JP2010123302A - 表面改質白色導電性粉末およびその製造方法 - Google Patents

表面改質白色導電性粉末およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 アンチモンフリーの白色導電性粉末であって、導電性、及び導電性の経時安定性に優れた白色導電性粉末を提供する。
【解決手段】 表面に導電層を有する白色無機粉末基材と、導電層上に表面処理層を有する表面改質白色導電性粉末であって、表面処理層が有機シラン化合物を含むことを特徴とする、表面改質白色導電性粉末であり、好ましくは、有機シラン化合物が、アルキル基含有シラン化合物及びフッ素含有有機シラン化合物からなる群より選択される1種以上の化合物であり、かつ、表面処理層が、基材と導電層の総質量100gに対して、6〜18mmolである、表面改質白色導電性粉末である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アンチモン等を含有せずに優れた導電性を有する表面改質白色導電性粉末およびその製造方法に関する。本発明の表面改質白色導電性粉末は、帯電防止、帯電制御、静電防止、防塵等の機能が必要な分野に用いられ、更に詳しくは、複写機関連の帯電ローラー、感光ドラム、トナー、静電ブラシ等の分野、静電記録材料として荷電制御が要求されるプリンタの分野、溶剤系及び水系の帯電防止塗料や静電塗装プライマーの分野で、また、樹脂に練り込まれてタイル等に応用される。
従来、白色導電性粉末は、酸化チタン表面上にアンチモンドープ酸化スズ(ATO)を被覆させたものが主流である。しかし、アンチモンの環境への影響が危惧されつつあることを背景に、アンチモンフリー白色導電性粉末が求められている。アンチモンフリー白色導電性粉末は、既に知られているが(特許文献1)、導電性、特に導電性の経時安定性に改良の余地がある。
また、非シラザン系有機化合物で表面改質した低抵抗導電性材料も報告されているが(特許文献2)、使用環境(例えば、大気中、110℃で24時間曝露)においての導電性の変化、いわゆる経時安定性が十分でないという課題がある。
一方、上記課題に対して、導電性材料に疎水化処理をする方法があるが、導電性材料に疎水化処理をすると、経時安定性は得られるが、粉末体積抵抗が高い値になってしまう、という問題がある。
特開2008-162863号公報 特開2006-59806号公報
そこで発明者等は鋭意検討した結果、表面に導電層を有する白色無機粉末基材の導電層上に、有機シラン化合物を含む表面処理層を形成することにより、良好な導電性と、導電性の経時安定性に優れたアンチモンフリーの白色導電性粉末が得られることを見出した。
本発明は、以下に示す構成によって上記課題を解決した表面改質白色導電性粉末とその製造方法に関する。
(1)表面に導電層を有する白色無機粉末基材と、導電層上に表面処理層を有する表面改質白色導電性粉末であって、表面処理層が有機シラン化合物を含むことを特徴とする、表面改質白色導電性粉末。
(2)有機シラン化合物が、アルキル基含有シラン化合物及びフッ素含有有機シラン化合物からなる群より選択される1種以上の化合物であり、かつ、表面処理層が、基材と導電層の総質量100gに対して、6〜18mmolである、上記(1)記載の表面改質白色導電性粉末。
(3)導電層が酸化錫であり、その一部がSnO1.2〜2.0である、上記(1)または(2)記載の表面改質白色導電性粉末。
(4)白色無機粉末基材が、酸化チタンまたはチタン酸カリウムである、上記(1)〜(3)のいずれか記載の表面改質白色導電性粉末。
(5)アルキル基含有シラン化合物が、一般式(1):C2n+1−Si(O−R)(式中、nは1〜10の整数であり、Rは炭素数1〜3のアルキル基である)で表されるか、またはフッ素含有有機シラン化合物が、一般式(2):FC−(CF−(CH−Si(O−R)(式中、nは0〜11の整数であり、mは1〜4の整数であり、Rは炭素数1〜3のアルキル基である)で表される、上記(2)〜(4)のいずれか記載の表面改質白色導電性粉末。
(6)大気下にて110℃、24時間曝した後の粉末体積抵抗をB、曝す前の粉末体積抵抗をAとしたとき、logB/logA≦1.5である、上記(1)〜(5)のいずれか記載の表面改質白色導電性粉末。
(7)粉末体積抵抗が100Ω・cm以下である、上記(1)〜(6)のいずれか記載の表面改質白色導電性粉末。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか記載の表面改質白色導電性粉末を、媒体に分散した分散液。
(9)上記(8)記載の分散液に、樹脂を添加した塗料。
(10)白色無機粉末基材の表面上に、共沈法により水酸化錫化合物を析出させ、この水酸化錫化合物を乾燥し、焼成した後、有機溶媒の蒸気または水蒸気が存在する不活性雰囲気下で熱処理を行い、その後、更に有機シラン化合物で表面処理を行うことを特徴とする、表面処理層に有機シラン化合物を含む表面改質白色導電性粉末の製造方法。
(11)白色無機粉末基材が、酸化チタンまたはチタン酸カリウムである、上記(10)記載の表面改質白色導電性粉末の製造方法。
本発明の表面改質白色導電性粉末は、アンチモン等のドープ成分を含まず、表面処理層を有していても高い導電性を有し、かつ導電性の経時安定性に優れ、さらに、アンチモンフリーであるため、環境にやさしい白色導電性粉末を提供する。
また、本発明の表面改質白色導電性粉末の製造方法により、アンチモン等のドープ成分を含まずに高い導電性を有し、かつ導電性の経時安定性に優れた表面改質白色導電性粉末を容易に製造することができる。
以下本発明を実施形態に基づいて具体的に説明する。なお%は特に示さない限り、また数値固有の場合を除いて質量基準の%である。
〔表面改質白色導電性粉末〕
本発明の表面改質白色導電性粉末は、表面に導電層を有する白色無機粉末基材と、導電層上に表面処理層を有する表面改質白色導電性粉末であって、表面処理層が有機シラン化合物を含むことを特徴とする。
白色無機粉末基材(以下、「基材」という)は、白色無機粉末からなる基材であり、表面に導電層を有する。基材は、酸化チタンまたはチタン酸カリウムであると、白色度、隠蔽性の観点から好ましい。基材は、メジアン径が0.1〜0.5μmのものが好ましい。メジアン径が0.1μm以下であると、基材および/または表面改質白色導電性粉末の凝集の問題が生じる、白色度を損なう、多量の導電層用材料(例えば、酸化錫)を必要とするため、コスト高になる、等の問題がある。メジアン径が0.5μm以上であると、分散時沈降等の問題が生じ易くなる。ここで、メジアン径は、動的光散乱法で測定する。また、基材の形状としては、球状、針状等が挙げられる。なお、上記メジアン径は、いわゆる一次粒子径であるが、いわゆる二次粒子径は、1〜30μmであると、導電層被覆状態の観点から好ましい。ここで、二次粒子径は、電子顕微鏡(SEM)観察により行う。
基材が、酸化チタンであるときには、酸化チタンの結晶形は、特に限定するわけではないがルチル型が好ましい。アナターゼ型やブルッカイト型では表面に導電層を、共沈法等により析出、または形成し難いので工夫が必要である。
導電層は、表面改質白色導電性粉末に導電性を付与する。導電層は、酸化錫であると、導電性、被覆し易さ、白色度の観点から好ましく、酸化錫は、その一部がSnO1.2〜2.0の構造に還元されていると、導電性、白色度の点からより好ましい。
表面処理層は、有機シラン化合物を含む。有機シラン化合物は、アルキル基含有シラン化合物及びフッ素含有有機シラン化合物からなる群より選択される1種以上の化合物であると、表面改質白色導電性粉末の導電性の経時安定性の点から好ましい。
有機シラン化合物が、アルキル基含有シラン化合物であるときには、アルキル基含有シラン化合物が、一般式(1):C2n+1−Si(O−R)(式中、nは1〜10の整数であり、Rは炭素数1〜3のアルキル基である)で表されるものであると、より好ましい。ここで、導電性低下抑制効果、すなわち導電性の経時安定性効果の点から、nが2以上であると、より好ましく、nが3以上であると、特に好ましい。nが10よりも大きい場合、処理した有機シラン化合物が立体障害的に表面処理導電性粉末同士の接触(導電パス)を阻害し、導電性が著しく低下する。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
有機シラン化合物が、フッ素含有有機シラン化合物であるときには、フッ素含有有機シラン化合物が、一般式(2):FC−(CF−(CH−Si(O−R)(式中、nは0〜11の整数であり、mは1〜4の整数であり、Rは炭素数1〜3のアルキル基である)で表される部分フッ素化アルキル基含有シランであると、より好ましい。ここで、導電性低下抑制効果、すなわち導電性の経時安定性効果の点から、nが2以上であるとより好ましく、nが3以上であると、特に好ましい。nが11よりも大きい場合、処理した有機シラン化合物が立体障害的に表面処理導電性粉末同士の接触(導電パス)を阻害し、導電性が著しく低下する。有機シラン化合物の種類は、GCやFT−IR等で定性分析される。
導電層は、基材と導電層の総量に対して、5〜40%が適当であり、10〜30%が好ましい。導電層が5%以上であると、所望の導電性が得られ易く、40%以下であると、凝集が起きにくく、かつコスト高にならない。
表面処理層は、基材と導電層の総質量100gに対して、6〜18mmolであると好ましく、7〜11mmolであるとより好ましい。6〜18mmolであると、表面処理層による導電性の低下はほとんどなく、導電性の経時安定性に優れる。表面処理層の量は、熱分析(TG/DTA)での減量により、定量分析される。
表面改質白色導電性粉末は、粉末体積抵抗が100Ω・cm以下であると好ましい。例えば、帯電防止用途に用いるとき、表面改質白色導電性粉末を使用する塗膜が、帯電防止効果を発揮する表面抵抗10Ω/□を得るために必要な、塗膜への混入量を抑制することができ、コストを抑制できるからである。ここで、粉末体積抵抗は、試料粉末を圧力容器に入れて100MPaで圧縮し、この圧粉をデジタルマルチメーターによって測定する。
表面改質白色導電性粉末は、大気下にて110℃、24時間曝した後の粉末体積抵抗をB、曝す前の粉末体積抵抗をAとしたとき、logB/logA≦1.5であると、導電性の経時安定性が良好であり、使用環境や季節による導電性の変化が少ない材料として使用することができる。
本発明の表面改質白色導電性粉末は、アンチモン、リン、インジウムを何れも含まないので環境汚染を生じる懸念がなく、かつ低コストである。なお、本発明において、アンチモン、リン、およびインジウムを含まないとは、原料および工程中でアンチモン、リン、およびインジウム源を使用せず、従って検出限界500ppmの標準的な測定装置によってこれらの元素が検出されないことをいう。
〔製造方法〕
本発明の表面改質白色導電性粉末の製造方法は、基材の表面上に、共沈法により水酸化錫化合物を析出させ、この水酸化錫化合物を乾燥し、焼成した後、有機溶媒の蒸気または水蒸気が存在する不活性雰囲気下で熱処理を行い、その後、更に有機シラン化合物で表面処理を行うことを特徴とする。
基材については、上記のとおりである。
水酸化錫化合物の原料としては、塩化錫などのハロゲン化錫、酸化錫、水酸化錫或いは、錫の硫酸塩、硝酸錫などの錫の無機酸塩(第一錫塩、第二錫塩)などが挙げられ、これらを単独で或いは2種以上混合して用いてもよい。水酸化錫化合物の原料としては、液体である塩化第二錫または塩化第一錫を用いるのが一般的であり、中でも塩化第二錫または塩化第一錫の塩酸水溶液を用いるのが、工業的にも望ましい。水酸化錫化合物は、原料を共沈させることにより得ることができ、この共沈の方法は、加水分解等の当業者に公知の方法でよい。具体的には、塩化錫の塩酸水溶液をアルカリ中に滴下することによる共沈により得られる。
次に、得られた水酸化錫化合物に、通常の洗浄、乾燥、粉砕等の処理を行う。
焼成の温度は、300℃以上800℃以下が好ましく、400℃以上700℃以下が特に好ましい。300℃以上であると、酸化第二錫の生成、酸化第二錫への酸素欠損の形成ができ、800℃以下であると目的の導電性が得られる。また、熱処理時間は、10分以上150分以下が好ましく、20分以上120分以下が特に好ましい。10分以上150分以下であると導電性が良好である。
焼成の後、有機溶媒の蒸気が存在する不活性雰囲気下で熱処理を行う。有機溶媒は、炭素鎖が長いと蒸発する速度が遅く、また扱いにくいため、短鎖がより好ましい。具体的には、メタノール、エタノールが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガスやアルゴンガス等が挙げられる。
熱処理の温度は、100℃以上300℃以下が好ましく、150℃以上250℃以下が特に好ましい。100℃以上であると、酸化第二錫の生成、酸化第二錫への酸素欠損の形成ができ、300℃以下であると導電性が良好となる。また、熱処理時間は、10分以上150分以下が好ましく、20分以上120分以下が特に好ましい。10分以上150分以下であると、導電性が高くなる。なお、熱処理は、焼成と同時に行うこともできる。
次の表面処理では、有機シラン化合物を使用する。有機シラン化合物については、上記のとおりである。未処理の導電層は表面の水酸基が環境の影響を受け易く、導電性の経時変化が生じるため、表面処理を行う。従来、表面処理を行うと導電性が損なわれるとされていたが、鋭意研究した結果、導電性の経時変化を安定化させることのできる処理を見い出した。
有機シラン化合物の添加量は、基材と導電層の合計100gに対して、好ましくは6〜18mmol、より好ましくは7〜11mmolである。添加量が少ないと、導電層の酸化による導電性の低下、すなわち導電性の経時変化が大きく、また、添加量が多いと、導電層表面が非導電の有機シラン化合物で覆われてしまうため、粉体の導電性が著しく劣る。なお、有機シラン化合物の添加量は、基材の一次粒子径に加えて、基材の二次粒子径によっても最適な量が変化する。有機シラン化合物が、主に二次粒子の表面に存在することにより、導電性の経時変化を効果的に抑制する。このため、上記の水酸化錫化合物を粉砕する場合には、二次粒子径に留意し、粉砕しすぎないことが肝要である。なお、有機シラン化合物は、有機溶剤で希釈して使用してもよい。この場合の有機溶剤としては、メタノール、エタノール等が挙げられる。
表面処理においては、100〜150℃で10〜150分加熱することが、有機シラン化合物との反応を促進させる観点から好ましい。また、表面処理は、導電層の酸化を抑制する観点から不活性雰囲気で行うことが好ましい。このとき、有機シラン化合物の加水分解を促進させる点から、水蒸気を含む不活性雰囲気で表面処理を行うことができる。
また、表面処理は、通常、有機溶媒の蒸気が存在する不活性雰囲気下で熱処理した後に行うが、熱処理と同時に行っても良い。ただし、このときには、有機シラン化合物の分解温度に注意しなければならない。
本発明の表面改質白色導電性粉末は、媒体に分散させて、分散液として使用することができる。ここで、媒体としては、水、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、トルエン、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。
上記分散液の固形分濃度は、質量基準で1〜70%、好ましくは10〜50%で、分散液のpHは4〜12、好ましくは5〜10である。ここで、固形分には、表面改質白色導電性粉末、無機及び有機分散剤が含まれる。
上記分散液に、樹脂を添加し、塗料として利用することができる。分散液を塗料化に供すると、塗料化時の分散エネルギーや、表面改質白色導電性粉末製造工程における脱水、乾燥エネルギーの軽減を図る上で、好ましい。ここで、樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、塩ビ−酢ビ樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリル−スチレン共重合体、繊維素樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、セラック、ロジン誘導体、ゴム誘導体などの天然系樹脂などが挙げられる。
表面改質白色導電性粉末の樹脂への配合量は、樹脂100質量部に対して20〜400質量部、好ましくは100〜300質量部である。
塗料を導電性用途に使用する場合には、塗料をプラスチック成形体、紙や高分子フィルムなどの絶縁性基体に塗布することにより、基体上に表面平滑性や密着性に優れた導電性塗膜を形成させる。この導電性塗膜を、複写機関連の帯電ローラー、感光ドラム、トナー、静電ブラシ等の分野、静電記録材料として荷電制御が要求されるプリンタの分野、溶剤系及び水系の帯電防止塗料や静電塗装プライマーの分野などに利用できる。
また、表面改質白色導電性粉末を樹脂に練り込んで、タイルなどに利用することができる。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例および比較例において、粉末体積抵抗は、試料粉末を圧力容器に入れて10MPaで圧縮し、この圧粉をデジタルマルチメーター(横河電機製品:型式7561−02)によって測定した。
〔実施例1〕
水500ccに、平均1次粒子径約0.3μm(二次粒子径約10〜30μm)の二酸化チタン粉末(Tronox TR、LANXESS製)100gを分散させ、95℃に加温した。この分散液に、酸化錫換算で25gとなるように塩化錫水溶液を加え、加水分解反応により二酸化チタン表面に水酸化錫の結晶を析出させた。この湿式処理した粉末を取り出して洗浄し、乾燥した。上記湿式処理で加えた塩化錫は、実質的に全量が加水分解され、粉末表面に水酸化第二錫化合物(X線回折ではSnOパターンを示す水酸化第二錫)が析出していた。この乾燥粉末20gを石英管状炉に入れ、昇温速度10℃/分で昇温し、温度を550±50℃の範囲で制御しながら2時間、窒素雰囲気中にて焼成した。さらに、エタノール10gを炉内に入れ温度を200±50℃の範囲で制御しながら2時間、窒素雰囲気中で熱処理をした。上記熱処理により得られた粉末100gに、イソブチルトリメトキシシラン(Z−2360、東レ・ダウコーニング製)6mmol(1.07g)を添加し、150℃で1時間、窒素雰囲気中にて表面処理を行った。
表面処理した粉末を取り出し、10MPaで圧粉し、粉末体積抵抗を測定した。また大気下にて110℃、24時間曝した時の粉末体積抵抗を測定した。logB/logAの結果を併せて、表1に示す。
〔実施例2〕
イソブチルトリメトキシシランを18mmol(3.21g)用いて表面処理を行った以外は、実施例1と同様にして白色導電性粉末を製造した。この粉末について、粉末体積抵抗、および大気下にて110℃、24時間曝した時の粉末体積抵抗を測定した。これらの結果を表1に示す。
〔実施例3〕
トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(KBM−7103、信越化学工業製)を14mmol(3.05g)用いて表面処理を行った以外は、実施例1と同様にして白色導電性粉末を製造した。この粉末について、粉末体積抵抗、および大気下にて110℃、24時間曝した時の粉末体積抵抗を測定した。これらの結果を表1に示す。
〔実施例4〕
トリフルオロプロピルトリメトキシシランを7mmol(1.53g)用いて表面処理を行った以外は、実施例1と同様にして白色導電性粉末を製造した。この粉末について、粉末体積抵抗、および大気下にて110℃、24時間曝した時の粉末体積抵抗を測定した。これらの結果を表1に示す。
〔実施例5〕
イソブチルトリメトキシシランを3mmol(0.53g)用いて処理を行った以外は、実施例1と同様にして白色導電性粉末を製造した。この粉末について、粉末体積抵抗、および大気下にて110℃、24時間曝した時の粉末体積抵抗を測定した。これらの結果を表1に示す。
〔実施例6〕
イソブチルトリメトキシシランを20mmol(3.57g)用いて処理を行った以外は、実施例1と同様にして白色導電性粉末を製造した。この粉末について、粉末体積抵抗、および大気下にて110℃、24時間曝した時の粉末体積抵抗を測定した。これらの結果を表1に示す。
〔実施例7〕
オクタデシルトリメトキシシランを10mmol(3.48g)用いて処理を行った以外は、実施例1と同様にして白色導電性粉末を製造した。この粉末について、粉末体積抵抗、および大気下にて110℃、24時間曝した時の粉末体積抵抗を測定した。これらの結果を表1に示す。
〔比較例1〕
表面処理を行わなかった以外は、実施例1と同様に白色導電性粉末を製造した。この粉末について、粉末体積抵抗、および大気下にて110℃、24時間曝した時の粉末体積抵抗を測定した。これらの結果を表1に示す。
Figure 2010123302
表1からわかるように、実施例1〜4は、粉末体積抵抗が、64.1〜97.3Ω・cm、logB/logAが、1.1〜1.3であり、導電性、および導電性の経時安定性が、非常に良好であった。これに対して、有機シラン化合物の含有量が少ない実施例5は、粉末体積抵抗が48.9Ω・cm、logB/logAが1.5であり、導電性が非常に優れ、導電性の経時安定性に優れていた。有機シラン化合物の含有量が多い実施例6は、粉末体積抵抗が137.3Ω・cm、logB/logAが1.1であり、導電性に優れ、導電性の経時安定性に非常に優れていた。炭素差が長い有機シラン化合物を用いた実施例7は、粉末体積抵抗が205.1Ω・cm、logB/logAが1.1であり、導電性に優れ、導電性の経時安定性に非常に優れていた。これに対して、有機シラン化合物を使用しなかった比較例1では、大気下にて110℃、24時間曝した時の粉末体積抵抗が、617.8Ω・cmと高くなり、logB/logAも1.8と高かった。
上記の実施例からわかるように、本発明は、アンチモンフリーであっても、導電性が高く、導電性の経時安定性に非常に優れる白色導電性粉末を提供することができる。

Claims (11)

  1. 表面に導電層を有する白色無機粉末基材と、導電層上に表面処理層を有する表面改質白色導電性粉末であって、表面処理層が有機シラン化合物を含むことを特徴とする、表面改質白色導電性粉末。
  2. 有機シラン化合物が、アルキル基含有シラン化合物及びフッ素含有有機シラン化合物からなる群より選択される1種以上の化合物であり、かつ、表面処理層が、基材と導電層の総質量100gに対して、6〜18mmolである、請求項1記載の表面改質白色導電性粉末。
  3. 導電層が酸化錫であり、その一部がSnO1.2〜2.0である、請求項1または2記載の表面改質白色導電性粉末。
  4. 白色無機粉末基材が、酸化チタンまたはチタン酸カリウムである、請求項1〜3のいずれか1項記載の表面改質白色導電性粉末。
  5. アルキル基含有シラン化合物が、一般式(1):C2n+1−Si(O−R)(式中、nは1〜10の整数であり、Rは炭素数1〜3のアルキル基である)で表されるか、またはフッ素含有有機シラン化合物が、一般式(2):FC−(CF−(CH−Si(O−R)(式中、nは0〜11の整数であり、mは1〜4の整数であり、Rは炭素数1〜3のアルキル基である)で表される、請求項2〜4のいずれか1項記載の表面改質白色導電性粉末。
  6. 大気下にて110℃、24時間曝した後の粉末体積抵抗をB、曝す前の粉末体積抵抗をAとしたとき、logB/logA≦1.5である、請求項1〜5のいずれか1項記載の表面改質白色導電性粉末。
  7. 粉末体積抵抗が100Ω・cm以下である、請求項1〜6のいずれか1項記載の表面改質白色導電性粉末。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の表面改質白色導電性粉末を、媒体に分散した分散液。
  9. 請求項8記載の分散液に、樹脂を添加した塗料。
  10. 白色無機粉末基材の表面上に、共沈法により水酸化錫化合物を析出させ、この水酸化錫化合物を乾燥し、焼成した後、有機溶媒の蒸気または水蒸気が存在する不活性雰囲気下で熱処理を行い、その後、更に有機シラン化合物で表面処理を行うことを特徴とする、表面処理層に有機シラン化合物を含む表面改質白色導電性粉末の製造方法。
  11. 白色無機粉末基材が、酸化チタンまたはチタン酸カリウムである、請求項10記載の表面改質白色導電性粉末の製造方法。
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