JP2009191274A - 発泡スチロール樹脂のリサイクル方法 - Google Patents

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正彦 関
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Abstract

【課題】 従来の熱溶融法の異物除去の困難性及び押出成形工程の加熱による分子量の低下、さらに、溶剤溶解法における減容工程での放出ガスに同伴する気化した溶剤の放出とそれに伴うロスを最小限にした発泡スチロール樹脂のリサイクルを行うことができる。
【解決手段】 発泡スチロール樹脂を、外部からの加熱を伴わずに押出機により見掛け密度0.2〜0.7g/cmに圧縮して部分溶融する圧縮減容工程11と、減容された発泡スチロール樹脂を溶剤に投入し攪拌して溶解する溶解工程13と、発泡スチロール樹脂が溶解している溶液を200℃以下の温度に加熱して前記溶液から溶剤を蒸発除去し、スチロール樹脂を押出成形して押出成形品を製造するとともに、蒸発除去した溶剤蒸気を冷却凝縮させて溶剤を回収する溶剤回収・押出成形工程16とを含んでなる発泡スチロール樹脂のリサイクル方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発泡スチロール樹脂のリサイクル方法に関する。より具体的には、本発明は、発泡スチロール樹脂成型品の廃材から高品質な発泡スチロール用再生樹脂をリサイクルする方法に関する。
発泡スチロール樹脂は、家電製品等の各種の梱包材料として多量に使われるほか、建材等にも使用されている。このような発泡スチロール樹脂の端切れや使用済みの成型品の再生利用は、環境保全や経済性の点から大きな課題となっている。一般に発泡スチロールのリサイクルにおける問題点としては、以下の2点が挙げられる。一つ目は、発泡スチロールは嵩高いため、そのまま輸送すると輸送コストがかかることから、輸送に先立って発泡スチロール樹脂を減容することが求められている点である。二つ目は、発泡スチロール樹脂の再生過程において混入するゴミや異物による品質低下と主として処理過程における加熱によって生ずる分子量の低下に伴う品質低下が生じる点である。これらの問題点を解決すべく、これまで提案されている発泡スチロール樹脂の再生方法には、大きく分けて熱溶融法と溶剤溶解法の2種類があるが、必ずしも満足出来るものではない。
熱溶融法は、発泡スチロール樹脂の廃材を加熱溶融して、発泡により嵩高になっている廃材を減容(容積を減ら)して、より密度の高い樹脂の塊(インゴット)にし、次いで、この減容樹脂を適当な大きさに粉砕した後に押出機に投入し、加熱しながらペレット状に押出成形するものである。熱溶融による減容の場合、減容後の樹脂の見掛け密度は約1.0g/cmとなる。発泡スチロール樹脂の廃材を必要により粉砕した後に、押出機で加熱溶融による減容からペレット化までを加熱下で一気に行う方法もある。
熱溶融法では、最終工程のペレット状に押出成形する段階でスクリーンを設けて異物を除去することもできるが、半固体状の樹脂を濾過するので、異物除去の性能には限界がある。そのため、原料段階で異物の除去を行う必要があるが、原料となる発泡スチロール樹脂の廃材に混在する異物の除去は人手によらなければならないので、総じて熱溶融法では異物除去が困難である。
また、熱を加える過程、特に押出成形の工程で局部的に高温部が生じ易く、熱分解による分子量の低下や、雰囲気の空気や樹脂内の残存空気等に含まれる酸素による酸化のため、樹脂の分子量の低下が生ずる。分子量が減少すると、引っ張り強度や衝撃強度等が低下するので、再生発泡スチロール樹脂成型品の品質が大きく低下する。
他方、溶剤溶解法は、発泡スチロール樹脂を有機溶剤に溶解することにより減容して、次いでこの溶液を押出機に注入後、加熱攪拌して溶剤を蒸発除去しながら樹脂を溶融状態にしてペレット状の押出成形品を製造するものである。溶剤としては、塩素化炭化水素、リモネン、THF等が使用されている。溶剤溶解法の一例としては、特許文献1や特許文献2に開示されている方法がある。
溶剤溶解法は、樹脂を溶解した液状の状態での濾過が可能であり、異物の除去には適している。また、加熱の程度も押さえることができるので、分子量の低下という再生品の品質劣化は少ない。これは、溶剤の蒸発除去から押出成形までの過程において、樹脂は比較的均一で熱移動性も良く、局部的な加熱部が少ないこと及び酸素が存在しないこと等による。しかし、溶剤を使用するので、発泡スチロール樹脂の再生の全工程において溶剤の取り扱い設備や管理者が必要になる。特に有機溶剤による減容化後、別の工場へ輸送して押出成形する場合は、同時に溶剤も輸送することになるため輸送コストが高くなる。また、発泡スチロール樹脂は、樹脂中に気泡として大量の気体を含んでいるが、溶解時にこの気体が放出され、放出された気体に同伴して気化した溶剤も系外に出ることとなる。従って、発泡スチロール樹脂の減容工程で溶剤を用いると、大量の気体と共に溶剤も系外へ出てしまうため、溶剤のロスも多く、環境保全上も好ましくない。このような気化溶剤の系外への放出は防がなければならないが、そのための溶剤回収装置が必要になる。このため、発泡スチロールの溶解は、現実にはあまり小規模で行うと、設備面及び管理面から実施が困難である。一方、発泡スチロール樹脂は嵩高であり、輸送効率が悪いため、廃材の発生場所で溶解を行うことも考えられるが、この場合、規模が小さくなると同時に、溶剤も同時に輸送しなければならないという問題点があった。
また、特定の再生法を前提にしなくても、輸送や保存のために発泡スチロール樹脂の容積を減らすことが一般的に求められる。使用された梱包材料や、成型品製造時にできる端切れ等の発泡スチロール樹脂の廃材を長距離輸送したのでは、再生のコストが高くなってしまう。
特開平10−330530号公報 特開2000−334738号公報
本発明は、これらの従来技術の有する問題を解消することを目的とする。
本発明は、発泡スチロール樹脂を減容する減容工程と、減容された発泡スチロール樹脂を溶剤に溶解する溶解工程と、溶解された発泡スチロール樹脂を押出成形する押出成形工程と、上記押出成形品を用いて発泡スチロールを製造する再生工程とを含んでなる発泡スチロール樹脂のリサイクル方法を提供する。さらに、本発明によれば、この発泡スチロール樹脂のリサイクル方法において、上記減容工程が、機械的に圧縮する工程又は200℃以下の温度で部分的に溶融する工程のいずれかあるいは両方を含むことができる。また、溶解工程における溶剤は、150℃以下の沸点を有する溶剤であることが好ましく、特に、塩化メチレンが好適である。上記溶剤が、エポキサイド又は炭素数5〜7の不飽和炭化水素、あるいはそれらの両方をさらに含むことが好ましい。
さらに、本発明によれば、減容工程の後、減容された発泡スチロール樹脂を運搬して、その後の溶解工程等のいくつかの工程を別の工場にて行うことができるほか、押出成形された樹脂をさらに運搬して、別の工場において発泡スチロールの再生成型品とすることができる。
本発明の方法によれば、熱溶融法における異物除去の困難性及び押出成形工程の加熱や酸素による分子量の低下、さらに、溶剤溶解法における減容工程での放出ガスに同伴する気化した溶剤の放出とそれに伴うロスという従来法の問題を軽減しつつ、発泡スチロール樹脂廃材の効率的なリサイクルを行うことができる。
上に詳述したように、本発明によれば、異物除去の困難性及び押出成形工程の加熱による分子量の低下、さらに、溶剤に溶解して減容する工程での放出ガスに同伴する気化した溶剤の放出とそれに伴うロスという問題を軽減しつつ、発泡スチロール樹脂廃材の効率的なリサイクルを行うことができる。本発明はまた、発泡スチロールを溶解する溶剤に好ましく用いられる塩化メチレンに添加剤を加えることで、溶剤の熱による劣化分解を防止し、再利用を促進することができる。溶剤を再利用することで、リサイクル方法全体としてのコストを抑え、経済的なリサイクルが可能になる。
また、減容工程と溶剤溶解工程とを別々の場所において行うことができるので、溶剤を用いず管理が容易な減容工程のステーションを原料となる発泡スチロール樹脂廃材が発生する地点の近くに設けることができる。減容工程ステーションからは、減容されて輸送に有利になった発泡スチロール樹脂を、溶剤を含まない形態で溶剤による溶解工程を行う工場へと集めることができる。溶剤の管理が必要な溶解工程は、多量の発泡スチロール樹脂を集めて処理することによりスケールメリットが出しやすい。従って、発泡スチロール樹脂廃材のリサイクル処理の効率が大幅に向上する。
本発明による発泡スチロールのリサイクル方法を実施するための工程の流れとリサイクルシステムを示すダイアグラムである。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の減容工程は、機械的に圧縮減容する工程又は200℃以下の温度で部分的に溶融する熱減容工程のいずれかあるいは両方を含んで行うことができる。機械的に圧縮減容するためには、まず、発泡スチロール樹脂の廃材を粉砕して次の工程に導入できる程度の大きさにする。その後、プレス機や押出機等により圧縮することで、一般的な発泡スチロール樹脂の密度である0.02g/cmから、見掛け密度で0.2〜0.7g/cm、好ましくは0.2〜0.5g/cmの程度にまで減容する。本発明の機械的な圧縮による減容の場合には、粉砕や圧縮の際に発生する摩擦熱等の内部的な熱により発泡スチロール樹脂を部分的に溶融することができるため、減容工程においては外部からの加熱を行わないので、加熱しながら行う熱溶融法のような温度上昇は少なく分子量の低下は最小限に抑えることができる。一般に発泡スチロール樹脂を溶融すれば、その分見掛け密度は増大して減容の度合いも進むが、減容を進めるためにあまり高温度で溶融すると、分子量の低下が進んで品質低下を招くため、本発明のように摩擦熱等の内部的な熱のみによる機械的な圧縮減容は品質面で有利である。
一方、ある程度の分子量低下が容認される場合には、本発明の減容工程を熱減容によって行うこともできるが、その場合の大幅な分子量の低下を防止するために200℃以下、好ましくは180℃以下の温度で行う。一般に、熱溶融する場合には、熱の分布が生じるが、ここでは、熱溶融処理の平均の温度として熱溶融温度を規定している。局所的に高温の部分が生じる場合には、その部分の温度を基準にして、200℃、好ましくは180℃以下にする。本発明において熱溶融により発泡スチロール樹脂を減容する際には、固体状の発泡スチロール樹脂廃材を次の工程の処理ができる程度の大きさに粉砕して、スクリュー式押出機等によりスチロール樹脂を圧縮しながら、外部から熱を加えて溶融する。熱溶融による減容工程により、見掛け密度を0.7〜1.0g/cm程度にまで高めることができる。
このような減容工程により、圧縮された状態又はインゴット状の樹脂塊が得られるが、溶剤を用いないので、処理装置の取り扱いと処理工程自体が比較的容易であり、原料となる発泡スチロール樹脂廃材の発生地において減容工程を行うのが容易である。
次に、このようにして減容された発泡スチロール樹脂を溶剤により溶解する。これは、減容工程を行った同じ工場で行うこともできるが、減容により発泡スチロール樹脂の輸送効率が高まっているので、減容化後、別の工場に輸送して、より多くの発泡スチロール樹脂をまとめて溶剤に溶解することにより、効率的に処理することができる。溶剤を取り扱うような特殊な管理と取り扱い設備を要する工程は、より少ない箇所でまとめて行う方が効率的であるからである。
この溶解工程においては、既に減容されているので、溶解に伴い系外へ放出される溶剤の量は、減容化せずに溶剤に溶解する場合に比べて10分の1から100分の1にまで減らすことができる。従って、排出するガスからの溶剤の回収装置に対する負荷や溶剤の放出に伴うロスも減らすことができる。本発明の溶解工程においては、減容化した発泡スチロール樹脂を溶剤に投入・攪拌することによって、溶解することができる他、混練装置を用いたり、押出機に溶剤と適当な大きさに破砕した発泡スチロール樹脂を入れて溶解することもできる。このように発泡スチロール樹脂を溶解する溶解工程を導入にすることにより、樹脂中に含まれる異物の除去を濾過により行うことができ、熱溶融法に比べて異物の除去が容易となる。
ここで、上記溶解工程に用いられる溶剤としては、発泡スチロールを溶解する溶剤であればいずれの溶剤も使用可能であるが、例えば塩化メチレン、トリクロロエチレン等の塩素系の溶剤や、リモネン、THF等を使用することができる。しかし、後続の溶剤を蒸発除去する工程が低温で行えることを考慮すると、比較的低沸点の溶剤、特に、沸点が150℃以下の溶剤が好ましく、沸点が40℃程度の塩化メチレンは溶解力にも優れ、最も好適である。
溶剤として塩化メチレンを用いたときには、更にエポキサイド又は炭素数5〜7の不飽和炭化水素、あるいはそれらの両方を添加することにより、溶剤の蒸発、凝縮の操作を繰り返し行っても、溶剤の品質低下が生じにくくなる。特に、後述の押出工程は比較的高温条件下で行なわれるため、溶剤の熱分解が生じやすい。塩化メチレンが劣化分解すると塩化水素を発生し、装置の腐食等の問題を起こすことがある。
本発明で用いるエポキサイドとしては、沸点が30〜90℃であるエポキサイドが好ましい。具体的には、例えばプロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等が挙げられる。エポキサイドは、これらの一種又は二種以上を組み合わせて添加することができ、その添加量は塩化メチレンとこれらの添加物とをあわせた溶剤全体の重量に対し、0.1〜1.0重量%、好ましくは0.2〜0.5重量%である。エポキサイドの添加量が少なすぎると塩化メチレンの安定化を保持することができず、多すぎると副生物を生成しやすくなる場合がある。
更に、炭素数5〜7の不飽和炭化水素としては、例えば2−ペンテン、2−メチル−2−ブテン、2−ヘキセン、2−ヘプテン等が挙げられる。炭素数5〜7の不飽和炭化水素は、これらの一種又は二種以上を組み合わせて添加することができ、その添加量は塩化メチレンとこれらの添加物とをあわせた溶剤全体の重量に対し、10〜200ppm、好ましくは50〜100ppmである。炭素数5〜7の不飽和炭化水素の添加量が10ppm未満では塩化メチレンの分解抑制効果に寄与せず、200ppmを超えると分解抑制効果はあまり期待できず、経済的なデメリットが大きくなる。
溶剤の蒸発除去及びペレットの製造は、加熱された押出機等に発泡スチロール樹脂が溶解している溶液をフィードしながら撹拌して溶剤を蒸発させ、引き続き樹脂を成形してペレット状、ビーズ状、針状にすることにより行なわれる。この場合、溶剤を蒸発除去するため、外部からの熱を加えるが、樹脂の分子量が低下するのを防止するため、200℃以下、特に180℃以下の温度にすることが好ましい。このように溶剤に溶解した発泡スチロール樹脂を用いて押出成形を行うことにより、熱溶融法に比べて樹脂の分子量低下が起こらず、再生品の強度を高く維持することができる。なお、溶解された発泡スチロール樹脂を押出成形する工程において、発泡スチロール樹脂の溶解溶液を加熱蒸発させ、その蒸気を冷却凝縮させて回収することにより、再利用することができる。その後、この押出成形品を必要に応じて別の工場に移動させて、発泡ガスを含浸させて発泡用スチロール樹脂を再生することができる。その後、好ましくは消費地に近い工場において、再生され発泡ガスを含浸された押出成形品を発泡成形することにより、再生品の発泡スチロール樹脂成型品を得ることができる。使用される発泡ガスや成型方法は、再生品でないスチロール樹脂を用いる場合と同様である。
図1に示すように、本発明の一実施態様によれば、減容工程と溶剤溶解工程とを別々の場所において行うことができるので、溶剤を用いず管理が容易な減容工程のステーション11を原料となる発泡スチロール樹脂廃材が発生する地点10の近くに設けることができる。減容工程ステーション11は、例えば、工場や、量販店、問屋、流通拠点等廃材が発生する現場20に設置することもでき、発泡スチロール樹脂廃材の容積を減らすのに必要な破砕機や押出機、加熱装置等を備える。この結果、発泡スチロール樹脂廃材が発生する地点10から減容工程ステーション11への輸送は距離が比較的に短くて済む。減容されて輸送と保管に有利になった発泡スチロール樹脂を、今度は溶剤溶解工程13を行う工場25へと集めることができる。溶剤の管理が必要な溶剤溶解工程は、減容された多くの発泡スチロール樹脂を集めて処理することによりスケールメリットが出しやすい。この溶剤溶解工程の後には液状の樹脂組成物が得られるので、これを濾過して不純物を除去する等の処理14を容易に行うことができる。溶剤蒸発除去処理15を経て、同一の工場25又は別の工場(図示せず)において、樹脂を押出成形する(16)。その後、ペレットに発泡ガスを含浸させる処理を同一工場25又は別の工場30において行うことができる。こうしてできたペレット又はビーズを好ましくは消費地に近い別の工場35にて発泡させて成形することにより、新たな成型品17とすることができる。もちろん溶剤溶解工程13から発泡成形35までを一カ所において行うこともできる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
[(圧縮減容+溶媒溶解法)]発泡スチロール樹脂成型品をおおよそ卵くらいの大きさに破砕した後、先端の内径が2.5cmの円錐状の筒を取り付けたスクリュー式押出機で、発泡スチロール樹脂成型品を圧縮減容した。押出機の先端から押し出された樹脂は、押出機内での摩擦熱で外側の一部分が融解していたが、大部分未容融の状態であり、圧縮減容後の樹脂の見掛け密度は0.4g/cmであった。これを塩化メチレンに溶解し、樹脂濃度が40重量%の溶液を作り、この溶液を気化した塩化メチレンを排出するための排気口を途中に設けたスクリュー式押出機にフィードし、押出機外筒に設置されたヒーターで加熱して、塩化メチレンを蒸発除去しながら、徐々に温度を上昇させた。溶剤が蒸発除去され、溶融状態になった粘度の高い樹脂を押出機先端に設けられたダイから押し出して、再生ペレットを製造した。押出機の温度は、先端近くが最高で180℃であった。
[(熱減容+溶媒溶解法)]実施例1と同様の押出機で、外部加熱を行ないながら180℃の温度で発泡スチロールを融解した。先端からは、部分的に融解した淡褐色半透明で内部に多くの気泡を含んだ樹脂塊(インゴット)が得られた。この樹脂塊は冷却すると、硬化し、その見掛け密度は0.87g/cmであった。次いで硬化した樹脂を米粒大に破砕し、塩化メチレンに溶解した。塩化メチレン溶液中の樹脂の濃度は約40重量%であった。この溶液を実施例1と同様に処理をして再生ペレットを製造した。
[比較例1(熱溶融法)]実施例1と同様、押出機に発泡スチロールをフィードし、外筒に設置されたヒーターで加熱しながら融解し、押出機の先端に設けられた多孔板のダイから、直径2mmのひも状に押し出し、ペレタイザーで切断して、再生ペレットを製造した。スチロール樹脂がほぼ完全に溶解し、気泡が残らない状態にするため、押出機中で十分な加熱時間が必要であった。再生されたペレットの密度は、約1.0g/cmであった。
[比較例2(溶媒溶解法)]発泡スチロール樹脂成型品を適当に破砕して、塩化メチレンを溶解させた。溶解の初期には、発泡スチロールは発泡ガスの泡を放出させながら、勢いよく溶解したが、樹脂濃度が高くなるにつれ、次第に溶解速度が低下して、最終的には、樹脂濃度が約40重量%の溶液が得られた。この溶液を、実施例1と同様に処理して再生ペレットを製造した。
以上の方法により得られた再生ペレットの重量平均分子量をGPC法により測定した結果は次の通りであった。
例 重量平均分子量
実施例1 圧縮減容+溶剤溶解法 28.7万
実施例2 熱減容+溶剤溶解法 25.0万
比較例1 熱溶融法 18.5万
比較例2 溶剤溶解法 29.3万
比 較 原料発泡スチロール樹脂 30.5万
以上の結果から、比較例1では、一般に再生ペレットとして要求される強度に対応する重量平均分子量(20万〜25万)より低く、発泡スチロール樹脂を再利用するための品質に問題があるが、圧縮減容に溶剤溶解を組み合わせた実施例1や、熱減容に溶剤溶解を組み合わせた実施例2では、十分に実用に耐える強度を示す高い重量平均分子量の樹脂を得ることができた。このように、減容と溶剤への溶解を組み合わせる方法は、使用に十分に耐える、重量平均分子量の高い再生発泡スチロール樹脂が得られることがわかった。一方、比較例2においては、再生ペレットの品質には問題はないが、発泡ガスに同伴して気化する溶剤の系外への放出が見られた。
発泡スチロール樹脂を溶解する溶剤である塩化メチレンに、添加剤としてプロピレンオキサイドを0.5重量%、2−ペンテンを0.01重量%添加した以外は、実施例1と同様に行った。その際、スクリュー式押出機で蒸発除去された溶剤蒸気を冷却凝縮し、その中に存在する塩化水素の濃度を測定した。なお、対照として塩化メチレンのみの場合も同様に行った。その結果、塩化メチレンのみの場合の塩化水素濃度が0.012重量%であるのに対して、プロピレンオキサイド及び2−ペンテンを添加した場合の塩化水素濃度は0.0003重量%であった。このことから、添加剤を加えることにより、塩化メチレンの劣化分解を防ぐことができることがわかった。
[1] 発泡スチロール樹脂を減容する減容工程と、減容された発泡スチロール樹脂を溶剤に溶解する溶解工程と、溶解された発泡スチロール樹脂を押出成形する工程とを含んでなる発泡スチロール樹脂のリサイクル方法。
[2] 上記押出成形品を用いて発泡スチロールを製造する再生工程をさらに含む[1]に記載の発泡スチロール樹脂のリサイクル方法。
[3] 上記減容工程が、機械的に圧縮する工程又は200℃以下の温度で部分的に溶融する工程のいずれかあるいは両方を含むことを特徴とする[1]又は[2]に記載の発泡スチロール樹脂のリサイクル方法。
[4] 上記溶解工程における溶剤が、150℃以下の沸点を有する溶剤であることを特徴とする[1]から[3]のいずれか一に記載の発泡スチロール樹脂のリサイクル方法。
[5] 上記溶解工程における溶剤が、塩化メチレンであることを特徴とする[1]から[4]のいずれか一に記載の発泡スチロール樹脂のリサイクル方法。
[6] 上記溶剤が、エポキサイド又は炭素数5〜7の不飽和炭化水素、あるいはそれらの両方をさらに含むことを特徴とする[5]に記載の発泡スチロール樹脂のリサイクル方法。
[7] 減容された発泡スチロール樹脂を、減容工程の後の溶解工程を別の場所にて行うために運搬する第1運搬工程を含む[1]から[6]のいずれか一に記載の発泡スチロール樹脂のリサイクル方法。
[8] 発泡スチロールを製造するために、押出成形工程の後に押出成形品を別の場所に運搬する第2運搬工程を含む[1]から[7]のいずれか一に記載の発泡スチロール樹脂のリサイクル方法。
[9] 上記第2運搬工程の後、上記再生工程の前に、発泡ガスを上記押出成形品に含侵させる含浸工程と、さらに運搬を行う第3運搬工程を含むことを特徴とする[8]に記載の発泡スチロール樹脂のリサイクル方法。
10 廃材発生地点
11 減容工程
13 溶解工程
14 不純物の除去
15 溶剤蒸発除去工程
16 押出成形工程
17 再生発泡スチロール樹脂成型品
25 溶剤溶解工程の工場
30 発泡ガスの含浸工程
35 発泡成形工程

Claims (4)

  1. 発泡スチロール樹脂を、外部からの加熱を伴わずに押出機により見掛け密度0.2〜0.7g/cmに圧縮して部分溶融する圧縮減容工程と、
    減容された発泡スチロール樹脂を溶剤に投入し攪拌して溶解する溶解工程と、
    発泡スチロール樹脂が溶解している溶液を200℃以下の温度に加熱して前記溶液から溶剤を蒸発除去し、スチロール樹脂を押出成形して押出成形品を製造するとともに、
    蒸発除去した溶剤蒸気を冷却凝縮させて溶剤を回収する溶剤回収・押出成形工程と
    を含んでなる発泡スチロール樹脂のリサイクル方法。
  2. 前記圧縮減容工程における見掛け密度が0.2〜0.5g/cmである請求項1に記載の方法。
  3. 発泡スチロール樹脂廃材が発生する地点又はその近くに設ける減容工程ステーションにおいて、発泡スチロール樹脂廃材を破砕し、外部からの加熱を伴わずに押出機により圧縮して発泡スチロール樹脂廃材の気泡に含まれる気体を放出し、部分溶融させながら発泡スチロール樹脂廃材の見掛け密度を0.2〜0.7g/cmにまで減容する圧縮減容工程と、
    複数の減容工程ステーションから減容された発泡スチロール樹脂を集めて、溶解工程と溶剤回収・押出成形工程を行う別の工場へ輸送する第1運搬工程と、
    複数の減容工程ステーションから運搬される減容された発泡スチロール樹脂を受けて、減容された発泡スチロール樹脂を溶剤により溶解する溶解工程と、
    溶解工程により発泡スチロール樹脂を溶解させた溶液を、気化した溶剤を排出するための排気口を途中に設けた押出機に供給し、200℃以下の温度に加熱して撹拌し前記溶液から溶剤を蒸発除去し、溶剤が蒸発除去されたスチロール樹脂を押出成形して、スチロール樹脂の押出成形品を製造するとともに、蒸発除去した溶剤蒸気を冷却凝縮させて溶剤を回収し上記溶解工程において再利用するように供給する溶剤回収・押出成形工程と、
    上記溶解工程と溶剤回収・押出成形工程を行う場所から、上記溶剤が蒸発除去されたスチロール樹脂を押出成形して製造された押出成形品に発泡ガスを含浸させ、発泡用スチロール樹脂再生品を製造する含浸工程を行う別の場所へ上記押出成形品を運搬する第2運搬工程と、
    上記溶解工程と溶剤回収・押出成形工程を行う場所とは別の場所において、上記押出成形品に発泡ガスを含浸させ、発泡用スチロール樹脂再生品を製造する含浸工程と、
    上記含浸工程を行う場所から、再生発泡スチロール樹脂成型品を製造する再生工程を行う別の場所へ上記発泡用スチロール樹脂再生品を運搬する第3運搬工程と、
    上記含浸工程を行う場所とは別の場所において、上記発泡用スチロール樹脂再生品を用いて再生発泡スチロール樹脂成型品を製造する再生工程と
    を含んでなる発泡スチロール樹脂のリサイクル方法。
  4. 上記溶解工程における溶剤が、エポキサイド及び/又は炭素数5〜7の不飽和炭化水素を添加した塩化メチレンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発泡スチロール樹脂のリサイクル方法。
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