JP2011054757A - シリコンウェーハの主面の傾斜方位の検出方法およびエピタキシャルウェーハの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】歩留まりを低下させることなくウェーハの全数検査をすることが可能であり、且つ、ウェーハの平坦度に影響を及ぼすことなくウェーハ主面の傾斜方位を把握・管理することが可能である、シリコンウェーハの主面の傾斜方位の検出方法を提供する。
【解決手段】エピタキシャルウェーハの主面に対し、ウェーハ中心位置を軸中心として該エピタキシャルウェーハを回転させながら、レーザー光が斜入射する条件でレーザー光を照射し、ウェーハ表面で散乱した光を捉える暗視野ウェーハ表面検査装置でHaze Mapを作成し、Haze Mapにおけるエピタキシャルウェーハの円周方向のHaze値の変動からシリコンウェーハ主面の傾斜方位を求める。
【選択図】図2
【解決手段】エピタキシャルウェーハの主面に対し、ウェーハ中心位置を軸中心として該エピタキシャルウェーハを回転させながら、レーザー光が斜入射する条件でレーザー光を照射し、ウェーハ表面で散乱した光を捉える暗視野ウェーハ表面検査装置でHaze Mapを作成し、Haze Mapにおけるエピタキシャルウェーハの円周方向のHaze値の変動からシリコンウェーハ主面の傾斜方位を求める。
【選択図】図2
Description
本発明は、主面にエピタキシャル層を成長させてなるエピタキシャルウェーハの状態にてシリコンウェーハ主面の傾斜方位を検出する方法、および、その検出方法を用いたエピタキシャルウェーハの製造方法に関するものである。
一般に、シリコンウェーハにエピタキシャル層を成長させてエピタキシャルウェーハを製造する際に、(100)面や(111)面などの低指数面から数度だけ傾斜した微傾斜面を主面とするシリコンウェーハにエピタキシャル層を成長させることがある(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、例えば図1に示すような、(110)面W1を傾けた傾斜方位(傾斜方向)G1が、(110)面内で[001]方向から[1−10]方向へ角度がφとなる方位であり、(110)面W1を傾けた傾斜角度がθである微傾斜面W2を主面とするシリコンウェーハにエピタキシャル層を成長させてエピタキシャルウェーハとすることがある。
ここで、微傾斜面を主面とするシリコンウェーハを用いてエピタキシャルウェーハを製造し、該エピタキシャルウェーハを用いてデバイスを作製する場合、使用したシリコンウェーハの傾斜方位がデバイスの特性に影響を与えるので、どのような傾斜方位のシリコンウェーハを使用してエピタキシャルウェーハを製造したかを把握・管理する必要がある。
これに対し、エピタキシャルウェーハの製造に使用したシリコンウェーハの主面の傾斜方位を把握・管理する方法として、(i)製造したエピタキシャルウェーハに対してX線回折を利用した抜き取り検査を行い、シリコンウェーハ主面の傾斜方位を把握・管理する方法や、(ii)エピタキシャル層を成長させる前のシリコンウェーハに対してX線回折を利用した抜き取り検査を行い、その結果をレーザーマークとしてシリコンウェーハに打刻することによりシリコンウェーハ主面の傾斜方位を把握・管理する方法などが用いられている。
しかしながら、X線回折を利用した抜き取り検査を用いてシリコンウェーハ主面の傾斜方位を把握・管理する方法には、全数検査を行うことができないと共に、抜き取り検査に使用したウェーハを廃棄しなければならない(歩留まりが低下する)という問題点があった。
また、レーザーマークを用いてシリコンウェーハ主面の傾斜方位を管理する方法には、レーザーマークの打ち込み部分(例えば、ウェーハ最外周部)においてウェーハの平坦度が低下してしまうという問題があった。
そのため、歩留まりを低下させることなくウェーハの全数検査をすることが可能であり、且つ、ウェーハの平坦度に影響を及ぼすことなく傾斜方位を把握・管理することが可能である、シリコンウェーハ主面の傾斜方位の検出方法を開発することが求められていた。また、そのような検出方法を用いたエピタキシャルウェーハの製造方法を開発することも求められていた。
本発明者らは、上記課題を有利に解決することを目的として鋭意検討を行った結果、微傾斜面((100)面、(110)面、(111)面などの結晶面から数度だけ傾斜した面)を主面とするシリコンウェーハに対してエピタキシャル層を成長させてエピタキシャルウェーハとした場合、微傾斜面上に延在するテラスおよびステップに起因して、エピタキシャルウェーハに対してレーザー光散乱を用いた暗視野ウェーハ表面検査装置で測定を行った際に作成されるHaze Map(ヘイズマップ)に異方性が出ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のシリコンウェーハの主面の傾斜方位の検出方法は、シリコンウェーハの主面にエピタキシャル層を成長させてなるエピタキシャルウェーハの状態にてシリコンウェーハ主面の傾斜方位を検出する方法であって、エピタキシャルウェーハの主面に対し、ウェーハ中心位置を軸中心として該エピタキシャルウェーハを回転させながら、レーザー光が斜入射する条件でレーザー光を照射し、ウェーハ表面で散乱した光を捉える暗視野ウェーハ表面検査装置でHaze Mapを作成し、前記Haze Mapにおけるエピタキシャルウェーハの円周方向のHaze値の変動からシリコンウェーハ主面の傾斜方位を求めることを特徴とする。このように、Haze Mapを用いて、エピタキシャルウェーハの円周方向のHaze値の変動からシリコンウェーハの主面の傾斜方位を検出すれば、抜き取り検査を行うことなく全てのウェーハについてシリコンウェーハの主面の傾斜方位を検出することができる。また、本発明の検出方法では、傾斜方位の検出をエピタキシャル層形成後に行うので、レーザーマークを打刻してシリコンウェーハの主面の傾斜方位を管理する必要が無く、エピタキシャルウェーハの平坦度が悪化することが無い。
ここで、本発明のシリコンウェーハの主面の傾斜方位の検出方法は、前記Haze Mapにおいて、エピタキシャルウェーハの円周方向におけるHaze値が極大値となる方位からシリコンウェーハ主面の傾斜方位を求めてもよい。
更に、本発明のシリコンウェーハの主面の傾斜方位の検出方法は、前記レーザー光の波長が100〜1000nmであることが好ましい。レーザー光の波長が100nm未満の場合、レーザー光の光源の準備が困難であり、レーザー光の波長が1000nm超の場合、ウェーハ表面における表面検査装置の検出感度が劣化するからである。
また、本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法は、シリコンウェーハの主面にエピタキシャル層を成長させ、上述した傾斜方位の検出方法を用いてシリコンウェーハの主面の傾斜方位を求めることを特徴とする。このように、本発明に係るウェーハ主面の傾斜方位の検出方法を用いてエピタキシャルウェーハを製造すれば、抜き取り検査を行うことなく(インラインで)、製造した全てのエピタキシャルウェーハに対してウェーハ主面の傾斜方位の検出を行うことができる。また、レーザーマークを打刻することなくウェーハ主面の傾斜方位の把握・管理を行うことができるので、高い平坦度を有するエピタキシャルウェーハを製造することができる。
ここで、本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法は、前記シリコンウェーハが、シリコンインゴットをスライスし、研削、エッチング、研磨、洗浄することで得たものであることが好ましい。このように、シリコンウェーハの製造時にシリコンウェーハにレーザーマークを打刻しなければ、即ち、レーザーマークを打刻する装置を用いることなく製造したシリコンウェーハを用いれば、高い平坦度を有するエピタキシャルウェーハを製造することができるからである。
本発明のシリコンウェーハの主面の傾斜方位の検出方法によれば、歩留まりを低下させることなくウェーハの全数検査をすることが可能となり、且つ、ウェーハの平坦度に影響を及ぼすことなくシリコンウェーハ主面の傾斜方位を把握・管理することが可能となる。また、本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法によれば、製造した全てのエピタキシャルウェーハに対してシリコンウェーハ主面の傾斜方位の検出を行うことができると共に、高い平坦度を有するエピタキシャルウェーハを製造することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳細に説明する。ここに、本発明のシリコンウェーハの主面の傾斜方位の検出方法は、特に限定されることなく、例えば(001)面から角度θだけ傾斜した微傾斜面を主面とするシリコンウェーハにエピタキシャル層を成長させたエピタキシャルウェーハに対して用いることができる。
ここで、本発明のシリコンウェーハの主面の傾斜方位の検出方法は、常法に従いシリコンインゴットから切り出した傾斜角度θの微傾斜面を主面とするシリコンウェーハに対し、既知の手段でエピタキシャル層を成長させたエピタキシャルウェーハに用いるものである。なお、本発明の傾斜方位の検出方法は、エピタキシャルウェーハの平坦度を低下させることなくシリコンウェーハ主面の傾斜方位を把握・管理することを可能とし得るので、例えば、ESFQD平均値が33nm以下、且つ、標準偏差が3nm以下(測定装置:KLA−Tencor社製WaferSight2、測定条件:Sector;20deg.,Zone length;10mm,Edge Exclusion;1mm)のエピタキシャルウェーハを製造する際に特に好適に適用し得る。
そして、本発明のシリコンウェーハの主面の傾斜方位の検出方法は、微傾斜面にエピタキシャル層を成長させたエピタキシャルウェーハでは、シリコンウェーハ主面の傾斜方位に応じて異方性を持ったステップがエピタキシャルウェーハ表面に形成されるので、レーザー光が斜入射する条件で、エピタキシャルウェーハを回転させながら暗視野ウェーハ表面検査装置で測定を行うと、上記ステップに依存した異方的な散乱が発生し、異方的なHaze Map(ヘイズマップ)が得られるという知見に基づくものである。
この傾斜方位の検出方法の一例では、まず、傾斜方位が未知のシリコンウェーハ主面(微傾斜面)にエピタキシャル層を成長させてなるエピタキシャルウェーハの主面に対し、ウェーハの中心位置を軸中心として該エピタキシャルウェーハを回転させながら、レーザー光が斜めに(例えば主面に対して角度2〜45°で)入射する条件でレーザー光を照射する。そして、散乱した光を用いて、光散乱を用いた暗視野ウェーハ表面検査装置でHaze Mapを作成する。ここで、暗視野ウェーハ表面検査装置としては、Haze Map作成機能を有する既知の光散乱式暗視野ウェーハ表面検査装置、例えばKLA−Tencor製SP1、KLA−Tencor製SP2、ADE製AWIS等を用いることができる。また、レーザー光としては、例えば波長が100〜1000nmのものを用いることができる。なお、レーザー光は、ウェーハの中心位置を軸中心として回転しているエピタキシャルウェーハの主面に対し、ウェーハの外周から中心位置に向けて渦巻き状に照射する。
次に、作成したHaze Mapにおけるエピタキシャルウェーハの円周方向のHaze値の変動からシリコンウェーハ主面の傾斜方位を求める。具体的には、所定の結晶面に対する傾斜角度および傾斜方位が既知のシリコンウェーハにエピタキシャル層を成長させてなるエピタキシャルウェーハついて、光散乱を用いた暗視野ウェーハ表面検査装置を用いて予めHaze Map(参照Haze Map)を作成しておき、予め作成しておいた参照Haze Mapと、所定の結晶面に対する傾斜角度が既知で、傾斜方位が未知のシリコンウェーハ主面にエピタキシャル層を成長させたエピタキシャルウェーハのHaze Map(検出対象Haze Map)とを比較することで、シリコンウェーハ主面の傾斜方位を求める。
なお、所定の結晶面に対する傾斜角度および傾斜方位が同一のシリコンウェーハを用いて作製したエピタキシャルウェーハは、ステップの延在方向が同一であるため、そのHaze Mapは同一の異方的な散乱を示す(即ち、同様なHaze Mapを示す)。従って、シリコンウェーハ主面の傾斜方位の決定は、例えば、Haze Mapの円周方向におけるHaze値が極大値となる方位が、検出対象Haze Mapと一致する参照Haze Mapを求めることにより、或いは、Haze Mapの円周方向におけるHaze値が極小値となる方位が検出対象Haze Mapと一致する参照Haze Mapを求めることにより行うことができる。なお、Haze値は、光散乱を用いた暗視野ウェーハ表面検査装置でHaze Mapを作成する際に算出された値を用いることができる。
上述したような本発明の傾斜方位の検出方法を用いれば、製造した全てのエピタキシャルウェーハについて、エピタキシャルウェーハを破壊することなくシリコンウェーハの主面の傾斜方位を検出することができる。また、エピタキシャルウェーハの製造工程において、シリコンウェーハ表面へのエピタキシャル層の形成後に本発明の検出方法を用いてシリコンウェーハ主面の傾斜方位を検出すれば、ウェーハの平坦度を悪化させる原因となり得るレーザーマークなどを用いることなく、シリコンウェーハの傾斜方位を把握・管理することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、(100)面を傾けた傾斜方位が、[110]方向から[101]方向へ角度が0度、10度、45度となる方位であり、(100)面を傾けた傾斜角度が4度である微傾斜面を主面とするシリコンウェーハにエピタキシャル層を成長させてエピタキシャルウェーハを得た。そして、製造したエピタキシャルウェーハについて、光散乱を用いた暗視野ウェーハ表面検査装置(KLA−Tencor製SP2)でHaze Mapを作成した。その結果、図2(a)〜(c)に示すような異方性を有するHaze Map(参照Haze Map)が得られた。なお、図2(a)は傾斜方位が0度のエピタキシャルウェーハのHaze Map、(b)は傾斜方位が10度のエピタキシャルウェーハのHaze Map、(c)は傾斜方位が45度のエピタキシャルウェーハのHaze Mapである。
次に、(100)面を傾けた傾斜角度が4度で、傾斜方位が未知の微傾斜面を主面とするシリコンウェーハにエピタキシャル層を成長させてエピタキシャルウェーハを得た。なお、エピタキシャル層を成長させたシリコンウェーハは、シリコンインゴットをスライスし、研削、エッチング、研磨、洗浄することで得た。
そして、得られたエピタキシャルウェーハについて、光散乱を用いた暗視野ウェーハ表面検査装置(KLA−Tencor製SP2)でHaze Mapを作成した。その結果、傾斜方位が10度の参照Haze Mapと同じHaze Mapが得られ、シリコンウェーハ主面の傾斜方位が[110]方向から[101]方向へ角度が10度となる方位であることが分かった。なお、得られたエピタキシャルウェーハの平坦度をWaferSight2(KLA−Tencor社製)で測定したところ、ESFQDの平均値が33nm、標準偏差が3nmであった。
まず、(100)面を傾けた傾斜方位が、[110]方向から[101]方向へ角度が0度、10度、45度となる方位であり、(100)面を傾けた傾斜角度が4度である微傾斜面を主面とするシリコンウェーハにエピタキシャル層を成長させてエピタキシャルウェーハを得た。そして、製造したエピタキシャルウェーハについて、光散乱を用いた暗視野ウェーハ表面検査装置(KLA−Tencor製SP2)でHaze Mapを作成した。その結果、図2(a)〜(c)に示すような異方性を有するHaze Map(参照Haze Map)が得られた。なお、図2(a)は傾斜方位が0度のエピタキシャルウェーハのHaze Map、(b)は傾斜方位が10度のエピタキシャルウェーハのHaze Map、(c)は傾斜方位が45度のエピタキシャルウェーハのHaze Mapである。
次に、(100)面を傾けた傾斜角度が4度で、傾斜方位が未知の微傾斜面を主面とするシリコンウェーハにエピタキシャル層を成長させてエピタキシャルウェーハを得た。なお、エピタキシャル層を成長させたシリコンウェーハは、シリコンインゴットをスライスし、研削、エッチング、研磨、洗浄することで得た。
そして、得られたエピタキシャルウェーハについて、光散乱を用いた暗視野ウェーハ表面検査装置(KLA−Tencor製SP2)でHaze Mapを作成した。その結果、傾斜方位が10度の参照Haze Mapと同じHaze Mapが得られ、シリコンウェーハ主面の傾斜方位が[110]方向から[101]方向へ角度が10度となる方位であることが分かった。なお、得られたエピタキシャルウェーハの平坦度をWaferSight2(KLA−Tencor社製)で測定したところ、ESFQDの平均値が33nm、標準偏差が3nmであった。
(比較例1)
(100)面を傾けた傾斜角度が15度で、傾斜方位が未知の微傾斜面を主面とするシリコンウェーハにエピタキシャル層を成長させてエピタキシャルウェーハを得た。なお、エピタキシャル層を成長させたシリコンウェーハは、シリコンインゴットをスライスし、研削、エッチング、研磨、洗浄することで得た。
そして、製造したエピタキシャルウェーハから一部を抜き出し、X線回折装置(リガク製)でシリコンウェーハの主面の傾斜方位を評価したところ、シリコンウェーハ主面の傾斜方位が[110]方向から[101]方向へ角度が15度となる方位であることが分かった。なお、評価に用いたエピタキシャルウェーハは、X線回折装置での測定後に廃棄した。
(100)面を傾けた傾斜角度が15度で、傾斜方位が未知の微傾斜面を主面とするシリコンウェーハにエピタキシャル層を成長させてエピタキシャルウェーハを得た。なお、エピタキシャル層を成長させたシリコンウェーハは、シリコンインゴットをスライスし、研削、エッチング、研磨、洗浄することで得た。
そして、製造したエピタキシャルウェーハから一部を抜き出し、X線回折装置(リガク製)でシリコンウェーハの主面の傾斜方位を評価したところ、シリコンウェーハ主面の傾斜方位が[110]方向から[101]方向へ角度が15度となる方位であることが分かった。なお、評価に用いたエピタキシャルウェーハは、X線回折装置での測定後に廃棄した。
(比較例2)
シリコンインゴットをスライスし、研削、エッチングを行った後に、X線回折装置で抜き取り検査を行ってシリコンウェーハの主面の傾斜方位を評価した。その結果、シリコンウェーハは、(100)面を傾けた傾斜方位が[110]方向から[101]方向へ角度が12度となる方位である主面を有していることが分かった。そして、抜き取り検査の結果を、レーザーマークを用いて残りの(抜き取り検査に用いていない)シリコンウェーハに打刻した。なお、抜き取り検査に用いたシリコンウェーハは廃棄した。
その後、シリコンウェーハを研磨、洗浄し、エピタキシャル層を成長させてエピタキシャルウェーハを得た。そして、得られたエピタキシャルウェーハの平坦度をWaferSight2(KLA−Tencor社製)で測定したところ、ESFQDの平均値が65nm、標準偏差が20nmであった。
シリコンインゴットをスライスし、研削、エッチングを行った後に、X線回折装置で抜き取り検査を行ってシリコンウェーハの主面の傾斜方位を評価した。その結果、シリコンウェーハは、(100)面を傾けた傾斜方位が[110]方向から[101]方向へ角度が12度となる方位である主面を有していることが分かった。そして、抜き取り検査の結果を、レーザーマークを用いて残りの(抜き取り検査に用いていない)シリコンウェーハに打刻した。なお、抜き取り検査に用いたシリコンウェーハは廃棄した。
その後、シリコンウェーハを研磨、洗浄し、エピタキシャル層を成長させてエピタキシャルウェーハを得た。そして、得られたエピタキシャルウェーハの平坦度をWaferSight2(KLA−Tencor社製)で測定したところ、ESFQDの平均値が65nm、標準偏差が20nmであった。
実施例1および比較例1〜2より、本発明のシリコンウェーハの主面の傾斜方位の検出方法によれば、検査に用いたウェーハを廃棄することなくウェーハの全数検査をすることが可能となり、且つ、ウェーハの平坦度に影響を及ぼすことなくシリコンウェーハ主面の傾斜方位を把握・管理することが可能となることが明らかとなった。
本発明のシリコンウェーハの主面の傾斜方位の検出方法によれば、歩留まりを低下させることなくウェーハの全数検査をすることが可能となり、且つ、ウェーハの平坦度に影響を及ぼすことなくシリコンウェーハ主面の傾斜方位を把握・管理することが可能となる。また、本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法によれば、全てのエピタキシャルウェーハに対してシリコンウェーハ主面の傾斜方位の検出を行うことができると共に、高い平坦度を有するエピタキシャルウェーハを製造することができる。
Claims (5)
- シリコンウェーハの主面にエピタキシャル層を成長させてなるエピタキシャルウェーハの状態にてシリコンウェーハ主面の傾斜方位を検出する方法であって、
エピタキシャルウェーハの主面に対し、ウェーハ中心位置を軸中心として該エピタキシャルウェーハを回転させながら、レーザー光が斜入射する条件でレーザー光を照射し、ウェーハ表面で散乱した光を捉える暗視野ウェーハ表面検査装置でHaze Mapを作成し、
前記Haze Mapにおけるエピタキシャルウェーハの円周方向のHaze値の変動からシリコンウェーハ主面の傾斜方位を求める、
ことを特徴とする、シリコンウェーハの主面の傾斜方位の検出方法。 - 前記Haze Mapにおいて、エピタキシャルウェーハの円周方向におけるHaze値が極大値となる方位からシリコンウェーハ主面の傾斜方位を求めることを特徴とする、請求項1に記載の傾斜方位の検出方法。
- 前記レーザー光の波長が100〜1000nmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の傾斜方位の検出方法。
- シリコンウェーハの主面にエピタキシャル層を成長させ、
請求項1〜3の何れかに記載の傾斜方位の検出方法を用いてシリコンウェーハの主面の傾斜方位を求める、
ことを特徴とする、エピタキシャルウェーハの製造方法。 - 前記シリコンウェーハは、シリコンインゴットをスライスし、研削、エッチング、研磨、洗浄することで得たものであることを特徴とする、請求項4に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
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