JP2011182782A - 油脂分解微生物、微生物固定化担体、廃水の処理方法、並びに、廃水処理システム - Google Patents

油脂分解微生物、微生物固定化担体、廃水の処理方法、並びに、廃水処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】油脂含有廃水を高効率で処理できる新規の油脂分解微生物等を提供する。
【解決手段】Serratia marcescens KY29株(FERM P−21888)である油脂分解微生物が提供される。本発明の油脂分解微生物は高い油脂分解能を有するとともに、樹脂製接触材等の担体に対する親和性が高い。さらに、他の微生物と共生する能力に優れている。セラチア(Serratia)属に属し、油脂分解能を有する油脂分解微生物が固定化された微生物固定化担体、当該油脂分解微生物又は当該微生物固定化担体を用いる廃水の処理方法、並びに、当該油脂分解微生物又は当該微生物固定化担体を有する廃水処理システムも提供される。
【選択図】図2

Description

本発明は、油脂分解微生物、微生物固定化担体、廃水の処理方法、並びに、廃水処理システムに関し、さらに詳細には、セラチア(Serratia)属に属する新規の油脂分解微生物、セラチア属に属する油脂分解微生物が固定化された微生物固定化担体、当該油脂分解微生物又は当該微生物固定化担体を用いる廃水の処理方法、並びに、当該油脂分解微生物又は当該微生物固定化担体を有する廃水処理システムに関する。
動物性油脂や植物性油脂等の油脂を含有する廃水(油脂含有廃水)の処理方法としては、従来より、加圧浮上装置あるいは油分分離槽等の前処理施設で油脂の大部分を分離除去した後、残存した油について、活性汚泥法、回転円板法、散水ろ床法等の生物学的処理方法を用いて処理(浄化)する方法が採用されている。しかし、この方法は油脂を水から分離して処理系外に排出するものであり、分離された油泥を産業廃棄物として別途処分しなければならない。また、前述の生物学的処理方法は、一般に、油脂に対する処理能力があまり高くない。このような背景の下、近年、油脂分解能を有する微生物(油脂分解微生物)が種々見出され(例えば、特許文献1〜3)、微生物製剤への応用が試みられている。
特開平6−153922号公報 特開2002−125659号公報 特開2003−116526号公報
しかし、現状の微生物製剤が十分な油脂分解能を有しているとは必ずしも言えず、より高い油脂分解能を有する油脂分解微生物が求められている。
また、微生物製剤を用いて廃水処理する場合には、処理槽内に添加した微生物が流入廃水によって希釈されてしまい、微生物濃度を適正値に維持することが難しいという問題がある。さらに、微生物製剤を構成する微生物は廃水処理系において外来種であることが多く、土着微生物群との生存競争に不利であり、処理槽内に定着させることが難しいという問題もある。したがって、油脂分解微生物が廃水処理系に安定して存在でき、油脂含有廃水を長期にわたって安定的に処理できる技術が求められている。
上記した現状に鑑み、本発明は、油脂分解能に優れた新規油脂分解微生物を提供するとともに、当該油脂分解微生物を利用した一連の廃水処理技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、より高い油脂分解能を有する新規微生物を分離すべく、様々な環境から採取した土壌を分離源として微生物のスクリーニングを行った。その結果、高い油脂分解能に加え、接触材(担体)への高い親和性を有し、さらに、他の微生物との共生能力にも優れた新規油脂分解微生物を分離することに成功した。そして、当該油脂分解微生物を利用した一連の廃水処理技術を開発し、本発明を完成した。上記した課題を解決するための本発明は、以下のとおりである。
請求項1に記載の発明は、Serratia marcescens KY29株(FERM P−21888)である油脂分解微生物である。
本発明により提供される油脂分解微生物は、Serratia marcescens KY29株(FERM P−21888)(以下、「KY29株」と略記することがある。)であり、高い油脂分解能力を有する。本発明の油脂分解微生物によれば、油脂含有廃水を高効率で処理(浄化)することができる。
また本発明の油脂分解微生物は、樹脂製接触材等の担体に対する親和性が高いので、他の微生物(例えば、廃水原水中に存在する雑多な一般微生物)よりも優先的に担体に固定化される。また、担体に対する親和性が高いので、固定化の作業も容易である。一方、本発明の油脂分解微生物は他の微生物と共生する能力にも優れており、担体等の上で別種類の油脂分解微生物と容易に共生することができる。
請求項2に記載の発明は、セラチア(Serratia)属に属し、油脂分解能を有する油脂分解微生物が、担体に固定化されてなる微生物固定化担体である。
本発明は微生物固定化担体に係るものであり、セラチア属に属する油脂分解微生物が固定化されている。本発明の微生物固定化担体によれば、流動床式などの生物膜法による油脂含有廃水の処理を効率的に行うことができる。
請求項2に記載の微生物固定化担体において、前記油脂分解微生物が、Serratia marcescens、Serratia ficaria、Serratia rubidaea、又はSerratia grimesiiであることが好ましい(請求項3)。
請求項2に記載の微生物固定化担体において、前記油脂分解微生物が、Serratia marcescens KY29株(FERM P−21888)であることが好ましい(請求項4)
請求項2〜4のいずれかに記載の微生物固定化担体において、担体が、樹脂製である構成が好ましい(請求項5)。
請求項5に記載の微生物固定化担体において、担体が、発泡体からなる構成が好ましい(請求項6)。
請求項7に記載の発明は、前記油脂分解微生物とは別種類の油脂分解微生物がさらに固定化されていることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の微生物固定化担体である。
本発明の微生物固定化担体は、上記した油脂分解微生物に加えて、別種類の油脂分解微生物がさらに固定化されている。特に、KY29株は他の微生物と共生する能力に優れており、担体上で、別種類の油脂分解微生物と容易に共生することができる。さらに、当該別種類の油脂分解微生物が単独では担体に固定化されにくいものであっても、KY29株との共生によって固定化することが可能となる。本発明の微生物固定化担体は複数種の油脂分解微生物を有するので、油脂含有廃水の処理において、性状の異なる様々な廃水や、流入変動等の処理環境の変化にも容易に対応できる。
ここで、「別種類の油脂分解微生物」には、分類学上の属レベルや種レベルで異なるものはもちろん、種レベルでは同じであるが遺伝子の相同性レベルで異なるもの等も含まれる。また、固定化される別種類の油脂分解微生物は、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。
請求項7に記載の微生物固定化担体において、別種類の油脂分解微生物が、セラチア(Serratia)属、バークホルデリア(Burkholderia)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、バチルス(Bacilllus)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、スフィンゴモナス(Sphingomonas)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属、リゾビウム(Rhizobium)属、テトラスファエラ(Tetrasphaera)属、ヤロウィア(Yarrowia)属、及びカンジダ(Candida)属からなる群より選ばれた属に属するものである構成が好ましい(請求項8)。
請求項9に記載の発明は、油脂を含有する廃水を処理する方法であって、セラチア(Serratia)属に属し、油脂分解能を有する油脂分解微生物を、前記廃水に接触させる工程を包含することを特徴とする廃水の処理方法である。
本発明は廃水の処理方法に係るものであり、セラチア属に属する油脂分解微生物を油脂含有廃水に接触させる工程を包含する。本発明の廃水の処理方法によれば、油脂含有廃水を高効率で処理することができる。
請求項9に記載の廃水の処理方法において、前記油脂分解微生物が、Serratia marcescens、Serratia ficaria、Serratia rubidaea、又はSerratia grimesiiであることが好ましい(請求項10)。
請求項9に記載の廃水の処理方法において、前記油脂分解微生物が、Serratia marcescens KY29株(FERM P−21888)であることが好ましい(請求項11)。
請求項12に記載の発明は、前記工程において、前記油脂分解微生物と共に、前記油脂分解微生物とは別種類の油脂分解微生物を前記廃水に接触させることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の廃水の処理方法である。
かかる構成により、性状の異なる様々な廃水や、流入変動等の処理環境の変化にも容易に対応できる。本発明においても「別種類の油脂分解微生物」には、分類学上の属レベルや種レベルで異なるものはもちろん、種レベルでは同じであるが遺伝子の相同性レベルで異なるもの等も含まれる。また、接触させる別種類の油脂分解微生物は、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。
請求項12に記載の廃水の処理方法において、別種類の油脂分解微生物が、セラチア(Serratia)属、バークホルデリア(Burkholderia)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、バチルス(Bacilllus)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、スフィンゴモナス(Sphingomonas)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属、リゾビウム(Rhizobium)属、テトラスファエラ(Tetrasphaera)属、ヤロウィア(Yarrowia)属、及びカンジダ(Candida)属からなる群より選ばれた属に属するものである構成が好ましい(請求項13)。
請求項14に記載の発明は、油脂を含有する廃水を処理する方法であって、請求項2〜8のいずれかに記載の微生物固定化担体を前記廃水に接触させる工程を包含することを特徴とする廃水の処理方法である。
本発明の廃水の処理方法では、本発明の微生物固定化担体を油脂含有廃水に接触させる。本発明の廃水の処理方法によれば、流動床式などの生物膜法による油脂含有廃水の処理を効率的に行うことができる。また、前記油脂分解微生物に加えて別種類の油脂分解微生物がさらに固定化された微生物固定化担体を用いる場合には、性状の異なる様々な廃水や、流入変動等の処理環境の変化にも容易に対応できる。
請求項15に記載の発明は、セラチア(Serratia)属に属し、油脂分解能を有する油脂分解微生物又は請求項2〜8のいずれかに記載の微生物固定化担体と、油脂を含有する廃水が処理される廃水処理槽とを有し、当該廃水処理槽内で前記油脂分解微生物又は前記微生物固定化担体と前記廃水とを接触させることが可能であることを特徴とする廃水処理システムである。
本発明は廃水処理システムに係るものであり、セラチア属に属する油脂分解微生物又は本発明の微生物固定化担体と、油脂を含有する廃水が処理される廃水処理槽とを有する。そして、本発明の廃水処理システムでは、廃水処理槽内で、セラチア属に属する油脂分解微生物又は本発明の微生物固定化担体と油脂含有廃水とを接触させることが可能である。本発明の廃水処理システムによれば、油脂含有廃水を高効率で処理することができる。
請求項15に記載の廃水処理システムにおいて、前記油脂分解微生物が、Serratia marcescens、Serratia ficaria、Serratia rubidaea、又はSerratia grimesiiであることが好ましい(請求項16)。
請求項15に記載の廃水処理システムにおいて、前記油脂分解微生物が、Serratia marcescens KY29株(FERM P−21888)であることが好ましい(請求項17)。
請求項18に記載の発明は、前記油脂分解微生物が固定化される担体を廃水処理槽内に有し、廃水処理槽内に導入された前記油脂分解微生物が廃水処理槽内において前記担体に固定化されることを特徴とする請求項15〜17のいずれかに記載の廃水処理システムである。
かかる構成により、油脂分解微生物の担体への固定化を迅速かつ容易に行うことができる。
請求項19に記載の発明は、前記油脂分解微生物を培養する微生物培養槽をさらに備え、当該微生物培養槽から前記油脂分解微生物を廃水処理槽内に導入可能であることを特徴とする請求項15〜18のいずれかに記載の廃水処理システムである。
かかる構成により、油脂含有微生物の培養と廃水処理槽への供給が容易となる。
本発明の油脂分解微生物によれば、油脂含有廃水を高効率で処理(浄化)することができる。また本発明の油脂分解微生物は、他の微生物よりも優先的に担体に固定化することができ、油脂分解能を備えた微生物固定化担体を容易に作成できる。さらに、別種類の油脂分解微生物と共生する能力にも優れているので、担体等の上で別種類の油脂分解微生物と容易に共生することができる。
本発明の微生物固定化担体についても同様であり、油脂含有廃水を高効率で処理することができる。特に、別種類の油脂分解微生物がさらに固定化された構成によれば、油脂含有廃水の処理において、性状の異なる様々な廃水や、流入変動等の処理環境の変化にも容易に対応できる。
本発明の廃水の処理方法についても同様であり、油脂含有廃水を高効率で処理することができる。
本発明の廃水処理システムについても同様であり、油脂含有廃水を高効率で処理することができる。
本発明の一実施形態に係る廃水処理システムの構成を示す説明図である。 分離した油脂分解微生物の油脂分解能を評価した結果を示すグラフである。 担体への固定化特性評価実験で行った電気泳動の結果を示す写真である。 廃水処理現場における廃水処理実験で行った電気泳動の結果(2〜25日目)を示す写真である。 廃水処理現場における廃水処理実験で行った電気泳動の結果(28〜51日目)を示す写真である。
本発明は、セラチア(Serratia)属に属し、油脂分解能を有する油脂分解微生物、及びその用途に関連するものである。以下、油脂分解微生物がSerratia marcescens KY29株(FERM P−21888)(KY29株)である実施形態を中心に説明する。なおKY29株は、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(IPOD)に、受託番号FERM P−21888として寄託されている。KY29株の菌学的性質は、以下のとおりである。「+」は陽性、「−」は陰性を示す。
〔形態等〕
・細胞形態:桿菌(0.8〜0.9×1.2〜1.5μm)
・グラム染色性:−
・胞子の有無:−
・運動性:+
・コロニー形態
培地:LB寒天
培養時間:24時間
直径:1.0〜2.0mm
色調:淡黄色
形:円形
***状態:レンズ状
周縁:全縁
表面の形状など:スムーズ
透明度:不透明
粘稠度:バター様
・生育温度試験
37℃:+
45℃:−
・カタラーゼ反応:+
・オキシダーゼ反応:−
・グルコースからの酸/ガス生産(酸産生/ガス産生):+/+
・O/Fテスト(酸化/発酵):+/+
〔生理学的性質〕※「*」は生化学試験、「**」は酸化試験を示す。
・β−ガラクトシダーゼ*:+
・アルギニンジヒドロラーゼ*:−
・リシンデカルボキシラーゼ*:+
・オルニチンデカルボキシラーゼ*:+
・クエン酸の利用性*:+
・H2S生産*:−
・ウレアーゼ*:−
・トリプトファンデアミナーゼ*:−
・インドール産生*:−
・アセトイン産生*:+
・ゼラチナーゼ*:+
・ブドウ糖**:+
・D−マンニトール**:+
・イノシトール**:+
・D−ソルビトール**:+
・L−ラムノース**:−
・白糖**:+
・D−メリビオース**:+
・D−アミグダリン**:+
・L−アラビノース**:−
・オキシダーゼ*:−
・NO2産生*:+
・N2ガスへの還元*:−
・運動性:+
・MacConkey寒天培地での発育:+
・OF培地での酸化*:+
・OF培地での発酵*:+
・リパーゼ活性(Tween80):+
・でんぷんの加水分解:−
・カゼインの加水分解:+
・16rDNA塩基配列の相同性
Serratia marcescens:99%
Serratia nematodiphila:99%
以上の菌学的性質と16rDNA塩基配列の相同性より、KY29株はSerratia marcescensおよびSerratia nematodiphilaに近縁なSerratia sp.と同定された。
KY29株の培養方法としては、好気性微生物の培養方法として一般的な方法をそのまま採用することができる。例えば、適当な炭素源等を含有する液体培地を用いて、通気及び撹拌して培養することができる。培養温度としては、例えば5〜40℃、好ましくは15〜40℃、より好ましくは20〜35℃の範囲を選択することができる。
本発明の微生物固定化担体は、セラチア属に属する油脂分解微生物(KY29株等)が担体に固定化されてなるものである。担体の材質としては特に限定はないが、樹脂製のものが特に好ましい。当該樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、アクリル繊維、及びこれらの複合体が挙げられるが、ポリエチレンが特に好ましい。また、油脂分解微生物をより高密度に固定化するために、発泡体(例えばスポンジ状)からなる担体を用いることが好ましい。担体の形状としては、立方体状、直方体状、円柱状、球状、円板状、シート状、膜状など特に限定はない。これらの条件を満たす担体の具体例として、積水化学工業株式会社製の「ソフトロンキューブ」が挙げられる。
好ましい実施形態では、セラチア属に属する前記油脂分解微生物(KY29株等)に加えて、別種類の油脂分解微生物がさらに固定化されている。別種類の油脂分解微生物と共存(共生)させることにより、より広範囲の油脂含有廃水に対応することが可能となる。KY29株は担体に対する親和性が高いので、他の微生物(例えば、廃水原水中に存在する雑多な一般微生物)よりも優先的に担体に固定化されるが、一方で、KY29株は他の微生物と共生する能力にも優れている。そのため、担体に対する親和性が低いために単独では担体に固定化されにくい(別種類の)油脂分解微生物であっても、KY29株と共存(共生)させることにより、担体に固定化できるようになる。
より好ましい実施形態では、セラチア(Serratia)属、バークホルデリア(Burkholderia)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、バチルス(Bacilllus)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、スフィンゴモナス(Sphingomonas)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属、リゾビウム(Rhizobium)属、テトラスファエラ(Tetrasphaera)属、ヤロウィア(Yarrowia)属、又はカンジダ(Candida)属に属するものが、別種類の油脂分解微生物としてさらに固定化されている。
KY29株と共存(共生)させる別種類の油脂分解微生物として、本発明者らが分離してIPODに寄託した、Acinetobacter sp. KY3株(FERM P−21887)(以下、「KY3株」と略記することがある)、Burkholderia sp. OGA4-3株(FERM P−21889)(以下、「OGA4−3株」と略記することがある)、又はBurkholderia sp. OGA29-2株(FERM P−21890)(以下、「OGA29−2株」と略記することがある)を採用することが特に好ましい。OGA4−3株とOGA29−2株はいずれも単独では担体に固定化されにくいが、KY29株との共存(共生)により、担体に強固に固定化されるようになる。
セラチア属に属する油脂分解微生物(KY29株等)を担体に固定化する方法としては、例えば、KY29株等の培養液や保存菌体を担体に接触させる方法が挙げられる。例えば、廃水処理用のばっ気槽に適当量の担体と油脂含有廃水を入れ、KY29株等の培養液や保存菌体を当該ばっ気槽に導入し、通気・撹拌等により十分接触させればよい。別種類の油脂分解微生物も合わせて固定化する場合には、例えば、KY29株等と別種類の油脂分解微生物の培養液や保存菌体を混合して導入、或いは各々単独で順次導入することができる。
油脂分解微生物を担体に固定化する際の、担体当たりの油脂分解微生物の接触量は、担体の材質や形状等によって適宜選択すればよく、例えば、廃水処理用ばっ気槽の実効容積に対し担体の充填率が20%の場合、油脂分解微生物の培養液(1.0×108CFU/mL以上)をばっ気槽実効容積に対し10mg/L、好ましくは100mg/Lの割合で添加すればよい。
本発明の微生物固定化担体における、担体当たりの油脂分解微生物の固定化量(密度)は、処理すべき廃水の性状や、流入変動等の処理環境の変化に応じて、適宜選択することができる。例えば、食品工場等から排出される油脂を含む一般的な有機性廃水を処理する場合には、担体体積1Lあたり、油脂分解微生物を含む微生物群(生物汚泥)を乾燥重量で15〜45g程度の密度で固定化すればよい。これにより、導入された油脂分解微生物は微生物群を構成する主要優占種として存在することができる。なお、KY29株は担体に対する親和性が特に高いので、高密度に固定化することが可能である。
本発明の廃水の処理方法は、油脂を含有する廃水を、上記したセラチア属に属する油脂分解微生物(KY29株等)又は本発明の微生物固定化担体に接触させる工程を包含するものである。処理の対象となる油脂類としては、植物性油脂、動物性油脂、水産油脂、さらにこれらの加水分解物である脂肪酸が挙げられる。植物性油脂の例としては、綿実油、大豆油、トウモロコシ油、オリーブ油、落花生油、ナタネ油、ごま油、ひまわり油、パーム油、ヤシ油、及びこれらを原料としたサラダ油、マーガリン、ショートニング等が挙げられる。動物性油脂の例としては、ラード、牛脂、乳脂肪、及びこれらを原料としたバター等が挙げられる。水産油脂の例では、魚油、鯨油等が挙げられる。脂肪酸の例では、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などである。
本発明の廃水の処理方法は、好気性処理のあらゆる方式、例えば、活性汚泥法、生物膜法のいずれにも適用できる。生物膜法においては、従来の回転円板法や散水ろ床法にも適用できるが、樹脂発泡体からなる接触材を担体として用いる流動床式の処理に特に好ましく適用される。また、本発明の廃水の処理方法は、回分式、連続式のいずれの処理方式にも適用できる。
本発明の廃水の処理方法において、油脂含有廃水に接触させる油脂分解微生物の量(例えば、添加量や添加サイクル)は、処理すべき廃水の性状や廃水処理施設の構成等に応じて適宜選択することができる。ばっ気槽を用いる実施形態を例に挙げると、ばっ気槽の実効容積に対し担体の充填率が20%の場合、油脂分解微生物の培養液(1.0×108CFU/mL以上)をばっ気槽実効容積に対し5mg/L、好ましくは50mg/Lを、1〜2週間に一度のサイクルで定期的に添加することができる。
また、油脂含有廃水と油脂分解微生物との接触時間についても、廃水に含まれる油脂の種類や量、処理すべき廃水の性状等に応じて適宜選択することができる。例えば、KY29株の場合、500mg/Lのサラダ油を含有する実廃水を用いた試験において約90%を分解するのに要した時間は約16時間であり、これを目安とすることができる。なお、サラダ油はリノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が主な脂肪酸構成成分であり、処理対象が脂肪酸であっても同様に考えることができる。
廃水処理時の温度としては、セラチア属に属する油脂分解微生物の生育可能温度であればよく、KY29株であれば、例えば、培養温度として例示した5〜40℃、好ましくは15〜40℃、より好ましくは20〜35℃の範囲を選択することができる。
本発明の廃水の処理方法によって油脂含有廃水を処理する手順の一例について述べる。この例は、油脂分解微生物としてKY29株を用い、流動床式の生物膜法に本発明を適用するものである。まず、接触材(担体)にKY29株を固定化する。このときに用いる接触材としては、例えば、一辺1cm程度の立方体状であるポリエチレン系樹脂製発泡体を用いることができる。また、この際には、別種類の油脂分解微生物も合わせて固定化してもよい。例えば、KY29株に加えて、別種類の油脂分解微生物として、上記したKY3株、OGA4−3株、OGA29−2株を採用することが好ましい。KY3株、OGA4−3株、OGA29−2株については、1種だけ用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。もちろん、これら3種以外の公知の油脂分解微生物を用いてもよい。
次に、生物処理用ばっ気槽等に接触材(担体)と処理すべき油脂含有廃水を投入する。このときに投入する油脂含有廃水は、必ずしも加圧浮上槽等で前処理したものでなくてもよく、必要な廃水滞留時間を確保した処理設計であれば原水をそのまま投入可能である。その後ただちに通気を開始すると同時に、KY29株等の油脂分解微生物の培養液あるいは保存菌体を当該ばっ気槽に導入し、接触材をタンク内で流動させる。一般に、ばっ気槽の温度制御は必要なく、KY29株の培養温度として例示した5〜40℃、好ましくは15〜40℃、より好ましくは20〜35℃の範囲に維持すればよいが、至適温度を大きく外れる場合には油脂分解活性が低下する恐れがあるため、処理施設の設計時に考慮しておく必要がある。その後、通気をそのまま継続することにより、数日から1週間程度(馴養期間)でKY29株等の油脂分解微生物を含む生物汚泥が担体の表面及び内部で徐々に成長してくると同時に、油脂分解能力が次第に発揮され、廃水が浄化される。処理能力の安定後(処理立上げ完了後)、油脂含有廃水の投入は、処理終了毎に行ってもよいし(回分式)、連続的に行ってもよい(連続式)。
なお、本発明の廃水の処理方法を回転円板法に適用する場合には、KY29株等を付着させた円板体を用いて、油脂含有廃水を処理すればよい。同様に、散水ろ床法に適用する場合には、表面にKY29株等からなる生物膜を形成させたろ材に、油脂含有廃水を散水すればよい。また、本発明の廃水の処理方法を活性汚泥法に適用する場合には、KY29株等を主要構成とする活性汚泥を馴養し、ばっ気槽等を用いて処理すればよい。これらの方式においても、KY29株等と別種類の油脂分解微生物とを共存(共生)させて使用することができる。
本発明の廃水処理システムは、セラチア属に属する油脂分解微生物(KY29株等)又は本発明の微生物固定化担体と、油脂を含有する廃水が処理される廃水処理槽とを有し、当該廃水処理槽内で前記油脂分解微生物又は前記微生物固定化担体と前記廃水とを接触させることが可能なものである。
本発明の廃水処理システムの一例を、図1に示す。図1に示す廃水処理システム1は、生物処理槽(廃水処理槽)2と、油脂分解菌培養槽(微生物培養槽)3と、油脂分解菌タンク5を有している。
生物処理槽2はばっ気槽であり、セラチア属に属する油脂分解微生物(KY29株等)あるいは微生物固定化担体と油脂含有廃水とを接触させて、油脂を含む有機物を分解するためのものである。生物処理槽2には廃水投入ライン6から油脂含有廃水が投入される。また、処理された廃水は、排出ライン10から処理系外に排出される。
油脂分解菌培養槽3は油脂分解微生物を培養するための通気・撹拌可能なタンクであり、例えば、KY29株等や、その共生相手となる別種類の油脂分解微生物を連続培養することができるものである。生物処理槽2と油脂分解菌培養槽3とは微生物供給ライン7を介して接続されており、油脂分解菌培養槽3で培養された油脂分解微生物を生物処理槽2に供給可能な構成となっている。また、油脂分解菌培養槽3には基質添加ライン12から基質、培地等を供給可能である。
油脂分解菌タンク5は、油脂分解微生物の種母を油脂分解菌培養槽3に供給するためのものである。油脂分解菌タンク5と油脂分解菌培養槽3とは種母供給ライン8を介して接続されている。
廃水処理システム1を用いて油脂含有廃水を処理する手順の例について説明する。この例は、上記した流動床式による処理の手順を、図1の廃水処理システム1の構成に沿って、より具体化したものである。
(1)油脂分解微生物の培養
まず、発酵槽等を用いてKY29株の保存菌体を事前に調製、或いは、油脂分解菌培養槽3にてKY29株を培養する。別種類の油脂分解微生物を共生させて用いる場合には、KY29株と当該別種類の油脂分解微生物を混合培養、或いは生育が競合する場合には個別に培養して培養液の状態で混合する。
(2)油脂含有廃水の投入と油脂分解生物の接触材への固定化
生物処理槽2に流動可能な接触材(担体)11(例えば、立方体状のポリエチレン系樹脂発泡体)と処理すべき油脂含有廃水を投入する。続いて、油脂分解微生物(KY29株単独、又は、KY29株と別種類の油脂分解微生物との組み合わせ)の保存菌体、或いは油脂分解菌培養槽3で培養した培養液を微生物供給ライン7から生物処理槽2に供給する。直ちに通気を行って、生物処理槽2で接触材11を流動・旋回させ、接触材11と油脂分解微生物とを十分に接触させる。これにより、KY29株が接触材11に付着し、その後、接触材11内で成長することで、油脂分解能を有する微生物固定化担体15となる。
(3)生物汚泥の馴養と本格稼働の開始
接触材11内でKY29株を含む生物汚泥が成長し、馴養工程が完了した後に処理施設を本格稼働させることができる。処理された廃水は、排出ライン10から系外に排出する。回分式処理の場合は、処理廃水の排出後に次の廃水を投入し、同様の廃水処理を行う。連続式処理の場合は、原水流入量と等量の処理水を排出させ、連続的に廃水処理を行う。
図1に示す廃水処理システム1は生物処理槽2を1基備えるものであるが、2基以上備えるものであってもよい。その場合、2基以上の生物処理槽を直列に接続してもよいし、並列に接続してもよい。
上記した実施形態では、セラチア属に属する油脂分解微生物としてKY29株を例示したが、セラチア属に属する油脂分解微生物であれば、KY29株に限定されるものではない。KY29株以外の油脂分解微生物としては、Serratia marcescens ATCC13880、Serratia ficaria ATCC33105、Serratia rubidaea ATCC27593、Serratia grimesii ATCC14460等が挙げられる。これらの油脂分解微生物は、いずれもAmerican Type Culture Collection(ATCC)から入手可能である。
以下、実施例をもって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)新規油脂分解微生物のスクリーニング
自然界の様々な環境から採取した土壌を新規微生物の分離源とした。0.5gの土壌サンプルを5mLの滅菌生理食塩水に懸濁し、60分間静置した。懸濁液の上清100μLを、植物油を主たる炭素源とする合成培地A(500mg/L 植物油,10mg/L 界面活性剤(LAS),50mg/L イーストエキス,1.0g/L 硫酸アンモニウム,1.6g/L リン酸水素二カリウム,0.2g/L リン酸二水素カリウム,20mg/L 塩化カルシウム,10mg/L 硫酸鉄)5mLに接種し、30℃、100rpmで振とう培養した。5回の植え継ぎの後、油脂が分解されたサンプルを複数選択した。これらの集積培養液から、寒天培地を用いて油脂分解微生物を純粋分離した。
分離した複数の油脂分解微生物のうち、特に有用と考えられた4種(OGA4−3株、OGA29−2株、KY3株、KY29株)について、16SrRNAのV3領域をPCRにて増幅し、シーケンス解析を行った。BLASTデータベースを利用して既知微生物との相同性検索を行った。結果を表1に示す。すなわち、これら4種は、それぞれBurkholderia cepaciaおよびBurkholderia cenocepacia(2菌株)、Acinetobacter sp.(既知種との相同性検索では種の限定に至らず)、Serratia marcescensおよびSerratia nematodiphila、と高い相同性を示した。
純粋分離した4種の新規微生物を、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(IPOD)に寄託した。寄託の詳細を以下に示す。
〔OGA4−3株〕
表示:Burkholderia sp. OGA4-3株
受託番号:FERM P−21889
受領日:平成22年1月12日
〔OGA29−2株〕
表示:Burkholderia sp. OGA29-2株
受託番号:FERM P−21890
受領日:平成22年1月12日
〔KY3株〕
表示:Acinetobacter sp. KY3株
受託番号:FERM P−21887
受領日:平成22年1月12日
〔KY29株〕
表示:Serratia marcescens KY29株
受託番号:FERM P−21888
受領日:平成22年1月12日
Serratia marcescens KY29株(FERM P−21888)の菌学的性質は、上記したとおりである。
Acinetobacter sp. KY3株(FERM P−21887)の菌学的性質は、以下のとおりである。
〔形態等〕
・細胞形態:短桿菌(0.9×1.0〜1.1μm)
・グラム染色性:−
・胞子の有無:−
・運動性:−
・コロニー形態
培地:LB寒天
培養時間:24時間
直径:1.0mm
色調:淡黄色
形:円形
***状態:レンズ状
周縁:全縁
表面の形状など:スムーズ
透明度:不透明
粘稠度:バター様
・生育温度試験
37℃:+
41℃:−
45℃:−
・嫌気条件下での生育:−
・カタラーゼ反応:+
・オキシダーゼ反応:−
・グルコースからの酸/ガス生産(酸産生/ガス産生):−/−
・O/Fテスト(酸化/発酵):−/−
〔生理学的性質〕※「*」は生化学試験、「**」は酸化試験を示す。
・硝酸塩還元*:−
・インドール産生*:−
・ブドウ糖 酸性化*:−
・アルギニンジヒドロラーゼ*:−
・ウレアーゼ*:−
・エスクリン加水分解*:−
・ゼラチン加水分解*:+
・β−ガラクトシダーゼ*:−
・ブドウ糖**:−
・L−アラビノース**:−
・D−マンノース**:−
・D−マンニトール**:−
・N−アセチル−D−グルコサミン**:−
・マルトース**:−
・グルコン酸カリウム**:−
・n−カプリン酸**:+
・アジピン酸**:−
・dl−リンゴ酸**:+
・クエン酸ナトリウム**:+
・酢酸フェニル**:+
・チトクロームオキシダーゼ*:−
・溶血性(綿羊血):+
・クエン酸の利用性(Simmons法):+
・資化性
DL−乳酸ナトリウム:+
L−アスパラギン酸ナトリウム:−
エタノール:−
(2)油脂分解能力の評価
上記4種の油脂分解微生物について、栄養培地B(10g/L ペプトン,5g/L イーストエキス,5g/L 塩化ナトリウム)を用いて前培養を行った。続いて、植物油を主たる炭素源とする上記合成培地Aの100mLに対して前培養液1mLを接種し、30℃、160rpmで16時間振とう培養した。培養終了後、培養液に残留する油脂成分を定量し、油脂分解率(%)を算出した。コントロールとして、市販の微生物製剤12種について同様の評価を行った。結果を図2に示す。すなわち、4種の新規微生物(OGA4−3株、OGA29−2株、KY3株、KY29株)は、いずれも市販微生物製剤の微生物(A〜L)と比較して高い油脂分解能力を示した。
(3)接触材(担体)との親和性評価
上記4種を含む計6種の新規微生物(いずれも本発明者らが分離したもの)について、上記栄養培地Bを用いて30℃、100rpmで振とう培養した。培養液の一部を採取し、滅菌生理食塩水にてOD660が0.1になるよう希釈した。この菌体希釈液50mLに、体積比20%に相当する樹脂製接触材(積水化学工業社製、架橋ポリエチレン系樹脂発泡体、10ミリ角立方体、商品名:ソフトロンキューブ)を投入し、振とう機で均一に撹拌した(30℃、160rpm、20時間)。1時間、4時間、20時間経過時の菌体希釈液についてOD660を測定した。撹拌前後におけるOD660の差から、各微生物の接触材への吸着固定率(%)を算出した。結果を表2に示す。すなわち、KY29株(Serratia marcescens KY-29株,FERM P−21888)では、20時間経過時で95%の高い吸着固定率を示した。KY3株(Acinetobacter sp. KY3株,FERM P−21887)についても、20時間経過時で77%の高い吸着固定率を示した。以上より、KY29株とKY3株について、接触材への高い親和性が認められた。
(4)廃水処理システムにおける接触材(担体)への固定化特性評価
実廃水を用いた複合微生物系で、各油脂分解微生物の接触材への固定化特性を評価した。廃水試料として、食品工場の廃水処理施設に流入する廃水を使用した。処理方法として、fill & draw方式による回分式処理を採用した。廃水処理槽として、通気により旋回流を発生できる実容量800mLの実験処理槽を用いた。樹脂製担体の充填率は、投入廃水量に対する体積比で20%とした。
同時に、樹脂製担体を用いない点のみが異なる活性汚泥法としての回分式試験も実施した。
表2のNo.1〜4の新規微生物を、上記栄養培地Bを用いてそれぞれ純粋培養した後、得られた培養液を遠心処理して体積比1/25まで濃縮した。OD660の測定値で各菌体が均等に含まれるよう混合し、接種用混合菌液を調製した。食品工場廃水のpHを7.0に調整し、追加の炭素源として食用油300mg/L相当を追加した。この廃水に接種用混合菌液100μLを添加し、通気を開始した。その後、2日に1回のサイクルで廃水全量を交換し、その都度、追加の炭素源として食用油300mg/L相当を追加した。
まず、実験に供した実廃水自体に存在する微生物と、この実廃水を処理している既存の処理装置から採取した生物汚泥から全DNAを抽出した。同様にして、処理開始後7日目の実験処理槽の接触材に付着している生物汚泥および活性汚泥から全DNAを抽出した。このDNAを鋳型とし、16SrRNAのV3領域を挟むように設計したGCクランプ付ユニバーサルプライマー(配列番号1,2)を用いてPCRを行った。得られたPCR産物を精製した後、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(Denaturing Gradient Gel Electrophoresis,DGGE法)による解析を行った。結果を図3に示す。図3中、レーン1はDGGEマーカー(ニッポン・ジーン社製、10 fragments Marker III)である。レーン2は実廃水(原水)中の微生物、レーン3は既存の処理装置から採取した生物汚泥の群集構造の解析結果であり、導入すべき新規微生物の検出マーカー(レーン6)と同じ泳動距離にあるバンドは確認されないことから、実験に供した実廃水および既存の処理槽にはNo.1〜4の微生物は存在していないことをまず確認した。次に、レーン4は実験処理槽の樹脂性担体に付着する微生物、レーン5は実験処理槽から採取した浮遊微生物の群集構造解析結果であり、導入した新規微生物は樹脂性担体内で優先的に固定化されていることが確認できる。浮遊微生物よりも樹脂性担体内に多く検出されるのは、接触材(樹脂製担体)への固定化特性によるものと考えられる。
レーン7から9は、樹脂製担体を用いない点のみが異なる活性汚泥法としての回分式試験での群集構造解析の結果である。レーン7は新規微生物の添加をしなかったサンプル、レーン8と9(同じサンプルを2系列で実験した)は新規微生物を添加したサンプルであるが、レーン8と9の両方で新規微生物の検出マーカー(レーン6)と同じ泳動距離にあるバンドが確認されていることから、活性汚泥に添加した新規微生物が組み込まれたことを示している。
このように、新規微生物が導入された生物汚泥から抽出したDNAから、OGA4−3株、OGA29−2株、KY3株、KY29株由来の各バンドが検出された。これにより、廃水処理7日目においても、OGA4−3株、OGA29−2株、KY3株、及びKY29株は接触材に安定に固定化され(あるいは担体が存在しない場合には活性汚泥に組み込まれ)ており、生物汚泥中の上位優占種として存在していることが示された。
また、OGA4−3株とOGA29−2株は単独では接触材に固定化されにくい(上記(3)の結果参照)が、KY3株あるいはKY29株と共生することによって接触材に安定的に固定化されることが示された。
(5)廃水処理現場での廃水処理実験
食品工場の廃水処理施設内に、容量100Lの廃水処理槽2台を直列に接続した実験装置(実施例)を設置し、既存の処理装置(比較例)との比較を行った。既存の処理装置も同様の廃水処理槽2台を直列に接続した構成を有している。以下、廃水(原水)が最初に流入する上流側の廃水処理槽を「第一処理槽」、第一処理槽から排出された廃水(一次処理水)が流入する下流側の廃水処理槽を「第二処理槽」と称する。
本食品工場から排出される廃水(原水)は植物油と動物油を含有するものであり、その水質は平均して、
・生物化学的酸素要求量(BOD):1200mg/L、
・懸濁物質(SS):840mg/L、
・n−ヘキサン抽出物質量:300mg/L、
・pH:6〜8、
である。また、施設の計画排水量(処理施設の設計条件)は400m3/日である。実験装置へ供給する廃水(原水)は既存の処理装置が備える調整槽から採取し、流入水量負荷が既存の処理装置と同様になるよう設定した。実験装置への廃水(原水)供給は定量ポンプを用いて連続的に行い、廃水の連続式処理を行った。各廃水処理槽には樹脂製接触材(積水化学工業社製、架橋ポリエチレン系樹脂発泡体、10ミリ角立方体、商品名:ソフトロンキューブ)を充填した。充填量は、体積比で廃水処理槽(100L)の20%とした。
表2のNo.1〜4の新規微生物を、上記栄養培地Bを用いてそれぞれ純粋培養した後、得られた培養液を遠心処理して体積比1/50まで濃縮した。OD660の測定値で各菌体が均等に含まれるよう混合した濃縮液に等量の50%グリセロールを加えて混和し、接種用混合菌液を調製した。接種用混合菌液は−18℃以下で使用時まで凍結保存した。pHを調整することなく廃水(原水)を第一処理槽に流入させ、両槽への通気を開始し、同時に接種用混合菌液10mLを第一処理槽に添加した。その後、1週間に3回のサイクルで接種用混合菌液10mLを定期的に添加した。定期的にサンプリングを行い、原水と一次処理水の水質評価、並びに樹脂製担体に固定化された生物汚泥の微生物群集構造解析を行った。通気開始から約2ヶ月(8月〜10月)にわたって実験を行った。
2台の廃水処理槽を直列に接続した廃水処理装置においては、原水が最初に流入する第一処理槽に最も高い処理能力が求められる。そこで、第一処理槽に流入した原水と第一処理槽で処理された一次処理水について水質分析を行い、処理能力の評価を行った。分析項目として、油脂濃度の指標であるn−ヘキサン抽出物質の除去量を採用し、処理槽単位体積当たりの24時間で分解したn−ヘキサン抽出物質量(g/m3・日)で評価した。結果を表3に示す。すなわち、いずれのサンプリング点でも、実施例の実験装置の方が比較例の既存の処理装置よりも処理能力に優れていた。特に、食品工場の廃水原水は工場の稼働状況によりその性状変動が大きく、本試験でも性状変化が大きかったが、実施例の実験装置は比較例の処理装置に比べて安定して高い処理能力を発揮していた。
通気開始から2,4,11,18,25,28,51日目の各サンプリング点において、実施例の実験装置における第一処理槽と第二処理槽ごとに、接触材に固定化された生物汚泥について全DNAを抽出した。このDNAを鋳型とし、16SrRNAのV3領域を挟むように設計したGCクランプ付ユニバーサルプライマー(配列番号1,2)を用いてPCRを行った。得られたPCR産物を精製した後、DGGE法による解析を行った。図4に、2,4,11,18日目の結果を示す。図5に、25,28,51日目の結果を示す。図4,5中、「1」はOGA4−3株、「2」はOGA29−2株、「3」はKY3株、「4」はKY29株を示す。すなわち、各サンプリング点において、第一処理槽と第二処理槽の一方又は両方に、上記4種(OGA4−3株、OGA29−2株、KY3株、KY29株)のいずれかの微生物、又は複数の微生物に由来するバンドが検出された。これにより、通気開始から少なくとも51日にかけて、OGA4−3株、OGA29−2株、KY3株、及びKY29株の少なくとも1種(多くのサンプルでは複数種)が接触材に安定に固定化されており、現場での廃水処理においても生物汚泥中の上位優占種として存在していることが示された。本実施例の実験装置によれば、性状の異なる様々な油脂含有廃水や、流入変動等の処理環境の変化にも容易に対応できる。
また、OGA4−3株とOGA29−2株は単独では接触材に固定化されにくい(上記(3)の結果参照)が、KY3株あるいはKY29株と共生することによって接触材に安定的に固定化されることが示された。
さらに、本実施例では廃水処理の期間中、上記4種が生物汚泥中の上位優占種として存在していた。したがって、当該微生物を指標とすることで、廃水処理運転の管理を確実に行うことができる。当該運転管理は、例えば、生物汚泥のDNAを解析することにより行うことができる。
(6)KY29株以外のセラチア属に属する油脂分解微生物の選抜と評価
菌株保存機関から各種のセラチア属細菌を入手し、油脂分解能を有するものを検索した。油脂分解能の評価は、上記(2)の手順で行った。その結果、油脂分解能が特に高い4株が選抜された。各菌株及びKY29株の油脂分解率(%)を表4に示す。表4中の数値は、培養開始時の油脂成分量を500mg/Lとした場合の、培養16時間目における残留油脂成分を表す。微生物を接種せずに培地のみを振とうしたものをコントロールとした。
すなわち、Serratia marcescens ATCC13880、Serratia ficaria ATCC33105、Serratia rubidaea ATCC27593、Serratia grimesii ATCC14460の4株は、いずれも80%以上の高い油脂分解能力を示した。ただし、いずれの菌株でも、KY29株の油脂分解能力(92.4%)を超えることはなかった。
1 廃水処理システム
2 生物処理槽(廃水処理槽)
3 油脂分解菌培養槽(微生物培養槽)
11 接触材(担体)
15 微生物固定化担体

Claims (19)

  1. Serratia marcescens KY29株(FERM P−21888)である油脂分解微生物。
  2. セラチア(Serratia)属に属し、油脂分解能を有する油脂分解微生物が、担体に固定化されてなる微生物固定化担体。
  3. 前記油脂分解微生物が、Serratia marcescens、Serratia ficaria、Serratia rubidaea、又はSerratia grimesiiであることを特徴とする請求項2に記載の微生物固定化担体。
  4. 前記油脂分解微生物が、Serratia marcescens KY29株(FERM P−21888)であることを特徴とする請求項2に記載の微生物固定化担体。
  5. 担体が、樹脂製であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の微生物固定化担体。
  6. 担体が、発泡体からなることを特徴とする請求項5に記載の微生物固定化担体。
  7. 前記油脂分解微生物とは別種類の油脂分解微生物がさらに固定化されていることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の微生物固定化担体。
  8. 別種類の油脂分解微生物が、セラチア(Serratia)属、バークホルデリア(Burkholderia)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、バチルス(Bacilllus)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、スフィンゴモナス(Sphingomonas)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属、リゾビウム(Rhizobium)属、テトラスファエラ(Tetrasphaera)属、ヤロウィア(Yarrowia)属、及びカンジダ(Candida)属からなる群より選ばれた属に属するものであることを特徴とする請求項7に記載の微生物固定化担体。
  9. 油脂を含有する廃水を処理する方法であって、セラチア(Serratia)属に属し、油脂分解能を有する油脂分解微生物を、前記廃水に接触させる工程を包含することを特徴とする廃水の処理方法。
  10. 前記油脂分解微生物が、Serratia marcescens、Serratia ficaria、Serratia rubidaea、又はSerratia grimesiiであることを特徴とする請求項9に記載の廃水の処理方法。
  11. 前記油脂分解微生物が、Serratia marcescens KY29株(FERM P−21888)であることを特徴とする請求項9に記載の廃水の処理方法。
  12. 前記工程において、前記油脂分解微生物と共に、前記油脂分解微生物とは別種類の油脂分解微生物を前記廃水に接触させることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の廃水の処理方法。
  13. 別種類の油脂分解微生物が、セラチア(Serratia)属、バークホルデリア(Burkholderia)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、バチルス(Bacilllus)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、スフィンゴモナス(Sphingomonas)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属、リゾビウム(Rhizobium)属、テトラスファエラ(Tetrasphaera)属、ヤロウィア(Yarrowia)属、及びカンジダ(Candida)属からなる群より選ばれた属に属するものであることを特徴とする請求項12に記載の廃水の処理方法。
  14. 油脂を含有する廃水を処理する方法であって、請求項2〜8のいずれかに記載の微生物固定化担体を前記廃水に接触させる工程を包含することを特徴とする廃水の処理方法。
  15. セラチア(Serratia)属に属し、油脂分解能を有する油脂分解微生物又は請求項2〜8のいずれかに記載の微生物固定化担体と、油脂を含有する廃水が処理される廃水処理槽とを有し、当該廃水処理槽内で前記油脂分解微生物又は前記微生物固定化担体と前記廃水とを接触させることが可能であることを特徴とする廃水処理システム。
  16. 前記油脂分解微生物が、Serratia marcescens、Serratia ficaria、Serratia rubidaea、又はSerratia grimesiiであることを特徴とする請求項15に記載の廃水処理システム。
  17. 前記油脂分解微生物が、Serratia marcescens KY29株(FERM P−21888)であることを特徴とする請求項15に記載の廃水処理システム。
  18. 前記油脂分解微生物が固定化される担体を廃水処理槽内に有し、廃水処理槽内に導入された前記油脂分解微生物が廃水処理槽内において前記担体に固定化されることを特徴とする請求項15〜17のいずれかに記載の廃水処理システム。
  19. 前記油脂分解微生物を培養する微生物培養槽をさらに備え、当該微生物培養槽から前記油脂分解微生物を廃水処理槽内に導入可能であることを特徴とする請求項15〜18のいずれかに記載の廃水処理システム。
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