JP2010501613A - プロテイン・キナーゼ阻害剤としてのカルバモイルスルホキシミド - Google Patents

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Abstract

本発明は、プロテイン・キナーゼ阻害剤としての一般式(I)のカルバモイルスルホキシミドに関する。

Description

本発明は、プロテイン・キナーゼ阻害剤としてのスルホキシミド、その中でも特にカルバモイルスルホキシミドとカルボニルスルホキシミドに関する。
真核細胞における多くの生物学的プロセス(例えばDNA複製、エネルギー代謝、細胞増殖、細胞分化)は、タンパク質の可逆的なリン酸化によって調節されている。あるタンパク質のリン酸化の程度が、さまざまなタンパク質の特に機能、局在、安定化に影響を与える。プロテイン・キナーゼとプロテイン・ホスファターゼという酵素ファミリーが、それぞれタンパク質のリン酸化と脱リン酸化にとって重要である。
特定のプロテイン・キナーゼまたはプロテイン・ホスファターゼを抑制することにより生物学的プロセスに介入し、ヒトまたは動物の疾患の原因または症状を治療することが可能になると期待される。
この点に関してプロテイン・キナーゼは特に興味深い。なぜならプロテイン・キナーゼを抑制するとがんの治療が可能になるからである。
プロテイン・キナーゼの以下のファミリーが、例えば抑制性分子にとっての標的として考えられる。
a)細胞周期キナーゼ、すなわち細胞***の周期の進行を制御する活性を持つキナーゼ。細胞周期キナーゼに実質的に含まれるのは、サイクリン依存性キナーゼ(cdk)、ポロ様キナーゼ(Plk)、オーロラ・キナーゼなどである。
b)血管新生を調節する受容体チロシン・キナーゼ(血管新生受容体チロシン・キナーゼ)。例えば、血管内皮増殖因子(VEGF)/VEGF受容体系、線維芽細胞増殖因子(FGF)/FGF受容体系、Ephリガンド/EphB4系、Tieリガンド/Tie系に関係する受容体チロシン・キナーゼ。
c)細胞増殖に寄与する活性を持つ受容体チロシン・キナーゼ(増殖性受容体チロシン・キナーゼ)。例えば、血小板由来増殖因子(PDGF)リガンド/PDGF受容体系、上皮増殖因子(EGF)/EGF受容体系、c-Kitリガンド/c-Kit受容体系、FMS様チロシン・キナーゼ3(Flt-3)リガンド/Flt-3系に関係する受容体チロシン・キナーゼ。
d)細胞***が順序通り進行することをモニタするチェックポイント・キナーゼ。例えば、ATMとATR、Chk1とChk2、Mps1、Bub1とBubR1。
e)細胞をアポトーシスから保護する活性を持つキナーゼ(抗アポトーシス・キナーゼ、いわゆる生存経路におけるキナーゼ)。例えば、Akt/PKB、IκBキナーゼ(IKK)、Pim1、インテグリン結合キナーゼ(ILK)。
f)腫瘍細胞の移動に必要なキナーゼ(移動キナーゼ)。例えば、フォーカル・アドヒージョン・キナーゼ(FAK)、Rhoキナーゼ(ROCK)。
これらプロテイン・キナーゼのうちの1又は複数を抑制すると、腫瘍の増殖を抑制する可能性が開かれる。
このことに関連して、細胞周期キナーゼを抑制することに加え、さらに1又は複数のキナーゼを抑制すること(複数標的腫瘍増殖阻害剤=MTGI)を通じて腫瘍の増殖を抑制する構造体が特に必要とされている。血管新生を調節する受容体チロシン・キナーゼをさらに抑制することが特に好ましい。
以下の特許出願の構造体は、構造的に近い従来技術である。
WO 2002/096888には、サイクリン依存性キナーゼの阻害剤としてのアニリノピリミジン誘導体が開示されている。アニリンに対するカルバモイルスルホキシミド置換基は開示されていない。
WO 2004/026881には、サイクリン依存性キナーゼの阻害剤としての大環状アニリノピリミジン誘導体が開示されている。アニリンに対して可能なカルバモイルスルホキシミド置換基は開示されていない。
WO 2005/037800には、サイクリン依存性キナーゼの阻害剤としての開環アニリノピリミジン誘導体が開示されている。アニリンに対するカルバモイルスルホキシミド置換基は開示されていない。
従来技術のこれらの構造体すべてに共通するのは、細胞周期キナーゼを抑制することである。
本発明の目的は、この従来技術から出発してプロテイン・キナーゼ阻害剤の新しいクラスを提供することである。
特に、本発明の目的は、腫瘍の増殖を抑制できるプロテイン・キナーゼ阻害剤を提供することである。
特に、細胞周期キナーゼに加え、血管新生を抑制する受容体チロシン・キナーゼも抑制する新しい構造体のクラスが必要とされている。
本願の目的は、一般式(I)の化合物:
Figure 2010501613
によって達成される。ただし一般式(I)において、
R1は、
(i)水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、-CF3、-OCF3のいずれかであるか、
(ii)ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、シアノ、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、-CF3及び/又は-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C1〜C6アルコキシ基、C2〜C6アルキニル基のいずれかであるか、
(iii)ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ、-OCF3及び/又はC1〜C6アルキルの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたフェニル環または単環ヘテロアリール環であり、
R2は、
(i)水素であるか、
(ii)C1〜C10アルキル基、C2〜C10アルケニル基、C2〜C10アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、ナフチル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環、二環ヘテロアリール環のいずれかであり、
それぞれの場合に、これらの基そのものが、
a)ハロゲン、ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、シアノ、-C(O)R6、-O(CO)-R12、-SO2NR8R9、-SO2-R12、-S(O)(NR8)R12、-(N)S(O)R13R14、-CF3、-OCF3、-N[(CO)-(C1〜C6アルキル)]2、および/または
b)ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、-NR8R9、-C(O)OR16、-SO2NR8R9、-CF3及び/又は-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、フェニル、ナフチル、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル、単環ヘテロアリール及び/又は、二環ヘテロアリールの1又は複数個
によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
R3は、
(i)ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-CF3、-OCF3、-C(O)NR8R9、-C(S)NR8R9、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、および/または
(ii)ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、-CF3、-OCF3、-NR8R9の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルキル基および/またはC1〜C6アルコキシ基、および/または
(iii)ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、-CF3、-OCF3、-NR8R9及び/又はC1〜C6アルキルの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC3〜C7シクロアルキル環であり、
mは0〜4であり、
Zは-NH-基または直接的な結合であり、
R4とR5は互いに独立に、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ、-OCF3及び/又は、C1〜C6アルキルの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている、または
R4とR5はイオウと合わさって3〜7員の環を形成し、その環は、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン又は、-NR8R9の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されていて、任意的に二重結合を含み、
Xは、-O-、-S-、-NR15-のいずれかである(ただし、
R15は、
(i)水素であるか、
(ii)C1〜C6アルキル基、C3〜C8シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであるか、
(iii)-C(O)-C1〜C6アルキル、-C(O)-フェニル、-C(O)-ベンジルのいずれかであり、
(ii)と(iii)は、ヒドロキシ、-NR10R11、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ、及び/又は-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている)、または
Xが-NR15-である場合には、
-NR15-とR2が合わさって3〜8員の環を形成し、その環は、窒素原子に加えてさらに別の1個以上のヘテロ原子を任意的に含んでいる、および/またはヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、-C(O)R12、-SO2R12、ハロゲン又は、-NR8R91又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている、および/または任意的に1〜3個の二重結合を含んでいる、および/または任意的に1又は複数個-C(O)-基によって中断されており、
Qは、フェニル環、ナフチル環、単環ヘテロアリール環、二環ヘテロアリール環のいずれかであり、
R6は、
(i)水素またはヒドロキシであるか、
(ii)C1〜C6アルキル基、C3〜C6アルケニル基、C3〜C6アルキニル基、C1〜C6アルコキシ基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
R7は水素またはC1〜C6アルキル基であり、
R8とR9は互いに独立に、
(i)水素、および/または
(ii)ヒドロキシ、-NR10R11、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C3〜C8シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環である、または
R8とR9は窒素原子と合わさって5〜7員の環を形成し、その環は、窒素原子に加えてさらに別の1個または2個のヘテロ原子を任意的に含むとともに、ヒドロキシ、-NR10R11、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個のうちの同じものまたは異なるもので1回以上置換されていてもよく、
R10とR11は互いに独立に、水素であるか、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ、及び/又は-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルキル基であり、
R12、R13、R14は互いに独立に、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、ニトロ、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
R16は、
(i)水素であるか、
(ii)C1〜C6アルキル基、C3〜C6アルケニル基、C3〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている。
Zが-NH-基である化合物を今後はカルバモイルスルホキシミドと呼ぶ。この化合物は一般式(Ia)で表わすことができ、その中のすべての基は上記の意味を持つ。
Figure 2010501613
Zが直接的な結合である化合物を今後はカルボニルスルホキシミドと呼ぶ。この化合物は一般式(Ib)で表わすことができ、その中のすべての基は上記の意味を持つ。
Figure 2010501613
従来技術のどの文献にも、プロテイン・キナーゼを抑制するアニリノピリミジン誘導体上にあるスルホキシミド置換基は提案されていない。さらに、プロテイン・キナーゼを抑制する他の構造体のクラスに関してもスルホキシミド置換基は提案されていない。
以下の定義を本発明では前提とする。
Cnアルキル:
n個の炭素原子を有する1価の直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素基。
C1〜C6アルキル基に含まれるものとして、特に、メチル-、エチル-、プロピル-、ブチル-、ペンチル-、ヘキシル-、イソ-プロピル-、イソ-ブチル-、s-ブチル-、t-ブチル-、イソ-ペンチル-、2-メチルブチル-、1-メチルブチル-、1-エチルプロピル-、1,2-ジメチルプロピル、ネオ-ペンチル-、1,1-ジメチルプロピル-、4-メチルペンチル-、3-メチルペンチル-、2-メチルペンチル-、1-メチルペンチル-、2-エチルブチル-、1-エチルブチル-、3,3-ジメチルブチル-、2,2-ジメチルブチル-、1,1-ジメチルブチル-、2,3-ジメチルブチル-、1,3-ジメチルブチル-、1,2-ジメチルブチル-などがある。
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が好ましい。
Cnアルケニル:
n個の炭素原子と少なくとも1つの二重結合を有する1価の直鎖または分岐鎖の炭化水素基。
C2〜C10アルケニル基に含まれるものとして、特に、ビニル-、アリル-、(E)-2-メチルビニル-、(Z)-2-メチルビニル-、ホモアリル-、(E)-ブト-2-エニル-、(Z)-ブト-2-エニル-、(E)-ブト-1-エニル-、(Z)-ブト-1-エニル-、ペント-4-エニル-、(E)-ペント-3-エニル-、(Z)-ペント-3-エニル-、(E)-ペント-2-エニル-、(Z)-ペント-2-エニル-、(E)-ペント-1-エニル-、(Z)-ペント-1-エニル-、ヘクス-5-エニル-、(E)-ヘクス-4-エニル-、(Z)-ヘクス-4-エニル-、(E)-ヘクス-3-エニル-、(Z)-ヘクス-3-エニル-、(E)-ヘクス-2-エニル-、(Z)-ヘクス-2-エニル-、(E)-ヘクス-1-エニル-、(Z)-ヘクス-1-エニル-、イソプロペニル-、2-メチルプロプ-2-エニル-、1-メチルプロプ-2-エニル-、2-メチルプロプ-1-エニル-、(E)-1-メチルプロプ-1-エニル-、(Z)-1-メチルプロプ-1-エニル-、3-メチルブト-3-エニル-、2-メチルブト-3-エニル-、1-メチルブト-3-エニル-、3-メチルブト-2-エニル-、(E)-2-メチルブト-2-エニル-、(Z)-2-メチルブト-2-エニル-、(E)-1-メチルブト-2-エニル-、(Z)-1-メチルブト-2-エニル-、(E)-3-メチルブト-1-エニル-、(Z)-3-メチルブト-1-エニル-、(E)-2-メチルブト-1-エニル-、(Z)-2-メチルブト-1-エニル-、(E)-1-メチルブト-1-エニル-、(Z)-1-メチルブト-1-エニル-、1,1-ジメチルプロプ-2-エニル-、1-エチルプロプ-1-エニル-、1-プロピルビニル-、1-イソプロピルビニル-、4-メチルペント-4-エニル-、3-メチルペント-4-エニル-、2-メチルペント-4-エニル-、1-メチルペント-4-エニル-、4-メチルペント-3-エニル-、(E)-3-メチルペント-3-エニル-、(Z)-3-メチルペント-3-エニル-、(E)-2-メチルペント-3-エニル-、(Z)-2-メチルペント-3-エニル-、(E)-1-メチルペント-3-エニル-、(Z)-1-メチルペント-3-エニル-、(E)-4-メチルペント-2-エニル-、(Z)-4-メチルペント-2-エニル-、(E)-3-メチルペント-2-エニル-、(Z)-3-メチルペント-2-エニル-、(E)-2-メチルペント-2-エニル-、(Z)-2-メチルペント-2-エニル-、(E)-1-メチルペント-2-エニル-、(Z)-1-メチルペント-2-エニル-、(E)-4-メチルペント-1-エニル-、(Z)-4-メチルペント-1-エニル-、(E)-3-メチルペント-1-エニル-、(Z)-3-メチルペント-1-エニル-、(E)-2-メチルペント-1-エニル-、(Z)-2-メチルペント-3-エニル-、(E)-1-メチルペント-1-エニル-、(Z)-1-メチルペント-1-エニル-、3-エチルブト-3-エニル-、2-エチルブト-3-エニル-、1-エチルブト-3-エニル-、(E)-3-エチルブト-2-エニル-、(Z)-3-エチルブト-2-エニル-、(E)-2-エチルブト-2-エニル-、(Z)-2-エチルブト-2-エニル-、(E)-1-エチルブト-2-エニル-、(Z)-1-エチルブト-2-エニル-、(E)-3-エチルブト-1-エニル-、(Z)-3-エチルブト-1-エニル-、2-エチルブト-1-エニル-、(E)-1-エチルブト-1-エニル-、(Z)-1-エチルブト-1-エニル-、2-プロピルプロプ-2-エニル-、1-プロピルプロプ-2-エニル-、2-イソプロピルプロプ-2-エニル-、1-イソプロピルプロプ-2-エニル-、(E)-2-プロピルプロプ-1-エニル-、(Z)-2-プロピルプロプ-1-エニル-、(E)-1-プロピルプロプ-1-エニル-、(Z)-1-プロピルプロプ-1-エニル-、(E)-2-イソプロピルプロプ-1-エニル-、(Z)-2-イソプロピルプロプ-1-エニル-、(E)-1-イソプロピルプロプ-1-エニル-、(Z)-1-イソプロピルプロプ-1-エニル-、(E)-3,3-ジメチルプロプ-1-エニル-、(Z)-3,3-ジメチルプロプ-1-エニル-、1-(1,1-ジメチルエチル)エテニルなどがある。
ビニル基またはアリル基が好ましい。
Cnアルキニル:
n個の炭素原子と少なくとも1つの三重結合を有する1価の直鎖または分岐鎖の炭化水素基。
C2〜C10アルキニル基に含まれるものとして、特に、エチニル-、プロプ-1-イニル-、プロプ-2-イニル-、ブト-1-イニル-、ブト-2-イニル-、ブト-3-イニル-、ペント-1-イニル-、ペント-2-イニル-、ペント-3-イニル-、ペント-4-イニル-、ヘクス-1-イニル、ヘクス-2-イニル、ヘクス-3-イニル、ヘクス-4-イニル、ヘクス-5-イニル、1-メチルプロプ-2-イニル-、2-メチルブト-3-イニル-、1-メチルブト-3-イニル-、1-メチルブト-2-イニル-、3-メチルブト-1-イニル-、1-エチルプロプ-2-イニル-、3-メチルペント-4-イニル-、2-メチルペント-4-イニル-、1-メチルペント-4-イニル-、2-メチルペント-3-イニル-、1-メチルペント-3-イニル-、4-メチルペント-2-イニル-、1-メチルペント-2-イニル-、4-メチルペント-1-イニル-、3-メチルペント-1-イニル-、2-エチルブト-3-イニル-、1-エチルブト-3-イニル-、1-エチルブト-2-イニル-、1-プロピルプロプ-2-イニル-、1-イソプロピルプロプ-2-イニル-、2,2-ジメチルブト-3-イニル-、1,1-ジメチルブト-3-イニル-、1,1-ジメチルブト-2-イニル-、3,3-ジメチルブト-1-イニル-などがある。
エチニル基、プロプ-1-イニル基、プロプ-2-イニル基が好ましい。
Cnシクロアルキル:
n個の炭素原子を有する1価の環式炭化水素環。
C3〜C7シクロアルキル環には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及び、シクロヘプチルが含まれる。
シクロプロピル環、シクロペンチル環、又はシクロヘキシル環が好ましい。
Cnアルコキシ:
一般式が-ORである直鎖または分岐鎖のCnアルキルエーテル残基(ただしR=アルキル)。
Cnアリール
Cnアリールは、n個の炭素原子を持ち、ヘテロ原子を含まない1価の芳香族環系である。
C6アリールはフェニルに等しい。C10アリールはナフチルに等しい。
フェニルが好ましい。
ヘテロ原子
ヘテロ原子には、酸素原子、窒素原子、イオウ原子が含まれるものと理解すべきである。
ヘテロアリール
ヘテロアリールは、炭素とは異なる少なくとも1個のヘテロ原子を有する1価の芳香族環系である。含まれていてもよいヘテロ原子は、窒素原子、および/または酸素原子、および/またはイオウ原子である。原子価結合は、任意の芳香族炭素原子または窒素原子に存在することができる。
本発明による単環ヘテロアリール環は、環の原子を5個または6個有する。
環の原子を5個有するヘテロアリール環として、例えば、チエニル、チアゾリル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリルなどの環がある。
環の原子を6個有するヘテロアリール環として、例えば、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及び、トリアジニルなどの環が含まれる。
本発明による二環ヘテロアリール環は、環の原子を9個または10個有する。
環の原子を9個有するヘテロアリール環として、例えば、フタリジル-、チオフタリジル-、インドリル-、イソインドリル-、インダゾリル-、ベンゾチアゾリル-、インドロニル-、イソインドロニル-、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、アゾシニル、インドリジニル、プリニルなどの環がある。
環の原子を10個有するヘテロアリール環として、例えば、イソキノリニル-、キノリニル-、ベンゾオキサジノニル-、フタラジノニル、キノロニル-、イソキノロニル-、キナゾリニル-、キノキサリニル-、シンノリニル-、フタラジニル-、1,7-ナフチリジニル、1,8-ナフチリジニル、キノリニル-、イソキノリニル-、キナゾリニル-又は、キノキサリニル-などの環がある。
環の原子を5個または6個有する単環ヘテロアリール環が好ましい。
ヘテロシクリル
本発明の文脈におけるヘテロシクリルは、完全に水素化されたヘテロアリール(完全に水素化されたヘテロアリール=飽和したヘテロシクリル)、すなわち炭素とは異なる少なくとも1個のヘテロ原子を有する非芳香族環系である。含まれていてもよいヘテロ原子は、窒素原子、および/または酸素原子、および/またはイオウ原子である。原子価結合は、任意の芳香族炭素原子または窒素原子に存在することができる。
環の原子を3個有するヘテロシクリル環として、例えばアジリジニルなどがある。
環の原子を4個有するヘテロシクリル環として、例えばアゼチジニル、オキセタニルなどがある。
環の原子を5個有するヘテロシクリル環として、例えばピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル及び、テトラヒドロフラニルなどの環がある。
環の原子を6個有するヘテロシクリル環として、例えばピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル及び、チオモルホリニルなどの環がある。
環の原子を7個有するヘテロシクリル環として、例えばアゼパニル、オキセパニル、[1,3]-ジアゼパニル、[1,4]-ジアゼパニルなどがある。
環の原子を8個有するヘテロシクリル環として、例えばオキソカニル、アゾカニルなどがある。
ハロゲン
ハロゲンという用語には、フッ素、塩素、臭素及び、ヨウ素が含まれる。
臭素が好ましい。
好ましい化合物は、一般式(Ia)と(Ib)において、
R1が、ハロゲン、-CF3、-OCF3、C1〜C4アルキル、ニトロのいずれかであり、
R2が、C1〜C10アルキル基、C2〜C10アルケニル基、C2〜C10アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、単環ヘテロアリール環、二環ヘテロアリール環、環の原子が3〜7個のヘテロシクリル環のいずれかであり、
それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12及び/又は、C1〜C4アルキル基の1又は複数個(任意的にこの基そのものが1又は複数個のヒドロキシで置換されている)によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
R3が、
(i)ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-CF3、-OCF3、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、および/または
(ii)ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、-CF3、-OCF3又は、-NR8R91又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C3アルキル基および/またはC1〜C3アルコキシ基であり、
mが0または1であり、
R4とR5が互いに独立に、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、
それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ、-OCF3及び/又は、C1〜C6アルキルの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている、または
R4とR5がイオウと合わさって3〜7員の環を形成し、その環は、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ又は、-NR8R91又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
Xが、-O-、-S-、-NR15-のいずれかである(ただし、
R15は、
(i)水素であるか、
(ii)C1〜C6アルキル基、C3〜C8シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであるか、
(iii)-C(O)-C1〜C6アルキル、-C(O)-フェニル、-C(O)-ベンジルのいずれかであり、
(ii)と(iii)は、ヒドロキシ、-NR10R11、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている)、または
Xが-NR15-である場合には、
-NR15-とR2が合わさって3〜8員の環を形成し、その環は、窒素原子に加えてさらに別の1又は複数個のヘテロ原子を任意的に含んでいる、および/またはヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、-C(O)R12、-SO2R12、ハロゲン又は、-NR8R91又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている、および/または任意的に1又は複数個の-C(O)-基によって中断されていることがあり、
Qが、フェニル環、単環ヘテロアリール環、二環ヘテロアリール環のいずれかであり、
R6が、C2〜C5アルキル基、C4〜C6アルケニル基、C4〜C6アルキニル基、C2〜C5アルコキシ基、C4〜C6シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜5個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、
それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
R7が水素またはC1〜C6アルキル基であり、
R8とR9が互いに独立に、水素である、および/またはC1〜C4アルキル基、C3〜C6シクロアルキル環、フェニル環、単環ヘテロアリール環であり、
それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR10R11又は、C1〜C6アルコキシ1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている、または
R8とR9が窒素原子と合わさって5〜7員の環を形成し、その環は、窒素原子に加えてさらに別の1個のヘテロ原子を任意的に含むとともに、1又は複数個のヒドロキシによって置換されていてもよく、
R10とR11が互いに独立に、水素であるか、1又は複数個のヒドロキシによって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルキル基であり、
R12が、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、
それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、-NR8R9、C1〜C6アルキル及び/又は、C1〜C6アルコキシの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
R13、R14が互いに独立にC1〜C6アルキル基であり、
R16が、C1〜C6アルキル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかである化合物と、その塩、そのジアステレオマー、その鏡像異性体である。
特に好ましい化合物は、一般式(I)において、
R1が、ハロゲン、-CF3、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、その単環ヘテロアリール環は、ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ、-OCF3及び/又は、C1〜C6アルキルによって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
R2が、C1〜C10アルキル基または二環ヘテロアリール環であり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12及び/又は、C1〜C4アルキル基(任意的にこの基そのものが1又は複数個のヒドロキシで置換されている)によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
R3が、ハロゲンである、および/またはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、-CF3、-OCF3及び/又は、-NR8R9の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C3アルキル基および/またはC1〜C3アルコキシ基であり、
mが0または1であり、
R4とR5が互いに独立に、C1〜C6アルキル基であり、それぞれの場合に、この基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、C1〜C6アルコキシ及び/又は、C1〜C6アルキルの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
Xが-O-または-NH-であり、
Qがフェニル環であり、
Zが-NH-基または直接的な結合であり、
R7が水素またはC1〜C6アルキル基であり、
R8とR9が互いに独立に、水素である、および/またはC1〜C4アルキル基、C3〜C6シクロアルキル環、フェニル環、単環ヘテロアリール環であり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR10R11又は、C1〜C6アルコキシ1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている、または
R8とR9が窒素原子と合わさって5〜7員の環を形成し、その環は、窒素原子に加えてさらに別の1個のヘテロ原子を任意的に含むとともに、1又は複数個のヒドロキシによって置換されていてもよく、
R10とR11が互いに独立に、水素であるか、1又は複数個のヒドロキシによって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルキル基であり、
R12が、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、-NR8R9、C1〜C6アルキル及び/又は、C1〜C6アルコキシの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている化合物と、その塩、そのジアステレオマー、その鏡像異性体である。
同様に、特に好ましい化合物は、一般式(Ia)において、
R1が、ハロゲンまたは-CF3であり、
R2がC1〜C10アルキル基であり、それぞれの場合に、この基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、C1〜C4アルキル基の1又は複数個(任意的にこの基そのものが1つ又は複数個のヒドロキシで置換されている)によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
R3が、ハロゲン、および/またはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、-CF3、-OCF3又は、-NR8R91又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C3アルキル基および/またはC1〜C3アルコキシ基であり、
mが0または1であり、
R4とR5が互いに独立にC1〜C6アルキル基であり、それぞれの場合に、この基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
Xが-O-または-NH-であり、
Qがフェニル環であり、
R7が水素またはC1〜C6アルキル基であり、
R8とR9が互いに独立に、水素である、および/またはC1〜C4アルキル基、C3〜C6シクロアルキル環、フェニル環、単環ヘテロアリール環であり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR10R11又は、C1〜C6アルコキシ1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている、または
R8とR9が窒素原子と合わさって5〜7員の環を形成し、その環は、窒素原子に加えてさらに別の1個のヘテロ原子を任意的に含むとともに、1又は複数個のヒドロキシによって置換されていてもよく、
R10とR11が互いに独立に、水素であるか、1又は複数個のヒドロキシによって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルキル基であり、
R12が、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、-NR8R9、C1〜C6アルキル及び/又は、C1〜C6アルコキシの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている化合物と、その塩、そのジアステレオマー、その鏡像異性体である。
同様に、特に好ましい化合物は、一般式(Ib)において、
R1が、ハロゲンまたは-CF3であり、
R2がC1〜C10アルキル基であり、それぞれの場合に、この基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12及び/又は、C1〜C4アルキル基の1つ又は複数個(任意的にこの基そのものが1つ又は複数個のヒドロキシで置換されている)によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
mが0であり、
R4とR5が互いに独立にC1〜C6アルキル基であり、それぞれの場合に、この基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、C1〜C6アルコキシ及び/又は、C1〜C6アルキルの1つ又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
Xが-O-または-NR15-であり、
Qがフェニル環であり、
R7が水素またはC1〜C6アルキル基であり、
R8とR9が互いに独立に、水素である、および/またはC1〜C4アルキル基、C3〜C6シクロアルキル環、フェニル環、単環ヘテロアリール環であり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR10R11又は、C1〜C6アルコキシ1つ又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている、または
R8とR9が窒素原子と合わさって5〜7員の環を形成し、その環は、窒素原子に加えてさらに別の1個のヘテロ原子を任意的に含むとともに、1つ又は複数のヒドロキシによって置換されていてもよく、
R10とR11が互いに独立に、水素であるか、ヒドロキシによって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルキル基であり、
R12が、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、-NR8R9、C1〜C6アルキル及び/又は、C1〜C6アルコキシの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている化合物と、その塩、そのジアステレオマー、その鏡像異性体である。
同様に、特に好ましい化合物は、一般式(Ia)において、
R1が、ハロゲンであり、
R2が、1又は複数個のヒドロキシによって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C10アルキル基であり、
R3が、ハロゲンである、および/またはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、-CF3、-OCF3又は、-NR8R91又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C3アルキル基および/またはC1〜C3アルコキシ基であり、
mが0または1であり、
R4とR5が互いに独立にC1〜C6アルキル基であり、それぞれの場合に、この基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
Xが-O-または-NH-であり、
Qがフェニル環であり、
R8とR9が互いに独立に、水素である、および/またはC1〜C4アルキル基、C3〜C6シクロアルキル環、フェニル環、単環ヘテロアリール環であり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ又はC1〜C6アルコキシの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている、、sysjs
R8とR9が窒素原子と合わさって5〜7員の環を形成し、その環は、窒素原子に加えてさらに別の1個のヘテロ原子を任意的に含むとともに、1又は複数個のヒドロキシによって置換されていてもよい化合物と、その塩、そのジアステレオマー、その鏡像異性体である。
一般式(I)において、Qは、フェニル環、ナフチル環、単環ヘテロアリール環、二環ヘテロアリール環のいずれかが可能である。
Qは、フェニル環または単環ヘテロアリール環であることが好ましい。
Qは、フェニル環、または環の原子が6個の単環ヘテロアリール環(特にピリジル環)であることがより好ましい。
Qは、フェニル環であることが特に好ましい。
一般式(I)において、R1として可能なのは、
(i)水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、-CF3、-OCF3のいずれかであるか、
(ii)ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、シアノ、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、-CF3、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C1〜C6アルコキシ基、C2〜C6アルキニル基のいずれかであるか、
(iii)ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ、-OCF3及び/又は、C1〜C6アルキルの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたフェニル環または単環ヘテロアリール環である。
R1として好ましいのは、ハロゲン、-CF3、-OCF3、C1〜C4アルキル、ニトロ、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、これらは、ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ、-OCF3及び/又は、C1〜C6アルキルの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている。R1としてより好ましいのは、ハロゲン、-CF3、C1〜C2アルキル、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、これらは、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ、-OCF3及び/又は、C1〜C6アルキルの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている。
R1としてより一層好ましいのは、ハロゲン、-CF3、単環ヘテロアリール環のいずれかである。
R1として特に好ましいのは、-CF3またはハロゲン(特に臭素)である。
一般式(I)において、R2として可能なのは、
(i)水素であるか、
(ii)C1〜C10アルキル基、C2〜C10アルケニル基、C2〜C10アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、ナフチル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環、二環ヘテロアリール環のいずれかであり、
(ii)では、それぞれの場合に、これらの基そのものが、
a)ハロゲン、ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、シアノ、-C(O)R6、-O(CO)-R12、-SO2NR8R9、-SO2-R12、-S(O)(NR8)R12、-(N)S(O)R13R14、-CF3、-OCF3、-N[(CO)-(C1〜C6アルキル)]2、および/または
b)ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、-NR8R9、-C(O)OR16、-SO2NR8R9、-CF3又は、-OCF31又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、フェニル、ナフチル、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル、単環ヘテロアリール、二環ヘテロアリール
によって同じように、または異なるように任意的に置換されている。
R2として好ましいのは、C1〜C10アルキル基、C2〜C10アルケニル基、C2〜C10アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、単環ヘテロアリール環、二環ヘテロアリール環、環の原子が3〜7個のヘテロシクリル環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12及び/又は、C1〜C4アルキル(任意的にこの基そのものが1又は複数個のヒドロキシで置換されている)の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている。
R2としてより好ましいのは、C2〜C6アルキル基、C2〜C8アルケニル基、C2〜C8アルキニル基、C3〜C6シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が9個または10個の二環ヘテロアリール環、環の原子が5〜7個のヘテロシクリル環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、C1〜C4アルキルの1又は複数個(任意的にこの基そのものが1又は複数個のヒドロキシで置換されている)によって同じように、または異なるように任意的に置換されている。
R2として特に好ましいのは、C2〜C6アルキル基、または環の原子が9個または10個の二環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、C1〜C4アルキルの1又は複数個(任意的にこの基そのものが1又は複数個のヒドロキシで置換されている)によって同じように、または異なるように任意的に置換されている。
R2として最も好ましいのは、1又は複数個のヒドロキシによって同じように、または異なるように任意的に置換されているC2〜C6アルキル基である。
一般式(I)において、Xとして可能なのは、-O-、-S-、-NR15-のいずれかである(ただし、
R15は、
(i)水素であるか、
(ii)C1〜C6アルキル基、C3〜C8シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであるか、
(iii)-C(O)-C1〜C6アルキル、-C(O)-フェニル、-C(O)-ベンジルのいずれかであり、
(ii)と(iii)は、ヒドロキシ、-NR10R11、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている)、または
Xが-NR15-である場合には、
-NR15-とR2が合わさって3〜8員の環を形成し、その環は、窒素原子に加えてさらに別の1個以上のヘテロ原子を任意的に含んでいる、および/またはヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、-C(O)R12、-SO2R12、ハロゲン又は、-NR8R9の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている、および/または任意的に1〜3個の二重結合を含んでいる、および/または任意的に1又は複数個の-C(O)-基によって中断されている。
Xとして好ましいのは、-O-、-S-、-NR15-のいずれかである(ただし、
R15は、水素であるか、C1〜C6アルキル基、C3〜C8シクロアルキル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR10R11、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている)、または
Xが-NR15-である場合には、
-NR15-とR2が合わさって3〜6員の環を形成することが好ましく、その環は、窒素原子に加えてさらに別の1個以上のヘテロ原子を任意的に含んでいる、および/またはヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、-C(O)R12、-SO2R12、ハロゲン、-NR8R9によって同じように、または異なるように任意的に1回以上置換されている、および/または任意的に1個または2個の二重結合を含んでいる、および/または任意的に1個以上の-C(O)-基によって中断されている。
Xとしてより好ましいのは、-NR15-である(ただし、
R15が、水素であるか、C3〜C6アルキル基、C3〜C7シクロアルキル環、環の原子が3〜6個のヘテロシクリル環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR10R11、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている)、または
Xが-NR15-である場合には、
-NR15-とR2が合わさって5員または6員の環を形成することがより好ましく、その環は、窒素原子に加えてさらに別の1個以上のヘテロ原子を任意的に含むとともに、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、-C(O)R12、-SO2R12、ハロゲン又は、-NR8R9の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている。
Xは、-O-または-NR15-(ただしR15は水素である)であることが特に好ましい。
一般式(I)において、R3として可能なのは、
(i)ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-CF3、-OCF3、-C(O)NR8R9、-C(S)NR8R9、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、および/または
(ii)ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、-CF3、-OCF3又は、-NR8R9の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルキル基および/またはC1〜C6アルコキシ基、および/または
(iii)ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、-CF3、-OCF3、-NR8R9及び/又は、C1〜C6アルキルの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC3〜C7シクロアルキル環である。
R3として好ましいのは、
(i)ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-CF3、-OCF3、-C(O)NR8R9、-C(S)NR8R9、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、および/または
(ii)ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、-CF3、-OCF3又は、-NR8R9の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C5アルキル基および/またはC1〜C5アルコキシ基である。
R3としてより好ましいのは、
(i)ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-CF3、-OCF3、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、および/または
(ii)ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、-CF3、-OCF3又は、-NR8R9の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C3アルキル基および/またはC1〜C3アルコキシ基である。
R3としてより一層好ましいのは、
(i)ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-CF3、-OCF3、-NR8R9、および/または
(ii)C1〜C3アルキル基および/またはC1〜C3アルコキシ基である。
R3は、ハロゲンであるか、C1〜C3アルキル基および/またはC1〜C3アルコキシ基であることが特に好ましく、ここでは特に、フッ素、および/または塩素、および/またはメチル、および/またはメトキシである。
一般式(I)において、mは0〜4が可能であり、0〜2が好ましく、0または1であることがより好ましい。
一般式(I)において可能なのは、R4とR5が互いに独立に、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ、-OCF3及び/又は、C1〜C6アルキルの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されていること、または
R4とR5がイオウと合わさって3〜7員の環を形成し、その環は、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン又は、-NR8R9の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されるとともに、任意的に二重結合を含んでいることである。
好ましいのは、R4とR5が互いに独立に、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、C1〜C6アルコキシ及び/又は、C1〜C6アルキルの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されていること、または
R4とR5がイオウと合わさって3〜7員の環を形成し、その環は、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-NR8R9の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されていることである。
より一層好ましいのは、R4とR5が互いに独立に、C1〜C5アルキル基、C2〜C5アルケニル基、C2〜C5アルキニル基、C3〜C6シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜6個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであること、または
R4とR5がイオウと合わさって3〜7員の環を形成することである。
特に好ましいのは、R4とR5が互いに独立に、C1〜C4アルキル基、C2〜C4アルケニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環のいずれかであることである。
R4とR5は、互いに独立にC1〜C6アルキル基であることが非常に好ましい。
好ましいのは、R6が、
(i)水素であるか、
(ii)C1〜C4アルキル基、C3〜C5アルケニル基、C3〜C5アルキニル基、C1〜C5アルコキシ基、C3〜C6シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜6個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されていることである。
より好ましいのは、R6が、C2〜C5アルキル基、C4〜C6アルケニル基、C4〜C6アルキニル基、C2〜C5アルコキシ基、C4〜C6シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜5個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されていることである。
特に好ましいのは、R6が、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C3〜C7シクロアルキル環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9及び/又は、C1〜C6アルコキシによって同じように、または異なるように任意的に置換されていることである。
R6は、C1〜C6アルキル基またはC1〜C6アルコキシ基であることが非常に好ましい。
一般式(I)において、R7は、水素またはC1〜C6アルキル基が可能である。
一般式(I)において可能なのは、R8とR9が互いに独立に、
(i)水素、および/または
(ii)C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C3〜C8シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環であり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR10R11、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されていること、または
R8とR9が窒素原子と合わさって5〜7員の環を形成し、その環は、窒素原子に加えてさらに別の1個または2個のヘテロ原子を任意的に含むとともに、ヒドロキシ、-NR10R11、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個のうちの同じものまたは異なるもので置換されていることである。
好ましいのは、R8とR9が、
(i)水素、および/または
(ii)C1〜C5アルキル基、C2〜C5アルケニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、単環ヘテロアリール環であり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR10R11及び/又は、C1〜C6アルコキシの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されていること、または
R8とR9が窒素原子と合わさって5〜7員の環を形成し、その環は、窒素原子に加えてさらに別の1個のヘテロ原子を任意的に含むとともに、ヒドロキシ、-NR10R11及び/又は、C1〜C6アルコキシの1又は複数個のうちの同じものまたは異なるもので置換されていることである。
より好ましいのは、R8とR9が、
(i)水素、および/または
(ii)C1〜C4アルキル基、C3〜C6シクロアルキル環、フェニル環、単環ヘテロアリール環であり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR10R11又は、C1〜C6アルコキシ1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されていること、または
R8とR9が窒素原子と合わさって5〜7員の環を形成し、その環は、窒素原子に加えてさらに別の1個のヘテロ原子を任意的に含むとともに、1又は複数個のヒドロキシで置換されていることである。
特に好ましいのは、R8とR9が、
(i)水素、および/または
(ii)C1〜C6アルキル基、C3〜C6シクロアルキル環、フェニル環、単環ヘテロアリール環であること、または
R8とR9は、窒素原子と合わさって5員または6員の環を形成し、その環は、窒素原子に加えてさらに別の1個のヘテロ原子を任意的に含むことである。
一般式(I)において可能なのは、R10とR11が互いに独立に、水素であるか、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルキル基であることである。
R10とR11は互いに独立に、水素であるか、ヒドロキシ、ハロゲン又は、C1〜C6アルコキシの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルキル基であることが好ましかろう。
R10とR11は互いに独立に、水素であるか、1又は複数個のヒドロキシによって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルキル基であることが好ましかろう。
R10とR11は互いに独立に、水素またはメチル基であることが特に好ましかろう。
一般式(I)において可能なのは、R12、R13、R14が互いに独立に、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、
それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、ニトロ、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されていることである。
好ましいのはR12が、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、
それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、-NR8R9、C1〜C6アルキル及び/又は、C1〜C6アルコキシの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されていることである。
より好ましいのは、R12が、C1〜C5アルキル基、C2〜C5アルケニル基、C3〜C6シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜6個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、
それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、-NR8R9、C1〜C6アルキル及び/又は、C1〜C6アルコキシの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されていることである。
特に好ましいのは、R12が、C1〜C6アルキル基、フェニル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、
それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、ハロゲン又は、C1〜C6アルキル1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されていることである。
好ましいのは、R13とR14が互いに独立に、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、
それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9及び/又は、C1〜C6アルコキシの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されていることである。
より好ましいのは、R13とR14が互いに独立に、C1〜C5アルキル基、C2〜C5アルケニル基、C2〜C5アルキニル基、C3〜C6シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜6個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであることである。
R13とR14は、互いに独立にC1〜C6アルキル基であることが特に好ましい。
R13とR14は、メチル基であることが非常に好ましい。
一般式(I)において可能なのは、R16が、
(i)水素であるか、
(ii)C1〜C6アルキル基、C3〜C6アルケニル基、C3〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されていることである。
R16は、C1〜C6アルキル基、C3〜C6アルケニル基、C3〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されていることが好ましかろう。
R16は、C1〜C6アルキル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであることがより好ましかろう。
R16は、C1〜C6アルキル基であることが特に好ましい。
本発明には、置換基に関する上記の可能な意味、好ましい意味、特に好ましい意味の可能なあらゆる組み合わせから生じるすべての化合物も同様に含まれるものと見なされる。
本発明の特別な実施態様はさらに、置換基の例の中に直接開示されている意味の組み合わせから生じる化合物からなる。
本発明による一般式(I)の化合物は、一般式(II)の2-クロロピリミジンを一般式(III)の求核分子と反応させることによって調製することができる:
Figure 2010501613
(ただしQ、R1、R2、R3、R4、R5、X、Z、mは、請求項1〜18による一般式(I)に示した意味を持つ)。
本発明は、一般式(II)の中間体:
Figure 2010501613
にも関する。ただしR1、R2、Xは、請求項1〜18による一般式(I)に示した意味を持つ。
一般式(II)の中間体は、一般式(V)の2,4-ジクロロピリミジンを一般式(IV)の求核分子と反応させることによって調製できる:
Figure 2010501613
(ただしR1、R2、Xは、請求項1〜18による一般式(I)に示した意味を持つ)。
本発明は、一般式(III)の中間体、その中でも特に一般式(IIIa)と(IIIb)の中間体:
Figure 2010501613
にも関する(ただしQ、Z、R3、R4、R5は、請求項1〜18による一般式(I)に示した意味を持つ)。
一般式(IIIa)の中間体は、
a)一般式(VII)のイソシアネートを一般式(VIII)のスルホキシミンと反応させることによって一般式(VI)の中間体を得るステップ:
Figure 2010501613
と、
b)ニトロ基を還元して一般式(IIIa)の中間体を得るステップ:
Figure 2010501613
を含む方法によって調製できる(ただし、Q、R3、R4、R5、mは、請求項1〜18による一般式(I)に示した意味を持つ)。
一般式(IIIb)の中間体は、
a)一般式(IX)の酸塩化物を一般式(VIII)のスルホキシミンと反応させることによって一般式(X)の中間体を得るステップ:
Figure 2010501613
と、
b)ニトロ基を還元して一般式(IIIb)の中間体を得るステップ:
Figure 2010501613
を含む方法によって調製できる(ただし、Q、R3、R4、R5、mは、請求項1〜18による一般式(I)に示した意味を持つ)。
以下のグループのプロテイン・キナーゼを本願では前提とする。
A.細胞周期キナーゼ :a)CDK、b)Plk、c)オーロラ
B.血管新生受容体チロシン・キナーゼ:a)VEGF-R、b)Tie、c)FGF-R、d)EphB4
C.増殖性受容体チロシン・キナーゼ:a)PDGF-R、Flt-3、c-Kit
D.チェックポイント・キナーゼ:a)AMT-ATR、b)Chk 1/2、c)TTK/hMps1、BubR1、Bub1
E.抗アポトーシス・キナーゼ:a)AKT/PKB、b)IKK、c)PIM1、d)ILK
F.移動キナーゼ:a)FAK、b)ROCK
A.細胞周期キナーゼ :a)CDK、b)Plk、c)オーロラ
真核生物では、細胞***の細胞周期によって一定の順番になるように調節された一連のイベントを通過することで、ゲノムの複製と、娘細胞へのゲノムの分配が保証される。細胞周期は4つの連続した期に分けられる。G1期は、細胞が増殖していて外部刺激に敏感なDNA複製前の時期である。S期では細胞がDNAを複製し、G2期では有糸***に入る準備をする。有糸***(M期)では、複製されたDNAが分離され、細胞***が完了する。
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)は、活性化させるのに調節サブユニットとしてのサイクリン(Cyc)が結合する必要があるセリン/トレオニン・キナーゼのファミリーであり、細胞に細胞周期を通過させる。CDK/Cycのさまざまなペアが細胞周期の異なる期において活性になる。細胞周期の基本的機能にとって重要なペアCDK/Cycは、例えば、CDK4(6)/CycD、CDK2/CycE、CDK2/CycA、CDK1/CycA及び、CDK1/CycBである。
細胞周期に入り、制限点(この点を過ぎると細胞がもはや増殖信号とは独立になり、始まった細胞***が完了する)を通過することの制御は、CDK4(6)/CycD複合体とCDK2/CycE複合体の活性によってなされる。これらのCDK複合体に不可欠な基質は、網膜芽細胞腫の腫瘍抑制遺伝子産物である網膜芽細胞腫タンパク質(Rb)である。Rbは転写共リプレッサー・タンパク質である。Rbは、まだほとんどわかっていない他のメカニズムは別にして、E2Fタイプの転写因子と結合して不活化し、ヒストンジアセチラーゼ(HDAC)との間に転写リプレッサー複合体を形成する(Zhang H.S.他、2000年、「細胞周期のG1期とS期は、HDAC-Rb-hSWI/SNFとRb-hSWI/SNFを含むリプレッサー複合体によって調節される」、Cell、第101巻、79〜89ページ)。CDKによってRbがリン酸化されると結合したE2F転写因子が放出され、DNAの合成とS期の進行に必要な産物を産生するいろいろな遺伝子の転写が活性化される。Rbがリン酸化されることの別の効果は、Rb-HDAC複合体の破壊であり、その結果としてさらに別の遺伝子が活性化される。CDKによるRbのリン酸化は、制限点よりも先に進むことに等しい。CDK2/CycE複合体とCDK2/CycA複合体が活性化することが、S期の進行と完了にとって必要である。DNAの複製が完了すると、CycAまたはCycBとCDK1の複合体に含まれるCDK1が、細胞がG2期を通過して有糸***に入ることを制御する(図1)。G2期から有糸***へと移行するとき、ポロ様キナーゼPlk1がCDK1の活性化に寄与する。有糸***が進行している間、Plk1は、中心体の成熟、紡錘体装置の形成、中心体の分離、娘細胞の分離にも関与する。
オーロラ・キナーゼのファミリーは、ヒトでは3つのメンバーからなる。すなわち、オーロラ-A、オーロラ-B、オーロラ-Cである。オーロラ・キナーゼは、細胞***(有糸***)の間を通じて重要なプロセスを制御する。
オーロラ-Aは中心体と紡錘体の微小管に局在し、その場所でさまざまな基質タンパク質(特にEg5、TACC、PP1)をリン酸化する。しかし紡錘体装置の正確な生成メカニズムとそのときのオーロラ-Aの役割は、まだほとんどわかっていない。
オーロラ-Bは、染色体の中心体構造に局在する複数タンパク質複合体の一部であり、この複合体は、オーロラ-B以外に、特にINCENP、サバイビン、ボレアリン/ダスラBを含んでいる(まとめの概説が、VagnarelliとEarnshaw、「染色体パッセンジャー:有糸***イベントの4次元調節」、Chromosoma、2004年11月、第113巻(5)、211〜222ページ、電子公開版2004年9月4日にある)。オーロラ-Bのキナーゼ活性により、染色体ペアが***する前(いわゆる紡錘体チェックポイント)に、紡錘体装置の微小管への接続がすべて正しいことが保証される。この場合のオーロラ-Bの基質は、特にヒストンH3とMCAKである。染色体が分離した後にオーロラ-Bは位置を変えるため、有糸***の最終期(細胞質***)に、2つの娘細胞の間にまだ残っている接続ブリッジ上で見つけることができる。オーロラ-Bは、その基質であるMgcRacGAP、ビメンチン、デスミン、ミオシンL調節鎖などをリン酸化している間の娘細胞の分離を調節する。
オーロラ-Cは、アミノ酸配列、局在状態、基質特異性、機能がオーロラ-Bと非常に似ている(Li X.他、「内部中心体タンパク質(INCENP)との直接的な結合によって新規な染色体パッセンジャー・タンパク質であるオーロラ-Cが活性化される」、J. Biol. Chem.、2004年11月5日、第279巻(45)、47201〜47211ページ。電子公開版2004年8月16日;Chen他、「オーロラ-Cキナーゼ欠損突然変異体の過剰発現によってオーロラ-B/INCENP複合体が破壊され、多倍数体が誘導される」、J. Biomed. Sci.、2005年、第12巻(2)、297〜310ページ;Yan X.他、「オーロラ-Cはサバイビンと直接関係していて細胞質***に必要である」、Genes to Cells、2005年、第10巻、617〜626ページ)。オーロラ-Bとオーロラ-Cの主な違いは、精巣においてオーロラ-Cが強く過剰発現することである(Tseng T.C.他、「***と卵子のプロテイン・キナーゼのプロファイル:酵母とハエの染色体分離調節因子に関係する2つの新規な精巣特異的プロテイン・キナーゼ(AIE1、AIE2)のクローニングとキャラクテリゼーション」、DNA Cell Biol.、1998年10月、第17巻(10)、823〜833ページ)。
有糸***におけるオーロラ・キナーゼが不可欠な機能を果たしているため、オーロラ・キナーゼは、細胞増殖の乱れによって起こるがんその他の疾患を治療するための小さな抑制性分子を開発するための興味深い標的タンパク質である。説得力のある実験データによると、試験管内と生体内でオーロラ・キナーゼを抑制すると細胞増殖の進展が阻止され、プログラムされた細胞死(アポトーシス)が誘導されることが示されている。それを示すことが可能になったのは、(1)siRNA技術(DuとHannon、「オーロラ-A/STK15の欠損後にp160ROCKを抑制することにより、細胞周期の停止がバイパスされる」、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、2004年6月15日、第101巻(24)、8975〜8980ページ、電子公開版2004年6月3日;Sasai K.他、「オーロラ-Cキナーゼは、有糸***細胞においてオーロラ-Bキナーゼ機能を補足することのできる新規な染色体パッセンジャー・タンパク質である」、Cell Motil. Cytoskeleton、2004年12月、第59巻(4)、249〜263ページ)、または(2)ドミナント-ネガティブなオーロラ・キナーゼの過剰発現(Honda他、「有糸***におけるオーロラ-B、INCENP、サバイビンの間の機能的相互作用の探索」、Mol. Biol. Cell.、2003年8月、第14巻(8)、3325〜3341ページ、電子公開版2003年5月29日)と、(3)オーロラ・キナーゼを特異的に抑制する小さな化学分子(Hauf S.他、「小分子ヘスペラジンが、動原体-微小管接続の補正と紡錘体形成チェックポイントの維持におけるオーロラ-Bの役割を明らかにする」、J. Cell Biol.、2003年4月28日、第161巻(2)、281〜294ページ、電子公開版2003年4月21日;Ditchfield C.他、「オーロラ-Bは、BubR1、Mad2、Cenp-Eを動原体に向かわせることにより、染色体の整列を後期とカップルさせる」、J. Cell Biol.、2003年4月28日、第161巻(2)、267〜280ページ)によってである。
オーロラ・キナーゼの不活化により、(1)有糸***期の紡錘体装置の欠陥または未発達(主にオーロラ-Aの抑制による)、および/または(2)紡錘体チェックポイントの阻止を通じた姉妹染色分体の分離の欠陥または未発達(主にオーロラ-B/-Cの抑制による)、および/または(3)娘細胞の不完全な分離(主にオーロラ-B/-Cの抑制による)が起こる。オーロラ・キナーゼの不活化によるこれらの帰結(1〜3)が単独で、または組み合わさった結果として異数体および/または多数体になり、最終的に、またはただちに、または有糸***が繰り返された後に、増殖細胞が生存できない状態、またはプログラムされた細胞死に至る(有糸***の破綻)。
特異的キナーゼ阻害剤は、細胞周期のさまざまな期に影響を与えることができる。したがって、例えばCDK4インヒビターまたはCDK2インヒビターを用いると細胞周期のG1期が停止したりG1期からS期への移行が停止したりすることが予想される。
B.血管新生受容体チロシン・キナーゼ
受容体チロシン・キナーゼとそのリガンドは、細胞の増殖と分化の調節に関係する多数の細胞プロセスにおける極めて重要な関与物質である。ここで特に興味深いのは、血管内皮増殖因子(VEGF)/VEGF受容体系、線維芽細胞増殖因子(FGF)/FGF受容体系、Ephリガンド/Eph受容体系、Tieリガンド/Tie受容体系である。新しい血管の形成が増加すること(血管新生)に関係する病的状況(例えば新生物疾患)では、血管新生増殖因子とその受容体の発現が増加することが見いだされている。VEGF/VEGF受容体系、FGF/FGF受容体系の阻害剤(Rousseau他、「tyrp1-Tag/tyrp1-FGFR1-DNバイジェニック(二遺伝子)マウス:線維芽細胞増殖因子受容体の活性を阻止することによって腫瘍の発達、血管新生、神経組織への侵入を選択的に抑制するためのモデル」、Cancer Res.、第64巻、2490ページ、2004年)、EphB4系の阻害剤(Kertesz他、「EphB4の可溶性細胞外ドメイン(sEphB4)はEphB4-エフリンB2相互作用と拮抗し、血管新生を変化させ、腫瘍の増殖を抑制する」、Blood、2005年12月1日;[印刷前の電子公開])、Tieリガンド/Tie受容体系の阻害剤(Siemeister他、「腫瘍の血管新生において重要な独立した2通りのメカニズム:血管内皮増殖因子受容体経路またはTie-2経路を阻止することによるヒト黒色腫異種移植片の増殖抑制」、Cancer Res.、第59巻、3185ページ、1999年)は、腫瘍の中で血管系が発達するのを抑制できるため、腫瘍への酸素と栄養の供給を遮断し、したがって腫瘍の増殖を抑制することができる。
C.増殖性受容体チロシン・キナーゼ
受容体チロシン・キナーゼとそのリガンドは、細胞の増殖における極めて重要な関与物質である。ここで特に興味深いのは、血小板由来増殖因子(PDGF)リガンド/PDGF受容体系、c-kitリガンド/c-kit受容体系、FMS様チロシン・キナーゼ3(Flt-3)リガンド/Flt-3系である。細胞の増殖が増加することに関係する病的状況(例えば新生物疾患)では、増殖性増殖因子とその受容体の発現、またはキナーゼ活性化突然変異が増加することが見いだされている。これえら受容体チロシン・キナーゼの酵素活性を抑制すると、腫瘍の増殖が少なくなる。それを示すことが可能になったのは、例えば、特にPDGF-Rとc-kitを抑制する小さな化学分子STI571/グリベックを用いた研究による(まとめの概説が、Oestmann A.、「PDGF受容体 - オートクリン腫瘍増殖のメディエータであり、腫瘍の血管系とストローマの調節因子である」、Cytokine Growth Factor Rev.、2004年8月、第15巻(4)、275〜286ページ;Roskoski R.、「Kitタンパク質-チロシン・キナーゼによるシグナル伝達 - 幹細胞因子受容体」、Biochem. Biophys. Res. Commun.、2005年11月11日、第337巻(1)、1〜13ページ;Markivic A.他、「FLT-3:急性白血病を理解するための新たな注目物質」、Int. J. Biochem. Cell. Biol.、2005年6月、第37巻(6)、1168〜1172ページ、電子公開版2005年1月26日にある)。
D.チェックポイント・キナーゼ
チェックポイント・キナーゼは、本願の文脈では、細胞***の順序正しい進行をモニタする細胞周期キナーゼを意味し、例えばATMとATR、Chk1とChk2、Mps1、BubR1とBub1が挙げられる。特に重要なのは、G2期におけるDNA損傷チェックポイントと、有糸***の間の紡錘体形成チェックポイントである。
ATM、ATR、Chk1、Chk2というキナーゼは、ある1つの細胞のDNAが損傷することによって活性化され、CDK1の不活化を通じて細胞周期がG2期で停止する(ChenとSanchez、「DNA損傷応答におけるChk1:酵母から哺乳動物まで保存されている役割」、DNA Repair、第3巻、1025ページ、2004年)。Chk1が不活化すると、DNAの損傷によって誘導されるG2の停止がなくなって損傷したDNAの存在下で細胞周期が進行し、最終的に細胞死に至る(Takai他、「Chk1(-/-)マウスにおける異常な細胞周期チェックポイント機能と初期胚性死」、Genes Dev.、2000年6月15日、第14巻(12)、1439〜1447ページ;Koniaras他、「Chk1依存性G2 DNA損傷チェックポイントの抑制によりp53突然変異ヒト細胞が放射線感受性になる」、Oncogene、2001年11月8日、第20巻(51)、7453〜7463ページ;Liu他、「Chk1は、Atrによって調節される非常に重要なキナーゼであり、G(2)/M DNA損傷チェックポイントに必要とされる」、Genes Dev.、2000年6月15日、第14巻(12)、1448〜1459ページ)。Chk1とChk2の一方または両方が不活化するとDNAの損傷によって誘導されるG2の停止が阻止され、増殖しているがん細胞に対してDNA損傷療法(例えば化学療法や放射線療法)により敏感になる。DNAを損傷させる化学療法剤は、例えばDNA鎖の破断を誘導する物質、DNAアルキル化物質、トポイソメラーゼ阻害剤、オーロラ・キナーゼ阻害剤、有糸***期の紡錘体の形成に影響を与える物質、腫瘍への酸素供給が限られることによる低酸素ストレス(例えばVEGFキナーゼ阻害剤などの抗血管新生薬によって誘導される)である。
細胞周期における第2の非常に重要なチェックポイントが、有糸***の間に紡錘体装置が正確に形成されて染色体に付着することを制御している。TTK/hMps1、BubR1、Bub1というキナーゼが、このいわゆる紡錘体チェックポイントに関与する(まとめの概説が、Kops他、「がんへの道筋:異数体性と有糸***チェックポイント」、Nat. Rev. Cancer、2005年10月、第5巻(10)、773〜785ページにある)。これらキナーゼは、まだ紡錘体装置に付着していない凝縮した染色体の動原体に局在し、いわゆる後期促進複合体/サイクロ(登録商標)ソーム(APC/C)を抑制する。紡錘体チェックポイント・キナーゼであるMps-1、Bub1、BubR1は、紡錘体装置が動原体に完全かつ正確に付着した後にだけ不活化されるため、APC/Cが活性化され、その結果としてペアになった染色体が分離する。紡錘体チェックポイント・キナーゼを抑制すると、すべての動原体が紡錘体装置に付着する前にペアになった染色体が分離するため、染色体の分布に欠陥が生じる。これは細胞にとって許容できることではなく、最終的に細胞周期の停止または細胞死に至る。
E.抗アポトーシス・キナーゼ
最適ではない生存条件下では、さまざまなメカニズムが細胞を細胞死から保護している。腫瘍細胞では、これらのメカニズムにより、酸素、グルコース、ならびに他の栄養素の欠乏を特徴とする増殖中の腫瘍の塊の中で細胞が生き延びる上で有利になったり、腫瘍細胞が細胞外マトリックスに付着することなく生き延びておそらく転移することが可能になったり、治療薬に対する抵抗力を持ったりする。非常に重要な抗アポトーシス・シグナル伝達経路として、PDK1-AKT/PKBシグナル伝達経路(AltomareとTesta、「ヒトのがんにおけるAKTシグナル伝達経路の乱れ」、Oncogene、第24巻、7455ページ、2005年)、NFκBシグナル伝達経路(Viatour他、「NFκBタンパク質とIκBタンパク質のリン酸化:がんと炎症における意味」)、Pim1シグナル伝達経路(Hammerman他、「がん遺伝子PimとAktは、造血細胞の増殖と生存の独立した調節因子である」、Blood、2005年、第105巻、4477ページ)、インテグリン結合キナーゼ(ILK)シグナル伝達経路(PersadとDedhar、「がんの進行におけるインテグリン結合キナーゼ(ILK)の役割」、Cancer Met. Rev.、第22巻、375ページ、2003年)などがある。抗アポトーシス・キナーゼ(例えばAKT/PBK、PDK1、IκBキナーゼ(IKK)、Pim1、ILK)を抑制すると、腫瘍細胞が、治療薬の効果に敏感になったり、腫瘍環境における不利な生存条件に敏感になったりする。抗アポトーシス・キナーゼを抑制すると、腫瘍細胞は、オーロラの抑制によって起こる有糸***の乱れに対してより敏感に反応するようになり、細胞死の数が増加する。
F.移動キナーゼ
侵入性の組織浸潤腫瘍が増殖したり転移したりするための必要条件は、組織構造を離れて移動できることである。さまざまな細胞メカニズムが細胞の移動の調節に関係している。例えば、細胞外マトリックスがインテグリンを媒介としてさまざまなタンパク質に接着することがフォーカル・アドヒージョン・キナーゼ(FAK)の活性を通じて調節されたり;RhoA/Rhoキナーゼ(ROCK)シグナル伝達経路を通じて収縮性アクチン・フィラメントのまとめ方が制御されたりする(まとめの概説がM.C. Frame、「最も古いがん遺伝子に関する最新の知見;活性化されたsrcがいかにしてそれをなすか」、J. Cell Sci.、第117巻、989ページ、2004年にある)。
本発明の化合物は、例えば以下のものに有効である。
・がん(例えば固形腫瘍、腫瘍の増殖、転移性増殖)、その中でも特に、毛細血管拡張性運動失調、基底細胞がん、膀胱がん、脳腫瘍、乳がん、子宮頸がん、中枢神経系の腫瘍、結腸直腸がん、子宮内膜がん、胃がん、胃腸がん、頭部と首部の腫瘍、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、毛様細胞性白血病、肝臓がん、肺がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、B細胞リンパ腫、ホジキン・リンパ腫、非ホジキン・リンパ腫、T細胞リンパ腫、黒色腫、中皮腫、骨髄腫、筋腫、食道の腫瘍、口の腫瘍、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がん、腎臓がん、肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、皮膚がん、扁平細胞がん、精巣がん、甲状腺がん、胃腸組織の結合組織の腫瘍、皮膚の結合組織の肉腫、好酸球増多症候群、マスト細胞がん、
・心臓血管疾患(例えば狭窄症、動脈硬化症、再狭窄、ステントによって誘導される再狭窄)、
・血管線維腫、クローン病、子宮内膜症、血管腫。
公知の方法により、活性成分を医薬技術で一般的な賦形剤とともに望む投与形態に変換することにより、本発明による化合物を製剤化して医薬製品にする。
ここで使用できる賦形剤は、例えば基剤物質、充填剤、崩壊剤、結合剤、湿潤剤、潤滑剤、吸収材、吸着剤、希釈剤、溶媒、共溶媒、乳化剤、可溶剤、マスク用香料、着色剤、保存剤、安定剤、浸透圧を変化させるための塩、緩衝液である。これに関しては『レミントンの薬理科学』、第15版、マック出版社、イースト・ペンシルヴェニア、1980年を参照されたい。
医薬製剤は、
固体形態(例えば錠剤、コーティングされた錠剤、丸薬、座薬、カプセル、経皮系)にすること、または
半固体形態(例えば軟膏、クリーム、ゲル、座薬、エマルジョン)にすること、または
液体形態(例えば溶液、チンキ剤、懸濁液、エマルジョン)にすることができる。
本発明の文脈における賦形剤としては、例えば塩、多糖(単糖、二糖、三糖、オリゴ糖、多糖)、タンパク質、アミノ酸、ペプチド、脂肪、蝋、油、炭水化物とその誘導体が可能である。その場合に賦形剤は、天然起源のものでも、合成によって得られたものでも、一部が合成によって得られたものでもよい。
口内投与または経口投与に適しているのは、特に、錠剤、コーティングされた錠剤、カプセル、丸薬、粉末、顆粒、トローチ、懸濁液、エマルジョン、溶液である。非経口投与に適しているのは、特に、懸濁液、エマルジョン、溶液であり、その中でも特に溶液である。
本発明による一般式(I)の化合物の調製
一般式(II)の2-クロロピリミジンを一般式(III)の求核分子と反応させて一般式(I)の化合物を得ることができる。
Figure 2010501613
置換基Q、R1、R2、R3、R4、R5、X、Zと数値mは、一般式(I)に示したのと同じ意味を持つ。
一般式(II)の中間体の調製
一般式(V)の2,4-ジクロロピリミジンを一般式(IV)の求核分子と反応させて一般式(II)の化合物を得ることができる(例えばa)U. Laecking他、WO 2005/037800;b)J. Bryant他、WO 2004/048343;c)U. Laecking他、WO 2003/076437;d)T. Brumby他、WO 2002/096888を参照のこと)。
Figure 2010501613
置換基R1、R2、Xは、一般式(I)に示したのと同じ意味を持つ。
一般式(III)の中間体、その中でも特に一般式(IIIa)と(IIIb)の中間体の調製
Figure 2010501613
置換基Q、Z、R3、R4、R5は、請求項1〜18の一般式(I)に示したのと同じ意味を持つ。
一般式(IIIa)の中間体
一般式(VII)のイソシアネートを一般式(VIII)のスルホキシミンと反応させて一般式(VI)の中間体を得ることができる。
その後ニトロ基を還元するのに多数の方法が利用できる(例えばR.C. Larock、『有機変換大全』、VCH社、ニューヨーク、1989年、411〜415ページを参照のこと)。例えば、記載されているラネー・ニッケルをを用いた水素化、THF中での塩化チタン(III)の利用、活性炭担持パラジウムとギ酸アンモニウムの利用が適している。
Figure 2010501613
置換基Q、R3、R4、R5と数値mは、一般式(I)に示したのと同じ意味を持つ。
一般式(IIIb)の中間体の調製
一般式(IX)の酸塩化物を一般式(VIII)のスルホキシミンと反応させて一般式(X)の中間体を得ることができる。
その後ニトロ基を還元するのに多数の方法が利用できる(例えばR.C. Larock、『有機変換大全』、VCH社、ニューヨーク、1989年、411〜415ページを参照のこと)。例えば、記載されているラネー・ニッケルをを用いた水素化、THF中での塩化チタン(III)の利用、活性炭担持パラジウムとギ酸アンモニウムの利用が適している。
Figure 2010501613
置換基Q、R3、R4、R5と数値mは、一般式(I)に示したのと同じ意味を持つ。
N-({3-[(5-ブロモ-4-{[(R)-2-ヒドロキシ-1,2-ジメチルプロピル]アミノ}ピリミジン-2-イル)アミノ]フェニル}カルバモイル)-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
1a)中間体の調製
化合物1.1 (R)-3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イルアミノ)-2-メチルブタン-2-オール
Figure 2010501613
LaeckingらのWO 2005/037800、94ページに従う調製。
化合物1.2 S,S-ジメチル-N-[(3-ニトロフェニル)カルバモイル]スルホキシミド
Figure 2010501613
420mg(4.45ミリモル)のジメチルスルホキシミン(その調製に関しては例えばJohnson他、J. Org. Chem.、1973年、第38巻、1793ページを参照のこと)と730mg(4.51ミリモル)のイソシアン酸3-ニトロフェニルの混合物を含む6mlのアセトニトリルを40℃に加熱する。1時間後、この混合物を冷却し、形成される沈殿物を濾過によって取り出す。その沈殿物をアセトニトリルで洗浄した後、乾燥させる。667mg(2.60ミリモル;理論値の57%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):9.72 (s, 1H)、8.56 (m, 1H)、7.75 (m, 2H)、7.46 (m, 1H)、3.35 (s, 6H)。MS:258 (ES)。
化合物1.3 N-[(3-アミノフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
130mg(0.51ミリモル)のS,S-ジメチル-N-[(3-ニトロフェニル)カルバモイル]-スルホキシミドと、127mg(2.02ミリモル)のギ酸アンモニウムと、10mgの活性炭担持10%パラジウムの混合物を含む5mlのメタノールをアルゴン雰囲気下で室温にて3時間にわたって撹拌する。この混合物を濾過し、濾過ケークをジクロロメタン/メタノール(1:1)とメタノールで洗浄する。濾液を濃縮する。75mg(0.33ミリモル;理論値の65%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):8.83 (s, 1H)、6.80 (m, 2H)、6.57 (m, 1H)、6.10 (m, 1H)、4.84 (m, 2H)、3.28 (s, 6H)。MS:228 (ES)。
1b)最終生成物の調製
91mg(0.31ミリモル)の(R)-3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イルアミノ)-2-メチルブタン-2-オールと70mg(0.31ミリモル)のN-[(3-アミノフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチル-スルホキシミドを含む5mlの1-ブタノールと0.5mlのメタノールを70℃にて7日間にわたって撹拌する。冷却後、この混合物を濾過し、濾過ケークを1-ブタノールで洗浄する。濾液を濃縮すると残留物が形成されるため、それをクロマトグラフィ(ジクロロメタン/エタノール=9:1)によって精製する。40mg(0.08ミリモル;理論値の46%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):9.02 (m, 2H)、7.96 (s, 1H)、7.86 (m, 1H)、7.21 (m, 1H)、7.01 (m, 1H)、6.91 (m, 1H)、5.90 (d, 1H)、4.70 (s, 1H)、4.11 (m, 1H)、3.30 (s, 6H)、1.13 (m, 9H)。MS:485 (ES)。
N-({4-[(5-ブロモ-4-{[(R)-2-ヒドロキシ-1,2-ジメチルプロピル]アミノ}ピリミジン-2-イル)アミノ]フェニル}カルバモイル)-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
2a)中間体の調製
化合物2.1 S,S-ジメチル-N-[(4-ニトロフェニル)カルバモイル]スルホキシミド
Figure 2010501613
770mg(8.27ミリモル)のジメチルスルホキシミンと1233mg(7.51ミリモル)のイソシアン酸4-ニトロフェニルの混合物を含む10mlのアセトニトリルを45℃に加熱する。3時間後、この混合物を冷却し、形成される沈殿物を濾過によって取り出す。その沈殿物をジクロロメタンで洗浄した後、乾燥させる。1840mg(7.15ミリモル;理論値の95%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):9.93 (s, 1H)、8.10 (m, 2H)、7.72 (m, 2H)、3.36 (s, 6H)。MS:257 (ES)。
化合物2.2 N-[(4-アミノフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
500mg(1.94ミリモル)のS,S-ジメチル-N-[(4-ニトロフェニル)カルバモイル]スルホキシミドと、490mg(7.77ミリモル)のギ酸アンモニウムと、40mgの活性炭担持10%パラジウムの混合物を含む20mlのメタノールをアルゴン雰囲気下で室温にて2時間にわたって撹拌する。この混合物を濾過し、濾過ケークをジクロロメタン/メタノール(1:1)とメタノールで洗浄する。濾液を濃縮する。417mg(1.83ミリモル;理論値の94%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):8.66 (br, 1H)、7.09 (m, 2H)、6.40 (m, 2H)、4.62 (br, 2H)、3.26 (s, 6H)。MS:228 (ES)。
2b)最終生成物の調製
100mg(0.34ミリモル)の(R)-3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イルアミノ)-2-メチルブタン-2-オールと70mg(0.31ミリモル)のN-[(4-アミノフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミドを含む5mlの1-ブタノールと0.5mlのメタノールを70℃にて5日間にわたって撹拌する。冷却後、この混合物を濾過し、濾過ケークを1-ブタノールで洗浄する。濾液を濃縮すると残留物が形成されるため、それをクロマトグラフィ(ジクロロメタン/エタノール=9:1)によって精製する。60mg(0.12ミリモル;理論値の40%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):8.99 (m, 2H)、7.95 (s, 1H)、7.47 (m, 2H)、7.33 (m, 2H)、5.89 (d, 1H)、4.76 (s, 1H)、4.03 (m, 1H)、3.29 (s, 6H)、1.10 (m, 9H)。MS:485 (ES)。
N-({4-[(5-ブロモ-4-{[(1R,2R)-2-ヒドロキシ-1-メチルプロピル]アミノ}ピリミジン-2-イル)アミノ]フェニル}カルバモイル)-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
3a)中間体の調製
化合物3.1 (2R,3R)-3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イルアミノ)ブタン-2-オール
Figure 2010501613
LaeckingらのWO 2005/037800、95ページに従う調製。
3b)最終生成物の調製
104mg(0.34ミリモル)の(2R,3R)-3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イルアミノ)ブタン-2-オールと70mg(0.31ミリモル)のN-[(4-アミノフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチル-スルホキシミド(化合物2.2)を含む5mlの1-ブタノールと0.5mlのメタノールを70℃にて5日間にわたって撹拌する。この混合物を濃縮し、形成された残留物をクロマトグラフィ(ジクロロメタン/エタノール=9:1)によって精製する。86mg(0.18ミリモル;理論値の59%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):9.01 (m, 2H)、7.95 (s, 1H)、7.48 (m, 2H)、7.34 (m, 2H)、5.91 (d, 1H)、4.95 (d, 1H)、3.99 (m, 1H)、3.72 (m, 1H)、3.30 (s, 6H)、1.14 (d, 3H)、1.03 (d, 3H)。MS:471 (ES)。
N-({4-[(5-ブロモ-4-{[(1R,2R)-2-ヒドロキシ-1-メチルプロピル]オキシ}ピリミジン-2-イル)アミノ]フェニル}カルバモイル)-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
4a)中間体の調製
化合物4.1 (2R,3R)-3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イルオキシ)ブタン-2-オール
Figure 2010501613
LaeckingらのWO 2005/037800、93ページに従う調製。
4b)最終生成物の調製
104mg(0.34ミリモル)の(2R,3R)-3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イルオキシ)ブタン-2-オールと70mg(0.31ミリモル)のN-[(4-アミノフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド(化合物2.2)を含む5mlの1-ブタノールと0.5mlのメタノールを70℃にて5日間にわたって撹拌する。冷却後、この混合物を濾過し、濾過ケークを1-ブタノールで洗浄する。濾液を濃縮すると残留物が形成されるため、それをクロマトグラフィ(ジクロロメタン/エタノール=8:2)によって精製する。20mg(0.04ミリモル;理論値の14%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):9.43 (s, 1H)、9.05 (br, 1H)、8.25 (s, 1H)、7.46 (m, 2H)、7.38 (m, 2H)、5.12 (m, 1H)、4.82 (d, 1H)、3.76 (m, 1H)、3.30 (s, 6H)、1.21 (d, 3H)、1.07 (d, 3H)。MS:472 (ES)。
N-({3-[(5-ブロモ-4-{[(1R,2R)-2-ヒドロキシ-1-メチルプロピル]アミノ}ピリミジン-2-イル)アミノ]フェニル}カルバモイル)-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
最終生成物の調製
284mg(1.01ミリモル)の(2R,3R)-3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イルアミノ)ブタン-2-オール(化合物3.1)と230mg(1.01ミリモル)のN-[(3-アミノフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド(化合物1.3)を含む16.4mlの1-ブタノールと1.6mlのメタノールを60℃にて5日間にわたって撹拌する。冷却後、この混合物を濾過し、濾過ケークを1-ブタノールで洗浄する。濾液を濃縮すると残留物が形成されるため、それをクロマトグラフィ(ジクロロメタン/エタノール=8:2)によって精製する。27mg(0.06ミリモル;理論値の6%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):9.06 (s, 1H)、9.01 (s, 1H)、8.00 (s, 1H)、7.96 (s, 1H)、7.16 (m, 1H)、7.00 (m, 1H)、6.88 (m, 1H)、5.90 (d, 1H)、4.91 (d, 1H)、4.15 (m, 1H)、3.70 (m, 1H)、3.30 (s, 6H)、1.15 (d, 3H)、1.03 (d, 3H)。MS:471 (ES)。
N-({3-[(5-ブロモ-4-{[(1R,2R)-2-ヒドロキシ-1-メチルプロピル]オキシ}ピリミジン-2-イル)アミノ]フェニル}カルバモイル)-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
最終生成物の調製
112mg(0.40ミリモル)の(2R,3R)-3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イルオキシ)ブタン-2-オール(化合物4.1)と90mg(0.40ミリモル)のN-[(3-アミノフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド(化合物1.3)を含む7mlの1-ブタノールと0.7mlのメタノールを60℃にて8日間にわたって撹拌する。冷却後、この混合物を濾過し、濾過ケークを1-ブタノールで洗浄する。濾液を濃縮すると残留物が形成されるため、それをクロマトグラフィ(ジクロロメタン/エタノール=8:2)によって精製する。59mg(0.12ミリモル;理論値の31%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):9.50 (s, 1H)、9.08 (s, 1H)、8.27 (s, 1H)、7.92 (m, 1H)、7.19 (m, 1H)、7.05 (m, 1H)、6.98 (m, 1H)、5.23 (m, 1H)、4.75 (d, 1H)、3.78 (m, 1H)、3.31 (s, 6H)、1.21 (d, 3H)、1.07 (d, 3H)。MS:472 (ES)。
N-({5-[(5-ブロモ-4-{[(1R,2R)-2-ヒドロキシ-1-メチルプロピル]アミノ}ピリミジン-2-イル)アミノ]-2-フルオロフェニル}カルバモイル)-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
7a)中間体の調製
化合物7.1 N-[(2-フルオロ-5-ニトロフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
化合物2.1を調製する方法と同様にして1-フルオロ-2-イソシアネート-4-ニトロベンゼンとジメチルスルホキシミドを反応させると望む生成物が88%の収率で得られた。
1H-NMR (DMSO):9.28 (br, 1H)、8.84 (m, 1H)、7.87 (m, 1H)、7.42 (m, 1H)、3.36 (s, 6H)。MS:275 (EI)。
化合物7.2 N-[(5-アミノ-2-フルオロフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
化合物2.2を調製する方法と同様にしてN-[(2-フルオロ-5-ニトロフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミドを還元すると望む生成物が85%の収率で得られた。
1H-NMR (DMSO):8.18 (s, 1H)、6.97 (m, 1H)、6.74 (m, 1H)、6.14 (m, 1H)、4.82 (br, 2H)、3.29 (s, 6H)。
7b)最終生成物の調製
154mg(0.55ミリモル)の(2R,3R)-3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イルアミノ)ブタン-2-オール(化合物3.1)と122mg(0.50ミリモル)のN-[(5-アミノ-2-フルオロフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミドを含む8.1mlの1-ブタノールと0.8mlのメタノールを70℃にて5日間にわたって撹拌する。この混合物を濃縮すると残留物が形成されるため、それをクロマトグラフィ(ジクロロメタン/エタノール=9:1)によって精製する。30mg(0.06ミリモル;理論値の12%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):9.15 (s, 1H)、8.40 (s, 1H)、8.12 (m, 1H)、7.97 (s, 1H)、7.24 (m, 1H)、6.98 (m, 1H)、5.90 (d, 1H)、4.91 (d, 1H)、4.14 (m, 1H)、3.72 (m, 1H)、3.31 (s, 6H)、1.14 (d, 3H)、1.03 (d, 3H)。MS:488 (EI)。
N-({5-[(5-ブロモ-4-{[(1R,2R)-2-ヒドロキシ-1-メチルプロピル]アミノ}ピリミジン-2-イル)アミノ]-2-メチルフェニル}カルバモイル)-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
8a)中間体の調製
化合物8.1 N-[(2-メチル-5-ニトロフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
化合物2.1を調製する方法と同様にして2-イソシアネート-1-メチル-4-ニトロベンゼンとジメチルスルホキシミンを反応させると望む生成物が88%の収率で得られた。
1H-NMR (DMSO):8.68 (s, 1H)、8.52 (m, 1H)、7.76 (m, 1H)、7.38 (m, 1H)、3.35 (s, 6H)、2.29 (s, 3H)。MS:271 (EI)。
化合物8.2 N-[(5-アミノ-2-メチルフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
化合物2.2を調製する方法と同様にしてN-[(2-メチル-5-ニトロフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミドを還元すると望む生成物が96%の収率で得られた。
1H-NMR (DMSO):7.91 (s, 1H)、6.72 (m, 2H)、6.16 (m, 1H)、4.71 (br, 2H)、3.30 (s, 6H)、1.96 (s, 3H)。
8b)最終生成物の調製
154mg(0.55ミリモル)の(2R,3R)-3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イルアミノ)ブタン-2-オール(化合物3.1)と121mg(0.50ミリモル)のN-[(5-アミノ-2-メチルフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミドを含む8.1mlの1-ブタノールと0.8mlのメタノールを70℃にて5日間にわたって撹拌する。冷却後、形成された沈殿物を吸引濾過によって取り出し、少量の1-ブタノールで洗浄し、乾燥させる。60mg(0.12ミリモル;理論値の25%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):9.90 (br, 1H)、8.26 (s, 1H)、8.13 (s, 1H)、7.84 (m, 1H)、7.15 (m, 1H)、7.03 (m, 1H)、4.12 (m, 1H)、3.49 (m, 1H)、3.31 (s, 6H)、2.12 (s, 3H)、1.14 (d, 3H)、1.03 (d, 3H)。MS:485 (ES)。
N-({3-[(5-ブロモ-4-{[(1R,2R)-2-ヒドロキシ-1-メチルプロピル]アミノ}ピリミジン-2-イル)アミノ]-2-メチルフェニル}カルバモイル)-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
9a)中間体の調製
化合物9.1 N-[(2-メチル-3-ニトロフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
化合物2.1を調製する方法と同様にして1-イソシアネート-2-メチル-3-ニトロベンゼンとジメチルスルホキシミンを反応させると望む生成物が79%の収率で得られた。
1H-NMR (DMSO):8.83 (s, 1H)、7.65 (m, 1H)、7.54 (m, 1H)、7.31 (m, 1H)、3.32 (s, 6H)、2.19 (s, 3H)。MS:271 (ES)。
化合物9.2 N-[(3-アミノ-2-メチルフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
化合物2.2を調製する方法と同様にしてN-[(2-メチル-3-ニトロフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミドを還元すると望む生成物が91%の収率で得られた。
1H-NMR (DMSO):8.14 (s, 1H)、6.73 (m, 1H)、6.51 (m, 1H)、6.36 (m, 1H)、4.71 (br, 2H)、3.30 (s, 6H)、1.84 (s, 3H)。
9b)最終生成物の調製
154mg(0.55ミリモル)の(2R,3R)-3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イルアミノ)ブタン-2-オール(化合物3.1)と120mg(0.50ミリモル)のN-[(3-アミノ-2-メチルフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミドを含む8.1mlの1-ブタノールと0.8mlのメタノールを70℃にて8日間にわたって撹拌する。この混合物を濃縮し、クロマトグラフィ(ジクロロメタン/エタノール=9:1)によって精製する。11mg(0.02ミリモル;理論値の5%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):8.36 (m, 2H)、7.86 (s, 1H)、7.14 (m, 1H)、7.08 (m, 1H)、6.99 (m, 1H)、5.82 (d, 1H)、4.88 (d, 1H)、3.85 (m, 1H)、3.65 (m, 1H)、3.28 (s, 3H)、3.27 (s, 3H)、1.99 (s, 3H)、1.07 (d, 3H)、0.99 (d, 3H)。
N-({5-[(5-ブロモ-4-{[(1R,2R)-2-ヒドロキシ-1-メチルプロピル]アミノ}ピリミジン-2-イル)アミノ]-2-メトキシフェニル}カルバモイル)-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
10a)中間体の調製
化合物10.1 N-[(2-メトキシ-5-ニトロフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
化合物2.1を調製する方法と同様にして2-イソシアネート-1-メトキシ-4-ニトロベンゼンとジメチルスルホキシミンを反応させると望む生成物が79%の収率で得られた。
1H-NMR (DMSO):8.87 (s, 1H)、7.90 (m, 2H)、7.16 (m, 1H)、3.92 (s, 3H)、3.35 (s, 6H)。MS:287 (EI)。
化合物10.2 N-[(5-アミノ-2-メトキシフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
化合物2.2を調製する方法と同様にしてN-[(2-メトキシ-5-ニトロフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミドを還元すると望む生成物が100%の収率で得られた。
1H-NMR (DMSO):7.30 (m, 1H)、7.23 (s, 1H)、6.63 (m, 1H)、6.10 (m, 1H)、4.71 (br, 2H)、3.64 (s, 3H)、3.30 (s, 6H)。
10b)最終生成物の調製
154mg(0.55ミリモル)の(2R,3R)-3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イルアミノ)ブタン-2-オール(化合物3.1)と128mg(0.50ミリモル)のN-[(3-アミノ-2-メトキシフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミドを含む8.1mlの1-ブタノールと0.8mlのメタノールを70℃にて5日間にわたって撹拌する。この混合物を濃縮し、クロマトグラフィ(ジクロロメタン/エタノール=9:1)によって精製する。53mg(0.11ミリモル;理論値の21%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):9.87 (s, 1H)、8.31 (br, 1H)、8.13 (s, 1H)、7.54 (s, 1H)、7.11 (m, 1H)、6.97 (m, 2H)、4.24 (m, 1H)、3.82 (s, 3H)、3.78 (m, 1H)、3.36 (s, 3H)、3.35 (s, 3H)、1.18 (d, 3H)、1.08 (d, 3H)。MS:500 (EI)。
N-({4-[(5-ブロモ-4-{[(1R,2R)-2-ヒドロキシ-1-メチルプロピル]アミノ}ピリミジン-2-イル)アミノ]-2-メトキシフェニル}カルバモイル)-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
11a)中間体の調製
化合物11.1 N-[(2-メトキシ-4-ニトロフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
化合物2.1を調製する方法と同様にして1-イソシアネート-2-メトキシ-4-ニトロベンゼンとジメチルスルホキシミンを反応させると望む生成物が90%の収率で得られた。
1H-NMR (DMSO):8.24 (m, 1H)、7.96 (s, 1H)、7.86 (m, 1H)、7.72 (m, 1H)、3.92 (s, 3H)、3.36 (s, 6H)。MS:287 (EI)。
化合物11.2 N-[(4-アミノ-2-メトキシフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
化合物2.2を調製する方法と同様にしてN-[(2-メトキシ-4-ニトロフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミドを還元すると望む生成物が100%の収率で得られた。
1H-NMR (DMSO):7.28 (br, 1H)、7.19 (br, 1H)、6.20 (m, 1H)、6.03 (m, 1H)、4.60 (br, 2H)、3.65 (s, 3H)、3.30 (s, 6H)。
11b)最終生成物の調製
154mg(0.55ミリモル)の(2R,3R)-3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イルアミノ)ブタン-2-オール(化合物3.1)と128mg(0.50ミリモル)のN-[(4-アミノ-2-メトキシフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミドを含む8.1mlの1-ブタノールと0.8mlのメタノールを70℃にて5日間にわたって撹拌する。この混合物を濃縮し、クロマトグラフィ(ジクロロメタン/エタノール=9:1)によって精製する。41mg(0.08ミリモル;理論値の16%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):9.50 (br, 1H)、8.04 (s, 1H)、7.73 (m, 1H)、7.44 (s, 1H)、7.36 (m, 1H)、7.03 (m, 1H)、6.55 (br, 1H)、4.05 (m, 1H)、3.76 (s, 3H)、3.75 (m, 1H)、3.30 (s, 6H)、1.14 (d, 3H)、1.02 (d, 3H)。MS:500 (EI)。
N-({5-[(5-ブロモ-4-{[(1R,2R)-2-ヒドロキシ-1-メチルプロピル]アミノ}ピリミジン-2-イル)アミノ]-2-クロロフェニル}カルバモイル)-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
12a)中間体の調製
化合物12.1 N-[(2-クロロ-5-ニトロフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
化合物2.1を調製する方法と同様にして1クロロ-2-イソシアネート-4-ニトロベンゼンとジメチルスルホキシミンを反応させると望む生成物が92%の収率で得られた。
1H-NMR (DMSO):8.78 (m, 1H)、8.57 (s, 1H)、7.83 (m, 1H)、7.69 (m, 1H)、3.37 (s, 6H)。MS:291 (ES)。
化合物12.2 N-[(5-アミノ-2-クロロフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
化合物2.2を調製する方法と同様にしてN-[(2-クロロ-5-ニトロフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミドを還元した後、クロマトグラフィ(ジクロロメタン/エタノール=9:1)によって精製すると、望む生成物が13%の収率で得られた。
1H-NMR (DMSO):7.59 (s, 1H)、7.15 (m, 1H)、6.95 (m, 1H)、6.20 (m, 1H)、5.16 (br, 2H)、3.31 (s, 6H)。MS:261 (EI)。
12b)最終生成物の調製
159mg(0.57ミリモル)の(2R,3R)-3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イルアミノ)ブタン-2-オール(化合物3.1)と135mg(0.52ミリモル)のN-[(5-アミノ-2-クロロフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミドを含む8.4mlの1-ブタノールと0.8mlのメタノールを70℃にて4日間にわたって撹拌する。この混合物を0℃に冷却する。形成された沈殿物を吸引濾過によって取り出し、冷たい1-ブタノールで洗浄する。乾燥させると、178mg(0.35ミリモル;理論値の68%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):10.08 (s, 1H)、8.26 (m, 1H)、8.15 (s, 1H)、8.03 (m, 1H)、7.32 (m, 1H)、7.24 (m, 1H)、6.74 (br, 1H)、4.18 (m, 1H)、3.72 (m, 1H)、3.33 (s, 3H)、3.32 (s, 3H)、1.15 (s, 3H)、1.03 (s, 3H)。MS:504 (EI)。
N-[(4-{[4-{[(R)-2-ヒドロキシ-1-メチルエチル]アミノ}-5-(3-チエニル)ピリミジン-2-イル]アミノ}フェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
13a)中間体の調製
化合物13.1 (R)-2-(2-クロロ-5-チオフェン-3-イル-ピリミジン-4-イルアミノ)プロパン-1-オール
Figure 2010501613
17.3g(64.8ミリモル)の(R)-2-[(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)アミノ]プロパン-1-オール(調製に関してはBrumby他、WO 2002/096888、179ページ、実施例1〜2.42を参照のこと)と、9.1g(71.3ミリモル)のチオフェン-3-ボロン酸と、7.48g(6.48ミリモル)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムと、1.5gのトリス(2-フリル)ホスフィンをアルゴン雰囲気下で混合し、200mlのジメトキシエタンを添加する。その後、室温にて2Mの炭酸ナトリウム溶液を52ml添加する。得られた混合物を90℃まで加熱し、一晩中撹拌する。冷却後、この混合物を酢酸エチルと混合し、水で3回洗浄する。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮する。得られた残留物をクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル10〜50%)によって精製する。6.7g(24.8ミリモル;理論値の38%に対応)の生成物が得られる。
13b)最終生成物の調製
108mg(0.40ミリモル)の(R)-2-(2-クロロ-5-チオフェン-3-イル-ピリミジン-4-イルアミノ)プロパン-1-オールと70mg(0.31ミリモル)のN-[(4-アミノフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミドを含む5mlの1-ブタノールと0.5mlのメタノールを70℃にて5日間にわたって撹拌する。この混合物をロータリー・エバポレータの中で濃縮し、形成された沈殿物をクロマトグラフィ(ジクロロメタン/エタノール=9:1)によって精製する。108mg(0.23ミリモル;理論値の76%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):8.97 (br, 1H)、8.91 (m, 1H)、7.83 (s, 1H)、7.66 (m, 1H)、7.55 (m, 3H)、7.34 (m, 2H)、7.23 (m, 1H)、5.76 (d, 1H)、4.80 (tr, 1H)、4.19 (m, 1H)、3.44 (m, 2H)、3.30 (s, 6H)、1.12 (d, 3H)。MS:461 (ES)。
N-[(3-{[4-{[(R)-2-ヒドロキシ-1-メチルエチル]アミノ}-5-(3-チエニル)ピリミジン-2-イル]アミノ}フェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
最終生成物の調製
83mg(0.31ミリモル)の(R)-2-(2-クロロ-5-チオフェン-3-イル-ピリミジン-4-イルアミノ)プロパン-1-オールと70mg(0.31ミリモル)のN-[(3-アミノフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミドを含む5mlの1-ブタノールと0.5mlのメタノールを60℃にて12日間にわたって撹拌する。冷却後、この混合物を濾過し、濾過ケークを1-ブタノールで洗浄する。濾液をロータリー・エバポレータの中で濃縮し、形成された沈殿物をクロマトグラフィ(ジクロロメタン/エタノール=8:2)によって精製する。60mg(0.13ミリモル;理論値の42%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):9.01 (s, 1H)、8.96 (s, 1H)、7.99 (s, 1H)、7.84 (s, 1H)、7.66 (m, 1H)、7.53 (m, 1H)、7.26 (m, 2H)、7.02 (m, 1H)、6.91 (m, 1H)、5.76 (d, 1H)、4.79 (tr, 1H)、4.32 (m, 1H)、3.45 (m, 2H)、3.30 (s, 6H)、1.11 (d, 3H)。MS:461 (ES)。
N-[(4-{[4-{[(1R,2R)-2-ヒドロキシ-1-メチルプロピル]アミノ}-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]アミノ}フェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
15a)中間体の調製
化合物15.1 (2R,3R)-3-(2-クロロ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ)-ブタン-2-オール
Figure 2010501613
3.78g(17.4ミリモル)の2,4-ジクロロ-5-トリフルオロメチルピリミジンと2.19g(17.4ミリモル)の(2R,3R)-3-アミノ-ブタン-2-オールヒドロクロリドを含む70mlのアセトニトリルに、0℃にて、4.8ml(34.8ミリモル)のトリエチルアミンを一滴ずつ添加する。この混合物を室温までゆっくりと温めた後、48時間にわたって撹拌する。半分濃縮したNaCl溶液の中にこの混合物を入れ、酢酸エチルで抽出する。1つにまとめた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮する。得られた残留物をHPLCによって精製する。1.45g(5.4ミリモル;収率31%)の生成物が得られる。
カラム:XBridge C18 5μ
長さ×ID:100×30mm
溶離液:A:H2O、B:アセトニトリル
緩衝液:A/0.1%TFA
勾配:60%A+40%B(2分間)、40→70%B(10分間)→99%B(0.5分間)
流速:40.0ml/分
検出:DAD(210〜500nm)TAC;MS-ESI+(125〜800 m/z)TIC
温度:室温
保持時間(分):5.0〜6.0
15b)最終生成物の調製
68mg(0.25ミリモル)の(2R,3R)-3-(2-クロロ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルアミノ)ブタン-2-オールと51mg(0.22ミリモル)のN-[(4-アミノフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミドを含む1.8mlの1-ブタノールと0.2mlのメタノールを50℃にて5日間にわたって撹拌する。この混合物を吸引濾過し、形成された沈殿物を1-ブタノールとMTBEで洗浄する。60mg(0.12ミリモル;理論値の48%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):10.14 (br, 1H)、9.20 (s, 1H)、8.24 (br, 1H)、7.45 (m, 4H)、6.75 (br, 1H)、4.08 (m, 1H)、3.74 (m, 1H)、3.31 (s, 6H)、1.14 (d, 3H)、1.02 (d, 3H)。MS:461 (ES)。
N-[(4-{[4-(1H-ベンゾイミダゾル-5-イルアミノ)-5-ブロモピリミジン-2-イル]アミノ}フェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
16a)中間体の調製
化合物16.1 (1H-ベンゾイミダゾル-5-イル)-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)-アミン
Figure 2010501613
4.51g(33.9ミリモル)の3H-ベンゾイミダゾル-5-イルアミンと9.26g(40.6ミリモル)の5-ブロモ-2,4-ジクロロピリミジンを90mlのエタノールに溶かした溶液を水の中で冷やしながら、4.31g(40.6ミリモル)の炭酸ナトリウムを添加した後、この混合物を室温にて24時間にわたって撹拌する。この混合物を吸引濾過し、濾過ケークをエタノールと水で洗浄した後、乾燥させる。10.26g(31.6ミリモル;理論値の93%に対応)の生成物が得られる。
MS:325 (EI+)。
16b)最終生成物の調製
111mg(0.34ミリモル)の(1H-ベンゾイミダゾル-5-イル)-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)-アミンと70mg(0.31ミリモル)のN-[(4-アミノフェニル)カルバモイル]-S,S-ジメチルスルホキシミドを含む5.0mlの1-ブタノールと0.5mlのメタノールを80℃にて5日間にわたって撹拌する。この混合物をロータリー・エバポレータの中で濃縮し、得られた残留物をクロマトグラフィ(ジクロロメタン/エタノール=8:2)によって精製する。32mg(0.06ミリモル;理論値の20%に対応)の生成物が得られる。
MS:515 (ESI+)。
N-{3-[(5-ブロモ-4-{[(1R,2R)-2-ヒドロキシ-1-メチルプロピル]アミノ}ピリミジン-2-イル)アミノ]ベンゾイル}-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
17a)中間体の調製
化合物17.1 S,S-ジメチル-N-(3-ニトロベンゾイル)スルホキシミド
Figure 2010501613
510mg(5.48ミリモル)のジメチルスルホキシミン(調製に関しては、例えばJohnson他、J. Org. Chem.、1973年、第38巻、1793ページを参照のこと)を含む30mlのジクロロメタンに、室温にて、1.1mlのトリエチルアミンと1510mg(8.14ミリモル)の塩化3-ニトロベンゾイルを添加する。この混合物を40℃にて一晩撹拌する。冷却後、形成された固形物を吸引濾過によって取り出し、少量のジクロロメタンと水で洗浄した後、乾燥させる。350mg(1.44ミリモル;理論値の26%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):8.67 (m, 1H)、8.36 (m, 2H)、7.73 (m, 1H)、3.48 (s, 6H)。MS:243 (ESI+)。
化合物17.2 N-(3-アミノベンゾイル)-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
150mg(0.62ミリモル)のS,S-ジメチル-N-(3-ニトロベンゾイル)スルホキシミドと、156mg(2.48ミリモル)のギ酸アンモニウムと、40mgの活性炭担持10%パラジウムの混合物を含む20mlのメタノールをアルゴン雰囲気下で室温にて16時間にわたって撹拌する。この混合物を濾過し、濾過ケークをジクロロメタン/メタノール(1:1)とメタノールで洗浄する。濾液をロータリー・エバポレータの中で濃縮する。120mg(0.57ミリモル;理論値の91%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):7.19 (m, 1H)、7.10 (m, 1H)、7.01 (m, 1H)、6.66 (m, 1H)、5.16 (s, 2H)、3.37 (s, 6H)。MS:213 (ESI+)。
17b)最終生成物の調製
174mg(0.62ミリモル)の(2R,3R)-3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イルアミノ)ブタン-2-オール(化合物3.1)と120mg(0.57ミリモル)のN-(3-アミノベンゾイル)-S,S-ジメチルスルホキシミドを含む5.0mlの1-ブタノールと0.5mlのメタノールを70℃にて5日間にわたって撹拌する。この混合物を吸引濾過し、濾液を蒸発させて乾燥させる。得られた残留物をクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール=9:1)によって精製する。44mg(0.10ミリモル;理論値の17%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):9.68 (s, 1H)、8.33 (br, 1H)、8.08 (s, 1H)、7.73 (m, 1H)、7.59 (m, 1H)、7.31 (m, 1H)、6.52 (br, 1H)、4.08 (m, 1H)、3.74 (m, 1H)、3.41 (s, 6H)、1.14 (d, 3H)、1.02 (d, 3H)。MS:456 (ESI)。
N-{4-[(5-ブロモ-4-{[(1R,2R)-2-ヒドロキシ-1-メチルプロピル]アミノ}ピリミジン-2-イル)アミノ]ベンゾイル}-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
18a)中間体の調製
化合物18.1 S,S-ジメチル-N-(4-ニトロベンゾイル)スルホキシミド
Figure 2010501613
500mg(5.37ミリモル)のジメチルスルホキシミン(調製に関しては、例えばJohnson他、J. Org. Chem.、1973年、第38巻、1793ページを参照のこと)を含む30mlのジクロロメタンに、室温にて、1.1mlのトリエチルアミンと1484mg(8.00ミリモル)の塩化4-ニトロベンゾイルを添加する。この混合物を40℃にて一晩撹拌した後、0℃に冷却する。形成された固形物を吸引濾過によって取り出し、少量のジクロロメタンと水で洗浄した後、乾燥させる。905mg(3.74ミリモル;理論値の70%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):8.26 (m, 2H)、8.16 (m, 2H)、3.47 (s, 6H)。MS:242 (EI+)。
化合物18.2 N-(4-アミノベンゾイル)-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
900mg(3.72ミリモル)のS,S-ジメチル-N-(4-ニトロベンゾイル)スルホキシミドと、940mg(14.86ミリモル)のギ酸アンモニウムと、75mgの活性炭担持10%パラジウムの混合物を含む75mlのメタノールをアルゴン雰囲気下で室温にて4時間にわたって撹拌する。この混合物を濾過した後、濾過ケークをジクロロメタン/メタノール(1:1)とメタノールで洗浄する。濾液をロータリー・エバポレータの中で濃縮する。759mg(3.58ミリモル;理論値の96%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):7.64 (m, 2H)、6.47 (m, 2H)、5.67 (s, 2H)、3.34 (s, 6H)。MS:212 (EI+)。
18b)最終生成物の調製
154mg(0.55ミリモル)の(2R,3R)-3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イルアミノ)ブタン-2-オール(化合物3.1)と106mg(0.57ミリモル)のN-(4-アミノベンゾイル)-S,S-ジメチルスルホキシミドを含む8.1mlの1-ブタノールと0.8mlのメタノールを70℃にて9日間にわたって撹拌する。この混合物を0℃に冷却し、吸引濾過する。濾過ケークを少量の1-ブタノールで洗浄し、乾燥させる。106mg(0.23ミリモル;理論値の46%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):10.08 (br, 1H)、8.16 (s, 1H)、7.89 (m, 2H)、7.70 (m, 2H)、6.76 (br, 1H)、4.06 (m, 1H)、3.76 (m, 1H)、3.40 (s, 6H)、1.16 (d, 3H)、1.05 (d, 3H)。MS:457 (EI+)。
N-{4-[(5-ブロモ-4-{[(R)-2-ヒドロキシ-1,2-ジメチルプロピル]アミノ}ピリミジン-2-イル)アミノ]ベンゾイル}-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
最終生成物の調製
162mg(0.55ミリモル)の(R)-3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イルアミノ)-2-メチルブタン-2-オールと106mg(0.50ミリモル)のN-(4-アミノベンゾイル)-S,S-ジメチルスルホキシミドを含む8.1mlの1-ブタノールと0.8mlのメタノールを70℃にて2日間にわたって撹拌する。この混合物を0℃に冷却し、吸引濾過する。濾過ケークを少量の1-ブタノールで洗浄し、乾燥させる。157mg(0.33ミリモル;理論値の67%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):10.15 (br, 1H)、8.19 (s, 1H)、7.90 (m, 2H)、7.69 (m, 2H)、6.65 (br, 1H)、4.06 (m, 1H)、3.40 (s, 6H)、1.14 (m, 9H)。MS:471 (EI+)。
N-{4-[(5-ブロモ-4-{[(1R,2R)-2-ヒドロキシ-1-メチルプロピル]オキシ}ピリミジン-2-イル)アミノ]ベンゾイル}-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
最終生成物の調製
155mg(0.55ミリモル)の(2R,3R)-3-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イルオキシ)ブタン-2-オール(化合物4.1)と106mg(0.50ミリモル)のN-(4-アミノベンゾイル)-S,S-ジメチルスルホキシミドを含む8.1mlの1-ブタノールと0.8mlのメタノールを70℃にて7日間にわたって撹拌する。この混合物を0℃に冷却し、吸引濾過する。濾過ケークを少量の1-ブタノールで洗浄し、乾燥させる。167mg(0.37ミリモル;理論値の73%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):9.96 (s, 1H)、8.37 (s, 1H)、7.88 (m, 2H)、7.71 (m, 2H)、5.17 (m, 1H)、3.80 (m, 1H)、3.40 (s, 6H)、1.24 (d, 3H)、1.08 (d, 3H)。MS:471 (EI+)。
N-(4-{[4-{[(R)-2-ヒドロキシ-1-メチルエチル]アミノ}-5-(3-チエニル)ピリミジン-2-イル]アミノ}ベンゾイル)-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
最終生成物の調製
108mg(0.40ミリモル)の(R)-2-(2-クロロ-5-チオフェン-3-イルピリミジン-4-イルアミノ)プロパン-1-オールと66mg(0.31ミリモル)のN-(4-アミノベンゾイル)-S,S-ジメチルスルホキシミドを含む5.0mlの1-ブタノールと0.5mlのメタノールを70℃にて3日間にわたって撹拌する。この混合物を0℃に冷却し、吸引濾過する。濾過ケークを少量の1-ブタノールとジイソプロピルエーテルで洗浄し、乾燥させる。25mg(0.06ミリモル;理論値の18%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):10.87 (s, 1H)、7.96 (m, 3H)、7.71 (m, 4H)、7.49 (d, 1H)、7.24 (m, 1H)、4.26 (m, 1H)、3.50 (m, 2H)、3.42 (s, 6H)、1.15 (d, 3H)。MS:446 (ES+)。
N-(4-{[4-(1H-ベンゾイミダゾル-5-イルアミノ)-5-ブロモピリミジン-2-イル]アミノ}ベンゾイル)-S,S-ジメチルスルホキシミド
Figure 2010501613
最終生成物の調製
178mg(0.55ミリモル)の(1H-ベンゾイミダゾル-5-イル)-(5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-イル)アミンと106mg(0.5ミリモル)のN-(4-アミノベンゾイル)-S,S-ジメチルスルホキシミドを含む8.0mlの1-ブタノールと0.8mlのメタノールを、塩化水素をジオキサンに溶かした4Nの溶液0.026mlと混合し、70℃にて3日間にわたって撹拌する。この混合物を室温まで冷却し、吸引濾過する。濾液を濃縮し、得られた残留物をクロマトグラフィ(ジクロロメタン/エタノール=9:1)によって精製する。16mg(0.03ミリモル;理論値の6%に対応)の生成物が得られる。
1H-NMR (DMSO):9.68 (s, 1H)、9.43 (s, 1H)、9.08 (s, 1H)、8.29 (s, 1H)、7.96 (m, 1H)、7.82 (m, 1H)、7.73 (m, 1H)、7.61 (m, 2H)、7.54 (m, 2H)、3.38 (s, 6H)。MS:500 (ES+)。
アッセイ1 オーロラCキナーゼ・アッセイ
本発明による物質のオーロラC抑制活性を、以下の段落で説明するオーロラC-HTRFアッセイで測定した(HTRF=ホモジニアスな時間分解蛍光)。
GSTとヒト・オーロラCからなる組み換え融合タンパク質を、一過的にトランスフェクトしたHEK 293細胞の中で発現させ、グルタチオン-セファロース上のアフィニティ・クロマトグラフィによって精製した。キナーゼ反応のために使用した基質はビオチニル化したペプチドであるビオチン-Ttds-FMRLRRLSTKYRT(アミド形態のC末端)であった。これは、例えばJERINIペプチド・テクノロジーズ社(ベルリン)から購入することができる。5μlのアッセイ用緩衝液(25mMのヘペス/NaOH(pH7.4)、0.5mMのMnCl2、2.0mMのジチオトレイトール、0.1mMのオルトバナジン酸ナトリウム、10μMのアデノシン三リン酸(ATP)、0.5μM/mlの基質、0.01%(v/v)のトリトンX-100(シグマ社)、0.05%(w/v)のウシ血清アルブミン(BSA)、1%(v/v)のジメチルスルホキシド)の中にさまざまな濃度のテスト物質が存在する状態でオーロラCを22℃にて60分間にわたってインキュベートした。オーロラCの濃度を酵素の特定の活性に適合させ、アッセイが線形範囲でなされるように調節した。典型的な濃度は0.3nMの領域であった。HTRF検出試薬(シス・ビオアンテルナショナル社、フランス国、製品番号61P02KAE)(0.2μMのストレプトアビジン-XLentと1.4nMの抗ホスホ-(Ser/Thr)-Akt基質-Euクリプテート(ユーロピウム-クリプテートで標識したホスホ-(Ser/Thr)-Akt基質抗体(製品番号#9611B、セル・シグナリング・テクノロジー社、ダンヴァーズ、マサチューセッツ州))の溶液を含むEDTA水溶液(40mMのEDTA、400mMのKF、0.05%(w/v)のウシ血清アルブミン(BSA)を含む25mMのヘペス/NaOH(pH7.0)))を5μl添加することによって反応を停止させた。
得られた混合物を22℃にて1時間にわたってインキュベートし、ビオチニル化されリン酸化された基質と検出試薬の複合体を形成させた。次に、抗ホスホ-(Ser/Thr)-Akt基質-Euクリプテートからストレプトアビジン-XLentへの共鳴エネルギー移動を測定することにより、リン酸化された基質の量を調べた。その目的で、350nmで励起させた後に620nmと665nmでの蛍光放出をHTRF測定装置(例えばRubystar(BMGラブテクノロジーズ社、オッフェンブルク、ドイツ国)またはViewlux(パーキン-エルマー社))の中で測定した。665nmと622nmにおける放出の比を、リン酸化された基質の量の指標とした。データを規格化し(阻害剤なしの酵素反応=抑制0%、酵素なしの他のすべてのアッセイ成分=抑制100%)、社内のソフトウエアを用いてIC50値を4パラメータ・フィットで計算した。
アッセイ2 CDK1/CycBキナーゼ・アッセイ
バキュロウイルスを感染させた昆虫細胞(Sf9)から精製した組み換えによるCDK1-GST融合タンパク質とCycB-GST融合タンパク質をプロキナーゼ社(フライブルク)から購入した。キナーゼ基質として用いたヒストンIIISは、シグマ社から購入できる。
40μlのアッセイ用緩衝液(50mMのトリス/HCl(pH8.0)、10mMのMgCl2、0.1mMのオルトバナジン酸Na、1.0mMのジチオトレイトール、0.025%のPEG20000、0.5μMのATP、10μMのヒストンIIIS、0.2μCi/測定点の33P-γATP、0.05%のNP40、1.25%のジメチルスルホキシド)の中にさまざまな濃度(0μMと、0.01〜100μMの範囲)のテスト基質が存在する状態でCDK1/CycB(5ng/μl)を22℃で10分間にわたってインキュベートした。EDTA溶液(250mM、pH8.0、15μl/測定点)を添加することによって反応を停止させた。
各反応混合物15μlをP30フィルタ・ストリップ(ウォラック社)の上に装填し、0.5%のリン酸でそのフィルタ・ストリップを10分間ずつ3回洗浄することにより、組み込まれなかった33P-ATPを除去した。フィルタ・ストリップを70℃にて1時間にわたって乾燥させた後、シンチレータ・ストリップ(ウォラック社のMeltiLex(登録商標)A)で覆い、90℃にて1時間にわたって焼成した。組み込まれた33Pの量(基質のリン酸化)は、γ線カウンタ(ウォラック社)でシンチレーションを測定することによって明らかにした。
測定したデータを抑制0%(阻害剤なしの酵素反応)と抑制100%(酵素なしのあらゆるアッセイ成分)の間に規格化した。社内のソフトウエアを用いてIC50値を4パラメータ・フィットで決定した。
アッセイ3 CDK2/CycEキナーゼ・アッセイ
バキュロウイルスを感染させた昆虫細胞(Sf9)から精製した組み換えによるCDK2-GST融合タンパク質とCycE-GST融合タンパク質をプロキナーゼ社(フライブルク)から購入した。キナーゼ基質として用いたヒストンIIISは、シグマ社から購入した。
40μlのアッセイ用緩衝液(50mMのトリス/HCl(pH8.0)、10mMのMgCl2、0.1mMのオルトバナジン酸Na、1.0mMのジチオトレイトール、0.5μMのATP、0.2%のPEG20000、10μMのヒストンIIIS、0.2μCi/測定点の33P-γATP、0.05%のNP40、1.25%のジメチルスルホキシド)の中にさまざまな濃度(0μMと、0.01〜100μMの範囲)のテスト基質が存在する状態でCDK2/CycE(1.25ng/μl)を22℃で10分間にわたってインキュベートした。EDTA溶液(250mM、pH8.0、15μl/測定点)を添加することによって反応を停止させた。
各反応混合物15μlをP30フィルタ・ストリップ(ウォラック社)の上に装填し、0.5%のリン酸でそのフィルタ・ストリップを10分間ずつ3回洗浄することにより、組み込まれなかった33P-ATPを除去した。
フィルタ・ストリップを70℃にて1時間にわたって乾燥させた後、シンチレータ・ストリップ(ウォラック社のMeltiLex(登録商標)A)で覆い、90℃にて1時間にわたって焼成した。組み込まれた33Pの量(基質のリン酸化)は、γ線カウンタ(ウォラック社)でシンチレーションを測定することによって明らかにした。
測定したデータを抑制0%(阻害剤なしの酵素反応)と抑制100%(酵素なしのあらゆるアッセイ成分)の間に規格化した。社内のソフトウエアを用いてIC50値を4パラメータ・フィットで決定した。
アッセイ4 KDRキナーゼ・アッセイ
バキュロウイルスを感染させた昆虫細胞(Sf9)から精製した組み換えによるKDRキナーゼ-GST融合タンパク質をプロキナーゼ社(フライブルク)から購入した。キナーゼ基質として用いたポリ(Glu4Tyr)nは、シグマ社から購入した。
40μlのアッセイ用緩衝液(40mMのトリス/HCl(pH7.5)、10mMのMgCl2、1mMのMnCl2、1.0mMのジチオトレイトール、8μMのATP、0.025%のPEG20000、24ng/μlのポリ(Glu4Tyr)n、0.2μCi/測定点の33P-γATP、1.25%のジメチルスルホキシド)の中にさまざまな濃度(0μMと、0.01〜100μMの範囲)のテスト基質が存在する状態でKDRキナーゼを22℃で10分間にわたってインキュベートした。EDTA溶液(250mM、pH7.5、15μl/測定点)を添加することによって反応を停止させた。
各反応混合物15μlをP30フィルタ・ストリップ(ウォラック社)の上に装填し、0.5%のリン酸でそのフィルタ・ストリップを10分間ずつ3回洗浄することにより、組み込まれなかった33P-ATPを除去した。
フィルタ・ストリップを70℃にて1時間にわたって乾燥させた後、シンチレータ・ストリップ(ウォラック社のMeltiLex(登録商標)A)で覆い、90℃にて1時間にわたって焼成した。組み込まれた33Pの量(基質のリン酸化)は、γ線カウンタ(ウォラック社)でシンチレーションを測定することによって明らかにした。
測定したデータを抑制0%(阻害剤なしの酵素反応)と抑制100%(酵素なしのあらゆるアッセイ成分)の間に規格化した。社内のソフトウエアを用いてIC50値を4パラメータ・フィットで決定した。
アッセイ5 MCF7増殖アッセイ
96ウエルのマルチタイター・プレートの中で、200μlの増殖培地(PRMI1640、10%ウシ胎仔血清、2mU/mlのインスリン、0.1nMのエストラジオール)の中に、培養したヒトMCF7乳がん細胞(ATCC HTB-22)を5000細胞/測定点の密度で入れた。24時間後、1つのプレートからの細胞はクリスタル・バイオレット(以下参照)で染色したのに対し、他のプレートの培地は、さまざまな濃度(0μmと、0.01〜30μMの範囲;溶媒であるジメチルスルホキシドの最終濃度は0.5%であった)のテスト物質をあらかじめ添加した新鮮な培地(200μl)と交換した。細胞をテスト物質の存在下で4日間にわたって培養した。細胞の増殖は、細胞をクリスタル・バイオレットで染色することによって調べた。すなわち11%のグルタルアルデヒド溶液を室温にて各測定点に20μl添加し、15分間かけて細胞を固定した。固定した細胞を水で3回洗浄した後、プレートを室温で乾燥させた。0.1%のクリスタル・バイオレット溶液(酢酸を添加してpHを3に調節した)を各測定点に100μl添加することによって細胞を染色した。染色した細胞を水で3回洗浄した後、プレートを室温で乾燥させた。10%酢酸溶液を各測定点に100μl添加することによって染料を溶かし、595nmの波長での測光によって消光を調べた。細胞増殖の変化率は、測定値をゼロ点プレートの消光(=0%)と処理しない(0μM)細胞(=100%)の消光の間に規格化することによって計算した。社内のソフトウエアを用いてIC50値を4パラメータ・フィットで決定した。
さまざまなキナーゼ・アッセイとMCF7ヒト乳がん細胞を用いた増殖アッセイにおいて実施例1〜22の化合物の抑制効果をテストした(表1)。データから、実施例の化合物は、強力なナノモル・タンパク質キナーゼ阻害剤として機能することが証明された。選択性プロファイルは、置換パターンを変化させることによって調節できる(実施例9、15、17:CDK選択、実施例16:選択的KDR阻害)。実施例1〜8、10〜12、15、17〜20の化合物は、最大濃度の半値がマイクロモル以下になる範囲でヒトMCF7乳がん細胞の増殖を抑制する。これらのデータから、カルバモイスルホキシミドとカルボニルスルホキシミドを腫瘍治療薬として使用できる可能性のあることが確認される。
Figure 2010501613

Claims (28)

  1. 一般式(I)の化合物:
    Figure 2010501613
    、その塩、そのジアステレオマー、又はその鏡像異性体(ただし一般式(I)において、
    R1は、
    (i)水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、-CF3、-OCF3のいずれかであるか、
    (ii)ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、シアノ、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、-CF3及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C1〜C6アルコキシ基、C2〜C6アルキニル基のいずれかであるか、
    (iii)ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ、-OCF3及び/又は、C1〜C6アルキルの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたフェニル環または単環ヘテロアリール環であり、
    R2は、
    (i)水素であるか、
    (ii)C1〜C10アルキル基、C2〜C10アルケニル基、C2〜C10アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、ナフチル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環、二環ヘテロアリール環のいずれかであり、
    それぞれの場合に、これらの基そのものが、
    a)ハロゲン、ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、シアノ、-C(O)R6、-O(CO)-R12、-SO2NR8R9、-SO2-R12、-S(O)(NR8)R12、-(N)S(O)R13R14、-CF3、-OCF3、-N[(CO)-(C1〜C6アルキル)]2、および/または
    b)ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、-NR8R9、-C(O)OR16、-SO2NR8R9、-CF3又は、-OCF31つ又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C8シクロアルキル、フェニル、ナフチル、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル、単環ヘテロアリール、二環ヘテロアリール
    によって同じように、または異なるように任意的に1回以上置換されており、
    R3は、
    (i)ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-CF3、-OCF3、-C(O)NR8R9、-C(S)NR8R9、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、および/または
    (ii)ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、-CF3、-OCF3又は、-NR8R9の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルキル基および/またはC1〜C6アルコキシ基、および/または
    (iii)ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、-CF3、-OCF3、-NR8R9及び/又は、C1〜C6アルキルの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC3〜C7シクロアルキル環であり、
    mは0〜4であり、
    Zは-NH-基または直接的な結合であり、
    R4とR5は互いに独立に、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ、-OCF3及び/又は、C1〜C6アルキルの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている、または
    R4とR5はイオウと合わさって3〜7員の環を形成し、その環は、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロゲン又は、-NR8R91又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されていて、任意的に二重結合を含み、
    Xは、-O-、-S-、-NR15-のいずれかである(ただし、
    R15は、
    (i)水素であるか、
    (ii)C1〜C6アルキル基、C3〜C8シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであるか、
    (iii)-C(O)-C1〜C6アルキル、-C(O)-フェニル、-C(O)-ベンジルのいずれかであり、
    (ii)と(iii)は、ヒドロキシ、-NR10R11、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている)、または
    Xが-NR15-である場合には、
    -NR15-とR2が合わさって3〜8員の環を形成し、その環は、窒素原子に加えてさらに別の1個以上のヘテロ原子を任意的に含んでいる、および/またはヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、-C(O)R12、-SO2R12、ハロゲン又は、-NR8R91又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている、および/または任意的に1〜3個の二重結合を含んでいる、および/または任意的に1個以上の-C(O)-基によって中断されており、
    Qは、フェニル環、ナフチル環、単環ヘテロアリール環、二環ヘテロアリール環のいずれかであり、
    R6は、
    (i)水素またはヒドロキシであるか、
    (ii)C1〜C6アルキル基、C3〜C6アルケニル基、C3〜C6アルキニル基、C1〜C6アルコキシ基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
    R7は水素またはC1〜C6アルキル基であり、
    R8とR9は互いに独立に、
    (i)水素、および/または
    (ii)ヒドロキシ、-NR10R11、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C3〜C8シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環である、または
    R8とR9は窒素原子と合わさって5〜7員の環を形成し、その環は、窒素原子に加えてさらに別の1個または2個のヘテロ原子を任意的に含むとともに、ヒドロキシ、-NR10R11、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個のうちの同じものまたは異なるもので置換されていてもよく、
    R10とR11は互いに独立に、水素であるか、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルキル基であり、
    R12、R13、R14は互いに独立に、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、ニトロ、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
    R16は、
    (i)水素であるか、
    (ii)C1〜C6アルキル基、C3〜C6アルケニル基、C3〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている)。
  2. 請求項1に記載の一般式(I)の化合物においてZが-NH-基であり、一般式(Ia):
    Figure 2010501613
    で表わされる化合物。
  3. 請求項1に記載の一般式(I)の化合物においてZが直接的な結合であり、一般式(Ib):
    Figure 2010501613
    で表わされる化合物。
  4. 請求項2または3の一般式(Ia)の化合物において、
    R1が、ハロゲン、-CF3、-OCF3、C1〜C4アルキル、ニトロのいずれかであり、
    R2が、C1〜C10アルキル基、C2〜C10アルケニル基、C2〜C10アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、単環ヘテロアリール環、二環ヘテロアリール環、環の原子が3〜7個のヘテロシクリル環のいずれかであり、
    それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12及び/又は、C1〜C4アルキル基(任意的にこの基そのものが1又は複数個のヒドロキシで置換されている)の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
    R3が、
    (i)ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-CF3、-OCF3、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、および/または
    (ii)ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、-CF3、-OCF3又は、-NR8R91又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C3アルキル基および/またはC1〜C3アルコキシ基であり、
    mが0または1であり、
    R4とR5が互いに独立に、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、C1〜C6アルコキシ及び/又は、C1〜C6アルキルの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている、または
    R4とR5がイオウと合わさって3〜7員の環を形成し、その環は、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ又は、-NR8R9の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
    Xが、-O-、-S-、-NR15-のいずれかである(ただし、
    R15は、
    (i)水素であるか、
    (ii)C1〜C6アルキル基、C3〜C8シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであるか、
    (iii)-C(O)-C1〜C6アルキル、-C(O)-フェニル、-C(O)-ベンジルのいずれかであり、
    (ii)と(iii)は、ヒドロキシ、-NR10R11、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている)、または
    Xが-NR15-である場合には、
    -NR15-とR2が合わさって3〜8員の環を形成し、その環は、窒素原子に加えてさらに別の1個以上のヘテロ原子を任意的に含んでいる、および/またはヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、-C(O)R12、-SO2R12、ハロゲン又は、-NR8R9の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている、および/または任意的に1個以上の-C(O)-基によって中断されており、
    Qが、フェニル環、単環ヘテロアリール環、二環ヘテロアリール環のいずれかであり、
    R6が、C2〜C5アルキル基、C4〜C6アルケニル基、C4〜C6アルキニル基、C2〜C5アルコキシ基、C4〜C6シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜5個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ及び/又は、-OCF3の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
    R7が水素またはC1〜C6アルキル基であり、
    R8とR9が互いに独立に、水素である、および/またはC1〜C4アルキル基、C3〜C6シクロアルキル環、フェニル環、単環ヘテロアリール環であり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR10R11又は、C1〜C6アルコキシによって同じように、または異なるように任意的に置換されている、または
    R8とR9が窒素原子と合わさって5〜7員の環を形成し、その環は、窒素原子に加えてさらに別の1個のヘテロ原子を任意的に含むとともに、1又は複数個のヒドロキシによって置換されていてもよく、
    R10とR11が互いに独立に、水素であるか、1又は複数個のヒドロキシによって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルキル基であり、
    R12が、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、-NR8R9、C1〜C6アルキル及び/又は、C1〜C6アルコキシの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
    R13、R14が互いに独立にC1〜C6アルキル基であり、
    R16が、C1〜C6アルキル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかである化合物と、その塩、そのジアステレオマー及び、その鏡像異性体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物においてQがフェニル環である化合物と、その塩、そのジアステレオマー及び、その鏡像異性体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物においてR1が臭素である化合物と、その塩、そのジアステレオマー及び、その鏡像異性体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物においてR2がC1〜C6アルキル基である化合物と、その塩、そのジアステレオマー及び、その鏡像異性体。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物においてXが-O-または-NR15-(ただしR15は水素である)である化合物と、その塩、そのジアステレオマー及び、その鏡像異性体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物においてR3がハロゲンであるか、C1〜C3アルキル基および/またはC1〜C3アルコキシ基である化合物と、その塩、そのジアステレオマー及び、その鏡像異性体。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物においてmが0または1である化合物と、その塩、そのジアステレオマー及び、その鏡像異性体。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物においてR4とR5が互いに独立に、C1〜C5アルキル基、C2〜C5アルケニル基、C2〜C5アルキニル基、C3〜C6シクロアルキル環、フェニル環、環の炭素が3〜6個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであるか、R4とR5がイオウと合わさって3〜7員の環を形成している化合物と、その塩、そのジアステレオマー及び、その鏡像異性体。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物においてR4とR5が互いに独立に、C1〜C6アルキル基である化合物と、その塩、そのジアステレオマー及び、その鏡像異性体。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物においてR7が水素またはC1〜C6アルキル基である化合物と、その塩、そのジアステレオマー及び、その鏡像異性体。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物においてR8とR9が水素および/またはC1〜C6アルキル基、C3〜C6シクロアルキル環および/またはフェニル環、および/または単環ヘテロアリール環であるか、R8とR9が窒素原子と合わさって5〜6員の環を形成し、この環にはその窒素原子に加えて別の1個のヘテロ原子が任意的に含まれている化合物と、その塩、そのジアステレオマー及び、その鏡像異性体。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物においてR12がC1〜C6アルキル基、フェニル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ又は、C1〜C6アルキルによって同じように、または異なるように任意的に置換されている化合物と、その塩、そのジアステレオマー及び、その鏡像異性体。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物においてR16がC1〜C6アルキル基である化合物と、その塩、そのジアステレオマー及び、その鏡像異性体。
  17. 請求項1に記載の一般式(I)の化合物において、
    R1が、ハロゲン、-CF3、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、その単環ヘテロアリール環は、ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12、-NR7-C(O)-OR12、-NR7-C(O)-NR8R9、-NR7-SO2-R12、シアノ、ハロゲン、-CF3、C1〜C6アルコキシ、-OCF3及び/又は、C1〜C6アルキルによって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
    R2が、C1〜C10アルキル基または二環ヘテロアリール環であり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、-NR7-C(O)-R12及び/又は、C1〜C4アルキル基(任意的にこの基そのものが1又は複数個のヒドロキシで置換されている)によって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
    R3が、ハロゲンである、および/またはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、-CF3、-OCF3又は、-NR8R9の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C3アルキル基および/またはC1〜C3アルコキシ基であり、
    mが0または1であり、
    R4とR5が互いに独立に、C1〜C6アルキル基であり、それぞれの場合に、この基そのものが、ヒドロキシ、-NR8R9、C1〜C6アルコキシ及び/又は、C1〜C6アルキルによって同じように、または異なるように任意的に置換されており、
    Xが-O-または-NH-であり、
    Qがフェニル環であり、
    Zが-NH-基または直接的な結合であり、
    R7が水素またはC1〜C6アルキル基であり、
    R8とR9が互いに独立に、水素である、および/またはC1〜C4アルキル基、C3〜C6シクロアルキル環、フェニル環、単環ヘテロアリール環であり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、-NR10R11又は、C1〜C6アルコキシの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている、または
    R8とR9が窒素原子と合わさって5〜7員の環を形成し、その環は、窒素原子に加えてさらに別の1個のヘテロ原子を任意的に含むとともに、1又は複数個のヒドロキシによって置換されていてもよく、
    R10とR11が互いに独立に、水素であるか、1又は複数個のヒドロキシによって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C6アルキル基であり、
    R12が、C1〜C6アルキル基、C2〜C6アルケニル基、C2〜C6アルキニル基、C3〜C7シクロアルキル環、フェニル環、環の原子が3〜8個のヘテロシクリル環、単環ヘテロアリール環のいずれかであり、それぞれの場合に、これらの基そのものが、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、-NR8R9、C1〜C6アルキル及び/又は、C1〜C6アルコキシの1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されている化合物と、その塩、そのジアステレオマー及び、その鏡像異性体。
  18. 請求項1に記載の一般式(I)の化合物において、
    R1が水素であり、
    R2が、ヒドロキシとC1〜C6アルキル基の1又は複数個によって同じように、または異なるように任意的に置換されたC1〜C10アルキル基であり、
    R3が、ハロゲンであるか、C1〜C3アルキル基および/またはC1〜C6アルコキシ基であり、
    mが0または1であり、
    R4とR5が互いに独立にC1〜C6アルキル基であり、
    Xが-O-または-NR15-(ただしR15は水素である)であり、
    Qがフェニル環である化合物と、その塩、そのジアステレオマー及び、その鏡像異性体。
  19. 一般式(II)の2-クロロピリミジンを一般式(III)の求核分子と反応させることによって一般式(I)の化合物を調製する方法:
    Figure 2010501613
    (ただしQ、R1、R2、Z、R3、R4、R5、X、mは、請求項1〜18による一般式(I)に示した意味を持つ)。
  20. 一般式(II)の中間体:
    Figure 2010501613
    (ただしR1、R2、Xは、請求項1〜18による一般式(I)に示した意味を持つ)。
  21. 一般式(V)の2,4-ジクロロピリミジンを一般式(IV)の求核分子と反応させることによって一般式(II)の中間体を調製する方法:
    Figure 2010501613
    (ただしR1、R2、Xは、請求項1〜18による一般式(I)に示した意味を持つ)。
  22. 一般式(IIIa)の中間体:
    Figure 2010501613
    (ただしQ、R3、R4、R5、mは、請求項1〜18による一般式(I)に示した意味を持つ)。
  23. 一般式(IIIb)の中間体:
    Figure 2010501613
    (ただしQ、R3、R4、R5、mは、請求項1〜18による一般式(I)に示した意味を持つ)。
  24. 一般式(IIIa)の中間体を調製する方法であって、
    a)一般式(VII)のイソシアネートを一般式(VIII)のスルホキシミンと反応させることによって一般式(VI)の中間体を得るステップ:
    Figure 2010501613
    と、
    b)ニトロ基を還元して一般式(IIIa)の中間体を得るステップ:
    Figure 2010501613
    を含む方法(ただし、Q、R3、R4、R5、mは、請求項1〜18による一般式(I)に示した意味を持つ)。
  25. 一般式(IIIb)の中間体を調製する方法であって、
    a)一般式(IX)の酸塩化物を一般式(VIII)のスルホキシミンと反応させることによって一般式(X)の中間体を得るステップ:
    Figure 2010501613
    と、
    b)ニトロ基を還元して一般式(IIIb)の中間体を得るステップ:
    Figure 2010501613
    を含む方法(ただし、Q、R3、R4、R5、mは、請求項1〜18による一般式(I)に示した意味を持つ)。
  26. 薬として使用するための、請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物。
  27. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物を利用してがんを治療するための薬を製造する方法。
  28. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物を含む医薬製剤。
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