JP2010501516A - D,l−2−ヒドロキシ−4−アルキルチオ酪酸の製造方法 - Google Patents

D,l−2−ヒドロキシ−4−アルキルチオ酪酸の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(II)の化合物をチオラート(RS)nMと反応させることによって、式(I)の化合物を製造する方法に関する。さらに本発明は、γ−ブチロラクトンから式(II)の化合物を製造する方法に関する。

Description

本発明は、式(I)
Figure 2010501516
[式中、RはC1〜C6−アルキルである]
の化合物を製造する方法に関する。
さらに本発明は、式(II)
Figure 2010501516
の化合物を製造する方法に関する。
メチオニン、およびメチオニン−ヒドロキシ類似体(Methionin−Hydroxyanalog)は、L−グルタミン酸、およびL−リシンと並んで、産業上重要なアミノ酸である。メチオニンには、家畜の飼料を節約する飼育において産業的な価値がある。
メチオニンは硫黄を含む必須アミノ酸であり、それらの代謝活性型がS−アデノシル−メチオニン(SAM)である。
メチオニン(D,L−2−アミノ−4−メチルチオ酪酸)は、通常のすべてのアミノ酸と異なり、生物はラセミ体としても完全に利用することができる。生体は、D型を活性なL型に転位させることができる。従って工業的な合成においては、α−アミノ基の配置は重要ではない。
興味深いことに生物は、メチオニン−ヒドロキシ類似体(D,L−2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸、MHA)をメチオニンの完全な代替物として活用することもできる。MHAにおいては、メチオニンのアミノ基がヒドロキシ基により置換されている。この際もまた生体内で、活性のあるメチオニンL型への転位が起こる。従って工業的に製造されたラセミ体のMHAもまた、メチオニンの完全な代替物である。
飼料原料におけるメチオニンおよびMHAの調製方法は、基本的にアクロレイン抽出物、メチルメルカプタン、および青酸に基づく。
DE1906405に記載されている方法は、第一の工程でアクロレインとメルカプタンから出発し、これらを3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒド(MMP)に反応させる。これを次の工程で青酸および炭酸水素アンモニウムと反応させてヒダントインにし、これを引き続きアルカリでD,L−カリウムメチオナートに反応させる。酸の添加は、D,L−メチオニンをもたらす。
US2745745によれば同様にMMPから出発して、水酸化ナトリウムの存在下35〜40℃での青酸との反応によってシアノヒドリンが得られる。強鉱酸、例えば硫酸による加水分解は、中間段階としてアミドと、最終的にMHAをもたらす。副生成物として、硫酸水素アンモニウムが生じる。
DE840996より、チオエーテルカルボン酸の製造方法は公知である。この際、非置換のラクトン、または芳香族基、例えばフタリデン(Phthaliden)、またはクマリンを有するラクトンを、エステル化されないカルボキシ基を含まないアルカリ金属化合物の、またはアルカリ土類金属化合物のメルカプト化合物とともに加熱する。この反応は溶媒の添加なしで起こり、場合によっては溶媒としてのラクトン過剰により、または不活性の溶媒、例えばベンゼンやトルエン、またはデカリンの存在下で起こる。
より毒性の少ない出発物質から出発して、式(I)
Figure 2010501516
のD,L−2−ヒドロキシ−4−アルキルチオ酪酸をコスト的に有利に製造する方法を発見するという課題が存在した。
とりわけ、より毒性の少ない出発物質から出発して、式(Ia)
Figure 2010501516
のMHAをコスト的に有利に製造する方法を発見するという課題が存在した。
本発明によればこの課題は、式(I)
Figure 2010501516
の化合物を製造する方法を提供することによって解決され、
該方法は式(II)
Figure 2010501516
の化合物と、チオラートRSMとの反応を含む。
本発明によれば、式中RはC1〜C6−アルキルを意味する。
これらは例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、n−ペンチル、1−メチル−ブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−3−メチルプロピル、およびこれらの混合物である。基は1または複数の立体中心を含んでいてもよい。
好ましくはRは、C1〜C4−アルキルである。
これらは例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、およびこれらの混合物である。基は少なくとも1の立体中心を含んでいてもよい。
特に好ましくは、R=メチルである。この場合、式(I)の化合物は、式(Ia)
Figure 2010501516
のMHAである。
チオラート(RS)nMにおいて、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、Fe、Zn、またはこれらの混合物である。
アルカリ金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、またはこれらの混合物である。
アルカリ土類金属は、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、またはこれらの混合物である
Mがアルカリ金属である場合は、nは1に等しい。
Mがアルカリ土類金属、Zn、またはこれらの混合物である場合は、nは2に等しい。
MがFeである場合、nは2および/または3に等しい。
Mが好ましくはLi、Na、K、またはこれらの混合物であり、好ましくはnが1に等しい。
アルカリ土類金属、Zn、またはFeであってもよい所与のMは、相応するチオラート(RS)nMの基Rと同一であっても異なっていてもよい。
同一であっても異なっていてもよい基R、および/または同一であっても異なっていてもよい金属Mを有する、式(RS)nMのチオラートを、同時に使用することができる。
好ましくは、式(RS)nMのチオラートのみを使用する。
前述のすべての、および以下のすべての式においてギザギザの線は、付属的な炭化水素のS配置、またはR配置を表す。ギザギザの線を含む式は、好ましくは任意の混合物、特に好ましくは化合物のエナンチオマー形態のラセミ混合物を表す。選択的にはこのような式は、ある種の、厳密には詳述されないエナンチオマー形態を表してもよい。
4の異なる置換基を有する炭素原子が、立体中心である。分子がちょうど1の立体中心を持っていれば、相応する分子の2の異なる配置が可能である。このような分子の鏡像形態が重なり合わない二つのものは、エナンチオマーと呼ばれる。カーン・インゴルド・プレローグの法則に従ってR−エナンチオマーとS−エナンチオマーとを区別する。
両方のエナンチオマーを同じ割合で有する混合物を、ラセミ体、またはラセミ混合物と呼ぶ。両エナンチオマーの分子量は同じなので、ラセミ体における両方のエナンチオマーのモル比と質量比は等しい。
異性体混合物、特別な場合にはラセミ体が、またはエナンチオマーが存在するかどうかを決めるために、本願においては、酸基に、またはエステル基に対してα−位の炭素原子の配置についてのみ考慮する。基Rに他の立体中心が存在したとしても、これらの立体中心は立体化学に対するこれらの情報にとって重要ではない。
チオラート(RS)nMは、溶液として使用することができる。この際、チオラート(RS)nMの濃度は、典型的には10質量%、またはそれ以上、好ましくは20質量%、またはそれ以上である。また、50質量%、またはそれ以上、好ましくは90質量%、またはそれ以上の濃度の溶液を使用することもできる。この際、チオラート(RS)nMはとりわけ、溶液として相応するチオール(RS)nHにおいて使用することができる。
本発明による利点は、式(II)の化合物の、環状エステル基に対してα−位のヒドロキシ基の立体異性体が、式(I)の化合物を製造する際にも依然得られるということである。通常は式(II)の化合物としてラセミ混合物を使用し、その結果相応して得られる式(I)の化合物もまた、ラセミ混合物である。
ただし、式(II)の化合物の立体異性体形態が優位に存在する場合、その形態から得られる式(I)の化合物は、同様にこれらの立体異性体形態で優位に存在する。
ラセミ混合物を使用しない場合、本発明のさらなる好ましい実施形態では、立体異性体の一方が明らかに優位に存在する。
異性体混合物が存在する場合、使用される異性体混合物のエナンチオマー過剰率(enantiomeric excess)は、好ましくは少なくとも90%eeである。
エナンチオマー過剰率は、
Figure 2010501516
[式中、
[R]:R異性体の濃度;
[S]:S異性体の濃度である]
として定義されている。
さらなる好ましい実施形態においては、式(II)の化合物は、純粋なエナンチオマー形態で使用する。
エナンチオマー形態の一方が優位に存在する式(II)の化合物の異性体混合物を使用する場合、本発明による方法に従って、同様にエナンチオマー形態の一方が優位に存在する式(I)の化合物が得られる。
式(II)の化合物のエナンチオマー形態の一方が単独で存在する場合、すなわち相応する化合物が純粋なエナンチオマーである場合、本発明による方法に従って、同様に純粋なエナンチオマーである式(I)の化合物が得られる。
本発明による方法は、好ましくは非プロトン性の極性溶媒中で行う。
溶媒の極性は、マクロスコピックな誘電率と関連する、溶媒分子の双極子モーメントによって定量化する。従って溶媒の誘電率の値がわかれば、溶媒の極性に関する情報が得られる。誘電率の値は例えば、Handbook of Chemistry and Physics,76th edition、1995年、CRC Press,Inc.,Boca Ratonから、引用することができる。
極性溶媒は一般的に293.2Kの温度において、10、またはそれ以上の、好ましくは20、またはそれ以上の、特に好ましくは40、またはそれ以上の誘電率の値を有する。
溶媒が水素原子を含まないか、または水素結合が高い共有結合特性を有するため、溶媒がプロトンを放出できないか、ほんの僅かしかプロトンを放出することができない場合に、溶媒は非プロトン性と呼ばれる。化合物からのプロトンの放出力に対する基準は、酸強度Ksである。これは特に指示しない場合、水中で測定する。通常は、酸強度の10を底とする負の対数である、pKs値を記載する。
非プロトン性の溶媒は一般的に293.2Kの温度において、20、またはそれ以上の、好ましくは22、またはそれ以上の、特に好ましくは24、またはそれ以上のpKs値を有するか、または複数のプロトンが放出される可能性のある場合は、20、またはそれ以上の、好ましくは22、またはそれ以上の、特に好ましくは24、またはそれ以上の最低pKs値を有する。
溶媒は純粋な状態で、または混合物として使用することができる。
非プロトン性の極性溶媒は、他の溶媒、例えばプロトン性の極性溶媒、または非極性溶媒との混合物で使用することができる。この場合、溶媒混合物における他の溶媒の割合は、たいてい10質量%を超過しない。
本発明によれば、好ましく使用することができる溶媒は例えば、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、またはこれらの混合物である。
本発明による方法は、反応が充分に速く進行することを保証する温度で行う。反応は適切には、50℃〜200℃の温度で起こる。
本発明による方法において使用される式(II)の化合物は、当業者には公知である。これについては、Beilsteins Handbuch der Organischen Chemie,Springer Verlag,Ergaenzungswerk I,Band XVIII,296ページ;Ergaenzungswerk II,Band 18,3ページ;Ergaenzungswerk III,Band 18,3ページ;Ergaenzungswerk III/IV,Band 18,3ページ;Ergaenzungswerk V,Band 18,3ページ、およびここに記載された文献ソースを参照のこと。
本発明による方法のために、式(II)の化合物は、好ましくはγ−ブチロラクトン(式III)
Figure 2010501516
から得られる。
γ−ブチロラクトンは、いわゆるレッペ化学の有用物生産経路(Wertschoepfungskette)の一部として大量に得られる。アセチレンとホルムアルデヒドから出発して、1,4−ブチンジオール、1,4−ブテンジオール、および1,4−ブタンジオールという中間段階を経てγ−ブチロラクトンが得られる。
さらなる実施形態において式(I)の化合物を製造する本発明による方法は、γ−ブチロラクトンを式(II)の化合物に反応させる、先行する方法工程を含む。
このために好ましくは、γ−ブチロラクトンを第一の工程で式(IV)
Figure 2010501516
の化合物に反応させる。
従って本発明のさらなる対象は、式(III)のγ−ブチロラクトンをまず式(IV)の化合物に反応させ、かつ式(IV)の化合物を後続工程において式(II)の化合物に反応させる方法である。この際、基Xは、本発明によればハロゲン原子である。本発明によれば式(IV)の化合物は、常に同一の基Xか、または異なる基Xを含んでいてよい。本発明によればハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、および/またはヨウ素を意味する。好ましいのは、塩素、または臭素である。特に好ましいのは、塩素である。
式(II)の化合物とチオラート(RS)nMとの反応によって式(I)の化合物を製造する、本発明による方法の好ましい実施形態においては、式(III)のγ−ブチロラクトンをまず式(IV)の化合物に反応させ、かつ式(IV)の化合物を後続工程において式(II)の化合物に反応させることによって式(II)の化合物を得る。
α−ブロム−γ−ブチロラクトンは、約100℃で三臭化リンPBr3の存在下、臭素Br2と、γ−ブチロラクトンとの反応によって得ることができる。得られた臭素化合物を場合によっては単離し、しかしながら好ましくは単離せず、かつ直ちに水酸化バリウムとさらに反応させてα−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンにする。通常は、水酸化バリウムをBa(OH)2・8H2Oとして使用する。
三臭化リンを好ましくはγ−ブチロラクトンに対して1〜20mol%の量で、さらに好ましくは5〜15mol%の量で使用する。特に好ましい実施形態においては、三臭化リンをγ−ブチロラクトンに対して10mol%の量で使用する。
三臭化リンは通常、−10〜+10℃の温度でγ−ブチロラクトンに加える。場合によっては適切な溶媒が存在するが、溶媒が存在しないのが好ましい。同様に臭素は一般的に、−10〜+10℃の温度で添加する。
臭素はたいてい、γ−ブチロラクトンに対して100〜150mol%の量、好ましくは110〜140mol%の量で使用する。特に好ましい実施形態においては、臭素をγ−ブチロラクトンに対して130mol%の量で使用する。
臭素の添加後、反応混合物を通常一定の時間、例えば1〜10時間加熱する。この際、温度は通常80〜150℃の範囲である。
好ましくは、過剰の臭素を反応後に還元する。これは例えば、NaHSO3溶液の添加によって行う。
α−クロロ−γ−ブチロラクトンは、高められた温度、例えば100〜200℃、好ましくは140〜160℃の温度において触媒を添加せずにγ−ブチロラクトンを塩素化することによって得られる。この際に副生成物として、α,α−ジクロロ−γ−ブチロラクトンと、2,4−ジクロロ酪酸が生じる。
2,4−ジクロロ酪酸は、さらなる反応のために分離されないのが好ましい。と言うのも、アルカリ加水分解において再び環状形態のα−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが発生するからである。α,α−ジクロロ−γ−ブチロラクトンは、好ましくは蒸留で除去することができる。
熱い水酸化バリウム溶液によって、α−クロロ−γ−ブチロラクトン、もしくは2,4−ジクロロ酪酸をα−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンに変えることができる。
塩素はたいてい、γ−ブチロラクトンに対して100〜150mol%、好ましくは110〜140mol%の量で使用する。特に好ましい実施形態においては、塩素をγ−ブチロラクトンに対して130mol%の量で使用する。
窒素洗浄、および/または水洗浄による精製も可能である。
蒸留は好ましくは減圧下、例えば1mbar、またはそれ未満の、好ましくは10-1mbar、またはそれ未満の、特に好ましくは10-2mbarの、またはそれ未満の絶対圧力下で行う。場合によっては生成物を複数回蒸留する。
水酸化バリウムによりα−クロロ−γ−ブチロラクトンを処理するための反応条件は、水酸化バリウムによりα−ブロム−γ−ブチロラクトンを処理するための反応条件と同様である。
本発明によるすべての方法は、様々なスケールで非連続的に、半連続的に、または連続的に実施することができる。例えば、非連続的な方法の場合は、バッチあたり1g〜1000トン、好ましくは100kg〜10トンの量で、もしくは連続的な方法の場合は、1時間あたり1g〜1000トン、好ましくは1時間あたり100kg〜10トンの処理量で生成物が生じる。特別な実施態様は、研究室スケール、工業専門学校スケール、パイロットプラントスケール、および生産スケールである。
非連続的な方法においては、使用物質を先の条件下で適切な容器に供給し、かつそこで反応させる。生じた生成物は、反応器内に残る。場合によっては、そこでさらに精製することができる。選択的には、他の適切な容器、例えば蒸留塔に移し、かつそこでさらに精製することができる。
連続的な方法においては、使用物質を先の条件下で適切な容器に供給し、かつそこで反応させる。生じた生成物をその間に反応器から除去し、かつ場合によってはさらに精製する。
半連続的な方法は、連続的な方法工程と、非連続的な方法工程とを含む。
本方法のための適切な容器は例えば、場合によっては被覆されているガラス、鋼、または特殊鋼であり得る。これらの容器は通常、このためにふさわしい撹拌手段、例えばマグネティックスターラー、またはアンカー型スターラーを有する。所望の場合は、容器を適切な方法で、例えば油浴、または電気的にもしくは水蒸気で稼働される加熱ジャケットによって加熱することができる。これらの容器は、反応において存在する温度条件と圧力条件に耐えられるように選択する。
精製は公知の方法、例えば蒸留によって行うことができる。場合によっては、反応しなかった出発生成物を、適切な箇所で工程に返送する。
本発明は、産業上重要なアミノ酸の一つである、D,L−2−ヒドロキシ−4−アルキルチオ酪酸、例えばMHAへの容易な接近を提供する。この際、割安で、容易に手に入り、かつ毒性のない出発物質であるγ−ブチロラクトンを使用することができ、このγ−ブチロラクトンを少ない方法工程で所望の目的生成物に反応させる。
以下の実施例において、本発明による方法をより詳しく説明する。この際実施例は、請求項と明細書をさらに実施するが、実施例はどのような形であれ、請求項と明細書を限定することはない。
A)D,L−2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸(MHA)の合成
α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンとナトリウムメチルチオラートNaSCH3を、20mlの溶媒(表1参照)に装入し、かつ数時間(反応時間)にわたって表1に記載した温度で加熱した。冷却後に溶媒を分離し、かつ残留物を1NのHCLに取った。この溶液をメチル−t−ブチルエーテルで抽出し、一つにまとめられた有機相をMgSO4によって乾燥させ、かつ乾燥するまで蒸発させる。
使用された量、反応時間、溶媒、および収率は、表1から読み取ることができる。
収率は、秤量により測定した。生成物の純度は、1H−NMRによって分析した。
Figure 2010501516
B)α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンの合成
試験8(本発明による):
30g(0.348mol)のγ−ブチロラクトンに、0℃でゆっくりと9.5g(0.035mol)のPBr3を加えた。その後、3時間にわたってゆっくりと71.9g(0.450mol)のBr2を滴下した。この溶液を6時間にわたって99℃で加熱した後、H2Oを添加し、かつ臭素の残分をわずかなNaHSO3溶液で還元した。これに220g(0.7mol)のBa(OH2)・8H2Oを添加し、かつこの溶液を15時間にわたり100℃で加熱した。バリウムを濃縮されたH2SO4で沈殿させ、この沈殿物を吸い取り、かつ溶液が乾燥するまで蒸発させた。この固体をエタノールに取り、かつ溶解しなかった部分を分離した。EtOHを除去し、かつ残っている固体を110℃(6・10-3mbar)で蒸留し、この際明らかな水の脱離が起こった。
得られた無色の油をもう一度蒸留して、8.2g(0.08mol、収率:23%)のD,L−α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが得られた。
試験9(本発明による)
28g(0.32mol)のγ−ブチロラクトンを装入した。この後、ゆっくりとした塩素ガス流を125〜140℃で装置により導入した。23g(0.32mol)の塩素が添加された後、装置を窒素で洗浄し、残りの塩素ガスを追い出した。冷却後、原料生成物をH2Oで洗浄し、かつ蒸留した。
得られたα−クロロブチロラクトンを、α−ブロムブチロラクトンを製造するための実施例において記載した方法に従ってMHAに変えた。
得られた無色の油を再蒸留して、7.1g(0.07mol)のD,L−α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンを得た(収率:22%)。

Claims (14)

  1. 式(I)
    Figure 2010501516
    [式中、RはC1〜C6−アルキルである]
    の少なくとも1の化合物を製造する方法において、
    式(II)
    Figure 2010501516
    の化合物と、少なくとも1のチオラート(RS)n
    [式中、Rは式(I)における意味を有し、かつ
    Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、Fe、および/またはZnであり、かつ
    Mがアルカリ金属である場合は、n=1であり、
    Mがアルカリ土類金属、および/またはZnである場合は、n=2であり、
    MがFeである場合は、n=2および/または3である]
    との反応を含むことを特徴とする、式(I)の少なくとも1の化合物を製造する方法。
  2. RがC1〜C4−アルキルである、請求項1に記載の方法。
  3. Rがメチルである、請求項2に記載の方法。
  4. MがLi、Na、および/またはKである、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. MがNaである、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 式(II)の化合物をエナンチオマー混合物、または純粋なエナンチオマーとして使用する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 式(II)の化合物をラセミ混合物として使用する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 反応を非プロトン性の極性溶媒中で行う、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 溶媒としてジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、またはこれらの混合物を使用する、請求項8に記載の方法。
  10. γ−ブチロラクトンを式(II)の化合物に反応させる、先行する方法工程を含む、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. 式(II)の化合物を製造する方法において、γ−ブチロラクトンをまず式(IV)
    Figure 2010501516
    [式中、Xはハロゲンである]
    の化合物に反応させ、かつ式(IV)の化合物を後続の部分工程において式(II)の化合物に反応させることを特徴とする、式(II)の化合物を製造する方法。
  12. γ−ブチロラクトンをまず式(IV)
    Figure 2010501516
    [式中、Xはハロゲンである]
    の化合物に反応させ、かつ式(IV)の化合物を後続の部分工程において式(II)の化合物に反応させることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. XがClである、請求項12または13に記載の方法。
  14. γ−ブチロラクトンの式(II)の化合物への反応を、請求項11から14までのいずれか1項に記載の方法に従って行う、請求項10に記載の方法。
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