JP2010200515A - 電動機の磁石温度推定装置 - Google Patents

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満博 正治
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Abstract

【課題】回転子の永久磁石温度を精度よく測定できる電動機の磁石温度測定装置、電動機の磁石温度測定方法及び電動機等のダメージを抑制できる電動機の保護装置を提供する。
【解決手段】永久磁石を有する回転子とコイルを有する固定子とを備えた電動機3の前記永久磁石の温度を推定する装置であって、前記固定子の温度を検出する温度検出手段と、前記固定子の温度を推定する固定子温度推定手段11と、前記温度検出手段により検出された前記固定子の実温度と、前記固定子温度推定手段により推定された前記固定子の推定温度との温度差を求め、当該温度差に基づいて前記固定子と前記回転子に共通する熱伝達経路の温度を補正する補正手段13と、前記補正手段により補正された前記熱伝達経路の温度に基づいて前記回転子の温度を推定する回転子温度推定手段11と、を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、磁石温度推定装置、電動機の磁石温度推定方法及び電動機の保護装置に関するものである。
回転子を構成する永久磁石の温度に応じたトルク指令値を演算し、このトルク指令値により電動機を制御する電動機の駆動制御装置が知られている(特許文献1)。この駆動制御装置では、固定子の実温度をサーミスタで測定し、この固定子の実温度を回転子の永久磁石温度として代用している。
特開平9−51700号公報
しかしながら、電気自動車やハイブリッド自動車に用いられる駆動用電動機においては、自動車の運転条件が多種多様であってその予測は困難である。したがって、固定子の実温度を回転子の永久磁石温度とみなしてトルク指令値を演算すると、得られるトルク指令値は不正確となる。
本発明が解決しようとする課題は、回転子の永久磁石温度を精度よく測定できる電動機の磁石温度測定装置、電動機の磁石温度測定方法及び電動機等のダメージを抑制できる電動機の保護装置を提供することである。
本発明は、固定子の実温度と推定温度との差異に基づいて、固定子と回転子に共通する熱伝達経路の温度を補正することによって上記課題を解決する。
本発明によれば、測定可能な固定子の実温度と推定温度との差異に基づいて固定子と回転子に共通する熱伝達経路の温度を補正し、測定不可能な回転子の実温度を、補正された熱伝達経路の温度に基づいて推定する。熱伝達経路の温度は補正されているので、これに基づいて推定された回転子の推定温度も正確になる。
本発明の一実施の形態を適用した電動機の駆動制御装置を示すブロック図である。 図1の駆動制御装置のうち磁石温度推定器の構成を示すブロック図である。 図2の磁石温度推定器にて実行される処理手順を示すフローチャートである。 空気層(ギャップ)の温度偏差に対する固定子の温度偏差及び回転子の温度偏差を示すグラフである。 本発明の他の実施の形態を適用した電動機の駆動制御装置のうち磁石温度推定器の構成を示すブロック図である。 本発明のさらに他の実施の形態を適用した電動機の駆動制御装置を示すブロック図である。 本発明のさらに他の実施の形態を適用した電動機の駆動制御装置を示すブロック図である。 本発明のさらに他の実施の形態を適用した電動機の保護装置の動作を示すフローチャートである。 本発明のさらに他の実施の形態を適用した電動機の保護装置の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1は本発明の一実施の形態を適用した電動機の駆動制御装置を示すブロック図であり、同図に示す電動機の駆動制御装置は、たとえば電気自動車に搭載されて三相交流電動機MをたとえばPWM電流制御で駆動するものである。
まず全体構成を説明すると、電流・電圧生成器7は、トルク指令値T[N・m]と、電動機3の回転子角速度(電気角)である回転数ω[rad/s]と、電源1の直流電圧Vdc[V]とから、交流電動機3のd軸およびq軸の電流目標値i [A],i [A]を予め設定された制御マップから求め、出力する。
電流ベクトル制御器6は、交流電動機3のd軸およびq軸について、下記数式1によりd軸電圧指令値ν 及びq軸電圧指令値ν を出力する。
Figure 2010200515
但し、上記数式1において、ν はd軸電圧指令値[V]、iはd軸電流値[A]、ν はq軸電圧指令値[V]、iはq軸電流値[A]、Kpdはd軸比例ゲイン、Kpqはq軸比例ゲイン、Kidはd軸積分ゲイン、Kiqはq軸積分ゲイン、sはラプラス演算子である。なお、非干渉制御を用いてもよい。
座標変換器(dq-三相変換器)5は、電流ベクトル制御器6により演算されたd軸電圧指令値ν 及びq軸電圧指令値ν を下記数式2により三相電圧指令値ν ,ν ,ν に変換する。
Figure 2010200515
但し、上記数式2において、ν はu相電圧指令値[V]、ν はv相電圧指令値[V]、ν はw相電圧指令値[V]、θは電動機Mの回転子位相(電気角)[rad]である。なお、θは遅れ補償をした値を用いてもよい。
PWM変換部4は、座標変換器5により演算された電圧指令値ν ,ν ,ν を下記数式3によりPWM信号D,D,Dに変換する。
Figure 2010200515
但し、上記数式3において、TはPWMキャリア周期[s]、Dはu相パルス幅[s]、Dはv相パルス幅[s]、Dはw相パルス幅[s]である。
またPWM変換器4は、インバータ2から電動機3へ出力されるu相電流値をi[A]、v相電流値をi[A]、w相電流値をi[A]としたときに、これら三相電流値(i,i,i)によって決まる補償値を予め設定された制御マップから求め、それぞれのパルス幅に加えたものを上記パルス幅D,D,Dとしている。
なお、三相電流値(i,i,i)は、d−q軸電流目標値を三相変換した三相電流目標値でもよいし、d−q軸電流目標値に電流応答相当のフィルタをかけたd−q軸電流推定値を三相変換した三相電流推定値でもよい。
この後、u相電圧値をν[V]、v相電圧値をν[V]、w相電圧値をν[V]としたときに、PWM指令(パルス幅)に従ってインバータを駆動することにより、電動機3に電圧ν,ν,νを印加して駆動する。
座標変換器(三相-dq変換器)8は、下記数式4によりインバータ2から電動機3に出力される三相電流値i,i,iをd−q軸電流値i,iに変換する。
Figure 2010200515
なお、インバータ2から電動機3に出力される三相電流値i[A],i[A],i[A]は電流センサにより検出することができ、電動機3の回転子位相(電気角)θ[rad]は、レゾルバやエンコーダなどの位置検出器により検出することができ、電動機3の回転子角速度(電気角)ω[rad/s]は、微分回路を有する速度演算器9にて上記θ[rad]を微分することにより演算で求めることができる。
ところで、交流電動機3に用いられる永久磁石は熱依存性があり、磁石温度の上昇とともに磁石磁束が低下する。したがって、磁石温度に応じた適切な電流振幅と電流位相を求める必要がある。しかしながら、回転子に永久磁石を用いた電動機ではサーミスタなどの温度センサにて実温度を直接測定することは甚だ困難である。
そこで、本例の電動機の駆動制御装置では、回転子の永久磁石の温度tM-estを推定する磁石温度推定器10を備え、この磁石温度tM-estに基づいて電流・電圧生成器7で最適な電流指令値i ,i に補正するようにしている。
図2は磁石温度推定器10の構成を示すブロック図である。
本例の磁石温度推定器10は、電動機内部温度推定器11と、加算器12,14と、空気温度修正器13とを備える。
電動機内部温度推定器11は、電動機3に流れるd軸及びq軸電流i,iと、回転速度ωと、回転子と固定子との間(ギャップ)の空気層の推定温度tA-estとを取り込んで、回転子と固定子それぞれの熱損失を求め、この熱損失に基づいて回転子の推定温度tM-estと固定子の推定温度tS-estとを演算する。なお、回転子と固定子それぞれの熱損失は、予め実験等により求め制御マップ化しておくか、或いは理論式を用いて演算により求めることができる。
加算器12は、電動機3の固定子に装着されたサーミスタなどの温度センサにより測定された固定子の実温度tと、電動機内部温度推定器11にて推定された固定子の推定温度tS-estとの温度差tS-err(=t−tS-est)を求める演算器であり、この差は空気温度修正器13へ出力される。
空気温度修正器13は、たとえばPI制御器であって、入力された固定子の実温度と固定子の推定温度との温度差tS-errに基づいて比例・積分制御によって空気層の推定温度tA-estの修正ΔtA-estを行う。
加算器14は、空気層の実温度tA-fastと、空気温度修正器13にて求められた温度の修正値ΔtA-estとを加算して空気層の推定温度tA-estとし、これを電動機内部温度推定器11に出力する。なお、空気層の実温度tA-fastは、制御の初期に上述した固定子に装着された温度センサ等によって実測することにより求められる。
以上の磁石温度推定器10の処理手順をまとめると以下のとおりである。
図3は磁石温度推定器10にて実行される処理手順を示すフローチャートである。まず、ステップS1にて、運転条件である電動機3に流れるd軸及びq軸電流i,iと、回転速度ωと、空気層の推定温度tA-estとを電動機内部温度推定器11に取り込む。
ステップS2では、ステップS1にて取り込んだ運転条件に基づいて回転子と固定子それぞれの熱損失を求め、ステップS3にて、この熱損失に基づいて固定子の推定温度tS-estを演算する。
ステップS4では、温度センサにより固定子の実温度tを取り込み、ステップS5にて、固定子の実温度tと、ステップS3にて推定された固定子の推定温度tS-estとの温度差tS-err(=t−tS-est)を求める。
ステップS6では、当該制御ルーチンが初回である場合はステップS7へ進み、温度センサにより空気層の実温度を取り込む。当該制御ルーチンが2回目移行である場合はステップS8へ進む。
ステップS8では、空気温度修正器13により、入力された固定子の実温度と固定子の推定温度との温度差tS-errに基づいて比例・積分制御によって空気層の推定温度tA-estの補正ΔtA-estを行う。なお、2回目以降の修正は、空気層の実温度を測定することなく偏差のみを用いて補正する。
ステップS9では、電動機内部温度推定器11に補正された空気層の温度を取り込み、先に入力された電動機3に流れるd軸及びq軸電流i,i及び回転速度ωとともに回転子の推定温度tM-estを演算する。
交流電動機3においては、回転子の永久磁石の温度は、当該回転子の損失による発熱と、熱伝達経路となる空気層(ギャップ)を媒介した固定子からの受熱または抜熱によって定まる。つまり、推定したい回転子の損失による発熱と同じぐらい、熱伝達経路である空気層からの受熱及び抜熱が重要である。
図4は、回転子と固定子との間の空気層(熱伝達経路)の温度偏差と、これに対する回転子及び固定子の温度偏差の関係を示すグラフであり、同一の駆動条件で空気層の温度のみを変化させた場合の回転子の磁石と固定子のコイルそれぞれの温度変化を解析した結果である。この結果から、空気層の温度は固定子のコイル温度及び回転子の磁石温度に対して十分な感度を有するといえる。
本例に係る磁石温度推定器10は、こうした空気層と固定子及び回転子との熱伝達関係に着目し、実測が可能な固定子の温度tと推定温度tS-estとの温度差tS-errを求め、この温度差は空気層の温度に原因があるものとして、この温度差から空気層の温度tA-estを補正する。そして、補正されてより正確になった空気層の温度tA-estに基づいて測定不可能な回転子の温度を推定するので、得られる回転子の推定温度tM-estの精度が向上する。
磁石温度推定器10から出力される回転子の推定温度tM-estは、図1に示すように電流・電圧生成器7に出力され、当該回転子の推定温度に応じて電流指令値i ,i を補正するので、トルク指令値Tに応じた最適な電流指令値i ,i とすることができる。
《第2実施形態》
図5は、本発明の他の実施の形態を適用した電動機の駆動制御装置のうち磁石温度推定器の構成を示すブロック図である。本例の電動機の駆動制御装置は磁石温度推定器10の内部構成が異なり、それ以外は図1に示す構成と同一であるのでここにその説明を援用する。
本例の磁石温度推定器10は、電動機内部温度推定器11と、加算器12と、空気温度推定器15とを備える。
電動機内部温度推定器11は、電動機3に流れるd軸及びq軸電流i,iと、回転速度ωと、回転子と固定子との間(ギャップ)の空気層の推定温度tA-estとを取り込んで、回転子と固定子それぞれの熱損失を求め、この熱損失に基づいて回転子の推定温度tM-estと固定子の推定温度tS-estとを演算する。なお、回転子と固定子それぞれの熱損失は、上述したように予め実験等により求め制御マップ化しておくか、或いは理論式を用いて演算により求めることができる。
加算器12は、電動機3の固定子に装着されたサーミスタなどの温度センサにより測定された固定子の実温度tと、電動機内部温度推定器11にて推定された固定子の推定温度tS-estとの温度差tS-err(=t−tS-est)を求める演算器であり、この差は空気温度推定器15へ出力される。
空気温度推定器15は、入力された固定子の実温度と固定子の推定温度との温度差tS-errに基づいて、予め設定された制御マップまたは演算式によって空気層の推定温度tA-estを演算する。
電動機内部温度推定器11は、空気温度推定器15により推定された空気層の推定温度tA-estを用いて回転子の推定温度tM-estを演算する。
図4に示すとおり、空気層の温度は固定子の温度及び回転子の磁石温度に対して十分な感度を有するので、固定子の実温度と推定温度との温度差は空気層の温度に原因があるものとみなすことができる。
したがって、固定子の実温度と推定温度との温度差に応じて空気層の温度tA-estを推定し、正確に推定された空気層の温度tA-estに基づいて測定不可能な回転子の温度を推定することで、得られる回転子の推定温度tM-estの精度が向上する。
また、磁石温度推定器10から出力される回転子の推定温度tM-estは、図1に示すように電流・電圧生成器7に出力され、当該回転子の推定温度に応じて電流指令値i ,i を補正するので、トルク指令値Tに応じた最適な電流指令値i ,i とすることができる。
《第3実施形態》
図7は、本発明のさらに他の実施の形態を適用した電動機の駆動制御装置を示すブロック図である。図1及び図2に示す第1実施形態では、磁石温度推定器10の電動機内部温度推定器11に入力される運転条件を、電動機3に流れるd軸及びq軸電流i,iと、回転速度ωと、回転子と固定子との間(ギャップ)の空気層の推定温度tA-estとしたが、本例では実際の回転速度ωに代えて回転速度指令値ωとした点が相違する。
磁石温度推定器10に回転速度指令値ωを用いることで実際の回転速度ωに生じるノイズの影響を抑制することができる。
図8は、本発明のさらに他の実施の形態を適用した電動機の駆動制御装置を示すブロック図である。図1及び図2に示す第1実施形態では、磁石温度推定器10の電動機内部温度推定器11に入力される運転条件を、電動機3に流れるd軸及びq軸電流i,iと、回転速度ωと、回転子と固定子との間(ギャップ)の空気層の推定温度tA-estとしたが、本例では実際の回転速度ωに代えて回転速度指令値ωとし、実際のd軸及びq軸電流i,iに代えてトルク指令値Tとした点が相違する。
磁石温度推定器10に回転速度指令値ωやトルク指令値Tを用いることで、実際の回転速度ωやd軸及びq軸電流i,iに生じるノイズの影響を抑制することができる。
《第4実施形態》
図8は、本発明の一実施の形態を適用した電動機の保護装置の動作を示すフローチャートである。ハードウェア構成としては図1に示す電動機の駆動制御装置と同じであって、たとえば図1の電流・電圧生成器7に、電動機の高温減磁保護機能を付与する。
ステップS1では、第1〜第3実施形態にて説明した回転子の磁石温度の推定手法を用いて磁石温度を推定する。ここではこの推定温度をTmagとする。
ステップS2では、磁石の推定温度Tmagが第1閾値温度T1より大きいか否かを判定し、第1閾値温度T1より大きい場合はステップS3へ進み、d軸及びq軸電流指令値を調整して弱め界磁電流制限(モータに供給する電流の位相を誘起電圧に対し進み位相にすること)を行う。
ステップS4では、磁石の推定温度Tmagが、ステップS2の第1閾値温度T1より高い第2閾値温度T2より大きいか否かを判定し、第2閾値温度T2より大きい場合はステップS5へ進み、d軸及びq軸電流指令値をさらに調整して強め界磁電流制限を行う。
ステップS6では、磁石の推定温度Tmagが、ステップS4の第2閾値温度T2より高い第3閾値温度T3より大きいか否かを判定し、第3閾値温度T3より大きい場合はステップS7へ進み、d軸及びq軸電流指令値をさらに調整して出力制限を行う。
ステップS8では、磁石の推定温度Tmagが、ステップS6の第3閾値温度T3より高い第4閾値温度T4より大きいか否かを判定し、第4閾値温度T4より大きい場合はステップS9へ進み、フェイル信号を発信し、d軸及びq軸電流指令値をゼロにして電動機を停止させる。
なお、ステップS2,S4,S6,S8においてNoの場合はステップS1へ戻り処理を繰り返す。
このように、推定された回転子の磁石温度に応じて電動機の界磁電流の制限を行うとともに磁石温度が高温になると出力制限や電動機の停止を行うことで、より確実に電動機を保護することができる。
《第5実施形態》
図9は、本発明の一実施の形態を適用した電動機の保護装置の動作を示すフローチャートである。ハードウェア構成としては図1に示す電動機の駆動制御装置と同じであって、たとえば図1の電流・電圧生成器7に、低温時のインバータの保護機能を付与する。
ステップS1では、第1〜第3実施形態にて説明した回転子の磁石温度の推定手法を用いて磁石温度を推定する。ここではこの推定温度をTmagとする。
ステップS2では、回転速度ωを検出し、磁石の推定温度から演算される磁石磁束と前記回転速度から誘起電圧V0を演算する。
ステップS3では、磁石の推定温度Tmagが第5閾値温度T5より小さいか否か及び誘起電圧V0が閾値誘起電圧V1より大きいか否かを判定し、磁石温度が第5閾値温度T5より小さく、かつ誘起電圧V0が閾値誘起電圧V1より大きい場合はステップS4へ進み、d軸及びq軸電流指令値を調整して弱め界磁電流制限を行う。
ステップS5では、磁石の推定温度Tmagが、ステップS3の第5閾値温度T5より低い第6閾値温度T6より大きいか否か及び誘起電圧V0が閾値誘起電圧V1より大きいか否かを判定し、磁石温度が第6閾値温度T6より小さく、かつ誘起電圧V0が閾値誘起電圧V1より大きい場合はステップS6へ進み、高周波電流を流す。
高周波電流としては、電流を任意の周期で変動させるか、又は高周波の電流制御系を設けるか、又は制御周期を遅くするか、又はデッドタイム補償の高周波抑制を停止させるかなどにより行うことができる。
これにより磁石付近に損失が発生するので磁石が加熱され誘起電圧を低減することができる。
ステップS7では、磁石の推定温度Tmagが、ステップS5の第6閾値温度T6より低い第7閾値温度T7より小さいか否か及び誘起電圧V0が閾値誘起電圧V1より大きいか否かを判定し、磁石温度が第7閾値温度T7より小さく、かつ誘起電圧V0が閾値誘起電圧V1より大きい場合はステップS8へ進み、d軸及びq軸電流指令値をさらに調整して出力制限を行う。
なお、ステップS3,S5,S7においてNoの場合はステップS1へ戻り処理を繰り返す。なお、図示は省略するが、ステップS7の第7閾値温度T7より高い第8閾値温度を超えた場合は、電動機を停止させる等の処理を実行することもできる。
磁石温度が低いほど誘起電圧が高くなるので、トルク指令値に対して磁石温度が低いほど電圧指令値が高くなってインバータに負荷がかかる。本例では、推定された回転子の磁石温度(低温側)及び誘起電圧に応じて電動機の界磁電流の制限を行うとともに磁石温度が低温になると高周波電流を印加して加熱し、または出力制限や電動機の停止を行うことで、より確実にインバータを保護することができる。
なお、本例の固定子の実温度を検出する温度センサが本発明の温度検出手段に相当し、本例の電動機内部温度推定器11が本発明の固定子温度推定手段及び回転子温度推定手段に相当し、本例の加算器12,14及び空気温度修正器13または空気温度推定器15が本発明の補正手段に相当し、本例の電流・電圧生成器7が本発明の制御手段に相当する。
M…電動機
1…直流電源
2…インバータ
3…交流電動機
4…PWM変換器
5…座標変換器
6…電流ベクトル制御器
7…電流・電圧生成器
8…座標変換器
9…速度演算器
10…磁石温度推定器
11…電動機内部温度推定器
13…空気温度修正器
12,14…加算器
15…空気温度推定器

Claims (9)

  1. 永久磁石を有する回転子とコイルを有する固定子とを備えた電動機の前記永久磁石の温度を推定する装置であって、
    前記固定子の温度を検出する温度検出手段と、
    前記固定子の温度を推定する固定子温度推定手段と、
    前記温度検出手段により検出された前記固定子の実温度と、前記固定子温度推定手段により推定された前記固定子の推定温度との温度差を求め、当該温度差に基づいて前記固定子と前記回転子に共通する熱伝達経路の温度を補正する補正手段と、
    前記補正手段により補正された前記熱伝達経路の温度に基づいて前記回転子の温度を推定する回転子温度推定手段と、を備えることを特徴とする電動機の磁石温度推定装置。
  2. 請求項1に記載の電動機の磁石温度推定装置において、
    前記熱伝達経路は、前記固定子と前記回転子とのギャップの空気層であることを特徴とする電動機の磁石温度推定装置。
  3. 請求項2に記載の電動機の磁石温度推定装置において、
    前記補正手段は、前記温度差の時間的偏差を前記空気層の実温度に加算して前記空気層の温度を補正することを特徴とする電動機の磁石温度推定装置。
  4. 請求項2に記載の電動機の磁石温度推定装置において、
    前記補正手段は、予め測定された空気層の温度に対する固定子の温度の関係と、前記温度差及び前記固定子の実温度とから、前記空気層の温度を補正することを特徴とする電動機の磁石温度推定装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動機の磁石温度推定装置において、
    前記固定子温度推定手段は、前記電動機に流れる電流値及び前記電動機の回転速度、前記電動機に対するトルク指令値及び前記電動機の回転速度、又は前記電動機に対するトルク指令値及び前記電動機に対する回転速度指令値のいずれかに基づいて前記固定子の温度を推定することを特徴とする電動機の磁石温度推定装置。
  6. 請求項5に記載の電動機の磁石温度推定装置において、
    前記回転子温度推定手段は、前記電動機に流れる電流値及び前記電動機の回転速度、前記電動機に対するトルク指令値及び前記電動機の回転速度、又は前記電動機に対するトルク指令値及び前記電動機に対する回転速度指令値のいずれかと、前記補正された熱伝達経路の温度に基づいて前記回転子の温度を推定することを特徴とする電動機の磁石温度推定装置。
  7. 永久磁石を有する回転子とコイルを有する固定子とを備えた電動機の前記永久磁石の温度を推定する方法であって、
    前記固定子の温度を検出するステップと、
    前記固定子の温度を推定するステップと、
    前記検出された固定子の実温度と、前記推定された固定子の推定温度との温度差を求めるステップと、
    前記温度差に基づいて前記固定子と前記回転子に共通する熱伝達経路の温度を補正するステップと、
    前記補正された熱伝達経路の温度に基づいて前記回転子の温度を推定するステップと、を備えることを特徴とする電動機の磁石温度推定方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電動機の磁石温度推定装置と、
    前記磁石温度推定装置により推定された前記回転子の推定温度が所定温度以上である場合は前記電動機への界磁電流を制限する制御手段と、を備えることを特徴とする電動機の保護装置。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電動機の磁石温度推定装置と、
    前記磁石温度推定装置により推定された前記回転子の推定温度から電動機の誘起電圧を算出する誘起電圧算出手段と、
    前記推定温度が所定温度以下であり前記誘起電圧が所定値より大きい場合は界磁電流を制限する制御手段と、を備えることを特徴とする電動機の保護装置。
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