JP4777369B2 - 自己倍力式ブレーキ装置 - Google Patents

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本発明は、インナパッド押圧機構を内蔵したキャリパボディを介してインナパッドとアウタパッドによりディスクロータを挟圧してブレーキ動作を行うブレーキ装置に関する。
車両において使用されるディスクブレーキ装置にあって、インナパッド押圧機構を内蔵したキャリパボディを介してインナパッドとアウタパッドによりディスクロータを挟圧してブレーキ動作を行うキャリパディスクブレーキ装置が知られている。そして、そのようなキャリパディスクブレーキ装置にあって、従来油圧で押圧されるピストンに代わり、電動モータによりブレーキパッドを押圧する簡素な構造で信頼性の高い電動機械式のディスクブレーキ装置が多用されるようになってきている。しかしながら、大きな制動力を必要とするディスクブレーキでは、大きな押圧力を必要とすることから、大出力の電動モータが必要で装置が大がかりになった。そのようなことから、サーボ機構(自己倍力機構)を備えたものが提案されている(例えば下記特許文献1および2参照)。
特開平11−315865号公報(公報要約書参照) 特開2004−360907号公報(公報要約書参照)
特許文献1に開示された第1従来例の電気機械式ブレーキを図5を用いて簡単に説明すると、ボルトキャリア126の内周に締結された電動モータ132を回転駆動することで、第1キャリア・リング114の内周面に刻設された歯部136を噛合回転(前進方向、後述するブレーキディスク112と同じω方向)させる。これにより、第1キャリア・リング114の側面に設置された多数のウェッジ118を前進時の回転方向に移動させる。前記ボルトキャリア126の環状空洞128内には前記多数のウェッジ118に対応して同数のボルト130が回転可能に取り付けられているため、ウェッジ118における小角度αの第1傾斜面120がボルト130と接触するカム作用により、第1キャリア・リング114を摩擦要素116を介してブレーキディスク112側に押圧することになる。このブレーキ力によりブレーキディスク112との間の摩擦により発生した回転接線方向のブレーキトルクによって、第1キャリア・リング114が回転方向に連れ回るので、第1キャリア・リング114に設置された前記各ウェッジ118の第1傾斜面120とボルト130との間のカム作用によりブレーキディスク112側面を押圧するブレーキ力が付加される自己倍力作用が発生する。なお、ウェッジ118における大角度βの第2傾斜面122は、後進時に機能して大きなブレーキ力を必要としない場合の使用に供される。
特許文献2に開示された第2従来例の自己倍力装置を備えた摩擦ブレーキを図6を用いて簡単に説明すると、第1摩擦ブレーキパッド216が、ブレーキキャリパ212に支軸224により旋回可能に枢着された支持レバー220の先端部に取り付けられる。支持レバー220の基端部には扇状の歯車セグメント230が刻設されおり、該歯車セグメント230は電動モータ226の回転駆動時にピニオン228に噛合して、前記支持レバー220を旋回させる。これにより、第1摩擦ブレーキパッド216がブレーキディスク214に押圧されてブレーキ力が得られる。そのブレーキ力の反力はブレーキキャリパ212を介して反対側の第2摩擦ブレーキパッド218側に伝達されて、ブレーキディスク214の反対側を押圧することになるので、これら第1および第2摩擦ブレーキパッド216、218によりブレーキディスク214を挟圧してブレーキ動作を行う。その際、ブレーキディスク214と第1摩擦ブレーキパッド216との間の摩擦により発生した回転接線方向のブレーキトルクによって、第1摩擦ブレーキパッド216が回転方向に連れ回り、支軸224を中心とした支持レバー220の旋回により、第1摩擦ブレーキパッド216がブレーキディスク214側面を押圧するブレーキ力が付加される自己倍力作用が発生する。支持レバー220の旋回運動により第1摩擦ブレーキパッド216がブレーキディスク214側に移動するので、その挙動は立上りが速く、応答性良く迅速にブレーキ動作が現出できることとなった。
しかしながら、これらの従来例にあって、前記図5の第1従来例の電気機械式ブレーキでは、ウェッジ118における前進方向と後進方向での傾斜面120と122の角度こそ異なるものの、これら傾斜角度が一定であるため、ブレーキ動作におけるパッドクリアランスを埋める初期の挙動において迅速な応答性が得られなかった。そのため、高い応答性を得るためには電動モータ等のアクチュエータの出力を上げなければならず、アクチュエータの小型化の阻害要因となっていた。また、前記図6の第2従来例の自己倍力装置を備えた摩擦ブレーキでは、前記第1従来例の欠点を補うべく、支持レバー220の旋回運動により第1摩擦ブレーキパッド216がブレーキディスク214側に移動するので、その挙動は立上りが速く、応答性良く迅速にブレーキ動作が実現できることとなった。しかしながら、この第2従来例のものでは、支持レバー220の旋回運動および自己倍力機能は前進時のみに限られ、車両等の後進時の挙動については何らの考慮がなされておらず、後進時における初期動作の遅れやアクチュエータの大型化が依然として必要であった。
そこで本発明は、前記従来の自己倍力式ブレーキ装置の課題を解決して、小型小容量のアクチュエータにても前進時および後進時での大きな自己倍力が可能で応答性に優れる自己倍力式ブレーキ装置を提供することを目的とする。
このため本発明は、インナパッド押圧機構を内蔵したキャリパボディを介してインナパッドとアウタパッドによりディスクロータを挟圧してブレーキ動作を行うブレーキ装置において、前記インナパッドをディスクロータの回転接線方向に駆動するアクチュエータと、インナパッドの移動に伴い該インナパッドをディスクロータに押圧すべく揺動するトグル部材とを前記キャリパボディに載置するとともに、前記アクチュエータをディスクロータの円周上にてトグル部材の両側に振り分けて配設したことを特徴とする。また本発明は、前記トグル部材は、頂部がインナパッドの支持部に軸支されるとともに、その両底辺部のそれぞれを支点として揺動可能に構成されたことを特徴とする。また本発明は、前記アクチュエータが電動モータにより構成され、該電動モータにより回転駆動される偏心カムギヤによって、前記インナパッドをディスクロータの回転接線方向に駆動するように構成したことを特徴とする。また本発明は、前記トグル部材が、キャリパボディにおいてディスクロータに対する位置調整可能に配設されたアンカプレート上に載置されるとともに、前記パッドの摩耗によるトグル部材の過揺動ストークによって、前記アンカプレートのディスクロータに対する位置が調整されるように構成したことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とする。
本発明によれば、インナパッド押圧機構を内蔵したキャリパボディを介してインナパッドとアウタパッドによりディスクロータを挟圧してブレーキ動作を行うブレーキ装置において、前記インナパッドをディスクロータの回転接線方向に駆動するアクチュエータと、インナパッドの移動に伴い該インナパッドをディスクロータに押圧すべく揺動するトグル部材とを前記キャリパボディに載置するとともに、前記アクチュエータディスクロータの円周上にてトグル部材の両側に振り分けて配設したことにより、キャリパボディに載置されたトグル部材の揺動によって、揺動初期にはインナパッドを迅速にディスクロータ側に移動し、揺動後期には緩やかにインナパッドをディスクロータに接触させることができるので、ブレーキ作動時の空走域を極力小さくできて迅速なブレーキ動作を可能にするとともに、トグル部材の揺動支点の自在な選択が可能で、後進時にもトグル部材による自己倍力が可能となる。しかも、アクチュエータはインナパッドをディスクロータの回転接線方向に駆動するだけの小型小容量なもので済み、低コストである。しかも、トグル部材の両側にてバランス良く円滑にインナパッドをディスクロータの回転接線方向に駆動することができ、しかも1つずつのアクチュエータの容量をより小さくできるので、小型のアクチュエータを用いても自己倍力機能を得て大きなブレーキ力を得ることができる。
また、前記トグル部材は、頂部がインナパッドの支持部に軸支されるとともに、その両底辺部のそれぞれを支点として揺動可能に構成された場合は、トグル部材がその両底辺部のいずれかを揺動支点に選択して、前進時は言うに及ばず後進時にも、頂部に位置するインナパッドを確実にディスクロータ側に移動させて、自己倍力機能を発揮させることができる。さらに、前記アクチュエータが電動モータにより構成され、該電動モータにより回転駆動される偏心カムギヤによって、前記インナパッドをディスクロータの回転接線方向に駆動するように構成した場合は、従来の油圧等の流体を用いたもののように流体のための配管等を設置する必要がなくて設備が簡素化されるのみならず、偏心カム自体にも倍力作用があるので、電動モータから偏心カムギヤへの減速時の倍力作用も加わり、トグル部材による自己倍力機能を充分に発揮させることができて、さらに電動モータを小型にできる。
さらにまた、前記トグル部材が、キャリパボディにおいてディスクロータに対する位置調整可能に配設されたアンカプレート上に載置されるとともに、前記パッドの摩耗によるトグル部材の過揺動ストークによって、前記アンカプレートのディスクロータに対する位置が調整されるように構成した場合は、キャリパボディと別部材にて強度等の特性、製作性等を自在に選定したアンカプレート上にてのトグル部材の揺動支点の自在な選択を可能にして、後進時にもトグル部材による自己倍力を発揮させるとともに、インナパッドが所定値より摩耗した場合でも、トグル部材の適正位置を保持して自己倍力により発生するブレーキ力を適正に維持することができる。
以下本発明に係る自己倍力式ブレーキ装置を実施するための好適な形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の自己倍力式ブレーキ装置の第1実施例を示す制動時の平断面図、図2は同、初期状態の平断面図、図3は同、パッド摩耗時におけるアジャスタ調整時の要部拡大平断面図、図4は本発明の自己倍力式ブレーキ装置によるものと従来のものとのパッドの挙動の比較図である。本発明の自己倍力式ブレーキ装置の基本的な構成は、図1に示すように、インナパッド押圧機構を内蔵したキャリパボディ1を介してインナパッド3とアウタパッド4によりディスクロータ2を挟圧してブレーキ動作を行うブレーキ装置において、前記インナパッド3をディスクロータ2の回転接線方向に駆動するアクチュエータ6、7と、インナパッド3の移動に伴い該インナパッド3をディスクロータ2に押圧すべく揺動するトグル部材11とを前記キャリパボディ1に載置するとともに、前記アクチュエータ6、7をディスクロータ2の円周上にてトグル部材の両側に振り分けて配設したことを特徴とする。
図2は本発明の自己倍力式ブレーキ装置の第1実施例を示すもので、初期状態の平断面図である。車体の静止部等に固定されるサポート(図示省略)に対してキャリパボディ1が摺動ピン5によって内外(図2の図面上では上下)にスライド自在に構成されている。つまり、サポートに対してキャリパボディ1がフローティング形態にて設置されている。ディスクロータ2の内外に位置して、それぞれインナパッド3とアウタパッド4が配置される。インナパッド3の背面側(図2の図面上では下側)である内側のキャリパボディ1内には、インナパッド押圧機構を兼ねて自己倍力機構を構成するトグル部材11およびアクチュエータを構成する第1および第2電動モータ6および7等が配設される。
電動モータ6、7は好適には、前記ディスクロータ2の円周上にてトグル部材11の両側に振り分けて配設する。これにより、トグル部材11の両側にてバランス良く円滑にインナパッド3をディスクロータ2の回転接線方向に駆動することができ、しかも1つずつのアクチュエータとしての電動モータ6、7の容量をより小さくできる。トグル部材11の両側に振り分けて配設された各電動モータ6、7は、ディスクロータ2の回転軸と平行な回転軸を有している。各電動モータ6、7の出力ギヤ6A、7Aはそれぞれ第1および第2偏心カムギヤ8、9の外周の歯部と噛合する。これら偏心カムギヤ8、9の回転軸も各電動モータ6、7の回転軸と平行に配置される。
前記各偏心カムギヤ8、9の外周部には、インナパッド3側に突出させて第1および第2偏心カムピン8A、9Aが設置され、前記インナパッド3の基板であるプレッシャプレート10に対応して刻設されたピンガイド溝10A、10A内に挿入掛止される。これらの電動モータの出力ギヤ6A、7A、偏心カムギヤ8、9、偏心カムピン8A、9A、プレッシャプレート10におけるピンガイド溝10A、10Aの噛合および挿入掛止関連構成が図2の下部に明瞭に描かれている。電動モータ6側にて説明(電動モータ7側も同様)すると、電動モータ6の出力ギヤ6Aが偏心カムギヤ8を回転駆動させると、偏心カムギヤ8の外周部に設置された偏心カムピン8Aを半径の腕の長さにて回転させ、偏心カムピン8Aがピンガイド溝10Aに挿入掛止されたプレッシャプレート10を梃子作用による大きな力でディスクロータ2の回転接線方向に移動させることを可能にする。
前記インナパッド3の基板であるプレッシャプレート10の中央内側に形成された支持部10Bに、略正三角形状のトグル部材11の頂部が支軸11Aにて軸支されるとともに、その両底辺部が前記ディスクロータ2に対する位置調整可能に配設されたアンカプレート12上にフリーの状態で、転動または摺動自在に載置される。したがって、トグル部材11はその両底辺部における両側の第1および第2支軸11B、11C近傍のそれぞれのいずれかを揺動支点として選択して揺動可能に構成されている。つまり、後述するように、前進時あるいは後進時に、ディスクロータ2の正転時あるいは逆転時の回転接線方向に駆動されるプレッシャプレート10の移動に応じて、トグル部材11の両底辺部における支軸11Cあるいは支軸11B近傍を揺動支点として揺動することで、ディスクロータ2の正転時あるいは逆転時のいずれの場合も、プレッシャプレート10を介してインナパッド3をディスクロータ2の側面に押し付けることができる。前記アンカプレート12は、キャリパボディ1の底部1A上に載置されたアンカ部14の軸に螺合された筒状のアジャスタ部13を介してキャリパボディ1に設置される。
このように構成された本発明の自己倍力式ブレーキ装置のブレーキ動作を図1を用いて説明する。図1の矢印にて示す方向を正転の車両前進方向とする。一対の電動モータ6、7の正転により、その出力ギヤ6A、7Aが正転してそれらに噛合する各偏心カムギヤ8、9が矢印の時計方向(図1の下部の図面上)に回転する。これに伴い、各偏心カムギヤ8、9の外周部に設置された偏心カムピン8A、9Aも時計方向に回転移動し、これらの偏心カムピン8A、9Aをピンガイド溝10Aに挿入掛止したプレッシャプレート10が梃子作用による大きな力でディスクロータ2の回転接線方向(矢印)に移動する。これに伴い、トグル部材11は、アンカプレート12上にて両底辺部における一方の支軸11C近傍を揺動支点として時計方向(図面上)に揺動角度αだけ揺動するので、トグル部材11における頂部の支軸11Aを円弧運動にてディスクロータ2側に移動させる。これにより、インナパッド3をディスクロータ2の側面に押し付けてブレーキ動作を開始する。前記トグル部材11における頂部の支軸11Aが円弧運動を描くことにより、図4に示すように、ブレーキ動作におけるパッドクリアランスを埋める初期の挙動において迅速な応答性が得られることになった。
図4は本発明の自己倍力式ブレーキ装置によるものと従来のものとのパッドの挙動の比較図である。図4における細線で示すものは、前記図5の第1従来例のもののようなウェッジタイプにおける所定角度の傾斜面120、122を有するもののブレーキパッドのディスクロータへの移動時の挙動を示すもので、ほぼ直線的にブレーキパッドがディスクロータ側へ移動する。したがって、ブレーキ動作におけるパッドクリアランスを埋める初期の動作が比較的鈍く、ブレーキ動作に入るまでの比較的多くの時間を要する。これに対して、本願発明のものでは、図4における太線で示すように、インナパッド3のディスクロータ2側への動作は円弧状の挙動を呈しており、ブレーキ動作におけるパッドクリアランスを埋める初期の動作において迅速な応答性が得られるものでありながら、インナパッド3がディスクロータ2の側面に接触するブレーキ動作の終期にはなだらかな変化率で移動する特性が得られる。したがって、ブレーキ動作に入るまでの時間が短くて応答性が良い。しかも、比較的ゆるやかにインナパッド3がディスクロータ2の側面に接触させることができてそれらの部品としての寿命を長大化させることもできる。
図1に戻り、インナパッド3がディスクロータ2の側面に接触して押圧が開始されると、ディスクロータ2との摩擦力によりインナパッド3が連れ回り、前記トグル部材11を、支軸11C近傍を揺動支点とした揺動運動を助長する。この助長された揺動運動が、さらにインナパッド3をディスクロータ2の側面に押圧することになる。ここに、インナパッド3とディスクロータ2との摺接により回転接線方向に発生したブレーキトルクによるブレーキ力の自己倍力機能が発生することになる。一方、車両の後進時には、ディスクロータ2は図1の矢印方向と反対方向に回転する。電動モータ6、7も変速機の後進位置に連動させる等して逆回転させることで、インナパッド3のプレッシャプレート10を図面左方向に移動させ、トグル部材11を、アンカプレート12上にて両底辺部における他方の支軸11B近傍を揺動支点として反時計方向(図面上)に揺動運動させる。以下の動作は前記前進時と同様なので、説明を省略する。
図3は本発明の自己倍力式ブレーキ装置のパッド摩耗時におけるアジャスタ調整時の要部拡大平断面図である。アジャスタ調整機構を構成するのは、前記アンカプレート12と、キャリパボディ1の底部1A上に載置されたアンカ部14の軸(図示しての詳述は省略)に螺合された筒状のアジャスタ部13と、該アジャスタ部13の外周部に形成されたアジャスタギヤ13Aと、前記アンカプレート12にピン軸18Aにて軸支されリターンスプリング19にて先端爪18C側がアンカプレート12側に付勢されたアジャスタレバー18である。前記アジャスタギヤ13Aとアジャスタレバー18の先端爪18Cとはラチェット係合により一方向にのみアジャスタギヤ13Aが回転可能である。
以上のように構成されているので、インナパッド3が摩耗するとトグル部材11に過揺動ストーク(揺動角β(>α))が発生することによって、アンカプレート12にピン軸18Aにて軸支されリターンスプリング19にて牽引されるアジャスタレバー18が時計方向(図面上)に揺動する。アジャスタレバー18の基部18Bがトグル部材11の底辺に追従するのに伴い、先端爪18Cがアジャスタギヤ13Aと係合してラチェット回転させ、アジャスタ部13を回転させる。これにより、アジャスタ部13がアンカ部14の螺合軸に対して進出して、アンカプレート12をインナパッド3の摩耗分だけディスクロータ2側へ移動させて調整がなされる。ブレーキ解除時にトグル部材11が初期位置に復帰するときに、アジャスタレバー18をリターンスプリング19の復元力に抗して反時計方向に回転させるが、先端爪18Cとアジャスタギヤ13Aとのラチェット作用によりアジャスタギヤ13Aが逆回転することはない。
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、キャリパボディの形状(インナパッド側からアウタパッドの外側に延設される形状等)、形式およびそのサポートへの取付け摺動形態(摺動ピンの他、適宜の摺動部材が採用できる)、アクチュエータの形状、形式(好適には電動モータが採用されるが、流体モータを排除するものではない)および数(好適には小型小容量の2つの電動モータを、ディスクロータの円周上にてトグル部材の両側に振り分けて配設される)、偏心カムピンの設置形態を含む偏心カムギヤの形状、形式、インナパッドのディスクロータの回転接線方向への駆動形態(プレッシャプレートにおけるピンガイド溝の形状、前進時と後進時とで偏心カムピンとの間に発生する操作力を異ならせるようにピンガイド溝を傾斜させてもよい。該溝への偏心カムピンの挿入掛止形態等)、トグル部材の形状(実施例のような中実の略正三角形状の他、頂部支軸を頂点とする山形形状、中空の略正三角形状等)、形式およびそのインナパッド(プレッシャプレート)への支持形態ならびにキャリパボディ(アンカプレート)への載置形態(フリーの状態で、転動または摺動自在)、キャリパボディにおけるトグル部材のディスクロータに対する位置調整形態(アジャスタレバーの形状、形式、揺動形態、ラチェット噛合によるアジャスタレバーとアジャスタギヤとの調整形態)等については適宜選定できる。実施例に記載の諸元はあらゆる点で単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。
本発明の自己倍力式ブレーキ装置の第1実施例を示す制動時の平断面図である。 同、初期状態の平断面図である。 同、パッド摩耗時におけるアジャスタ調整時の要部拡大平断面図である。 本発明の自己倍力式ブレーキ装置によるものと従来のものとのパッドの挙動の比較図である。 第1従来例として示す電気機械式ブレーキの説明図である。 第2従来例として示す自己倍力装置を備えた摩擦ブレーキの説明図である。
符号の説明
1 キャリパボディ
1A 底部
2 ディスクロータ
3 インナパッド
4 アウタパッド
5 摺動ピン
6 第1アクチュエータ(電動モータ)
6A 第1出力ギヤ
7 第2アクチュエータ(電動モータ)
7A 第2出力ギヤ
8 第1偏心カムギヤ
8A 第1偏心カムピン
9 第2偏心カムギヤ
9A 第2偏心カムピン
10 プレッシャプレート
10A ピンガイド溝
10B 支持部
11 トグル部材
11A 頂部支軸
11B 第1支軸
11C 第2支軸
12 アンカプレート

Claims (4)

  1. インナパッド押圧機構を内蔵したキャリパボディを介してインナパッドとアウタパッドによりディスクロータを挟圧してブレーキ動作を行うブレーキ装置において、前記インナパッドをディスクロータの回転接線方向に駆動するアクチュエータと、インナパッドの移動に伴い該インナパッドをディスクロータに押圧すべく揺動するトグル部材とを前記キャリパボディに載置するとともに、前記アクチュエータをディスクロータの円周上にてトグル部材の両側に振り分けて配設したことを特徴とする自己倍力式ブレーキ装置。
  2. 前記トグル部材は、頂部がインナパッドの支持部に軸支されるとともに、その両底辺部のそれぞれを支点として揺動可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の自己倍力式ブレーキ装置。
  3. 前記アクチュエータが電動モータにより構成され、該電動モータにより回転駆動される偏心カムギヤによって、前記インナパッドをディスクロータの回転接線方向に駆動するように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の自己倍力式ブレーキ装置。
  4. 前記トグル部材が、キャリパボディにおいてディスクロータに対する位置調整可能に配設されたアンカプレート上に載置されるとともに、前記パッドの摩耗によるトグル部材の過揺動ストークによって、前記アンカプレートのディスクロータに対する位置が調整されるように構成したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の自己倍力式ブレーキ装置。
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