JP2010099708A - 被切断材の切断面処理方法および装置 - Google Patents

被切断材の切断面処理方法および装置 Download PDF

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賢一 大森
Toshifumi Yoneuchi
敏文 米内
Katsuhiro Ozawa
勝洋 小澤
Yasuhito Mochizuki
保仁 望月
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Abstract

【課題】ひび割れや欠損等の破損の発生を効果的に防いでガラス板の安全性や強度等の品質を保持しつつ、大規模な周辺設備を必要とせずにガラス板の切断面の処理工程にかかる時間を短縮できる切断面の処理装置及び処理方法を提供する。
【解決手段】ガラス板の切断面の表面に照射される短パルスレーザ光を発振する光源と、そのレーザ光を誘導する誘導手段と、照射される切断面の表面において、短パルスレーザ光の照射範囲が瞬間的に蒸発されるように、超短パルスレーザ光のエネルギー密度を調整する手段と、短パルスによってガラス板の周辺領域が破損されることのないように、ガラス板の切断部周辺に熱を加える加熱手段を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は高脆性非金属材料製などの被切断材における切断面をレーザ光の照射により処理する処理方法および処理装置に関するものである。
ガラスなどの高脆性非金属材料では、所定の形状や寸法などに切断した後、切断面、特に角部の面取りが必要とされる場合がある。該面取りの方法としては、従来、研磨工具が用いられてきたが、研磨工具に使用に代えてレーザ光を利用したものが提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
特許文献1で示される方法では、図7に示すように、ガラス部材21の全体を常温より高い所定温度に保持した状態で、レーザ光22を該レーザ光22の照射スポット22aが該角部21aの全長のうちの少なくとも一部分にわたって移動するように、上記ガラス部材21に照射することにより、角部21の照射部分をその他の部分よりさらに高温に加熱して軟化させて面取りするようにしている。
特許文献2で示される方法では、材料を部分的に予熱して、処理対象となる角部にレーザ光を照射することで該角部を溶融し軟化させる。この軟化によって角部が丸くなって面取りがなされる。
具体的には、図8に示すように、ガラス基板30の側縁における面取り予定のエッジ部31に一方の端部が位置する楕円形状の第1レーザスポットLS1が形成される。第1レーザスポットLS1の長軸は、エッジ部に対して角度θだけ傾斜した状態になっており、他方の端部は、エッジ部31の近傍部分に位置している。第1レーザスポットLS1の熱エネルギー強度は、エッジ部31の近傍部分に位置する端部が小さく、面取り予定のエッジ部31上に位置される端部において最大になっている。ガラス基板30がX方向に移動されると、第1レーザスポットLS1によって、ガラス基板30のエッジ部31の近傍部分が予熱された後に、エッジ部31が溶融されて面取りされる。また、エッジ部31が溶融されて面取りされた後、第2レーザスポットLS2によって加熱し、ガラス基板30をアニールすることによって、残留応力を緩和し、微細クラックの発生を防止している。これにより、ガラス基板のエッジ部31を、クラックを発生させることなく、確実に面取りすることができるとしている。
特開平2−241684号公報 再公表特許WO2003−15976号公報
しかし、従来のレーザを使った面取り方法では、ガラスを溶融させて切断面をR面にするため、溶融部で欠損や形状に垂れなどが生じて形状精度が損なわれるという問題がある。さらに、ガラスが部分的に加熱されることで、残留歪が発生し、微細クラックなどを招くので、残留歪みを取り除く必要があり、このために時間を掛けて徐冷するなどの手段が必要になるが、徐冷のために長い時間を要し、効率が悪い。また、ガラスのサイズが大きくなると、残留応力が積算されて、ガラスが残留応力に耐え切れずに破壊されてしまう問題もある。
残留歪みに対しては、特許文献1に示されるように、ガラス全体を予め加熱しておくことにより残留歪の発生を回避することができるが、ガラス全体を加熱するのは時間がかかり生産性に問題がある。また、特許文献2に示すように角部の処理後にさらにレーザ光を照射してアニールすることも残留歪みの緩和に効果があるが、その効果には限度があり、上記のようにガラスのサイズが大きくなると、残留歪みの影響を十分に排除することが難しくなる。
この発明は上記のような従来のものの課題を解決するためになされたものであり、ガラス、セラミック、或いは半導体材料等の被切断材をレーザ光によって瞬間的に蒸発させることにより、被切断材の欠損や熱影響による残留歪を残すことなく切断面を処理することができる方法および装置を提供することを目的としている。
すなわち、本発明の被切断材の切断面処理方法のうち、第1の発明は、被切断材の切断面に短パルスレーザ光を照射して、前記切断面の角部でレーザアブレーションを生じさせて前記角部の面取りを行うことを特徴とする。
第2の本発明の被切断材の切断面処理方法は、前記第1の本発明において、前記被切断材が高脆性非金属材料であることを特徴とする。
第3の本発明の被切断材の切断面処理方法は、前記第1の本発明において、前記短パルスレーザ光を前記被切断材に対し、前記角部の長手方向に沿って相対的に走査することで、前記角部の長手方向に沿って前記面取りを行うことを特徴とする。
第4の本発明の被切断材の切断面処理方法は、前記第3の本発明において、前記短パルスレーザ光に先行して前記切断面の角部を部分的に予備加熱する加熱手段により加熱部分を走査しつつ予備加熱し、該予備加熱手段による加熱部分の後方側域に重ねて前記短パルスレーザ光を走査しつつ照射することを特徴とする。
第5の本発明の被切断材の切断面処理方法は、前記第4の本発明において、前記加熱手段が、前記被切断材の吸収帯波長となる波長を有する予備加熱レーザ光の照射部分により前記被切断材を部分的に予備加熱するものであることを特徴とする。
第6の本発明の被切断材の切断面処理方法は、前記第3〜5のいずれかの本発明において、2つの被切断材の各切断面が隣り合った状態で前記短パルスレーザ光を走査しつつ照射することにより2つの切断面を同時に処理することを特徴とする。
第7の本発明の被切断材の切断面処理装置は、被切断材の切断面に照射するレーザ光を出力する光源と、前記レーザ光を誘導する手段とを備え、前記レーザ光は、該レーザ光の照射によって前記切断面の照射部分が瞬間的に蒸発するエネルギー密度で照射されるものであることを特徴とする。
第8の本発明の被切断材の切断面処理装置は、前記第7の本発明において、前記光源から出力される前記レーザ光を該レーザ光の照射によって前記切断面の照射部分が瞬間的に蒸発する前記エネルギー密度に調整する手段を備えることを特徴とする。
第9の本発明の被切断材の切断面処理装置は、前記第7の本発明において、前記レーザ光を、前記被切断材に対し前記切断面長手方向に相対的に走査させる走査手段を備えることを特徴とする。
第10の本発明の被切断材の切断面処理装置は、前記第7の本発明において、前記レーザ光のパルス幅が100ピコ秒以下であることを特徴とする。
第11の本発明の被切断材の切断面処理装置は、前記第7の本発明において、前記レーザ光が被切断材に照射されて該被切断材の一部が蒸発して発生する粉体を吸引する手段を備えることを特徴とする。
第12の本発明の被切断材の切断面処理装置は、前記第7の本発明において、前記レーザ光が前記被切断材に照射される前に、該被切断材を予備加熱する加熱手段を備えることを特徴とする。
第13の本発明の被切断材の切断面処理装置は、前記第12の本発明において、前記加熱手段が、前記被切断材の吸収帯波長となる波長を有する予備加熱レーザ光により前記被切断材を予備加熱するものであることを特徴とする。
第14の本発明の被切断材の切断面処理装置は、前記第12または第13の本発明のいずれかにおいて、前記予備加熱により略最高温度に達した前記切断面の部分に前記レーザ光を照射し蒸発させることを特徴とする。
第15の本発明の被切断材の切断面処理装置は、前記第7の本発明において、前記レーザ光を前記走査方向と交差する方向に繰り返し移動させて前記被切断材の蒸発領域を調整可能なレーザ光移動手段を備えることを特徴とする。
第16の本発明の被切断材の切断面処理装置は、前記第7の本発明において、前記レーザ光は前記被切断材の表面に対して垂直に照射されることを特徴とする。
第17の本発明の被切断材の切断面処理装置は、前記第7の本発明において、前記レーザ光の走査に先行して、前記レーザ光の走査とともに切断位置を移動させて前記被切断材を切断する切断手段を備えることを特徴とする。
以上、説明したように本発明の被切断材の切断面処理方法によれば、被切断材の切断面に短パルスレーザ光を照射して、前記切断面の角部でレーザアブレーションを生じさせて前記角部の面取りを行うので、被切断材の一部欠損や溶融による垂れ現象などもなく、形状精度が保たれる。また、レーザ光照射による熱影響が殆どなく、被切断材に残留歪みを生じさせることなく面取りを行うことができる。したがって、残量歪みが発生しないように、事前に被切断材全体を加熱する工程が不要であり、工程が簡略化されるとともに、被切断材全体を加熱するための大規模な周辺設備を必要としない。また、面取り後の長時間の徐冷も必要とされないので、さらに工程が簡略化される効果がある。
さらに、被切断材のサイズが大きくなっても残留応力が蓄積されることがなく、大きなサイズの被切断材の処理が可能になる。また通常、ガラスなどの被切断材の切断面には強度を低下させる原因となる水平クラックが存在するが、水平クラックそのものを除去することができるため、ガラスなどの被切断材の強度をアップさせることができる。
さらに被切断材の表面のみに処理することができるため、被切断材の切断部周辺に熱に弱い材質があっても影響を及ぼすことがない。例えば、液晶パネルの液晶、樹脂等に熱ダメージを与えることがなく被切断材であるガラスの処理を行えるという効果がある。
さらには、ドライな面取りであるためその後の洗浄が不要であり、また、面取りしているため、ハンドリングによる傷が付きにくいという効果もある。
また、本発明の被切断材の切断面処理装置は、被切断材の切断面に照射するレーザ光を出力する光源と、前記レーザ光を誘導する手段とを備え、前記レーザ光は、該レーザ光の照射によって前記切断面の照射部分が瞬間的に蒸発するエネルギー密度で出力されるので、被切断材に適切なエネルギー密度を有するレーザ光を照射して、前記被切断材の照射部分でレーザアブレーションを生じさせて被切断材に残留歪みを生じさせることなく切断面の処理を行うことができる効果がある。
以下に、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
切断面処理装置は、図1に示すように、被切断材としてのガラス1を載置する試料台2と、該試料台2を水平方向にリニア移動させる移動装置3を備えている。該移動装置3は、本発明の走査手段に相当する。
試料台2の上方には、ミラー5a、5bなどの光学系を有する誘導部5が位置しており、該誘導部5の出射方向に、ビームを集光する調整部6が位置し、該調整部6の出射方向前方(図では調整部6の下方)に、試料台2に載置されるガラス1の切断面1Aが位置するように位置付けられている。なお、誘導部5には、その他に、ホモジナイザやシリンドリカルレンズなどの適宜の光学系部材を含むことができ、本発明としては、その構成が特定のものに限定されるものではない。
上記誘導部5の入射側には、レーザ光源4から出力されるレーザ光4aが入力するように構成されている。なお、この実施形態では、レーザ光4aとして、紫外線域の波長を有するものが好適なものとして使用されている。
また、上記誘導部5の上方には、ミラー11a、11bなどの光学系を有する誘導部11が位置しており、該誘導部11の出射方向に、前記ガラス1の切断面1Aが位置している。誘導部11においても、その他に、ホモジナイザやシリンドリカルレンズなどの適宜の光学系部材を含むことができ、本発明としては、その構成が特定のものに限定されるものではない。
なお、切断面1Aにおいては、前記誘導部5による出射方向と前記誘導部11による出射方向とがほぼ重なるようになっている。誘導部11の入射側には、COを用いたレーザ光源10から出力される予備加熱レーザ光10aが入力するように構成されている。なお、この実施形態では、予備加熱レーザ光10aとして、赤外線域の波長を有するものが好適なものとして使用されている。
さらに、レーザ光4aおよび予備加熱レーザ光10aが前記切断面1Aに照射される位置の近傍には、吸引装置7が設けられており、吸引装置7周辺の粉塵等を吸引して除去することが可能になっている。
なお、上記実施形態では、ガラス1を水平に配置し、その上方に誘導部5、11を配置したものとして説明しているが、本発明としてはその配置方向や配置位置関係が特に限定されるものではない。例えばガラスを縦や斜めに設置するようにしたものであってもよく、誘導部も設置されたガラスの切断面にレーザ光を照射できるよう配置されているものであればよい。
次に、上記切断面処理装置を用いた処理方法について説明する。
試料台2上に、切断面1Aが誘導部5および誘導部11の出射方向に位置するようにガラス1を載置する。
レーザ光源10では、ガラス1の吸収帯波長に属する波長を有する予備加熱レーザ光10aが出力される。レーザ光源10から出力された予備加熱レーザ光10aは、誘導部11に入射され、適宜のビーム整形やミラー11a、11bなどによる偏向を経て、誘導部11から出射され、ガラス1の切断面1Aの表面に照射される。そのときに予備加熱レーザ光10aがガラス1に照射される際のビーム形状は前記誘導部11によって整形されて、図2の照射部10bに示すように、ガラス1が移動する方向と平行に長手の形状にして、切断面1Aの面取りする箇所のみが有効に加熱されるような強度分布をしている。該ビーム形状としては、処理を行う角部の大きさに相応して予備加熱できる幅を有するものであればよく、また、長さは、レーザ光4aの照射に先行して予備加熱を効果的に行えるように設定されたものであればよい。例えば、幅と長さの比では数倍から数十倍に設定することができる。
一方、レーザ光源4では、適宜の出力パワーで紫外線域(波長10−400nm)の波長を有するレーザ光4aが出力される。このレーザ光4aのパルス幅は、ピコオーダーのものとして、好適には波長100ピコ秒以下の短パルスのレーザ光とする。
レーザ光4aは、誘導部5に入射され、適宜の整形やミラー5a、5bなどによる偏向を経て、誘導部5から出射され、調整部6に至る。調整部6ではレーザ光4aを集光し、焦点位置がガラス1の切断面1Aの表面が位置するように調整をする。これにより切断面1Aには、レーザ光4aによる照射スポット4bが得られる。照射スポット4bの径は、処理を行う角部の大きさに相応する小さいものとすることができ、上記照射部10bの幅よりは小さいものとする。
上記照射スポット4bは、ガラスが瞬間的に蒸発する、すなわちレーザアブレーションが生じるエネルギー密度を有している。レーザアブレーションは、照射部にある値以上でのエネルギーが与えられると、瞬間的に固体表面から物資が放出される現象であり、固体の溶融を経ることなく蒸発が生じるものである。
なお、上記照射スポット4bは上記調整部6によって集光されてエネルギー密度が調整されたものであり、該調整部6は、前記レーザ光を、該レーザ光の照射によって前記切断面の照射部分が瞬間的に蒸発する前記エネルギー密度に調整する手段としての役割を有している。なお、上記エネルギー密度を得るためには、レーザ光源から出力されるレーザ光のパワーが適切に設定されている必要がある。該レーザ光のパワーを調整する手段を備える場合には、これも上記エネルギー密度に調整する手段に含まれる。
照射スポット4bは、照射部10bと部分的に重なるようにされており、さらには、照射部10bの加熱によりガラス表面の温度が最高温度に達する位置に照射スポット4bが位置するのが望ましい。照射スポット4bと照射部10bとは、移動装置3によってガラス1を移動させることで、ガラス1に対し相対的に移動してレーザ光の走査がなされる。この走査方向に対し、照射スポット4bを照射部10bの走査方向後方域に位置させることで、レーザ光10による予備加熱が先行する。照射部10bでは、走査方向中心で概ね最高エネルギー密度を示すが、ガラス切断面1Aに沿って移動させることで、ガラス表面に熱が蓄積され、ガラス1上では、照射部10bの走査方向中央よりも後方側が最高温度になる。
図3は、切断面上で、照射部10bが移動した際の時間経過と切断面の温度の変化の一例(ビーム長さLmm、走査速度(L×11)mm/秒)を示す図である。ビーム中心が通過した後、やや時間を置いて切断面1Aが最高到達温度に達している。すなわち、この位置に常に照射スポット4bが位置するように照射スポット4bと照射部10bとの位置関係を定めるのが望ましい。
この配置関係で、照射スポット4a、照射部10aとガラス1を相対移動させることにより、前記照射部10bと照射スポット4bとが切断面1Aの角部1Bに沿って移動し(走査され)、所望の面取りが行なわれる。すなわち、照射部10bによって部分的に予備加熱された角部1Bでは、続いて照射される照射スポット4bが短パルス、高エネルギー密度で照射されるため、該スポットでガラスが瞬間的に蒸発するレーザアブレーション現象が生じ、角部1Bの面取りが行われる。上記走査速度は、例えば数十〜数百mm/秒の速度が例示されるが、本発明としては特にこれに限定されるものではない。但し、少なくとも上記レーザアブレーションが生じるように走査速度は設定する必要がある。
なお、蒸発したガラス粒子は、吸引装置7で強制的に吸引して除去することで、ガラス1への再付着を確実に防ぐことができる。
上記レーザアブレーションでは、照射スポット4bによるガラス1への熱影響は殆どない。照射部10bおよび照射スポット4bが通過した角部1Bでは面取り部1Bが形成されており、さらに照射部10b、照射スポット4bの通過後、角部に沿った処理中に徐々に温度が低下し、残留歪みは殆ど発生しない。また、処理後の徐冷も必要とされない。
図4は、面取りが行われた角部1Bすなわち面取り部1Bを示すものであり、例えば曲率半径Rが50μm程度のR面取りを行うことができる。なお、この曲率半径は、前記照射スポットの径などによっても異なるものであり、本発明としては広範囲の曲率でR面取りを行うことができる。
すなわち、本発明では、ガラスに対して蒸発することができる超短パルスレーザ光を集光して小さいビームスポットにして、ガラスの切断面の表面に照射することによって、ガラスの一部を瞬間的に蒸発させることができる。短パルスを使用しているため、角部の欠損や垂れなどが生じることはなく、また、ガラスの切断面周辺に熱影響を与えることがないので、残留歪を発生させることなく面取りすることができる。
またガラスを予め予備加熱により部分的に高温にしておくことで、蒸発して高温になっているガラス粒子が切断面に付着した際に発生する熱ダメージを抑制することができる。なお、予備加熱としては、上記実施形態ではレーザ光を用いたが、本発明としてはこれに限定されるものではなく、加熱源としてバーナなどを用いても構わない。ただし、予備加熱レーザ光を用いれば、最高到達温度点の位置が正確になり、より効果的に予備加熱および面取りを行うことができる。
なお、切断面の直進性が短パルスレーザのビームスポット4bの径より大きく逸脱するような場合、上記面取りや良好になされない。これに対しては、レーザ光移動手段に相当するガルバノミラーやAOM(音響光学素子)等によって上記走査方向に交差(直角でも良い)する方向にレーザビームを繰り返し移動させることにより、直進性が逸脱している場合においても面取りが可能となる。上記ガルバノミラーやAOM(音響光学素子)は、本発明におけるレーザ光移動手段に相当する。なお、上記移動量は、走査方向に対するレーザ光のずれ量などを考慮して決定することができる。また繰り返し周期や移動速度も、走査速度などを考慮して適宜設定することができる。
さらに本発明では、ガラス表面に対して垂直にビームを照射して面取りすることができるため、図5に示すように、切断されたガラス1、1の切断面1A、1A同士を向かい合わせにし、その上方から上記と同様にして、角部1B、1Bに亘るように短パルスのレーザ光を照射することで、角部1B、1Bを一度に面取りして面取り部1B、1Bとすることができる。この際に、上記実施形態と同様に予備加熱レーザなどによってガラス1、1の予備加熱を先行して行うのが望ましい。
また、上記実施形態では、既に切断がされたガラスを用意して面取りを行うものについて説明したが、本発明では、ガラススクライブ装置などに上記機能を付加し、ガラスの割断と同時に面取りをすることができる。
この装置を図6に基づいて説明する。上記したレーザ光4a、10bを照射する装置の他に、切断手段としてメカホイール15を備えており、上記レーザ光10bの走査方向前方に該メカホイール15が位置するようにする。
この装置では、上記実施形態と同様にガラスを移動させると、所定の箇所にメカホイール15によって亀裂1Cが形成される。この亀裂1Cに対し、上記実施形態と同様にレーザ光10aとレーザ光4aとが、亀裂1Cにおける対向する角部1B、1Bにおいて照射部10bと照射スポット4bとして照射され、上記実施形態と同様に、角部1B、1Bに同時に面取りがなされ、面取り部1B、1Bが形成される。なお、亀裂1Cの形成方法は本発明としては特に限定されるものではなく、種々の方法を採用することができる。この形態では、ガラスの割断と面取りとが同時に行われ、作業効率が向上する効果がある。
なお、上記各説明では、処理対象をガラスに限定して説明をしている。ただし、本発明としては処理対象がガラスに限定されるものではなく、セラミック、半導体などの高脆性非金属材料に適用することができ、さらにはこれに限定されず、上記作用が得られる限りは種々の材料に適用することが可能である。
以上、本発明について上記各実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない限りは当然に適宜の変更が可能である。
本発明の一実施形態における切断面処理装置を示す概略図である。 同じく、該装置による切断面処理過程を示す図である。 同じく、ガラス表面での予備加熱レーザ光による温度変化を示すグラフである。 同じく、面処理がなされたガラスの角部を示す拡大図である。 本発明の切断処理方法における他の実施形態での過程を示す図である。 本発明の他の実施形態の切断面処理装置による切断面処理過程を示す図である。 従来の面取り方法の一例を示す図である。 従来の面取り方法の他例を示す図である。
符号の説明
1 ガラス
1A 切断面
1B 角部
1B 面取り部
1C 亀裂
3 移動装置
4 レーザ光源
4a レーザ光
4b 照射スポット
6 調整部
7 吸引装置
10 レーザ光源
10a 予備加熱レーザ光
10b 照射部

Claims (17)

  1. 被切断材の切断面に短パルスレーザ光を照射して、前記切断面の角部でレーザアブレーションを生じさせて前記角部の面取りを行うことを特徴とする被切断材の切断面処理方法。
  2. 前記被切断材が高脆性非金属材料であることを特徴とする請求項1記載の被切断材の切断面処理方法。
  3. 前記短パルスレーザ光を前記被切断材に対し、前記角部の長手方向に沿って相対的に走査することで、前記角部の長手方向に沿って前記面取りを行うことを特徴とする請求項1記載の被切断材の切断面処理方法。
  4. 前記短パルスレーザ光に先行して前記切断面の角部を部分的に予備加熱する加熱手段により加熱部分を走査しつつ予備加熱し、該予備加熱手段による加熱部分の後方側域に重ねて前記短パルスレーザ光を走査しつつ照射することを特徴とする請求項3記載の被切断材の切断面処理方法。
  5. 前記加熱手段が、前記被切断材の吸収帯波長となる波長を有する予備加熱レーザ光の照射部分により前記被切断材を部分的に予備加熱するものであることを特徴とする請求項4記載の被切断材の切断面処理方法。
  6. 2つの前記被切断材の各切断面が隣り合った状態で前記短パルスレーザ光を走査しつつ照射することにより2つの前記切断面を同時に処理することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の被切断材の切断面処理方法。
  7. 被切断材の切断面に照射するレーザ光を出力する光源と、前記レーザ光を誘導する手段とを備え、前記レーザ光は、該レーザ光の照射によって前記切断面の照射部分が瞬間的に蒸発するエネルギー密度で照射されるものであることを特徴とする被切断材の切断面処理装置。
  8. 前記光源から出力される前記レーザ光を該レーザ光の照射によって前記切断面の照射部分が瞬間的に蒸発する前記エネルギー密度に調整する手段を備えることを特徴とする請求項7記載の被切断材の切断面処理装置。
  9. 前記レーザ光を、前記被切断材に対し前記切断面長手方向に相対的に走査させる走査手段を備えることを特徴とする請求項7記載に被切断材の切断面処理装置。
  10. 前記レーザ光のパルス幅が100ピコ秒以下であることを特徴とする請求項7記載の被切断材の切断面処理装置。
  11. 前記レーザ光が被切断材に照射されて該被切断材の一部が蒸発して発生する粉体を吸引する手段を備えることを特徴とする請求項7記載の被切断材の切断面処理装置。
  12. 前記レーザ光が前記被切断材に照射される前に、該被切断材を予備加熱する加熱手段を備えることを特徴とする請求項7記載の被切断材の切断面処理装置。
  13. 前記加熱手段が、前記被切断材の吸収帯波長となる波長を有する予備加熱レーザ光により前記被切断材を予備加熱するものであることを特徴とする請求項12記載の被切断材の切断面処理装置。
  14. 前記予備加熱により略最高温度に達した前記切断面の部分に前記レーザ光を照射し蒸発させることを特徴とする請求項12または13に記載の被切断材の切断面処理装置。
  15. 前記レーザ光を前記走査方向と交差する方向に繰り返し移動させて前記被切断材の蒸発領域を調整可能なレーザ光移動手段を備えることを特徴とする請求項7記載の被切断材の切断面処理装置。
  16. 前記レーザ光は、前記被切断材の表面に対して垂直に照射されることを特徴とする請求項7記載の被切断材の切断面処理装置。
  17. 前記レーザ光の走査に先行して、前記レーザ光の走査とともに切断位置を移動させて前記被切断材を切断する切断手段を備えることを特徴とする請求項7記載の被切断材の切断面処理装置。
JP2008274450A 2008-10-24 2008-10-24 被切断材の切断面処理方法および装置 Pending JP2010099708A (ja)

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