JP7468471B2 - プラスチック成形体の製造方法および製造設備 - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチック(主に廃プラスチック)を押出成形してプラスチック成形体を製造するための製造方法および製造設備に関する。
近年、製鉄所では、炭酸ガスの排出削減という社会的要請や原料炭の高騰などの理由から、LNGなどの石炭以外の炭素源が燃料や還元剤の一部として利用されるようになってきた。しかし、さらなる炭酸ガス排出削減のために、LNGなどの化石燃料への依存を低下させることが求められている。
このような背景から、廃プラスチックを炭素源として再資源化することが行われている。従来、廃プラスチックの多くは焼却処理されていたが、焼却処理は炭酸ガス発生などの環境負荷が高く、また焼却炉の熱的損傷の問題もあり、廃プラスチックを製鉄所の炭素源として再資源化できれば、そのような問題も解消できる。廃プラスチックのケミカルリサイクル技術の1つとして、製鉄所のコークス炉において廃プラスチックを石炭に混合し、石炭ととともに乾溜する技術がある。
廃プラスチックを石炭に混合してコークス炉で乾溜する場合、プラスチックは、乾溜の過程で石炭との接触面において石炭中の水素を引き抜く性質があり、このような水素の引き抜きが生じると石炭の溶融性が低下し、乾溜後のコークス強度が低下するという問題がある。このため乾溜する石炭とプラスチックの接触面は狭いことが好ましい。廃プラスチックの見かけ密度が小さいと、プラスチックの比表面積が大きくなり、石炭との接触面積が大きくなるため、プラスチックの見かけ密度を大きくすることは、コークス強度の低下を抑制するために重要である。
廃プラスチックの見かけ密度を大きくするための技術として、例えば、特許文献1には、プラスチックを180~260℃で加熱して圧縮成形(押出成形)した後、切断して水冷装置にかけて冷却(急冷)することでプラスチック成形体を製造する方法が示されている。また、特許文献2には、プラスチックを100~140℃で加熱して圧縮成形(押出成形)した後、冷却コンベアで冷却する方法が示されている。
特許第4469352号公報 特許第4724521号公報
しかしながら、特許文献1、2の方法には、以下のような問題がある。
特許文献1の方法は、プラスチックを180~260℃で加熱して圧縮成形するものであり、同文献には、プラスチックの温度が180℃未満では、プラスチックの粘度が高いため成形しにくく、また、圧縮されたプラスチックに入り込んだガス分が抜けにくくなることから、成形後の見かけ密度が高くならないと記載されている。しかし、特許文献1のようにプラスチックを高温で加熱してプラスチックの粘度が低くなると、プラスチックの流動性が高すぎるため、圧縮成形機からの排出(押出)速度を一定に保つことができず、生産性が不安定になるという問題がある。また、特許文献1の方法では、プラスチックの流動性が高いため、押し出された成形体の形状を保つために、圧縮成形機から排出(押出)された成形体を急冷する必要がある。しかし、後述するように、本発明者らの実験によれば、急冷することが逆に見かけ密度を低下させてしまうことが判った。
さらに、特許文献1の方法のように高温での加熱や水冷等による冷却はコストがかかる問題があり、また、180℃以上での加熱は塩素ガス発生が促進されるため、ガスがプラスチック内に残りやすくなり、この点でも見かけ密度が低下しやすくなる。
一方、特許文献2の方法は、プラスチックを100~140℃で加熱して圧縮成形するものであり、同文献には、140℃超の温度で成形すると、プラスチックが溶融状態または半溶融状態になり、流動性が高くなりすぎて押出に支障をきたし、生産性が悪化すると記載されているが、溶融状態または半溶融状態にならなければ、押し出し圧縮成形ができないため、見かけ密度を十分に高くすることができない。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、主に廃プラスチックを原料とし、見かけ密度が高いプラスチック成形体を高い生産性で低コストに製造することができる製造方法および製造設備を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決し得るプラスチック成形体の製造条件について鋭意検討を重ね、その結果、以下に述べるような新規な製造方法および製造設備を開発するに至った。
すなわち、上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]熱可塑性樹脂を主体とするプラスチックを、押出成形機において140℃超180℃未満の温度に加熱した状態で押出成形してプラスチックの成形体を得るとともに、得られたプラスチックの成形体を常温で40℃以下まで冷却することで、体積が200cm以上、見かけ密度が0.9~1.1g/cmのプラスチック成形体を製造することを特徴とするプラスチック成形体の製造方法。
[2]上記[1]の製造方法において、押出成形機内のガスを吸引して機内を大気圧未満に減圧しつつプラスチックを押出成形することを特徴とするプラスチック成形体の製造方法。
[3]上記[1]または[2]の製造方法において、押出成形で得られたプラスチックの成形体を常温で40℃以下まで冷却する際の平均冷却速度が10℃/分未満であることを特徴とするプラスチック成形体の製造方法。
[4]上記[1]~[3]のいずれかの製造方法において、押出成形で得られたプラスチックの成形体を切断機で体積200~1000cmの大きさに切断してプラスチック成形体とすることを特徴とするプラスチック成形体の製造方法。
[5]上記[1]~[4]のいずれかの製造方法において、プラスチック成形体の比表面積が0.6~1.1cm/gであることを特徴とするプラスチック成形体の製造方法。
[6]熱可塑性樹脂を主体とするプラスチックを、140℃超180℃未満の温度に加熱した状態で押出成形してプラスチックの成形体を得るための押出成形機と、該押出成形機で得られたプラスチックの成形体を常温で40℃以下まで冷却するための冷却設備を備えることを特徴とするプラスチック成形体の製造設備。
[7]上記[6]の製造設備において、さらに、押出成形機内のガスを吸引して機内を大気圧未満に減圧するための減圧手段を有することを特徴とするプラスチック成形体の製造設備。
[8]上記[6]または[7]の製造設備において、さらに、押出成形機で得られたプラスチックの成形体を体積200~1000cmの大きさに切断するための切断機を備えることを特徴とするプラスチック成形体の製造設備。
本発明によれば、主に廃プラスチックを原料としてプラスチック成形体を製造する際に、プラスチックの成形体内にガス成分が残存することを効果的に抑制することができ、しかもプラスチック成形体の生産性が阻害されることもないため、見かけ密度が高いプラスチック成形体を高い生産性で低コストに製造することができる。このため本発明は、石炭に混合してコークス炉で乾溜する用途のプラスチック成形体の製造方法および設備として特に好適なものである。
本発明によるプラスチック成形体の製造方法および製造設備の一実施形態を模式的に示す説明図 プラスチックを種々の加熱温度(成形温度)で押出成形した後、そのプラスチックの成形体を常温で40℃まで空冷(徐冷)した場合と水冷装置で水冷(急冷)した場合について、プラスチックを押出成形する際の加熱温度(成形温度)と、プラスチックの成形体の見かけ密度との関係を調べた結果を示すグラフ
本発明のプラスチック成形体の製造方法は、熱可塑性樹脂を主体とするプラスチックを、押出成形機(圧縮成形機)において140℃超180℃未満の温度に加熱した状態で押出成形してプラスチックの成形体を得るとともに、得られたプラスチックの成形体を常温で40℃以下まで冷却することで、体積が200cm以上、見かけ密度が0.9~1.1g/cmのプラスチック成形体を製造するものである。
プラスチック成形体の原料である、熱可塑性樹脂を主体とするプラスチック(すなわち熱可塑性樹脂を50質量%以上の割合で含むプラスチック)は、通常、主に廃プラスチックからなるものであり、回収された廃プラスチックについて、必要に応じて、破砕処理、風力選別、磁力選別などの事前処理を施したものが用いられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルなどが挙げられ、それらの1種以上の熱可塑性樹脂を主体とするプラスチックが原料となる。
本発明で使用する押出成形機の種類や形式は特に制限はなく、プラスチックを圧縮(圧密化)するとともに所定の温度に加熱した状態でダイ(押出ノズル)から押出してプラスチックの成形体が得られるものであればよい。代表的なものとしては、スクリューでプラスチックを圧縮(圧密化)して押出成形するスクリュー式押出成形機が挙げられるが、これに限定されない。また、プラスチックを所定の温度に加熱する方式としては、例えば、押出成形機の外周に電気ヒータなどの発熱体を取り付けて内部のプラスチックを加熱する方式、押出成形機のダイの部分に加熱機構を設け、このダイの部分だけでプラスチックを加熱する方式などがあるが、これらに限定されない。
本発明では、押出成形機で押出成形するプラスチックの加熱温度(押出成形温度)を140℃超180℃未満にすることで、押出成形時のプラスチックが溶融状態または半溶融状態になり、これによりプラスチックを圧密化した状態で押出成形することが容易になり、且つプラスチックが一定の粘性を持つため、生産性も一定に保つことができる。押出成形機で押出成形するプラスチックの加熱温度(押出成形温度)が140℃以下では、プラスチックが溶融状態または半溶融状態にならず、プラスチックを十分に圧密化した状態で押出成形することができないため、見かけ密度を十分に高くすることができない。一方、プラスチックの加熱温度(押出成形温度)が180℃以上では、プラスチックの粘度が低くなって流動性が高くなりすぎるため、押出成形機からの押出速度を一定に保つことができず、生産性が不安定になる。加えて、プラスチックの流動性が高いため、押し出された成形体の形状を保つために、押出成形機から押出された成形体を急冷する必要があるが、後述するように、急冷することにより成形体の見かけ密度が低下してしまう。
図2は、プラスチックを種々の加熱温度(成形温度)で押出成形した後、そのプラスチックの成形体を常温で40℃まで空冷(徐冷)した場合と水冷装置で水冷(急冷)した場合について、プラスチックを押出成形する際の加熱温度(成形温度)と、プラスチックの成形体の見かけ密度との関係を調べた結果を示している。同図によれば、プラスチックを成形温度140℃超180℃未満で成形し、その成形体を急冷することなく常温で40℃まで空冷(徐冷)することにより、見かけ密度が0.9g/cm以上のプラスチック成形体が得られることが判る。
また、上述したプラスチックの押出成形では、減圧手段(ガス吸引手段)によって押出成形機内のガスを吸引して機内を大気圧未満に減圧しつつ、プラスチックを押出成形することが好ましい。これにより押出成形機内に生じる水蒸気や塩素ガスを除去することができ、プラスチック成形体内への残存ガス混入を抑制できる。
押出成形機から押し出されたプラスチックの成形体は、そのまま常温で40℃以下まで冷却されるが、本発明では、このように常温で40℃以下まで徐冷することにより、成形体からガス成分を適切に放出させ、見かけ密度の大きいプラスチック成形体を得ることができる。ここで、特許文献1の方法では、押し出されたプラスチック成形体を水冷装置で急冷するものであり、この急冷によりプラスチック成形体の表面に固化相が形成され、残存ガスによる膨れが一時的に抑制されるとしている。しかし、本発明者らによる実験の結果では、急冷によってプラスチック成形体の表面に固化相が形成されることで、逆に残存ガスが抜けなくなるため、プラスチック成形体内に残存ガス分の空隙が残り、その結果、見かけ密度が低下することが判った。これに対して本発明では、押出成形機から押出された成形体は、残存ガスによる膨れは生じるものの、冷却速度が遅いためしばらくは溶融状態を保ち、残存ガスは自然に抜ける。残存ガスが抜けた後は、いまだ一定の粘性を持っているため、残存ガス分の空隙を埋めていき、膨れた分が収縮していく。したがって、得られるプラスチック成形体の見かけ密度は、特許文献1の方法により得られるプラスチック成形体よりも大きくなる。また、本発明では、冷却時間はかかるものの、水冷装置などは使用しないため冷却コストが小さくて済む利点もある。
押出成形で得られたプラスチックの成形体を常温で40℃以下まで冷却する際の平均冷却速度は10℃/分未満が好ましく、これにより、上述した作用を効果的に生じさせることができる。ここで、平均冷却速度とは、プラスチックの成形体の全断面温度平均での冷却速度である。
押出成形機から押出されるプラスチックの成形体は、通常、適当なサイズにカットされて、そのまま常温で40℃以下まで冷却されるが、具体的な冷却方法としては、例えば、ピットや容器などに収容して大気中で放冷してもよいし、冷却速度をコントロールするために保温カバー付きのピットや容器内で徐冷してもよい。
本発明において、上述した工程を経て製造されるプラスチック成形体は、プラスチック成形体内に残存するガス成分が少なく、見かけ密度が0.9~1.1g/cmまで圧密されている。ここで、プラスチック成形体の見かけ密度は、液中秤量法で測定することができる。また、本発明において、プラスチック成形体の見かけ密度は、無作為に抽出した10個のプラスチック成形体の見かけ密度の測定値の平均値とする。
また、本発明で製造されるプラスチック成形体は、体積が200cm以上とする。プラスチック成形体の体積が200cm未満では、ハンドリング性が悪くなり、また、比表面積が大きくなるため、例えば、石炭と混合してコークス炉で乾留する場合に、石炭とプラスチック成形体の接触面積が大きくなり、製造されるコークスの強度低下を生じやすくなる。
本発明で製造されるプラスチック成形体は、体積が200cm以上で見かけ密度が0.9~1.1g/cmであることにより、例えば、プラスチック成形体を石炭に混合してコークス炉で乾溜する場合、乾溜する石炭とプラスチック成形体との接触面積が小さくなり、製造されるコークスの強度低下を抑制することができる。
一方、プラスチック成形体の体積の上限は特にないが、石炭と混合してコークス炉で乾留する場合、プラスチック成形体の体積が1000cmを超えると、プラスチックの熱分解後の空隙が大きくなるため、製品コークスに空隙が生じ、コークス強度の低下を引き起こすおそれがある。このため、プラスチック成形体を石炭と混合してコークス炉で乾留する用途などに適用する場合には、プラスチック成形体の体積は1000cm以下とすることが好ましい。なお、特許文献1では、プラスチック成形体の体積を200cm以上にすると、コークス強度が低下すると記載されているが、本発明者らによる実験の結果では、そのようなコークス強度の低下は見られなかった。
本発明では、上述した観点から、必要に応じて、押出成形で得られたプラスチックの成形体を切断機で体積200~1000cmの大きさに切断してプラスチック成形体(製品)とする。この切断は、(i)押出直後、(ii)押出後40℃以下に冷却する冷却中、(iii)40℃以下に冷却後、のうちのいずれの段階で行ってもよい。ただし、流動性のあるプラスチックを切断するには鋭利な刃物が必要であるが、40℃以下まで冷却することでプラスチックの成形体は完全に固化し、鋭利な刃物でなくても容易に切断でき、切断コストも低減できるので、40℃以下に冷却した後に切断処理することが好ましい。
また、上述したプラスチック成形体の体積と同様の理由で、製造されるプラスチック成形体の比表面積は0.6~1.1cm/g程度であることが好ましい。すなわち、プラスチック成形体を石炭と混合してコークス炉で乾留する場合に、プラスチック成形体の比表面積が1.1cm/gを超えると、石炭とプラスチック成形体の接触面積が大きくなり、製造されるコークスの強度低下を生じやすくなる。一方、プラスチック成形体の比表面積が0.6cm/g未満では、プラスチック成形体のサイズが大きすぎ、プラスチックの熱分解後の空隙が大きくなるため、製品コークスに空隙が生じ、コークス強度の低下を引き起こすおそれがある。ここで、プラスチック成形体の比表面積は、サイズ及び形状から計算することができる。また、本発明においてプラスチック成形体の比表面積は、無作為に抽出した10個のプラスチック成形体の比表面積の測定値の平均値とする。
図1は、本発明によるプラスチック成形体の製造方法および製造設備の一実施形態を模式的に示すものであり、1はプラスチックを加熱した状態で押出成形する押出成形機(圧縮成形機)、2は押出成形機から押し出されたプラスチックの成形体を常温で冷却する冷却設備、3はこの冷却設備で冷却されたプラスチックの成形体を所定の大きさに切断する切断機である。
本実施形態の押出成形機1はスクリュー式の押出成形機であり、筒状のケーシング10(機体)の内部には、その長手方向に沿ってプラスチック押込み用のスクリュー軸11が配され、このスクリュー軸11は駆動装置(図示せず)の動力で回転駆動する。
ケーシング10の一端側にはプラスチックの供給口12が、他端側には押し出し用のダイ13がそれぞれ設けられ、ダイ13の外側には、押し出された成形体を適当な長さにカットするためのカッター(図示せず)が設けられている。また、ケーシング10の外周には電気ヒータなどの発熱体14が設けられ、ケーシング10内部のプラスチックを加熱できるようにしている。
また、本実施形態では、押出成形機1内のガスを吸引して機内を大気圧未満に減圧するための減圧手段4(ガス吸引手段)が設けられている。このため、ケーシング10の途中には排気口15が設けられ、この排気口15に排気管5を介して吸引ブロアや真空ポンプなどからなる減圧手段4が接続されている。
冷却設備2は、例えば、押出成形機1から押出されたプラスチックの成形体aを収容するピットまたは容器などで構成される。この冷却設備2は、単に成形体aを収容して大気中で放冷するものでもよいし、冷却速度をコントロールするために保温カバーを備え、成形体aを徐冷できるようにしたものでもよい。
切断機3は、固化したプラスチックの成形体aを所定の大きさに切断できるものであればよく、種類は問わない。
本実施形態では、熱可塑性樹脂を主体とするプラスチック(主に廃プラスチック)が供給口12から押出成形機1に投入され、このプラスチックはケーシング10内でスクリュー軸11により押し込まれて圧縮(圧密化)されつつ加熱される(この加熱の主たる熱源は発熱体14であるが、圧密によるプラスチックの摩擦熱が熱源の一部となる場合がある)ことにより溶融状態または半溶融状態となり、140℃超180℃未満の加熱温度(押出成形温度)でダイ13から押し出される。また、このプラスチックの押出成形は、減圧手段4により押出成形機1内のガスを吸引して機内を大気圧未満に減圧しつつ行われ、これにより押出成形機1内で生じる水蒸気や塩素ガスを除去することができ、プラスチック成形体内への残存ガス混入を抑制できる。
ダイ13から押出されたプラスチックの成形体は、ダイ出口のカッターにより適当な大きさにカットされ(これにより成形体aが得られる)、そのまま冷却設備2にて常温で40℃以下まで冷却される。この際、好ましくは10℃/分未満の平均冷却速度で冷却される。これにより成形体aからガス成分を適切に放出させ、見かけ密度の大きい成形体aを得ることができる。以上のようにして得られるプラスチックの成形体aは、内部に残存するガス成分が少なく、見かけ密度が0.9~1.1g/cmまで圧密化されている。次いで、プラスチックの成形体aを切断機3で体積200~1000cmの大きさに切断する。成形体aは40℃以下まで冷却されて完全に固化しているため、鋭利な刃物でなくても容易に切断できる。
以上により、体積が200~1000cm、見かけ密度が0.9~1.1g/cm、好ましくは比表面積が0.6~1.1cm/gのプラスチック成形体Aが製造される。
本発明法と比較法により、以下のようにしてプラスチック成形体を製造した。
・発明例1
図1に示す製造設備を用いて、熱可塑性樹脂を主体とするプラスチックを原料としてプラスチック成形体を製造した。プラスチックを押出成形機に供給して加熱しつつ圧縮(圧密化)し、150℃の加熱温度(押出成形温度)で押出成形した。得られたプラスチックの成形体(体積1200cm)を常温で40℃以下まで冷却(空冷)した後、体積が300cmになるように4等分に切断し、プラスチック成形体の製品を得た。無作為に抽出した10個のプラスチック成形体の見かけ密度を液中秤量法で測定し、それらの測定値の平均値をもって製品の見かけ密度とした。また、無作為に抽出した10個のプラスチック成形体について、それらの重量を測定するとともに、成形体の径と長さを測定し、円柱とみなして表面積を計算することで、比表面積を算出し、それらの測定値(算出値)の平均値をもって製品の比表面積とした。
・比較例1
発明例1と同様の条件でプラスチックを押出成形し、得られたプラスチックの成形体を水冷装置で冷却(急冷)した。その他の条件は発明例1と同じである。
・比較例2
プラスチックの加熱温度(押出成形温度)を200℃とした以外は、発明例1と同様の条件でプラスチックを押出成形し、得られたプラスチックの成形体を水冷装置で冷却(急冷)した。その他の条件は発明例1と同じである。
・比較例3
プラスチックの加熱温度(押出成形温度)を130℃とした以外は、発明例1と同様の条件でプラスチックを押出成形し、得られたプラスチックの成形体を常温で40℃以下まで冷却(空冷)した。その他の条件は発明例1と同じである。
発明例1、比較例1~3で製造されたプラスチック成形体について、それらの見かけ密度を比較した結果を以下に示す。
発明例1で製造されたプラスチック成形体(製品)の見かけ密度は0.95g/cm(比表面積0.9cm/g)であった。これに対して、比較例1で製造されたプラスチック成形体(製品)の見かけ密度は0.66g/cm(比表面積1.3cm/g)であった。これは押出成形後の冷却が水冷(急冷)であったため、プラスチック成形体内に成形時に生じたガスが残存していたためであると考えられる。また、比較例2で製造されたプラスチック成形体(製品)の見かけ密度は0.81g/cm(比表面積1.2cm/g)であった。これは高温加熱によって塩素ガスの発生が促進されたため、プラスチック成形体内の残存ガス量が増加したためであると考えられる。また、比較例3で製造されたプラスチック成形体(製品)の見かけ密度は0.67g/cm(比表面積1.3cm/g)であった。これは加熱が十分でなかったため、プラスチックが十分に溶融されずに、多数の空隙が生成されてしまったためであると考えられる。
以上の結果から、本発明法は、比較例1~3の方法に比べて欠点がなく有意な操業ができることが確認できた。
1 押出成形機
2 冷却設備
3 切断機
4 減圧手段
5 排気管
10 ケーシング
11 スクリュー軸
12 供給口
13 ダイ
14 発熱体
15 排気口
a 成形体
A プラスチック成形体

Claims (9)

  1. 熱可塑性樹脂を主体とするプラスチックを、押出成形機において140℃超180℃未満の温度に加熱した状態で押出成形してプラスチックの成形体を得るとともに、得られたプラスチックの成形体を40℃以下まで空冷することで、体積が200cm以上、見かけ密度が0.9~1.1g/cmのプラスチック成形体を製造することを特徴とするプラスチック成形体の製造方法。
  2. 押出成形機内のガスを吸引して機内を大気圧未満に減圧しつつプラスチックを押出成形することを特徴とする請求項1に記載のプラスチック成形体の製造方法。
  3. 押出成形で得られたプラスチックの成形体を40℃以下まで空冷する際の平均冷却速度が10℃/分未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック成形体の製造方法。
  4. 押出成形で得られたプラスチックの成形体を切断機で体積200~1000cmの大きさに切断してプラスチック成形体とすることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のプラスチック成形体の製造方法。
  5. プラスチック成形体の比表面積が0.6~1.1cm/gであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のプラスチック成形体の製造方法。
  6. 押出成形で得られたプラスチックの成形体を保温カバー付きのピットまたは容器内で40℃以下まで空冷することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のプラスチック成形体の製造方法。
  7. 熱可塑性樹脂を主体とするプラスチックを、140℃超180℃未満の温度に加熱した状態で押出成形してプラスチックの成形体を得るための押出成形機と、該押出成形機で得られたプラスチックの成形体を40℃以下まで空冷するための冷却設備を備えることを特徴とするプラスチック成形体の製造設備。
  8. さらに、押出成形機内のガスを吸引して機内を大気圧未満に減圧するための減圧手段を有することを特徴とする請求項に記載のプラスチック成形体の製造設備。
  9. さらに、押出成形機で得られたプラスチックの成形体を体積200~1000cmの大きさに切断するための切断機を備えることを特徴とする請求項またはに記載のプラスチック成形体の製造設備。
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