JP2005113965A - 電磁制動装置 - Google Patents

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俊史 沢井
Tatsuo Okamoto
辰夫 岡本
Keizo Takahashi
桂三 高橋
Kyohiko Hirota
教彦 廣田
Takayoshi Kawamata
貴義 川俣
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Abstract

【課題】 被制動装置の薄型小型化を可能にした電磁制動装置を提供する。
【解決手段】 緊急時にブレーキドラム5の制動状態を解放する手動制動解放装置70を、固定部材3に設けた収納凹部74内に組込む。手動制動解放装置70は、一端が前記収納凹部74内に位置して解放レバー75が取付けられ、他端がコアAの貫通穴19を進退自在に貫通してブレーキシュー11に連結された作動軸71を備えている。前記解放レバー75は、支点部材77を揺動支点として揺動自在で、解放ケーブル78の牽引によって矢印A方向に揺動されると、ナット76を押圧して作動軸71を右方に移動させる。これにより、ブレーキシュー11も制動ばね13に抗して右方に移動してブレーキライニング24をブレーキドラム5の制動面5aから離間させ、ブレーキドラム5の制動状態を解放する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、遠隔操作可能な手動制動解放装置を備えた電磁ドラムブレーキ等の電磁制動装置に関し、特にエレベータ用巻上機や産業用ロボット等のモータ用ブレーキとして用いて好適な電磁制動装置に関するものである。
エレベータ用巻上機等の回転体を制動する制動用ブレーキまたは回転体を停止した状態に保持する保持用ブレーキとして使用されるこの種の電磁ドラムブレーキは、緊急時(停電、故障時等)に制動状態を手動操作によって解放する手動制動解放装置を備えたものが知られている(例えば、特許文献1〜5参照)。この種の手動制動解放装置は、励磁コイルに通電することなく外部からの操作により制動ばねに抗してブレーキシューをブレーキドラムの制動面から離間させるものである。なお、出願人は本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに見つけ出すことはできなかった。
特開2003−176842号公報 特開2001−322781号公報 特開2001−192192号公報 特開2000−232754号公報 特開2001−343033号公報
前記特開2003−176842号公報に記載されたブレーキ装置は、狭い収納空間への設置を容易にするために、ブレーキドラムの内周面に対応して内部拡張型からなる一対の電磁ブレーキ部をエレベータ用巻上機の取付部材に周方向に180°離間させた状態で取付け、前記ブレーキドラムを制動するように構成したものである。また、このブレーキ装置は、励磁コイルと固定鉄心(フィールドコア)とで構成される電磁石と、前記固定鉄心の磁極面とエアギャップを挟んで対向しばねによって通常固定鉄心から離間する方向に付勢されている可動鉄心(アーマチュア)と、この可動鉄心に連結部材を介して連結されたブレーキシューと、このブレーキシューをブレーキドラムの制動面にライニング材を介して押し付ける制動ばね等を備えており、前記固定鉄心の両側に突出部をそれぞれ突設し、これらの突出部の内面をブレーキシューの回転トルクを受けるトルク受け面としている。また、前記突出部にピンを突設し、このピンにレバーを揺動自在に取付け、このレバーを緊急時に手動操作して前記可動鉄心を制動ばねに抗して押圧しブレーキドラムから離間させることによりブレーキドラムの制動状態を解除するようにしている。
前記特開2001−322781号公報に記載されたエレベータ用巻上機は、巻上機の外形を小さくし、狭い収納空間への設置を可能にするために、椀状回転体(ブレーキドラム)の制動面を制動する制動機を前記椀状回転体の凹所内に配置している。この制動機による制動状態を解放させる制動解放機構は、解放ケーブル、解放制動腕、解放ケーブル取付板等を有し、エレベータ用巻上機の支持板に外付けされている。
前記特開2001−192192号公報に記載されたモータ付き減速機は、減速機の入力軸を両端支持するとともに、この入力軸に駆動モータの回転軸を結合させることにより、回転軸を支持するための軸受が不要となり、安価で装置全体の軸線方向の長さを短縮するようにしている。故障時等にブレーキシューをブレーキドラムから離間させる制動解放機構は、リング状の固定部材の表面に設けられた回動自在な解除レバーと、一端がこの解除レバーに連結されたワイヤと、ブレーキシューに連結された円弧状のプレートとを備え、前記ワイヤによって解除レバーを回動させると、解除レバーが前記プレートを押圧しブレーキシューをブレーキドラムから離間させるように構成されている。
前記特開2000−232754号公報に記載されたラジアル制動電磁ブレーキ付駆動モータは、固定部と、この固定部に対して回転自在に設けられた回転部とを備え、固定部をケーシングと電磁ブレーキ本体とで構成している。また、前記回転部を、軸受を介して前記ケーシングに回転可能に保持された回転軸と、この回転軸と同軸の円筒部を有するACサーボモータのロータと、前記回転軸とロータを連結する円板状の回転連結部材とで構成している。さらに、電磁ブレーキ本体の外周に複数個のアーマチュアをラジアル方向に移動可能に設けてコイルスプリングによりロータの内面に押し付けており、ブレーキ用励磁コイルへの通電によって前記アーマチュアをロータから離間させることによりロータの制動を解除するようにしている。ロータの制動を解除する手動制動解除機構は、解除用ロープ、セグメントリング、解除用ハンドル、セグメントリングとアーマチュアとを連結する連結ボルト等を有し、前記回転部の表面に取付けられている。
前記特開2001−343033号公報に記載されたラジアル制動電磁ブレーキ付駆動モータの手動制動解除機構は、前記特開2000−232754号公報に記載された手動制動解除機構と略同一の構造ではあるが、電磁ブレーキ本体の外周に設けたアーマチュアを回動させる代わりにガイド部材によってラジアル方向に平行移動させるようにした点が異なっている。
前記特開2003−176842号公報に記載されたブレーキ装置のブレーキ解放装置は、固定鉄心の突出部に突設したピンに揺動自在なレバーをブレーキドラムの軸線方向に延在するように取付けた構造であり、このレバーの操作力を小さくするためには当該レバーの支点(ピン)と作用点(アーマチュア押圧部)との間の距離に対し、作用点と力点(解放ケーブルの取付部)との間の距離を長くしてレバー比を大きくする必要がある。
しかしながら、レバー比を大きくすると、その結果としてレバーが長くなってブレーキ装置の外部に突出するため、装置全体が大型化するという問題があった。
前記特開2001−322781号公報に記載されたエレベータ用巻上機も制動解放機構をエレベータ用巻上機の支持板に外付けしているため、前記特開2003−176842号公報に記載されたブレーキ装置と同様に装置全体が大型化するという問題があった。
前記特開2001−192192号公報に記載されたモータ付き減速機は、制動解放機構を固定部材の表面に取付けているので、装置全体の厚さ方向の寸法が増大し大型化するという問題があった。
前記特開2000−232754号公報および特開2001−343033号公報に記載されたラジアル制動電磁ブレーキ付駆動モータは、手動制動解除機構を回転部の表面に取付けているため、前記特開2001−192192号公報に記載されたモータ付き減速機装置と同様に装置全体の厚さ方向の寸法が増大し大型化するという問題があった。
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、被制動装置の小型化を可能にした電磁制動装置を提供することにある。
上記目的を達成するために第1の発明は、被制動体を制動する電磁制動装置において、被制動装置の固定部材に前記被制動体の制動面と対向するように固定されたフィールドコアと、ブレーキライニングとアーマチュアとを有し前記フィールドコアに前記被制動体の径方向に移動自在に設けられたブレーキシューと、前記ブレーキシューを前記フィールドコアから離間する方向に付勢することにより前記ブレーキライニングを前記被制動体の制動面に押し付ける制動ばねと、前記被制動体の制動状態を解放する手動制動解放装置とを備え、前記手動制動解放装置を、一端側が前記固定部材に形成した収納凹部内に位置し、他端側が前記フィールドコアに設けた貫通穴を進退自在に貫通して前記ブレーキシューに連結された作動軸と、この作動軸の一端側に揺動自在に取付けられた解放レバーと、この解放レバーの揺動支点を形成する支点部材と、前記解放レバーを揺動させる解放ケーブルとで構成したものである。
第2の発明は上記第1の発明において、前記フィールドコアの前記解放レバーが貫通する貫通穴に前記制動ばねを弾装したものである。
本発明においては、作動軸の一端側を固定部材の収納凹部内に位置させて解放レバーを取付け、他端側をフィールドコアに設けた貫通孔に進退自在に貫通させてブレーキシューに連結しているので、被制動装置の外部に突出する部分が少なく、被制動装置の厚さ方向の寸法を薄くし小型化することができる。
また、作動軸と制動ばねを貫通孔に共通に収容しているので、制動ばね用の穴と作動軸用の穴を別個に形成する必要がなく、フィールドコアの製作が容易で、長さが長くなったり大型化することもない。
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施の形態として、図1〜図11に図示した電磁ドラムブレーキは、エレベータ用巻上機の保持用および非常制動用ブレーキとして開発されたものである。図1はエレベータ用巻上機の正面図であり、2つの電磁ドラムブレーキを組込んだ状態を示す図である。図2は図1のII−II線断面図、図3は左側の電磁ドラムブレーキの一部を断面して示す正面図、図4は同電磁ドラムブレーキの平面図、図5は同電磁ドラムブレーキの底面図、図6は同電磁ドラムブレーキの断面図、図7は図6の要部の拡大断面図である。図8(a)、(b)、(c)はガイド部材の平面図、正面図および右側面図、図9は手動制動解放装置の作用を説明するための図である。
これらの図において、被制動装置を構成するエレベータ用巻上機1は、ハウジング2と、このハウジング2の前面開口部を覆うように複数個のボルト4によってハウジング2に固定された固定部材3とを備え、ハウジング2内に円筒状のブレーキドラム(被制動体)5が組み込まれ、固定部材3には左右一対の電磁ドラムブレーキLB,RBが組み込まれている。
前記ブレーキドラム5は回転軸6(図2、詳細な図は省略)に取付けられており、内周面が制動面5aを形成し、外周面に複数個のマグネット7が周方向に所定の間隔をおいて固定され、これらのマグネット7と前記ハウジング2の内周面に固定した固定巻線8とでブレーキドラム5を回転させる電動機9を構成している。回転軸6は、前記ハウジング2と前記固定部材3とによって回転自在に軸支されている。
前記一対の電磁ドラムブレーキLB,RBは、前記ブレーキドラム5の内側に前記制動面5aの周方向に180度離間した状態で組み込まれることにより、内部拡張式の電磁ドラムブレーキを形成している。なお、左側の電磁ドラムブレーキLBと右側の電磁ドラムブレーキRBは、同一構造ではあるが固定部材3に対して左右対称に取付けられている点が相異しているだけであるため、以下の説明では主として左側の電磁ドラムブレーキLBの構成と作用を説明し、右側の電磁ドラムブレーキRBに対しては同一構成部材、部分に対して同一符号をもって示し、その説明を省略する。
図6において、前記電磁ドラムブレーキLBは、フィールドコア10と、ブレーキシュー11と、アーマチュア12と、前記フィールドコア10と前記ブレーキシュー11との間に弾装された圧縮コイルばねからなる一対の制動ばね13等で構成されている。
前記フィールドコア10は、機械構造用炭素鋼鋼材を機械加工することにより、平面視形状が略矩形状でかつ扁平状に形成され、両端部が2本のボルト15(図3参照)によって前記固定部材3に固定されたコア10Aを有している。コア10Aは、中央部が角柱状の内極部10aを形成しており、この内極部10aの周りには、前記アーマチュア12側の面に開放した環状の凹部からなるコイル収容部20が形成されている。
また、コア10Aの長手方向の両端部には、前記内極部10aよりも幅の狭い支持部10cがそれぞれ形成されており、この支持部10cと前記コイル収容部20との問の部分が外極部10bを形成している。また、内極部10aと外極部10bは同一の幅で、前記アーマチュア12と対向する面が同一平面からなる磁極面16を形成している。なお、磁極面16の一部には、前記アーマチュア12がコア10Aに磁気吸着されたときに音を発しないようにするために図示を省略したゴム、フェルト等の消音部材が固着されている。
前記コア10Aの各支持部10cのアーマチュア12側の面には、有底状のピン穴18と段付きの貫通穴19がそれぞれ形成されている。ピン穴18にはガイドピン21が植設され、段付き貫通穴19には前記制動ばね13が弾装されるとともに、後述する作動軸71が貫通している。前記ガイドピン21は、先端部が前記ピン穴18から外部に突出し、前記ブレーキシュー11の脚部11bに形成したガイド穴22に摺動自在に挿入することにより、前記ブレーキシュー11をコア10Aに対して接近離間自在に支持している。
前記ブレーキシュー11は、同じく機械構造用炭素鋼鋼材を鍛造加工することにより平面視略矩形状に形成され、長手方向の中央部が平板状のシュー本体11aを形成し、ブレーキドラム5の制動面5aと対向する外側面にブレーキライニング24がパッド25を介して2本のボルト26により着脱可能に取付けられている。また、前記シュー本体11aの両端には、先端部がそれぞれ前記コア10Aの両側に延在する一対の脚部11bがそれぞれ一体に延設されている。脚部11bは、側面視略円弧状に湾曲するように形成されることにより、先端面28が前記コア10Aの支持部10cと適宜な間隔を保って略平行に対向している。また、この先端面28には前記ガイドピン21の先端部が摺動自在に挿入される前記ガイド穴22と、前記制動ばね13と作動軸71の一端部が挿入される凹部30が、前記コア10Aのピン穴18と段付き貫通穴19にそれぞれ対向するように形成されている。前記制動ばね13は、前記貫通穴19と凹部30内に弾装されることにより、前記ブレーキシュー11をコア10Aから離間する方向に付勢し、前記ブレーキライニング24をブレーキドラム5の制動面5aに押し付けている。なお、前記ガイド穴22には、内周面に低摩擦係数で耐摩耗特性が良好な合成樹脂材料の被覆層が形成された図示を省略したブッシュが圧入されており、これによって前記ガイドピン21の摺動を容易にしている。
前記アーマチュア12は、同じく機械構造用炭素鋼鋼材を機械加工することにより平面視略矩形状に形成され、前記コア10Aの磁極面16と前記ブレーキシュー11との間に形成された空間31内に収容されている。また、アーマチュア12の磁気吸着面17は、前記コア10Aの磁極面16と対向してエアギャップGを形成している。エアギャップGは、0.2mm程度で、後述する間隔調整手段33によって調整可能ではあるが、前記支持部10cと脚部11bとの隙間より十分に小さく設定されている。このようなアーマチュア12は、前記ブレーキシュー11のシュー本体11aに2つの間隔調整手段33を介して機械的に連結されている。
前記間隔調整手段33は、前記アーマチュア12の端部寄りに形成したねじ穴34と、このねじ穴34に対応して前記シュー本体11aに形成したねじ穴35にねじ込まれる調整ボルト36と、この調整ボルト36に螺合する2つのナット37a,37bとで構成されている。調整ボルト36は、一端部側が右ねじ部36a、他端部側が左ねじ部36bで、中央部に回転操作部36cが一体に設けられている。このような隙間調整手段33によれば、一対のナット37a,37bを緩めた後、調整ボルト36を回転させると、アーマチュア12がブレーキシュー11に対して接近または離間する方向に移動するため、コア10Aとアーマチュア12とのエアギャップGを調整することができる。調整した後は、2つのナット37a,37bを締め付けてブレーキシュー11とアーマチュア12にそれぞれ固定すればよい。
前記コア10Aのコイル収納部20には、コア10Aとともに電磁石を構成する励磁コイル39が収納されており、この励磁コイル39を通電によって励磁するとアーマチュア12を前記制動ばね13に抗してコア10A側に磁気吸引し、その磁気吸着面17をコア10Aの磁極面16に密着させるように構成されている。なお、前記励磁コイル39は、前記コイル収容部20に嵌め込まれ、絶縁樹脂によって固められている。
前記コア10Aと前記アーマチュア12との間には、さらに解放保持手段40と、一対一組からなる押圧力調整手段41が組み込まれている。
図6および図7において、前記解放保持手段40は、アーマチュア12の長手方向の中央に形成した貫通穴42を貫通し、一端部がコア10Aの中央に形成したねじ穴43に螺合する解放ボルト44と、この解放ボルト44の他端部に螺合しアーマチュア12のコア10Aとは反対側の面に当接するナット45とで構成されている。ナット45は、前記電磁ドラムブレーキLBをブレーキドラム5内に組込むまでの間、解放ボルト44に取付けられてアーマチュア12をコア10A側に押圧することにより、磁気吸着面17をフィールドコア10の磁極面16に密着させた状態に保持しており、電磁ドラムブレーキLBがブレーキドラム5内に組み込まれた後は解放ボルト44から取り外されることにより、アーマチュア12を解放ボルト44に対して進退自在にする。
前記押圧力調整手段41は、アーマチュア12に形成したねじ穴48に螺合する押圧ボルト49と、この押圧ボルト49に螺合するナット50と、コア10Aに形成したばね用孔51に弾装された押圧ばね52と、同じく前記ばね用孔51に収容され前記押圧ばね52と前記押圧ボルト49との間に位置するばね受けリング53とで構成されている。このような押圧力調整手段41は、ナット50を緩めて押圧ボルト49を締め込み方向または緩み方向に回転させると押圧ばね52の弾発力が変化するため、前記制動ばね13によるブレーキライニング24のブレーキドラム5に対する押圧力を微調整することができる。
図1および図3において、前記エレベータ用巻上機1の固定部材3には、前記各電磁ドラムブレーキLB,RBの動作を検知する一対の動作検知手段60が取付けられている。この動作検知手段60は、コア10Aの支持部10cの側面に固定されたリミットスイッチ61と、内極部10aの側面に回動自在に枢支されたスイッチアーム62と、アーマチュア12に位置調整可能に固定された検知板63とを備え、前記励磁コイル39への通電励磁によってアーマチュア12がフィールドコア10に磁気吸着されてブレーキライニング24によるブレーキドラム5の制動が解放されると、検知板63がスイッチアーム62の一端を押圧し、これによりスイッチアーム62が回動軸65を中心として図3において時計方向に回動することにより、前記リミットスイッチ61の作動子61aを押圧し該スイッチ60を動作させるように構成されている。そして、このリミットスイッチ60からの信号により電磁ドラムブレーキLBによるブレーキドラム5の制動が解放されたことが検知されると、駆動モータが駆動してブレーキドラム5を回転させる。
さらに、前記エレベータ用巻上機1の固定部材3には、緊急時に手動操作されることによりブレーキドラム5の制動状態を解放する手動制動解放装置70が設けられている。この手動制動解放装置70は、図1および図3に示すように各電磁ドラムブレーキLB,RBに対して一対一組ずつ合計4つ設けたもので、各コア10Aの両端部に対称的に設けられている。さらに詳述すると、手動制動解放装置70は、コア10Aの支持部10cに形成した段付き貫通穴19を貫通する前記作動軸71を有している。この作動軸71の一端部は、前記固定部材3の側壁部72に形成した貫通穴73を貫通して固定部材3の表面に形成した収納凹部74内に位置している。一方、他端部は前記コア10Aの前記貫通穴19を貫通してブレーキシュー11の凹部30内に挿入され、かつこの凹部30の底面に形成したねじ孔に螺合することによりブレーキシュー11に連結されている。また、作動軸71の前記収納凹部74内に突出した突出端部には、解放レバー75が作動軸71の軸線に対して傾斜する方向(図3の矢印A−B方向であって、ブレーキシュー11の周方向)に揺動自在に取付けられ、ナット76によって作動軸71からの脱落を防止されている。また、解放レバー75は、前記収納凹部74内に位置し、前記側壁部72と対向する面で前記作動軸71に近い部分が支点部材77によって揺動自在に支持されており、力点側、すなわち前記作動軸71側とは反対側端(作用点)に解放ケーブル78の一端が連結されている。前記支点部材77は、前記側壁部72の内側に前記作動軸71に近接して突設されることにより前記収納凹部74内に位置づけられ、前記解放レバー75の揺動時の支点を構成している。前記解放ケーブル78は、図1に示すように前記固定部材3およびハウジング2の表面に沿って遠隔操作可能な適宜な箇所に導かれている。
ここで、本実施の形態においては、作動軸71を分割形成された2本の軸を螺合によって連結したものを用いたが、これに限らず1本の軸で形成されるものであってもよい。
また、図1および図3において、上方に位置する左右一対の手動制動解放装置70,70の解放レバー75どうしを1本の解放ケーブル78によって互いに連結し、同じく下方に位置する左右一対の手動制動解放装置70,70の解放レバー75どうしを1本の解放ケーブル78によって連結し、解放ケーブル78によって連結された2つの解放レバー75を図8に示すガイド部材90によって連動して同方向に揺動するように構成した例を示している。さらに、解放レバー75の円滑な揺動動作を得るために左右の解放レバー75,75の揺動支点となる支点部材77,77の位置を解放レバー75の長手方向にずらしている。解放ケーブル78としては、外管78Aと心線78Bとからなる可撓性を有するケーブルが用いられる。
このような構造からなるエレベータ用巻上機1において、左側の電磁ドラムブレーキLBは、励磁コイル39への通電が断たれているときは、制動ばね13と押圧ばね52の押圧力によりブレーキシュー11のブレーキライニング24をブレーキドラム5の制動面5aに押し付けることにより、ブレーキドラム5を制動し停止した状態に保持している。この状態において、励磁コイル39を通電励磁すると、アーマチュア12は前記制動ばね13と押圧ばね52に抗してコア10Aに磁気吸引されて磁気吸着面17がコア10Aの磁極面16に磁気吸着される。これに伴いブレーキシュー11もアーマチュア12と一体にコア10A側に移動してブレーキライニング24をブレーキドラム5の制動面5aから離間させる。したがって、ブレーキドラム5は電磁ドラムブレーキLBによる制動状態から解放され回転可能な状態となる。そして、前記アーマチュア12の動きを動作検知手段60が検知すると、その検知信号に基づいて駆動モータが駆動して前記ブレーキドラム5を回転させ、これによりエレベータのかごを昇降させる。なお、右側の電磁ドラムブレーキRBも左側の電磁ドラムブレーキLBに連動して作動することはいうまでもない。
エレベータのかごの昇降を停止させるときは、駆動モータを停止し、励磁コイル39への通電を断てばよい。通電を断って消磁させると、アーマチュア12とブレーキシュー11は制動ばね13と押圧ばね52の弾発力により移動して元の位置に復帰し、ブレーキライニング24をブレーキドラム5の制動面5aに押し付ける。したがって、ブレーキドラム5は制動され停止する。
停電等の異常事態の発生により駆動モータが停止し、励磁コイル39が消磁してエレベータのかごが所定の乗り場位置から外れた位置に停止した場合には、作業員が2本の解放ケーブル78を同時に牽引して4つ全ての手動制動解放装置70を作動させ、ブレーキドラム5の制動状態を解放する。すなわち、図3および図9において、上方側の解放ケーブル78を引っ張ると、左上の手動制動解放装置70の解放レバー75は、支点部材77を揺動支点として矢印A方向に揺動してナット76を押圧する。このため、作動軸71は右方に移動する。このとき、右上の手動制動解放装置70も左上側の手動制動解放装置70に連動して作動し、右側の電磁ドラムブレーキRBのブレーキライニング24をブレーキドラム5の制動面5aから離間させる。同様に、下方側の解放ケーブル78を図3において左方に引っ張ると、左下の手動制動解放装置70の解放レバー75が支点部材77を揺動支点として矢印方向に揺動してナット76を押圧し作動軸71を右方に移動させる。これにより、左側の電磁ドラムブレーキLBのブレーキシュー11は制動ばね13と押圧ばね52に抗して右方に平行移動してブレーキライニング24をブレーキドラム5の制動面5aから離間させる。このとき、右下側の手動制動解放装置70も左下側の手動制動解放装置70に連動して作動し、右側の電磁ドラムブレーキRBのブレーキライニング24をブレーキドラム5の制動面5aから離間させる。したがって、ブレーキドラム5の制動が解放され、この状態でかご重量によってかごを昇降させて所定の乗り場位置に停止させることにより、かご内部の乗客の救出が行われる。
このような構造からなるエレベータ用巻上機1の電磁ドラムブレーキLB,RBによれば、手動制動解放装置70を固定部材3に形成した収納凹部74に組込み、作動軸71をコア10Aに形成した貫通穴19に貫通してブレーキシュー11に連結したので、解放レバー75の先端部と解放ケーブル78のみを収納凹部74の外部に突出させるだけでよく、それ以外の構成部品はエレベータ用巻上機1の外部に突出させる必要がないので、エレベータ用巻上機1の薄型小型化を図ることができる。
また、貫通穴19に制動ばね13を収納するとともに作動軸75を貫通させているので、制動ばね用の貫通穴と作動軸用の貫通穴を別個に形成する必要がなく、コア10Aの製作が容易で、小型化を可能にする。
さらに、支点部材77を作動軸71に近づけて解放レバー75のてこ比を大きくしておくと、解放レバー75を長くしなくても小さな操作力で作動軸71を移動させることができる。
図10は手動制動解放装置の他の実施の形態を示す要部の断面図である。
この実施の形態は、左上側と右上側の手動制動解放装置70,70を左右対称に配置し、2本の解放ケーブル78によって個々独立に作動させるように構成したものである。この場合、各解放レバー78の牽引方向を左右逆方向にしているため、2つの解放レバー75,75の揺動方向も逆方向となる。
図11は手動制動解放装置のさらに他の実施の形態を示す要部の断面図である。
この実施の形態は、図9に示した実施の形態と同様に左上側と右上側の手動制動解放装置70,70を1本の解放ケーブル78によって作動させるように構成した点で同じである。相違する点は、解放ケーブル78の心線78Bの一端を右側の手動制動解放装置70の解放レバー75の先端部に設けたケーブル挿通孔100に挿通し、その突出端に抜け防止用のボール101を一体に設けた点、および2つの支点部材77,77を左右対称な位置に設けた点である。
このような構造においても、図9に示した実施の形態と同様に、1本の解放ケーブル78によって左右の解放レバー75,75をブレーキドラムの周方向に同時に揺動させることができる。
上記した実施の形態では、エレベータ用巻上機1のモータ用ブレーキとして使用される電磁ドラムブレーキに適用した例について説明したが、本発明に係る電磁制動装置は、クレーンやエスカレータ、産業用ロボット等のモータ用ブレーキとしても使用することができる。
また、本発明の実施の形態として、ブレーキシュー11に凸円弧状のブレーキライニング24を取付けた内部拡張式の電磁ドラムブレーキを説明したが、これに限らずブレーキライニング24の形状を変えることにより、ブレーキドラム5の円筒部の外周面を制動する電磁ドラムブレーキや円板状のブレーキディスク(被制動体)の側面を制動する電磁ディスクブレーキとしても使用することができる。
さらに、本発明の実施の形態として、ブレーキシュー11のシュー本体11aにブレーキライニング24のパッド25(図6参照)を2本のボルト26によって着脱可能に取付けた構造のブレーキシュー11を説明したが、本発明に係る電磁ドラムブレーキは、シュー本体11aにブレーキライニング24を直接貼り付けた構造のブレーキシュー11を組込んでもよい。
エレベータ用巻上機の正面図である。 図1のII−II線断面図である。 左側の電磁ドラムブレーキの一部を断面して示す正面図である。 同電磁ドラムブレーキの平面図である。 同電磁ドラムブレーキの底面図である。 同電磁ドラムブレーキの断面図である。 図6の要部の拡大断面図である。 (a)、(b)、(c)はガイド部材の平面図、正面図および右側面図である。 手動制動解放装置の作用を説明するための図である。 手動制動解放装置の他の実施の形態を示す要部の断面図である。 手動制動解放装置のさらに他の実施の形態を示す要部の断面図である。
符号の説明
1…エレベータ用巻上機、2…ハウジング、3…固定部材、5…ブレーキドラム、5a…制動面、10…フィールドコア、10A…コア、11…ブレーキシュー、12…アーマチュア、13…制動ばね、19…貫通孔、24…ブレーキライニング、39…励磁コイル、70…手動制動解放装置、71…作動軸、74…収納凹部、75…解放レバー、77…支点部材、78…解放ケーブル。

Claims (2)

  1. 被制動体を制動する電磁制動装置において、
    被制動装置の固定部材に前記被制動体の制動面と対向するように固定されたフィールドコアと、
    ブレーキライニングとアーマチュアとを有し前記フィールドコアに前記被制動体の径方向に移動自在に設けられたブレーキシューと、
    前記ブレーキシューを前記フィールドコアから離間する方向に付勢することにより前記ブレーキライニングを前記被制動体の制動面に押し付ける制動ばねと、
    前記被制動体の制動状態を解放する手動制動解放装置とを備え、
    前記手動制動解放装置を、一端側が前記固定部材に形成した収納凹部内に位置し、他端側が前記フィールドコアに設けた貫通穴を進退自在に貫通して前記ブレーキシューに連結された作動軸と、この作動軸の一端側に揺動自在に取付けられた解放レバーと、この解放レバーの揺動支点を形成する支点部材と、前記解放レバーを揺動させる解放ケーブルとで構成したことを特徴とする電磁制動装置。
  2. 請求項1記載の電磁制動装置において、
    前記フィールドコアの前記解放レバーが貫通する貫通穴に前記制動ばねを弾装したことを特徴とする電磁制動装置。
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