JP2006248856A - 透明導電性微粉末とその製造方法、および分散液、塗料 - Google Patents

透明導電性微粉末とその製造方法、および分散液、塗料 Download PDF

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Abstract

【課題】 導電性に優れた、かつ導電性の経時安定性が高く、青味の少ない透明微粉末とその製造方法、および該粉末を含む分散液および塗料を提供する。
【解決手段】 窒素を1〜50000ppm含有し、好ましくは、BET比表面積1〜200m2/gまたは一次粒子径1〜500nm、粉末のL値50〜83、a値−2〜+2、b値−6〜+7、体積粉体抵抗率10-1〜104Ω・cmである金属酸化物微粉末、例えば、酸化スズ粉末からなり、微粉末表面に0.01〜10%のカーボン量を有し、環境加速試験の体積粉体抵抗率の変化量が50倍以下、好ましくは10倍以下である透明導電性微粉末。
【選択図】 なし

Description

本発明は、導電性に優れた透明微粉末とその製造方法、および該粉末を含む分散液および塗料に関する。より詳しくは、本発明の透明導電性微粉末は金属酸化物微粉末を部分的に窒化することによって電気的な接触を良好にして粉末抵抗を小さくした金属酸化物微粉末であり、高い導電性を有し、この導電性微粉末を表面処理したものは導電性の経時安定性に優れるので、帯電防止・帯電制御・静電防止・防塵などの各分野に広く用いることができる。また、本発明の透明導電性微粉末はアンチモンを含有しないので、その毒性が問題視される分野においても使用することができる。さらに、従来よりも青味の少ない粉末であり、より透明性を求める最近の傾向に対応することができる。
従来、透明導電性粉末を水系媒体や有機化合物、樹脂などに分散させた分散液が知られており、この透明導電性粉末として、アンチモンをドープした酸化錫粉末(ATO)や、該ATOによって表面コーティングした酸化チタン粉末などが用いられている。アンチモンを含有するものは低い導電性を有し、かつ導電性の経時安定性が優れると云う利点を有するが、アンチモンの毒性が懸念されるため使用分野が限られると云う実状がある。また、ATOでは、成膜したときに透明性に青味が生じており、これを低減したいという実情もあり、成膜時の分散等の制御のみならず、従来は問題視されなかった粉末時での色味のコントロールも最近は重要視されている。
一方、比表面積5〜100m2/g、体積抵抗率10-1〜104Ω・cmであって、アンチモンを含有しない酸化スズ粉末が従来知られている(特許文献1、2)。しかし、この酸化スズ粉末の導電性は温度や湿度に対する依存性が高く、これらの環境要因によって導電性が大きく変化し、経時安定性が低いという問題がある。また、非晶質酸化スズ粒子を含む酸化スズゾルが知られているが(特許文献3、4)、この非晶質酸化スズの体積抵抗は概ね105Ω・cm程度であるため、これより高い導電性を必要する分野には用いることができない。さらに、陰イオンやアルカリ金属イオンを含有させることによって溶液の安定性を高めた酸化スズコロイド溶液が知られているが(特許文献5)、導電性が低いため使用分野が限られると云う問題がある。また、高透明性を得るために、酸化スズの表面を予め有機金属カップリング剤で被覆することによって分散剤を可及的に減らし、透明性を向上させようという試みもなされてはいるが(特許文献6)、透明性は十分ではなかった。
特開平6−345429号公報 特開2003−300727号公報 特開平10−59720号公報 特開2001−72421号公報 特開2003−89523号公報 特開2001−148207号公報
本発明は、従来の導電性酸化スズ粉末、およびその分散液における上記問題を解決したものであり、アンチモン等を含有せずに、金属酸化物微粉末を部分的に窒化することによって電気的な接触を良好にして導電性を高め、さらに表面処理することによって導電性の経時安定性を高めた透明導電性微粉末とその製造方法、および分散液、塗料を提供する。
本発明は、以下の透明導電性微粉末に関する。
(1)窒素を1〜50000ppm含有する金属酸化物微粉末からなることを特徴とする透明導電性微粉末。
(2)BET比表面積が1〜200m2/gであり、または一次粒子径が1〜500nmである上記(1)に記載する透明導電性微粉末。
(3)粉末のL値が50〜83、a値が−2〜+2、b値が−6〜+7である上記(1)または(2)に記載する透明導電性微粉末。
(4)体積粉体抵抗率が10-1〜104Ω・cmである上記(1)〜(3)の何れかに記載する透明導電性微粉末。
(5)粉末が酸化スズであり、アンチモンおよび金属スズの含有量が熱分析による検出限界以下である上記(1)〜(4)の何れかに記載する透明導電性微粉末。
(6)金属水酸化物を、窒素ガス雰囲気下、100〜1100℃で、窒素を1〜50000ppm含有するまで加熱焼成して得た金属酸化物微粉末からなる上記(1)〜(5)の何れかに記載する透明導電性微粉末。
(7)窒素を1〜50000ppm含有する表面処理された金属酸化物微粉末からなり、微粉末表面に0.01〜10%のカーボン量を有する上記(1)〜(5)の何れかに記載する透明導電性微粉末。
(8)環境加速試験において体積粉体抵抗率の変化量(加速比)が50倍以下である上記(1)〜(3)、(5)の何れかに記載する透明導電性微粉末。
(9)金属水酸化物を、窒素ガス雰囲気下、100〜1100℃で、窒素を1〜50000ppm含有するまで加熱焼成して金属酸化物微粉末にし、この金属酸化物微粉末を不活性雰囲気下、および有機表面処理剤の存在下、100〜450℃の温度で加熱して表面処理した、微粉末表面に0.01〜10%のカーボン量を有する金属酸化物微粉末からなる上記(7)または(8)に記載する透明導電性微粉末。
さらに、本発明は以下の透明導電性微粉末の製造方法、および分散液、塗料に関する。
(10)金属水酸化物を、窒素ガス雰囲気下、100〜1100℃で、窒素を1〜50000ppm含有するまで加熱焼成して金属酸化物微粉末にする上記(1)〜(5)の何れかに記載する透明導電性微粉末を製造する方法。
(11)金属水酸化物を、窒素ガス雰囲気下、100〜1100℃で、窒素を1〜50000ppm含有するまで加熱焼成して金属酸化物微粉末にし、この金属酸化物微粉末を不活性雰囲気下、および有機表面処理剤の存在下、100〜450℃の温度で加熱して表面処理し、微粉末表面に0.01〜10%のカーボン量を有する金属酸化物微粉末からなる上記(7)または(8)に記載する透明導電性微粉末を製造する方法。
(12)ケイ酸をシリカ換算で10%以下含有する金属水酸化物を用いる上記(10)または(11)の製造方法。
(13)上記(1)〜(9)の何れかに記載する透明導電性微粉末を媒体に分散させたことを特徴とする透明導電性微粉末の分散液。
(14)媒体に分散する前の粉末と分散した後の粉末について、BET比表面積の比が1.1〜2.0である上記(13)に記載する透明導電性微粉末の分散液。
(15)上記(1)〜(9)の何れかに記載する透明導電性微粉末を含有し、または上記(13)もしくは(14)の分散液を用いて形成されたことを特徴とする塗料。
(16)上記(15)の塗料によって形成された、表面抵抗104〜1012Ω/□、全光透過率80%以上、ヘーズ10%以下であることを特徴とする成膜。
〔具体的な説明〕
本発明を具体的に説明する。なお、%は特に示さない限り重量%である。
本発明の透明導電性微粉末は、窒素を1〜50000ppm含有する金属酸化物微粉末からなることを特徴とする透明導電性微粉末である。
金属酸化物微粉末について、粉末を部分的に窒化することによって粉末相互の電気的な接触が良好になり、粉末抵抗が低下する。また、窒素を含有することによって粉末の色味が制御され、青味や黄味、緑味や赤味を有しない粉末を得ることができる。
粉末の窒素含有量は1〜50000ppmが好ましい。窒素を含有せず、または窒素含有量が1ppmより少なくと粉末相互の電気的な接触を向上する効果が不十分であり、体積粉体抵抗が高くなり、該粉末を含む成膜を形成したときに十分な導電性が得られない。一方、粉末の窒素含有量が50000ppmを上回ると透明性に不具合を生じる。
窒素を1〜50000ppm含有する金属酸化物微粉末からなる透明導電性微粉末を得るには、金属水酸化物を、窒素ガス雰囲気下、100〜1100℃で、窒素を1〜50000ppm含有するまで加熱焼成して金属酸化物の微粉末にすれば良い。
本発明の透明導電性微粉末は、窒素を1〜50000ppm含有すると共に、好ましくは、BET比表面積が1〜200m2/gであり、または一次粒子径が1〜500nmである。BET比表面積が上記範囲よりも小さく、または一次粒子径が上記範囲よりも大きいと、粒子径が大きすぎて透明性が損なわれる。一方、粉末のBET比表面積が上記範囲よりも大きく、または一次粒子径が上記範囲よりも小さいと、粉末粒子が凝集しやすくなり、媒体への分散が困難になる。さらに、本発明の表面処理した透明導電性微粉末においては、粉末のBET比表面積が上記範囲よりも大きく、または一次粒子径が上記範囲よりも小さいと、粉末表面に付着するカーボン量が適正な範囲より多くなるので好ましくない。
本発明の透明導電性微粉末は、好ましくは粉末のL値が50〜83、a値が−2〜+2、b値が−6〜+7である。粉末のL,a,bの各値が上記範囲外であると、この粉末を含む成膜を形成したときに、膜の透明性および色味に不具合が生じるので好ましくない。
本発明の透明導電性微粉末は酸化スズ微粉末を用いることができる。酸化スズ微粉末は、例えば、pH10以上のアルカリ溶液に塩化スズ溶液を滴下して水酸化スズを沈殿させ、この水酸化スズ沈殿物を高温下で焼成して得ることができる。この酸化スズはアンチモンを含有しないので、アンチモンの毒性を懸念する虞が無い。
なお、二酸化スズ微粉末を製造する際に、ケイ酸ソーダ、アルミノケイ酸塩、ウォルフラモケイ酸、コロイドケイ酸、ホウケイ酸塩、ヘキサフルオロケイ酸塩などのケイ酸塩化合物を原料の塩化スズ溶液に添加することによって、沈澱物の粒径を制御することが知られている。具体的には、ケイ酸塩を添加することによってBET比表面積が大きく、分散性の良い二酸化スズ粉末を得ることができる。また、ケイ酸を含有する水酸化スズは、窒素ガス雰囲気下で焼成して二酸化スズ微粉末にする際に、窒素を均一に含有するので好ましい。一方、ケイ酸塩を添加して製造した二酸化スズは体積抵抗率が高くなるので、二酸化スズ粉末のケイ酸含有量は10%以下が適当である。
上記水酸化スズ沈殿を、窒素ガス雰囲気下、100〜1100℃で、窒素を1〜50000ppm含有するまで加熱焼成して二酸化スズ微粉末にすることによって本発明の透明導電性酸化スズ微粉末を得ることができる。このように製造した二酸化スズ粉末の体積抵抗率は概ね10-1〜104Ω・cm、好ましくは10-1〜102Ω・cmである。窒素ガス雰囲気下で焼成することによって、二酸化スズ微粉末に部分的に窒素を含有させることができ、上記所定量の窒素を含有した二酸化スズ微粉末は粉末相互の電気的な接触が良好になり、また青味や黄味、緑味や赤味を有しない粉末を得ることができる。窒素雰囲気下にするには、窒素ガスによって十分な置換を行なうか、もしくは真空にした後に窒素雰囲気にしても良い。
なお、空気雰囲気下で焼成すると、体積抵抗率が105Ω・cm以上の高抵抗粉末になり、一時的に104Ω・cm以下の粉末が得られても経時変化によって105Ω・cm以上の高抵抗粉末になる傾向がある。また、空気雰囲気下で焼成した二酸化スズを水素やアンモニアや窒素で還元したものは、還元状態を制御するのが難しく、例えば、金属錫にまで還元され、あるいは還元不十分のため高抵抗のまま止まり、また粉末粒子相互の接触が悪いため体積抵抗が安定しない等の問題がある。
本発明の透明導電性微粉末は、好ましくは、窒素を1〜50000ppm含有すると共に表面処理された金属酸化物微粉末であって、粉末表面に0.01〜10%のカーボン量を有するものである。粉末表面に上記カーボン量を有することによって、環境加速試験による体積粉体抵抗率の変化量を抑制することができる。粉末のカーボン量が0.01%より少ないと表面改質効果が不十分であり、一方、カーボン量が10%を上回ると金属酸化物微粉末が凝集してむしろ粉体体積抵抗率や表面抵抗率が高くなり、しかもこれらの抵抗率の経時変化が大きく、かつ分散液の透明性が低下する傾向がある。
なお、上記環境加速試験による体積粉体抵抗率の変化量とは、本発明の透明導電性微粉末を100℃で2時間加熱したときに、加速試験後の体積粉体抵抗率[R1]と加速試験前の体積粉体抵抗率[R0]の比〔R1/R0〕を云う。この値が1に近いものほど環境による変動が少なく、環境や経時変化による変動がないことを意味する。
本発明の透明導電性微粉末は、粉末表面に0.01〜10%のカーボン量を有することによって、具体的には、環境加速試験による体積粉体抵抗率の変化量(加速比)を50倍以下、好ましくは10倍以下に抑制することができる。
上記カーボン量を含有する透明導電性微粉末は、窒素を所定量含有する金属酸化物微粉末を、不活性ガス雰囲気下、および有機表面処理剤の存在下、100〜450℃で、上記カーボン量を有するように表面処理して得ることができる。有機表面処理剤としては低級アルコールおよびその誘導体、ケトン、アミン、カルボン酸、またはオキシカルボン酸などが好ましい。シラザンは目的の表面改質効果が十分ではない。これらの有機表面処理剤は一般の水溶液法、有機溶媒法、スプレー法等によって用いることができる。例えば、予め酸化スズ微粉末をこれらの溶液に浸漬しても良いし、これらの有機化合物をガス化して金属酸化物微粉末と接触させても良い。または上記有機表面処理剤の溶液またはガスを金属酸化物微粉末に噴霧しても良い。さらに上記複数の方法を組み合わせても良い。また上記有機表面処理剤は高純度品を用いてもよいが、水等を添加して希釈したものを用いても良い。
上記表面処理は、不活性ガス雰囲気下および有機表面処理剤の存在下、100〜450℃で行うと良い。処理温度がこれより低いと有機表面処理剤が金属酸化物微粉末表面に十分に固定されず、表面処理が不十分になる。一方、処理温度が高すぎると金属酸化物微粉末が焼結して粗粒化するので好ましくない。加熱時間は30分以上、好ましくは1時間以上行なえばよい。なお、大気下または酸化雰囲気下では、酸素の存在により表面処理が阻害されるので好ましくない。不活性ガスは窒素ガスが好ましい。
因みに、水素ガス雰囲気やアンモニアガス雰囲気で表面処理を行うと、前述の窒素化処理と同様に、還元状態を制御するのが難しく、例えば、金属状態の粉末が混在したり、あるいは還元不十分のために高抵抗のままになる。本発明の表面改質処理はこのような水素ガス等による強い還元処理を避けたものであり、従って、例えば、本発明の透明導電性酸化スズ粉末は実質的に金属スズを含まず、熱分析において金属スズが検出限界以下のものである。
本発明の上記透明導電性酸微粉末を媒体に分散させた透明分散液を得ることができる。媒体としては、水、有機化合物、樹脂、もしくはこれら2種類以上の混合物などを用いることができる。分散液中の透明導電性微粉末の量は通常の用途では概ね0.1%〜80%である。
本発明の上記透明分散液は、好ましくは、媒体に分散する前の粉末と分散した後の粉末について、BET比表面積の比が1.1〜2.0であって、分散後のメジアン径が1〜200nmであり、分散後の凝集が極めて少ない分散性に優れた分散液である。上記表面処理した粉末を用いることによって、このような高分散性の分散液を得ることができる。
本発明の上記透明導電性微粉末を含有した塗料、または上記分散液を用いた塗料によって、表面抵抗104〜1012Ω/□、全光透過率80%以上、ヘーズ10%以下、好ましくは表面抵抗109Ω/□以下、全光透過率84%以上、ヘーズ3.5%以下の成膜を得ることができる。
本発明の透明導電性微粉末、例えば酸化スズ微粉末は、アンチモンを含有しなくとも高い導電性を有し、かつ導電性の経時安定性が優れている。従って、本発明の透明導電性微粉末、あるいはこれを媒体に分散させた分散液は各種の導電材料、帯電防止・帯電制御・静電防止・防塵などの材料として各分野に広く用いることができる。例えば、静電記録材料として荷電制御が要求されるプリンタ、複写機関連の帯電ローラー、感光ドラム、トナー、静電ブラシ等の分野、ガスセンサー用焼結体原料粉末としての分野、埃付着防止が要求されるCRT、ブラウン管等の分野、光ディスク、FD、テープ等の磁気記録媒体分野、薄膜塗料分野、太陽電池、液晶ディスプレイ等の内部電極、更には電極改質剤として電池分野等に利用することができる。
また、本発明の透明導電性微粉末、あるいはこれを媒体に分散させた分散液は塗料、インク、エマルジョン、繊維その他のポリマー中に容易に分散混練でき、塗料に添加してコーテングした場合に透明性が高く、かつ導電性に優れた被膜を得ることができる。その他、熱線遮蔽、蓄熱効果に利用できる。さらに、アンチモンを含有しないので、その毒性が懸念される用途においても使用することができる。具体的には、食品包装材や各種の梱包材として用いることができる。
以下、本発明の実施例を比較例と共に示す。なお、以下の各例において、窒素量はヘリウムガス融解−熱伝導法を用いて測定し、粉末のL、a、b値はスガ試験機(SM-7)を用い測定し、炭素量は堀場製作所製測定装置(EMIA-110)を用いて測定し、粉体体積抵抗率は横河電機製測定装置(DM-7561)を用い、試料5gで100kg/cm2加圧にて測定した。熱分析はエスアイアイ・ナノテクノロジー社製の示差熱熱重量同時測定装置(EXSTAR6000 TG/DTA6300)を用いた。アクリル樹脂は市販品(製品名アクリディックA-168、樹脂分50%)を用いた。また、分散液は透明導電性微粉末をダイノーミルでビーズ分散して製造した。成膜のベースフィルムはPETフィルムを用い、市販の自動アプリケータ(ROD No.3)で分散液を塗布し、風乾した後に成膜の表面抵抗、全光線透過率、ヘーズを測定した。なお、何れもベースフイルムの全光線透過率は89%、ヘーズは2.0%である。実施例および比較例の結果を表1に示した。
珪酸をシリカ換算で0.0002%含有した水酸化錫を窒素雰囲気下、500℃に加熱し、2時間保持した後に冷却したところ、N量10ppm、BET比表面積40m2/g、粉末のL、a、b値がそれぞれ70,−1,−1、炭素量が0の酸化スズ粉末を得た。この粉体の体積抵抗は250Ω・cmであった。また熱分析によって金属Snは確認されなかった。この粉体の環境加速試験による体積粉体抵抗率の変化量(加速比)は10であった。この透明導電性微粉末300gを1200gのトルエンに分散した分散液を作成した。この分散後の分散液を乾燥した時のBET比表面積と分散前のBET比表面積(BET比)は1.6であった。この分散液に市販のアクリル樹脂200g、キシレン1200gとを混合した塗料を作成した。この塗料をPETフィルムに塗布し、1時間風乾した後、表面抵抗を測定したところ1×109Ω/□であり、全光線透過率は89%、ヘーズは2.4%であった。目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認されず、透明で色味にも問題はなかった。
珪酸をシリカ換算で0.6%含有した水酸化錫を窒素雰囲気下、500℃に加熱し、2時間保持した後に冷却したところ、N量100ppm、BET比表面積40m2/g、粉末のL、a、b値がそれぞれ71,−1,2、炭素量が0の酸化スズ粉末を得た。この粉体の体積抵抗は32Ω・cmであった。また熱分析によって金属Snは確認されなかった。この粉体の環境加速試験による体積粉体抵抗率の変化量(加速比)は5.5であった。この透明導電性微粉末300gを1200gのトルエンに分散した分散液を作成した。この分散後の分散液を乾燥した時のBET比表面積と分散前のBET比表面積(BET比)は1.6であった。この分散液に市販のアクリル樹脂200g、キシレン1200gとを混合した塗料を作成した。この塗料をPETフィルムに塗布し、1時間風乾した後、表面抵抗を測定したところ8×108Ω/□であり、全光線透過率は88%、ヘーズは2.5%であった。目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認されず、透明で色味にも問題はなかった。
珪酸をシリカ換算で1.6%含有した水酸化錫を窒素雰囲気下、800℃に加熱し、2時間保持した後に冷却したところ、N量1000ppm、BET比表面積40m2/g、粉末のL、a、b値がそれぞれ72,−2,6、炭素量が0の酸化スズ粉末を得た。この粉体の体積抵抗は1.3Ω・cmであった。また熱分析によって金属Snは確認されなかった。この粉体の環境加速試験による体積粉体抵抗率の変化量(加速比)は3.0であった。この透明導電性微粉末300gを1200gのトルエンに分散した分散液を作成した。この分散後の分散液を乾燥した時のBET比表面積と分散前のBET比表面積(BET比)は1.7であった。この分散液に市販のアクリル樹脂200g、キシレン1200gとを混合した塗料を作成した。この塗料をPETフィルムに塗布し、1時間風乾した後、表面抵抗を測定したところ5×108Ω/□であり、全光線透過率は88%、ヘーズは2.5%であった。目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認されず、透明で色味にも問題はなかった。
珪酸をシリカ換算で1.6%含有した水酸化錫を窒素雰囲気下、450℃に加熱し、4時間保持した後に冷却したところ、N量3000ppm、BET比表面積100m2/g、粉末のL、a、b値がそれぞれ63,1,−3、炭素量が0の酸化スズ粉末を得た。この粉体の体積抵抗は10Ω・cmであった。また熱分析によって金属Snは確認されなかった。この粉体の環境加速試験による体積粉体抵抗率の変化量(加速比)は1.2であった。この透明導電性微粉末300gを1200gのトルエンに分散した分散液を作成した。この分散後の分散液を乾燥した時のBET比表面積と分散前のBET比表面積(BET比)は1.5であった。この分散液に市販のアクリル樹脂200g、キシレン1200gとを混合した塗料を作成した。この塗料をPETフィルムに塗布し、1時間風乾した後、表面抵抗を測定したところ1×107Ω/□であり、全光線透過率は89%、ヘーズは2.4%であった。目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認されず、透明で色味にも問題はなかった。
珪酸をシリカ換算で0.2%含有した水酸化錫と塩化カリウム10%を十分混合した後、窒素雰囲気下、1100℃に加熱し、2時間保持した後に冷却し、洗浄を10回繰り返した後、乾燥し粉砕したところ、N量10ppm、BET比表面積10m2/g、粉末のL、a、b値がそれぞれ80,―1,−5、炭素量が0の棒状タイプの酸化スズ粉末を得た。この粉体の体積抵抗は0.5Ω・cmであった。また熱分析によって金属Snは確認されなかった。この粉体の環境加速試験による体積粉体抵抗率の変化量(加速比)は0.9であった。この透明導電性微粉末300gを1200gのトルエンに分散した分散液を作成した。この分散後の分散液を乾燥した時のBET比表面積と分散前のBET比表面積(BET比)は1.9であった。この分散液に市販のアクリル樹脂200g、キシレン1200gとを混合した塗料を作成した。この塗料をPETフィルムに塗布し、1時間風乾した後、表面抵抗を測定したところ1×106Ω/□であり、全光線透過率は86%、ヘーズは3.0%であった。目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認されず透明で色味にも問題はなかった。
珪酸をシリカ換算で0.6%含有した水酸化錫を窒素雰囲気下、500℃に加熱し、2時間保持した後に冷却したところ、N量10ppm、BET比表面積100m2/g、粉末のL、a、b値がそれぞれ81,―1,−5、炭素量が0の酸化スズ粉末を得た。この粉体の体積抵抗は330Ω・cmであった。また熱分析によって金属Snは確認されなかった。この粉体の環境加速試験による体積粉体抵抗率の変化量(加速比)は25であった。この透明導電性微粉末300gを1200gのトルエンに分散した分散液を作成した。この分散後の分散液を乾燥した時のBET比表面積と分散前のBET比表面積(BET比)は1.5であった。この分散液に市販のアクリル樹脂200g、キシレン1200gとを混合した塗料を作成した。この塗料をPETフィルムに塗布し、1時間風乾した後、表面抵抗を測定したところ5×109Ω/□であり、全光線透過率は89%、ヘーズは2.3%であった。目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認されず、透明で色味にも問題はなかった。
珪酸をシリカ換算で3.0%含有した水酸化錫を窒素雰囲気下、500℃に加熱し、2時間保持した後に冷却したところ、N量10ppm、BET比表面積200m2/g、粉末のL、a、b値がそれぞれ83,―1,−6、炭素量が0の酸化スズ粉末を得た。この粉体の体積抵抗は640Ω・cmであった。また熱分析によって金属Snは確認されなかった。この粉体の環境加速試験による体積粉体抵抗率の変化量(加速比)は47であった。この透明導電性微粉末300gを1200gのトルエンに分散した分散液を作成した。この分散後の分散液を乾燥した時のBET比表面積と分散前のBET比表面積(BET比)は1.4であった。この分散液に市販のアクリル樹脂200g、キシレン1200gとを混合した塗料を作成した。この塗料をPETフィルムに塗布し、1時間風乾した後、表面抵抗を測定したところ7×109Ω/□であり、全光線透過率は89%、ヘーズは2.3%であった。目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認されず、透明で色味にも問題はなかった。
実施例2の粉末を不活性ガス雰囲気下、エタノールをガス化しながら接触させて、200℃に加熱して1時間保持した後に冷却したところ、N量100ppm、BET比表面積40m2/g、粉末のL、a、b値がそれぞれ64,1,2、炭素量が0.5%の酸化スズ粉末を得た。この粉体の体積抵抗は15Ω・cmであった。また熱分析によって金属Snは確認されなかった。この粉体の環境加速試験による体積粉体抵抗率の変化量(加速比)は4.0であった。この透明導電性微粉末300gを1200gのトルエンに分散した分散液を作成した。この分散後の分散液を乾燥した時のBET比表面積と分散前のBET比表面積(BET比)は1.6であった。この分散液に市販のアクリル樹脂200g、キシレン1200gとを混合した塗料を作成した。この塗料をPETフィルムに塗布し、1時間風乾した後、表面抵抗を測定したところ2×108Ω/□であり、全光線透過率は86%、ヘーズは3.5%であった。目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認されず、透明で色味にも問題はなかった。
実施例2の粉末を不活性ガス雰囲気下、エタノールをガス化しながら接触させて、250℃に加熱して2時間保持した後に冷却したところ、N量100ppm、BET比表面積40m2/g、粉末のL、a、b値がそれぞれ62,1,4、炭素量が1.0%の酸化スズ粉末を得た。この粉体の体積抵抗は10Ω・cmであった。また熱分析によって金属Snは確認されなかった。この粉体の環境加速試験による体積粉体抵抗率の変化量(加速比)は3.0であった。この透明導電性微粉末300gを1200gのトルエンに分散した分散液を作成した。この分散後の分散液を乾燥した時のBET比表面積と分散前のBET比表面積(BET比)は1.6であった。この分散液に市販のアクリル樹脂200g、キシレン1200gとを混合した塗料を作成した。この塗料をPETフィルムに塗布し、1時間風乾した後、表面抵抗を測定したところ1×107Ω/□であり、全光線透過率は84%、ヘーズは4.0%であった。目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認されず、透明で色味にも問題はなかった。
珪酸をシリカ換算で0.002%含有した水酸化錫を窒素雰囲気下、400℃に加熱し、5時間保持した後に冷却し、不活性ガス雰囲気下、エタノールをガス化しながら接触させて、250℃に加熱して1時間保持した後に冷却したところ、N量40000ppm、BET比表面積200m2/g、粉末のL、a、b値がそれぞれ56,1,5、炭素量が1.0%の酸化スズ粉末を得た。この粉体の体積抵抗は30Ω・cmであった。また熱分析によって金属Snは確認されなかった。この粉体の環境加速試験による体積粉体抵抗率の変化量(加速比)は4.0であった。この透明導電性微粉末300gを1200gのトルエンに分散した分散液を作成した。この分散後の分散液を乾燥した時のBET比表面積と分散前のBET比表面積(BET比)は1.3であった。この分散液に市販のアクリル樹脂200g、キシレン1200gとを混合した塗料を作成した。この塗料をPETフィルムに塗布し、1時間風乾した後、表面抵抗を測定したところ3×107Ω/□であり、全光線透過率は87%、ヘーズは3.0%であった。目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認されず、透明で色味にも問題はなかった。
比較例
〔比較例1〕
実施例3で窒素雰囲気下を空気雰囲気下にする以外は、同じ方法で処理し、N量0ppm、BET比表面積40m2/g、粉末のL、a、b値がそれぞれ85,−1,2、炭素量が0の酸化スズ粉末を得た。この粉体の体積抵抗は1400000Ω・cmであった。また熱分析によって金属Snは確認されなかった。この粉体の環境加速試験による体積粉体抵抗率の変化量(加速比)は80であった。この透明導電性微粉末300gを1200gのトルエンに分散した分散液を作成した。この分散後の分散液を乾燥した時のBET比表面積と分散前のBET比表面積(BET比)は1.5であった。この分散液に市販のアクリル樹脂200g、キシレン1200gとを混合した塗料を作成した。この塗料をPETフィルムに塗布し、1時間風乾した後、表面抵抗を測定したところ9×1012Ω/□であり、全光線透過率は81%、ヘーズは4.5%であった。目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認されなかったが、透明性において白味がかっており色味に問題が生じた。
〔比較例2〕
実施例6で窒素雰囲気下を空気雰囲気下にする以外は、同じ方法で処理し、N量0ppm、BET比表面積100m2/g、粉末のL、a、b値がそれぞれ91,0,4、炭素量が0の酸化スズ粉末を得た。この粉体の体積抵抗は4600000Ω・cmであった。また熱分析によって金属Snは確認されなかった。この粉体の環境加速試験による体積粉体抵抗率の変化量(加速比)は88であった。この透明導電性微粉末300gを1200gのトルエンに分散した分散液を作成した。この分散後の分散液を乾燥した時のBET比表面積と分散前のBET比表面積(BET比)は1.5であった。この分散液に市販のアクリル樹脂200g、キシレン1200gとを混合した塗料を作成した。この塗料をPETフィルムに塗布し、1時間風乾した後、表面抵抗を測定したところ1013Ω/□以上であり、全光線透過率は79%、ヘーズは5.3%であった。目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認されなかったが、透明性において黄味がかっており色味に問題が生じた。
〔比較例3〕
珪酸をシリカ換算で4.0%含有した水酸化錫を窒素雰囲気下、300℃に加熱し、10時間保持した後に冷却し、さらに不活性ガス雰囲気下、エタノールをガス化しながら接触させて、250℃に加熱して1時間保持した後に冷却したところ、N量80000ppm、BET比表面積300m2/g、粉末のL、a、b値がそれぞれ53,2,8、炭素量が10%の酸化スズ粉末を得た。この粉体の体積抵抗は5Ω・cmであった。また熱分析によって金属Snは確認されなかった。この粉体の環境加速試験による体積粉体抵抗率の変化量(加速比)は15であった。この透明導電性微粉末300gを1200gのトルエンに分散した分散液を作成した。この分散後の分散液を乾燥した時のBET比表面積と分散前のBET比表面積(BET比)は1.0であった。この分散液に市販のアクリル樹脂200g、キシレン1200gとを混合した塗料を作成した。この塗料をPETフィルムに塗布し、1時間風乾した後、表面抵抗を測定したところ3×107Ω/□であり、全光線透過率は78%、ヘーズは4.7%であった。目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認されなかったが、透明性において黄味がかっており色味に問題が生じた。
〔比較例4〕
珪酸をシリカ換算で1.6%含有した水酸化アンチモンと水酸化錫とを窒素雰囲気下、500℃に加熱し、2時間保持した後に冷却したところ、N量10ppm、BET比表面積70m2/g、粉末のL、a、b値がそれぞれ38,−1,−9、炭素量が0のアンチモンドープ酸化スズ粉末を得た。この粉体の体積抵抗は1.0Ω・cmであった。また熱分析によって金属Snは確認されなかった。この粉体の環境加速試験による体積粉体抵抗率の変化量(加速比)は1.2であった。この透明導電性微粉末300gを1200gのトルエンに分散した分散液を作成した。この分散後の分散液を乾燥した時のBET比表面積と分散前のBET比表面積(BET比)は1.5であった。この分散液に市販のアクリル樹脂200g、キシレン1200gとを混合した塗料を作成した。この塗料をPETフィルムに塗布し、1時間風乾した後、表面抵抗を測定したところ6×106Ω/□であり、全光線透過率は81%、ヘーズは3.5%であった。目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認されなかったが、透明性において青味がかっており色味に問題が生じた。
〔比較例5〕
アルミニウムがドープした水酸化亜鉛をアルゴン雰囲気下、600℃に加熱し、2時間保持した後に冷却したところ、N量0ppm、BET比表面積30m2/g、L,a,b値がそれぞれ60,−3,−3、カーボン量が0のAZO粉末を得た。この粉体の体積抵抗は1000Ω・cmであった。また熱分析によって金属Znは確認されなかった。この粉体の環境加速試験による体積粉体抵抗率の変化量(加速比)は100であった。この透明導電性微粉末300gを1200gのトルエンに分散した分散液を作成した。この分散後の分散液を乾燥した時のBET比表面積と分散前のBET比表面積(BET比)は1.7であった。この分散液に市販のアクリル樹脂200g、キシレン1200gとを混合した塗料を作成した。この塗料をPETフィルムに塗布し、1時間風乾した後、表面抵抗を測定したところ1×1011Ω/□であり、全光線透過率は79%、ヘーズは3.9%であった。目視にて透明性を確認したところ、凝集物は確認されなかったが、透明性において白緑味がかっており色味に問題が生じた。
実施例1〜7と比較例1〜2とを比較すると、BET比表面積が同一範囲であるとき、酸化スズ粉末の窒素含有量が多いほど粉体体積抵抗値が低下している。なお、窒素含有量が過剰な比較例3は透過率が低いので、窒素含有量は1〜50000ppmが適当である。また、BET比表面積が大きいほど粉体体積抵抗値が増大するが、実施例5〜6に示すように、窒素を含有する酸化スズ粉末の粉体体積抵抗値は比較例1〜2に比べて大幅に低く、窒素を含有する酸化スズ粉末のBET比表面積は1〜200m2/g程度でもよい。さらに実施例8〜10に示すように、表面処理して所定量の炭素を含有するものは、環境加速試験による体積粉体抵抗率の変化量(加速比)が低下しており、導電性が経時安定性に優れている。また、実施例1〜10はBET比が何れも2.0以下であり、凝集性が少なく、さらに、成膜の全光線透過率は84%以上、ヘーズは3.5以下であり、透過性および透明性に優れている。
Figure 2006248856

Claims (16)

  1. 窒素を1〜50000ppm含有する金属酸化物微粉末からなることを特徴とする透明導電性微粉末。
  2. BET比表面積が1〜200m2/gであり、または一次粒子径が1〜500nmである請求項1に記載する透明導電性微粉末。
  3. 粉末のL値が50〜83、a値が−2〜+2、b値が−6〜+7である請求項1または2に記載する透明導電性微粉末。
  4. 体積粉体抵抗率が10-1〜104Ω・cmである請求項1〜3の何れかに記載する透明導電性微粉末。
  5. 粉末が酸化スズであり、アンチモンおよび金属スズの含有量が熱分析による検出限界以下である請求項1〜4の何れかに記載する透明導電性微粉末。
  6. 金属水酸化物を、窒素ガス雰囲気下、100〜1100℃で、窒素を1〜50000ppm含有するまで加熱焼成して得た金属酸化物微粉末からなる請求項1〜5の何れかに記載する透明導電性微粉末。
  7. 窒素を1〜50000ppm含有する表面処理された金属酸化物微粉末からなり、微粉末表面に0.01〜10%のカーボン量を有する請求項1〜5の何れかに記載する透明導電性微粉末。
  8. 環境加速試験において体積粉体抵抗率の変化量(加速比)が50倍以下である請求項7に記載する透明導電性微粉末。
  9. 金属水酸化物を、窒素ガス雰囲気下、100〜1100℃で、窒素を1〜50000ppm含有するまで加熱焼成して金属酸化物微粉末にし、この金属酸化物微粉末を不活性雰囲気下、および有機表面処理剤の存在下、100〜450℃の温度で加熱して表面処理した、微粉末表面に0.01〜10%のカーボン量を有する金属酸化物微粉末からなる請求項7または8に記載する透明導電性微粉末。
  10. 金属水酸化物を、窒素ガス雰囲気下、100〜1100℃で、窒素を1〜50000ppm含有するまで加熱焼成して金属酸化物微粉末にする請求項1〜5の何れかに記載する透明導電性微粉末を製造する方法。
  11. 金属水酸化物を、窒素ガス雰囲気下、100〜1100℃で、窒素を1〜50000ppm含有するまで加熱焼成して金属酸化物微粉末にし、この金属酸化物微粉末を不活性雰囲気下、および有機表面処理剤の存在下、100〜450℃の温度で加熱して表面処理し、微粉末表面に0.01〜10%のカーボン量を有する金属酸化物微粉末からなる請求項7または8に記載する透明導電性微粉末を製造する方法。
  12. ケイ酸をシリカ換算で10%以下含有する金属水酸化物を用いる請求項10または11の製造方法。
  13. 請求項1〜9の何れかに記載する透明導電性微粉末を媒体に分散させたことを特徴とする透明導電性微粉末の分散液。
  14. 媒体に分散する前の粉末と分散した後の粉末について、BET比表面積の比が1.1〜2.0である請求項13に記載する透明導電性微粉末の分散液。
  15. 請求項1〜9の何れかに記載する透明導電性微粉末を含有し、または請求項13もしくは14の分散液を用いて形成されたことを特徴とする塗料。
  16. 請求項15の塗料によって形成された、表面抵抗104〜1012Ω/□、全光透過率80%以上、ヘーズ10%以下であることを特徴とする成膜。

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