JP2009202849A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動パワーステアリング装置の初期診断において、危険を伴わない車両挙動による特殊要因によって、若しくは一時的に異常検出条件に適合することによって異常と判定され、アシスト制御を停止した場合でも、電動パワーステアリング装置が安全であることの確認ができた場合には、走行中でもアシスト制御を復帰させるようにした電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】車両の操舵系にモータのアシストトルクを付与してアシスト制御を行うようになっている電動パワーステアリング装置において、異常有無を検出する初期診断で異常が検出されたときにアシスト制御を停止すると共に、初期診断を繰り返して行い、異常が検出されなくなったときにアシスト制御を復帰させる機能を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の操舵系にモータによるアシストトルクを付与するようにした電動パワーステアリング装置に関し、特に電動パワーステアリング装置の異常有無を検出する初期診断において、異常が検出されてアシスト制御を停止した場合に再度(数回)初期診断を行い、異常が検出されなくなった場合にアシスト制御を復帰させるようにした電動パワーステアリング装置に関する。
車両のステアリング装置をモータの回転力で補助負荷付勢する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に補助負荷付勢するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシストトルク(操舵補助力)を正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、電流指令値とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデュ−ティ比の調整で行っている。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図5に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト)2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に連結されている。コラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット30には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTと車速センサ12で検出された車速Vとに基づいてアシスト(操舵補助)指令の電流指令値Eの演算を行い、演算された電流指令値Eに基づいてモータ20に供給する電流を制御する。
コントロールユニット30は主としてCPU(又はMPUやMCU)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと、図6のようになる。
図6を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTは、操舵系の安定性を高めるために位相補償部31で位相補償され、位相補償された操舵トルクTAが操舵補助指令値演算部32に入力される。又、車速センサ12で検出された車速Vも操舵補助指令値演算部32に入力される。操舵補助指令値演算部32は、入力された操舵トルクTA及び車速Vに基づいてアシストマップ(ルックアップテーブル)33を参照して、モータ20に供給する電流の制御目標値である操舵補助指令値Iを決定する。
操舵補助指令値Iは減算部30Aに入力されると共に、応答速度を高めるためのフィードフォワード系の微分補償部34に入力され、減算部30Aで求められる偏差(I−i)は比例演算部35に入力されると共に、フィードバック系の特性を改善するための積分演算部36に入力される。比例演算部35の出力及び積分演算部36の出力はそれぞれ加算部30Bに入力され、微分補償部34の出力も加算部30Bに加算され、加算部30Bでの加算結果である電流指令値Eが、モータ駆動信号としてモータ制御回路37に入力される。モータ20のモータ電流値はモータ電流検出回路38で検出され、検出されたモータ電流検出値iは減算部30Aに入力されてフィードバックされる。モータ制御回路37にはバッテリ13から電力が供給され、モータ制御回路37はFET等の駆動素子で成るHブリッジ回路(2相モータの場合)又は3相ブリッジ回路(3相モータの場合)で構成される。
このような電動パワーステアリング装置において、イグニションキーがONにされて、電動パワーステアリング装置の電源がONになった直後に、電動パワーステアリング装置が正常に機能できる状態にあるかどうかを判断する為に、初期診断を行うようにしており、初期診断で異常が検出された場合には、電動パワーステアリング装置によるアシスト制御を停止するようにしていた。
特許第2824493号公報(特許文献1)には、トルクセンサに異常が検出され、モータによる操舵補助を中断した場合に操舵補助復帰処理を行うようにした動力舵取装置が開示されている。この動力舵取装置では、操舵補助動作を中断した後、トルクセンサが正常に戻った場合に、トルクセンサの出力及び車速センサの出力の内、少なくともいずれか一方が所定範囲になったとき、モータによる操舵補助動作を復帰させるようにしている。
特許第3412581号公報(特許文献2)には、電動モータによるアシスト制御の再開時に、操舵ハンドルの回転動作に対する運転者の違和感を解消するようにした車両の電動パワーステアリング装置が開示されている。この車両の電動パワーステアリング装置では、電動パワーステアリング装置のアシスト制御手段に異常が検出された場合に、電動モータによる回転制御を中断するようにしている。そして、アシスト制御手段の異常が回復したときには、車両が停止中であるか又は直前に停止中であったことを条件に、アシスト制御手段による電動モータの回転制御を再開させるようにしている。
また、特開2002−127927号公報(特許文献3)には、制御装置の制御の停止時における操舵フィーリングを改善した電動パワーステアリング装置が開示されている。この電動パワーステアリング装置では、イグニションキーのオフによるシステムの停止時又は操舵トルク入力系の故障によるフェールセーフとしてのシステム停止時等の場合には、システムの状態に応じて操舵トルク検出信号を最適に減少させるようにし、イグニションキーのオン時又はバッテリ電圧異常からの復帰時に操舵トルク検出信号を次第に増加させるようにしている。
さらに、特許第3047051号公報(特許文献4)には、操舵補助制御を行うメインCPUと、メインCPUの動作状態を監視するサブCPUを備えた電動パワーステアリング装置が開示されている。この電動パワーステアリング装置では、メインCPUが異常であると判別された場合は、操舵補助の禁止を行う。その後、メインCPUが正常復帰したと判別された場合は、検出車速が零であると判別された場合にのみ、操舵補助の禁止を解除するようにしている。
特許第2824493号公報 特許第3412581号公報 特開2002−127927号公報 特許第3047051号公報
上記特許文献1乃至4に開示された電動パワーステアリング装置では、いずれも異常の検出を行う際に、危険を伴わない車両挙動による特殊要因によって予期しない判定条件が揃い、異常と判定してしまう恐れがあり、アシスト制御を停止する必要があるような故障が発生していない場合でも、アシスト制御を停止してしまう恐れがある。また、いずれの装置もイグニションキーをONにした直後に行われる初期診断において、異常が検出されてアシスト制御を停止した場合に、異常が検出されなくなったことによってアシスト制御を復帰させることは全く想定していない。
更に従来では、初期診断において異常が検出された場合のアシスト制御の制限条件は、一般に常時診断時において異常が検出された場合のアシスト制御の制限条件よりも厳しくなっている。しかし、近年車両が大型になるにつれてアシスト制御の必要性は増しており、不要なアシスト制御の停止の継続を避ける必要性が顕著になってきている。
本発明は上述のような事情によりなされたものであり、本発明の目的は、電動パワーステアリング装置の初期診断において、危険を伴わない車両挙動による特殊要因によって、若しくは一時的に異常検出条件に適合することによって異常と判定され、アシスト制御を停止した場合でも、電動パワーステアリング装置が安全であることの確認ができた場合には、走行中でもアシスト制御を復帰させるようにした電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、車両の操舵系にモータのアシストトルクを付与してアシスト制御を行うようになっている電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、異常有無を検出する初期診断で異常が検出されたときに前記アシスト制御を停止すると共に、前記初期診断を繰り返して行い、前記異常が検出されなくなったときに前記アシスト制御を復帰させる機能を設けることによって達成され、前記初期診断の繰り返しを所定時間間隔で行うことによって、或いは前記初期診断の繰り返しを任意の時間間隔で行うことによって、より効果的に達成される。
本発明は、少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値を演算し、前記電流指令値に基づいてステアリング機構のアシスト制御を行う電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、前記電動パワーステアリング装置の異常有無を検出する初期診断を行う初期診断部と、前記初期診断部が異常を検出したときに前記アシスト制御を停止するアシスト制御停止部と、前記初期診断部が異常を検出したときに任意の時間の経過後に再度前記初期診断を行うように制御する初期診断制御部と、前記初期診断部が異常を検出しなくなったときに前記アシスト制御を復帰させるアシスト制御実行部とを設けることによって達成される。
本発明の上記目的は、前記初期診断部は複数個の異常診断項目を有し、前記全ての異常診断項目を診断する前に異常を検出した場合でも前記全ての異常診断項目を診断し、全ての項目の異常の有無を確定し記憶する機能を設けることにより、或いは前記初期診断部は、前回の初期診断において異常が検出された異常診断項目のみの診断を行うことによって、或いは前記初期診断部は、前回の初期診断において異常が検出された異常診断項目の異常検出条件を変更することによって、或いは1回又は複数回の初期診断1後に行った初期診断2において異常が検出されなくなった場合に、前記初期診断1において検出された異常に応じて前記アシスト制御に制限を設定するアシスト制御制限部を具備したことによって、或いは1回又は複数回の初期診断1後に行った初期診断2において異常が検出されなくなった場合に、車両走行中に常時行う常時診断の異常検出条件を変更する異常検出条件変更部を具備したことによって、或いは前記初期診断制御部は、所定時間における複数回の前記初期診断により異常の復帰が見込めない場合に、以後の前記初期診断を停止することによって、より効果的に達成される。
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、電動パワーステアリング装置の初期診断において異常が検出されてアシスト制御を停止した場合でも、アシスト制御を安全に再開できることを確認するのに十分な複数回(少なくとも1回以上)の初期診断を再度行うようにしている。このため電動パワーステアリング装置の初期診断において、危険を伴わない車両挙動による特殊要因によって、若しくは一時的に異常検出条件に適合することによって異常と判定され、アシスト制御を停止した場合でも、電動パワーステアリング装置が安全であることの確認ができた場合には、走行中でも安全にアシスト制御を復帰させることができ、不要なアシスト制御の停止の継続を避けることができる。
また、初期診断において異常が検出されてアシスト制御を停止しても、初期診断を途中で止めずに、全ての異常診断項目について初期診断を行うようにしているので、何が異常であるかを確定して記憶することができ、電動パワーステアリング装置の故障を分析する際に有用な機能を有している。
更に、イグニションキーをONにした直後の初期診断で異常が検出された場合に、初期診断を再度行うための初期診断部の制御機能を除いて、異常と検出された信号のモニタ及び診断は停止するため、初期診断時に発生し得る動作上の異常の誤検出や、外部からの一時的な信号の干渉による異常の誤検出が起こってアシスト制御が停止された場合でも、再度初期診断を行うようにすることによって、電動パワーステアリング装置の安全を確認してアシスト制御を復帰することができる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置は、電動パワーステアリング装置の異常の有無を検出する初期診断を行い、異常が検出された場合にはアシスト制御を停止し、任意又は所定の時間間隔で初期診断を再度複数回(少なくとも1回以上)行い、異常が検出されなくなった場合にはアシスト制御を再開するようにしている。また、初期診断を行う際に、途中で異常が検出された場合でも、全ての異常診断項目を診断して、全ての項目について異常の有無を確定し記憶するようにしている。そのため、危険を伴わない車両挙動による特殊要因によって、若しくは一時的に異常検出条件に適合することによって異常と判定され、アシスト制御を停止した場合でも、電動パワーステアリング装置が安全であることの確認ができた場合には、走行中でもアシスト制御を復帰させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置のコントロールユニット100の構成例を示す図である。コントロールユニット100は、操舵トルクTと車速Vとに基づいて電流指令値Eを演算すると共に、全体の制御を行うCPU110と、CPU110で演算された電流指令値Eに基づいてモータ20の各相にモータ相電流を供給するモータ制御回路102と、モータ相電流ipを検出してCPU110に入力するモータ相電流検出回路103と、各相電流の総和であるモータ全電流itを検出してCPU110に入力するモータ全電流検出回路104とを具備している。
CPU110は、トルクセンサ10からの操舵トルクTと、車速センサ12によって検出される車速Vとに基づいて操舵補助指令値Iを演算し、操舵補助指令値Iに補償等を施した電流指令値Eをモータ制御回路102に入力する。モータ制御回路102にはバッテリ13から電源リレー14を経て電力が供給されようになっており、電源リレー14はCPU110からの切り替え信号SW1によってON/OFFされるようになっている。モータ制御回路102からはモータ20の各相に供給されるモータ相電流ipが出力され、モータ相電流ipは3相の内の2相がモータリレー105A及び105Bを経てモータ20に供給される。モータリレー105A及び105Bは、CPU110からの切り替え信号SW2によって同期してON/OFFされるようになっている。モータ相電流ipはモータ相電流検出回路103によって検出され、モータ相電流ipはCPU110に入力される。また、各相電流の総和であるモータ全電流itはモータ全電流検出回路104によって検出されてCPU110に入力される。
CPU110は、操舵トルクT、車速V、モータ相電流ip、モータ全電流it等のCPU110に入力される各検出信号から電動パワーステアリング装置の異常の有無について初期診断を行う初期診断部111と、初期診断部111が初期診断を行う時間及びその時間間隔を制御する初期診断制御部112と、初期診断部111によって異常が検出された場合にアシスト制御を停止するアシスト制御停止部113と、初期診断部111によって異常が検出されない場合、若しくはアシスト停止後に異常が検出されなくなった場合にアシスト制御を実行したり、再開するアシスト制御実行部114と、電動パワーステアリング装置の異常を常時診断、つまりアシスト制御中も診断する常時診断部115とを具備している。
本発明は、電動パワーステアリング装置の初期診断において異常が検出され、アシスト制御を停止した場合に、電動パワーステアリング装置の安全を確認してからアシスト制御を復帰させるものであるが、その動作を図2に示すフローチャートを参照して説明する。
イグニションキー11がONにされて電動パワーステアリング装置の電源がONにされると(ステップS1)、電源リレー14がONされ、バッテリ13からの電力がモータ制御回路102等に供給される。初期診断部111は、操舵トルクT、車速V、モータ相電流ip、モータ全電流it等のCPU110に入力される各検出信号に基づいて電動パワーステアリング装置の異常の有無について初期診断を行い(ステップS2)、初期診断部111による初期診断において異常が検出された場合、アシスト制御停止部113によって切り替え信号SW2を出力してモータリレー105A及び105BをOFFしてアシスト制御を停止する(ステップS4)。そして、初期診断制御部112は所定時間の経過後に再度初期診断を行うように初期診断制御部111を制御し(ステップS5)、上記ステップS2にリターンし、上記診断動作を繰り返す。
一方、上記ステップS2の初期診断において異常が検出されない場合、若しくはアシスト停止後に異常が検出されなくなった場合、アシスト制御実行部114によってアシスト制御を実行するか、若しくは復帰させる(ステップS6)。アシスト制御の実行若しくは復帰は、切り替え信号SW2によってモータリレー105A及び105BをONさせることによって行う。そして、アシスト制御を実行する場合、若しくはアシスト制御を復帰した場合には、電動パワーステアリング装置の異常の常時診断を常時診断部115により行う(ステップS7)。
図3は、本発明に係る電動パワーステアリング装置がイグニションキー11をONにしてから初期診断を行う際の、車両の各部状態を示すタイムチャートである。
図3(A)に示すように時点t1にイグニションキー11をONにすると、電動パワーステアリング装置の電源がONになり、図3(F)に示すように初期診断部111は1回目の初期診断である初期診断#1を初期診断1として行う。なお、図3(G)に示すように、イグニションキー11がONされる時点t1まではシステム停止となっており、イグニションキー11がONになった時点t1にアシスト制御状態となる。そして、初期診断#1で図3(E)に示すように異常が検出されると(時点t2)、アシスト制御停止部113によってアシスト制御の停止を指示する。
初期診断#1の終了後、図3(D)に示すように車速Vが0(km/時)から増加し、車両の動作に伴って図3(C)に示すように操舵トルクTも0から増加するようになる。時点t2以降はアシスト制御が停止されているため、電動パワーステアリング装置のモータに流れる電流は図3(B)に示すように0(A)のままであり、操舵制御はハンドルのみによって行われる。
初期診断制御部112は、初期診断#1の終了時点t2から時間Tm1後の時点t3に2回目の初期診断である初期診断#2を初期診断1として行うように、初期診断部111を制御する。図3の例では、同図(E)のように初期診断#2においても異常が検出されているため、アシスト制御停止部113によってアシスト制御の停止が指示され、初期診断#2の終了後も図3(G)に示すようにアシスト制御の停止が継続される。
初期診断制御部112は、初期診断#2の終了時点t4から時間Tm2後の時点t5に3回目の初期診断である初期診断#3を初期診断2として行うように、初期診断部111を制御する。時間Tm1と時間Tm2は同じであっても良いし、異なっていても良い。図3の例では時点t6に診断フラグが正常認識になっており、初期診断#3において異常が検出されないため、初期診断#3の終了時点t7にアシスト制御実行部114によってアシスト制御の復帰を指示し、アシスト制御を再開する。アシスト制御を再開する際、運転者の操舵感に違和感を与えないようにするために、図3(B)に示されるようにモータに流れる負荷電流を徐々に増加する。負荷電流が徐々に増加するのに伴って、操舵トルクTは図3(C)に示されるように徐々に減少し、運転者の負担が軽減されるようになる。
初期診断#3において異常が検出されなかったので、初期診断部111による初期診断は初期診断#3で終了するように、初期診断制御部112は初期診断部111を制御する。
図3に示されるように、初期診断制御部112は初期診断部111が初期診断を行う時間とその時間間隔(Tm1,Tm2)を制御する。この時間間隔は一定の所定時間間隔でも良いが、初期診断を行う回数と共に変化させても良い。また、その次の初期診断を行うまでの時間間隔を、それまでの初期診断で検出された異常に応じて変化させるようにしても良い。
初期診断では複数の異常診断項目の異常が診断されるようになっており、通常は異常が検出されると、残りの異常診断項目の異常診断を行わずにアシスト制御を停止するようにしている。しかしながら、本発明に係る電動パワーステアリング装置では、初期段階で1つの異常が検出されても全ての異常診断項目の異常診断を行い、異常の無い項目が何であるかの確定を行ってメモリ(図示せず)記憶するようにする。その動作例を図4のタイムチャートに示して説明する。
図4の例では、イグニションキー11をONにした直後の初期診断において、n個の異常診断項目の異常診断を行う様子を示している。先ず時点t10にイグニションキー11がONにされ(図4(A))、電動パワーステアリング装置の電源がONになると、初期診断部111は初期診断を行う(図4(I))。初期診断部111が行う初期診断にはn個の異常診断項目が有り、図4(D)に示す第1診断項目から図4(H)に示す第n診断項目まで順番に異常有無の診断を行う。図4(D)に示すように第1診断項目では異常が検出され、時点t11に異常が認識されており、図4(E)に示すように第2診断項目では異常が検出されず、時点t12に正常であると認識されている。また、第3診断項目及び第4診断項目ではそれぞれ時点t13及びt14に異常が認識され、第5診断項目では時点t15に正常であると認識されている。第n診断項目では初期診断が終了する時点t1nに正常であると認識されている。このように第1診断項目から順番に第n診断項目まで異常有無の診断を行い、第n診断項目の異常有無の診断が終了すると、初期診断部111による初期診断が終了し、それぞれの異常診断項目が正常であるか異常であるかを確定すると共に、どの異常診断項目が異常であるかをメモリに記憶する。
図4の初期診断例では複数の異常診断項目に異常が認識されているので、図4(J)に示すようにアシスト制御停止部113によってアシスト制御の停止を行う。なお、第1診断項目から第n診断項目の診断順序は上記実施形態のように順番であっても良く、また、任意に行うようにしても良い。
以上説明した実施形態の電動パワーステアリング装置では、初期診断において異常が検出された場合に、任意の時間の経過後に再度初期診断を行うようにしているが、再度行う初期診断では、その前に行った初期診断で異常が検出された異常診断項目のみを診断するようにしても良い。また、再度行う初期診断において、その前に行った初期診断で異常が検出された異常診断項目の異常検出条件を変更するようにしても良い。例えば、異常が検出された異常診断項目が危険を伴う場合に、異常を早期に特定する目的で、異常を検出し易いように異常検出条件を変更したり、或いは、異常が検出された異常診断項目が危険に直結しないような場合に、早期にアシスト制御を開始する目的で、異常を検出し難いように異常検出条件を変更することが考えられる。
また、上記実施形態の電動パワーステアリング装置では、1回又は複数回の初期診断において異常が検出され、その後の初期診断2で異常が検出されなかった場合に、アシスト制御を復帰させている。例えば図3において、初期診断1は初期診断#1及び初期診断#2に対応し、初期診断2は初期診断#3に対応する。アシスト制御を復帰させるときに、再開するアシスト制御を制限するためにアシスト制御制限部を設け、1回又は複数回の初期診断1において検出された異常に応じてアシスト制御を制限するようにしても良い。さらに上記実施形態では、初期診断とは別に車両の走行中に常時異常の診断を行う常時診断も行っているが、アシスト制御復帰後に常時診断の異常検出条件を変更するための異常検出条件変更部を設け、常時診断の異常検出条件を1回又は複数回の初期診断1で検出された異常に応じて変更するようにしても良い。
また、複数回の初期診断によって所定時間が経過しても異常が検出され、異常の復帰が確実に見込めないと判断した場合に初期診断を停止するようにしても良い。アシスト制御及びアシスト制御停止をモータリレー105A及び105BのON/OFFで行っているが、電磁的なリレーに限られるものではなく、FET等のスイッチング素子を用いても良い。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明に係る電動パワーステアリング装置のコントロールユニットの構成例を示すブロック図である。 本発明に係る電動パワーステアリング装置の初期診断の動作例を示すフローチャートである。 本発明に係る電動パワーステアリング装置が、イグニションキーをONにしてから初期診断を行う際の車両の各部状態を示すタイムチャートである。 初期診断において、複数の異常診断項目の異常診断を行う様子を示すタイムチャートである。 一般的な電動パワーステアリング装置の構成例を示す図である。 従来の電動パワーステアリング装置のコントロールユニットの構成例を示すブロック図である。
符号の説明
10 トルクセンサ
11 イグニションキー
12 車速センサ
13 バッテリ
14 電源リレー
20 モータ
100 コントロールユニット
102 モータ制御回路
103 モータ相電流検出回路
104 モータ全電流検出回路
105A,105B モータリレー
110 CPU
111 初期診断部
112 初期診断制御部
113 アシスト制御停止部
114 アシスト制御実行部
115 常時診断部

Claims (10)

  1. 車両の操舵系にモータのアシストトルクを付与してアシスト制御を行うようになっている電動パワーステアリング装置において、異常有無を検出する初期診断で異常が検出されたときに前記アシスト制御を停止すると共に、前記初期診断を繰り返して行い、前記異常が検出されなくなったときに前記アシスト制御を復帰させる機能を具備したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記初期診断の繰り返しを所定時間間隔で行う請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記初期診断の繰り返しを任意の時間間隔で行う請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値を演算し、前記電流指令値に基づいてステアリング機構のアシスト制御を行う電動パワーステアリング装置において、前記電動パワーステアリング装置の異常有無を検出する初期診断を行う初期診断部と、前記初期診断部が異常を検出したときに前記アシスト制御を停止するアシスト制御停止部と、前記初期診断部が異常を検出したときに任意の時間の経過後に再度前記初期診断を行うように制御する初期診断制御部と、前記初期診断部が異常を検出しなくなったときに前記アシスト制御を復帰させるアシスト制御実行部とを具備したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 前記初期診断部は複数個の異常診断項目を有し、前記全ての異常診断項目を診断する前に異常を検出した場合でも前記全ての異常診断項目を診断し、全ての項目の異常の有無を確定し記憶する機能を有している請求項4に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記初期診断部は、前回の初期診断において異常が検出された異常診断項目のみの診断を行う請求項5に記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記初期診断部は、前回の初期診断において異常が検出された異常診断項目の異常検出条件を変更する請求項5又は6に記載の電動パワーステアリング装置。
  8. 1回又は複数回の初期診断1後に行った初期診断2において異常が検出されなくなった場合に、前記初期診断1において検出された異常に応じて前記アシスト制御に制限を設定するアシスト制御制限部を具備した請求項5乃至7のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  9. 1回又は複数回の初期診断1後に行った初期診断2において異常が検出されなくなった場合に、車両走行中に常時行う常時診断の異常検出条件を変更する異常検出条件変更部を具備した請求項5乃至8のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  10. 前記初期診断制御部は、所定時間における複数回の前記初期診断により異常の復帰が見込めない場合に、以後の前記初期診断を停止する請求項4乃至9のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。

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