JP2010163406A - (メタ)アクリル酸エステルの製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記式(1)MaXb(1)(式中、Mは周期表第4族〜第12族元素などを示し、Xはハロゲン原子又はSO4を示す。a及びbは、それぞれ、1以上の整数を示す)で表される化合物で構成される触媒の存在下、3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンなどと(メタ)アクリル酸無水物等の酸無水物とを反応させる。
【選択図】なし
Description
MaXb (1)
(式中、Mは周期表第4族〜第12族元素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン及びビスマスから選ばれた元素を示し、Xはハロゲン原子又はSO4を示す。a及びbは、それぞれ、1以上の整数を示す)
で表される化合物で構成される触媒の存在下、下記式(2)、(3)、(4)又は(5)
で表されるアルコール(A)と、(メタ)アクリル酸無水物(B1)、及び(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸以外のカルボン酸との無水物(B2)から選ばれる少なくとも1種の酸無水物(B)とを反応させて、対応する(メタ)アクリル酸エステルを得ることを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造法を提供する。
MaXb (1)
(式中、Mは周期表第4族〜第12族元素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン及びビスマスから選ばれた元素を示し、Xはハロゲン原子又はSO4を示す。a及びbは、それぞれ、1以上の整数を示す)
で表される化合物で構成され、下記式(2)、(3)、(4)又は(5)
で表されるアルコール(A)と、(メタ)アクリル酸無水物(B1)、及び(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸以外のカルボン酸との無水物(B2)から選ばれる少なくとも1種の酸無水物(B)とから、対応する(メタ)アクリル酸エステルを得るために用いられる(メタ)アクリル酸エステル製造用触媒を提供する。
本発明における触媒は前記式(1)で表される化合物で構成される。式(1)中、Mは周期表第4族〜第12族元素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン及びビスマスから選ばれた元素を示し、Xはハロゲン原子又はSO4を示す。a及びbは、それぞれ、1以上の整数を示す。
本発明の製造法で用いられるアルコール(A)は、前記式(2)、(3)、(4)又は(5)で表される化合物である。式中、R1は水素原子、又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。R2、R3、R4は、それぞれ、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を示す。Z1、Z2は、それぞれ、環内にエーテル結合、エステル結合を有していてもよい単環又は多環の非芳香族性環式基を示す。Aは連結基を示す。kは0又は1、mは0〜3の整数、nは0〜3の整数、pは1〜3の整数を示す。式(2)中のラクトン環、式(3)中の環状エーテルを構成する環、式(4)中の環Z1、式(5)中の環Z2は、置換基を有していてもよい。
本発明の製造法で用いられる酸無水物(B)は、(メタ)アクリル酸無水物(B1)、及び(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸以外のカルボン酸との無水物(B2)から選ばれる少なくとも1種である。
撹拌機、温度計、ジムロート冷却菅、滴下ロートを備えたガラス製のフラスコに、トルエン5.55g、塩化鉄(III)0.12g(0.7mmol)、BBMS{4,4’−ブチリデン−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)}0.049g、TopanolA(6−tert−ブチル−2,4−キシレノール)0.049g、3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン[前記式(2−1)の化合物]1.50g(14.7mmol)を投入し、70℃で攪拌した。滴下ロートにはメタクリル酸無水物2.49g(16.2mmol)を投入し、5分間でフラスコに滴下した。滴下終了後、反応温度を70 ℃になるように調節しながら、反応を行った。反応中にサンプリングを行い、サンプリング物をGCで分析して3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが消失するまで反応を行い、3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレート(=γ−ブチロラクトン−3−イルメタクリレート)を得た。反応時間はメタクリル酸無水物投入後、3時間であった。反応終了後の3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートの含有量は2.48gであり、反応収率は99.5%であった。反応副生物(エステル体のβ−脱離体)であるクロトノラクトンは検出されなかった。また、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて反応液を分析したところ、オリゴマー成分は検出されなかった。
実施例1の塩化鉄(III)を硫酸ジルコニウム・4水和物0.26g(0.7mmol)に変更した以外は、実施例1と同じ条件で反応させて3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートを得た。GCで追跡したところ、3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが消失したのは、メタクリル酸無水物投入後、3時間であった。反応終了後の3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートの含有量は2.47gであり、反応収率は98.7%であった。反応副生物(エステル体のβ−脱離体)であるクロトノラクトンは検出されなかった。また、GPCにて反応液を分析したところ、オリゴマー成分は検出されなかった。
実施例1のトルエン5.55gをアセトニトリル5.55gに変更した以外は、実施例1と同じ条件で反応させて3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートを得た。GCで追跡したところ、3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが消失したのは、メタクリル酸無水物投入後、3時間であった。反応終了後の3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートの含有量は2.35gであり、反応収率は98.4%であった。反応副生物(エステル体のβ−脱離体)であるクロトノラクトンは検出されなかった。また、GPCにて反応液を分析したところ、オリゴマー成分は検出されなかった。
実施例2のトルエン5.55gをアセトニトリル5.55gに変更した以外は、実施例2と同じ条件で反応させて3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートを得た。GCで追跡したところ、3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが消失したのは、メタクリル酸無水物投入後、3時間であった。反応終了後の3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートの含有量は2.35gであり、反応収率は94.9%であった。反応副生物(エステル体のβ−脱離体)であるクロトノラクトンは検出されなかった。また、GPCにて反応液を分析したところ、オリゴマー成分は検出されなかった。
実施例3のアセトニトリル5.55gを0.74gに、塩化鉄(III)0.12gを0.036gに変更した以外は、実施例3と同じ条件で反応させて3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートを得た。GCで追跡したところ、3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが消失したのは、メタクリル酸無水物投入後、3時間であった。反応終了後の3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートの含有量は2.50gであり、反応収率は99.9%であった。反応副生物(エステル体のβ−脱離体)であるクロトノラクトンは検出されなかった。また、GPCにて反応液を分析したところ、オリゴマー成分は検出されなかった。反応液を、7重量%炭酸水素ナトリウム水溶液による洗浄と、1重量%塩酸水溶液による洗浄と、水洗に付した後、蒸留により精製して得られた3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレート中の鉄の含有量は3500重量ppbであった。
実施例5の塩化鉄(III)0.036gを0.024gに変更した以外は、実施例5と同じ条件で反応させて3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートを得た。GCで追跡したところ、3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが消失したのは、メタクリル酸無水物投入後、3時間であった。反応終了後の3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートの含有量は2.50gであり、反応収率は99.9%であった。反応副生物(エステル体のβ−脱離体)であるクロトノラクトンは検出されなかった。また、GPCにて反応液を分析したところ、オリゴマー成分は検出されなかった。反応液を、7重量%炭酸水素ナトリウム水溶液による洗浄と、1重量%塩酸水溶液による洗浄と、水洗に付した後、蒸留により精製して得られた3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレート中の鉄の含有量は210重量ppbであった。
実施例3においてBBMS{4,4’−ブチリデン−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)}及びTopanolA(6−tert−ブチル−2,4−キシレノール)0.049gを使用しなかった以外は、実施例3と同じ条件で反応させて3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートを得た。GCで追跡したところ、3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが消失したのは、メタクリル酸無水物投入後、3時間であった。反応終了後の3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートの含有量は2.50gであり、反応収率は99.9%であった。反応副生物(エステル体のβ−脱離体)であるクロトノラクトンは検出されなかった。また、GPCにて反応液を分析したところ、オリゴマー成分は検出されなかった。反応液を、7重量%炭酸水素ナトリウム水溶液による洗浄と、1重量%塩酸水溶液による洗浄と、水洗に付した後、蒸留により精製して得られた3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレート中の鉄の含有量は3500重量ppbであった。
実施例1の反応温度を50℃、塩化鉄(III)を硫酸0.14g(1.5mmol)に変更した以外は、実施例1と同じ条件で反応させて3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートを得た。GCで追跡したところ、3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンはメタクリル酸無水物投入後、3時間で68.3%消失していた。同時間の3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートの含有量は0.24gであり、反応収率は9.7%であった。また、反応副生物(エステル体のβ−脱離体)であるクロトノラクトンの含有量は0.42gであり、反応収率は16.9%であった。
比較例1の硫酸を4−ジメチルアミノピリジン0.18g(1.5mmol)に変更した以外は、比較例1と同じ条件で反応させて3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートを得た。GCで追跡したところ、3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンはメタクリル酸無水物投入後、5時間で68.3%消失した。同時間の3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートの含有量は0.95gであり、反応収率は37.9%であった。また、反応副生物(エステル体のβ−脱離体)であるクロトノラクトンの含有量は0.32gであり、反応収率は12.6%であった。
実施例3の塩化鉄(III)を塩化セリウム(1.5mmol)に変更した以外は、実施例3と同じ条件で反応させて3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートを得た。GCで追跡したところ、3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンはメタクリル酸無水物投入後、7時間で85.0%消失した。同時間の3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートの含有量は1.83gであり、反応収率は73.7%であった。反応副生物(エステル体のβ−脱離体)であるクロトノラクトンは検出されなかった。
Claims (6)
- 下記式(1)
MaXb (1)
(式中、Mは周期表第4族〜第12族元素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン及びビスマスから選ばれた元素を示し、Xはハロゲン原子又はSO4を示す。a及びbは、それぞれ、1以上の整数を示す)
で表される化合物で構成される触媒の存在下、下記式(2)、(3)、(4)又は(5)
で表されるアルコール(A)と、(メタ)アクリル酸無水物(B1)、及び(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸以外のカルボン酸との無水物(B2)から選ばれる少なくとも1種の酸無水物(B)とを反応させて、対応する(メタ)アクリル酸エステルを得ることを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造法。 - アルコール(A)と酸無水物(B)との反応を、無溶媒下又はアルコール(A)に対して100重量倍以下の有機溶媒中で行う請求項1記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造法。
- アルコール(A)と酸無水物(B)との反応を、無溶媒下又はアルコール(A)に対して2重量倍以下の有機溶媒中で行う請求項1又は2記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造法。
- 式(1)で表される化合物で構成される触媒を、アルコール(A)1モルに対して0.00001〜0.3モル使用する請求項1〜3の何れかの項に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造法。
- 式(1)においてXが塩素原子である化合物を触媒として用いる請求項1〜4の何れかの項に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造法。
- 下記式(1)
MaXb (1)
(式中、Mは周期表第4族〜第12族元素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン及びビスマスから選ばれた元素を示し、Xはハロゲン原子又はSO4を示す。a及びbは、それぞれ、1以上の整数を示す)
で表される化合物で構成され、下記式(2)、(3)、(4)又は(5)
で表されるアルコール(A)と、(メタ)アクリル酸無水物(B1)、及び(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸以外のカルボン酸との無水物(B2)から選ばれる少なくとも1種の酸無水物(B)とから、対応する(メタ)アクリル酸エステルを得るために用いられる(メタ)アクリル酸エステル製造用触媒。
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