JP2009250322A - 同期噛合式自動変速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の同期結合部が介挿されたギヤトレーンにおいて、同期結合部の同期容量の増加を抑制して小形化・コスト低廉化を可能にするとともに、ロック状態に陥ることのない高い信頼性を有する同期噛合式自動変速機を提供する。
【解決手段】入力軸(第1入力軸1)及び出力軸3と、該入力軸1から該出力軸3まで異なる変速比で選択的に動力を伝達する複数のギヤトレーンと、特定の(後進変速段の)ギヤトレーンの途中に複数個介挿され、他のギヤトレーンの途中にそれぞれ1個介挿されて、入力側と出力側とを解離及び同期結合する同期結合部(シンクロメッシュ機構61〜64)と、各該同期結合部61〜64を操作することによりいずれかの該ギヤトレーンを選択し、かつ該特定のギヤトレーンを選択するときには介挿されている複数個の該同期結合部を出力軸3に近い側から順番に(第2−4速用63を先に、後進用64を後に)同期結合操作する操作部と、を備える。
【選択図】図3
【解決手段】入力軸(第1入力軸1)及び出力軸3と、該入力軸1から該出力軸3まで異なる変速比で選択的に動力を伝達する複数のギヤトレーンと、特定の(後進変速段の)ギヤトレーンの途中に複数個介挿され、他のギヤトレーンの途中にそれぞれ1個介挿されて、入力側と出力側とを解離及び同期結合する同期結合部(シンクロメッシュ機構61〜64)と、各該同期結合部61〜64を操作することによりいずれかの該ギヤトレーンを選択し、かつ該特定のギヤトレーンを選択するときには介挿されている複数個の該同期結合部を出力軸3に近い側から順番に(第2−4速用63を先に、後進用64を後に)同期結合操作する操作部と、を備える。
【選択図】図3
Description
本発明は車両などに用いられる同期噛合式自動変速機に関し、より詳細にはギヤトレーンの構成及び変速操作順序に関する。
車両用変速装置の一種に、2つのクラッチ部をもつデュアルクラッチと、2本の入力軸及び出力軸をもつ変速機とを組み合わせたデュアルクラッチ式歯車変速装置がある。この変速装置には、2つのクラッチ部で選択的に動力を伝達することにより伝達トルクが途切れないようにして変速操作を行える、という利点がある。変速機の各入力軸及び出力軸には複数の変速ギヤが設けられて、一般的には4〜7段程度の変速段のギヤトレーンが構成されている。動力を伝達するギヤトレーンの選択及び切替操作は、周知のシンクロメッシュ機構及びこれを制御する電子制御装置により行われ、全体として同期噛合式自動変速機とされるのが一般的である。
この種の変速機では、変速段数を増加させるため、あるいは変速機の軸方向寸法を縮小するために副軸を設け、入力軸から副軸を経由して出力軸に至るギヤトレーンを設けることがある。その一例が、特許文献1の歯車式変速装置に開示されている。特許文献1の変速装置は、副軸上に2つの後進用中間ギヤを設け、一方の中間ギヤをクラッチ出力軸(本願の入力軸)上のドライブギヤと噛合させ、他方の中間ギヤを変速機出力軸上のドリブンギヤに選択的に噛合させることで、後進変速段のギヤトレーンを構成している。そして、変速機出力軸上の前進用ギヤを後進用に兼用することで後進専用ギヤを省略し、軸方向長さを増加させないようにしている。
また、デュアルクラッチ式歯車変速装置では、一方の入力軸から動力が入力されるときに、通常であれば遊転状態とされる他方の入力軸を後進変速段のギヤトレーンの一部として利用することも行われている。
一方、シンクロメッシュ機構による同期結合操作では、摩擦係合により慣性体の回転速度を出力側に同期させ、次に慣性体を出力側に嵌合結合して一体的に回転させるようにしている。慣性体とは、ギヤトレーンの一部で入力側にも出力側にも結合されず、したがって軸受摩擦以外の外力が作用せず、慣性により惰性回転している部分を意味する。この慣性体は複数の部品からなる系であり、系としての慣性モーメントの大小に応じて、シンクロメッシュ機構の同期容量が決定され、構成部品の大きさや点数が適宜設計されている。
特開平8−93861号公報
ところで、上述のように副軸や他方の入力軸を経由するギヤトレーンでは、ギヤトレーンを構成する軸や変速ギヤなど数量が増加して、慣性体の系としての慣性モーメントが増加する。このため、シンクロメッシュ機構に必要な同期容量が増大して、機構の大形化や部品点数の増加、コストの上昇を招くことになる。
また、特許文献1の変速装置では、後進変速段のギヤトレーンを形成するために副軸上及び出力軸上にそれぞれシンクロメッシュ機構が設けられている。特許文献1に限らず、多くの変速段を備えた変速機では、特定のギヤトレーンに複数の同期結合部が介挿され、残りのギヤトレーンに1個の同期結合部が介挿される場合がある。このように複数の同期結合部が介挿されたギヤトレーンでは、同期結合操作の順序を適正化することにより考慮すべき慣性体の慣性モーメントを低減することが可能である。
さらに、複数のシンクロメッシュ機構が介挿されたギヤトレーンにおいて個々のシンクロメッシュ機構を同時に操作した場合、慣性体には2箇所から外力が加えられる。このとき、加えられた外力が互いに干渉するため、シンクロメッシュ機構の摩擦係合部や嵌合結合部が所期の性能を発揮できず、不適正なロック状態に陥るおそれがある。
本発明は上記背景に鑑みてなされたものであり、複数の同期結合部が介挿されたギヤトレーンにおいて、同期結合部の同期容量の増加を抑制して小形化・コスト低廉化を可能にするとともに、ロック状態に陥ることのない高い信頼性を有する同期噛合式自動変速機を提供する。
本発明の同期噛合式自動変速機は、入力軸及び出力軸と、該入力軸から該出力軸まで異なる変速比で選択的に動力を伝達する複数のギヤトレーンと、特定のギヤトレーンの途中に複数個介挿され、他のギヤトレーンの途中にそれぞれ1個介挿されて、入力側と出力側とを解離及び同期結合する同期結合部と、各該同期結合部を操作することによりいずれかの該ギヤトレーンを選択し、かつ該特定のギヤトレーンを選択するときには介挿されている複数個の該同期結合部を出力軸に近い側から順番に同期結合操作する操作部と、を備えることを特徴とする。
さらに、前記同期結合部は、前記入力側と前記出力側とが摩擦係合して同期した後に嵌合結合するシンクロメッシュ機構である、ことが好ましい。
本発明は、所望する複数の異なる変速比に応じて構成される各ギヤトレーンのうち、特定のギヤトレーンの途中に複数の同期結合部が介挿された変速機に適用することができる。ギヤトレーンは、入力軸と出力軸との間で、変速ギヤ及び他の軸を適宜組み合わせて構成することができる。同期結合部は、例えば周知のシンクロメッシュ機構とすることができ、これに限定されない。本発明では、少なくとも一つの変速段のギヤトレーンの途中に、2つ以上の同期結合部を直列に介挿する。操作部は、いずれかのギヤトレーンに介挿された同期結合部を同期結合操作し、残りの同期結合部を解離操作することにより、当該ギヤトレーンを選択して動力を伝達することができる。さらに、操作部は、複数の同期結合部が介挿された特定のギヤトレーンを選択するときに、出力軸に近い側の同期結合部から順番に同期結合操作することができる。言うまでもないが、ギヤトレーンにおいて近いか遠いかの判定は伝達経路上の並び順により行われるものであり、物理的な距離とは関係ない。操作部は例えば、周知の電子制御装置と、油圧装置やモータなどのアクチュエータと、操作軸などの操作機構と、を組み合わせて構成することができる。
上述のように構成された本発明の同期噛合式自動変速機では、特定のギヤトレーンは複数の同期結合部により複数部分に区分されている。この複数部分のそれぞれを小トレーン部と名付ける。各小トレーン部は、同期結合部が解離しているときには外力に拘束されず、惰性で回転する慣性体として作用する。本発明では、出力軸に近い側の同期結合部から順番に同期結合操作するので、各小トレーン部は一つずつ順番に出力軸に同期結合されてゆく。したがって、同期結合部は、小トレーン部1個分の慣性モーメントに対応する小さな同期容量とすることができる。
これに対して、本発明とは逆に出力軸から遠い側の同期結合部を先に同期結合させる場合には、まず2個の小トレーン部同士が同期結合される。この2個の小トレーン部には外力が作用しておらず、慣性体同士の結合となるため操作は容易である。次に、結合された2個の小トレーン部が一括して出力軸に同期結合されることになる。このとき、同期結合部は、小トレーン部2個分の慣性モーメントに対応する大きな同期容量が必要になる。つまり、本発明には、同期結合部の同期容量の増加を抑制する効果がある。
また、本発明と異なり特定のギヤトレーンの複数の同期結合部を同時に同期結合操作する場合、同期結合部の間に位置する小トレーン部では、両側から外力が作用して、両側で同時に摩擦係合及び嵌合結合が行われる。このとき、両側からの外力が互いに干渉しつつ、小トレーン部の回転速度に影響を及ぼすため、正規に同期結合操作できないロック状態に陥るおそれがある。つまり、本発明には、同期結合部がロック状態に陥るおそれを低減する効果がある。
次に、本発明の応用態様について説明する。前記特定のギヤトレーンと他のギヤトレーンとで共用される前記同期結合部を有する、ことでもよい。本発明の特定のギヤトレーンは、他のギヤトレーンから独立した別の経路である必要はなく、一部を共用することができる。
また、デュアルクラッチから選択的に動力が入力される2本の前記入力軸と、少なくとも1本の副軸とを備える、ことが好ましい。
本発明において、入力軸及び出力軸の本数に制約はない。ただし、単一の入力軸と出力軸とを並行配置して変速ギヤ対によるギヤトレーンを構成した態様では、複数の同期結合部を直列に介挿する必要性が生じない。2本の入力軸及び副軸を備え、出力軸を含めると3軸以上にまたがってギヤトレーンが形成され、途中複数箇所で経路が分岐し得る構成に対し、本発明は好適である。
さらに、前記特定のギヤトレーンは後進変速段である、ことでもよい。
例えば、副軸を後進アイドラ軸とし、同期結合部を用いて後進アイドラ軸に後進アイドラギヤを遊転可能に設けることにより、入力軸から後進アイドラ軸を経由して出力軸に至る後進用ギヤトレーンを形成することができる。そしてさらに、入力軸側または出力軸側のどちらかに同期結合部を介挿すれば、本発明を適用する特定のギヤトレーンの構成となる。
本発明の同期噛合式自動変速機では、特定のギヤトレーンを選択するときに介挿されている複数個の同期結合部を出力軸に近い側から順番に同期結合させるようにしたので、同期結合部の同期容量の増加を抑制して、装置の小形化・コスト低廉化に寄与することができる。また、介挿されている複数の同期結合部を同時に操作することがないので、2つの外力の干渉により同期結合部がロック状態に陥るおそれを低減して、高い信頼性を確保することができる。
本発明を実施するための最良の形態を、図1〜図4を参考にして説明する。図1は本発明の実施例の同期噛合式自動変速機を示すスケルトン図であり、動力を伝達しないニュートラル状態が例示されている。実施例の同期噛合式自動変速機10は、前進5速後進1速の変速比を選択して、デュアルクラッチ8からデファレンシャル装置9へと動力を伝達する装置である。同期噛合式自動変速機10は、第1入力軸1、第2入力軸2、出力軸3、後進アイドラ軸4を備え、以降に説明する変速ギヤ51A〜55A、51P〜55P、56、57により前進5速後進1速の各ギヤトレーンが構成され、同期結合部に相当するシンクロメッシュ機構61〜64及び図略の操作部によりギヤトレーンが選択されるようになっている。
第1入力軸1は棒状とされ、第2入力軸2は筒状とされて、同軸内外に配置されている。第1入力軸1の図中右側はデュアルクラッチ8の第1クラッチ部C1に継断可能に連結され、図中左側は第2入力軸2を通り抜けて突き出し、ボールベアリング軸受11に軸支されている。第2入力軸2の図中右側はデュアルクラッチ8の第2クラッチ部C2に継断可能に連結され、中央部はボールベアリング軸受21に軸支されている。出力軸3は、第1入力軸1及び第2入力軸2の図中下側に平行に配置されている。出力軸3は、その両端をテーパードローラーベアリング31、32により軸支されている。出力軸3の右寄りには出力ギヤ33が固定して設けられており、出力ギヤ33はデファレンシャル装置9に噛合して動力を伝達出力するようになっている。後進アイドラ軸4は、第1入力軸1、第2入力軸2、出力軸3の3軸に対して平行に配置され、両端をボールベアリング軸受41、42により軸支されている。
変速ギヤ及びシンクロメッシュ機構は、次のように配設されている。第1入力軸1には図中左側から順に第1速駆動ギヤ51A、第3速駆動ギヤ53A、及び第5速駆動ギヤ55Aが設けられ、出力軸3の対向する箇所には各駆動ギヤ51A、53A、55Aに噛合する第1速従動ギヤ51P、第3速従動ギヤ53P、及び第5速従動ギヤ55Pが設けられている。第1速従動ギヤ51Pは、第1速用シンクロメッシュ機構61のスリーブS1により操作され、出力軸3に対して結合可能及び遊転可能とされている。第1速従動ギヤ51Pが遊転しているときは、第1入力軸1に固設された第1速駆動ギヤ51Aからの動力を出力軸3に伝達しないようになっている。第3速駆動ギヤ53A及び第5速駆動ギヤ55Aは、第3−5速用シンクロメッシュ機構62のスリーブS35により操作され、第1入力軸1に対して選択的に結合可能及び遊転可能とされている。第3速駆動ギヤ53A及び第5速駆動ギヤ55Aが遊転しているときは、出力軸3に固設された第3速従動ギヤ53P及び第5速従動ギヤ55Pに動力を伝達しないようになっている。
第2入力軸2には図中左側に第4速駆動ギヤ54A、右側に第2速駆動ギヤ52Aが設けられ、出力軸3の対向する箇所には各駆動ギヤ54A、52Aに噛合する第4速従動ギヤ54P及び第2速従動ギヤ52Pが設けられている。第4速従動ギヤ54P及び第2速従動ギヤ52Pは、第2−4速用シンクロメッシュ機構63のスリーブS24により操作され、出力軸3に対して選択的に結合可能及び遊転可能とされている。第4速従動ギヤ54P及び第2速従動ギヤ52Pが遊転しているときは、第2入力軸2に固設された第4速駆動ギヤ54A及び第2速駆動ギヤ52Aからの動力を出力軸3に伝達しないようになっている。
後進アイドラ軸4には図中左側に後進アイドラギヤ56、右側に後進固定ギヤ57が設けられている。後進アイドラギヤ56は、後進アイドラ軸4に対して遊転可能とされ、第1速従動ギヤ51Pに噛合するとともに、後進用シンクロメッシュ機構64のスリーブSRにより操作されて結合可能となっている。後進固定ギヤ57は、後進アイドラ軸4に固定して設けられ、第4速駆動ギヤ54Aに噛合している。
図略の操作部は、デュアルクラッチ8の各クラッチ部C1、C2及び各シンクロメッシュ機構61〜64を関連付けて操作できるように構成されている
次に、本発明の特定のギヤトレーンについて、図2を参考にして説明する。図2は、実施例の同期噛合式自動変速機10において、特定のギヤトレーンとなる後進変速段を示す説明図である。後進変速段では、図中白抜き矢印X1で示されるようにデュアルクラッチ8の第1クラッチ部C1が継合され、矢印Dで示されるように第1入力軸1に動力が入力される。第1入力軸1が回転すると、矢印Eで示されるように動力が伝達されて、第1速駆動ギヤ51Aが回転し、第1速従動ギヤ51Pを駆動する。このとき、第1速用シンクロメッシュ機構61は解離されており、第1速従動ギヤ51Pは出力軸3を駆動せずに後進アイドラギヤ56を駆動する。後進用シンクロメッシュ機構64のスリーブSRは白抜き矢印X2で示されるように左方向に移動して後進アイドラギヤ56を後進アイドラ軸4に結合しているので、矢印Fで示されるように動力が伝達されて、後進アイドラ軸4及び後進固定ギヤ57が駆動される。後進固定ギヤ57は、第4速駆動ギヤ54Aを逆回転駆動するので、矢印Gで示されるように動力が伝達されて第2入力軸も逆回転する。第2−4速用シンクロメッシュ機構63のスリーブS24は白抜き矢印X3で示されるように左方向に移動して第4速従動ギヤ54Pを出力軸3に結合しているので、矢印Hで示されるように動力が伝達されて、第4速従動ギヤ54P及び出力軸3が逆回転駆動される。最後に、出力ギヤ33がデファレンシャル装置9を逆回転駆動して、車両が後進するようになっている。
次に、本発明の特定のギヤトレーンについて、図2を参考にして説明する。図2は、実施例の同期噛合式自動変速機10において、特定のギヤトレーンとなる後進変速段を示す説明図である。後進変速段では、図中白抜き矢印X1で示されるようにデュアルクラッチ8の第1クラッチ部C1が継合され、矢印Dで示されるように第1入力軸1に動力が入力される。第1入力軸1が回転すると、矢印Eで示されるように動力が伝達されて、第1速駆動ギヤ51Aが回転し、第1速従動ギヤ51Pを駆動する。このとき、第1速用シンクロメッシュ機構61は解離されており、第1速従動ギヤ51Pは出力軸3を駆動せずに後進アイドラギヤ56を駆動する。後進用シンクロメッシュ機構64のスリーブSRは白抜き矢印X2で示されるように左方向に移動して後進アイドラギヤ56を後進アイドラ軸4に結合しているので、矢印Fで示されるように動力が伝達されて、後進アイドラ軸4及び後進固定ギヤ57が駆動される。後進固定ギヤ57は、第4速駆動ギヤ54Aを逆回転駆動するので、矢印Gで示されるように動力が伝達されて第2入力軸も逆回転する。第2−4速用シンクロメッシュ機構63のスリーブS24は白抜き矢印X3で示されるように左方向に移動して第4速従動ギヤ54Pを出力軸3に結合しているので、矢印Hで示されるように動力が伝達されて、第4速従動ギヤ54P及び出力軸3が逆回転駆動される。最後に、出力ギヤ33がデファレンシャル装置9を逆回転駆動して、車両が後進するようになっている。
上述した第1速駆動ギヤ51A、第1速従動ギヤ51P、第4速駆動ギヤ54A、第4速従動ギヤ54Pの4ギヤは、もともと前進変速段のギヤ対を構成しているものであり、後進変速段のギヤトレーンに共用されている。また、第4速従動ギヤ54Pを解離及び同期結合操作する第2−4速用シンクロメッシュ機構63も後進用に共用されており、さらに、第2入力軸2も後進用変速段のギヤトレーンの一部として利用されている。
後進変速段のギヤトレーンでは、後進用シンクロメッシュ機構64及び第2−4速用シンクロメッシュ機構63の2つの同期結合部が直列に介挿されており、本発明の特定のギヤトレーンに該当する。そして、2個のシンクロメッシュ機構63、64及びデュアルクラッチ8により、2個の小トレーン部71、72が区分されている。すなわち、第1入力軸1から第1速駆動ギヤ51A、第1速従動ギヤ51Pを経由して後進アイドラギヤ56までの範囲が第1小トレーン部71であり、後進アイドラ軸4から後進固定ギヤ57、第4速駆動ギヤ54A、第2入力軸を経由して第4速従動ギヤ54Pまでの範囲が第2小トレーン部72である。2個の小トレーン部71、72は、図1のニュートラル状態では、慣性体として作用している。
また、前進用の第1速〜第5速変速段の各ギヤトレーンは、第1入力軸1または第2入力軸に設けられた各駆動ギヤ51A〜55Aと、出力軸3に設けられた各従動ギヤ51P〜55Pとが常時噛合したギヤ対で構成され、3個のシンクロメッシュ機構61〜63で選択されるようになっている。前進用の各変速段のギヤトレーンに介挿される同期結合部、すなわちシンクロメッシュ機構は1個であり、特定のギヤトレーンには該当しない。
次に、上述の実施例の同期噛合式自動変速機10の変速操作及び作用について、まず第1速変速段から第2速変速段へのシフトアップ変速操作を例にして説明する。第1速変速段のギヤトレーンは、デュアルクラッチ8の第1クラッチ部C1が継合して第2クラッチ部C2が開離し、第1速用シンクロメッシュ機構61が同期結合し、残りのシンクロメッシュ機構62〜64が解離することにより形成されている。動力は、第1クラッチ部C1から第1入力軸、第1速駆動ギヤ51A、第1速従動ギヤ51Pを経由して出力軸3に伝達されている。ここで、第2速へのシフトアップ指令が発せられると、操作部はまず第2−4速用シンクロメッシュ機構63のスリーブS24を図中右側に駆動して、第2速従動ギヤ52Pを出力軸3に同期結合する。操作部は次に、第1クラッチ部C1を開離させつつ第2クラッチ部C2を継合操作して、伝達トルクを架け替える。この操作により、動力は第2クラッチ部C2から第2入力軸、第2速駆動ギヤ52A、第2速従動ギヤ52Pを経由して出力軸3に伝達され、車両は第2速で走行する。操作部は最後に、第1速用シンクロメッシュ機構61を解離操作して、シフトアップ変速操作が終了する。
他の前進用変速段におけるシフトアップ及びシフトダウンの変速操作も同様であるので、説明は略する。
次に、特定のギヤトレーンである後進変速段への変速操作及び作用について、図3を参考にして説明する。図3は、図2に示された後進変速段のギヤトレーンを選択形成する変速操作順序の説明図であり、(1)は出力軸3に近い側の第2−4速用シンクロメッシュ機構63を先に同期結合操作するときの状況、(2)は出力軸3から離れた後進用シンクロメッシュ機構64を後に同期結合操作するときの状況、である。なお、説明を解りやすくするために、第1小トレーン部71及び第2小トレーン部72を図中に太線部で適宜示した。
後進変速段への変速操作は、車両が停止または微速前進しているときに開始される。後進変速段への変速指令が発せられると、操作部はまず、デュアルクラッチ8の両クラッチ部C1、C2を開離するとともに、全てのシンクロメッシュ機構61〜64を解離する。操作部は次に、出力軸3に近い側の第2−4速用シンクロメッシュ機構63のスリーブS24を図3(1)の白抜き矢印Y1の左方向に駆動して、第4速従動ギヤ54Pを出力軸3に同期結合する。このとき、第4速従動ギヤ54Pに連なる図中太線部の第2小トレーン部72が慣性体として作用する。操作部はその次に、出力軸3から離れた後進用シンクロメッシュ機構64のスリーブSRを図3(2)の白抜き矢印Y2の左方向に駆動して、後進アイドラギヤ56を後進アイドラ軸4に同期結合する。このとき、第2小トレーン部72に属する後進アイドラ軸4は、既に出力軸3側に結合されている。したがって、図3(2)に示されるように、後進アイドラギヤ56に連なる図中太線部の第1小トレーン部71が慣性体として作用する。操作部は最後に、第1クラッチ部C1を継合操作して、図2に示された後進用変速段のギヤトレーンが選択形成される。これにより、動力は第1クラッチ部C1から第1小トレーン部71及び第2小トレーン部72を経由して出力軸3に伝達され、車両は後進走行する。
上述の操作順序によれば、第2−4速用シンクロメッシュ機構63の同期容量は第2小トレーン部72の慣性モーメントに対応できればよく、後進用シンクロメッシュ機構64の同期容量は第1小トレーン部71の慣性モーメントに対応できればよい。第1小トレーン部71及び第2小トレーン部72は慣性体としては小さく、したがって両シンクロメッシュ機構63、64の同期容量は小さなものとすることができる。
これに対して、本実施例とは逆に出力軸から離れた後進用シンクロメッシュ機構64を先に同期結合させたときの作用について、図4を参考にして説明する。図4は、図2に示された後進変速段のギヤトレーンを、本実施例とは逆の好ましくない変速操作順序で選択形成するときの説明図であり、(1)は出力軸3から離れた後進用シンクロメッシュ機構64を先に同期結合操作するときの状況、(2)は出力軸3に近い側の第2−4速用シンクロメッシュ機構63を後に同期結合操作するときの状況である。図4(1)に白抜き矢印Z1で示されるように、操作部が後進用シンクロメッシュ機構64を先に同期結合操作すると、慣性体である第1小トレーン部71と第2小トレーン部72とが同期結合される。そして、図4(2)に白抜き矢印Z2で示されるように、操作部が第2−4速用シンクロメッシュ機構63を後に同期結合操作すると、既に結合された第1小トレーン部71及び第2小トレーン部72が一括して出力軸3に同期結合される。したがって、第2−4速用シンクロメッシュ機構63の同期容量は、2個の小トレーン部71、72の慣性モーメントの合算値に対応する大きなものとする必要がある。
さらに、本実施例とは異なり第2−4速用シンクロメッシュ機構63と後進用シンクロメッシュ機構64とを同時に同期結合操作する場合、第2小トレーン部72には両シンクロメッシュ機構63、64から外力が作用して、両方で同時に摩擦係合及び嵌合結合が行われる。このとき、両方からの外力が互いに干渉しつつ、第2小トレーン部72の回転速度に影響を及ぼすため、いずれかのシンクロメッシュ機構(63または64)がロック状態に陥るおそれがある。このおそれは、第2−4速用シンクロメッシュ機構63を先に同期結合操作する本実施例の操作順序により解消することができる。
10:同期噛合式自動変速機
1:第1入力軸
2:第2入力軸
3:出力軸 33:出力ギヤ
4:後進アイドラ軸
51A〜55A:第1速〜第5速駆動ギヤ
51P〜55P:第1速〜第5速従動ギヤ
56:後進アイドラギヤ 57:後進固定ギヤ
61:第1速用シンクロメッシュ機構 62:第3−5速用シンクロメッシュ機構
63:第2−4速用シンクロメッシュ機構 64:後進用シンクロメッシュ機構
71:第1小トレーン部 72:第2小トレーン部
8:デュアルクラッチ C1、C2:第1、第2クラッチ部
9:デファレンシャル装置
1:第1入力軸
2:第2入力軸
3:出力軸 33:出力ギヤ
4:後進アイドラ軸
51A〜55A:第1速〜第5速駆動ギヤ
51P〜55P:第1速〜第5速従動ギヤ
56:後進アイドラギヤ 57:後進固定ギヤ
61:第1速用シンクロメッシュ機構 62:第3−5速用シンクロメッシュ機構
63:第2−4速用シンクロメッシュ機構 64:後進用シンクロメッシュ機構
71:第1小トレーン部 72:第2小トレーン部
8:デュアルクラッチ C1、C2:第1、第2クラッチ部
9:デファレンシャル装置
Claims (5)
- 入力軸及び出力軸と、
該入力軸から該出力軸まで異なる変速比で選択的に動力を伝達する複数のギヤトレーンと、
特定のギヤトレーンの途中に複数個介挿され、他のギヤトレーンの途中にそれぞれ1個介挿されて、入力側と出力側とを解離及び同期結合する同期結合部と、
各該同期結合部を操作することによりいずれかの該ギヤトレーンを選択し、かつ該特定のギヤトレーンを選択するときには介挿されている複数個の該同期結合部を出力軸に近い側から順番に同期結合操作する操作部と、
を備えることを特徴とする同期噛合式自動変速機。 - 前記同期結合部は、前記入力側と前記出力側とが摩擦係合して同期した後に嵌合結合するシンクロメッシュ機構である請求項1に記載の同期噛合式自動変速機。
- 前記特定のギヤトレーンと他のギヤトレーンとで共用される前記同期結合部を有する請求項1または2に記載の同期噛合式自動変速機。
- デュアルクラッチから選択的に動力が入力される2本の前記入力軸と、少なくとも1本の副軸とを備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の同期噛合式自動変速機。
- 前記特定のギヤトレーンは後進変速段である請求項1〜4のいずれか一項に記載の同期噛合式自動変速機。
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