JP2010191612A - タイヤモデルの作成方法及びタイヤのシミュレーション方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤモデルを精度良く作成する。
【解決手段】金型にて成形される加硫タイヤの性能を、コンピュータを用いて数値計算して評価するためのタイヤモデルを作成する方法であって、前記金型内でのタイヤ断面形状を定めるステップS1、前記断面形状に基づいて初期タイヤモデルを作成するステップS2、及び前記初期タイヤモデルに、加硫温度から常温までの温度低下に伴う熱収縮条件を与えて変形させることによりタイヤモデルを得る変形ステップS3を含むことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、有限要素法を用いたタイヤのコンピュータシミュレーションに用いられるタイヤモデルの作成方法及びタイヤのシミュレーション方法に関する。
近年、有限要素法を用いてタイヤの諸性能を解析するコンピュータシミュレーションが種々行われている(例えば下記特許文献1ないし3参照)。
このシミュレーションでは、先ず、評価しようとするタイヤを有限個の要素で分割してタイヤモデル(「有限要素モデル」又は「メッシュモデル」とも呼ばれる。)が作成される。次に、このタイヤモデルの各要素に種々の材料特性が定義される。そして、該タイヤモデルに、例えば実際の走行状態に近似した種々の条件を与え、そのときのタイヤモデルの変形状態や反力等の各種の物理量が計算される。従って、これらの物理量を評価することにより、実際にタイヤを試作しなくても、その性能を大凡把握することができる。
特許第3314082号公報 特許第3498064号公報 特開2006−123644号公報
ところで、従来のタイヤモデルは、多くの場合、タイヤを加硫成形する金型(金型図面)を基にしてその横断面形状が決定されている。即ち、従来のタイヤモデルの断面形状は、金型内で拘束された状態でのタイヤ断面形状に基づいている。
しかしながら、加硫時、タイヤの温度は約140〜180℃程度まで上昇する一方、金型から取り出された後は最終的に常温まで冷却される。このため、タイヤを構成するゴム材及び/又は繊維コード材に収縮が生じ、ひいてはタイヤの断面形状は、金型内で拘束された状態とは異なったものになる。つまり、従来のシミュレーションで用いられるタイヤモデルの断面形状は、実際のタイヤの断面形状と異なっている。そして、この形状の差異がシミュレーションの計算結果に誤差となって表れ、シミュレーション精度を低下させるという問題があった。
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、金型の断面形状に基づいて初期タイヤモデルを作成し、この初期タイヤモデルを、加硫温度から常温までの温度低下に伴う熱収縮条件を与えて変形させることを基本として、実際のタイヤの断面形状とタイヤモデルの断面形状とをより近似させて精度の良いシミュレーションを行うのに役立つタイヤモデルの作成方法及びシミュレーション方法を提案することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、金型にて加硫成形されるタイヤの性能を、コンピュータを用いて数値計算して評価するためのタイヤモデルを作成する方法であって、前記金型内でのタイヤ断面形状を定めるステップ、前記断面形状に基づいて初期タイヤモデルを作成するステップ、及び前記初期タイヤモデルに、加硫温度から常温までの温度低下に伴う熱収縮条件を与えて変形させることにより収縮タイヤモデルを得る変形ステップを含むことを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記初期タイヤモデルは、ゴムをモデル化したゴム要素を含むとともに、前記変形ステップにおいて、前記ゴム要素は、体積が等方収縮する請求項1記載のタイヤモデルの作成方法である。
また請求項3記載の発明は、前記初期タイヤモデルは、繊維コードをモデル化した繊維材要素を含み、前記変形ステップにおいて、前記繊維材要素は、繊維コードの長手方向に沿って収縮する請求項1又は2記載のタイヤモデルの作成方法である。
また請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかの作成方法により得られた収縮タイヤモデルに予め定めた条件を適用して変形させ、少なくとも一つの物理量を取得することを特徴とするタイヤのシミュレーション方法である。
請求項1に係る発明によれば、先ず、金型内でのタイヤ断面形状に基づいて初期タイヤモデルが作成される。次に、この初期タイヤモデルに加硫温度から常温までの温度低下に伴う熱収縮条件を与えかつ変形させることにより収縮タイヤモデルが得られる。従って、加硫後のタイヤの熱収縮変形による断面形状の変化が、収縮タイヤモデルの中に取り込まれて反映される。よって、実際のタイヤの断面形状により近似させた収縮タイヤモデルを得ることができる。
また、請求項2記載の発明のように、変形ステップは、ゴム要素の体積を収縮させることや、請求項3記載の発明のように、繊維材要素を繊維コードの長手方向に沿って収縮させる処理を含ませることにより、より正確な熱収縮変形をタイヤモデルの中に取り込み、さらに実際のタイヤ断面に近づけることができる。
さらに請求項4記載の発明のように、請求項1乃至3のいずれかの作成方法により得られた収縮タイヤモデルに境界条件を適用して少なくとも一つの物理量を取得することにより、精度の良いシミュレーション結果を得ることができる。
本実施形態のシミュレーション方法を実施するためのコンピュータ装置の構成図である。 本実施形態のタイヤモデルの作成方法及びシミュレーション方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 金型内でのタイヤ断面形状を示すタイヤの子午線断面図である。 図3のタイヤ断面形状に基づいて設定された初期タイヤモデルを視覚化して示す断面図である。 収縮タイヤモデルを視覚化した断面図である。 熱収縮により初期タイヤモデルを変形させるステップの処理手順の一例を示すフローチャートである。 リム組み、内圧を負荷した変形計算を説明する断面図である。 接地形状シミュレーションの結果を視覚化した線図であり、(a)は従来例、(b)は実施例の結果を示す。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1には、本発明を実施するためのコンピュータ装置1が示されている。このコンピュータ装置1は、本体1aと、入力手段としてのキーボード1b、マウス1cと、出力手段としてのディスプレイ装置1dとを含んで構成されている。本体1aには、演算処理装置(CPU)、作業用メモリー及び磁気ディスクの他、CD−ROMやフレキシブルディスクのドライブ1a1、1a2などを適宜具えている。そして、前記磁気ディスクにはタイヤの本発明に係る方法を実行するためのプログラムが記憶されている。
図2には、本発明の実施形態として、接地形状の最適化に好適なタイヤのシミュレーション方法の処理手順の一例が示される。
本実施形態では、先ず、金型・タイヤ構造設計が行われる(ステップS1)。このステップでは、図3に示されるように、金型によって加硫成形される空気入りタイヤ2の少なくとも断面形状(つまり熱収縮前の断面形状)及びその内部構造が設定(設計)される。この作業は、例えば、前記コンピュータ装置1とCADソフトウエア等とを用いて設計者により行われる。
前記空気入りタイヤ2は、例えばトレッド部3と、その両側からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部4と、各サイドウォール部4の内方に設けられかつビードコア6が埋設されたビード部5とを有する。また、空気入りタイヤ2は、一対のビードコア6、6間を跨ってのびるカーカスコードの層からなるカーカス7と、そのタイヤ半径方向外側かつトレッド部3の内部に配置された金属コードの層からなるベルト層8とを具える。さらに、トレッド部2において、前記ベルト層8のタイヤ半径方向外側には、路面と接地し、かつ、複数本の溝gが凹設されたトレッドゴムTgが配される。また、サイドウォール部4において、カーカス7のタイヤ軸方向外側にはサイドウォールゴムSgが配される。
この金型・タイヤ構造設計により、金型内での二次元のタイヤ断面形状が定められる。また、前記カーカス7やベルト層8に用いられる繊維コード材、それらのコード角度及びトレッドゴムTgのゴム材料等の各種の構造材の詳細な仕様が決定される。
次に、上記のステップで設定された金型内でのタイヤ断面形状に基づいて、本実施形態では図4に視覚化して示されるように、有限個の要素eからなる二次元の初期タイヤモデル10が設定される(ステップS2)。このようなモデルの設定(モデリング)は、例えば、ステップS1で設定されたタイヤ断面形状の設計データ(例えばCADデータ)と、メッシュ化ソフトウエアとを用いることにより、容易に行うことができる。
上記「基づいて」とは、初期タイヤモデル10は、金型内でのタイヤ断面形状と厳密に一致している必要はなく、タイヤの走行性能に影響を及ぼさない細部(例えばサイドウォール部のレタリングや模様等)については、適宜簡略化又は省略されて初期タイヤモデル10が作成されても良いことを意味する。
前記初期タイヤモデル10は、前記コンピュータ装置1で数値解析が可能な有限個の要素e(数値データ)からなる。数値解析が可能とは、例えば有限要素法、有限体積法、差分法又は境界要素法といった数値解析法に従って計算が可能なことを意味する。具体的には、各要素e…について、節点座標値、形状、材料特性(例えば密度、弾性率、損失正接又は減衰係数)等が数値データとして定義される。これらの要素eは、コンピュータ装置1に記憶され、数値解析ソフトウエアを用いて計算及び視覚化される。
また、初期タイヤモデル10は、トレッドゴムTgをモデル化したトレッドゴムモデル部11と、サイドウォールゴムSgをモデル化したサイドウォールゴムモデル部12と、前記カーカス7をモデル化したカーカスモデル部13と、ベルト層8をモデル化したベルトモデル部14と、ビードコア6をモデル化したビードコアモデル部15とを含んでいる。各モデル部は、それぞれ、節点を有する要素eの集合体で構成される。要素eは、例えば面積を有する3ないし4節点要素及びコード材等を表す2節点要素(シェル要素などの断面を表す)など種々のものが採用される。
次に、本実施形態では、上記初期タイヤモデル10に、熱収縮条件を与えて変形させることにより、図5に視覚化して示されるように、二次元の収縮タイヤモデル20が設定される(ステップS3)。従って、加硫された後のタイヤの熱収縮変形による断面形状の変化が、収縮タイヤモデル20の中に取り込まれ、その断面形状に反映される。つまり、収縮タイヤモデル20は、実際のタイヤの断面形状により近似したものとして得られる。図4と図5との比較から明らかなように、収縮タイヤモデル20は、初期タイヤモデル10に比べると、カーカスコードの収縮に伴ってトレッドショルダー部が大きく肩落ち変形していることが分かる。
この初期タイヤモデルに熱収縮条件を与えて変形させるステップの一例は、図6に示される。本実施形態においては、先ず、コンピュータ装置1により、初期タイヤモデル10の各要素eの温度が、予め定められた加硫時の温度に設定される(ステップS31)。数値計算上においては、全ての要素eの節点に、加硫時温度が定義される。この加硫時の温度は、設計しようとするタイヤの加硫条件に基づいて任意に定めることができるが、概ね140〜180℃である。
次に、コンピュータ装置1により、各要素eの温度を低下させる処理が行われる(ステップS32)。例えば、予め温度変化減分を決定しておき、上記加硫時の温度からこの減分を差し引くことにより、各要素eの温度を低下させることができる。なお、この温度変化減分も任意に定めることができ、また減分に変えて減少率などを乗じて温度を低下させることもできる。
次に、コンピュータ装置1により、温度低下による各要素の収縮力が計算される(ステップS33)。この熱収縮力は、熱膨張率から計算される収縮率に基づいて計算される。例えば、トレッドゴムモデル部11やサイドウォールゴムモデル部12に含まれるゴム要素については、等方性の膨張率が予め定義される、従って、この変形ステップにおいて、ゴム要素は、温度低下による収縮時、方向に依存することなく体積が等方収縮する。他方、カーカスモデル部13やベルトモデル部14などを構成する繊維材要素は、前記コードの長手方向に沿った異方性の膨張率が予め定義される、従って、この変形ステップにおいて、繊維材要素は、前記コードの長手方向に沿って収縮する。
次に、コンピュータ装置1により、各要素の剛性と各要素の収縮率とを用いて、これらが釣り合うように各要素の節点の変位量が計算される(ステップS35)。これにより、前記温度変化減分にて温度が低下したときの初期タイヤモデルの各節点位置が設定され、各座標値が記憶される(ステップS35)。
次に、コンピュータ装置1が、現在のタイヤモデルの各節点の温度が常温か否かを判断し(ステップS36)、その結果が否定的である場合には、ステップS32以降が、各要素の温度が常温になるまで繰り返される。他方、ステップS36の結果が肯定的である場合には、ステップS4へと戻る。なお、このような図6の一連の処理は、各種のソフトウエアを利用して行うことができ、例えば、解析アプリケーションソフト(「ABAQUS」)等)を用いて行われる。
次に、得られた二次元の収縮タイヤモデル20に、リム及び内圧に関する条件を適用して変形計算が行われる(ステップS4)。つまり、実際のタイヤをリムに組み込んで空気圧を充填した無負荷の状態を収縮タイヤモデル20で再現する。
リムに関する条件としては、図7に示されるように、収縮タイヤモデル20のリム接触領域B、Bを変位不能に拘束するとともに、該リム接触領域Bを装着されるリムサイズに応じた幅Wに変形させる条件が設定される。また、収縮タイヤモデル20の仮想の回転軸(以下、単に「回転軸」という。)CLは、前記リム接触領域Bとの相対距離rが常に一定となるよう連結固定される。
また空気圧に関する条件として、図7に示されるように、収縮タイヤモデル20の内腔面の全域に、例えば規格で定められた最大の空気圧に相当する等分布荷重wが設定される。
そして、これらの条件の下で収縮タイヤモデル20の釣り合い計算を行うことにより、該収縮タイヤモデル20がリムに組み込まれて空気圧が充填されたときの各節点の変位が計算される。
次に、本実施形態では、上記で得られた二次元の収縮タイヤモデル20を三次元に展開する処理が行われる(ステップS5)。具体的には、上記収縮タイヤモデル20の各節点を所定の角度ピッチでタイヤ周方向に連続複写し、タイヤ周方向で隣り合う節点間を相互に連結することにより二次元要素を平面乃至立体的に再要素化(リメッシュ化)することにより、三次元の収縮タイヤモデル20を得ることができる。
例えば、トレッドゴムモデル部11などを構成するゴム要素e1は、三次元のソリッド要素にリメッシュ化される。同様に、カーカス7やベルト層8などを構成する繊維材要素については三次元のソリッド要素又は平面要素としてモデル化できる。なお、これらの繊維材要素については、コードの長手方向に沿った強度異方性が定義されたシェル要素などが用いられる。
また、二次元の収縮タイヤモデル20を三次元に展開する際の前記角度ピッチは、特に限定はされないが、大きすぎると後述する変形計算を行う際に計算精度が低下し、逆に小さすぎても変形計算に多くの時間を要するため実用的ではない。このような観点より、前記角度ピッチは、好ましくは0.1度以上、より好ましくは0.25度以上が望ましく、また、好ましくは2度以下、より好ましくは1度以下が望ましい。
以上のように、本実施形態の作成方法では、三次元の初期タイヤモデル10を熱収縮変形させるのではなく、二次元の初期タイヤモデル10を熱収縮変形させて収縮タイヤモデル20を先に得て、この二次元の収縮タイヤモデル20をタイヤ周方向に単純に展開して三次元の収縮タイヤモデル20が設定される。このような方法は、3次元の初期タイヤモデルを熱収縮変形させる場合に比して、大幅に計算量を減らすことができ、短時間で三次元の収縮タイヤモデル20が得られる点で望ましい。なお、空気入りタイヤ2のトレッド部3には、金属コードのベルト層8が設けられているので、本実施形態のように収縮させても、大きな誤差は生じないことが種々の実験の結果判明している。
次に、本実施形態では、上記で得られた三次元の収縮タイヤモデル20に荷重を負荷しその接地形状が計算される(ステップS6)。この接地形状の計算に際して、設定される条件としては、負荷される垂直荷重及び路面に関する条件等が挙げられる。
また垂直荷重に関する条件として、図7に示したように、収縮タイヤモデル20の回転軸CLを垂直下方に押し下げる荷重Fの値が設定される。この垂直荷重の値は、任意に定めうるが、例えば当該収縮タイヤモデル20の基礎となったタイヤ2の規格最大荷重などが用いられる。また、路面に関する条件としては、平面、凹凸面、軟弱路面など、知りたい実路面状況に応じたものが設定される。
上述の条件が設定されると、収縮タイヤモデル20の変形計算が開始される。本実施形態では、路面に収縮タイヤモデル20を静的に接地させてその接地形状(節点の変位)が計算される。また、本実施形態では、路面は変位しないものとし、収縮タイヤモデル20との間には所定の摩擦係数を与えている。この接地形状の計算は、例えば汎用の有限要素解析アプリケーションソフトウエア(例えば米国リバモア・ソフトウエア・テクノロジー(LSTC)社製のアプリケーションソフト「LS−DYNA」など)を用いて行われる。
図8(a)には、収縮タイヤモデル20から得られた接地形状が実施例として示される。また、比較のために、図8(b)には、同一の条件における初期タイヤモデル10(熱収縮前)の接地形状が従来例として示される。
図8(a)、(b)を比較すると、実施例の接地形状は、タイヤ周方向長さとタイヤ軸方向長さとがほぼ同一であり、かつ、滑らかな耐摩耗性に優れた接地輪郭形状となっている。これに対して、従来例の接地形状は、収縮タイヤモデル20に比べると、トレッドショルダー部が怒り肩になっているため、接地形状において、タイヤ周方向長さよりもタイヤ軸方向長さが大きく、角張った輪郭形状となっている。このような接地形状の差異は、熱収縮後のタイヤ断面形状の変化に起因したものである。実施例のものが、金型・構造設計のタイヤにより近いものとなっていることは、他の実験によっても確かめられている。従って、本発明によれば、設計者らは、正確な接地形状に基づいて種々タイヤの性能について、より評価、開発が可能となる。
次に、本実施形態では、収縮タイヤモデル20から得られた接地形状が、開発の目標に達成し得たか否かが判断される(ステップS7)。この判断は、コンピュータ装置1又は作業者(人間)により行うことができる。もし、目標に達成できていないと判断された場合(ステップS7でN)、再度ステップS1以降が繰り返される。即ち、金型・構造設計ステップS1において、例えばカーカス7のプロファイル形状、ベルト層の幅寸法ないし剛性、トレッド表面の曲率半径、接地端のプロファイル形状、コード材料又はゴム材の弾性率などの少なくとも1以上が変更される。
一方、接地形状が目標達成できていると判断された場合(ステップS7でY)、処理を終え、例えば金型・構造設計で得られた各部の寸法、材料特性、トレッドパターンなどを用いて製品タイヤの設計が迅速に行われる。
本発明は、タイヤを設計ないし開発する際のタイヤのシミュレーション方法に好適に利用することができる。
1 コンピュータ装置
2 空気入りタイヤ
10 初期タイヤモデル
20 収縮タイヤモデル
e 要素
e1 ゴム要素
e2 繊維材要素

Claims (4)

  1. 金型にて加硫成形されたタイヤの性能を、コンピュータを用いて数値計算して評価するためのタイヤモデルを作成する方法であって、
    前記金型内でのタイヤ断面形状を定めるステップ、
    前記断面形状に基づいて初期タイヤモデルを作成するステップ、及び
    前記初期タイヤモデルに、加硫温度から常温までの温度低下に伴う熱収縮条件を与えて変形させることにより収縮タイヤモデルを得る変形ステップを含むことを特徴とするタイヤモデルの作成方法。
  2. 前記初期タイヤモデルは、ゴムをモデル化したゴム要素を含むとともに、
    前記変形ステップにおいて、前記ゴム要素は、体積が等方収縮する請求項1記載のタイヤモデルの作成方法。
  3. 前記初期タイヤモデルは、繊維コードをモデル化した繊維材要素を含み、
    前記変形ステップにおいて、前記繊維材要素は、繊維コードの長手方向に沿って収縮する請求項1又は2記載のタイヤモデルの作成方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかの作成方法により得られた収縮タイヤモデルに予め定めた条件を適用して変形させ、少なくとも一つの物理量を取得することを特徴とするタイヤのシミュレーション方法。
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