JP2011153247A - 缶蓋外面用水性塗料組成物 - Google Patents

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好樹 伊藤
Yoshito Otsuka
良都 大塚
Takashi Kojima
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Abstract

【課題】 インナーワックスでありながら、缶蓋成型機へのワックス堆積を軽減できる缶蓋外面用水性塗料組成物及び該塗料の硬化塗膜を有する缶蓋を提供する。
【解決手段】 缶蓋用塗料に融点及び平均粒子径を限定する特定の2種類のワックス(W1)及びワックス(W2)を用いることで、成型性、耐傷つき性、耐摩耗性に加えて缶蓋成型時の成型機へのワックス堆積を防止する。融点が50〜90℃であるワックス(W1)、融点が100℃以上で平均粒子径が1〜10μmであるワックス(W2)、及びバインダー樹脂を含有することを特徴とする缶蓋外面用水性塗料組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、過酷な加工性を要求される缶蓋外面用の水性塗料組成物に関する。
従来、金属缶素材としては、アルミニウム、ブリキ、ティンフリースチール等の金属が用いられている。これらの金属は、成型性、意匠性、表面保護ために、通常、缶及び缶蓋、タブの外面には塗膜が形成されている。特に缶蓋外面の塗膜は缶蓋成型時の厳しい加工に耐えるため、成形性を上げるべく塗膜形成後にパラフィン系ワックスを塗布し、金型による缶成型時の塗膜へのダメージを軽減することがなされている(通称アウターワックスと言う)。
このアウターワックスは成型性を挙げる利点がある一方で、ワックスの塗布条件や缶蓋成型時の条件により金型にワックスが堆積、固化することで缶蓋の寸法異常が発生したり、金型から固化したワックスが滑落して缶蓋に付着し異物問題を発生するという問題がある。
近年、飲料缶蓋用塗料は環境対応のため従来の溶剤型塗料から水性塗料へ移行していると同時に、ワックスを予め塗料に含有したアウターワックスフリー化の傾向にある(通称インナーワックスと言う)。
特許文献1には、アウターワックスで付与していた成型性、耐傷つき性、耐磨耗性を塗料中に含有させるワックスの種類を規定することが記載されているが、ワックス堆積の防止についてまでの言及はない(特許文献1参照)。
特許文献2には、特定の水分散性樹脂を用いた缶蓋塗料が記載され、添加剤としてのワックスの記載があるが、ワックス堆積の防止についてまでの言及はない(特許文献2参照)。
以上のような背景から、缶蓋外面用塗料には従来までのアウターワックスで付与していた成型性や耐傷つき性、磨耗性といった性能を缶塗装時に同時に付与するインナーワックス化が望まれている。しかしながら、インナーワックスの種類や量によっては金型にワックス堆積が発生することがわかってきており、これらのバランスを考慮したワックス組成を有する塗料の開発が望まれている。
特開平11−343455号公報 特開2006−176714号公報
本発明の課題は、加工性、耐摩耗性に優れ、且つインナーワックスでありながら、アウターワックスで付与していた性能を得るだけでなく、アウターワックス塗布時に大きな問題となっている缶蓋成型機へのワックス堆積を軽減できる缶蓋外面用水性塗料組成物及び該塗料の硬化塗膜を有する缶蓋を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、缶蓋用塗料に融点及び平均粒子径を限定する特定の2種類のワックス(W1)及びワックス(W2)を用いることで、成型性、耐傷つき性、耐摩耗性に加えて缶蓋成型時の成型機へのワックス堆積が防止できることを見いだし、本発明に至った。
すなわち本発明は、融点が50〜90℃であるワックス(W1)、融点が100℃以上で平均粒子径が1〜10μmであるワックス(W2)、及びバインダー樹脂を含有することを特徴とする缶蓋外面用水性塗料組成物を提供する。
ワックス(W1)により主として滑り性を、第2のワックス(W2)で主として磨耗性を付与することで、アウターワックスの機能をインナーワックスの添加のみで達成できる。さらにワックスの総量、ワックスの融点、及び粒子径も規定することで、加工性、耐摩耗性に優れワックス堆積も防げる缶蓋外面用水性塗料組成物を提供できる。
本発明の缶蓋外面用水性塗料組成物は、融点が50〜90℃であるワックス(W1)、融点が100℃以上で平均粒子径が1〜10μmであるワックス(W2)、及びバインダー樹脂を含有することを特徴としている。
尚、平均粒子径はレーザー回折式粒度分布計(島津製作所 SALD−200)を用いて計測する。
本発明の缶蓋外面用水性塗料組成物に用いるワックスの含有量は、ワックス(W1)とワックス(W2)の合計が缶蓋外面用水性塗料組成物の該ワックスを除く固形分に対して1〜5質量%であることが好ましい。
ワックス(W1)の含有量は、缶蓋外面用水性塗料組成物の該ワックスを除く固形分の0.5〜5質量%であることが好ましい。
ワックス(W2)の含有量は、缶蓋外面用水性塗料組成物の該ワックスを除く固形分の0.5〜5質量%であることが好ましい。
また、ワックス(W2)の平均粒子径は2〜7μmであることが好ましい。更にワックス(W2)が、平均粒子径が1〜4μm及び4〜7μmの異なる平均粒子径を有する複数のワックスの添加も耐磨耗性の観点からより好ましい。
前記したワックス(W1)としては、融点が50〜90℃であるカルナバワックス、マイクロクリスタルワックス、ラノリンワックス、ライスワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス、蜜蝋等を好ましく用いる事ができる。これらの中でもカルナバワックス、マイクロクリスタルワックス、ラノリンワックスがより好ましく用いられる。
ワックス(W2)としては、融点が100℃以上で平均粒子径が1〜10μmであるポリエチレンワックス、PTFEワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス等を好ましく用いる事ができる。これらの中でもポリエチレンワックス、PTFEワックスがより好ましく用いられる。
本発明の缶蓋外面用水性塗料組成物に用いるバインダー樹脂としては、アクリル変性エポキシ樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等が好ましく用いられるが、中でも水分散性アクリル変性エポキシ樹脂であることがより好ましい。
本発明の缶蓋外面用水性塗料組成物にバインダー樹脂として特に好ましく用いられる自己水分散性アクリル変性エポキシ樹脂とは、(1)アクリル樹脂とエポキシ樹脂をアミン触媒存在下で反応させて得られた樹脂を、アミン中和した後に水分散させて得られる樹脂、または、(2)エポキシ樹脂に開始剤存在下にてアクリルモノマー成分をグラフトさせて得られた樹脂をアミン中和した後に水分散して得られる樹脂である。
以下に前記した自己水分散性アクリル変性エポキシ樹脂(1)、(2)の一般的な製造方法を記す。
製造方法(1)
芳香族系エポキシ樹脂(A)と、カルボキシル基含有アクリル樹脂(B)を、エポキシ基に対して、カルボキシル基が過剰とする反応基濃度において、アミン触媒下で有機溶媒中において部分的にエステル化反応せしめことによって得られる。その後、エステル化反応によって得られたアクリル変性エポキシ樹脂を、アミンで中和して水性媒体中に分散させることにより、本発明の缶蓋外面用水性塗料組成物にバインダー樹脂成分として用いる水性樹脂組成物を容易に得ることが出来る。アミン触媒としては、特に限定しないがジメチルエタノールアミンが好適に使用できる。
製造方法(2)
芳香族エポキシ樹脂溶液中に開始剤を含むアクリルモノマー溶液を、反応温度(110℃程度)で一定時間かけて滴下(1〜3時間)させてアクリルモノマーをエポキシ樹脂にグラフトさせることでアクリル樹脂をグラフトしたエポキシ樹脂が得られる。アミンで中和して水性媒体中に分散させることにより水性樹脂組成物を容易に得ることが出来る。アミン触媒としては特に限定しないがジメチルエタノールアミンが好適に使用できる。
上記の製造方法(1)における、芳香族系エポキシ樹脂(A)と、カルボキシル基含有アクリル樹脂(B)の使用割合は、それらの合計重量を100質量部としたとき、固形分質量比で、(A)/(B)=95/5〜70/30なる範囲内が好ましく、エポキシ基に対して、カルボキシル基が過剰となるような反応基濃度範囲が好ましい。
上記の製造方法(2)における、芳香族系エポキシ樹脂(A)と、合計のモノマー量(C)の使用割合は、それらの合計重量を100質量部としたとき、固形分質量比で、(A)/(C)=95/5〜70/30なる範囲内が好ましい。
本発明の缶蓋外面用水性塗料組成物にバインダー樹脂として好ましく用いられる自己水分散性アクリル変性エポキシ樹脂を調製するために使用する芳香族系エポキシ樹脂(A)は、数平均分子量が2000以上で、エポキシ当量が9,000以下のエポキシ樹脂である。この数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、ポリスチレン換算で求めたものである。エポキシ当量とは、エポキシ樹脂100g中に存在するエポキシ基の量を示す価であるエポキシ価の逆数に100を乗じた価である。
エポキシ樹脂の数平均分子量の範囲は、加工性および密着性の点で、2000〜18000が好ましく、3000〜10000がより好ましい。エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量の範囲は、硬化性および熱水処理後の塗膜白化現象防止の観点から、2000〜7000が好ましい。
これらのエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型、ビスフェノールB型、ビスフェノールF型の何れも用いることが出来る。
市販品としては、例えば、DIC株式会社製のHM101、ジャパンエポキシレジン株式会社製のエピコート1010,エピコート1256、東都化成株式会社製のZX1449−8等が挙げられる。
自己水分散性アクリル変性エポキシ樹脂の調製に用いる有機溶媒として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、イソブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルセロソルブアセテート又はエチルセロソルブアセテート等をはじめ、ジオキサン、ジメチルホルムアミド又はダイアセトンアルコールのような、各種の親水性有機溶媒;酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン又はキシレンの如き、各種の親油性有機溶媒等である。これらは単独使用でも2種以上を併用してもよく、必要に応じて、水とこれらの有機溶媒とを併用してもよい。
上記した方法で得られる自己水分散性アクリル変性エポキシ樹脂のカルボキシル基の中和に使用できる塩基性化合物としては、通常のアンモニア又は有機塩基が使用できる。
そのうち、有機塩基として特に代表的なもののみを例示するに止めれば、トリメチルアミン、トリエチルアミンもしくはブチルアミンの如きアルキルアミン類:ジメチルアミノエタノール、ジエチルイソプロパノールアミン、ジエタノールアミンもしくはアミノメチプロパノールの如きアルコールアミン類;又はモルホリン等である。又、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンの如き多価アミンも使用できる。これらの中で特に、ジメチルアミノエタノールは、塗膜中に残留せずに、耐水性を良くする傾向があるので好ましい。塩基性化合物の使用量としては、分散体のpHが5以上となるような量が好ましい。
本発明において水性媒体とは、水単独、あるいは、水と少なくとも5質量%以上が水である親水性有機溶剤との混合物を意味する。本発明で用いることが出来る親水性有機溶剤として特に代表的なもののみを例示するに止めれば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、イソブタノールの如きアルキルアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトールの如きグリコールエーテル類;又はメチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートの如きグリコールエーテルエステル類等であり、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ダイアセトンアルコール等である。
必要に応じて、親油性有機溶剤を用いることは、何ら、差し支えがない。かくして得られる水性樹脂組成物から、そこに含有される有機溶剤を減らす必要がある場合には、アクリル変性エポキシ樹脂を製造する際に、沸点が低く、水と共沸するような有機溶剤、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、n−ブタノール又はブチルセロソルブ等を、水と併用して水性媒体中に分散せしめたのち、常圧もしくは減圧にて蒸留すれば、安定的に、有機溶剤の含有率の低い自己水分散性アクリル変性エポキシ樹脂の水性分散体を容易に得ることができる。必要に応じて、消泡剤等の添加剤を添加することができる。
本発明の缶蓋外面用水性塗料組成物は、特に好ましいバインダー樹脂としての自己水分散性アクリル変性エポキシ樹脂の水性分散体を主成分としてベース塗料を形成した後、前述の2種類のワックスであるワックス(W1)とワックス(W2)を混合することによって調製される。
本発明の缶蓋外面用水性塗料組成物の粘度範囲としては、塗工方式により異なるが、15〜120秒(フォードカップ#4、25℃)が好ましい。リバースロールコーターでの塗工の場合は20〜60秒が好ましい。
本発明の缶蓋外面用水性塗料組成物の塗装方法としては、好ましくはリバースロールコーターが挙げられるが、これ以外にエアースプレー、エアレススプレーまたは静電スプレーの如き、各種のスプレー塗装、浸漬塗装、ロールコーター塗装ならびに電着塗装等も可能である。
焼付け条件としては、120〜280℃で、10秒〜30分間なる範囲内が好ましい。
塗布量としては、10〜100mg/dmが好ましい。
以下に、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。数字は質量%、または質量部を表す。
以下に、自己水分散性アクリル変性エポキシ樹脂を用いたベース塗料1の調製を示す。
(自己水分散性アクリル変性エポキシ樹脂(R−1)の調製)
[カルボキシル基含有アクリル樹脂の合成]
(a) n−ブタノール 670部
(b) スチレン 250部
(c) エチルアクリレート 10部
(d) メタクリル酸 190部
(e) 過酸化ベンゾイル 10部
まず、(a)を窒素ガス置換した4つ口フラスコに仕込み、撹拌溶解しながら110℃に保って、この中に、(b)〜(e)を混合溶解したものを、2時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後も、さらに同温度で3時間撹拌し、固形分が40%なる、カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液を得た。
[自己水分散性アクリル変性エポキシ樹脂(R−1)の合成と水分散化]
(f) ZX−1449−8 135部
(g) エピコート1010 15部
(h) 上記カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液 66部
(i) n−ブタノール 225部
(j) ジメチルエタノールアミン 3部
(k) ジメチルエタノールアミン 5部
(l) イオン交換水 530部
まず、(f)〜(i)を窒素ガス置換した4つ口フラスコに仕込み、110℃で2時間撹拌することによって完全に溶解したのちに、85℃に冷却した。この溶液に、(j)を仕込んで120分撹拌し、固形分が40%なる、カルボキシル基を含有する自己水分散性アクリルエポキシ樹脂の溶液を得ると同時に、(k)と(l)の一部を仕込んで、温度を下げエステル化反応を実質的に停止させ、さらに撹拌しながら、(l)の残りを30分かけて滴下し、転相乳化させ固形分が18%なるカルボキシル基を含有する自己水分散性アクリルエポキシ樹脂の水性分散体を得た。酸価、エポキシ当量の測定から、120分間のエステ化反応ではエポキシ基の約56%が反応していた。
ここで使用したZX−1449−8は東都化成株式会社製の数平均分子量13000、エポキシ当量8500のビスフェノールA型エポキシ樹脂であり、またエピコート1010はジャパンエポキシレジン製の数平均分子量6800、エポキシ当量3900のビスフェノールA型エポキシ樹脂である。更に、減圧下にて、n−ブタノールと水とを、共沸蒸留によって留去し、不揮発分が37%なる、溶剤を含まないカルボキシル基を含有する自己水分散性アクリルエポキシ樹脂(R−1)の水性分散体を得た。
更に、以下の要領で塗料化し、25℃でのFC#4粘度が30秒になるようジメチルエタノールアミンで粘度を調整し、カルボキシル基を含有する自己水分散性アクリル変性エポキシ樹脂(R−1)を主成分とするベース塗料1(不揮発分30%)を得た。
(ベース塗料1の調製)
(a)上記水性分散体(R−1) 81部
(b)ブチルセルソルブ 7部
(c)イオン交換水 12部
合 計 100部
以下、ワックスの一部を塗料に直接分散させる手法として、ベース塗料2の調製を示す。
[カルナバワックス含有自己水分散性アクリル変性エポキシ樹脂(R−2)の合成と水分散化]
(a) ZX−1449−8 135部
(b) エピコート1010 15部
(c) 上記カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液 66部
(d) n−ブタノール 225部
(e) カルナバワックス 1.8部
(f) ジメチルエタノールアミン 3部
(g) ジメチルエタノールアミン 5部
(h) イオン交換水 530部
まず、(a)〜(e)を窒素ガス置換した4つ口フラスコに仕込み、110℃で2時間撹拌することによって完全に溶解したのちに、85℃に冷却した。この溶液に、(f)を仕込んで120分撹拌し、固形分が40%なる、カルボキシル基を含有する自己水分散性アクリル変性エポキシ樹脂の溶液を得ると同時に、(g)と(h)の一部を仕込んで、温度を下げエステル化反応を実質的に停止させ、さらに撹拌しながら、(h)の残りを30分かけて滴下し、転相乳化させ固形分が18%なるカルナバワックス1%を含んだカルボキシル基を含有する自己水分散性アクリル変性エポキシ樹脂の水性分散体を得た。更に、減圧下にて、n−ブタノールと水とを、共沸蒸留によって留去し、不揮発分が37%なる、溶剤を含まないカルナバワックス1%を含んだカルボキシル基を含有する自己水分散性アクリル変性エポキシ樹脂(R−2)の水性分散体を得た。
更に、以下の要領で塗料化し、25℃でのFC#4粘度が30秒になるようジメチルエタノールアミンで粘度を調整し、自己水分散性アクリル変性エポキシ樹脂(R−2)を主成分とするベース塗料2(不揮発分30%)を得た。
(ベース塗料2の調製)
(a)上記水性分散体(R−2) 81部
(b)ブチルセルソルブ 7部
(c)イオン交換水 12部
合 計 100部
(実施例1)
前記したベース塗料1(固形分30質量%)100部(樹脂固形分100部)に対し、ワックス(W1)としてカルナバワックスHD−3028(融点82℃、ワックス成分10質量%、(株)岐阜セラック製造所製)を3質量部及び、ワックス(W2)としてポリエチレンワックスCF991(融点115℃、粒子径5μm、BYK社製)0.3質量部をブチルセロソルブ0.7質量部に混合したものを添加、混合し、実施例1塗料を得た。
実施例1塗料と同様にして、表1〜3に示した組成に従って配合し、実施例塗料2〜6及び9〜15、及び比較例塗料1〜5を調製した。
塗料にワックスの一部を直接分散させたベース塗料2についても同様にして、表1、2に示した組成に従って配合し、実施例塗料7及び実施例塗料8を調製した。
上記で得た各塗料を用い、アルミ板(厚み0.26mm)に乾燥時膜厚5μになるようにバーコーターを用いて塗装し、焼付け250℃、25秒で焼付け乾燥し、評価サンプルを得た。
以下に示す評価方法に従って評価結果を表1に示す。
(耐磨耗性)
RHESCA社製 FRICTION PLAYER FPR−200を使用、以下の試験条件で実施し、塗膜が完全に削れボール圧子がアルミ板に到達した累積回数で評価した。
ボール圧子:3/8インチステンレスボール
荷 重:500gf
回転半径 :5mm
回転速度 :600rpm
◎:5000回以上
○:2500〜5000回
△:1000〜2500回
×:1000回以下
(耐傷つき性)
新東科学(株)製 トライボギア HEIDON−22Hを使用、以下の試験条件で実施し、試験針がアルミ板に到達した荷重で評価した。
試験針 :150μm
引っかきスピード:60mm/min
◎:300g以上
○:200〜300g
△:100〜200g
×:100g以下
(動摩擦係数)
3点の鋼球で保持された荷重1Kgを1200mm/分の速度で引っ張り動摩擦係数を測定した。
◎:0.06以下
○:0.07〜0.1
△:0.1〜0.15
×:0.15以上
(ワックス堆積)
蓋成型用金型にて試験板を蓋に一定個数成型し、金型へのワックスの付着の程度にて目視判定した。
◎:500個成型後ワックス堆積なし
○:300個成型後ワックス堆積あり
△:100個成型後ワックス堆積あり
×:50個成型後ワックス堆積あり
Figure 2011153247

















Figure 2011153247
Figure 2011153247
表1〜3で記載した略号は以下を表す。
HD−3028:(株)岐阜セラック製造所製、カルバナワックス、融点82℃、ワックス成分10質量部
SR−16:興洋化学(株)製、マイクロクリスタルワックス、融点83℃、ワックス成分10質量部
精製パーム油:日清製油(株)製、グリセリントリ脂肪酸エステル、融点39℃(27〜50℃)
精製ラノリン:CRODA社製、ラノリン、融点39℃(36〜42℃)
スーパーハートラン:CRODA社製、ラノリンアルコール、融点65℃(58〜72℃)
CF991:BYK社製、ポリエチレンワックス、融点115℃、平均粒子径5μm
S−395:Shamrock Technologies社製ポリエチレンワックスワックス、融点126℃、平均粒子径7μm
S−394:シャムロック社製ポリエチレンワックスワックス、融点113℃、平均粒子径15μm
Synfluo 178XF:MICRO POWDERS社製マイクロクリスタルワックス、融点104〜110℃、平均粒子径4μm
上記の結果から、特定のワックスを使用した本発明の缶蓋外面用水性塗料組成物は、インナーワックス方式を採用しつつ、アウターワックス塗布時に大きな問題となっていたワックス堆積を軽減し、加工性に優れる硬化皮膜が形成可能となる。
本発明の缶蓋外面用水性塗料組成物は、加工性に優れる硬化皮膜を形成し、缶蓋用途に
有用に展開することができる。

Claims (5)

  1. 融点が50〜90℃であるワックス(W1)、融点が100℃以上で平均粒子径が1〜
    10μmであるワックス(W2)、及びバインダー樹脂を含有することを特徴とする缶蓋外面用水性塗料組成物。
  2. ワックス(W1)とワックス(W2)の合計含有量が缶蓋外面用水性塗料組成物の該ワックを除く固形分に対して1〜5質量%である請求項1に記載の缶蓋外面用水性塗料組成物。
  3. 前記したワックス(W2)の平均粒子径が2〜7μmである請求項1又は2に記載の缶蓋外面用水性塗料組成物。
  4. ワックス(W1)がカルナバワックス、マイクロクリスタルワックス、ラノリンワックスからなる群から選ばれる1種以上であり、ワックス(W2)がポリエチレンワックス、又はポリテトラフルオロエチレン(以下PTFE)ワックスである請求項1〜3のいずれかに記載の缶蓋外面用水性塗料組成物。
  5. 前記したバインダー樹脂が、自己水分散性アクリル変性エポキシ樹脂である請求項1〜4の何れかに記載の缶蓋外面用水性塗料組成物。
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