JP2008091887A - エピタキシャルシリコンウェーハおよびその製造方法 - Google Patents

エピタキシャルシリコンウェーハおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】{110}ウェーハにおいて、100nm以下のLPD測定可能とし、表面ラフネスの劣化を防止し、表面状態を判断可能とし、ウェーハの品質評価を可能とする。
【解決手段】シリコン単結晶の{110}面を傾けた面を主面とするシリコンウェーハにエピタキシャル層を成長させたエピタキシャルシリコンウェーハであって、
エピタキシャル層を成長させるシリコンウェーハは、前記{110}面を傾ける傾角度方位が、該{110}面に対して平行な<100>方位から<110>方向に対して0〜45°の範囲に設定されてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、エピタキシャルシリコンウェーハおよびその製造方法に係り、特に{110}面を傾けた面を主面とするシリコンウェーハに用いて好適な技術に関する。
最近、シリコン単結晶の主面が{110}面もしくはその近傍とされる、いわゆる{110}シリコンウェーハを用いた半導体集積回路素子の実現性が高くなっている。この{110}シリコンウェーハは、MOSFETのチャネル方向のキャリア移動度が従来から使われていた{100}ウェーハに比べて高くなる可能性のあるもので、ロジック系デバイスへの適用が見込まれている。
特開2004−265918号公報
{110}シリコンウェーハにエピタキシャル層を成膜したエピタキシャルウェーハは、エピタキシャル成長後のウェーハ表面ラフネスが、{100}ウェーハにエピタキシャル層を成膜したエピタキシャルウェーハよりも劣化するという問題があった。
この表面ラフネス劣化の影響は、面検機でのヘイズ(HAZE)レベル劣化の原因となり、高精度品対応として特に表面の微小サイズLPDを測定する上で、ノイズとして測定値に大きな影響を及ぼしてしまう。
その結果、上記のノイズ値への影響により、{110}エピタキシャルウェーハにおいては、ウェーハ表面の検査時に、100nmサイズ以下のLPD(Light Point Defect)を測定することが難しい状況であり、このため、ウェーハ表面の状態を認識することができず、ウェーハの品質評価をおこなうことができないという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
{110}ウェーハにおいて、表面ラフネスを向上を図ること。
本発明の本発明のエピタキシャルシリコンウェーハは、シリコン単結晶の{110}面を傾けた面を主面とするシリコンウェーハにエピタキシャル層を成長させたエピタキシャルシリコンウェーハであって、
エピタキシャル層を成長させるシリコンウェーハは、前記{110}面を傾ける傾角度方位が、該{110}面に対して平行な<100>方位から<110>方向に対して0〜45°の範囲に設定されてなることにより上記課題を解決した。
また、他の本発明本発明において、前記{110}面を傾ける傾斜角度が前記{110}面から0〜10°の範囲に設定されることがより好ましい。
さらに他の本発明本発明は、前記エピタキシャルシリコンウェーハ表面を、レーザー面検機で測定した際に、すくなくとも100nm以上のLPDが測定可能である。
また、また、本発明のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法において、シリコン単結晶の{110}面を傾けた面を主面とするシリコンウェーハにエピタキシャル層を成長させるエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法であって、
引き上げた単結晶からエピタキシャル層を成長させるシリコンウェーハをスライスする際に、
前記{110}面を傾ける傾角度方位が該{110}面に対して平行な<100>方位から<110>方向に対して0〜45°の範囲となるようにスライスするスライス角度を設定してなる手段を採用することもできる。
また、また、他の本発明においては、前記{110}面を傾ける傾斜角度が前記{110}面から0〜10°の範囲となるように前記スライス角度を設定してなることができる。
ここで、傾角度方位が上記の範囲より大きい場合には、表面ラフネスが大きくなってしまい、レーザー面検機による測定で、少なくとも100nmサイズ以下のLPDを検出できなくなるため好ましくない。
なお一例として、傾角度方位(傾斜方向)は、(110)面を傾ける際に、[001]方位から<110>方向のうち、
Figure 2008091887
の方向へ傾けるような正の方向の範囲0〜45°および、
Figure 2008091887
の方向へ傾けるような負の方向の範囲0〜45°をいずれも含むものである。
また、傾角度方位(傾斜方向)は、0°を含むとともに、45°を含まないことが好ましく、より好ましくは、傾角度方位(傾斜方向)は、0°を含まず、かつ、20°以下とすることができる。
傾角度方位として30°よりさらに大きい<111>方向に設定すると急激にテラスの段差(高さ)が増え、ヘイズ、表面の荒れとして検出される。
上記の角度で、傾ける事により課題である、LPD測定が可能になるばかりではなく、どのようなMOSFETを形成しても良好な特性を得ることができる。
本発明本発明において、前記{110}面を傾ける傾斜角度が前記{110}面から0〜10°の範囲に設定されることがより好ましく、より好ましくは、0°より大きく10°以下の範囲に設定することができ、これにより、{110}面におけるステップ間隔が狭まり、平坦性がより優れ、LPDの測定が可能で、表面のステップと、パーティクル及び欠陥とを分離計測できるエピタキシャルウェーハを得ることができる。
ここで、{110}面を傾ける傾斜角度が10°以上程度となると、テラス幅が小さくなるためにエピタキシャル工程でのステップ成長が阻害され、エピタキシャル工程での安定したステップ形成が難しくなっていくと考えられるため好ましくない。
また、傾斜角度を0°、すなわち{110}面ジャストに設定した場合には、ステップの存在はないために平坦な面を得ることができる。
また、傾斜角度が10°以上となると単原子層ステップ段差(0.192nm)に対して、テラス幅が小さくなりステップ成長が阻害されること、および、{110}面と異なる面が生じる可能性があるため好ましくない。
本発明本発明は、前記エピタキシャルシリコンウェーハ表面を、レーザー面検機で測定した際に、少なくとも100nm以上のLPDが測定可能であることが好ましく、より好ましくは65nm以上のLPDを測定可能であることにより、エピタキシャル層を成長させたウェーハ表面において、その表面状態を判断して、ウェーハ品質評価を正確に行うことが可能となる。
MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field Effect Transistor)が形成されるシリコンウェーハ基板には、今まで{100}方位のウェーハか、{100}から4°程度傾けられたウェーハが使用されてきたが、MOSFETにおいて、特許文献1に記載されるように、ウェーハに傾角度方位(傾斜方向角度)を形成するとテラスが発生し、ステップに平行な一方向については、移動度の改善が見られることが知られている。
また、特許文献1には、<100>方向に傾斜させたウェーハにおいて、エピタキシャル成長を行うことで、ラフネスが低減されるとの記載がある。
しかしながら、特許文献1とは異なり、エピタキシャル成長後にLPD測定器にて、パーティクル、欠陥および突起を、ラフネスと区別して選別可能なことが求められかつ、ウェーハ上に形成される素子デバイスのキャリアの流れ方向にて、一方向のみならず全ての方向において良い特性を得られることが求められる、良質なエピタキシャルウェーハにおいては、本願発明のように、傾角度を<100>方向から<110>方向へ0〜45度回転した方向へ0〜10°軸を傾ける基板にエピタキシャルを成長させることが好ましい。
本発明によれば、{110}面を傾けたウェーハにおいて、表面ラフネスのレベルは、良好となり、従来測定することができなかった、少なくとも100nmサイズ以下、特に、65nm以上とされる微小サイズLPD測定が可能となるという効果を奏することができる。
以下、本発明に係るエピタキシャルシリコンウェーハおよびその製造方法の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態におけるエピタキシャルシリコンウェーハの傾斜度方位(傾斜方向角度)及び傾斜角度を説明する模式斜視図であり、図2、図3は、本実施形態におけるエピタキシャルシリコンウェーハを示す模式平面図であり、図4は本実施形態におけるエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法を示すフローチャートであり、図において、符号Wは、シリコンウェーハである。
本実施形態におけるエピタキシャルシリコンウェーハは、図2に示すように、{110}面を傾けた面を主面とするもので、{110}面を傾ける傾角度方位(傾斜方向)が、該{110}面に対して平行な<100>方位から<110>方向に対して0〜45°の範囲に設定され、{110}面を傾ける傾斜角度(オフ角)が前記{110}面から0〜10°の範囲、より好ましくは0〜4°の範囲に設定されてなるものである。
より詳細に説明すると、本実施形態におけるエピタキシャルシリコンウェーハは、図1,図3に示すように、(110)面W1を傾けた面W2を主面とするもので、(110)面W1を傾ける傾角度方位(傾斜方向)G1が、図3において斜線を付した範囲、つまり、該(110)面W1に対して平行な<100>方位である
Figure 2008091887
から
Figure 2008091887
方向に対しての角度ψが、0≦ψ<45°の範囲に設定され、(110)面W1を傾ける傾斜角度ξが前記(110)面からの0≦ξ≦10°の範囲、より好ましくは0≦ξ≦4°の範囲に設定されてなるものである。
つまり、図3に示すように、(110)面W1の法線M0を傾角度方位(傾斜方向)G1に向かって、傾斜角度ξだけ傾けた法線M0’を法線とする面W2が主面となっている。
また、本実施形態のシリコンウェーハにおいて、図3に示すように、オリエンテーションフラットあるいはノッチNが
Figure 2008091887
方向に形成されることが可能である。
ノッチNの位置は定まったものではなく、どの結晶方位にも形成は可能で、<110>方向に形成されるのが一般的である(SEMI M1−1106)。設定した傾角度方位(傾斜方向)G1にあわせてノッチNを所定位置に形成することも可能である。
このようなエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法は、図4に示すように、単結晶引き上げ工程S1、面方位条件設定工程S2、インゴット切断工程S3、スライス工程S4、表面処理工程S5、エピタキシャル成長工程S6、表面測定工程S7、を有する。
図4に示す単結晶引き上げ工程S1においては、CZ法(チョクラルスキー法)により、シリコン融液にシリコン単結晶である種結晶を接触させて引き上げ、無転移化するためのネック部、拡径するための肩部(ショルダー部)、ウェーハとする直胴部、縮径部(ボトム部)の各部分を製造することによっておこなわれる。ここで、引き上げられた単結晶は、直胴部において、引き上げ軸方向(軸線方向)が、図1に示す法線M0と一致する方向となるように設定されて、後工程でスライスされたウェーハが、{110}面を傾けた面が主面となるようにされている。具体的には、種結晶のシリコン溶湯に接触する面が、(110)面となるように設定される。
図4に示す単結晶引き上げ工程S1において引き上げられた単結晶に対して、図4に示す面方位条件設定工程S2において、最終製品となるウェーハの仕様に基づいて、上述した傾角度方位(傾斜方向)G1の角度ψおよび傾斜角度ξを設定する。
この際、後述するように、インゴット切断工程S3、スライス工程S4における加工条件をそれぞれ設定する。
次いで、図4に示すインゴット切断工程S3において、引き上げた単結晶を軸方向に分割し、円筒研削等の表面処理をして、円柱形のインゴットとする。同時に、単結晶またはインゴットをX線回折法や光像法等による解析装置によって、その結晶方位を特定するとともに、たとえば、
Figure 2008091887
とされる位置に、ノッチNを形成する。
このインゴットを成形する際に、単結晶直胴部の曲表面(円筒面)を研削等によって、表面処理するが、この際、インゴットの中心線(中心軸)が図1に示す法線M0と一致する方向となるように設定されて、後工程であるスライス工程S4において、ウェーハの主面が、{110}面を傾けた面となるようにされている。
図5は本実施形態におけるエピタキシャルシリコンウェーハをスライス工程を説明するための斜視図である。
次いで、図4に示すスライス工程S4において、インゴットをワイヤソー10によってスライスしてシリコンウェーハWとする。
ワイヤソー10は、長尺なワイヤ13が複数本の溝ローラ間にコイル状に巻き架けられた装置であり、図5に示すように、CZ法により引き上げられた単結晶シリコンから分割されたインゴットIを多数枚のシリコンウェーハにワイヤ切断する装置である。
ワイヤソー10は、図において正面視して三角形状に配置された3本のグルーブローラ12A,12B,12Cを有している。これらのグルーブローラ12A,12B,12C間には、1本のワイヤ11aが互いに平行かつ一定ピッチで巻き掛けられている。これによって、グルーブローラ12A,12B,12C間にワイヤ列11が現出される。ワイヤ列11は、3本のグルーブローラ12A,12B,12C間で駆動モータにより往復走行される。下側に配置された2本のグルーブローラ12A,12Bの中間が、インゴットIを切断するワイヤ列11のインゴット切断位置となっている。
インゴットIは、カーボンベッド(スライスベース)19aを介して、インゴットIを昇降する昇降台19に固定されている。インゴット切断位置の両側の上方には、砥液をワイヤ列11上に連続供給する砥液供給部20が配設されている。これらのグルーブローラ12A,12B,12Cは円筒形状でそれらの外周面は、ウレタンゴムからなる所定厚さのライニング材で被覆され、各ライニング材の外周面には、それぞれワイヤ溝が刻設されている。
ワイヤ11aは直径160μmのピアノ線でZnメッキが施されている。このワイヤ11aは、図示しない繰出し装置のボビンから導出され、供給側のガイドローラを介して、これらのグルーブローラ12A,12B,12Cに架け渡された後、導出側のガイドローラを介して、図示しない巻取り装置のボビンに巻き取られる。ボビンの各回転軸は駆動モータの対応する出力軸にそれぞれ連結されている。各駆動モータを同期して駆動すると、各ボビンが回転して、ワイヤ11aが往復走行する。
図5に示すように、ワイヤソー10では、砥液を砥液供給部よりワイヤ列11に供給しながら、駆動モータにより繰出し装置のボビンを回転し、ワイヤ11aをグルーブローラ12A,12B,12Cに供給する。これと同時に、駆動モータにより巻取り装置のボビンを回転し、グルーブローラ12A,12B,12Cを介してワイヤ11aを巻き取る。その際、一定の周期で各ボビンの回転方向を変更し、ワイヤ11aを往復走行させる。このワイヤ列11の往復走行中、上方からインゴットIをワイヤ列11へ押し付ける。これにより、インゴットIが多数枚のウェーハに切断される。ワイヤ列11の往復走行時に、砥液中の遊離砥粒がワイヤ列11のワイヤ11aにより切断溝の底部に擦りつけられ、その底部が研削作用によって徐々に削り取られ、最終的に多数枚のシリコンウェーハに切断される。
本実施形態のスライス工程S4においては、インゴット切断位置の両側に位置する2本のグルーブローラ12A,12Bの平行な軸線M1,M2と、インゴットIの軸線M3とが、それぞれ、図1に示す法線M0、M0’と一致する方向となるように設定されて、後工程でスライスされたウェーハが、{110}面を傾けた面を主面とするようにされている。具体的には、グルーブローラ12A,12Bの平行な軸線M1,M2が図1に示す法線M0と一致する方向とされ、インゴットIの軸線M3が図1に示す法線M0’と一致する方向となるように、かつ、傾角度方位(傾斜方向)G1,G2が軸線M1,M2で形成される平面と平行になるようにして、カーボンベッド19aを介してインゴットIを昇降台19に固定する。この、昇降台19は、グルーブローラ12A,12Bの平行な軸線M1,M2で形成される平面(切断位置のワイヤ列11に平行となる)に対してその法線方向に移動するように設定される。
この後、スライスしたシリコンウェーハに対して、表面処理工程S5としてベベリング、ラップ、研削、エッチング、鏡面研磨(ポリッシング)等の諸工程をおこなう。
表面処理工程S5後に、エピタキシャル成長工程S6において、シリコンウェーハ表面に、エピタキシャル層を成長させる。
この際、エピタキシャル条件としては、たとえば、膜厚1〜6μm(3μm)、成膜速度1.5〜3.5μm/min(2.5μm/min)、温度範囲1050〜1200°(1130°)としてエピタキシャル層を成長させる。
また、ウェーハ投入よりエピタキシャルプロセス完了まで、H ガスはメインガスとして継続導入されており、TCS(トリクロロシラン)、SiH (モノシラン)、SiHCl(ジクロルシラン)、SiCl (四塩化珪素)等の成膜ガスをエピタキシャル成長炉に供給する前において、たとえば昇温中などに、水素ガスを供給しての水素ベーク、あるいは、塩酸ガスによるHClエッチ処理をおこなうことも可能である。
本実施形態のエピタキシャルシリコンウェーハおよびその製造方法によれば、表面ラフネスのレベルは、RMSで0.15nm以下と良好なレベルとなり、後述するレーザー面検機による測定の際に問題となるヘイズも低減されることになる。従って、少なくとも100nmサイズ以下での微小サイズLPD測定も可能となる。
以下、本発明に係るエピタキシャルシリコンウェーハおよびその製造方法の第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
本実施形態に係るエピタキシャルシリコンウェーハおよびその製造方法においては、面方位条件設定工程S2、インゴット切断工程S3、スライス工程S4に関する点が上述した第1実施形態とその製造方法に関する点が異なるのみであり、同等の構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
図6は、X線解析法を示す説明図であり、図7は、本実施形態におけるインゴット切断工程を説明する模式正面図である。
本実施形態のインゴット切断工程S3において、引き上げた単結晶を軸方向に分割し、円筒研削等の表面処理をして、円柱形のインゴットとする。同時に、単結晶またはインゴットをX線回折法や光像法等による解析装置によって、その結晶方位を特定するとともに、ノッチNを形成する。
このインゴットを成形する際に、単結晶直胴部の曲表面(円筒面)を研削等によって、表面処理するが、この際、インゴットの中心線(中心軸)が図1に示す法線M0’と一致する方向となるように設定されて、後工程でスライスされたウェーハが、{110}面を傾けた面が主面となるようにされている。
X線回析法とは、結晶格子面で回析した回析X線パターンあるいは強度を記録する方法である。この回析法による切断面の結晶方位の測定は、ディフラクトメータと称される計数管を利用したX線回析装置で行われる。ディフラクトメータは、主に、X線を発生させるX線発生装置、X線の反射角度を測定するゴニオメータ、X線強度を測定する係数装置、これらを制御して計数値の演算を行う制御演算装置という4つの装置から構成される。
X線発生装置から照射されたX線の入射ビーム,反射ビームおよび反射面の法線がすべて同じ平面上にあり、X線の反射強度が最大になるとき、Braggの条件と称される
2d sinθ=nλ
の式が成り立つ。ここで、λは照射された単色X線の波長、dは反射面(h,k,l) の格子面間隔,θはBragg角,nは反射次数,h,k,lはMiller指数である。 この条件を用いて切断面と基準結晶面(110)との結晶方位の傾きを測定する。まず、資料台を切断面と入射ビームのなす角がBragg角になるように設定し、X線を照射する。次に、資料台を中心に計数管を回転させ、X線強度がもっとも強くなる計数管の回転角Ψ1を求める。同じように切断面の法線を軸として資料を90度,180度,270度と回転させたときのそれぞれの角度における計数管の回転角Ψ2,Ψ3,Ψ4を求める。
ここで、図6に示すように、XY軸における切断面の結晶方位と、基準結晶面(110)の結晶方位、言い換えればインゴットIの引き上げ軸(円筒加工回転中心軸またはインゴットIの先端面の結晶方位)との傾きをα,βとすると、それぞれ(1)式,(2)式で表される。
α=(Ψ1−Ψ3)/2 (1)
β=(Ψ2−Ψ4)/2 (2)
切断面と基準結晶面(110)との最大の結晶方位の傾きΦは、次の(3)式によって求められる。
tan Φ=tan α+tan β (3)
なお、この(3)式は、測定値α,βのそれぞれの値が5度以下のとき、次の(4)式のように簡略化することができる。
Φ =α +β2 (4)
こうして、切断面の結晶方位の測定が終了すると、次にこの測定値に基づき演算により計測された基準結晶面W2に直交する結晶方位M0’を測定し、この結晶方位と同一方向に延びる軸M0’を中心にして、図7に示すように、円筒研削用の研削ホイールHにより円筒研削を行う。この際、軸M0’は実際のインゴットIの現在の中心軸(引き上げ軸)M0に対して、前記XY方向にα,βだけ傾斜している。このα,βが、面方位条件設定工程S2において、ψ、ξとして設定される。円筒研削後のインゴットIの直径は約300mmである。その後、円筒研削されたインゴットIは、ノッチ加工が行われて、図5に示すように、カーボンベッド(スライスベース)19aに固着される。
本実施形態のスライス工程S4においては、インゴット切断位置の両側に位置する2本のグルーブローラ12A,12Bの平行な軸線M1,M2と、インゴットIの軸線M3とが、それぞれ、図1に示す法線M0’と一致する方向となるように設定されて、後工程でスライスされたウェーハが、{110}面を傾けた面が主面となるようにされている。具体的には、グルーブローラ12A,12Bの平行な軸線M1,M2が図1に示す法線M0’と一致する方向とされ、インゴットIの軸線M3が図1に示す法線M0’と一致する方向となるように、カーボンベッド19aを介してインゴットIを昇降台19に固定する。この、昇降台19は、グルーブローラ12A,12Bの平行な軸線M1,M2で形成される平面(切断位置のワイヤ列11に平行となる)に対してその法線方向に移動するように設定される。
これにより、面W2を主面とするシリコンウェーハをスライスすることができる。
本実施形態の面方位条件設定工程S2においては、上記のインゴット切断工程S3,スライス工程S4における角度をあらかじめ設定することになる。
なお、単結晶引き上げ工程S1において、引き上げ軸を法線M0’と一致するように製造することも可能である。さらには、単結晶引き上げ工程S1において、引き上げ軸を法線MO‘と比べて大きいか乃至小さいに設定した状態で引きあげをおこない、しかる後、第1実施形態のスライス工程S4に示した処理を行うことにより、シリコンのロスも少なく、大きな傾斜角ξに対応するウェーハも作成可能である。
また、上記の各実施形態においては、スライス工程S4において、ワイヤソーによるスライスを説明したが、本願発明のように結晶方向を設定可能であれば、これ以外にも、どのようなスライス手段も適応可能である。また、ワイヤソーに関しても上記の構成と異なる構成であっても結晶方向を設定可能であればいかなる構成でも適応可能であることは明らかである。また、X線解析に関しても上記の構成以外でも適応可能である。
以下、本発明の実施例について説明する。
本発明に係る実施形態のように、(110)面を主面とするφ300mmシリコン単結晶を引き上げ、傾斜角ξを0.5°として傾角度方位(傾斜方向角度)ψを変化させてエピタキシャルシリコンウェーハを作成して、その表面ラフネスを調べた。この際の結晶方位およびその結果を図8,図9に示す。
ここで、エピタキシャル成長工程S6におけるエピタキシャル条件としては、成膜ガスTCS(トリクロロシラン)、膜厚3μm、成膜速度2.5μm/min、温度1130°としてエピタキシャル層を成長させた。
ワイヤソーでスライスする際のスライス角度の設定においては、ワイヤーロールに対するシリコンインゴットの結晶軸方向を上記の傾斜角および傾角度方位(傾斜方向角度)となるように設定してウェーハをスライスした。
さらに、これらのシリコンウェーハにおける傾角度方位(傾斜方向角度)ψと、レーザー面検機によるLPDの測定をおこなった。その結果を表1に示す。
レーザー面検機のモードは、たとえば、KLA-Tencor社のSP-2において、HTO(High Throughput Oblique Mode)モードで高生産性条件を選択し、且つ、検出チャンネルをワイド、ナロー、又はそのコンポジットより選択することにより、65nm以上のLPDを測定することが可能となる。
Figure 2008091887
これらの結果から、傾角度方位(傾斜方向角度)ψを0<ψ<45°とした場合に、表面ラフネスがRMS0.15nmとなり、かつ、100nmサイズ以下のLPD、特に、65nm程度のLPDを検出することが可能となることがわかる。
また、表面ラフネスが、ψが0〜45°程度の範囲では、ほぼ変わらないのに対し、ψが45°を越えると急激に悪化していることがわかる。
さらに、<100>方位を基準として傾角度方位を変動させていった場合、傾角度0°(Just)を含み、+/−20度の範囲では(110)表面ラフネスは最小となり、45°にてRMS0.15nm(=(100)ラフネスレベル)を若干超える程度に悪化することがわかった。
図1は本発明の第1実施形態におけるエピタキシャルシリコンウェーハの傾角度方位及び傾斜角度を説明する模式斜視図である。 図2は、本発明の第1実施形態におけるエピタキシャルシリコンウェーハを示す模式平面図である。 図2は、本発明の第1実施形態におけるエピタキシャルシリコンウェーハを示す模式平面図である。 図4は、本発明の第1実施形態におけるエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法を示すフローチャートである。 図5は、本発明の第1実施形態におけるエピタキシャルシリコンウェーハをスライス工程を説明するための斜視図である。 図6は、X線解析法を示す説明図である。 図7は、本発明の第2実施形態におけるインゴット切断工程を説明する模式正面図である。 本発明に係る実施例における結晶方位を示す説明図である。 本発明に係る実施例における表面ラフネスの結果を示すグラフである。
符号の説明
W…シリコンウェーハ W2…主面

Claims (5)

  1. シリコン単結晶の{110}面を傾けた面を主面とするシリコンウェーハにエピタキシャル層を成長させたエピタキシャルシリコンウェーハであって、
    エピタキシャル層を成長させるシリコンウェーハは、前記{110}面を傾ける傾角度方位が、該{110}面に対して平行な<100>方位から<110>方向に対して0〜45°の範囲に設定されてなることを特徴とするエピタキシャルシリコンウェーハ。
  2. 前記{110}面を傾ける傾斜角度が前記{110}面から0〜10°の範囲に設定されることを特徴とする請求項1記載のエピタキシャルシリコンウェーハ。
  3. 前記エピタキシャルシリコンウェーハ表面を、レーザー面検機で測定した際に、少なくとも100nm以上のLPDが測定可能であることを特徴とする請求項1または2記載のエピタキシャルシリコンウェーハ。
  4. シリコン単結晶の{110}面を傾けた面を主面とするシリコンウェーハにエピタキシャル層を成長させるエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法であって、
    引き上げた単結晶からエピタキシャル層を成長させるシリコンウェーハをスライスする際に、
    前記{110}面を傾ける傾角度方位が該{110}面に対して平行な<100>方位から<110>方向に対して0〜45°の範囲となるようにスライスするスライス角度を設定してなることを特徴とするエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
  5. 前記{110}面を傾ける傾斜角度が前記{110}面から0〜10°の範囲となるように前記スライス角度を設定してなることを特徴とする請求項4記載のエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法。
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