JP2009209989A - サーボモータのブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】正常動作中におけるブレーキを開放するために、動作速度は低いものの小型で軽量なサーボモータのブレーキ装置を提案すること。
【解決手段】サーボモータのブレーキ装置1は、モータ軸2に連結固定したブレーキディスク4に圧縮コイルバネ7によってスライド板6を押し付けてブレーキング状態が形成される。小型モータ12によって、カムフォロワ10がカム面9の谷9bから山9aに乗り上げる方向にカム円盤8を回転すると、スライド板6がバネ力に抗してブレーキディスク4から離れる方向に移動して、ブレーキ力が解除された回転保持状態に切り替わり、カム円盤8を同一方向に更に回転すると、カムフォロワ10がカム面9の山9aから谷9bに落ち込み、再びスライド板6がバネ力によってブレーキディスク4に押し付けられ、モータ軸2にブレーキ力が作用したブレーキング状態に切り替わる。
【選択図】図1
【解決手段】サーボモータのブレーキ装置1は、モータ軸2に連結固定したブレーキディスク4に圧縮コイルバネ7によってスライド板6を押し付けてブレーキング状態が形成される。小型モータ12によって、カムフォロワ10がカム面9の谷9bから山9aに乗り上げる方向にカム円盤8を回転すると、スライド板6がバネ力に抗してブレーキディスク4から離れる方向に移動して、ブレーキ力が解除された回転保持状態に切り替わり、カム円盤8を同一方向に更に回転すると、カムフォロワ10がカム面9の山9aから谷9bに落ち込み、再びスライド板6がバネ力によってブレーキディスク4に押し付けられ、モータ軸2にブレーキ力が作用したブレーキング状態に切り替わる。
【選択図】図1
Description
本発明は、サーボモータのモータ軸に取り付けられ、当該モータ軸を、回転しないようにブレーキ力を加えたブレーキング状態およびブレーキ力を開放した回転保持状態に切り替えるためのブレーキ装置に関する。
サーボモータのモータ軸に取り付けるブレーキ装置としては一般に電磁式の無励磁作動ブレーキが用いられている。無励磁作動ブレーキは例えば特許文献1に開示されているように、ばね力によってモータ軸の側に押し付けられているアーマチュアを電磁石によってばね力に逆らって吸引することによりブレーキを解除して回転保持状態に切り替えるようにしている。
特開2003−254359号公報
ここで、制動状態および回転保持状態にサーボモータを切り替えるためのブレーキ装置は、非常時である電源遮断時に高速動作が求められる。しかし、正常動作中の通電(ブレーキの開放)は装置の起動シーケンスの一部となるので、高速動作の必要がなく時間が掛かっても問題がない。
本発明の課題は、この点に鑑みて、正常動作中におけるブレーキを開放するために用いるのに適した、動作速度は低いものの小型で軽量なサーボモータのブレーキ装置を提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明のサーボモータのブレーキ装置は、
サーボモータのモータ軸に固定したブレーキディスクと、
前記モータ軸の軸線の方向には移動可能であるが、前記軸線回りには回転不可の状態で、前記ブレーキディスクに対峙しているスライド板と、
前記スライド板を前記ブレーキディスクに付勢しているブレーキ力発生用のばね部材と、
前記軸線の方向には移動不可であるが、前記軸線回りには回転可能な状態で前記スライド板に対峙しているカム円盤と、
前記カム円盤における前記スライド板の側の端面に形成され、当該端面の円周方向に沿って一定のピッチで前記スライド板の側に突出した山形状輪郭のカム面と、
前記スライド板に連結され、前記ばね部材の付勢力によって常に前記カム面に当接した状態に保持されているカムフォロワと、
前記円盤を前記軸線回りに回転駆動する駆動モータとを有していることを特徴としている。
サーボモータのモータ軸に固定したブレーキディスクと、
前記モータ軸の軸線の方向には移動可能であるが、前記軸線回りには回転不可の状態で、前記ブレーキディスクに対峙しているスライド板と、
前記スライド板を前記ブレーキディスクに付勢しているブレーキ力発生用のばね部材と、
前記軸線の方向には移動不可であるが、前記軸線回りには回転可能な状態で前記スライド板に対峙しているカム円盤と、
前記カム円盤における前記スライド板の側の端面に形成され、当該端面の円周方向に沿って一定のピッチで前記スライド板の側に突出した山形状輪郭のカム面と、
前記スライド板に連結され、前記ばね部材の付勢力によって常に前記カム面に当接した状態に保持されているカムフォロワと、
前記円盤を前記軸線回りに回転駆動する駆動モータとを有していることを特徴としている。
ここで、駆動モータの回転力をカム円盤に伝達するために、前記カム円盤に前記駆動モータからの回転力を当該カム円盤に伝達するための外歯車を形成しておけばよい。例えば、カム円盤として平歯車を用いればよい。
また、前記カム円盤と前記スライド板の間に前記ブレーキディスクが配置されている場合には、前記カムフォロワが前記カム面の山に乗り上げると、当該カムフォロワによって前記スライド板が前記ばね部材の付勢力に逆らって前記ブレーキディスクから離れる方向に移動して、前記モータ軸のブレーキ力が開放される。
本発明のサーボモータのブレーキ装置では、機械的なカム機構を用いてサーボモータのモータ軸に作用しているブレーキ力を解除して回転保持状態に切り替えるようにしている。したがって、電磁式のブレーキ装置を用いる場合に比べて装置の小型化、軽量化に有利である。また、円盤を回転駆動するための駆動モータは低出力の小型モータであればよいので、電磁式のブレーキ装置に比べて消費電力が少なくて済む。
以下に、図面を参照して、本発明を適用したサーボモータのブレーキ装置の実施の形態を説明する。
図1は本実施の形態に係るサーボモータのブレーキ装置の主要部分を示す説明図であり、図2は当該ブレーキ装置のカム円盤の一部を示す説明図である。サーボモータのブレーキ装置1は、サーボモータのモータ軸2が同軸状態で回転自在に貫通しているに筒状のハウジング3を備えている。このハウジング3の内部に位置しているモータ軸2の部位には、同軸状態でブレーキディスク4が一体回転するように固定されている。ブレーキディスク4における一方の端面には一定厚さの円環状の摩擦パッド5が固定されている。
この摩擦パッド5に対して、モータ軸2の軸線2aの方向から同軸状態で円盤状のスライド板6が対峙している。スライド板6は、モータ軸2に対してその軸線2aの方向にはスライド可能であるが、軸線2a回りには回転不可の状態でハウジング3に取り付けられている。スライド板6とハウジング3の端面3aとの間には、圧縮状態でブレーキ力発生用の圧縮コイルバネ7が装着されている。例えば、等角度間隔で複数本の圧縮コイルバネ7が装着されている。スライド板6は軸線2aの方向のスライドが自由な状態では、圧縮コイルバネ7のバネ力によって摩擦パッド5を介してブレーキディスク4に押し付けられており、これにより、ブレーキディスク4が固定されているモータ軸2にブレーキ力が作用したブレーキング状態に保持される。
モータ軸2の軸線2aの方向において、ブレーキディスク4を挟み、スライド板6とは反対側の部位にはカム円盤8が同軸状に配置されている。カム円盤8は軸線2aの方向には移動不可であるが、軸線2a回りには回転可能な状態でハウジング3によって支持されている。このカム円盤8におけるスライド板6の側の端面には、その外周縁部分に沿って円周方向に一定のピッチで山形輪郭、例えば、鋸歯状あるいはラチェット歯状の輪郭をしたカム面9が形成されている。
このカム面9には、軸線2aの方向からカムフォロワ10が当接している。カムフォロワ10は、カム面9に転動自在の状態で当接しているローラ10aと、このローラ10aを回転自在の状態で支持している支持腕10bとを備えている。支持腕10bは軸線2aと平行に延び、ブレーキディスク4の外周側を通ってスライド板6の端面に連結固定されている。
ここで、カムフォロワ10がカム面9の山9aに乗り上げた状態においては、スライド板6が軸線2aの方向に沿ってブレーキディスク4から離れる方向に押されて、当該ブレーキディスク4から離れた状態になる。この状態が、ブレーキ力が解除された回転保持状態である。これに対して、カムフォロワ10がカム面9の谷9bに落ち込んだ状態においては、スライド板6が圧縮コイルバネ7のバネ力によってブレーキディスク4に押し付けられたブレーキング状態になる。
カム円盤8には、例えば平歯車からなる外歯車11が一体形成されている。この外歯車11は、その外周側に配置されている小型モータ12の出力軸12aに取り付けたピニオン13に噛み合っている。したがって、小型モータ12を駆動してカム円盤8を矢印Aの方向に回転すると、当該カム円盤8の回転角度位置においてスライド板6の軸線2aの方向のスライド位置を変えることができ、これによってモータ軸2をブレーキ力が作用しているブレーキング状態と、ブレーキ力が解除された回転保持状態とに切り替えることができる。
すなわち、小型モータ12によって、カムフォロワ10がカム面9の谷9bから山9aに乗り上げる方向(矢印A)にカム円盤8を回転すると、スライド板6がバネ力に抗してブレーキディスク4から離れる方向に移動して、ブレーキ力が解除された回転保持状態に切り替わる。カム円盤8を同一方向に更に回転すると、カムフォロワ10がカム面9の山9aから谷9bに落ち込み、再びスライド板6がバネ力によってブレーキディスク4に押し付けられ、モータ軸2にブレーキ力が作用したブレーキング状態に切り替わる。
1 サーボモータのブレーキ装置
2 モータ軸
2a 軸線
3 ハウジング
4 ブレーキディスク
5 摩擦パッド
6 スライド板
7 圧縮コイルバネ
8 カム円盤
9 カム面
9a カム面の山
9b カム面の谷
10 カムフォロワ
10a ローラ
10b 支持腕
11 外歯車
12 小型モータ
12a 出力軸
13 ピニオン
2 モータ軸
2a 軸線
3 ハウジング
4 ブレーキディスク
5 摩擦パッド
6 スライド板
7 圧縮コイルバネ
8 カム円盤
9 カム面
9a カム面の山
9b カム面の谷
10 カムフォロワ
10a ローラ
10b 支持腕
11 外歯車
12 小型モータ
12a 出力軸
13 ピニオン
Claims (3)
- サーボモータのモータ軸(2)に固定したブレーキディスク(4)と、
前記モータ軸(2)の軸線(2a)の方向には移動可能であるが、前記軸線(2a)回りには回転不可の状態で、前記ブレーキディスク(4)に対峙しているスライド板(6)と、
前記スライド板(6)を前記ブレーキディスク(4)に付勢しているブレーキ力発生用のばね部材(7)と、
前記軸線(2a)の方向には移動不可であるが、前記軸線(2a)回りには回転可能な状態で前記スライド板(6)に対峙しているカム円盤(8)と、
前記カム円盤(8)における前記スライド板(6)の側の端面に形成され、当該端面の円周方向に沿って一定のピッチで前記スライド板(6)の側に突出した山形状輪郭のカム面(9)と、
前記スライド板(6)に連結され、前記ばね部材(7)の付勢力によって常に前記カム面(9)に当接した状態に保持されているカムフォロワ(10)と、
前記カム円盤(8)を前記軸線(2a)回りに回転駆動する駆動モータ(12)とを有していることを特徴とするサーボモータのブレーキ装置(1)。 - 請求項1に記載のサーボモータのブレーキ装置(1)において、
前記カム円盤(8)には、前記駆動モータ(12)からの回転力を当該カム円盤に伝達するための外歯車(11)が形成されていることを特徴とするサーボモータのブレーキ装置(1)。 - 請求項1または2に記載のサーボモータのブレーキ装置(1)において、
前記カム円盤(8)と前記スライド板(6)の間に前記ブレーキディスク(4)が配置されており、
前記カムフォロワ(10)が前記カム面(9)の山(9a)に乗り上げると、当該カムフォロワ(10)によって前記スライド板(6)が前記ばね部材(7)の付勢力に逆らって前記ブレーキディスク(4)から離れる方向に移動して、前記モータ軸(2)のブレーキ力が開放されることを特徴とするサーボモータのブレーキ装置(1)。
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