JP3178249B2 - 発泡ポリウレタン付樹脂の連続再生処理法 - Google Patents

発泡ポリウレタン付樹脂の連続再生処理法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡ポリウレタン付樹
脂の連続再生処理法に関し、さらに詳細には、圧力調整
機構を備えているかまたは備えていない押出機を使用し
て、溶融した樹脂中に含まれる発泡ウレタン樹脂を、高
温・高圧の処理液および/または処理液蒸気と接触させ
て微細化し、溶融樹脂中に均一分散させることによる、
もとの樹脂(バージン材)に比べ物性の低下が少なく、
かつ、生産性の高い発泡ポリウレタン付樹脂の連続再生
処理法に関する。
【0002】本発明の方法によれば、発泡ウレタン樹脂
で多層成形され、インスツルメントパネル(インパネ)
基材とは異なる材質の表皮の付いていない、または、表
皮が除去された自動車用インスツルメントパネルの廃材
を、圧力調整機構を備えるかまたは備えていない2軸ス
クリュー型押出機に供給可能なレベルに破砕したもの
を、該2軸スクリュー型押出機に供給して、高温・高圧
の処理液および/または処理液蒸気と一定の温度・圧力
条件下で接触させることによって、発泡ウレタン樹脂
(発泡ポリウレタン)を分解し、再利用に際し発泡ポリ
ウレタン付樹脂が有害にならないレベルまで微細化し、
溶融樹脂内に均一に分散させることにより、すなわち、
発泡ポリウレタンの分解と樹脂中への均一分散を同時に
行うことにより、インパネなどの材料として再利用が可
能となる。
【0003】
【従来の技術およびその問題点】自動車の製造段階で発
生する成形不良のインパネや廃車、修理交換などにより
発生する廃インパネは、粉砕した後、低級なシート材な
どとしてリサイクルが可能であるものの、貼り合わされ
た発泡ポリウレタンの容易な分離方法が開発されておら
ず、近年埋め立て処分を主としてきた。しかしながら、
埋め立て地の制約などからリサイクル技術の開発が課題
となり、その試みの1つとして、多層成形したインパネ
を単に粉砕、ペレット化し成形しただけの再生材をイン
パネなどの材料として再利用しようとする検討がなされ
た。
【0004】しかし、このような単純リサイクル材で
は、比較的大きな発泡ポリウレタン片(100μm以
上)が基材樹脂中に分散し、異物として物性、特に耐衝
撃性(衝撃強さ、脆化温度)に悪影響を及ぼし、インパ
ネなどの要求性能が悪化すること、また、大きな発泡ポ
リウレタン片が成形体の表面に存在すると、外観、品質
にも悪影響を与えることなどにより、インパネなどに再
利用することは品質上不可能であった。したがって、多
層成形された廃インパネを元のインパネなどにリサイク
ルするためには、貼り合わされた発泡ポリウレタンの剥
離など、発泡ポリウレタンに対して何らかの処理を施す
ことが必要であったのである。
【0005】発泡ポリウレタン付樹脂からの発泡ポリウ
レタンの分離方法としては、以下の機械的剥離方法が一
般に知られているが、それぞれ、以下の問題点がある。
押出し/スクリーンメッシュ法は、発泡ポリウレタン付
樹脂を粉砕後、押出機にて溶融させ、ダイスの手前でス
クリーンにより発泡ポリウレタン片を除去する方法であ
るが、すぐにスクリーンが目詰りを起こし、ベントアッ
プしたりスクリーンをむりやり発泡ポリウレタン片が通
り抜けてしまったりする問題がある。比重差分離法は、
インパネ基材であるポリプロピレンと発泡ポリウレタン
の比重の差を利用し、発泡ポリウレタンを分離する方法
であるが、インパネ材を微粉砕することが必要なので、
経済的な微粉砕技術の開発が必要となる。また、貼り合
わされた発泡ポリウレタンを基材樹脂から完全に剥離す
ることが困難である。振動圧縮法は、特殊装置を使用し
て多層成形されたインパネ粉砕品に圧縮と振動を与え、
貼り合わされた発泡ポリウレタンを分離するという特異
な方法であり、環境負荷が小さいことや廃インパネに付
着している汚れの混入に対処できるなどの利点があるも
のの、再生インパネ材の品質改善のためには、発泡ポリ
ウレタンとポリプロピレン基材とを完全に分離すること
が困難であり、ポリプロピレン基材の全量を回収するこ
とはできず、未だ改良の余地があるものである。さら
に、特開平6−8249号公報には、インパネなどのよ
うに貼合材を有するプラスチック製品から、プラスチッ
ク体に別体として貼り合わされた貼合材を高圧噴流水を
吹き付けることによってプラスチック体から機械的に剥
離させ、得られるプラスチック体を破砕・再生利用する
方法が開示されているが、処理時間が長く、複雑曲面上
の発泡ポリウレタンの剥離が困難であるなどの問題があ
る。
【0006】また、溶剤膨潤法、アルカリ液煮沸法、酸
性液煮沸法、有機塩系溶剤処理法などの公知の化学的剥
離法は、酸あるいはアルカリの溶剤に浸漬し発泡ポリウ
レタンを分解もしくは物理的に剥離する方法であるが、
溶剤の種類によっては基材樹脂が膨潤したり浸食された
りし、再生材の品質が低下するなどの問題がある。ま
た、基材樹脂へのダメージがない溶剤では、剥離に非常
に時間がかかり、生産性の点で問題がある。さらには、
中和工程を必要とするなど、廃液処理にかなりコストが
かかる点の他、処理に使用される有機溶剤が環境に及ぼ
す影響が懸念されるなどの問題点があった。
【0007】一方、発泡ウレタン樹脂(発泡ポリウレタ
ン)の分解再生方法についても、種々の方法が提案され
ている。例えば、特公昭42−10634号公報、米国
特許第3117940号明細書、米国特許第34041
03号明細書などには、発泡ポリウレタンをアミンとと
もに加熱して分解する方法が、そして、特公昭43−2
1079号公報および特公昭48−5280号公報に
は、発泡ポリウレタンをアミン化合物とアルカリ金属の
水酸化物などとからなる分解試薬中で分解する方法が開
示されている。特公昭46−20069号公報では、炭
素数2〜6のグリコールを用いる発泡ポリウレタンの加
熱分解法が、そして、特開昭48−28407号公報で
は、炭素数2〜6のグリコールおよび0〜10重量%の
ジアルカノールアミンを用いる発泡ポリウレタンの加熱
分解法が開示されている。また、発泡ポリウレタンをル
イス酸とともにポリオール中で加熱し、次いでアミン類
を添加して分解する方法(特開昭51−39610
号)、発泡ポリウレタンを、アルコールまたはアルコー
ルもしくはアミンのアルキレンオキシド付加物のアルコ
キシド、またはこれらのアルコキシドと水酸化アルカリ
の併用により加熱分解する方法(特開昭51−7409
7号や特公昭53−4038号)、発泡ポリウレタン
を、アルコールまたはアミンポリオールを部分的にアル
コラート化したものにアミンを併用するか、またはこれ
に金属水酸化物を添加し、加熱分解する方法(特公昭5
3−40236号)、発泡ポリウレタンを炭素数2〜6
の脂肪族ジオール類とともに加熱分解する方法(特公昭
53−29359号)、発泡ポリウレタンを脂肪族ジオ
ールと少量のジアルカノールアミンとの混合物とともに
加熱分解する方法(米国特許第3738946号)、発
泡ポリウレタンを、アルカリ金属、アルカリ土類金属、
周期律表第III 族、第IV族、第VI族または第VIII族に属
する金属などの水酸化物を触媒として不活性ガス雰囲気
中で加熱分解する方法(特公昭53−19355号)な
ども提案されている。さらにまた、発泡ポリウレタンの
加水分解法として、特開昭51−16380号公報に
は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、
炭酸塩、炭酸水素塩などの水溶液中で、発泡ポリウレタ
ンを加熱し、加水分解する方法が開示されている。
【0008】しかしながら、上記の各特許公報記載の提
案方法は、いずれも、ポリウレタン屑からポリウレタン
原料を再生する方法に関するものであり、例えばインパ
ネのような発泡ポリウレタン付樹脂から発泡ポリウレタ
ンを分解除去して基材樹脂を回収し、再利用する方法に
ついては何ら開示されていないのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、処理
条件および処理工程が簡単であり、かつ、元の基材樹脂
に対して物性低下が少ない発泡ポリウレタン付樹脂の連
続的で安定的な再生処理方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、押出機中
で、溶融した発泡ポリウレタン付樹脂を高温・高圧の処
理液および/または処理液蒸気と接触させることによ
り、発泡ポリウレタン付樹脂を連続的、かつ、安定的に
再生する方法を開発すべく、鋭意検討した結果、水また
は特定のアルコールを用いるとともに、装置として、シ
リンダー加熱装置、スクリュー構成、注入・排気システ
ムなどに工夫をこらした押出機、特に2軸スクリュー型
押出機を使用することにより、前記の方法が可能となる
ことを見出し、本発明に到達した。
【0011】すなわち、本発明の方法は、(a)発泡ポ
リウレタン付樹脂供給口、(b)固体輸送ゾーン、
(c)溶融ゾーン、(d)溶融体輸送ゾーン、および、
(e)再生樹脂吐出口(ダイ)からなり、シリンダーの
(c)溶融ゾーンおよび/または(d)溶融体輸送ゾー
ンとなる個所に少なくとも1つの高圧の処理液および/
または処理液蒸気の注入口および少なくとも1つの排気
口(ベント)を設けるとともに、シリンダーの前記注入
口と前記排気口との中間部には、処理液蒸気の排出孔と
それに接続された配管とを設けるか、または、処理液蒸
気の排出孔とそれに接続された配管と該配管内に設けら
れた圧力調整弁とを備えてなる圧力調整機構を設けるか
し、かつ、シリンダーの前記注入口の上流側(発泡ポリ
ウレタン付樹脂供給口側)となる個所およびシリンダー
の前記処理液蒸気の排出孔と前記排気口との間となる個
所に、注入して高温・高圧状態となった処理液および/
または処理液蒸気を封入するための溶融樹脂によるシー
ル部を形成し、また、該シール部間には、混練を主体と
した働きをする形状のスクリューを設けたような構造を
有する押出機、特には2軸スクリュー型押出機を使用
し、該押出機中で、溶融した樹脂中に含まれる発泡ポリ
ウレタンを高温・高圧の処理液および/または処理液蒸
気と接触させて微細化し、該発泡ポリウレタンを溶融樹
脂中に均一微細分散させるに際し、 (1)前記処理液として、(a)水および/または親水
性アルコール、または、(b)炭素数4〜10の脂肪族
飽和一価アルコール、炭素数5以上の脂環式一価アルコ
ールまたは炭素数7以上の芳香族一価アルコールからな
る群から選ばれ、かつ、融点が50℃以下である少なく
とも1種以上の疎水性アルコールを用いること、 (2)前記高温・高圧の処理液および/または処理液蒸
気の供給量を、処理されるべき前記発泡ポリウレタン付
樹脂1kg/H当り、少なくとも0.02kg/H以上
とすること、および (3)前記処理液として前記(a)の水を用いる場合、
前記発泡ポリウレタン付樹脂と該処理液との接触処理温
度を少なくとも180℃以上とすることにより達成でき
る。
【0012】以下に本発明の方法を詳しく説明する。本
発明の方法においては、発泡ポリウレタンが、高温・高
圧の処理液および/または処理液蒸気と接触して分解・
劣化を起こすと同時に機械的に粉砕され、低分子量化し
て微粒子にまで分解し、基材樹脂中に分散するのであ
る。したがって、本発明に使用される発泡ポリウレタン
付樹脂のウレタン成分としては、少なくとも高温・高圧
の処理液および/または処理液蒸気と接触して分解・劣
化などにより細分化するものであればよく、特に限定さ
れるものではないが、ウレタン結合を有する樹脂、特に
硬質、半硬質、軟質の発泡ポリウレタンなどが好適に挙
げられる。
【0013】本発明の方法においては使用される前記発
泡ポリウレタン成分が付着された基材樹脂としては、前
記発泡ポリウレタンと高温・高圧の処理液および/また
は処理液蒸気との接触条件下で分解されにくい熱可塑性
樹脂であれば、特に限定されるものではないが、例え
ば、ポリプロピレン、エラストマー変性ポリプロピレ
ン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリフェニレ
ンオキシド、変性ポリフェニレンオキシドなどのポリフ
ェニレンオキシド系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂および
これらの樹脂を無機フィラーで強化した樹脂などが好ま
しい。これらの中でも自動車用インパネ材料の主流にな
っているポリオレフィン、特にポリプロピレンを主体と
した樹脂およびAS樹脂の無機フィラー強化樹脂を好適
に挙げることができる。
【0014】そして、本発明の方法において用いられる
発泡ポリウレタン付樹脂としては、上述の基材樹脂の外
表面、内表面を問わずその全部または一部に、前記ウレ
タン結合を有する樹脂が貼り合わされた樹脂製品が挙げ
られる。すなわち、これらは、その本来の用途にて使用
され、用済みとなった製品、あるいは、使用することを
目的に製造されたが不良品となってしまったものなどで
あり、前記ウレタン結合を有する樹脂と前記基材樹脂を
貼合一体化成形法により各種形状に成形した、基材樹脂
の外表面、内表面を問わずその全部または一部に、前記
ウレタン結合を有する樹脂が貼り合わされた樹脂製品全
般のことである。これらの発泡ポリウレタン付樹脂の代
表的なものとして、ポリプロピレンまたはAS樹脂の無
機フィラー強化樹脂からなる基材に発泡ポリウレタンが
貼り合わされた自動車用のインスツルメントパネル(イ
ンパネ)を好適に挙げることができる。
【0015】本発明の方法における前記発泡ポリウレタ
ン付樹脂との接触において前記発泡ポリウレタンを分解
する処理液としては、 (1)水、 (2)少なくとも1種以上の親水性アルコール (3)親水性アルコール水溶液および (4)少なくとも1種以上の疎水性アルコール からなる群から選ばれる1つが用いられる。親水性アル
コールとしては、常温において、水と任意の割合で混ざ
り合い均一相を形成するアルコールであれば、特に限定
されるものではない。具体的には、メチルアルコール、
エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、エチレングリコール、メチルセルソル
ブ、エチルセルソルブなどを好適に挙げることができ
る。これらの親水性アルコールは、単独で使用してもよ
く、または2種以上を混合して使用してもよい。また、
処理液として上記親水性アルコールの水溶液を使用する
場合は、水および上記親水性アルコールの混合割合は、
重量比で水/アルコール=100/0〜0/100の範
囲で任意に選ぶことができ、特に限定されるものではな
い。
【0016】本発明の方法で使用される前記疎水性アル
コールとしては、(a)炭素数4〜10の脂肪族飽和一
価アルコール、炭素数5以上の脂環式一価アルコールま
たは炭素数7以上の芳香族一価アルコールからなる群か
ら選ばれること、(b)融点が50℃以下であること、
好ましくは常温で液体であること、および(c)常温に
おいて、水と任意の割合で自由に混ざり合わない疎水性
のアルコール、すなわち、常温での水に対する溶解度が
90g/l以下である疎水性アルコールであること、の
3つの条件を満たすものでなければならない。ただし、
上記(a)および(c)の条件を満たす疎水性アルコー
ルであっても、融点が50℃を超えるものは、押出機内
への供給に際してアルコールの溶融のために時間がかか
るし、また、エネルギーコスト的にも不利であるので好
ましくい。なお、上記において、常温とは25℃以下の
室温をいう。
【0017】上記炭素数4〜10の脂肪族飽和一価アル
コールとしては、n−ブチルアルコール、イソブチルア
ルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチ
ルアルコール、n−アミルアルコール、イソアミルアル
コール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘ
キサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、1
−オクタノール、2−オクタノール、1−ノナノール、
2−ノナノール、1−デカノール、2−デカノールなど
が具体的に挙げられる。炭素数5以上の脂環式一価アル
コールとしては、シクロペンタノール、シクロヘキサノ
ールなどが挙げられる。また、炭素数7以上の芳香族ア
ルコールとしては、ベンジルアルコール、β−フェニル
エチルアルコール、メチルフェニルカルビノールなどが
具体例として挙げられる。これらの疎水性アルコールは
単独で使用してもよく、互いに混ざり合う2種以上を混
合して使用してもよい。
【0018】本発明の方法では、人手の容易性や操作性
などを考慮すれば、上述の親水性および疎水性アルコー
ルの中でも、メチルアルコール、エチルアルコール、イ
ソプロピルアルコールなどの親水性アルコール、n−ブ
チルアルコール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノー
ル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールなどの疎
水性アルコールの使用が好ましい。
【0019】本発明の方法では、前記発泡ポリウレタン
付樹脂を前記高温・高圧の処理液および/または該処理
液の蒸気と接触させて前記発泡ポリウレタンを分解させ
るのであるが、その際に、アルカリ触媒を添加してもよ
い。本発明で使用するアルカリ触媒としては、水酸化リ
チウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアル
カリ金属の水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属の水酸
化物および水酸化アルミニウムなどの他、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩、炭酸マ
グネシウム、炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属の
炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの
アルカリ金属の炭酸水素塩、酢酸ナトリウムなどのアル
カリ金属の酢酸塩、ナトリウムメチラート、ナトリウム
エチラート、カリウムメチラート、カリウムエチラート
などのアルカリ金属アルコラートなどが好適に挙げら
れ、これらの中でも、特に前記のアルカリ金属およびア
ルカリ土類金属の水酸化物や水酸化アルミニウムの使用
が好ましい。なお、前記処理液として前述のアルコール
を使用し、かつ、アルカリ触媒として前記アルカリ金属
アルコラートを添加する場合、該アルカリ金属アルコラ
ートはあらかじめ生成させたものがよいが、その場でナ
トリウム、カリウムなどのアルカリ金属を直接アルコー
ルに添加してアルコラートを生成させてもよい。これら
のアルカリ触媒は、後述するように 好ましくは使用さ
れる処理液に溶解させた状態もしくは粉末の形で供給さ
れ、前記発泡ポリウレタン成分の、前記高温・高圧の処
理液および/または処理液蒸気との接触による分解反応
を促進する、すなわち、該分解反応に対し、触媒作用を
するのである。
【0020】前記アルカリ触媒の添加量は、押出機内へ
供給される前記の発泡ポリウレタン付樹脂に混入しても
基材樹脂の性能を損ねない範囲であればよく、特に限定
されるものではないが、基材樹脂がポリプロピレンであ
る場合、2.5重量%以下が望ましい。添加量が2.5
重量%より多い場合は、添加されるアルカリ触媒が基材
樹脂を浸食したり、再生樹脂中へ混入していくアルカリ
触媒が再生樹脂の物性に悪影響を与えるなど、好ましく
ない。アルカリ触媒の添加方法としては、発泡ポリウレ
タンを含む樹脂の破砕品に添加して、押出機のシリンダ
ー上流端の発泡ポリウレタン付樹脂供給口から供給する
方法、あるいは、前記注入口から押出機内に供給する前
記処理液に溶解して供給する方法などが適当である。
【0021】本発明の方法において、押出機中で発泡ポ
リウレタン付樹脂を前記処理液および/または処理液蒸
気と接触させる際の温度は、使用される基材樹脂や発泡
ポリウレタンの種類などによって選定されるものであ
り、通常、基材樹脂の溶融点以上、熱劣化温度以下であ
ればよく、この範囲内で、発泡ポリウレタンの分解に適
した一定の温度に維持すればよい。しかし、基材樹脂の
劣化が起こらない範囲では、温度はできるだけ高い方が
発泡ポリウレタンの分解・微細化が効率よく行われるの
で好ましい。そして、この時の圧力は、押出機内の発泡
ポリウレタン付樹脂と前記処理液および/または処理液
蒸気との接触ゾーンに気液共存状態を創出できるような
圧力であればよい。したがって、本発明の方法において
使用される押出機内での高温・高圧の処理液および/ま
たは処理液蒸気の温度および圧力は、使用される発泡ポ
リウレタン付樹脂の種類によって該発泡ポリウレタンの
分解に最適の条件が選ばれるべきであり、一概には限定
できないが、発泡ウレタン樹脂(発泡ポリウレタン)が
貼り合わされたポリプロピレン製インパネ材を水および
/または水蒸気と接触処理する場合は、180〜250
℃、9.2〜39.5kg/cm2 Gが適当であり、1
90〜235℃、11.8〜30.2kg/cm2 Gが
より好ましい。また、前記インパネ材をエチルアルコー
ルおよび/またはその蒸気と接触処理する場合は、16
0〜212℃、13〜40kg/cm2 Gが適当であ
り、180〜188℃、21〜25kg/cm2 Gがよ
り好ましい。処理物質として水および/または水蒸気を
使用する場合、接触処理温度が180℃よりも低いと、
発泡ポリウレタンの分解速度が著しく低下するし、25
0℃より高くなると、基材樹脂であるポリプロピレンの
熱劣化が起こるので、いずれも好ましくない。また、処
理物質としてエチルアルコールおよび/またはエチルア
ルコールの蒸気を使用する場合、接触処理温度が160
℃よりも低いと、基材樹脂であるポリプロピレンの溶融
が不十分となり、発泡ポリウレタン付樹脂の連続再生処
理が困難となるし、212℃より高くなると、前記接触
ゾーンの圧力が40kg/cm2 Gを超え、前記接触ゾ
ーンにおいて気液共存状態の創出が不十分となるので、
いずれの場合も好ましくない。一方、接触処理圧力が
9.2kg/cm2 Gより低い場合(処理物質として水
および/または水蒸気を使用する時)や該圧力が13k
g/cm2 Gより低い場合(処理物質としてエチルアル
コールおよび/またはエチルアルコールの蒸気を使用す
る時)は、発泡ポリウレタンの分解反応速度が遅くなる
ので好ましくない。そして、処理液として水および/ま
たは水蒸気を使用する場合、前記圧力が39.5kg/
cm2 Gを超えると、前記接触ゾーンの温度が250℃
より高くなって、ポリプロピレンの熱劣化が起こるよう
になるし、また、処理液としてエチルアルコールおよび
/またはエチルアルコールの蒸気を使用する場合は、前
記圧力が40kg/cm2 Gより高くなると、前記接触
ゾーンにおける気液共存状態の創出が不十分となり、発
泡ポリウレタンの分解反応率の低下を招くので、いずれ
の場合も好ましくない。なお、これらの好ましくない現
象の発生を確実に防止し、発泡ポリウレタンの分解を効
果的に行うためには、接触処理温度および圧力は、上述
の好ましい範囲内とする方がよい。
【0022】ところで、本発明の方法は、発泡ポリウレ
タン付樹脂の破砕品を溶融し、次いで、高温・高圧の処
理液および/または処理液蒸気と接触させて発泡ポリウ
レタンを分解・微細化するとともに、微細化した発泡ポ
リウレタンと溶融した樹脂とを混練し、発泡ポリウレタ
ンを溶融樹脂中に均一分散した後、系外へ排出できるよ
うな機能を有する押出機を使用することを特徴としてお
り、このような押出機としては、2軸スクリュー型押出
機(噛合い型/非噛合い型、同方向回転型/異方向回転
型)、特殊単軸押出機、多軸押出機、2軸反応機などが
好適に挙げられる。これらの中では、2軸噛合い型同方
向(または異方向)回転の2軸スクリュー型押出機が特
に好ましい。
【0023】本発明の方法に特に好適に使用される2軸
スクリュー型押出機は、前述したように、一端に発泡ポ
リウレタン付樹脂供給口が、そして他端に再生樹脂吐出
口、すなわちダイがそれぞれ設けられたシリンダーと、
前記シリンダー内に、回転駆動され、互いに噛み合う2
軸のスクリューと、前記シリンダーの外周囲に前記シリ
ンダーを外側から加熱または冷却する伝熱装置とが備え
られたものである。
【0024】そして、前記シリンダー内のスクリュー構
成としては、固体輸送ゾーン、溶融ゾーン(可塑化ゾー
ン)および溶融体輸送ゾーンからなっており、溶融体輸
送ゾーンは、さらに、高温・高圧の処理液および/また
は処理液蒸気との接触ゾーン、脱揮ゾーンおよび昇圧ゾ
ーンからなっていることが好ましい。発泡ポリウレタン
付樹脂は、前記シリンダー内に前記シリンダーと前記ス
クリューとで構成される空間部を、前記スクリューの回
転駆動によって、固体輸送ゾーン、溶融ゾーン、接触ゾ
ーン、脱揮ゾーンおよび昇圧ゾーンの順で移動していく
のであるが、特に接触ゾーンでの発泡ポリウレタンを含
む樹脂の滞留時間を長くするために、スクリュー長さ
は、可能な限り長くした方がよい。通常は、シリンダー
径の20〜60倍の長さが好ましい。なお、2軸反応機
については、シリンダー径の5〜20倍の長さが好まし
い。
【0025】本発明の方法における前記スクリューを構
成する前記各ゾーンは、以下に示すような機能を持つも
のである。固体輸送ゾーンは、前記シリンダーの上流端
に設けられた発泡ポリウレタン付樹脂供給口から供給さ
れた発泡ポリウレタン付インパネ廃材などの発泡ポリウ
レタン付樹脂の破砕品を、回転駆動によって互いに噛み
合う2軸のスクリューによる推進力によって、次の溶融
ゾーン、すなわち、可塑化ゾーンへ移送するものであ
る。なお、該固体輸送ゾーンに供給される発泡ポリウレ
タン付樹脂は、前記シリンダーの上流端に設けられた発
泡ポリウレタン付樹脂供給口から供給でき、かつ、下流
側の高温・高圧の処理液および/または処理液蒸気との
接触ゾーンで、発泡ポリウレタンの分解・微細化が効率
的に行えるよう、あらかじめ、粉砕機などで30mm以
下、好ましくは10mm以下に破砕された破砕品を使用
するのが望ましい。
【0026】溶融ゾーンは、前記発泡ポリウレタン付樹
脂の破砕品を混練エレメント(ニーディングディスク)
で加熱溶融して可塑化するものである。この溶融ゾーン
となる個所、もしくは、次の溶融体輸送ゾーンの最上流
部である高温・高圧の処理液および/または処理液蒸気
との接触ゾーンとなる個所の上流端部近くの前記シリン
ダーには、高圧の処理液および/または高温・高圧の処
理液蒸気の注入口が少なくとも1つ設けられている。こ
の注入口からは、所定量の処理液が、高圧の液体状態
(該処理液として常温で固体であるアルコールを使用す
る場合は、あらかじめ加熱するなどして液体状態を保
持)および/または高温・高圧の蒸気状態として供給さ
れるのである。そして、溶融ゾーンとなる個所または高
温・高圧の処理液および/または処理液蒸気との接触ゾ
ーンとなる個所であって、前記高圧の処理液および/ま
たは高温・高圧の処理液蒸気の注入口の上流側(発泡ポ
リウレタン付樹脂供給口側)には、前記シリンダーと前
記スクリューとで構成される空間部に、前記接触ゾーン
で高温・高圧状態となった処理液および/または処理液
蒸気を封入し、したがって、該高温・高圧の処理液およ
び/または処理液蒸気の圧力に打ち勝って蒸気圧を保持
できるように溶融樹脂の充満域、すなわち、シール部が
形成されており、これにより、発泡ポリウレタン付樹脂
フィード側への蒸気の逆流を防止することができるよう
になっている。
【0027】また、本発明の方法では、前記接触ゾーン
での発泡ポリウレタンの分解反応を効率的に行うため
に、供給された高圧の処理液および/または高温・高圧
の処理液蒸気による蒸気の保持領域、すなわち、処理液
蒸気/処理液−溶融樹脂系の気液共存状態に基づく空隙
部を設ける必要があり、そのためには、前述したよう
に、溶融ゾーンもしくは接触ゾーン内の、前記シリンダ
ーと前記スクリューとで構成される空間部に溶融樹脂の
充満域(シール部)を形成する一方、前記接触ゾーンに
設けられた後述する処理液蒸気の排出孔の下流側(再生
樹脂吐出口側)から、次の脱揮ゾーンに設けられた後述
する排気口(ベント)の上流側(発泡ポリウレタン付樹
脂供給口側)にかけての、前記シリンダーと前記スクリ
ューとで構成される空間部にも溶融樹脂の充満域(シー
ル部)が形成されている。これら溶融樹脂の充満域長さ
は、上述した目的からして、前記空隙部の圧力に抗する
樹脂シール部を創出できるような長さにするべきであ
り、供給される発泡ポリウレタン付樹脂の種類や処理
量、高圧の処理液および/または高温・高圧の処理液蒸
気の注入量、押出機内の処理液および/または処理液蒸
気の温度・圧力、使用される押出機のシリンダー内径な
どによって決まってくるものであり、一概には言えない
が、通常シリンダー径の1〜10倍が好ましい。
【0028】なお、前記処理液および/または処理液蒸
気の注入口から供給される処理液および/または処理液
蒸気の圧力は、前記接触ゾーン内に高温・高圧の処理液
および/または処理液蒸気による蒸気の保持領域を創出
するために、該接触ゾーンでの処理液の蒸気圧以上の圧
力とするのが好ましい。前記注入口から高圧の処理液を
注入する場合、処理液の温度は特に限定されないが、常
温の処理液(ただし、常温で固体であるアルコールを使
用する場合は、あらかじめ加熱して液体状態としたも
の)が取扱い上便利である。そして、押出機内に注入さ
れた高圧の処理液は、該押出機内で加熱され、前述した
ような発泡ポリウレタンの分解に適した高温・高圧状態
にされるのである。
【0029】さらに、本発明では、前記接触ゾーン内の
前記空隙部を形成する領域において、前記スクリューの
回転駆動によって溶融樹脂の内部に存在する発泡ポリウ
レタンを積極的に表面(樹脂と空隙部との境界面)を露
出させるとともに、処理液および/または処理液蒸気を
溶融樹脂内に積極的に浸透させて樹脂内部の発泡ポリウ
レタンとの接触機会を多くするような表面更新部が設け
られるようにするのが望ましい。
【0030】ところで、前記接触ゾーンを通過し、前記
所望の程度にまで微細化された発泡ポリウレタンを含む
樹脂は、処理液蒸気または処理液を含んでおり、そのま
ま後述する前記シリンダーの再生樹脂吐出口(ダイ)に
設けられたダイスノズル部より押出すと該樹脂が発泡状
態となり、ストランドが引けなくなる恐れがある。そこ
で、本発明の方法で使用される押出機には、前記溶融体
輸送ゾーンの前記接触ゾーンの下流側に脱揮ゾーンが設
けられており、該ゾーンを形成する個所の前記シリンダ
ーに少なくとも1つの排気口(ベント)が設けられてい
る。そして、この排気口(ベント)から大気中へ放出す
るか、またはナッシュポンプなどの公知の真空装置によ
って真空ベントすることにより、樹脂中の処理液を取除
くようにしている。
【0031】しかしながら、前記排気口からの大気放出
または真空ベントでは水やアルコールなどの揮発成分の
みしか除去できないので、不純物を積極的に排出する目
的で、該不純物を樹脂と一緒に前記再生樹脂吐出口(ダ
イ)のダイスノズル部より発泡状態で放出させ、その後
熱水などで洗浄することもできる。したがって、本発明
の方法で使用される押出機のスクリュー構成として、該
脱揮ゾーンは絶対に必要とされるものではない。
【0032】溶融体輸送ゾーンの最終段階は、昇圧ゾー
ンである。この昇圧ゾーンには、その終端部の前記再生
樹脂吐出口(ダイ)にダイスノズル部が設けられてお
り、前記脱揮ゾーンで脱揮された溶融樹脂、あるいは、
その目的によっては脱揮されていない水および/または
アルコールを含んだままの溶融樹脂を、圧縮して該ダイ
スノズル部の抵抗に打ち勝ってノズル穴を通過できるだ
けの十分な圧力を与えることにより、前記ノズル穴より
押出してストランド状、あるいはまた、発泡状態で前記
再生樹脂吐出口(ダイ)から放出するのである。したが
って、昇圧ゾーンの圧力は、押出機に供給される発泡ポ
リウレタン付樹脂の種類・処理量などによっても異なる
が、2〜150kg/cm2 G程度が望ましい。
【0033】以上のようにして、前記発泡ポリウレタン
付樹脂供給口から押出機中に供給された発泡ポリウレタ
ン付樹脂は、前記スクリューの回転駆動によって前記溶
融体輸送ゾーン、つまり接触ゾーン、脱揮ゾーンおよび
昇圧ゾーンを順次移動する間に、再生材として利用可能
なレベルまで発泡ポリウレタンが分解・微細化されると
ともに、該発泡ポリウレタン片が溶融樹脂中に混練・包
含されることによって、該発泡ポリウレタン片が前記溶
融樹脂内に均一微細分散されるのである。上記発泡ポリ
ウレタンの微細化の程度は、前記シリンダーの終端部に
設けられた再生樹脂吐出口(ダイ)から押出される発泡
ポリウレタンを含む樹脂をインパネ材などとして再利用
するに際し、該発泡ポリウレタン片の存在が物性などに
有害にならないレベルであれば、特に限定されるもので
はないが、通常25μm以下にすることが好ましく、よ
り好ましくは15μm以下にするのがよい。なお、前記
再生樹脂吐出口(ダイ)からストランド状で放出される
再生溶融樹脂は、特に限定されないが、さらに水冷水槽
にて冷却した後、ペレタイザーにて切断し、ペレット化
するのが望ましい。これら水冷水槽やペレタイザーは、
通常使用されているもので十分である。本発明の方法で
は、前記再生樹脂吐出口(ダイ)から放出される再生溶
融樹脂をホットカットやアンダーウォーターカッターで
の切断などの方法で切断することも可能である。また、
再生溶融樹脂のペレット化は必須のものではなく、射出
成形、押出成形、ブロー成形、トランスファー成形、プ
レス成形などの各種成形法により、前記再生樹脂吐出口
(ダイ)からストランド状で放出される再生溶融樹脂か
ら最終製品を直接成形することも可能である。
【0034】次に、本発明の方法における押出機、特に
上述したようなスクリュー構成を有する2軸スクリュー
型押出機の運転パラメータのうち、主要なものについて
説明する。発泡ポリウレタンの分解・微細化の程度は、
前記接触ゾーンでの発泡ポリウレタンを含む樹脂の温度
・圧力および滞留時間、樹脂内部の発泡ポリウレタンを
処理液および/または処理液蒸気が介在する表面に露出
させ、あるいは逆に、処理液および/または処理液蒸気
を樹脂内部に浸透分散させて樹脂内部の発泡ポリウレタ
ンと接触させる能力などにより決まってくるものであ
り、したがって、これらには、前記接触ゾーンでの反応
条件(温度および圧力)はもちろんのこと、発泡ポリウ
レタン付樹脂の処理量、処理液および/または処理液蒸
気の供給量、押出機のスクリュー構成およびスクリュー
回転数などが影響を与えるのである。
【0035】前記接触ゾーンでの反応温度が供給される
基材樹脂の溶融点未満の場合は、前記接触ゾーンでの基
材樹脂の溶融が不十分であり、結果として、発泡ポリウ
レタンと基材樹脂との混練も不十分であり、さらには、
混練に高いトルクを必要とし、場合によっては混練押出
機の運転ができなくなるなど、発泡ポリウレタン付樹脂
の連続再生処理に支障をきたすので好ましくない。ま
た、前記接触ゾーンでの反応温度が供給される基材樹脂
の熱劣化温度を超える場合には、発泡ポリウレタン付樹
脂が局部的に基材樹脂の熱劣化温度以上に加熱されて、
基材樹脂が劣化を起こし、得られる樹脂が再生材として
使用できなくなるので好ましくない。
【0036】一方、本発明においては、前記接触ゾーン
での反応圧力は、前述したように、前記接触ゾーン内に
処理液蒸気/処理液−溶融樹脂系の気液共存状態を創出
できるよう、上述の条件で選定された反応温度に相当す
る処理液の蒸気圧であることが望ましいが、前記接触ゾ
ーンに処理液蒸気/処理液−溶融樹脂系の気液共存状態
を維持しさえすれば、前記接触ゾーン内に第3成分(例
えば窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなどの不活
性ガスなど)を圧入することもできる。しかしながら、
設定された反応温度に相当する処理液の蒸気圧より低い
場合には、発泡ポリウレタンの分解反応速度が遅くなる
ため、発泡ポリウレタンを含む樹脂を再利用するために
所望される程度にまで発泡ポリウレタンを微細化できな
いので好ましくない。また、前記接触ゾーンでの反応圧
力を設定された反応温度に相当する処理液の蒸気圧より
高くした場合は、その圧力のために、前記接触ゾーンに
高温・高圧の処理液および/または処理液蒸気による蒸
気圧保持領域、すなわち、気液共存状態に基づく空隙部
を適性に形成するための、前記高圧の処理液および/ま
たは高温・高圧の処理液蒸気の注入口の上流側となる個
所および次記処理液蒸気の排出孔と前記排気口との間と
なる個所での溶融樹脂によるシールが不十分となり、し
たがって、発泡ポリウレタンを含む樹脂と高温の処理液
および/または処理液蒸気との接触が効率的に行われ
ず、発泡ポリウレタンの分解反応率が低くなるので好ま
しくない。なお、ここで本発明の方法において、前記処
理液としてメチルアルコールやエチルアルコールなどの
低沸点アルコールを使用する場合、反応圧力が40kg
/cm2 Gを超えると、前記接触ゾーンでの反応圧力を
設定された反応温度に相当する処理液の蒸気圧より高く
した場合と同様、後述する溶融樹脂の充満域(シール
部)での溶融樹脂によるシールが不十分となり、該溶融
樹脂の充満域からアルコールの蒸気が漏れ、前記接触ゾ
ーンにおける気液共存状態の創出が不十分となるため、
再生樹脂の物性にバラツキが生じるようになることに注
意しなければならない。したがって、前記処理液として
前述した親水性アルコールまたは疎水性アルコールを使
用する場合は、前記接触ゾーンでの反応圧力は、少なく
とも40kg/cm2 G以下とすることが望ましい。
【0037】本発明の方法においては、前記接触ゾーン
内に、圧力調整機構を設けることも可能である。この圧
力調整機構は、前記接触ゾーンに形成される高温・高圧
の処理液および/または処理液蒸気による蒸気圧保持領
域を気液共存状態にするとともに、該処理液の蒸気圧を
維持し、したがって、該処理液の蒸気圧に相当する温度
を維持し、これによって前記接触ゾーンでの高温・高圧
状態を発泡ポリウレタンの分解反応に好適な一定条件
(温度および圧力)に保つことを目的とするものであ
る。したがって、圧力調整機構は、上記の目的を達成し
得るものであれば特に制限されるものではないが、前記
脱揮ゾーンの上流側であって、前記接触ゾーンの終端近
くに位置する前記シリンダー(前記高圧の処理液および
/または高温・高圧の処理液蒸気の注入口と前記排気口
との中間部)に処理液蒸気の排出孔と、それに接続され
た配管と、該配管内に設けられた圧力調整弁とで構成さ
れることが好ましい。なお、本発明の方法において、上
記圧力調整機構は、必ずしも必要とはされないが、上記
圧力調整機構を設ける方が、上述の如く、前記接触ゾー
ンでの発泡ポリウレタンの分解反応条件(温度および圧
力)を一定に保つことができること、また、押出機の運
転において、サージング現象(押出量の変動)を防止す
ることができることなどのため好ましい。
【0038】また、本発明の方法においては、処理液蒸
気の排出孔とそれに接続された配管と該配管内に止弁が
設けられることにより、あるいはまた、前記圧力調整機
構が設けられることにより、押出機内に存在する過剰の
水および/またはアルコールやそれらの蒸気(処理液お
よび/または処理液蒸気)が前記処理液蒸気の排出孔か
ら配管を通して押出機系外へ排出され、したがって、絶
えず新鮮な処理液および/または処理液蒸気が押出機内
に供給されることになる。そして、前記過剰な水および
/またはアルコールやそれらの蒸気は、前記圧力調整
弁、あるいはまた、前記止弁を通過するまでは、その一
部もしくは全部が熱液状態に保たれており、該熱液に可
溶な成分である前記接触ゾーンでの分解生成物は、該熱
液とともに押出機系外へ排出されるのである。これによ
り、再生樹脂に対する不純物が減少する他、分解した発
泡ポリウレタン成分の再結合も少なくできるのである。
【0039】前記接触ゾーンでの発泡ポリウレタンを含
む樹脂の滞留時間、すなわち、発泡ポリウレタンの分解
反応時間は、長い程、発泡ポリウレタンの分解・微細化
が進む。そこで、前記接触ゾーンでの発泡ポリウレタン
を含む樹脂の圧力および温度、高温・高圧の処理液およ
び/または処理液蒸気の供給量、押出機のシリンダー
径、スクリュー構成、スクリュー長さおよびスクリュー
回転数などの運転パラメータを一定にして押出機を運転
する限り、反応時間は、発泡ポリウレタンを含む樹脂の
処理量に比例するのである。すなわち、前記発泡ポリウ
レタンを含む樹脂の処理量が少ない程、発泡ポリウレタ
ンの分解反応が進行し、該発泡ポリウレタンの微細化は
よくなるが、再生樹脂の生産効率の面からは逆効果とな
る。本発明の方法における前記発泡ポリウレタンを含む
樹脂の処理量の好ましい範囲は、上述した種々の運転パ
ラメータが複雑に影響し、一概には言えないが、実際的
には55mmφのシリンダー径およびL/D(シリンダ
ー径に対するスクリュー長さの比)=60の押出機では
10〜150kg/H、特に20〜100kg/Hが望
ましい。そして、55mmφ以外のシリンダー径の場合
には、下記数式1によって限定される範囲内の処理量で
あることが好ましい。
【0040】
【数1】
【0041】本発明の方法では、前記接触ゾーンでの発
泡ポリウレタンを含む樹脂と高温・高圧の処理液および
/または処理液蒸気との接触を効率的に行うためには、
前述したように、前記接触ゾーンに処理液蒸気/処理液
−溶融樹脂系の気液共存状態を創出し、前記高温・高圧
の処理液および/または処理液蒸気による蒸気圧を保持
した空隙部を適正に形成する必要があり、したがって、
前記接触ゾーンでの空隙率、つまり、前記接触ゾーン内
での前記空隙部の占める割合および処理液供給率、すな
わち、前記高圧の処理液および/または高温・高圧の処
理液蒸気の供給量を適正化する必要があるのである。前
記高圧の処理液および/または高温・高圧の処理液蒸気
の適正な供給量は、発泡ポリウレタンや基材樹脂の種
類、前記接触ゾーンでの発泡ポリウレタンを含む樹脂の
圧力・温度、供給される処理液および/または処理液蒸
気の圧力・温度などによっても異なるが、55mmφの
シリンダー径の押出機では、処理されるべき発泡ポリウ
レタン付樹脂(発泡ポリウレタンを含む樹脂)1kg/
H当り0.02〜1kg/H、好ましくは0.05〜
0.5kg/Hであるのが望ましい。前記高圧の処理液
および/または高温・高圧の処理液蒸気の供給量が前記
範囲より少ない場合は、前記接触ゾーンでの発泡ポリウ
レタンの分解反応率が低くなるので好ましくない。また
逆に、前記高圧の処理液および/または高温・高圧の処
理液蒸気の供給量が前記範囲より多い場合には、前記接
触ゾーンでの発泡ポリウレタンの分解反応率のそれ以上
の向上が望めないばかりか、脱揮ゾーンでの発泡ポリウ
レタン付樹脂からの処理液および/または処理液蒸気の
除去が不十分となり、前述したように、前記シリンダー
の再生樹脂吐出口(ダイ)から放出される再生樹脂が発
泡状態となり、ストランドが引けなくなる恐れがあるな
ど好ましくない。なお、前記高圧の処理液および/また
は高温・高圧の処理液蒸気の供給量が前記好ましい範囲
より少ないと、前記接触ゾーンでの発泡ポリウレタンの
分解反応率が低下する傾向がみられ、また、前記好まし
い範囲より多くなると、脱揮ゾーンでの発泡ポリウレタ
ン付樹脂からの処理液および/または処理液蒸気の除去
が十分行われないことがある。本発明の方法では、前述
の如く、前記高圧の処理液および/または高温・高圧の
処理液蒸気の注入口から高圧の処理液および/または高
温・高圧の処理液蒸気を注入することができるが、前記
接触ゾーンでの発泡ポリウレタンを含む樹脂と高温・高
圧の処理液および/または処理液蒸気との接触効率を高
めるためには、前記注入口から高圧の処理液を注入し、
前記接触ゾーン内で処理液の蒸気を発生せしめることに
より、前記接触ゾーン内に、処理液蒸気/処理液−溶融
樹脂系の気液共存状態を創出する方が好ましい。
【0042】なお、本発明では、前述した高圧の処理液
および/または高温・高圧の処理液蒸気の注入口に配管
を接続し、該配管の上流端に、定量ポンプなど、前記高
圧の処理液および/または高温・高圧の処理液蒸気を定
量的に供給する装置を設けることにより、前記高圧の処
理液および/または高温・高圧の処理液蒸気を、前記接
触ゾーン内に、上述した適正量で定量フィードできるの
である。
【0043】押出機のスクリュー回転数は、発泡ポリウ
レタン付樹脂の処理量や前記接触ゾーンでの溶融樹脂の
表面更新機能、すなわち、前記接触ゾーンでの溶融樹脂
中に含まれる発泡ポリウレタンの分解反応に影響を与え
る。本発明の方法では、55mmφのシリンダー径の押
出機を使用する場合、スクリュー回転数を100〜40
0rpm程度にするのが好ましい。スクリュー回転数が
100rpmより少ない場合は、前記接触ゾーンでの発
泡ポリウレタンと基材樹脂との混練が不十分となり、樹
脂内部の発泡ポリウレタンが処理液および/または処理
液蒸気の介在表面へ露出したり、あるいは、処理液およ
び/または処理液蒸気が樹脂内部へ浸透して、樹脂内部
の発泡ポリウレタンと接触したりする機会が少なくな
り、いわゆる溶融樹脂の表面更新機能が低下し、発泡ポ
リウレタン分解反応率が低くなるので好ましくない。ス
クリュー回転数が400rpmより多くなると、スクリ
ューの回転駆動による溶融樹脂の送出力が大きくなり、
前記接触ゾーンでの前記高圧の処理液および/または高
温・高圧の処理液蒸気の供給量に対する発泡ポリウレタ
ン付樹脂の搬送量が増大し、該発泡ポリウレタン付樹脂
の前記接触ゾーンでの滞留時間が短くなるとともに、樹
脂シール部での溶融樹脂の充満域が短くなり、溶融樹脂
によるシールが弱くなるので発泡ポリウレタンの分解反
応率が低下する一方、基材樹脂の温度が高くなり、基材
樹脂の劣化が起こるので好ましくない。スクリュー回転
数の制御は、公知の方法で行うことができ、例えば駆動
装置として可変速モーターを使用する方法などが好適に
採用できる。
【0044】ところで、本発明の方法では、再生された
材料の品質を安定させるためには、前記シリンダー内
の、前記シリンダーと前記スクリューとで構成される空
間部に存在する発泡ポリウレタンを含む樹脂の温度条件
を一定に保つ必要がある。つまり、スタート時の昇温や
処理すべき発泡ポリウレタン付樹脂の種類によって異な
る設定温度の調整には、加熱機構が必要である一方、溶
融樹脂と前記シリンダーとの摩擦力で大きな摩擦熱が発
生し、温度が上昇することに対しては、冷却機構が必要
であるなど、前記シリンダーに対しては、前記スクリュ
ーの長さに応じ、幾つかの区間に分けて加熱、冷却など
の温度制御を行うことが必要である。そこで、本発明に
おいて使用される押出機は、前記シリンダーにブロック
方式を採用し、各ブロック単位で前記シリンダーの外周
囲に、前記シリンダーを外側から加熱または冷却する伝
熱装置を備えていることが望ましい。このような伝熱装
置としては、シリンダー外周に巻き付けた電気ヒーター
やジャケット構造など公知の装置を使用することがで
き、シリンダーの各ブロック毎に、所望に応じて、スチ
ームなどの加熱媒体、あるいは、冷却水などの冷却媒体
を該伝熱装置に流せばよい。
【0045】以上、述べたように、本発明の方法におい
て使用される押出機、特に好適に使用される噛合い型同
方向(または異方向)回転の2軸スクリュー型押出機
は、セルフクリーニング性が優れ、温度制御が正確であ
り、また、溶融樹脂の表面更新機能や脱揮能力にも優れ
ている機械装置であるとともに、(1)発泡ポリウレタ
ン付樹脂の処理量、スクリュー構成、スクリュー回転数
などの調整により、前記押出機内に溶融樹脂が滞留する
時間を容易に制御することができること、(2)スクリ
ューがセグメント方式であり、かつ、シリンダーがブロ
ック方式であるため、目的に応じて、脱揮ゾーンを付設
したり、あるいは、削除したりするなどのスクリュー構
成の変更や、混練部の軸方向長さの変更が簡単であるこ
と、(3)圧力調整機構が設けられた場合は、取付けら
れた圧力調整弁の設定圧力の変更により、処理すべき発
泡ポリウレタン付樹脂の種類に応じて発泡ポリウレタン
の分解反応に適した条件(圧力および温度)に容易に保
持することができること、など、処理条件にかなりの自
由度を持つ、生産プロセスの柔軟性に富んだ機械装置で
もある。
【0046】なお、本発明においては、前述したよう
に、押出機の処理液蒸気の排出孔に接続された配管を通
して、あるいはまた、押出機の圧力調整機構を構成する
圧力調整弁を通して、排ガスが押出機系外へ排出され
る。この排ガスは、主として、押出機の接触ゾーンでの
発泡ポリウレタン付樹脂と処理液および/または処理液
蒸気との接触に基づく発泡ポリウレタンの分解生成物と
前記処理液蒸気とを含むものである。そして、該発泡ポ
リウレタンの分解生成物としては、ウレタン結合の切断
に伴うポリイソシアネートなどのイソシアネート基を有
する化合物およびポリエーテルなどの水酸基を有するア
ルコールなどが含まれている。したがって、この排ガス
を、例えば、蒸留装置で蒸留処理するなどして、分離さ
れる低沸点化合物や高沸点化合物を無公害化処理する一
方、水および/またはアルコールを回収し、前記発泡ポ
リウレタン付樹脂の分解処理のための処理液として循環
使用することが好ましい。
【0047】また、本発明の方法においては、再生品に
対する要求品質が厳しい場合には、押出機内の混練過程
で衝撃改質材や相溶化剤などを添加したり、再生ペレッ
トを再度押出機の発泡ポリウレタン付樹脂供給口に供給
し、該押出機に通したり、必要に応じて該押出機の再生
樹脂吐出口(ダイ)に、完全に分解されなかった発泡ポ
リウレタン片を連続的に除去するための自動逆洗フィル
ターを取付けたりすることにより、再生品の品質をさら
にバージン材に近づけることができることはいうまでも
ない。
【0048】そこで、本発明の方法を、添付図面を参照
しながら以下に詳細に説明する。図1は、本発明の方法
の一実施例を示す概略フロー図である。図1において、
1はタンク、2は定量ポンプ、3は圧力調整弁、4は2
軸スクリュー型押出機、41はシリンダー、42はスク
リュー、43はシリンダー41に取付けられた発泡ポリ
ウレタン付樹脂供給口、44はシリンダー41に取付け
られた再生樹脂吐出口、45はシリンダー41に取付け
られた高圧の処理液および/または高温・高圧の処理液
蒸気注入口、46はシリンダー41に取付けられた処理
液蒸気排出孔、47はシリンダー41に取付けられた排
気口、そして48は伝熱装置である。
【0049】2軸スクリュー型押出機4のシリンダー4
1内にはスクリュー42が配置されており、該スクリュ
ー42は、その一端にて図1に示されていない駆動装置
により、回転駆動されるようになっている。シリンダー
41の前記駆動装置側には発泡ポリウレタン付樹脂供給
口43が設けられるとともに、シリンダー41の他端に
は再生樹脂吐出口44が設けられており、発泡ポリウレ
タン付樹脂供給口43に発泡ポリウレタン付樹脂が供給
されると、樹脂はスクリューの回転とともに再生樹脂吐
出口44側へ運ばれる。シリンダー41の外周には伝熱
装置48が付設され、シリンダー41が加熱または冷却
されているので、発泡ポリウレタン付樹脂は、シリンダ
ー41内のシリンダー41とスクリュー42とで構成さ
れる空間部420内を進行する間に、溶融されて適温に
維持される。
【0050】スクリュー42は、固体輸送ゾーン42
1、溶融ゾーン422および溶融体輸送ゾーン423で
構成されており、溶融体輸送ゾーン423は、さらに接
触ゾーン424、脱揮ゾーン425および昇圧ゾーン4
26で構成されており、そして、接触ゾーン424の少
なくとも一部分は表面更新部427となっている。図1
に示されていない粉砕装置で適度の粒径に破砕され、発
泡ポリウレタン付樹脂供給口43に供給された発泡ポリ
ウレタン付樹脂の破砕品は、溶融ゾーン422内で、こ
れもやはり図1に示されていない混練エレメント(ニー
ディングディスク)で加熱溶融されて可塑化し、溶融体
輸送ゾーン423の最上流部である接触ゾーン424へ
送出される。
【0051】シリンダー41の接触ゾーン424の上流
端部近くに位置する部位には、高圧の処理液および/ま
たは高温・高圧の処理液蒸気注入口45が設けられ、こ
れは、定量ポンプ2を介してタンク1と配管で接続され
ている。タンク1には、発泡ポリウレタン付樹脂の処理
液としての水および/またはアルコールが供給され充填
される。そして、前記発泡ポリウレタン付樹脂の前記処
理液および/または処理液蒸気との接触処理に際し、ア
ルカリ触媒を使用する場合は、タンク1には、前記処理
液が供給されるとともに、所定量のアルカリ触媒が供給
され、そして両者が攪拌・混合されることによって、所
定濃度のアルカリ触媒含有処理液が充填されている。な
お、常温で固体であるアルコールが供給される場合に
は、該アルコールは、アルカリ触媒の添加に先立ち、タ
ンク1に設けられた適当な加熱装置(図1に示されてい
ない)によって加熱されて液体状態とされている。適量
の処理液、すなわち水および/またはアルコールがタン
ク1から配管を通って定量ポンプ2に入り、定量ポンプ
2で所定の圧力まで昇圧され、再び配管を通って高圧の
処理液および/または高温・高圧の処理液蒸気注入口4
5に供給される。そして、高圧の処理液および/または
高温・高圧の処理液蒸気注入口45から接触ゾーン42
4にフィードされた水および/またはアルコールは、同
じく接触ゾーン424に送出された発泡ポリウレタンを
含む溶融樹脂と接触し、高温の溶融樹脂によって加熱さ
れるとともに、その一部もしくは全量が蒸発して水およ
び/またはアルコールの蒸気が発生する。それと同時
に、この接触によって、発泡ポリウレタンの分解反応が
進行し、発泡ポリウレタンは低分子量化して所望なレベ
ルにまで微細化する。
【0052】シリンダー41の接触ゾーン424の終端
部近くに位置する部位には、高圧の処理液および/また
は高温・高圧の処理液蒸気注入口45から接触ゾーン4
24にフィードされた処理液の蒸発により発生した処理
液蒸気、つまり水蒸気および/またはアルコール蒸気を
排出する処理液蒸気排出孔46が設けられており、それ
に接続された配管内には圧力調整弁3が備えられてい
る。そして、前記空間部420のうち、溶融ゾーン42
2の終端部近くから、高圧の処理液および/または高温
・高圧の処理液蒸気注入口45の上流側であって、か
つ、接触ゾーン424の上流端部近くである位置にかけ
ての部位と、処理液蒸気排出孔46の下流側であって、
かつ、接触ゾーン424の終端部近くである位置から脱
揮ゾーン425の上流端部近くにかけての部位とには、
それぞれ混練エレメント(図1には示されていない)を
設けることによって、接触ゾーン424にフィードされ
た処理液に基づく高温・高圧の処理液および/または処
理液蒸気のシールが可能となるよう溶融樹脂の充満域
(シール部)428および429が形成される。
【0053】これによって、接触ゾーン424内に、高
圧の処理液および/または高温・高圧の処理液蒸気注入
口45から接触ゾーン424内にフィードされた処理液
の蒸発に基づく蒸気圧保持領域430が確保される。そ
のために、接触ゾーン424内には、該接触ゾーン42
4内に設けられた混練を主体とした働きをするスクリュ
ーによって樹脂の内部に存在する発泡ポリウレタンを積
極的に表面(処理液蒸気層と樹脂層との境界面)に露出
させる一方、処理液および/または処理液蒸気を溶融樹
脂内に積極的に浸透させて樹脂内部に存在する発泡ポリ
ウレタンとの接触機会を多くするような表面更新部42
7が発現する。
【0054】そして、蒸気圧保持領域430を接触ゾー
ン424内に確保することによって、圧力調整弁3を発
泡ポリウレタンの分解反応に適した温度での処理液の飽
和蒸気圧に相当する圧力に設定すれば、蒸気圧保持領域
430が飽和蒸気状態に維持され、温度も、この飽和蒸
気圧に相当する温度に自ら維持され、接触ゾーン424
の高温・高圧状態は、発泡ポリウレタンの分解反応に最
適な一定の温度・圧力条件下に保たれるのである。
【0055】以上のようにして、所望なレベルまで微細
化された発泡ポリウレタンを含む溶融樹脂は、次の脱揮
ゾーン425へ運ばれる。この脱揮ゾーン425に位置
するシリンダー41には排気口47が取付けられてお
り、該排気口47は、さらに、それに接続された配管を
通して図1に示されていない真空装置に連結されてい
る。脱揮ゾーン425へ送出された前記溶融樹脂は、後
記する再生樹脂吐出口44からの放出の際の発泡の原因
となる処理液蒸気および/または処理液を含んでおり、
前記真空装置によって減圧されることにより、前記溶融
樹脂が膨張し、含有する水やアルコールなどの揮発分が
前記排気口47より前記真空装置側へ放出されるのであ
る。
【0056】脱揮ゾーン425で脱揮された溶融樹脂
は、2軸スクリュー型押出機4のスクリュー構成の最終
段階である昇圧ゾーン426へ送出される。この昇圧ゾ
ーン426の終端部に位置するシリンダー41には再生
樹脂吐出口44が取付けられており、そして、この再生
樹脂吐出口44にはダイスノズル部(図1には示されて
いない)が設けられている。昇圧ゾーン426へ送出さ
れた溶融樹脂は、加圧圧縮され、そして、前記ダイスノ
ズル部の抵抗に打ち勝って前記ダイスノズル部のノズル
穴(これも図1には示されていない)を通過できるだけ
の十分な圧力が与えられ、該ノズル穴より押出され、再
生樹脂吐出口44よりストランド状で放出される。
【0057】なお、接触ゾーン424を通過し、所望な
レベルにまで微細化された発泡ポリウレタンは、スクリ
ュー42の回転駆動によって脱揮ゾーン425および昇
圧ゾーン426を前進する間に、溶融樹脂内に混練・包
含される。そして、これによって再生材として利用可能
なレベルまで微細化された発泡ポリウレタンが基材樹脂
内に均一微細分散された再生樹脂が、前記再生樹脂吐出
口44よりストランド状で放出されるのである。
【0058】そして、再生樹脂吐出口44からストラン
ド状で放出された前記再生樹脂は、水冷水槽(図1に示
されていない)にて冷却固化された後、これもやはり図
1には示されていないペレタイザーにて切断されてペレ
ット化される。
【0059】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明の方
法をさらに詳しく説明するが、本発明の方法は、これら
によって何ら限定されるものではない。
【0060】以下の実施例および比較例では、原料とし
て発泡ポリウレタンを含まない材料(多層成形前のイン
パネ成形品粉砕物)を使用した場合(比較例1)に得ら
れるペレットの表面平滑性の測定結果をブランクとし、
各実施例および比較例(比較例1を除く)において得ら
れるペレットの表面平滑性の測定結果を、前記ブランク
と相対比較した。すなわち、ブランクの測定結果を
『○』とした場合における各実施例および比較例(比較
例1を除く)の測定結果を該ブランクと比較して、
『○』、『△』および『×』の3段階で表わした。ま
た、機械的物性値として脆化温度をASTM D746
−79に従って測定した。
【0061】実施例1 図1に示すシリンダー構成およびスクリュー構成を持つ
シリンダー内径(D)が55mmφ、軸間距離が46.
0mm、かつ、スクリュー長さが60Dの同方向回転2
軸スクリュー型押出機4を用い、該押出機4の発泡ポリ
ウレタン付樹脂供給口43より原料(エチレン−プロピ
レンラバーを含むプロピレン製インパネ廃材の破砕品、
発泡ポリウレタン付、平均粒径:8mm)を24kg/
Hの割合で供給した。そして、高圧の処理液および/ま
たは高温・高圧の処理液蒸気注入口45から水を9.6
kg/Hの割合(したがって、原料に対する水の供給
量:40重量%)で供給し、シリンダー設定温度を、シ
リンダー41内の溶融ゾーン422、接触ゾーン42
4、脱揮ゾーン425および昇圧ゾーン426の各ゾー
ンとも220℃とするとともに、圧力調整弁3を調整し
て、内部気相圧力を20〜23kg/cm2 Gに保っ
た。スクリュー42の回転数を300rpmとして前記
2軸スクリュー型押出機4を運転した時、前記原料のシ
リンダー41内平均滞留時間は、約450秒であり、先
端の再生樹脂吐出口44のノズル部からストランドが得
られた。このストランドを水冷水槽で冷却し、ペレタイ
ザーで切断して得られたペレットを乾燥し、該ペレット
の表面平滑性と機械的物性値(脆化温度)を測定した。
表面平滑性および機械的物性値の測定結果を表1に示
す。
【0062】実施例2〜4 高圧の処理液および/または高温・高圧の処理液蒸気注
入口45からの水の供給割合を9.6kg/Hに変え
て、実施例2においては7.2kg/H(したがって、
原料に対する水の供給量:30重量%)、実施例3にお
いては2.4kg/H(したがって、原料に対する水の
供給量:10重量%)、そして実施例4においては1.
2kg/H(したがって、原料に対する水の供給量:5
重量%)としたこと以外は、実施例1と同様の方法でそ
れぞれ乾燥ペレットを製造し、これらペレットの表面平
滑性と機械的物性値(脆化温度)を測定した。表面平滑
性および機械的物性値の測定結果を表1に示す。
【0063】比較例1 ブランク試験として、実施例1における原料のエチレン
−プロピレンラバーを含むポリプロピレン製インパネ廃
材の破砕品(発泡ポリウレタン付、平均粒径:8mm)
を、発泡ポリウレタンを含まない材料(多層成形前のイ
ンパネ成形品を破砕したもの、平均粒径:8mm)に変
えたこと以外は、実施例1と同様の方法で乾燥ペレット
を製造し、該ペレットの表面平滑性と機械的物性値(脆
化温度)を測定した。表面平滑性および機械的物性値の
測定結果を表1に示す。
【0064】比較例2 高圧の処理液および/または高温・高圧の処理液蒸気注
入口45からの水の供給割合を9.6kg/Hに変え
て、0.24kg/H(したがって、原料に対する水の
供給量:1重量%)としたこと以外は、実施例1と同様
の方法で乾燥ペレットを製造し、該ペレットの表面平滑
性と機械的物性値(脆化温度)を測定した。表面平滑性
および機械的物性値の測定結果を表1に示す。
【0065】実施例5 シリンダー設定温度を、シリンダー41内の溶融ゾーン
422、接触ゾーン424、脱揮ゾーン425および昇
圧ゾーン426の各ゾーンとも220℃に変えて250
℃としたこと、および、圧力調整弁3を調整して、内部
気相圧力を20〜23kg/cm2 Gに変えて38〜4
0kg/cm2 Gに保持したこと以外は、実施例2と同
様の方法で乾燥ペレットを製造し、該ペレットの表面平
滑性と機械的物性値(脆化温度)を測定した。表面平滑
性および機械的物性値の測定結果を表1に示す。
【0066】実施例6 シリンダー設定温度を、シリンダー41内の溶融ゾーン
422、接触ゾーン424、脱揮ゾーン425および昇
圧ゾーン426の各ゾーンとも220℃に変えて200
℃としたこと、および、圧力調整弁3を調整して、内部
気相圧力を20〜23kg/cm2 Gに変えて14〜1
6kg/cm2 Gに保持したこと以外は、実施例2と同
様の方法で乾燥ペレットを製造し、該ペレットの表面平
滑性と機械的物性値(脆化温度)を測定した。表面平滑
性および機械的物性値の測定結果を表1に示す。
【0067】実施例7 シリンダー設定温度を、シリンダー41内の溶融ゾーン
422、接触ゾーン424、脱揮ゾーン425および昇
圧ゾーン426の各ゾーンとも220℃に変えて180
℃としたこと、および、圧力調整弁3を調整して、内部
気相圧力を20〜23kg/cm2 Gに変えて8〜10
kg/cm2 Gに保持したこと以外は、実施例2と同様
の方法で乾燥ペレットを製造し、該ペレットの表面平滑
性と機械的物性値(脆化温度)を測定した。表面平滑性
および機械的物性値の測定結果を表1に示す。
【0068】比較例3 シリンダー設定温度を、シリンダー41内の溶融ゾーン
422、接触ゾーン424、脱揮ゾーン425および昇
圧ゾーン426の各ゾーンとも220℃に変えて170
℃としたこと、および、圧力調整弁3を調整して、内部
気相圧力を20〜23kg/cm2 Gに変えて6〜8k
g/cm2 Gに保持したこと以外は、実施例2と同様の
方法で乾燥ペレットを製造し、該ペレットの表面平滑性
と機械的物性値(脆化温度)を測定した。表面平滑性お
よび機械的物性値の測定結果を表1に示す。
【0069】実施例8 高圧の処理液および/または高温・高圧の処理液蒸気注
入口45から、水7.2kg/Hに変えて、あらかじめ
0.33重量%の濃度に調整された水酸化ナトリウム水
溶液を7.2kg/Hの割合(したがって、原料に対す
る水の供給量:30重量%、また、原料に対する水酸化
ナトリウムの添加量:0.1重量%)で供給したこと以
外は、実施例2と同様の方法で乾燥ペレットを製造し、
該ペレットの表面平滑性と機械的物性値(脆化温度)を
測定した。表面平滑性および機械的物性値の測定結果を
表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】実施例9 高圧の処理液および/または高温・高圧の処理液蒸気注
入口45から、水9.6kg/Hに変えて、ベンジルア
ルコールを9.6kg/Hの割合(したがって、原料に
対するベンジルアルコールの供給量:40重量%)で供
給したこと、および、圧力調整弁3を調整して、内部気
相圧力を20〜23kg/cm2 Gに変えて1〜3kg
/cm2 Gに保持したこと以外は、実施例1と同様の方
法で乾燥ペレットを製造し、該ペレットの表面平滑性と
機械的物性値(脆化温度)を測定した。表面平滑性およ
び機械的物性値の測定結果を表2に示す。
【0072】実施例10〜12 高圧の処理液および/または高温・高圧の処理液蒸気注
入口45からのベンジルアルコールの供給割合を9.6
kg/Hに変えて、実施例10においては7.2kg/
H(したがって、原料に対するベンジルアルコールの供
給量:30重量%)、実施例11においては2.4kg
/H(したがって、原料に対するベンジルアルコールの
供給量:10重量%)、そして実施例12においては
1.2kg/H(したがって、原料に対するベンジルア
ルコールの供給量:5重量%)としたこと以外は、実施
例9と同様の方法でそれぞれ乾燥ペレットを製造し、こ
れらペレットの表面平滑性と機械的物性値(脆化温度)
を測定した。表面平滑性および機械的物性値の測定結果
を表2に示す。
【0073】比較例4 高圧の処理液および/または高温・高圧の処理液蒸気注
入口45からのベンジルアルコールの供給割合を9.6
kg/Hに変えて、0.24kg/H(したがって、原
料に対するベンジルアルコールの供給量:1重量%)と
したこと以外は、実施例9と同様の方法で乾燥ペレット
を製造し、該ペレットの表面平滑性と機械的物性値(脆
化温度)を測定した。表面平滑性および機械的物性値の
測定結果を表2に示す。
【0074】実施例13〜15 シリンダー設定温度を、シリンダー41内の溶融ゾーン
422、接触ゾーン424、脱揮ゾーン425および昇
圧ゾーン426の各ゾーンとも、実施例10の220℃
に変えて、実施例13、実施例14および実施例15に
おいて、それぞれ250℃、180℃および170℃と
したこと以外は、実施例10と同様の方法でそれぞれ乾
燥ペレットを製造し、これらペレットの表面平滑性と機
械的物性値(脆化温度)を測定した。表面平滑性および
機械的物性値の測定結果を表2に示す。
【0075】実施例16 処理液蒸気の排出ラインにおいて、圧力調整弁3に代え
て止弁を取付けたこと以外は、実施例9と同様の方法で
乾燥ペレットを製造し、該ペレットの表面平滑性と機械
的物性値(脆化温度)を測定した。押出機4の運転開始
直後は、内部気相圧力が1〜3kg/cm2 Gとなるよ
う止弁の開度の調整を頻繁に行ったが、定常状態に達し
た後は、止弁の開度の調整は必要なく、押出機4の安定
した運転を実施することができ、前記ペレットの表面平
滑性や機械的物性値(脆化温度)の測定結果にもバラツ
キは見られなかった。表面平滑性および機械的物性値の
測定結果を表2に示す。
【0076】
【表2】
【0077】実施例17 高圧の処理液および/または高温・高圧の処理液蒸気注
入口45から、水9.6kg/Hに変えて、シクロヘキ
サノールを7.2kg/Hの割合(したがって、原料に
対するシクロヘキサノールの供給量:30重量%)で供
給したこと、および、圧力調整弁3を調整して、内部気
相圧力を20〜23kg/cm2 Gに変えて2〜4kg
/cm2 Gに保持したこと以外は、実施例1と同様の方
法で乾燥ペレットを製造し、該ペレットの表面平滑性と
機械的物性値(脆化温度)を測定した。表面平滑性およ
び機械的物性値の測定結果を表3に示す。
【0078】実施例18 シリンダー設定温度を、シリンダー41内の溶融ゾーン
422、接触ゾーン424、脱揮ゾーン425および昇
圧ゾーン426の各ゾーンとも220℃に変えて180
℃としたこと、および、圧力調整弁3を調整して、内部
気相圧力を2〜4kg/cm2 Gに変えて0〜1kg/
cm2 Gに保持したこと以外は、実施例17と同様の方
法で乾燥ペレットを製造し、該ペレットの表面平滑性と
機械的物性値(脆化温度)を測定した。表面平滑性およ
び機械的物性値の測定結果を表3に示す。
【0079】実施例19 高圧の処理液および/または高温・高圧の処理液蒸気注
入口45から、水9.6kg/Hに変えて、1−ヘプタ
ノールを7.2kg/Hの割合(したがって、原料に対
する1−ヘプタノールの供給量:30重量%)で供給し
たこと、および、圧力調整弁3を調整して、内部気相圧
力を20〜23kg/cm2 Gに変えて1〜3kg/c
2 Gに保持したこと以外は、実施例1と同様の方法で
乾燥ペレットを製造し、該ペレットの表面平滑性と機械
的物性値(脆化温度)を測定した。表面平滑性および機
械的物性値の測定結果を表3に示す。
【0080】実施例20 シリンダー設定温度を、シリンダー41内の溶融ゾーン
422、接触ゾーン424、脱揮ゾーン425および昇
圧ゾーン426の各ゾーンとも220℃に変えて180
℃としたこと、および、圧力調整弁3を調整して、内部
気相圧力を1〜3kg/cm2 Gに変えて0〜1kg/
cm2 Gに保持したこと以外は、実施例19と同様の方
法で乾燥ペレットを製造し、該ペレットの表面平滑性と
機械的物性値(脆化温度)を測定した。表面平滑性およ
び機械的物性値の測定結果を表3に示す。
【0081】実施例21 高圧の処理液および/または高温・高圧の処理液蒸気注
入口45から、水9.6kg/Hに変えて、1−ヘキサ
ノールを7.2kg/Hの割合(したがって、原料に対
する1−ヘキサノールの供給量:30重量%)で供給し
たこと、および、圧力調整弁3を調整して、内部気相圧
力を20〜23kg/cm2 Gに変えて3〜5kg/c
2 Gに保持したこと以外は、実施例1と同様の方法で
乾燥ペレットを製造し、該ペレットの表面平滑性と機械
的物性値(脆化温度)を測定した。表面平滑性および機
械的物性値の測定結果を表3に示す。
【0082】実施例22 シリンダー設定温度を、シリンダー41内の溶融ゾーン
422、接触ゾーン424、脱揮ゾーン425および昇
圧ゾーン426の各ゾーンとも220℃に変えて180
℃としたこと、および、圧力調整弁3を調整して、内部
気相圧力を3〜5kg/cm2 Gに変えて0.5〜1.
5kg/cm2 Gに保持したこと以外は、実施例21と
同様の方法で乾燥ペレットを製造し、該ペレットの表面
平滑性と機械的物性値(脆化温度)を測定した。表面平
滑性および機械的物性値の測定結果を表3に示す。
【0083】実施例23 高圧の処理液および/または高温・高圧の処理液蒸気注
入口45から、水9.6kg/Hに変えて、n−ブチル
アルコールを7.2kg/Hの割合(したがって、原料
に対するn−ブチルアルコールの供給量:30重量%)
で供給したこと、および、圧力調整弁3を調整して、内
部気相圧力を20〜23kg/cm2 Gに変えて13〜
15kg/cm2 Gに保持したこと以外は、実施例1と
同様の方法で乾燥ペレットを製造し、該ペレットの表面
平滑性と機械的物性値(脆化温度)を測定した。表面平
滑性および機械的物性値の測定結果を表3に示す。
【0084】実施例24 シリンダー設定温度を、シリンダー41内の溶融ゾーン
422、接触ゾーン424、脱揮ゾーン425および昇
圧ゾーン426の各ゾーンとも220℃に変えて180
℃としたこと、および、圧力調整弁3を調整して、内部
気相圧力を13〜15kg/cm2 Gに変えて4〜6k
g/cm2 Gに保持したこと以外は、実施例23と同様
の方法で乾燥ペレットを製造し、該ペレットの表面平滑
性と機械的物性値(脆化温度)を測定した。表面平滑性
および機械的物性値の測定結果を表3に示す。
【0085】
【表3】
【0086】実施例25 高圧の処理液および/または高温・高圧の処理液蒸気注
入口45から、水9.6kg/Hに変えて、n−プロピ
ルアルコールを7.2kg/Hの割合(したがって、原
料に対するn−プロピルアルコールの供給量:30重量
%)で供給したこと、および、圧力調整弁3を調整し
て、内部気相圧力を20〜23kg/cm 2 Gに変えて
23〜25kg/cm2 Gに保持したこと以外は、実施
例1と同様の方法で乾燥ペレットを製造し、該ペレット
の表面平滑性と機械的物性値(脆化温度)を測定した。
表面平滑性および機械的物性値の測定結果を表4に示
す。
【0087】実施例26 シリンダー設定温度を、シリンダー41内の溶融ゾーン
422、接触ゾーン424、脱揮ゾーン425および昇
圧ゾーン426の各ゾーンとも220℃に変えて180
℃としたこと、および、圧力調整弁3を調整して、内部
気相圧力を23〜25kg/cm2 Gに変えて9〜11
kg/cm2 Gに保持したこと以外は、実施例25と同
様の方法で乾燥ペレットを製造し、該ペレットの表面平
滑性と機械的物性値(脆化温度)を測定した。表面平滑
性および機械的物性値の測定結果を表4に示す。
【0088】実施例27 高圧の処理液および/または高温・高圧の処理液蒸気注
入口45から、実施例7における7.2kg/Hの割合
での水の供給に変えて、エチルアルコールを7.2kg
/Hの割合(したがって、原料に対するエチルアルコー
ルの供給量:30重量%)で供給したこと、および、圧
力調整弁3を調整して、内部気相圧力を実施例7の8〜
10kg/cm2 Gに変えて19〜21kg/cm2
に保持したこと以外は、実施例7と同様の方法で乾燥ペ
レットを製造し、該ペレットの表面平滑性と機械的物性
値(脆化温度)を測定した。表面平滑性および機械的物
性値の測定結果を表4に示す。
【0089】実施例28 高圧の処理液および/または高温・高圧の処理液蒸気注
入口45から、実施例7における7.2kg/Hの割合
での水の供給に変えて、メチルアルコールを7.2kg
/Hの割合(したがって、原料に対するメチルアルコー
ルの供給量:30重量%)で供給したこと、および、圧
力調整弁3を調整して、内部気相圧力を実施例7の8〜
10kg/cm2 Gに変えて25〜27kg/cm2
に保持したこと以外は、実施例7と同様の方法で乾燥ペ
レットを製造し、該ペレットの表面平滑性と機械的物性
値(脆化温度)を測定した。表面平滑性および機械的物
性値の測定結果を表4に示す。
【0090】実施例29 高圧の処理液および/または高温・高圧の処理液蒸気注
入口45から、水9.6kg/Hに変えて、エチルアル
コールと水の重量比が1:1の溶液を7.2kg/Hの
割合(したがって、原料に対するエチルアルコールと水
との混合溶液の供給量:30重量%)で供給したこと、
シリンダー設定温度を、シリンダー41内の溶融ゾーン
422、接触ゾーン424、脱揮ゾーン425および昇
圧ゾーン426の各ゾーンとも220℃に変えて200
℃としたこと、および、圧力調整弁3を調整して、内部
気相圧力を20〜23kg/cm2 Gに変えて18〜2
0kg/cm2 Gに保持したこと以外は、実施例1と同
様の方法で乾燥ペレットを製造し、該ペレットの表面平
滑性と機械的物性値(脆化温度)を測定した。表面平滑
性および機械的物性値の測定結果を表4に示す。
【0091】実施例30 高圧の処理液および/または高温・高圧の処理液蒸気注
入口45から、水9.6kg/Hに変えて、メチルアル
コールと水の重量比が1:1の溶液を7.2kg/Hの
割合(したがって、原料に対するメチルアルコールと水
との混合溶液の供給量:30重量%)で供給したこと、
シリンダー設定温度を、シリンダー41内の溶融ゾーン
422、接触ゾーン424、脱揮ゾーン425および昇
圧ゾーン426の各ゾーンとも220℃に変えて200
℃としたこと、および、圧力調整弁3を調整して、内部
気相圧力を20〜23kg/cm2 Gに変えて23〜2
5kg/cm2 Gに保持したこと以外は、実施例1と同
様の方法で乾燥ペレットを製造し、該ペレットの表面平
滑性と機械的物性値(脆化温度)を測定した。表面平滑
性および機械的物性値の測定結果を表4に示す。
【0092】
【表4】
【0093】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の発泡ポリ
ウレタン付樹脂再生方法においては、圧力調整機構を備
えているかまたは備えていない押出機、特に2軸スクリ
ュー型押出機中で、溶融した発泡ポリウレタン付樹脂と
高温・高圧の処理液および/または処理液蒸気とを、一
定の温度・圧力条件下に接触させ、発泡ポリウレタンを
分解・微細化して樹脂中に均一微細分散させて押出機か
ら押出しているので、発泡ポリウレタンが貼り合わされ
た樹脂から発泡ポリウレタンを剥離除去する従来公知の
発泡ポリウレタン付樹脂の再生処理方法における発泡ポ
リウレタンの基材樹脂からの分離の不十分さや再生材の
生産性の悪さなどの問題点を解決するとともに、処理条
件や処理工程が簡単な方法で連続的、かつ、安定的に発
泡ポリウレタン付樹脂を再生することができる。そし
て、このようにして得られた再生品を用いてインパネを
製造した場合、バージン材に対して外観(表面平滑性)
や物性などの低下は極めて少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る発泡ポリウレタン付樹脂の連続再
生処理法の好適な実施例を示す概略フロー図である。
【符号の説明】
1 タンク 2 定量ポンプ 3 圧力調整弁 4 2軸スクリュー型押出機 41 シリンダー 42 スクリュー 43 発泡ポリウレタン付樹脂供給口 44 再生樹脂吐出口 45 高圧の処理液および/または高温・高圧の処理液
蒸気注入口 46 処理液蒸気排出孔 47 排気口 48 伝熱装置 420 空間部 421 固体輸送ゾーン 422 溶融ゾーン 423 溶融体輸送ゾーン 424 接触ゾーン 425 脱揮ゾーン 426 昇圧ゾーン 427 表面更新部 428 溶融樹脂の充満域 429 溶融樹脂の充満域 430 蒸気圧保持領域

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出機中で、発泡ポリウレタン付樹脂
    を、溶融状態において、高温・高圧の処理液および/ま
    たは処理液蒸気と接触させ、発泡ポリウレタンを溶融樹
    脂中に微細分散させて、前記発泡ポリウレタン付樹脂を
    再生するに際し、 (1)前記処理液として、(a)水および/または親水
    性アルコール、または、(b)炭素数4〜10の脂肪族
    飽和一価アルコール、炭素数5以上の脂環式一価アルコ
    ールまたは炭素数7以上の芳香族一価アルコールからな
    る群から選ばれ、かつ、融点が50℃以下である少なく
    とも1種以上の疎水性アルコールを用いること、 (2)前記高温・高圧の処理液および/または処理液蒸
    気の供給量を、処理されるべき前記発泡ポリウレタン付
    樹脂1kg/H当り、少なくとも0.02kg/H以上
    とすること、および (3)前記処理液として前記(a)の水を用いる場合、
    前記発泡ポリウレタン付樹脂と該処理液との接触処理温
    度を少なくとも180℃以上とすることを特徴とする発
    泡ポリウレタン付樹脂の連続再生処理法。
  2. 【請求項2】 押出機内の前記発泡ポリウレタン付樹脂
    と、前記高温・高圧の処理液および/または処理液蒸気
    との接触ゾーンに、圧力調整機構を設け、前記発泡ポリ
    ウレタンを一定の温度・圧力条件で分解し、溶融樹脂中
    に微細分散させることを特徴とする請求項1記載の発泡
    ポリウレタン付樹脂の連続再生処理法。
  3. 【請求項3】 押出機が、 (a)発泡ポリウレタン付樹脂供給口、 (b)固体輸送ゾーン、 (c)溶融ゾーン、 (d)溶融体輸送ゾーン、および、 (e)再生樹脂吐出口(ダイ)からなり、 シリンダーの(c)溶融ゾーンおよび/または(d)溶
    融体輸送ゾーンとなる個所に少なくとも1つの高圧の処
    理液および/または処理液蒸気の注入口および少なくと
    も1つの排気口(ベント)を設けるとともに、シリンダ
    ーの前記注入口と前記排気口との中間部には、処理液蒸
    気の排出孔とそれに接続された配管とを設けるか、また
    は、処理液蒸気の排出孔とそれに接続された配管と該配
    管内に設けられた圧力調整弁とを備えてなる圧力調整機
    構を設けるかし、かつ、シリンダーの前記注入口の上流
    側(発泡ポリウレタン付樹脂供給口側)となる個所およ
    びシリンダーの前記処理液蒸気の排出孔と前記排気口と
    の間となる個所に、注入して高温・高圧状態となった処
    理液および/または処理液蒸気を封入するための溶融樹
    脂によるシール部を形成し、また、該シール部間には、
    混練を主体とした働きをする形状のスクリューを設けた
    2軸押出機である請求項1または2記載の発泡ポリウレ
    タン付樹脂の連続再生処理法。
  4. 【請求項4】 前記発泡ポリウレタン付樹脂が自動車の
    インスツルメントパネルの破砕品であることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかの項に記載の発泡ポリウレタ
    ン付樹脂の連続再生処理法。
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