ジブシリンダ4aの伸縮長さが最小値又は最大値に達した場合(最小まで縮んだ場合又は最大まで伸びた場合)にブーム3が駆動される。
[3−3.ジブ自動制御部]
ジブ自動制御部46の制御ブロック図を図12に例示する。ジブ自動制御部46には、目標ジブ角演算器60,アーム角速度演算器62,目標ジブ角速度演算器63,目標ジブシリンダ速度演算器64及びジブ角速度演算器66が設けられる。また、ジブ自動制御部46には、制御演算器61,67,フィードフォワードゲイン設定器65,減算器68a,68b,加算器68c及びバルブ信号変換器69a,69bが設けられる。
目標ジブ角演算器60は、ブーム3の姿勢を固定した状態で、アーム5の先端を垂直方向に移動させるために動かさなければならないジブ4の角度の目標値を目標ジブ角βdmとして演算するものである。目標ジブ角演算器60には、前述のデータ切換器36で選択された作業範囲の情報,ブーム角α,ジブ角β及びアーム角γが入力される。ここで、図14に示すように、軸心aから軸心cまでの水平距離をXdm1とおく。目標ジブ角演算器60は、アーム5の移動に伴って水平距離Xdm1が一定となるようにジブ4を移動させるための目標ジブ角βdmを演算する。水平距離Xdm1は、以下の式3で与えられる。
Figure 2012017626
また、図15に示すように、軸心aから軸心cまでの距離Lacは、以下の式4で与えられる。
Figure 2012017626
図15中に、軸心aを通りZ軸に平行な補助線Z1を示す。線分acと補助線Z1とのなす角をβZとおくと、水平距離Xdm1が一定であるためには以下の式5が成立すればよい。したがって、角βZは以下の式6,7と表現することができる。式6は軸心cが軸心aよりも上方に位置する場合、式7は軸心cが軸心aよりも下方に位置する場合をそれぞれ示す。
Figure 2012017626
また、図15に示すように、線分acと線分abとのなす角をβ3とおくと、角β3は以下の式8で求められる。
Figure 2012017626
したがって、目標ジブ角βdmは、以下の式9で与えられる。このようにして目標ジブ角演算器60で演算された目標ジブ角βdmは、減算器68aに伝達される。
Figure 2012017626
減算器68aは、目標ジブ角演算器60で演算された目標ジブ角βdmから実際のジブ角βを減算して差を求め、制御演算器61に伝達する。
制御演算器61では、減算器68aで求められた差に基づくPI制御演算を実施し、ジブ4の角度βを目標ジブ角βdmにするための位置フィードバック制御信号を算出する。ここで算出された位置フィードバック制御信号は、加算器68cに伝達される。
アーム角速度演算器62は、アーム角センサ9で検出されたアーム角γの検出値を時間微分してアーム角速度γ′を演算する。ここで演算されたアーム角速度γ′は目標ジブ角速度演算器63に伝達される。なお、以下の数式中では微分記号としてドット表記を用い、本文中では便宜的にドット表記の代わりにプライム記号を用いる。
目標ジブ角速度演算器63(目標ブーム角速度演算手段)は、アーム5の先端を垂直方向に移動させるために必要なジブ4の角速度の目標値を目標ジブ角速度βdm′として演算する。上述の式3の両辺を微分すると、以下の式10が得られる。
Figure 2012017626
したがって、アーム角速度γ′に対する目標ジブ角速度βdm′は以下の式11で与えられる。ここで演算された目標ジブ角速度βdm′は、目標ジブシリンダ速度演算器64及び減算器68bに伝達される。
Figure 2012017626
ジブ角速度演算器66は、ジブ角センサ8で検出されたジブ角βの検出値を時間微分してジブ角速度β′を演算するものである。ここで演算されたジブ角速度β′は減算器68bに伝達される。
減算器68bは、目標ジブ角速度演算器63で演算された目標ジブ角速度βdm′から実際のジブ角速度β′を減算して差を求め、制御演算器67に伝達する。
制御演算器67は、減算器68bで求められた差に基づくPI制御演算を実施し、ジブ4の角速度β′を目標ジブ角速度βdm′にするための角速度フィードバック制御信号を算出する。ここで算出された角速度フィードバック制御信号は、加算器68cに伝達される。
目標ジブシリンダ速度演算器64(目標ブームシリンダ速度演算手段)は、目標ジブ角速度演算器63で演算された目標ジブ角速度βdm′を目標ジブシリンダ速度Vcy2に変換するものである。ジブシリンダ4aの長さをXcy2とおくと、ジブシリンダ4aの伸縮の速度はその時間微分値Xcy2 ′として与えられる。ここで、図16に示すように、ジブシリンダ4aのブーム3側の基端部の回動中心点を支軸dとおき、ジブ4側の先端部の回動中心点を支軸eとおく。また、線分aeと線分abとのなす角をβ1とおき、線分aoと線分adとのなす角をβ2とおき、点ad間の距離をL4,点ae間の距離をL5とおくと、ジブシリンダ4aの長さは以下の式12,13で与えられる。
Figure 2012017626
また、上述の式12について時間で微分すると、以下の式14が得られる。これを整理してジブ4の角速度β′とシリンダ速度Xcy2′との関係式を導くと、以下の式15の通りとなる。
Figure 2012017626
ここで演算された目標ジブシリンダ速度Vcy2はフィードフォワードゲイン設定器65に伝達される。
フィードフォワードゲイン設定器65は、入力された目標ジブシリンダ速度Vcy2に基づき、ジブシリンダ4aに流入する作動油流量を考慮して速度フィードフォワード制御信号を算出する。ここで算出された速度フィードフォワード制御信号は、加算器68cに伝達される。
加算器68cは、制御演算器61で算出された位置フィードバック制御信号と、制御演算器67で算出された角速度フィードバック制御信号と、フィードフォワードゲイン設定器65で算出された速度フィードフォワード制御信号とを加算した制御信号を算出するものである。ここで算出された制御信号はバルブ信号変換器69a,69bに伝達される。制御信号が正である場合には、その制御信号の大きさに応じて、一方の信号変換器69aからジブ電磁比例減圧弁56Lの信号が出力される。また、制御信号が負である場合には、他方の信号変換器69bから信号が出力され、ジブ電磁比例減圧弁56Rが制御される。
[3−4.ブーム自動制御部]
ブーム自動制御部47の制御ブロック図を図13に例示する。ブーム自動制御部47には、ジブ自動制御部46と同様の構成を備えられ、目標ブーム角演算器70,アーム角速度演算器72,目標ブーム角速度演算器73,目標ブームシリンダ速度演算器74及びブーム角速度演算器76が設けられる。また、ブーム自動制御部47には、制御演算器71,77,フィードフォワードゲイン設定器75,減算器78a,78b,加算器78c及びバルブ信号変換器79a,79bが設けられる。
目標ブーム角演算器70は、ジブ4の姿勢を固定した状態で、アーム5の先端を垂直方向に移動させるための動かさなければならないブーム3の角度の目標値を目標ブーム角αdmとして演算するものである。目標ブーム角演算器70には、前述のデータ切換器36で選択された作業範囲の情報,ブーム角α,ジブ角β及びアーム角γが入力される。
ここで、図17に示すように、軸心oから軸心cまでの距離をLocとおき、線分aoと線分acとのなす角をβ4とおく。角β4は以下の式16によって与えられ、距離Locは以下の式17によって与えられる。なお、距離Lacは前述の式4よって与えられ、角β3は前述の式8によって与えられる。
Figure 2012017626
ここで、図17に示すように、軸心oから軸心cまでの水平距離をXdm0とおく。目標ブーム角演算器70は、アーム5の移動に伴って水平距離Xdm0が一定となるようにブーム3を移動させるための目標ブーム角αdmを演算する。目標ブーム角αdmは以下の式18で与えられる。ここで演算された目標ブーム角αdmは、減算器78aに伝達される。
Figure 2012017626
減算器78aは、目標ジブ角演算器60で演算された目標ジブ角αdmから実際のブーム角αを減算して差を求め、制御演算器71に伝達する。
制御演算器71では、減算器78aで求められた差に基づくPI制御演算を実施し、ブーム3の角度αを目標ブーム角αdmにするための位置フィードバック制御信号を算出する。ここで算出された位置フィードバック制御信号は、加算器78cに伝達される。
アーム角速度演算器72は、前述のアーム角速度演算器62と同様に、アーム角センサ9で検出されたアーム角γの検出値を時間微分してアーム角速度γ′を演算する。ここで演算されたアーム角速度γ′は目標ブーム角速度演算器73に伝達される。
目標ブーム角速度演算器73(目標ブーム角速度演算手段)は、アーム5の先端を垂直方向に移動させるために必要なブーム3の角速度の目標値を目標ブーム角速度αdm′として演算する。まず、図17に示す水平距離Xdm0が一定とすると、以下の式19が成立する。
Figure 2012017626
ここで、ジブ角βを定数とみなして時間で微分すると、以下の式20が得られる。
Figure 2012017626
したがって、アーム角速度γ′に対する目標ブーム角速度αdm′は以下の式21で与えられる。ここで演算された目標ブーム角速度αdm′は、目標ブームシリンダ速度演算器74及び減算器78bに伝達される。
Figure 2012017626
ブーム角速度演算器76は、ブーム角センサ7で検出されたブーム角αの検出値を時間微分してブーム角速度α′を演算するものである。ここで演算されたブーム角速度α′は減算器78bに伝達される。
減算器78bは、目標ブーム角速度演算器73で演算された目標ブーム角速度αdm′から実際のブーム角速度α′を減算して差を求め、制御演算器77に伝達する。
制御演算器77は、減算器78bで求められた差に基づくPI制御演算を実施し、ブーム3の角速度α′を目標ブーム角速度αdm′にするための角速度フィードバック制御信号を算出する。ここで算出された角速度フィードバック制御信号は、加算器78cに伝達される。
目標ブームシリンダ速度演算器74(目標ブームシリンダ速度演算手段)は、目標ブーム角速度演算器73で演算された目標ブーム角速度αdm′を目標ブームシリンダ速度Vcy1に変換するものである。ブームシリンダ3aの長さをXcy1とおくと、ブームシリンダ3aの伸縮の速度はその時間微分値Xcy1′として与えられる。ここでは、目標ジブシリンダ速度演算器64での演算と同様の演算手法によって得られるブーム3の角速度α′とブームシリンダ3aのシリンダ速度Xcy1′との関係式に基づき、目標ブームシリンダ速度Vcy1を演算する。ここで得られた目標ブームシリンダ速度Vcy1は、フィードフォワードゲイン設定器75に伝達される。
フィードフォワードゲイン設定器75は、入力された目標ブームシリンダ速度Vcy1に基づき、ブームシリンダ3aに流入する作動油流量を考慮して速度フィードフォワード制御信号を算出する。ここで算出された速度フィードフォワード制御信号は、加算器78cに伝達される。
加算器78cは、制御演算器71で算出された位置フィードバック制御信号と、制御演算器77で算出された角速度フィードバック制御信号と、フィードフォワードゲイン設定器75で算出された速度フィードフォワード制御信号とを加算した制御信号を算出するものである。ここで算出された制御信号はバルブ信号変換器79a,79bに伝達される。制御信号が正である場合には、その制御信号の大きさに応じて、一方の信号変換器79aからブーム電磁比例減圧弁52Lの信号が出力される。また、制御信号が負である場合には、他方の信号変換器79bから信号が出力され、ブーム電磁比例減圧弁52Rが制御される。
[4.フローチャート]
コントローラ18で実施される自動姿勢制御のフローチャートを図18に例示する。このフローは、コントローラ18への通電時に繰り返し実施されるものである。
ステップA10では、フロント装置29を構成する各部材の寸法等の情報がフロント部材データ記憶部35から読み出され、自動制御部45に伝達される。
続くステップA20では、ブーム角センサ7,ジブ角センサ8及びアーム角センサ9で検出されたブーム角α,ジブ角β及びアーム角γが自動制御部45に入力される。また、自動制御スイッチ50の操作状態,ブームリモコン圧センサ54で検出されたブームリモコン圧及びジブリモコン圧センサ58で検出されたジブリモコン圧も自動制御部45に入力される。
またステップA30では、ブーム角α,ジブ角β及びアーム角γに基づき、フロント装置29の姿勢が演算される。その後、ステップA40では、自動制御スイッチ50がオン操作されているか否かが判定される。ここで、自動制御スイッチ50がオンである場合には、自動姿勢制御に係るステップA50へ進む。一方、オフである場合にはステップA200へ進み、自動姿勢制御は不実施となる。
ステップA50では、ブームリモコン圧とジブリモコン圧とに基づき、ブーム3又はジブ4の少なくとも何れか一方が操作されていない状態であるか否かが判定される。ここで、ブーム3又はジブ4が操作されていればステップA200へ進み、自動姿勢制御は不実施となる。一方、ブーム3及びジブ4の双方が操作されていない場合にはステップA60へ進む。
ステップA60では、フロント装置29の先端部(例えば、アーム5の先端部の軸心cの位置)が作業域内に位置しているか否かが判定される。ここでいう作業域とは、第一実施形態での前方作業域又は側方作業域の何れかであって、下部走行体1に対する上部旋回体2の姿勢に応じて設定される作業域である。ここで、作業域内である場合にはそのままフローが終了する。
これにより、たとえ自動制御スイッチ50がオン操作されている状態であっても、フロント装置20が作業域内に位置している間は自由に移動させることが可能となる。一方、フロント装置29の先端部が作業域を超えようとしている(あるいは超えた)場合には、制御がステップA70に進む。
ステップA70では、その時点での軸心cの位置(すなわち、ほぼ最大までフロント装置29を伸ばした状態での位置であって、作業範囲制限に近い位置)を基準として、ジブ自動制御部46及びブーム自動制御部47のそれぞれにおいて目標アーム先端水平距離Xdm1及びXdm0が設定される。なお、ブーム自動制御部47で設定される目標アーム先端水平距離Xdm0は、側方作業域の作業半径R1又は前方作業域の作業半径R2の何れかに一致する。一方、ジブ自動制御部46で設定される目標アーム先端水平距離Xdm1はフロント装置29の姿勢に応じてその都度変化する。
ステップA80では、作業範囲制限判定部37により、フロント装置29の先端が予め設定された作業範囲を超えていることがキャブ内のモニタコンソール13に表示され、スピーカ14から警告音が出力される。また、自動姿勢制御により、操作者の操作とは異なるフロント装置29の制御が実施される旨が報知される。
続くステップA90では、ジブ自動制御部46の目標ジブ角演算器60において、目標ジブ角βdmが演算される。また、ステップA100では、自動制御部45によりブーム電磁切換弁51L,51R及びジブ電磁切換弁55L,55Rのスプール位置がb位置に制御される。これにより、ブーム操作レバー42及びジブ操作レバー43からの操作入力が無効となり、操作パイロット圧を自在に変更可能な状態となる。
ステップA110では、ステップA90で演算された目標ジブ角βdmがジブ4の可動角範囲内(所定範囲内)であるか否かが判定される。ここで、目標ジブ角βdmがジブ4の可動角範囲内であるときには、ステップA120へ進み、ジブ自動制御部46によりジブ4の自動姿勢制御が実施される。これにより、例えばアーム5の操作に連動してジブ4が起伏動作し、フロント装置29の先端が鉛直方向に移動するように先端の軌跡が制御される。またこのとき、ブーム3は位置を固定された状態となる。
一方、目標ジブ角βdmがジブ4の可動角範囲外であるときには、ステップA130へ進み、ブーム自動制御部47によりブーム3の自動姿勢制御が実施される。これにより、例えばアーム5の操作に連動してブーム3が起伏動作し、フロント装置29の先端が鉛直方向に移動するように先端の軌跡が制御される。このとき、ジブ4は位置を固定された状態となる。
自動姿勢制御が不実施の場合、ステップA200では、自動制御部45によりブーム電磁切換弁51L,51R及びジブ電磁切換弁55L,55Rのスプール位置がa位置に制御される。これにより、ブーム操作レバー42及びジブ操作レバー43からの操作入力が有効となり、通常のブーム操作及びジブ操作が可能となる。
続くステップA210では、その時点での軸心cの位置を基準として、ジブ自動制御部46及びブーム自動制御部47のそれぞれにおいて目標アーム先端水平距離Xdm1及びXdm0が設定される。また、ステップA220では、フロント装置20が作業域内に位置しているか否かが判定される。ここでフロント装置29が作業域内にあるときにはそのままフローが終了し、作業域外にある(又は作業域外に出ようとしている)ときにはステップA230へ進む。
ステップA230では、作業班に制限判定部37がフロント装置29の動作を停止させる制御が実施される。例えば、ブーム電磁比例減圧弁52L,52R,ジブ電磁比例減圧弁56L,56R,アーム電磁比例減圧弁59L,59Rを完全に閉鎖してパイロット圧の伝達を遮断し、フロント装置29の操作を強制的に停止させる。これにより、作業域外へのフロント装置29の飛び出しが防止される。
[5.作用,効果]
開示の作業機械の作業範囲制御装置によれば、アーム5の操作によりフロント装置29の先端が警告域に入ろうとすると、操作者がジブ4を操作しなくても自動的にジブ4が傾動し、アーム5の先端である軸心cのx座標XCがその作業域での作業半径を超えないように制御される。また、目標ジブ角βdmが可動角範囲内に入らない場合には、操作者がブーム3を操作しなくても自動的にブーム3が傾動し、軸心cのx座標XCがその作業域での作業半径を超えないように制御される。したがって、フロント装置29の先端が作業範囲の外方へ移動しないようにその先端の軌跡を鉛直方向に制御することができ、作業の安定性をより高めることができる。
また、開示の作業範囲制御装置では、ジブ自動制御部46において、目標ジブ角βdmを演算するだけでなく、目標ジブ角速度βdm′を演算し、さらに、目標ジブ角速度βdm′に基づき目標ジブシリンダ速度Vcy2を演算している。これにより、極めて正確にアーム先端を鉛直に駆動することが可能となり、正確な軌跡制御が可能となる。
さらに、開示の作業範囲制御装置では、ジブ4だけでなくブーム3に対しても同様の軌跡制御が実施される。すなわち、ブーム自動制御部47において、目標ブーム角αdmを演算するだけでなく、目標ブーム角速度αdm′を演算し、さらに、目標ブーム角速度αdm′に基づき目標ブームシリンダ速度Vcy2を演算している。これにより、正確な軌跡制御が可能となる。また、仮にジブ4のみではアーム先端を鉛直に駆動することができない姿勢であったとしても、ブーム3を駆動することでよりフレキシブルな制御が可能となり、自動姿勢制御の対応範囲を拡大することができる。
[6.変形例]
第二実施形態の各構成及び各処理は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。上述の第二実施形態では、第一実施形態の作業範囲制御装置にフロント装置29の自動姿勢制御を付加したものを例示したが、基本構成は第一実施形態のものに限られない。少なくとも、先端側に連結されるアーム及び基端側に連結されるブームを有するフロント装置が軸支された上部旋回体を具備する作業機械であれば、この作業範囲制御装置を適用することが可能である。
また、上述の第二実施形態では、アーム5の先端が作業範囲を超えようとしているときに、自動的にジブ4又はブーム3を駆動する自動姿勢制御が実施されるものを例示したが、自動姿勢制御の開始条件は之に限定されない。例えば、アーム5の先端の位置に関わらず、自動制御スイッチ50がオンに操作されている状態でアーム5の単独操作がなされた場合に、常に自動姿勢制御を実施するものとしてもよい。
この場合の制御フローチャートを図19に例示する。このフローチャートは図18に示すフローチャートと比較してステップA60が相違し、フロント装置29の先端部(例えば、アーム5の先端部の軸心cの位置)が作業域内に位置している場合にステップA90へ進むものである。これにより、自動制御スイッチ50がオン操作されている状態でフロント装置20が作業域内に位置していれば、常に自動姿勢制御が実施され、ジブ4の自動姿勢制御(ステップA120)又はブーム3の自動姿勢制御(ステップA130)が実施される。
このような制御により、アームの先端を任意の位置で鉛直上下方向に移動させることが可能となり、操作性を向上させることができる。例えば、高い構造物の壁面に沿って容易に破砕機6を移動させることができ、解体作業を効率的に行うことができる。
[7.付記]
上記の第二実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
先端側に連結されるアーム及び基端側に連結されるブームを有するフロント装置が軸支された上部旋回体を具備する作業機械の作業範囲制御装置であって、
該アームの基端部の節点角度をアーム角として検出するアーム角度検出手段と、
該ブームの基端部の節点角度をブーム角として検出するブーム角度検出手段と、
該アーム角の変動によって生じる該アームの水平方向の移動距離と同一距離かつ反対方向の水平移動を該ブームに生じさせる該目標ブーム角を演算する演算手段と、
該アームの移動時に、該ブーム角が該目標ブーム角となるように該ブームを連動させる連動手段と
を備えたことを特徴とする、作業機械の作業範囲制御装置。
(補足1)
従来、機体の転倒を防止することを目的として、フロント装置の姿勢を制御する技術が知られている。例えば、ブーム,ジブ,アーム及び破砕機の四部位からなるロング解体仕様のフロント装置を備えた解体作業機の場合には、フロント作業機の先端部に位置する破砕機が予め設定された作業範囲を超えないように各部位の関節の角度に制限を与え、各部位を駆動するための油圧シリンダの動作を自動的に停止させるものがある。一方、作業効率を改善するためのフロント装置の姿勢制御は実施されていない。
ここでいう作業効率を改善するための姿勢制御の一つとして、フロント装置の先端の鉛直移動操作が挙げられる。例えば、中高層の建築物や擁壁,煙突といった鉛直方向の寸法が大きい対象物を破砕する場合には、破砕機の水平方向の位置を変更することなく直上方,直下方へと移動させたい場合がある。しかし、ロング解体仕様のフロント装置は四つの部位から構成されているため、その先端を鉛直方向に直線的に移動させる操作が難しく、操作者に熟練の技能が要求される。
より簡単な操作でフロント装置の直線的な駆動が可能になれば、解体作業時の作業性が向上し、また、フロント装置の先端を誤った軌跡で移動させるような誤操作を防止できるという点で安定性も向上する。
そこで、アームの作動時にアーム角の変動によってアームの先端に生じる水平方向の移動距離を演算する。また、この移動距離と同一距離で反対方向の水平移動をブームの先端に生じさせる目標ブーム角を演算する。つまり、アームの作動時に、少なくともアームの先端に水平方向の移動が生じないように、ブームを駆動する。このような制御により、アームの先端を鉛直上下方向に移動させることが可能となり、操作性を向上させることができる。
なお、ここでいうアーム,ブームとは、少なくともフロント装置における先端側,基端側といった位置関係のみによって規定される。例えば、フロント装置がブーム,ジブ,アーム及び破砕機の四部位からなる場合、連動手段が、アームの移動時にジブを連動させることとしてもよいし、破砕機の移動時にアームを移動させることとしてもよい。つまり、先端の水平移動を基端側の部材の揺動によって相殺する構成であればよい。
(付記2)
該フロント装置の作業範囲を記憶する記憶手段をさらに備え、
該連動手段は、該フロント装置が該作業範囲を超えようとしたときに該ブームを連動させる
ことを特徴とする、付記1記載の作業機械の作業範囲制御装置。
(補足2)
フロント装置の先端を作業範囲の境界付近で移動させる必要がある場合には、境界を越えないようにフロント装置の先端位置を制御することが可能となり、作業性を向上させつつ安定性を向上させることができる。
(付記3)
該制御手段が、該目標ブーム角に基づき、該ブームを駆動するブームシリンダの伸縮速度の目標値を演算する目標ブームシリンダ速度演算手段を有する
ことを特徴とする、付記1又は2記載の作業機械の作業範囲制御装置。
(補足3)
ブーム角の目標値だけでなくブーム速度の目標値を演算し、さらにブームシリンダの伸縮速度の目標値を演算することで、極めて正確にアーム先端を鉛直に駆動することが可能となり、正確な軌跡制御が可能となる。
[第三実施形態]
[1.機体構成]
前述の要素に対応するものについては同一の符号を用いて説明する。第三実施形態として開示する作業範囲制御装置は、第一実施形態の作業範囲制御装置とはブーム3の動作を制限するための手法が相違し、図1に示す油圧ショベル30におけるブーム角センサ7の代わりに、図20(a),(b)に示すブーム角αを検出するための装置を備える。
すなわち、油圧ショベル30のブーム3の基端部には、一対のブーム近接スイッチ81a,81b及びブームプレート82(基端プレート)が設けられる。一対のブーム近接スイッチ81a,81bは、取り付けブラケット81cを介して上部旋回体2側に固定され、ブームプレート82はブーム近接スイッチ81a,81bに対向する位置でブーム3に固定される。一対のブーム近接スイッチ81a,81bは、検知範囲内にブームプレート82が位置しているときにその存在を検知し、信号を後述するリレー回路C7に伝達する。
図20(a)に示すように、取り付けブラケット81cは、例えばブーム角αが所定値α0である姿勢のときに軸心oから軸心aに向かう線分oaに沿って配置され、上部旋回体2のスイングフレーム83に対して固定される。ブーム近接スイッチ81a,81bはともに線分oa上に位置するように、取り付けブラケット81c上に固定される。
一方、ブームプレート82は、図20(a)中に破線で示すように、側面視において軸心oを通る仮想線Fに一致する端辺を持つ第一プレート部82aと、同じく軸心oを通る仮想線Sに一致する端辺を持つ第二プレート部82bとを備える。第一プレート部82aは、軸心oを中心として仮想線Fに一致する端辺を円弧状に移動させたときに生じる軌跡に対応する面形状に形成される。同様に、第二プレート部82bは、軸心oを中心として仮想線Sに一致する端辺を円弧状に移動させたときに生じる軌跡に対応する面形状に形成される。
図20(a)中で線分oaと仮想線Fとのなす角はα1であり、線分oaと仮想線Sとのなす角はα2(ただしα1>α2)である。また、第一プレート部82aはブーム3の側面において一方のブーム近接スイッチ81aに対向する位置に固定され、第二プレート部82bは他方のブーム近接スイッチ81bに対向する位置に固定される。
これにより、一方のブーム近接スイッチ81aは、ブーム角αが(α0−α1)以上であるときに、検知範囲内に第一プレート部82aの存在を検知し、信号をコントローラ18に伝達する。また、ブーム角αが(α0−α1)未満であるときには、第一プレート部82aを検知しない。つまり、一方のブーム近接スイッチ81aは、ブーム角αが(α0−α1)以上であるか否かを判別する手段として機能する。
同様に、他方のブーム近接スイッチ81bは、ブーム角αが(α0−α2)以上であるときに、検知範囲内に第二プレート部82bの存在を検知し、信号をコントローラ18に伝達する。また、ブーム角αが(α0−α2)未満であるときには、第二プレート部82bを検知しない。つまり、他方のブーム近接スイッチ81bは、ブーム角αが(α0−α2)以上であるか否かを判別する手段として機能する。
なお、これらのブームプレート82及びブーム近接スイッチ81a,81bの固定位置は適宜変更可能である。例えば、これらをブーム3に内蔵させてもよいし、あるいはブームプレート82をスイングフレーム83側に固定するとともにブーム近接スイッチ81a,81bをブーム3側に固定してもよい。
また、この油圧ショベル30には、下部走行体1に対する上部旋回体2の旋回角を検出するための装置として、第一実施形態と同様の一対のプレート10a,10b及び一対の近接スイッチ11L,11Rが設けられる。一対の近接スイッチ11L,11Rは、検知範囲内に一対のプレート10a,10bが位置しているときにその存在を検知し、信号をコントローラ18及び後述するリレー回路C7に伝達する。
上記のブーム近接スイッチ81a,81bで検知される二種類のブーム角は、油圧ショベル30の作業域に応じたブーム3の可動範囲の閾値として利用される。例えば、図21に示すように、側方作業域での最小ブーム角は(α0−α2)に設定され、前方作業域での最小ブーム角は(α0−α2)よりも小さい(α0−α1)に設定される。
なお、側方作業域での最大ブーム先端距離(軸心oから軸心aまでの水平距離)はL1cos(α02)であり、前方作業域での最大ブーム先端距離はL1cos(α01)である。つまり、前方作業域では、側方作業域よりもブーム3の先端部を機体から遠くに位置させることが可能となり、前方作業域での作業範囲が拡大されることになる。
このような作業範囲を拡大する制御は、前方作業スイッチ12がオン操作されている場合にのみ実施される。前方作業スイッチ12がオフの場合には、フロント装置29が前方作業域に位置していたとしても、最小ブーム角が側方作業域での設定値(α0−α2)とされる。
[2.パイロット回路]
図22に、油圧ショベル30の油圧回路を示す。この油圧回路には、油圧アクチュエータ(各種油圧駆動装置)に供給される作動油が流通するメイン回路C1と、複数のパイロット回路とが設けられる。メイン回路C1は第一実施形態のものと同様である。なお、第一実施形態では、ブームパイロット回路C3のブーム制限電磁弁15がコントローラ18によって制御されるものを例示したが、第三実施形態ではブーム制限電磁弁15が後述するリレー回路C7によって制御される。
旋回パイロット回路C2に介装された旋回制限電磁弁23L,23Rは、スプール位置がb位置の時に旋回リモコン弁21L,21Rと旋回制御弁22との間のパイロット通路を遮断し、旋回制御弁22のパイロット圧を作動油タンク24側に開放(連通)する。また、スプール位置がa位置の時に旋回リモコン弁21L,21Rと旋回制御弁22との間のパイロット通路を接続する。なお、旋回制限電磁弁23L,23Rは、通電時にスプール位置がb位置となり、非通電時にスプール位置がa位置となる特性を有する。
ブームパイロット回路C3に介装されたブーム制限電磁弁15は、スプール位置がb位置の時にブームリモコン弁42Rとブーム制御弁26との間のパイロット通路を遮断し、ブーム制御弁26のパイロット圧を作動油タンク24側に開放(連通)する。また、スプール位置がa位置の時にブームリモコン弁42Rとブーム制御弁26との間のパイロット通路を接続する。なお、ブーム制限電磁弁15は、通電時にスプール位置がb位置となり、非通電時にスプール位置がa位置となる特性を有する。
[3.リレー回路]
図23に示すように、リレー回路C7は、第一回路C7,第二回路C7,第三回路C7及び第四回路C7の四つの回路に大別される。なお、図23中に示す記号+Bは直流の電源ラインを示し、記号GNDはグラウンドラインを示す。
第一回路C7は、一対の近接スイッチ11L,11Rと一対のブーム近接スイッチ81a,81bのオン/オフ状態に応じてリレーの励磁/非励磁の状態を切り換えるための回路である。ここでは、それぞれの近接スイッチ11L,11R,ブーム近接スイッチ81a,81bに対応して、第一リレーコイル84,第二リレーコイル85,第三リレーコイル86及び第四リレーコイル87が設けられ、各スイッチがオンであるときに各リレーコイルが励磁される。
第二回路C7は、前方作業スイッチ12のオン/オフの状態に応じて第五リレーコイル88の励磁/非励磁の状態を切り換えるための回路である。第二回路C7上には、グラウンドライン側から順に第五リレーコイル88及び前方作業スイッチ12が直列に介装される。前方作業スイッチ12よりも電源ライン側は回路が二本に分岐し、それぞれが電源ラインに接続される。これらの二本の並列回路のうちの一方には、第一リレーコイル84の接点84a及び第二リレーコイル85の接点85aが直列に介装される。また、他方の回路上には第五リレーコイル88の通電状態を自己保持するための接点88aが介装される。
接点84aは第一リレーコイル84の励磁時にオンになる接点であり、接点85aは第二リレーコイル85の励磁時にオンになる接点である。例えば、フロント装置29が前方作業域に位置するときには、これらの接点84a,85aがともにオンとなる。
接点88aは、第五リレーコイル88の励磁時にオンになる接点であり、第五リレーコイル88の通電状態を自己保持する機能を持つ。これにより、フロント装置29が前方作業域に位置するときに前方作業スイッチ12がオン操作されると第五リレーコイル88が励磁されるとともに、その後は前方作業スイッチ12がオフ操作されない限り第五リレーコイル88が励磁され続ける。
第三回路C7は、旋回操作に係る旋回制限電磁弁23R,23Lを近接スイッチ11L,11Rでの検知状態に応じて制御するための回路である。第三回路C7上の電源ライン側には、第五リレーコイル88の励磁時にオンになる接点88bが介装される。また、接点88bよりもグラウンドライン側は回路が二本に分岐し、それぞれがグラウンドラインに接続される。
これらの二本の並列回路のうちの一方には、右旋回操作に係る旋回制限電磁弁23Rと第一リレーコイル84の接点84bが直列に介装される。接点84bは、第一リレーコイル84の励磁時にオフになる接点である。また、他方の回路上には、左旋回操作に係る旋回制御電磁弁23Lと第二リレーコイル85の接点85bが直列に介装される。接点85bは、第二リレーコイル85の励磁時にオフになる接点である。これにより、第五リレーコイル88の励磁時に近接スイッチ11Rがオフ(プレート10a,10bを検知しない)になると、旋回制限電磁弁23Rが通電される。また、第五リレーコイル88の励磁時に近接スイッチ11Lがオフ(プレート10a,10bを検知しない)になると、旋回制限電磁弁23Lが通電される。
第四回路C7は、ブーム操作に係るブーム制限電磁弁15をブーム近接スイッチ81a,81bでの検知状態に応じて制御するための回路である。第四回路C7は、ブザー90が介装されたラインと、ブーム制限電磁弁15が介装されたラインと、これらの二本のライン間を接続する連結路89とを有する。ブザー90及びブーム制限電磁弁15はそれぞれのラインのグラウンドライン側に設けられ、連結路89はブザー90及びブーム制限電磁弁15よりも電源ライン側を接続する。
連結路8よりも電源ライン側の二本の回路のうちの一方には、第五リレーコイル88の接点88c及び第三リレーコイル86の接点86aが介装される。他方には、第五リレーコイル88の接点88d及び第四リレーコイル87の接点87aが介装される。
接点88cは第五リレーコイル88の励磁時にオンとなる接点であり、逆に接点88dは第五リレーコイル88の励磁時にオフとなる接点である。また、接点86aは第三リレーコイル86の励磁時にオフになる接点であり、接点87aは第四リレーコイル87の励磁時にオフになる接点である。
第四回路C7では、第五リレーコイル88の励磁時には、第三リレーコイル86の励磁/非励磁の状態に応じてブザー90及びブーム制限電磁弁15が通電される。一方、第五リレーコイル88の励磁時には、第三リレーコイル86の代わりに第四リレーコイル87の励磁/非励磁の状態に応じてブザー90及びブーム制限電磁弁15が通電される。
[4.作用]
[4−1.旋回操作・前方作業スイッチがオフの場合]
前方作業スイッチ12がオフ操作されている状態では、リレー回路C7内の第二回路C7が通電されない。第五リレーコイル88は非励磁の状態となり、第三回路C7の接点88bがオフとなる。これにより、近接スイッチ11L,11Rでの検知状態に関わらず旋回制限電磁弁23L,23Rが非通電となり、スプール位置がa位置となる。したがって、旋回リモコン弁21L,21Rと旋回制御弁22との間のパイロット通路が連通し、旋回操作レバー21による左右旋回操作が許容された通常の操作状態となる。
[4−2.ブーム操作・前方作業スイッチがオフの場合]
リレー回路C7内の第四回路C7では、接点88cがオフになるとともに接点88dがオンになる。ブザー90及びブーム制限電磁弁15が通電されるのは、接点87aが閉じる第四リレーコイル87の非励磁時、すなわち、ブーム側方スイッチ81bが第二プレート部82bの存在を検知していないときに限られる。
つまり、ブーム角αが(α0−α2)以上であるときにはブザー90及びブーム制限電磁弁15に通電されず、ブーム制限電磁弁15のスプール位置がa位置となる。したがって、ブームリモコン弁42Rとブーム制御弁26との間のパイロット通路が連通し、ブーム操作レバー42によるブーム3の操作が許容された通常の操作状態となる。
一方、ブーム下げ操作が継続されてブーム角αが(α0−α2)未満になると、ブーム近接スイッチ81bが切断されて第四リレーコイル87が非励磁となる。また、第四回路C7の接点88dはオンになり、ブザー90及びブーム制限電磁弁15が通電される。これにより、ブザー90から警告音が発せられるとともに、ブーム制限電磁弁15のスプール位置がb位置に切り換えられ、それ以上のブーム下げ操作が制限される。
[4−3.旋回操作・前方作業スイッチがオンの場合]
油圧ショベル30のフロント装置29が前方作業域に位置している状態では、リレー回路C7内の第一回路C7で第一リレーコイル84及び第二リレーコイル85がともに励磁される。フロント装置29が前方作業域に位置している状態で前方作業スイッチ12がオンに操作されると、第二回路C7の第五リレーコイル88が励磁されて接点88aが閉じ(オンになり)、励磁状態が自己保持される。また、第三回路C7の接点88bがオンになる。
このとき、近接スイッチ11L,11Rがともにプレート10a,10bの何れかを検知していれば、第三回路C7の接点84b,85bがともにオフであることから旋回制限電磁弁23L,23Rが非通電となり、これらのスプール位置がb位置となる。したがって、旋回リモコン弁21L,21Rと旋回制御弁22との間のパイロット通路が連通し、旋回操作レバー21による左右旋回操作が許容された通常の操作状態となる。
また、例えば右旋回方向への操作によりフロント装置29が側方作業域に入ろうとすると、一方の近接スイッチ11Rがプレート10a,10bを検知しなくなり、第一リレーコイル84が非励磁となる。これにより、第三回路C7の接点84bがオンになり、右旋回操作に係る旋回制限電磁弁23Rが通電される。したがって、旋回制限電磁弁23Rのスプール位置がb位置に切り換えられ、旋回制御弁22のスプール位置が中立に戻る。上部旋回体2の右旋回は停止し、これ以上の旋回が禁止される。
このとき、他方の近接スイッチ11Lがまだプレート10a,10bを検知していれば、第二リレーコイル85は励磁されたままであり、第三回路C7の接点85bがオフである。したがって、左旋回操作に係る左旋回操作に係る旋回制限電磁弁23Lのスプール位置はa位置に維持され、上部旋回体2の左旋回操作(すなわち、前方作業域側へと旋回角度を戻すための操作)は許容される。
なお、例えば左旋回方向への操作によりフロント装置29が側方作業域に入ろうとした場合も同様であり、上部旋回体2の左旋回が停止し、これ以上の旋回が禁止されるとともに、右旋回操作が許容される。
[4−4.ブーム操作・前方作業スイッチがオンの場合]
リレー回路C7内の第四回路C7では、接点88cがオンになるとともに、接点88dがオフとなる。ブザー90及びブーム制限電磁弁15が通電されるのは、接点86aが閉じる第三リレーコイル86の非励磁時、すなわち、ブーム側方スイッチ81aが第一プレート部82aの存在を検知していないときに限られる。
つまり、ブーム角αが(α0−α1)以上であるときにはブザー90及びブーム制限電磁弁15に通電されず、ブーム制限電磁弁15のスプール位置がa位置となる。したがって、ブームリモコン弁42Rとブーム制御弁26との間のパイロット通路が連通し、ブーム操作レバー42によるブーム3の操作が許容された通常の操作状態となる。
ここでいう角度(α0−α1)は、上述の角度(α0−α2)よりも小さい角度である。つまり、前方作業スイッチ12がオン操作されたときには、オフ操作時よりもブーム角αが小さくなるようなブーム下げ操作が許容される。したがって、図21に示すように、前方作業域では側方作業域よりもブーム3を深く傾斜させることが可能となる。なお、ブーム角αが小さいほど、ブーム3の基端部の軸心oから先端の軸心aまでの水平距離LBMが増大する。
一方、ブーム下げ操作が継続されてブーム角αが(α0−α1)未満になると、ブーム近接スイッチ81bが切断されて第四リレーコイル87が非励磁となる。また、第四回路C7の接点88dはオンになり、ブザー90及びブーム制限電磁弁15が通電される。これにより、ブザー90から警告音が発せられるとともに、ブーム制限電磁弁15のスプール位置がb位置に切り換えられ、それ以上のブーム下げ操作が制限される。
[5.効果]
このように、開示の作業機械の作業範囲制御装置によれば、前方作業域及び側方作業域のそれぞれに対して異なる最小ブーム角が設定され、特に機体安定性の面で有利な前方作業域での作業範囲が大幅に拡大される。つまり、旋回姿勢が前方姿勢である場合には、側方姿勢のときよりもブーム3の傾斜を大きく(最小ブーム角を小さく)することができ、安定性を確保しつつ容易に作業範囲を定めることができ、作業性を向上させることができる。また、上部旋回体2の旋回姿勢が側方姿勢である場合には、ブーム3の傾斜を小さく(最小ブーム角を大きく)することができ、安定性を向上させることができる。
また、フロント装置29の基端部仰角を制限することで、フロント装置29の作業範囲を簡便に定めることができ、シンプルな制御構成とすることができる。例えば、第一実施形態のコントローラ18ではアーム5の先端の座標を演算しているが、このような演算を省略してブーム角αのみで作業範囲を制御することが可能である。
また、開示の作業範囲制御装置によれば、ブーム3の姿勢制御に関して、コントローラ18だけでなくブーム角センサ7も不要とすることができる。特に、第三実施形態の作業範囲制御装置では、ブーム近接スイッチ81a,81bとブームプレート82とをブーム3の基端部に設けるという簡素な構成で、コストを高騰させることなく確実に最小ブーム角を把握することができる。また、ブーム近接スイッチ81a,81bでの検知状態に基づいて動作するリレー回路C7を用いてブーム制限電磁弁15及び旋回制限電磁弁23L,23Rを制御しているため、従来のシステムへの適用が容易であるとともに、従来のシステムと比較してコストを低減させることができる。
さらに、開示の作業範囲制御装置では、作業範囲を拡大するための条件(第五リレーコイル88を励磁状態とするための条件)が、近接スイッチ11L,11Rでの近接状態の検知と前方作業スイッチ12のオン操作とのアンド条件となっている。したがって、万が一何れかのセンサ又はスイッチが故障した場合や断線が生じたような場合には、必ず最小ブーム角が安定側の(α0−α2)に設定される。したがって、制御の安定性を高めることができる。
[6.変形例]
第三実施形態の各構成及び各処理は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。上述の第三実施形態では、第一実施形態の作業範囲制御装置におけるブーム3の動作を制限するための手法を変更したものを例示したが、基本構成は第一実施形態のものに限られない。少なくとも、先端側に連結されるアーム及び基端側に連結されるブームを有するフロント装置が軸支された上部旋回体を具備する作業機械であれば、この作業範囲制御装置を適用することが可能である。
上述の第三実施形態では、前方作業域と側方作業域とで異なる最小ブーム角が設定されているが、最小ブーム角の大きさを予め設定された固定値ではなく、フロント装置29の種類や破砕機6の重量,下部走行体1の傾斜状態(路面の安定度)等に応じた補正が加えられた変数としてもよい。あるいは、二段階の最小ブーム角を設定するのではなく、多段階の最小ブーム角を設定してもよい。この場合、上部旋回体2の正面方向が下部走行体1の前後方向に近いほど最小ブーム角を小さく設定し、上部旋回体2の正面方向が下部走行体1の車幅方向に近いほど最小ブーム角を大きく設定することが考えられる。
このような構成により、機体安定性を確保しつつ作業範囲をさらに拡大することができ、作業性を向上させることができる。
[7.付記]
上記の第三実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
フロント装置が軸支された上部旋回体を旋回可能に支持する下部走行体を具備する作業機械の作業範囲制御装置であって、
該フロント装置の基端部仰角を検出する仰角検出手段と、
該フロント装置の基端部仰角が減少する方向への操作を制限する制御手段と
を備えたことを特徴とする、作業機械の作業範囲制御装置。
(補足1)
フロント装置の姿勢は、フロント装置を構成する各部位の寸法及び角度に応じて変化する。例えば、ブーム,ジブ,アーム及び破砕機の四部位からなるロング解体仕様のフロント装置を備えた解体作業機の場合には、各部位の関節の角度を検出する複数の角度センサを設けることで、フロント装置の正確な姿勢を演算することが可能である。しかしながら、角度センサの検出信号に基づく演算を実施するには電子制御装置が必要となり、システムが高価になる。
フロント装置の機体から水平方向への延出距離に大きな影響を与える要因の一つとしては、基端部仰角が挙げられる。つまり、フロント装置の基端部仰角を参照することで、フロント装置の姿勢の概況を捉えることが可能となる。また、基端部仰角が減少する方向への操作を制限することで、フロント装置の機体前方への移動が抑制されるため、フロント装置の作業範囲が制限されることになる。したがって、例えば電子制御装置等を用いてフロント装置の先端部の位置を正確に演算しなくても、基端部仰角のみでフロント装置の作業範囲を管理することが可能となり、低コストでフロント装置の操作性,作業性を向上させることができる。
(付記2)
該下部走行体に対する該上部旋回体の旋回姿勢を検出する旋回姿勢検出手段を備え、
該制御手段が、該旋回姿勢が該下部走行体の側方を向いた側方姿勢である場合に、該フロント装置の基端部仰角の最小値を第一所定値以上に制限するとともに、該旋回姿勢が該下部走行体の前方又は後方を向いた前方姿勢である場合に、該最小値を該第一所定値よりも小さい第二所定値以上に制限する
ことを特徴とする、付記1記載の作業機械の作業範囲制御装置。
(補足2)
旋回姿勢に応じて基端部仰角の最小値を制限することで、安定性を確保しつつ作業性を向上させることができる。例えば、上部旋回体の旋回姿勢が側方姿勢である場合には、フロント装置の作業範囲を狭めて安定性を向上させることができる。一方、旋回姿勢が前方姿勢である場合には、フロント装置の作業範囲を側方姿勢のときよりも遠方まで拡大することができる。
(付記3)
該仰角検出手段が、該フロント装置の基端部及び該上部旋回体の何れか一方に固定されたプレートと、該フロント装置の基端部及び該上部旋回体の何れか他方に固定され、該プレートの近接状態を検出するブーム近接スイッチとを有し、
該制御手段が、該ブーム近接スイッチで検出された該近接状態に基づき該基端部仰角を制御する
ことを特徴とする、付記1又は2記載の作業機械の作業範囲制御装置。
(補足3)
簡素な構成で、コストを高騰させることなく確実に基端部仰角を把握することができる。
(付記4)
該制御手段が、該フロント装置のパイロット操作回路上に介装された切換弁と、該ブーム近接スイッチで検出された該近接状態に基づき該切換弁のスプール位置を切り換えるリレー回路とを有する
ことを特徴とする、付記3記載の作業機械の作業範囲制御装置。
(補足4)
リレー回路を用いた切換弁の制御により、構成の簡素化がより容易となる。また、従来のシステムへの適用が容易であるとともに、従来のシステムと比較してコストを低減させることができる。
本発明は、フロント作業機を備えた作業機械(例えば、油圧ショベルや油圧式クレーン等)の作業範囲制御装置全般に適用することができる。
1 下部走行体
2 上部旋回体
3 ブーム
3a ブームシリンダ
4 ジブ
4a ジブシリンダ
5 アーム
5a アームシリンダ
6 破砕機
6a バケットシリンダ
7 ブーム角センサ(角度検出手段)
8 ジブ角センサ(角度検出手段)
9 アーム角センサ(角度検出手段)
10a,10b プレート(板部材)
11L,11R 近接スイッチ(旋回姿勢検出手段)
12 前方作業スイッチ
13 モニタコンソール
14 スピーカ
15 ブーム制限電磁弁
16L,16R ジブ制限電磁弁
17L,17R アーム制限電磁弁
18 コントローラ(制御手段)
21 旋回操作レバー
21L,21R 旋回リモコン弁
22 旋回制御弁
23L,23R 旋回制限電磁弁
29 フロント装置
30 油圧ショベル
31 位置演算部(位置演算手段)
32 側方作業範囲データ記憶部(第一記憶手段)
33 前方作業範囲データ記憶部(第二記憶手段)
34 旋回角度判定部
35 フロント部材データ記憶部
37 作業範囲制限判定部
42 ブーム操作レバー
42L,42R ブームリモコン弁
43 ジブ操作レバー
43L,43R ジブリモコン弁
44 アーム操作レバー
44L,44R アームリモコン弁
45 自動制御部(軌跡制御手段)
46 ジブ自動制御部
47 ブーム自動制御部
50 自動制御スイッチ(垂直移動スイッチ)
51L,51R ブーム電磁切換弁
52L,52R ブーム電磁比例減圧弁
53 シャトル弁
54 ブームリモコン圧センサ
55L,55R ジブ電磁切換弁
56L,56R ジブ電磁比例減圧弁
57 シャトル弁
58 ジブリモコン圧センサ
59L,59R アーム電磁比例減圧弁
60 目標ジブ角演算器
61 制御演算器
62 アーム角速度演算器
63 目標ジブ角速度演算器(目標ブーム角速度演算手段)
64 目標ジブシリンダ速度演算器(目標ブームシリンダ速度演算手段)
65 フィードフォワードゲイン設定器
66 ジブ角速度演算器
67 制御演算器
69a,69b バルブ信号変換器
70 目標ブーム角演算器
71 制御演算器
72 アーム角速度演算器
73 目標ブーム角速度演算器(目標ブーム角速度演算手段)
74 目標ブームシリンダ速度演算器(目標ブームシリンダ速度演算手段)
75 フィードフォワードゲイン設定器
76 ブーム角速度演算器
77 制御演算器
79a,79b バルブ信号変換器
81a,81b ブーム近接スイッチ
81c 取り付けブラケット
82 ブームプレート(基端プレート)
82a 第一プレート部
82b 第二プレート部
83 スイングフレーム
90 ブザー
C1 メイン回路
C2 旋回パイロット回路
C3 ブームパイロット回路
C4 ジブパイロット回路
C5 アームパイロット回路
C6 リレー回路
C7 リレー回路

Claims (8)

  1. フロント装置が軸支された上部旋回体を旋回可能に支持する下部走行体を具備する作業機械の作業範囲制御装置であって、
    該下部走行体に対する該上部旋回体の旋回姿勢を検出する旋回姿勢検出手段と、
    該フロント装置の作業範囲としての側方作業範囲を記憶する第一記憶手段と、
    該フロント装置の作業範囲として、該作業機械の機体中心から外端までの水平距離が該側方作業範囲よりも大きく設定された前方作業範囲を記憶する第二記憶手段と、
    該旋回姿勢が該下部走行体の側方を向いた側方姿勢である場合に、該フロント装置の作業範囲を該側方作業範囲の内側に制限するとともに、該旋回姿勢が該下部走行体の前方又は後方を向いた前方姿勢である場合に、該フロント装置の作業範囲を該前方作業範囲の内側まで拡大する制御手段とを備えた
    ことを特徴とする、作業機械の作業範囲制御装置。
  2. 該フロント装置の節点角度を検出する角度検出手段と、
    該角度検出手段で検出された該節点角度に基づき、該フロントの先端部の位置を演算する位置演算手段とを備え、
    該制御手段が、
    該旋回姿勢が該側方姿勢である場合に、該位置演算手段で演算された該位置が該側方作業範囲の外端を超える該フロント装置の操作を禁止し、
    該旋回姿勢が該前方姿勢である場合に、該位置演算手段で演算された該位置が該前方作業範囲の外端を超えないまでの該フロント装置の操作を許容する
    ことを特徴とする、請求項1記載の作業機械の作業範囲制御装置。
  3. 該制御手段が、該旋回姿勢が該前方姿勢である場合に、該旋回姿勢が該前方姿勢以外の姿勢になることを禁止する
    ことを特徴とする、請求項2記載の作業機械の作業範囲制御装置。
  4. 該下部走行体及び該上部旋回体の何れか一方に設けられた板部材と、
    該下部走行体及び該上部旋回体の何れか他方に該板部材と対向して設けられ、該板部材の近接状態を検出する近接スイッチと、
    該作業機械の搭乗者によってオン/オフの二位置に操作される前方作業スイッチとを備え、
    該制御手段が、
    該近接スイッチで該近接状態が検出されかつ該前方作業スイッチがオン操作されている場合に、該位置演算手段で演算された該位置が該前方作業範囲の外端を超えないまでの該フロント装置の操作を許容し、
    該近接スイッチで該近接状態が検出されかつ該前方作業スイッチがオフ操作されている場合に、該旋回姿勢が該側方姿勢である場合と同一の制御を実施する
    ことを特徴とする、請求項2又は3記載の作業機械の作業範囲制御装置。
  5. 該フロント装置が、先端側に連結されるアーム及び基端側に連結されるブームを有し、
    該角度検出手段が、該アーム及び該ブームのそれぞれの基端部の節点角度を検出するとともに、
    該作業機械の搭乗者によってオン/オフの二位置に操作される垂直移動スイッチと、
    該垂直移動スイッチがオンに操作された状態でのアーム操作時に、該アームの基端部の節点角度及び該ブームの基端部の節点角度に基づき、該ブームを該アームと同時に作動させて該アームの先端を垂直方向に移動させる軌跡制御手段とを備えた
    ことを特徴とする、請求項2〜4の何れか1項に記載の作業機械の作業範囲制御装置。
  6. 該軌跡制御手段が、
    該ブームの角速度の目標値を演算する目標ブーム角速度演算手段と、
    該角速度の目標値に基づき、該ブームを駆動するブームシリンダの伸縮速度の目標値を演算する目標ブームシリンダ速度演算手段と、を有する
    ことを特徴とする、請求項5記載の作業機械の作業範囲制御装置。
  7. 該制御手段が、
    該旋回姿勢が該側方姿勢である場合に、該フロント装置の基端部仰角の最小値を第一所定値以上に制限するとともに、該旋回姿勢が該前方姿勢である場合に、該最小値を該第一所定値よりも小さい第二所定値以上に制限する
    ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の作業機械の作業範囲制御装置。
  8. 該フロント装置の基端部及び該上部旋回体の何れか一方に固定された基端プレートと、
    該フロント装置の基端部及び該上部旋回体の何れか他方に固定され、該基端プレートの近接状態を検出するブーム近接スイッチとを備え、
    該制御手段が、該ブーム近接スイッチで検出された該近接状態に基づき、該フロント装置の仰角を制御する
    ことを特徴とする、請求項7記載の作業機械の作業範囲制御装置。
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