JP2009198981A - 電気光学装置の駆動回路、電気光学装置の駆動方法、電気光学装置および電子機器 - Google Patents

電気光学装置の駆動回路、電気光学装置の駆動方法、電気光学装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 特別な回路を設けることなく、より高精細な多階調表示を実現すること。
【解決手段】 アリティブマトリクス型液晶表示装置において、画素回路内に設けられるスイッチ素子SW1またはデータ線ドライバ200の出力部に設けられるサンプル・ホールド回路(スイッチ素子SW2)をCMOSトランスミッションゲートで構成する。CMOSトランスミッションゲートの寄生容量に起因して生じるフィードスルー電圧が、常に画像信号の絶対値を増大させる方向に生じるように、画像信号の極性に応じて、トランスミッションゲートを構成するPMOSトランジスタMP1またはNMOSトランジスタMN1のいずれか一方を駆動する。フィードスルー電圧の電圧値を、電圧−透過率特性の不感領域の電圧に一致するように調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気光学装置の駆動回路、電気光学装置の駆動方法、電気光学装置(例えば、液晶表示装置)および電子機器等に関する。
液晶表示装置等における画素電圧の変動要因として、フィードスルーの発生が知られている(特許文献1参照)。フィードスルーは、画素のスイッチングトランジスタ(例えば、NMOSトランジスタ)がオン状態からオフ状態に遷移する際に、走査線の電圧の変化が、ゲート・ドレイン間の寄生容量を経由して画素電極に伝わることによって生じる。
また、特許文献2には、画素に設けられるスイッチング素子として、CMOS構成のトランスミッションゲート(CMOSトランスミッションゲート)を用いた技術が開示されている。特許文献2の技術では、PMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタを同時に駆動することで、電圧振幅を低く抑え、消費電力を低減している。
また、特許文献3には、液晶の非直線性についての記載がある。液晶に電圧が印加されると、液晶の透過率が変化するが、液晶には、所定の電圧以上を印加しないと透過率が0を超えないという性質がある。印加電圧を増大させても液晶の透過率が変化しない領域を不感領域という。従来は、不感領域を含めた電圧領域で液晶表示装置を駆動している。
特開平5−224235号公報 特開平7−168155号公報 特開平8−272338号公報
図8(A)および図8(B)は、液晶表示装置の不感領域ならびに従来技術の課題について説明するための図である。図8(A)は、ノーマリブラックモードの液晶のV−T(電圧−透過率)特性を示している。液晶表示装置においては、電源投入時から所定の電圧VMに達するまで透過率が0から変化しないため、この電圧領域を不感領域といい、透過率が0を超えてから100%に達するまでの電圧Vonに達するまでの電圧領域を有効領域という。
図8(B)を用いて、階調表示と印加電圧の関係について説明する。印加電圧が0VからVMに達するまでの不感領域においては、透過率が0であるから無効電圧となり、画素表示はブラックのまま変化しない。電圧VMからVonまでの有効領域においては、所定の電圧幅でそれぞれの画素において階調表示を行い、例えば、256階調であれば、電圧VMからVonの間の電圧を256分割し、図に示すように、それぞれV1,V2,・・・,V256の階調で表示する。
このように、従来は、データ線に印加される画像信号において、無効な電圧部分が存在し、階調を刻むための有効領域が小さくなり、実質的にダイナミックレンジが制限されていた。
本発明はこのような考察に基づいてなされたものである。本発明の幾つかの実施形態によれば、画素に設けられるスイッチング素子としてCMOSトランスミッションゲートを用い、画素回路の駆動に際して、寄生容量の影響によって必然的に生じるフィードスルー電圧を積極的に有効利用することにより、特別な回路を設けることなく、より高精細な多階調表示を実現することができる。
(1)本発明の電気光学装置の駆動回路の一態様では、複数の画素を有する電気光学装置の駆動回路であって、データ線と前記複数の画素の各々における画素電極との間に設けられる第1のスイッチ回路と、前記画素の各々に供給するための画像信号を伝達するビデオ信号線と前記データ線との間に設けられる第2のスイッチ回路と、を有し、前記第1のスイッチ回路および前記第2のスイッチ回路の少なくとも一方は、CMOS構成のトランスミッションゲートで構成され、前記第1のスイッチ回路および第2のスイッチ回路のいずれかにおいて、前記画像信号の所定電位を基準とした極性に応じて、前記CMOS構成のトランスミッションゲートを構成するPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタのいずれか一方を駆動する。
アクティブマトリクス型電気光学装置において、各画素にCMOS構成のトランスミッションゲートを設けて、データ線を介して各画素に供給される、交流の画像信号の極性に応じて(例えば、Vcomを中心として正極性であるか負極性であるかに応じて)、画素電極(液晶の電極)に印加される電圧の絶対値が増大するように、トランスミッションゲートの片側のトランジスタのみをオンさせることで、高精細な画像表示を行うことが可能となる。
(2)本発明の電気光学装置の駆動回路の他の態様では、前記PMOSトランジスタまたは前記NMOSトランジスタの駆動に伴うフィードスルー電圧が前記画像信号に重畳された場合に、前記画像信号の絶対値が増大するように、前記PMOSトランジスタおよび前記NMOSトランジスタのいずれか一方を駆動する。
データ線駆動回路の出力段に設けられるサンプル・ホールド回路にトランスミッションゲートを設けて、同様に、画像信号の極性に対応させて、トランスミッションゲートの片側のトランジスタのみをオンさせることでも、高精細な画像表示を行うことが可能となる。
(3)本発明の電気光学装置の駆動回路の他の態様では、前記電気光学装置は液晶表示装置であり、前記フィードスルー電圧は、液晶の電圧−透過率特性における不感領域の電圧に対応する。
フィードスルー電圧量と液晶V−T特性の不感領域電圧を一致させることにより、不感領域の電圧を自動的に発生させることができ、データ線駆動回路の内部において、D/A変換器を用いて多階調の画像信号(データ線に供給するデータ線信号)を生成する際に、D/A変換器は、不感領域の電圧を考慮する必要がない。つまり、D/A変換器は、利用できる最大の電圧幅を全部、階調を刻むために使用することができるため、実質的に、画像信号のダイナミックレンジが拡大し、より高精細な画像表示が実現される電気光学装置の駆動回路を精度高くかつ安価に構成することが可能となる。
(4)本発明の電気光学装置の駆動回路の他の態様では、前記複数の画素の各々は、前記CMOS構成のトランスミッションゲートで構成される前記第1のスイッチと、前記第1のスイッチの一端に接続される少なくとも一つの容量と、を含み、前記第1のスイッチを構成するPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの各々の前記ゲート・ドレイン間の寄生容量に起因して生じるフィードスルー電圧が、前記不感領域の電圧に対応するように、前記PMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの各々のゲート・ドレイン間の寄生容量の容量値および前記第1のスイッチの一端に接続される少なくとも一つの容量の容量値の少なくとも一つが調整されている。
フィードスルー電圧は、例えば、液晶容量と、保持容量と、トランスミッションゲートを構成するトランジスタのゲート・ドレイン間容量との比と、トランスミッションゲートを駆動する走査線の駆動振幅(走査線に印加される電圧の電圧振幅)によって定まる。上記の各パラメータのうちの少なくとも一つを調整し、適切な値に設定することによって、フィードスルー電圧を、不感領域の電圧に一致させることができる。不感領域の電圧が液晶の種類によって変動したとしても、その変動は、上記の各パラメータの値の調整によって吸収される。よって、データ線駆動回路に含まれるD/A変換器の負担は、何ら生じない。
(5)本発明の電気光学装置の駆動回路の他の態様では、前記第2のスイッチ回路は前記CMOS構成のトランスミッションゲートで構成され、前記第2のスイッチを構成するPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの各々のゲート・ドレイン間の寄生容量に起因して生じるフィードスルー電圧が、前記不感領域の電圧に対応するように、前記PMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの各々のゲート・ドレイン間の寄生容量の容量値および前記第2のスイッチの一端に接続される少なくとも一つの容量の容量値の少なくとも一つが調整されている。
フィードスルー電圧は、例えば、データ線容量と、トランスミッションゲートを構成するトランジスタ(サンプルホールドトランジスタ)のゲート・ドレイン間容量との比と、サンプルホールドトランジスタの制御電圧の振幅(サンプルホールドトランジスタのゲートに印加される電圧の振幅)とによって定まる。上記の各パラメータのうちの少なくとも一方を調整し、適切な値に設定することによって、フィードスルー電圧を、不感領域の電圧に一致させることができる。
(6)本発明の電気光学装置の駆動回路の他の態様では、前記第1のスイッチ回路は、少なくとも一本の走査線によって駆動されるトランスファースイッチであり、前記第2のスイッチ回路は、前記ビデオ信号線の画像信号をサンプリングしてホールドするサンプル・ホールド回路である。
サンプル・ホールド回路を利用して液晶の不感領域の電圧を自動的に発生させることができるため、特別な回路を設ける必要がなく、液晶表示装置等の小型化が実現される。
(7)本発明の電気光学装置の駆動方法の一態様では、複数の画素を有すると共に、データ線と前記複数の画素の各々における画素電極との間に設けられる第1のスイッチ回路と、前記画素の各々に供給するための画像信号を伝達するビデオ信号線と前記データ線との間に設けられる第2のスイッチ回路と、を有し、かつ、前記第1のスイッチ回路および前記第2のスイッチ回路の少なくとも一方は、CMOS構成のトランスミッションゲートで構成される電気光学装置の駆動方法であって、前記第1のスイッチ回路および第2のスイッチ回路のいずれかにおいて、前記画像信号の所定電位を基準とした極性に応じて、前記CMOS構成のトランスミッションゲートを構成するPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタのいずれか一方を駆動する。
各画素にCMOS構成のトランスミッションゲートを設けて、データ線を介して各画素に供給される、交流の画像信号の極性に応じて(例えば、Vcomを中心として正極性であるか負極性であるかに応じて)、画素電極(液晶の電極)に印加される電圧の絶対値が増大するように、トランスミッションゲートの片側のトランジスタのみをオンさせることで、高精細な画像表示を行うことが可能となる。
(8)本発明の電気光学装置の駆動方法の他の態様では、前記PMOSトランジスタまたは前記NMOSトランジスタの駆動に伴うフィードスルー電圧が前記画像信号に重畳された場合に、前記画像信号の絶対値が増大するように、前記PMOSトランジスタおよび前記NMOSトランジスタのいずれか一方を駆動する。
データ線駆動回路の出力段に設けられるサンプル・ホールド回路において、同様に、画像信号の極性に対応させて、トランスミッションゲートの片側のトランジスタのみをオンさせることでも、高精細な画像表示を行うことが可能となる。
(9)本発明の電気光学装置の駆動方法の他の態様では、前記電気光学装置は液晶表示装置であり、前記フィードスルー電圧は、液晶の電圧−透過率特性における不感領域の電圧に対応する。
フィードスルー電圧量と液晶V−T特性の不感領域電圧を一致させることにより、不感領域の電圧を自動的に発生させることができ、データ線駆動回路の内部において、D/A変換器を用いて多階調の画像信号(データ線に供給するデータ線信号)を生成する際に、D/A変換器は、不感領域の電圧を考慮する必要がない。つまり、D/A変換器は、利用できる最大の電圧幅を全部、階調を刻むために使用することができるため、実質的に、画像信号のダイナミックレンジが拡大し、より高精細な画像表示が実現される電気光学装置の駆動回路を精度高くかつ安価に構成することが可能となる。
(10)本発明の電気光学装置は、上記の電気光学装置の駆動回路を有する。
本発明の電気光学装置の駆動回路を用いると、特別な回路を付加することなく、より高精細な多階調表示を実現することができる。よって、小型、低消費電力であり、かつ高精細な多階調表示が可能な電気光学装置を実現することができる。
(11)本発明の電子機器は、本発明の電気光学装置を搭載する。
本発明の電子機器は、小型、低消費電力であり、かつ高精細な多階調表示が可能という優れた特性をもつ。よって、電子機器の性能が向上する。本発明の電気光学装置は、例えば、携帯電話、低消費電力のノート型パーソナルコンピュータ、反射型プロジェクタ等の電子機器に搭載することが可能である。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
(第1の実施形態)
まず、本発明の液晶表示装置の駆動回路の構成について説明する。図1は、第1の実施形態を示す液晶表示装置の要部構成図である。
図1では、画素部はアクティブマトリクス構成であるとともに、走査線ドライバ100と互いに逆相駆動される一対の走査線で接続され、一対の走査線のうち第1の走査線WLには第1の駆動電圧VG、第2の走査線/WLには第2の駆動電圧/VGが供給され、データ線ドライバ200と接続されたデータ線DLには駆動電圧VDが供給される。そして、第1の走査線WL、第2の走査線/WL、データ線DLの交点に、画素回路Gが設けられている。
各画素回路Gには、第1のスイッチSW1としてCMOSトランジスタにより構成されるトランスミッションゲートが設けられている。例えば、第1のスイッチSW1はm本目のデータ線DLmと接続されているとともに、互いに逆相駆動される一対の走査線、例えば、n本目の第1の走査線WLn,n本目の第2の走査線/WLnと接続されている。すなわち、NMOSトランジスタMN1のゲートは第1の走査線WLnと、PMOSトランジスタMP1のゲートは第2の走査線/WLnと、接続されている。また、データ線DLmは、交流の画像信号が入力されるデータ線ドライバ200と接続され、データ線ドライバ200から出力される画像信号の電圧(データ線駆動電圧)VDmが供給される。なお、以下の説明では、VDmを、単に駆動電圧という場合がある。ここで、データ線駆動電圧VDmは、液晶層へ印加する電圧を交流化するために、基準電圧VCOMに対して定期的に極性が変化するものであって、例えば、基準電位VCOMよりも信号レベルが高いときは正極性、低いときは負極性という。
データ線ドライバ200は、交流信号である画素データを受けてデジタルアナログ変換するD/A変換回路202と、アナログ化された画素データを入力とし、サンプル・ホールド制御信号Pshによりオン/オフが制御されるサンプル・ホールド回路を有し、このサンプル・ホールド回路を第2のスイッチSW2として使用する。そして、第2のスイッチSW2からデータ線駆動電圧VDmが、データ線DLmに出力される。
また、第1のスイッチSW1においては、NMOSトランジスタMN1またはPMOSトランジスタMP1のゲート・ドレイン間に寄生容量Cgdが存在する。この寄生容量Cgdに起因して必然的にフィードスルー電圧が生じる。このフィードスルー電圧により、各トランジスタのドレイン電位、すなわち液晶CLへの入力に影響を及ぼすが、本発明においてはこのフィードスルー電圧を積極的に利用する。
図1に示す本発明の液晶表示装置の駆動回路では、図2〜図4に示すように、フィードスルー電圧を有効に利用する。図2にフィードスルー電圧を説明するための図を示す。図2(A)〜図2(C)は、電圧が下降する方向に働くフィードスルー電圧(以下プッシュダウン電圧という場合がある)を説明するための図である。
図2(A)では、画素部のスイッチングトランジスタとして、NMOSトランジスタMN1を単独で使用している。先に述べたように、NMOSトランジスタMN1がオン状態からオフ状態に遷移する瞬間にゲート・ドレイン間の寄生容量Cgdに起因してプッシュダウン電圧が生じる。
図2(B)には、図2(A)における寄生容量Cgd、液晶CL、保持容量Cstの等価回路が示されている。すなわち、並列接続された保持容量Cstおよび液晶CLは、容量Cst+CLであって、この容量は寄生容量Cgdと直列接続されている。そして、寄生容量Cgdの一端には第1の走査線WLnに供給される第1の駆動電圧VGn、容量Cst+CLの一端には共通電位Vcomが供給されている。よって、NMOSトランジスタMN1がオン状態からオフ状態に遷移する際に、容量Cst+CLにはプッシュダウン電圧ΔVpdが生じる。
図2(C)のタイミング図を用いて、プッシュダウン電圧ΔVpdについて詳細に説明する。
図2(C)に示すように、時刻t0において、第1の走査線WLnに第1の駆動電圧VGn、データ線DLmに正極性駆動電圧VDmがそれぞれ印加されることにより、NMOSトランジスタMN1はオンし、第1の走査線WLnに第1の駆動電圧VGnが印加され続ける時刻t1までの間に、NMOSトランジスタMN1のドレイン電位(すなわち、保持容量Cst、液晶CLが共通接続されるノードの電位であり、画素電極に印加される電圧である)VQは、画像信号電圧まで上昇する。そして、時刻t1で第1の走査線WLnに第1の駆動電圧VGnが供給されなくなるとともに、NMOSトランジスタMN1がオン状態からオフ状態に遷移することで、ドレイン電位VQの電位は、プッシュダウン電圧ΔVpd分、瞬時に降下する。
時刻t1〜t2においては、保持されていた正電荷がリークによって微量ずつ抜けていくため、NMOSトランジスタMN1のドレイン電位は緩やかに降下する。
時刻t2に先立ってデータ線DLmに負極性駆動電圧VDmが供給され、時刻t2で第1の走査線WLnに第1の駆動電圧VGnが供給されることで、NMOSトランジスタMN1がオンし、NMOSトランジスタMN1のドレイン電位VQは、画像信号電圧まで下降する。そして、時刻t3で第1の走査線WLnに第1の駆動電圧VGnが供給されなくなるとともに、NMOSトランジスタMN1はオン状態からオフ状態に遷移し、ドレイン電位VQは、プッシュダウン電圧ΔVpd分だけ一気に降下する。
そして、時刻t3以降は、保持されていた負電荷がリークによって微量ずつ抜けていくため、NMOSトランジスタMN1のドレイン電位は緩やかに上昇する。
このように、単独のNMOSトランジスタMN1をスイッチング素子として用いる場合、データ線駆動電圧VDmが負電圧のときに、プッシュダウン電圧によりドレイン電位VQの絶対値は、正電圧のデータ線駆動電圧VDmが供給されているときよりも大きくなる。すなわち、時刻t1におけるドレイン電位VQの絶対値よりも、時刻t3におけるドレイン電位VQの絶対値のほうが大きい。
次に、図3(A)〜図3(C)を用いて、画素部のスイッチング素子として、PMOSトランジスタを単独で使用した場合における、フィードスルー電圧の発生について説明する。図3(A)〜図3(C)は、電圧が上昇する方向に働くフィードスルー電圧(以下プッシュアップ電圧という場合がある)を説明するための図である。簡単のため、図2と同様の構成については説明を省略する。先に述べたように、PMOSトランジスタMP1がオン状態からオフ状態に遷移する瞬間にゲート・ドレイン間の寄生容量Cgdに起因してフィードスルー電圧(プッシュアップ電圧)が生じる。
図3(B)には、図3(A)における寄生容量Cgd、液晶CL、保持容量Cstの等価回路が示されている。そして、寄生容量Cgdの一端には第2の走査線/WLnに供給される第2の駆動電圧/VGn、容量Cst+CLの一端には共通電位Vcomが供給されている。よって、PMOSトランジスタMP1がオン状態からオフ状態に遷移することにより、容量Cst+CLにはプッシュアップ電圧ΔVppが印加される。
図3(C)のタイミング図を用いて、プッシュアップ電圧ΔVppについて詳細に説明する。
図3(C)に示すように、時刻t0において、第2の走査線/WLnに第2の駆動電圧/VGn、データ線DLmに正極性駆動電圧VDmがそれぞれ印加されることにより、PMOSトランジスタMP1はオンし、第2の走査線/WLnに第2の駆動電圧/VGnが印加され続ける時刻t1までの間に、PMOSトランジスタMP1のドレイン電位VQは、画像信号電圧まで上昇する。そして、時刻t1で第2の走査線/WLnに第2の駆動電圧/VGnが供給されなくなるとともに、PMOSトランジスタMP1がオン状態からオフ状態に遷移することで、ドレイン電位VQは、プッシュアップ電圧ΔVpp分、瞬時に上昇する。
時刻t1〜t2においては、保持されていた正電荷がリークによって微量ずつ抜けていくため、PMOSトランジスタMP1のドレイン電位は緩やかに上昇する。
時刻t2に先立ってデータ線DLmに負極性駆動電圧VDmが供給され、時刻t2で第2の走査線/WLnに第2の駆動電圧/VGnが供給されることで、PMOSトランジスタMP1がオンし、PMOSトランジスタMP1のドレイン電位VQは、画像信号電圧まで下降する。そして、時刻t3で第2の走査線/WLnに第2の駆動電圧/VGnが供給されなくなるとともに、PMOSトランジスタMP1がオン状態からオフ状態に遷移することで、ドレイン電位VQは、プッシュアップ電圧ΔVpp分だけ一気に上昇する。
そして、時刻t3以降は、保持されていた負電荷がリークによって微量ずつ抜けていくため、PMOSトランジスタMP1のドレイン電位は緩やかに上昇する。
このように、単独のPMOSトランジスタMP1をスイッチング素子として用いる場合、データ線駆動電圧VDmが正電圧のときに、プッシュアップ電圧によりドレイン電位VQの絶対値は、負電圧のデータ線駆動電圧VDmが供給されているときよりも大きくなる。すなわち、時刻t3におけるドレイン電位VQの絶対値よりも、時刻t1におけるドレイン電位VQの絶対値のほうが大きい。
このように、フィードスルー電圧は、画素のスイッチング素子としてNMOSトランジスタを使用する場合、PMOSトランジスタを使用する場合の双方において、必然的に生じるが、フィードスルー電圧が生じる方向は逆である。そして、CMOSトランスミッションゲートは、NMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタで構成されており、駆動方式を変更すれば、一方のトランジスタのみを単独で駆動することも可能である。本発明では、これらの点に着目する。つまり、本実施形態では、フィードスルー電圧を積極的に利用して無効電圧をなくす(減少させる)ことで、特別な回路を用いることなく、D/A変換器のダイナミックレンジを拡大する。
すなわち、本実施の形態においては、図2、図3で説明した特性を利用して、各フレームにおいて、データ線駆動電圧の極性に応じて、PMOSトランジスタ、NMOSトランジスタのうちの一方を動作させるものであって、負極性のデータ信号書き込み時にはNMOSトランジスタのみを、正極性のデータ信号書き込み時にはPMOSトランジスタのみを選択的に動作させている。よって、各トランジスタにおけるゲート・ドレイン間容量Cgdと保持容量Cstおよび液晶容量CLの容量結合により、負極性駆動ではドレイン電位VQはΔVpdだけプッシュダウン、または正極性駆動ではドレイン電位VQはΔVppだけプッシュアップをすることとなる。
つまり、データ線を介して各画素に供給される、交流の画像信号の極性に応じて(例えば、Vcomを中心として正極性であるか負極性であるかに応じて)、画素電極(液晶の電極)に印加される電圧の絶対値が増大するように、トランスミッションゲートの片側のトランジスタのみをオンさせるものである。以下、図4を用いて説明する。
図4は、図1の液晶表示装置における主要な動作を説明するための波形図である。図4では、フレーム単位で駆動電圧の極性が反転する。図4では、液晶には負、正、負、正の順に駆動電圧が印加される。そして、トランスミッションゲートSW1を構成する2つのトランジスタ(MN1,MP1)は、NMOSトランジスタMN1、PMOSトランジスタMP1、NMOSトランジスタMN1、PMOSトランジスタMP1の順に、液晶の駆動電圧の極性に応じて、各々単独で駆動される。
図4では、例えば、時刻t10〜時刻t20の期間ならびに時刻t50〜時刻t60の期間において、NMOSトランジスタMN1がオン状態となる。また、例えば、時刻t30〜時刻t40の期間ならびに時刻t70〜時刻t80の期間において、PMOSトランジスタMP1がオン状態となる。そして、上述のとおり、NMOSトランジスタMN1がオン状態からオフ状態に移行する際にはプッシュダウン電圧ΔVpdが生じ、PMOSトランジスタMP1がオン状態からオフ状態に移行する際にはプッシュアップ電圧ΔVppが生じる。
したがって、正極性の区間では、正極性の駆動電圧(すなわち、データ線を経由して供給される正極性の画像信号VDm)に、正極性のプッシュアップ電圧ΔVppが加算され、よって、駆動電圧(画像信号)の絶対値が増大する。このとき、プッシュアップ電圧ΔVppの電圧レベルが液晶の不感領域の電圧と一致している(少なくとも近似している)ならば、不感領域に相当する電圧が、駆動電圧に自動的に加算されたことになる。したがって、データ線駆動回路200は、駆動電圧の発生に際して、不感領域の電圧を考慮する必要がなくなる。すなわち、データ線ドライバ200内に設けられるD/A変換器202において、無効な電圧領域がなくなり、ダイナミックレンジが拡大される。
同様に、負極性の駆動電圧(すなわち、データ線を経由して供給される負極性の画像信号VDm)に、負極性のプッシュダウン電圧ΔVpdが加算され、よって、駆動電圧(画像信号)の絶対値が増大する。このとき、プッシュダウン電圧ΔVpdの電圧レベルが液晶の不感領域の電圧と一致している(少なくとも近似している)ならば、不感領域に相当する電圧が、駆動電圧に自動的に加算されたことになる。したがって、データ線駆動回路200は、駆動電圧の発生に際して、不感領域の電圧を考慮する必要がなくなる。すなわち、データ線ドライバ200内に設けられるD/A変換器202において、無効な電圧領域がなくなり、ダイナミックレンジが拡大される。
次に、ΔVpd、ΔVppを、液晶の不感領域に対応する電圧に調整する方法について説明する。
フィードスルー電圧は、例えば、液晶容量と、保持容量と、トランスミッションゲートを構成するトランジスタのゲート・ドレイン間容量との比と、トランスミッションゲートを駆動する走査線の駆動振幅(走査線に印加される電圧の電圧振幅)によって定まる。上記の各パラメータのうちの少なくとも一つを調整し、適切な値に設定することによって、フィードスルー電圧を、不感領域の電圧に一致させることができる。
すなわち、ΔVpdは、下記の式(1)で表される。また、ΔVppは、下記の式(2)で表される。
ΔVpd=Cgd×VG/(Cst+CL+Cgd)・・・(1)
ΔVpp=Cgd×(/VG)/(Cst+CL+Cgd)・・・(2)
ここで、Cgdは寄生容量、VGは第1の走査線駆動電圧、/VGは第2の走査線駆動電圧、CStは保持容量、CLは液晶容量である。
ΔVpd、ΔVppが、液晶のV−T特性における不感領域電圧となるようにゲート・ドレイン間容量Cgdと保持容量Cstおよび液晶容量CLの容量比を適切な値に調整することにより、データ線駆動回路200においては、V−T特性の有効領域のみを制御すればよくなり、ダイナミックレンジを大きくすることができ、安定した多階調表示が可能となる。
また、不感領域の電圧が液晶の種類によって変動したとしても、その変動は、上記の各パラメータの値の調整によって吸収される。よって、データ線駆動回路200に含まれるD/A変換器202の負担は、何ら生じない。
図5は、図1の液晶表示装置における効果を説明するための図である。図5に(A)においては、データ線ドライバに着目し、画像データの入力とデータ線への信号送出について説明する。
D/A変換器202は、階調電圧V1〜V256の中から、画像データに対応した階調電圧を選択してアナログ信号に変換して出力し、サンプル・ホールド信号Pshによりオン/オフが制御されるサンプル・ホールド回路、すなわち第2のスイッチSW2に伝達して、第2のスイッチSW2がオンされたときに画像信号VDmとしてデータ線DLに供給する。
ここで、図5(B)を用いて従来の駆動回路、図5(C)に図1の駆動回路を使用した場合の階調電圧について説明する。図5(B)においては、図8において説明したように、無効電圧が存在するため、各階調電圧における電圧幅が狭い。しかし、図5(C)に示す図1の駆動回路においては、無効電圧が存在せず、0V〜Vonがすべて有効電圧となるため、同じ階調表示を行っても、各階調電圧における電圧幅が広いので、ダイナミックレンジが拡大し、より高精細な画像表示が可能となる。
このように、実施の形態1の液晶表示装置においては、トランスミッションゲートの片側のトランジスタをオン状態からオフ状態に遷移させたときに生じるフィードスルー電圧(プッシュアップ電圧およびプッシュダウン電圧)を、液晶の不感領域幅に対応する電圧(不感領域の電圧)に一致させる。これによって、不感領域の電圧を自動的に発生させることができる。データ線駆動回路の内部において、D/A変換器を用いて多階調の画像信号(データ線に供給するデータ線信号)を生成する際に、D/A変換器は、不感領域の電圧を考慮する必要がない。つまり、D/A変換器は、利用できる最大の電圧幅を全部、階調を刻むために使用することができるため、実質的に、画像信号のダイナミックレンジが拡大し、より高精細な画像表示が実現される。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、画素に設けられるトランスミッションゲートを構成するトランジスタのフィードスルー電圧を積極的に利用したが、本実施形態では、液晶表示装置におけるサンプル・ホールド回路のトランスミッションゲート(図1の第2のスイッチSW2)を構成するトランジスタのフィードスルー電圧を利用する。
図6は、第2の実施形態における液晶表示装置の要部の構成を示す図である。図6において、図1と同様の回路については詳細な説明を省略する。
図6においては、サンプル・ホールド回路として機能しているトランスミッションゲートの寄生容量を利用して、フィードスルー電圧を調整する。データ線ドライバ200においては、D/A変換回路202の出力側にビデオ線Leが接続され、第1のサンプル・ホールド制御線Lf、第2のサンプル・ホールド制御線/Lfとそれぞれ接続されるサンプル・ホールド回路、すなわち、本発明における第2のスイッチSW2を有する。ここで、第1のサンプル・ホールド制御線Lfには第1のサンプル・ホールド制御信号Psh、第2のサンプル・ホールド制御線/Lfには第2のサンプル・ホールド制御信号/Pshが供給される。
第2のスイッチSW2は、ソース・ドレインが共通接続されたNMOSトランジスタMN2およびPMOSトランジスタPM2により構成され、各トランジスタの共通ソースはビデオ線Leと接続され、NMOSトランジスタMN2のゲートは第1のサンプル・ホールド制御線Lf、PMOSトランジスタMP2のゲートは第2のサンプル・ホールド制御線/Lf、各トランジスタの共通ドレインはデータ線DLmと接続される。また、NMOSトランジスタMN2ないしPMOSトランジスタMP2には、ゲート・ドレイン間には寄生容量Cgdが存在し、これに起因して、フィードスルー電圧が発生する。
第2の実施形態においては、サンプル・ホールド回路として機能しているトランスミッションゲートの寄生容量Cgdを利用して、フィードスルー電圧を調整する。
ここで、データ線の寄生容量Csとトランスミッションゲートのゲート・ドレイン間容量Cgdの容量比に応じて、下記の式(3)、式(4)で表されるプッシュダウン電圧ΔVpdならびにプッシュアップ電圧ΔVppが生じる。
ΔVpd=Cgd×Vsh/(Cs+Cgd)・・・(3)
ΔVpp=Cdg×(/Vsh)/(Cs+Cgd)・・・(4)
そして、第1の実施形態と同様に、ΔVpdならびにΔVppが、液晶のV−T特性の不感領域電圧に一致するように(少なくともその近傍の電圧となるように)、容量比を調整する。なお、Vshは第1のサンプル・ホールド制御信号Pshまたは第2のサンプル・ホールド制御信号/Pshに印加する電圧信号の振幅である。
本実施形態においても、図2、図3で説明した特性を利用して、各フレームにおいて、画像データの極性に応じて、第2のスイッチ2におけるPMOSトランジスタ、NMOSトランジスタのうちの一方を動作させる。負極性のデータ信号書き込み時にはNMOSトランジスタMN2のみを、正極性のデータ信号書き込み時にはPMOSトランジスタMP2のみを選択的に動作させる。よって、各トランジスタにおけるゲート・ドレイン間容量Cgdとデータ線の寄生容量Csの容量結合により、負極性駆動ではドレイン電位VQはΔpdだけプッシュダウン、または正極性駆動ではドレイン電位VQはΔVppだけプッシュアップすることとなる。
つまり、画像信号の極性に応じて(例えば、Vcomを中心として正極性であるか負極性であるかに応じて)、画素電極(液晶の電極)に印加される電圧の絶対値が増大するように、トランスミッションゲートの片側のトランジスタのみをオンさせるものである。
このように、第2の実施の形態の液晶表示装置においては、サンプル・ホールド回路として存在するトランスミッションゲートを第2のスイッチとして用い、第2のスイッチにおける片側のトランジスタをオン状態からオフ状態に遷移させたときに生じるフィードスルー電圧(プッシュアップ電圧およびプッシュダウン電圧)を、液晶の不感領域幅に対応する電圧(不感領域の電圧)に一致させる。これによって、不感領域の電圧を自動的に発生させることができる。よって、D/A変換器を用いて多階調の画像信号(データ線に供給するデータ線信号)を生成する際に、D/A変換器は、不感領域の電圧を考慮する必要がない。つまり、D/A変換器は、利用できる最大の電圧幅を全部、階調を刻むために使用することができるため、実質的に、画像信号のダイナミックレンジが拡大し、より高精細な画像表示が実現される。
上述した第1の実施形態では、ΔVpd,ΔVppが液晶のV−T特性の不感領域電圧となるように画素トランジスタのゲート・ドレイン間容量Cgdと保持容量Cstおよび液晶容量CLの容量比を調整すると、開口率などに影響を与える場合がないとはいえないが、本実施形態の場合、そのような心配がなく、この点で有利である。
(第3の実施形態)
第3の実施の形態は、第2の実施形態の変形例である。図7に第3の実施形態の液晶表示装置の要部構成図を示す。
すなわち、図6の液晶表示回路と異なる部分は、第1のスイッチSW1として、CMOS構成のトランスミッションゲートを用いる点である。図1の画素部と異なる部分は、NMOSトランジスタMN1とPMOSトランジスタMP1を同時駆動させることである。そのため、NMOSトランジスタMN1のオン/オフを制御するゲート電圧が供給される走査線WLnと入力が接続されるとともに、出力がPMOSトランジスタMP1のゲートと接続されるインバータINVが設けられている。このインバータINVは電源電圧VDDおよび接地電圧VSSと接続されている。
そして、NMOSトランジスタMN1およびPMOSトランジスタMP1のドレインが共通接続され、保持容量Cstおよび液晶CLと共通接続されている。
本実施形態においても、第2のスイッチSW2を構成するPMOSトランジスタMP2ならびにNMOSトランジスタMN2は、画像信号VDmの電圧極性に応じて(例えば、Vcomを中心として正極性であるか負極性であるかに応じて)、画素電極(液晶の電極)に印加される電圧の絶対値が増大するように、いずれかが選択的にオンするように駆動される。一方、第1のスイッチSW1を構成するNMOSトランジスタMN1とPMOSトランジスタMP1は同時に駆動されるため、各トランジスタがオン状態からオフ状態に遷移する瞬間に生じる各フィードスルー電圧は相殺され、問題とならない。
(第4の実施形態)
本実施形態では、本発明の電気光学装置を用いた電子機器について説明する。本実施形態では、携帯電話を例に挙げて説明する。
図9は、携帯電話の全体構成を示す斜視図である。携帯電話端末1300は、筐体1306、複数の操作ボタンが設けられた操作部1302、画像や動画、文字などを表示する表示部を主体として構成されている。表示部には、上記第1〜3の実施形態に係る電気光学装置1310が搭載される。
上述のとおり、本発明の実施形態の液晶装置は、構成を簡素化できるという利点をもつ。よって、本発明の実施形態にかかる電気光学装置を搭載する携帯端末1300も、小型かつローコストという利点を享受することができる。
本発明の電気光学装置では、基板として高温ポリシリコン、低温ポリシリコン、アモルファスシリコン、単結晶シリコンのいずれを用いてもよい。
なお、本実施形態について詳述したが、本発明の新規事項および効果から逸脱しない範囲で、多くの変形が可能であることは、当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、すべて本発明に含まれるものとする。
以上説明したように、本発明の各実施形態によれば、例えば、以下の主要な効果を得ることができる。但し、本発明の液晶装置が、以下に記載のすべての効果を同時に生じさせる必要はなく、下記の効果の列挙が、本発明の不当な限定の根拠とされることはない。
(1)アクティブマトリクス型電気光学装置において、各画素にCMOS構成のトランスミッションゲートを設けて、データ線を介して各画素に供給される、画像信号の極性に応じて(例えば、Vcomを中心として正極性であるか負極性であるかに応じて)、「画素電極(液晶の電極)に印加される電圧の絶対値が増大するように」、トランスミッションゲートの片側のトランジスタのみをオンさせる。具体的には、負極性のときは、NMOSトランジスタをオンさせ、正極性のときは、PMOSトランジスタをオンさせることで、自動的に発生するフィードスルー電圧を有効に利用することができ、液晶V−T特性における無効電圧領域をなくし、有効電圧領域のみで駆動することができるから、高精細に画像表示を行うことができる。
(2)データ線駆動回路の出力段に設けられるサンプル・ホールド回路にトランスミッションゲートを設けて、同様に、画像信号の極性に対応させて、トランスミッションゲートの片側のトランジスタのみをオンさせることで、データ線駆動回路側の既存の回路を利用して、フィードスルー電圧を利用して、有効電圧領域のみで駆動することができるから、高精細に画像表示を行うことができる。
(3)トランスミッションゲートの片側のトランジスタをオン状態からオフ状態に遷移させたときに生じるフィードスルー電圧(プッシュアップ電圧およびプッシュダウン電圧)を、液晶の不感領域幅に対応する電圧(不感領域の電圧)に一致させる。これによって、不感領域の電圧を自動的に発生させることができる。データ線駆動回路の内部において、D/A変換器を用いて多階調の画像信号(データ線に供給するデータ線信号)を生成する際に、D/A変換器は、不感領域の電圧を考慮する必要がない。つまり、D/A変換器は、利用できる最大の電圧幅を全部、階調を刻むために使用することができるため、実質的に、画像信号のダイナミックレンジが拡大し、より高精細な画像表示が実現される。
(4)画素部のトランスミッションゲートを利用する場合には、フィードスルー電圧は、液晶容量と、保持容量と、トランスミッションゲートを構成するトランジスタのゲート・ドレイン間容量との比と、トランスミッションゲートを駆動する走査線の駆動振幅(走査線に印加される電圧の電圧振幅)によって定まる。上記の各パラメータのうちの少なくとも一つを調整し、適切な値に設定することによって、フィードスルー電圧を、不感領域の電圧に一致させることができる。不感領域の電圧が液晶の種類によって変動したとしても、その変動は、上記の各パラメータの値の調整によって吸収される。よって、データ線駆動回路に含まれるD/A変換器の負担は、何ら生じない。
(5)サンプル・ホールド回路のトランスミッションゲートを利用する場合、フィードスルー電圧は、データ線容量と、トランスミッションゲートを構成するトランジスタ(サンプルホールドトランジスタ)のゲート・ドレイン間容量との比と、サンプルホールドトランジスタの制御電圧の振幅(サンプルホールドトランジスタのゲートに印加される電圧の振幅)と、によって定まる。上記の各パラメータのうちの少なくとも一つを調整し、適切な値に設定することによって、フィードスルー電圧を、不感領域の電圧に一致させることができる。
本発明は、電気光学装置の駆動回路、電気光学装置の駆動方法、電気光学装置(例えば、液晶表示装置)および各種の電子機器等に用いて有用である。
第1の実施形態にかかる液晶表示装置の要部の構成を示す図 図2(A)〜図2(C)はフィードスルー電圧(プッシュダウン電圧)を説明するための図 図3(A)〜図3(C)はフィードスルー電圧(プッシュアップ電圧)を説明するための図 図1の液晶表示装置における主要な動作を説明するための波形図 図5(A)〜図5(C)は、図1の液晶表示装置における効果を説明するための図 第2の実施形態における、液晶表示装置の要部の構成を示す図 第3の実施形態における、液晶表示装置の要部の構成を示す図 図8(A),図8(B)は、液晶の電圧−透過率特性における不感領域について説明するための図 本発明の電気光学装置を搭載した電子機器の例を示す図
符号の説明
100 走査線ドライバ(走査線駆動回路)、
200 データ線ドライバ(データ線駆動回路)、202 D/A変換回路、
MN1,MN2 NMOSトランジスタ、PM1,PM2 PMOSトランジスタ、
Cgd ゲート・ドレイン間容量、SW1 第1のスイッチ、Cst 保持容量、
CL 液晶、WLn 走査線、DLm データ線、Gnm 画素、
SW2 第2のスイッチ、Cs データ線寄生容量(データ線容量)、
Lf 第1のサンプル・ホールド制御線、/Lf 第2のサンプル・ホールド制御線、
Le ビデオ線、INV インバータ、1300 携帯電話端末、1302 操作部、
1304 イヤホン、1306 筐体、1310 電気光学装置

Claims (11)

  1. 複数の画素を有する電気光学装置の駆動回路であって、
    データ線と前記複数の画素の各々における画素電極との間に設けられる第1のスイッチ回路と、
    前記画素の各々に供給するための画像信号を伝達するビデオ信号線と前記データ線との間に設けられる第2のスイッチ回路と、を有し、
    前記第1のスイッチ回路および前記第2のスイッチ回路の少なくとも一方は、CMOS構成のトランスミッションゲートで構成され、
    前記第1のスイッチ回路および第2のスイッチ回路のいずれかにおいて、前記画像信号の所定電位を基準とした極性に応じて、前記CMOS構成のトランスミッションゲートを構成するPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタのいずれか一方を駆動することを特徴とする電気光学装置の駆動回路。
  2. 請求項1記載の電気光学装置の駆動回路であって、
    前記PMOSトランジスタまたは前記NMOSトランジスタの駆動に伴うフィードスルー電圧が前記画像信号に重畳された場合に、前記画像信号の絶対値が増大するように、前記PMOSトランジスタおよび前記NMOSトランジスタのいずれか一方を駆動することを特徴とする電気光学装置の駆動回路。
  3. 請求項2記載の駆動回路であって、
    前記電気光学装置は液晶表示装置であり、
    前記フィードスルー電圧は、液晶の電圧−透過率特性における不感領域の電圧に対応することを特徴とする電気光学装置の駆動回路。
  4. 請求項3記載の電気光学装置の駆動回路であって、
    前記複数の画素の各々は、前記CMOS構成のトランスミッションゲートで構成される前記第1のスイッチと、前記第1のスイッチの一端に接続される少なくとも一つの容量と、を含み、
    前記第1のスイッチを構成するPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの各々の前記ゲート・ドレイン間の寄生容量に起因して生じるフィードスルー電圧が、前記不感領域の電圧に対応するように、前記PMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの各々のゲート・ドレイン間の寄生容量の容量値および前記第1のスイッチの一端に接続される少なくとも一つの容量の容量値の少なくとも一つが調整されていることを特徴とする電気光学装置の駆動回路。
  5. 請求項3記載の電気光学装置の駆動回路であって、
    前記第2のスイッチ回路は前記CMOS構成のトランスミッションゲートで構成され、
    前記第2のスイッチを構成するPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの各々のゲート・ドレイン間の寄生容量に起因して生じるフィードスルー電圧が、前記不感領域の電圧に対応するように、前記PMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの各々のゲート・ドレイン間の寄生容量の容量値および前記第2のスイッチの一端に接続される少なくとも一つの容量の容量値の少なくとも一つが調整されていることを特徴とする電気光学装置の駆動回路。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電気光学装置の駆動回路であって、
    前記第1のスイッチ回路は、少なくとも一本の走査線によって駆動されるトランスファースイッチであり、
    前記第2のスイッチ回路は、前記ビデオ信号線の画像信号をサンプリングしてホールドするサンプル・ホールド回路であることを特徴とする電気光学装置の駆動回路。
  7. 複数の画素を有すると共に、データ線と前記複数の画素の各々における画素電極との間に設けられる第1のスイッチ回路と、前記画素の各々に供給するための画像信号を伝達するビデオ信号線と前記データ線との間に設けられる第2のスイッチ回路と、を有し、かつ、前記第1のスイッチ回路および前記第2のスイッチ回路の少なくとも一方は、CMOS構成のトランスミッションゲートで構成される電気光学装置の駆動方法であって、
    前記第1のスイッチ回路および第2のスイッチ回路のいずれかにおいて、前記画像信号の所定電位を基準とした極性に応じて、前記CMOS構成のトランスミッションゲートを構成するPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタのいずれか一方を駆動することを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  8. 請求項7記載の電気光学装置の駆動方法であって、
    前記PMOSトランジスタまたは前記NMOSトランジスタの駆動に伴うフィードスルー電圧が前記画像信号に重畳された場合に、前記画像信号の絶対値が増大するように、前記PMOSトランジスタおよび前記NMOSトランジスタのいずれか一方を駆動することを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  9. 請求項8記載の電気光学装置の駆動方法であって、
    前記フィードスルー電圧は、液晶の電圧−透過率特性における不感領域の電圧に対応することを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  10. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の電気光学装置の駆動回路を有することを特徴とする電気光学装置。
  11. 請求項10記載の電気光学装置を搭載することを特徴とする電子機器。
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