JP6536502B2 - パーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法 - Google Patents

パーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、パーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法に関する。
パーティクルカウンタの校正用ウェーハとしてはPSL(ポリスチレンラテックス)を塗布したウェーハが一般的である。
パーティクルカウンタの校正用ウェーハを作製する技術として、PSLではないが、特許文献1では人工的なパーティクルをウェーハ上に形成する技術が開示されている。またその他の方法として、特許文献2や特許文献3ではデバイスプロセスで用いられるのと同様の手法により、パターニングから人工的にピットを形成する技術が開示されている。
一方で、特許文献4では人工的にパーティクルやピットを形成させず、ウェーハ表面の空孔状の欠陥を用いてパーティクルカウンタ校正用ウェーハとする方法が開示されている。
特開2004−264124号公報 特開平11−014534号公報 特表平11−506272号公報 特開2016−039374号公報
しかしながら、パーティクルカウンタの校正用ウェーハとして一般的なPSLを塗布したウェーハは高価であることが知られている。また複数回の使用により汚れが懸念されるが、ウェーハに塗布したPSLが脱落するため洗浄することができない。
また、特許文献1〜3に記載の人工的にパーティクルもしくはピットを作製する技術は、デバイスプロセスで使用するものと同じ設備が必要である。さらに校正用ウェーハを作製する費用も高価となり、その作製に要する時間も掛かる。
特許文献4に記載のウェーハ表面の空孔状の欠陥を用いる方法は、その作製方法が示されておらず、現実的ではない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、洗浄により長期に使用可能なパーティクルカウンタ校正用ウェーハを安価かつ短時間に作製することができるパーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、パーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法であって、シリコンウェーハを準備する工程と、前記準備したシリコンウェーハに対してアニールを行うことにより該シリコンウェーハのバルク部にCOPを成長させる工程と、前記COPを成長させたシリコンウェーハの表面を鏡面研磨することにより、前記シリコンウェーハの表面に前記COPからなる穴を形成する工程とを有し、前記シリコンウェーハの表面に前記COPからなる穴が形成されたパーティクルカウンタ校正用ウェーハを作製することを特徴とするパーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法を提供する。
このような方法であれば、簡便な方法により、シリコンウェーハの表面にCOPからなる穴が形成されたパーティクルカウンタ校正用ウェーハを作製することができるので、洗浄により長期に使用可能なパーティクルカウンタ校正用ウェーハを安価かつ短時間で作製することができる。なお、COPとは「Crystal Originated Particle」の略であり、その実体は空洞欠陥である。
このとき、前記準備するシリコンウェーハを、鏡面研磨されたシリコンウェーハとすることができる。
このように、本発明では、原料ウェーハとして、既に一度鏡面研磨まで行ったシリコンウェーハ(鏡面ウェーハ)を用いることができる。この方法では、標準的な鏡面ウェーハの製造プロセスに対してアニール工程と鏡面研磨工程をさらに追加するだけで良いため、安価かつ短時間で作製することが可能である。
また、前記準備するシリコンウェーハを、シリコン単結晶インゴットから切り出したアズスライスウェーハをラッピング又は研削し、エッチングを行った一方で、鏡面研磨をしていないシリコンウェーハとすることができる。
このように、本発明では、原料ウェーハとして、鏡面研磨を行う前のシリコンウェーハを用いることもできる。このような原料ウェーハを用いる場合には、パーティクルカウンタ校正用ウェーハを作製するまでに鏡面研磨を1回行えばよいため、より効率的にパーティクルカウンタ校正用ウェーハを作製することができる。
また、本発明のパーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法では、前記準備するシリコンウェーハを、酸素濃度が13ppma(JEIDA)以上のものとすることが好ましい。
準備するシリコンウェーハとして、このようなシリコンウェーハを用いれば、COPを短時間の熱処理によって顕在化させることができる。
また、前記準備するシリコンウェーハを、欠陥領域がV領域であるものとすることが好ましい。
準備するシリコンウェーハとして、このようなシリコンウェーハを用いれば、COPを熱処理によって容易に顕在化させることができる。
また、前記アニールを行うときに、前記シリコンウェーハのバルク中に20〜80nmのサイズのCOPを成長させる条件でアニールを行うことが好ましい。
上記のようなサイズのCOPを成長させることで、パーティクルカウンタで実際に測定されるウェーハの表面にある異物やウェーハ上の窪みのサイズに近いCOPからなる穴が形成されたパーティクルカウンタ校正用ウェーハを作製することができる。
また、前記アニールをアルゴン雰囲気で行うことができる。
COPを顕在化させるアニール工程の雰囲気として、アルゴン(Ar)雰囲気を好適に用いることができる。
また、前記COPを成長させたシリコンウェーハの表面を鏡面研磨するときに、前記シリコンウェーハの表面に20〜80nmのサイズのCOPが露出するように鏡面研磨することが好ましい。
このような鏡面研磨を行うことで、パーティクルカウンタで実際に測定されるウェーハの表面にある異物やウェーハ上の窪みのサイズに近いCOPからなる穴が形成されたパーティクルカウンタ校正用ウェーハを作製することができる。
また、前記パーティクルカウンタ校正用ウェーハを、測定対象のシリコンウェーハの表面上に存在する異物又は該測定対象のシリコンウェーハの表面に現れる窪みを異なるパーティクルカウンタ間で測定するときに、該異なるパーティクルカウンタ間の検出感度の校正に用いることができる。
本発明の作製方法により作製したパーティクルカウンタ校正用ウェーハを、上記のような異なるパーティクルカウンタ間の検出感度の校正に好適に用いることができる。
本発明のパーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法であれば、簡便な方法により、シリコンウェーハの表面にCOPからなる穴が形成されたパーティクルカウンタ校正用ウェーハを作製することができるので、洗浄により長期に使用可能なパーティクルカウンタ校正用ウェーハを安価かつ短時間で作製することができる。また、本発明の製造方法により製造されたパーティクルカウンタ校正用ウェーハは、汚れた場合でも洗浄が可能となり、PSL塗布ウェーハのようなPSL粒子の脱落の懸念もなく、長期間の使用が可能である。
本発明のパーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法を示すフロー図である。 本発明のパーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法の一例及び他の例を示すフロー図である。 鏡面研磨工程後にウェーハ表面に現れたCOPのSEM画像の一例である。 ウェーハ表面に現れたCOPをAFMにより観察した画像の一例である。 AFMにより図4のCOPの穴径を測定した一例である。 実施例の作製方法において行ったArアニール工程のアニールレシピである。 実施例の作製方法で作製したパーティクルカウンタ校正用ウェーハのCOP穴径と、校正対象のパーティクルカウンタ2台での測定結果との相関グラフである。 実施例および比較例におけるパーティクルカウンタ校正用ウェーハの洗浄前後のパーティクルカウンタでの測定数である。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明のパーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法を示すフロー図である。
まず、図1のS11に示すように、パーティクルカウンタ校正用ウェーハの原料となるシリコンウェーハを準備する。ここで準備するシリコンウェーハは熱処理(アニール)によりCOPが成長するシリコンウェーハとする。特に、欠陥領域がV領域のウェーハであることが好ましい。ここでV領域とは、シリコン単結晶において、シリコン原子の不足から発生するVacancyと呼ばれる空孔型の点欠陥が多い領域である。この点欠陥は凝集してCOPとなり、さらに、このCOPは熱処理により成長して顕在化する。また、COPを短時間の熱処理で顕在化させるためには、準備するシリコンウェーハの酸素濃度は13ppma(JEIDA)以上であることが好ましい。
次に、図1のS12に示すように、準備したシリコンウェーハに対してアニールを行うことにより、シリコンウェーハのバルク部にCOPを成長させる。このアニールはアルゴン雰囲気で行うことができる。COPを顕在化させるアニール工程の雰囲気として、アルゴン雰囲気を好適に用いることができる。
このアニールを行うときに、シリコンウェーハのバルク中に20〜80nmのサイズのCOPを成長させる条件でアニールを行うことが好ましい。上記のようなサイズのCOPを成長させることで、パーティクルカウンタで実際に測定されるウェーハの表面にある異物やウェーハ上の窪みのサイズに近いCOPからなる穴が形成されたパーティクルカウンタ校正用ウェーハを作製することができる。具体的には、アルゴン雰囲気中で最高温度は1200℃、その時の保持時間は1時間程度が好ましい。また1200℃に到達するまでの昇温速度や、常温に戻す際の降温速度は、ウェーハ外周やボートとの支持点に発生するスリップが生じないように設定することが好ましい。
ただし、このアニール工程の目的は、ウェーハ表層から次工程(S13)で鏡面研磨によって除去される深さに、Void系の欠陥、すなわちCOPを成長させることであるため、上記熱処理条件に限定されず、使用するウェーハの酸素濃度、ウェーハ原料となるシリコン単結晶インゴットの引上げ速度、切り出された結晶位置等により種々の雰囲気、熱処理温度、熱処理時間を適用することができ、例えば単段の抵抗加熱熱処理、RTAの他に、これらを組み合わせたり、複数段の抵抗加熱熱処理を適用させることも可能である。このアニール工程で重要なことは、顕在化させるCOPのサイズ及び密度を校正用ウェーハに適用可能な範囲に制御することである。
次に、図1のS13に示すように、COPを成長させたシリコンウェーハの表面を鏡面研磨することにより、シリコンウェーハの表面にCOPからなる穴を形成する。この鏡面研磨工程は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)加工により行うことが一般的である。COPを成長させたシリコンウェーハの表面を鏡面研磨するときに、シリコンウェーハの表面に20〜80nmのサイズのCOPが露出するように鏡面研磨することが好ましい。このような鏡面研磨を行うことで、パーティクルカウンタで実際に測定されるウェーハの表面にある異物やウェーハ上の窪みのサイズに近いCOPからなる穴が形成されたパーティクルカウンタ校正用ウェーハを作製することができる。
この鏡面研磨工程での研磨取り代は、前述のアニール工程での温度と時間により様々な条件となり得る。例えば前述のようにアニール工程の最高温度を1200℃とし、保持する時間を1時間程度とした場合は、鏡面研磨工程での取り代は0.5μm程度が好ましく、アニール工程で成長したCOPをこの研磨取り代で表層に露出させることが可能である。
以上のようにして、シリコンウェーハの表面にCOPからなる穴が形成されたパーティクルカウンタ校正用ウェーハを作製することができる。本発明のパーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法であれば、簡便な方法により、シリコンウェーハの表面にCOPからなる穴が形成されたパーティクルカウンタ校正用ウェーハを作製することができるので、洗浄により長期に使用可能なパーティクルカウンタ校正用ウェーハを安価かつ短時間で作製することができる。また、パーティクルサイズの校正をウェーハ表面に露出させたCOPで行うことにより、このパーティクルカウンタ校正用ウェーハが汚れた場合でも洗浄が可能となり、PSL塗布ウェーハのようなPSL粒子の脱落の懸念もなく、長期間の使用が可能である。
上記のようにして作製したパーティクルカウンタ校正用ウェーハは、測定対象のシリコンウェーハの表面上に存在する異物又は測定対象のシリコンウェーハの表面に現れる窪みを異なるパーティクルカウンタ間で測定するときに、異なるパーティクルカウンタ間の検出感度の校正に用いることができる。本発明の作製方法により作製したパーティクルカウンタ校正用ウェーハを、上記のような異なるパーティクルカウンタ間の検出感度の校正に好適に用いることができる。
次に、図2(a)を参照しながら、本発明のパーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法のより具体的な一例を説明する。図2(a)に示すフローは、既に鏡面加工されたシリコンウェーハを使用する際のフローである。すなわち、この実施形態は、一度完成した鏡面ウェーハを利用する方法である。
まず、図2(a)のS21に示すように、鏡面研磨されたシリコンウェーハ(鏡面ウェーハ)を準備する。このときの準備する鏡面ウェーハは、標準的な鏡面ウェーハの製造プロセスを経て作製されたシリコンウェーハとすることができる。このようなシリコンウェーハを用いる場合には、在庫になったウェーハを利用することもできる。その他の点については、図1のS11で準備するシリコンウェーハと同様である。
次に、図2(a)のS22に示すように、鏡面研磨されたシリコンウェーハ対してアニールを行うことにより、シリコンウェーハのバルク部にCOPを成長させる。この工程は図1のS12のアニール工程と同様である。
次に、図2(a)のS23に示すように、COPを成長させたシリコンウェーハの表面を鏡面研磨することにより、シリコンウェーハの表面にCOPからなる穴を形成する。この工程も図1のS13の鏡面研磨工程と同様である。
以上のようにして、シリコンウェーハの表面にCOPからなる穴が形成されたパーティクルカウンタ校正用ウェーハを作製することができる。また、本実施形態では、標準的な鏡面ウェーハの製造プロセスに対してアニール工程と鏡面研磨工程をさらに追加するだけで良いため、安価かつ短時間で作製することが可能である。
次に、図2(b)を参照しながら、本発明のパーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法の他の具体例を説明する。図2(b)に示すフローは、標準的な鏡面シリコンウェーハ作製プロセスにおける最終段階である鏡面研磨工程の前にアニール工程を入れるフローである。
まず、図2(b)のS31に示すように、シリコン単結晶インゴットから切り出したアズスライスウェーハをラッピング又は研削し、エッチングを行った一方で、鏡面研磨をしていないシリコンウェーハを準備する。必要に応じてその他の工程を行ってもよい。より具体的には、標準的な鏡面シリコンウェーハの作製工程であるスライス、面取り、ラップ又は平面研削(両頭研削)、エッチング、鏡面研磨のうちのエッチングまで行ったシリコンウェーハを準備することができる。また、エッチング工程と鏡面研磨工程との間に最終的な鏡面研磨ではない両面研磨工程や裏面研磨工程があれば、その両面研磨工程や裏面研磨工程まで行ったシリコンウェーハを準備することもできる。その他の点については、図1のS11で準備するシリコンウェーハと同様である。
次に、図2(b)のS32に示すように、鏡面研磨をしていないシリコンウェーハ対してアニールを行うことにより、シリコンウェーハのバルク部にCOPを成長させる。この工程は図1のS12のアニール工程と同様である。
次に、図2(b)のS33に示すように、COPを成長させたシリコンウェーハの表面を鏡面研磨することにより、シリコンウェーハの表面にCOPからなる穴を形成する。この工程も図1のS13の鏡面研磨工程と同様である。
以上のようにして、シリコンウェーハの表面にCOPからなる穴が形成されたパーティクルカウンタ校正用ウェーハを作製することができる。本実施形態では、準備するシリコンウェーハとして、鏡面研磨をしていないシリコンウェーハを用いているので、パーティクルカウンタ校正用ウェーハを作製するまでに鏡面研磨を1回行えばよい。そのため、より効率的にパーティクルカウンタ校正用ウェーハを作製することができる。
図3は、図1のS13、図2(a)のS23、及び図2(b)のS33に示される鏡面研磨工程後にウェーハ表面に現れたCOP(すなわち、ウェーハ表面に露出した穴)のSEM画像の一例である。ここでは穴(COP)のサイズは省略するが、本画像は全て同一倍率であるため、様々なサイズのCOPが得られていることが分かる。パーティクルカウンタの校正用ウェーハとして重要な要素は、PSLを塗布したウェーハであっても、本発明の作製方法で作製された校正用ウェーハであっても、ユースポイント(実際に測定されるウェーハの表面にある異物やウェーハ上の窪み)に近いPSLサイズや穴のサイズ(表面に現れたCOPのサイズ)が存在していることである。したがって、図3のように様々なサイズの穴(表面に現れたCOP)が存在する方が良い。また異なったサイズの穴(表面に現れたCOP)が求められる場合は、前述のアニール工程での温度や保持時間を変更すれば良く、さらには鏡面研磨工程の研磨取り代を変更しても良い。このとき、ユースポイントについて具体的に一例を挙げると20nm〜80nmの範囲が好ましい。
図4は鏡面研磨後にウェーハ表面に現れたCOPをAFM(Atomic Force Microscope)により観察した画像の一例である。また図5は、図4に示したCOPについてAFMによりCOPの穴径を測定した例である。ここで、図5において、2つの上向きの三角(△)間の距離がCOPの穴径に相当する。このように、図3で示したCOPを複数個AFMにより観察し、その穴径を測定することで、その測定値がパーティクルカウンタ校正用の基準値となる。
なお、上記では、COPの穴径をAFMにより測定したが、測定値に信頼性があり、またユースポイントの穴径が測定できれば、例えばレーザー顕微鏡やSEMなども使用可能である。ただし、鏡面ウェーハを非破壊で測定できることが条件である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
CZ法(チョクラルスキー法)で成長させた直径300mmのシリコン単結晶インゴットから得られた鏡面ウェーハを2枚準備した。ここでパーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製フローは、図2(a)に示すものであり、在庫となっている鏡面シリコンウェーハ(欠陥領域がV領域であり、酸素濃度が14ppma(JEIDA)であるもの)を利用した。
アニール工程はアルゴン雰囲気で行い、図6に示すアニールレシピを用いた。すなわち、熱処理の最高温度は1200℃であり、最高温度での保持時間は1時間である。次の鏡面研磨工程はCMP加工により行い、1枚は研磨取り代0.5μm狙いで研磨し、もう1枚は研磨取り代2μm狙いで研磨した。ここで、2枚のウェーハで研磨条件(研磨取り代)を変えた理由は、ウェーハ表面に露出させたCOPのサイズとして、様々なCOPサイズを得るためである。
ウェーハ表面に現れたCOPの特定にはレーザーテック社製ウェーハ欠陥検査レビュー装置 M5640を用いた。この装置ではウェーハ表面上にある欠陥の位置(座標)と、その欠陥が異物(凸状)か、又は窪み(凹状)かについて大凡の判定が可能である。
ただし、本発明のようにCOPを特定したい場合は、上記のM5640で測定した欠陥の座標情報を利用し、欠陥座標が特定できるSEM、いわゆるレビューSEMを用いることでCOPを特定することが可能となる。その画像の一例が、図3に示したSEM像である。なお、本実施例で使用したレビューSEMは、日立ハイテクノロジーズ社製RS−5000である。
COPとして特定できた欠陥に関しては、図4に示すようにAFMによりCOPを観察し、図5に示すようにCOPの穴径を測定した。今回準備した2枚のウェーハからは各2点のCOPの穴径を測定し、研磨取り代2μmで研磨したウェーハから得られたCOPの穴径が26nmと42nm、研磨取り代0.5μmで研磨したウェーハから得られたCOPの穴径が65nmと78nmであった。ここで、AFMはパークシステムズ社製XE−WAFERを使用した。
この2枚のシリコンウェーハをパーティクルカウンタ校正用ウェーハとして用いた。この2枚のウェーハを校正対象のパーティクルカウンタで測定した結果を図7に示す。
本実施例では2台のパーティクルカウンタについて校正を実施した。ここで、この2台は一方をA号機、他方をB号機として示す。まずA号機に関しては、パーティクルカウンタ校正用ウェーハのCOP穴径とA号機が示す欠陥サイズの各点の差は最大でも2nm程度であり、また相関グラフの傾きも0.99とほぼ一致した。
次にB号機では、パーティクルカウンタ校正用ウェーハのCOP穴径が60nmより小さい場合では、A号機が示す欠陥サイズより小さく、反対にパーティクルカウンタ校正用ウェーハのCOP穴径が60nmより大きい場合ではA号機が示す欠陥サイズより大きく測定されることがわかった。図7のグラフからも60nm付近ではCOP穴径との差はほとんど無いが、60nmから離れるにしたがって、COP穴径を正しく判定できていないことが分かった。また相関グラフの傾きは1.18とA号機と比較しても明らかに傾きが異なることが分かった。そこで、B号機の校正を行うことにより、A号機と同様の測定結果が得られることを確認した。
図8は長期間の使用を想定した洗浄テストの結果を示している。洗浄テストに使用したウェーハは上記に示した2枚のうちの1枚である。洗浄条件はアンモニア水(濃度:28%)、過酸化水素水(濃度:30%)、水を用いた洗浄液でその比率は1:1:10、温度は70℃で、この洗浄液でのサンプルウェーハの保持時間は3分とした。また洗浄前後で使用したパーティクルカウンタはKLA−Tencor社製SurfScan SP3である。図8に示すように実施例のサンプルウェーハは洗浄前後でカウントされた欠陥個数が変化することなく204個だった。
(比較例)
ウェーハ上に37nm〜88nmまでのPSL粒子を塗布し、その後200℃のベーク温度で3分保持し、比較例のパーティクルカウンタ校正用ウェーハを作製した。このようにして作製した比較例のパーティクルカウンタ校正用ウェーハも上記の実施例と同時に洗浄テストを行った。洗浄条件は前述の実施例と同じである。実施例と同様にパーティクルカウンタSurfScan SP3で洗浄前後のカウント数を確認したところ、図8に示すように洗浄前は261個観察されていたPSL粒子が、洗浄後には185個と約3割のPSL粒子の脱落が確認された。
以上の結果から、実施例の作製方法により作製したパーティクルカウンタ校正用ウェーハにより、パーティクルカウンタの校正を行うことができた。具体的には、本実施例の場合、B号機に対して校正を加えることができた。また、A号機とB号機の機差についても把握できた。さらに、洗浄テストにおいては、比較例のパーティクルカウンタ校正用ウェーハ(PSL塗布ウェーハ)はPSL粒子の脱落が確認され、長期の使用が懸念される一方、実施例のパーティクルカウンタ校正用ウェーハはカウント数が変化せず長期の使用が可能であることが証明された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (9)

  1. パーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法であって、
    シリコンウェーハを準備する工程と、
    前記準備したシリコンウェーハに対してアニールを行うことにより該シリコンウェーハのバルク部にCOPを成長させる工程と、
    前記COPを成長させたシリコンウェーハの表面を鏡面研磨することにより、前記シリコンウェーハの表面に前記COPからなる穴を形成する工程と
    を有し、
    前記シリコンウェーハの表面に前記COPからなる穴が形成されたパーティクルカウンタ校正用ウェーハを作製することを特徴とするパーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法。
  2. 前記準備するシリコンウェーハを、鏡面研磨されたシリコンウェーハとすることを特徴とする請求項1に記載のパーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法。
  3. 前記準備するシリコンウェーハを、シリコン単結晶インゴットから切り出したアズスライスウェーハをラッピング又は研削し、エッチングを行った一方で、鏡面研磨をしていないシリコンウェーハとすることを特徴とする請求項1に記載のパーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法。
  4. 前記準備するシリコンウェーハを、酸素濃度が13ppma(JEIDA)以上のものとすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のパーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法。
  5. 前記準備するシリコンウェーハを、欠陥領域がV領域であるものとすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のパーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法。
  6. 前記アニールを行うときに、前記シリコンウェーハのバルク中に20〜80nmのサイズのCOPを成長させる条件でアニールを行うことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のパーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法。
  7. 前記アニールをアルゴン雰囲気で行うことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のパーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法。
  8. 前記COPを成長させたシリコンウェーハの表面を鏡面研磨するときに、前記シリコンウェーハの表面に20〜80nmのサイズのCOPが露出するように鏡面研磨することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のパーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法。
  9. 前記パーティクルカウンタ校正用ウェーハは、測定対象のシリコンウェーハの表面上に存在する異物又は該測定対象のシリコンウェーハの表面に現れる窪みを異なるパーティクルカウンタ間で測定するときに、該異なるパーティクルカウンタ間の検出感度の校正に用いられるものであることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のパーティクルカウンタ校正用ウェーハの作製方法。
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